労災職業病案内・相談

 当センターでは労災・職業病に関しての相談活動を行なっております。
※①労働者が業務中又は通勤中の災害による怪我や病気によって治療を必要とされる場合には、※②労災保険が適用されます。(療養費や休業補償費などが支払われます。)

 しかし現実的には、申請の手続きが複雑でわからない、医師が診断書を書いてくれない、会社や同僚の証明が得られない、パートだから労災保険はないと言われた、などが理由となって、

申請できずにいる方々が多数いらっしゃいます。

 私たちはそのような方々に手続きのお手伝い、医療機関の紹介、企業との話合い、労災保険の内容の紹介などを通して被災労働者の支援を行っております。

 是非お気軽にご相談してください。(相談料はかかりませんのでご安心ください)。

※①労働者(労働基準法第9条より)

 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。 労働者の最も簡単な解釈が上記に当てはまる方々です。それらの方々はもちろん労災保険がかけられる対象者となります。

 しかし、一見上記に当てはまらないように考えられる一人親方や請負契約で働いている方でも労災保険の対象となる場合があります。是非一度ご相談ください。

※②労災保険

 業務上の事由又は通勤による※③労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。

※③どんな場合が労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に当たるのか

 それぞれの労災・職業病には労災認定基準というものがあります。石綿(アスベスト)による肺がんであれば吸い込んだ年数や肺の傷みの程度、呼吸状態などが関わります。

 腰痛や頸、腕などの障害であれば捻挫のように急性的なものなのか、または使い痛み(長年重量物を扱う作業などをしてきた痛み)なのかを判断し、 急性的なものであればどのような環境で起こったか、日常と違う動作があったかなどが問われます。また使い痛みの場合は重量物の取り扱い頻度や発症前の作業 の状況などが基準の対象となっています。


 一つ一つの事例で非常に複雑な認定基準が存在しますので、以下簡単にではありますが事例をあげておきます。それに当てはまる方や、たとえ当てはまらなくても私もそうではないかと思われる方は是非一度ご相談ください。(相談料はかかりませんのでご安心ください。)

  • 事例①
     保温工、石綿吹付け、配管工など 「石綿肺、続発性気管支炎」と診断され労災認定=療養補償、休業補償 1960年からA石綿(2年)、B工業(7年)、C工業(14年)を経て現在D工業(株)にて就業中。計43年間保温工、石綿吹付作業、配管工などの粉塵作業に従事し2007年6月にE診療所で「続発性気管支炎」と診断された。じん肺管理区分は管理3‐イである。
  • 事例②
     石綿パイプの貨車、トラックへの積込みなど 「腹膜中皮腫」と診断され労災認定=遺族補償年金 1956年1月より1972年7月までの16年6ヶ月間、A運輸(株)に於いて石綿パイプの貨車、トラックへの積込み作業(手積み、フォークリフト)に従事する。1999年4月、じん肺管理区分2の決定を受けた。2003年3月、C病院にて「腹膜中皮腫」と診断され、その後死亡。労災遺族補償年金をご遺族が申請され認定された。
  • 事例③
     隧道工、溶鉱炉作業、鋳型中仕上げ、鋳物切削業 「じん肺症、続発性気管支炎」と診断され労災認定=療養補償、休業補償 1957年10月より1958年11月まで隧道工事、1959年2月から12月まで溶鉱炉作業、1961年から1997年3月までA工場にて鋳型中仕上げ、クレーン運転、鋳物切削作業に従事した。2006年12月、B診療所にて「続発性気管支炎」と診断された。じん肺管理区分は管理3‐イである。
  • 事例④
     看護労働 「腰部捻挫、腰椎椎間板ヘルニア」と診断され労災認定=療養補償、休業補償 2010年1月、午前11:30頃、訪問看護利用者宅にて入浴介助のために後部より利用者を見守りながら風呂場へと向かっていた。その最中に利用者が前部へ転倒しそうになったので、看護労働者は中腰体制で後部から利用者を支えた。そして利用者を立ち上げようとしたとき、腰部に激痛が走り、左大腿~足先にしびれが走った。
  • 事例⑤
     手ブレーキの検査、修繕 「右上腕二頭筋損傷、右上腕骨外上顆炎」と診断され労災認定=療養補償 2009年5月18日、19日と電車の運転室内の手ブレーキ装置の軸箱(約30kg強)を分解、修繕し、車体本体に取り付け、調整を行なったが、正常に動作しない為に何度も車体から取り出し、前後左右へ傾きを調整し、その都度軸箱を出し入れし、動作確認のために手ブレーキハンドルを何度も回したために、右腕を痛めた。尚、30kg強の軸箱を出し入れするには運転室は狭く、腕力のみで出したり、入れたり、持ち上げたりしたので腕、肘に過度の負担がかかった。