第17回 子どもの学びを創る会

日 時 2006年10月15日 10:00〜16:00
場 所 ラポールゆや

テーマ
教師の「子ども見取り力」を鍛える 第2弾
−授業を省察方法と次時への生かし方−

    講師 奈須 正裕先生 (上智大学総合人間科学部教授))

日程
9:30〜       受付
10:00〜      開会のあいさつ(午前の部)

10:15〜10:30 授業説明 単元構成と前時の授業について
10:30〜11:15 提供授業VTR視聴
11:30〜12:10 Q&A,協議
13:10〜      開会のあいさつ
(午後の部)
13:20〜14:45 講演
15:00〜15:45 Q&A
15:45〜16:00 閉会のあいさつ

※一番下に参加者の感想を載せています。

まずはじめに、授業者の授業VTRを視聴しました。
単元は、複式3・4年総合 単元名「守ろう!通(かよい)のいりこ」です。
授業VTRの視聴後、授業者と参加者で見取り方・支援の仕方について提供授業を振り返りました。
「子どもの発言に意図的にどう関わるのか?」「一番学ばせたかった内容は?」といった話題で話し合いが行われました。
途中、講師の奈須先生からもご発言があり、有意義な協議となりました。
奈須先生からは、授業について的確なアドバイスがいただけました。
・迷ったり、分からなくなったら止まる
・世間話や作文、授業の中から子どもの声を拾うことが大事
・授業のラインは単純で明晰な方がいい
・一つの単元が一つの問いで突き抜けられるのがいい
奈須先生のお話に、多くの参加者の方が頷いて納得しておられました。
詳しくは下記を参考にされてください
授業説明
単元構想の変容
Q&A
講演
参加者の感想

子どものことばを「聴く」ことの大切さを学びました。そして,そのためには「教材研究」を土台とした単元への全体への見通しであることも痛感しました。ありがとうございました。(市外K

奈須先生の切れ味鋭いお話を聞きたいと思い参加させていただきました。やはりストレートなお話をたくさんしてくださって,明日から,いえ今日からまた研究をがんばっていこうと元気がわきました。総合において自己評価カード,自己評価で自分の学びや自分と向き合うために,折にふれ子どもに私は書かせまくっています。書くことの必要性について話していただき,“これからも書かせまくろう”と思いました。(いえ,書きたいと子どもが必要感をもってもらえるようにしていこう!)やはり参加させていただいてよかったです。なかなか日程は合わないのですがチャンスがあったら参加します。よろしくお願いします。(市外M

午後からの参加でしたが,すっごくよいお話でした。午前から来たかったなとつくづく思いました。いつも思うのですが,話題(授業)提供される先生やスタッフの細かい心遣いに感心しています。お疲れさまでした。明日から心を入れ替えてがんばります。(市外I

今,総合で地域のよさをたくさんの人に知ってもらおうと!とアピールCMを作っているので,今日の内容はすごく参考になりました。地域のよさは,食べ物などは季節ものなのでタイミングを逃すと直しがききません。そういうときの上手な単元構成やリフォームの仕方が知りたいなと思いました。(市外HT

志の高い教師集団=子どもの学びを創る会という感想をもちました。奈須先生の講演が実現できたのも先生方の熱意が奈須先生に伝わったからだろうと感じています。各先生がたに感謝です。今日心に残ったことは,教師の授業行為がどのような思考がもたらしたのか,内省することの大切です。「流す,止まる」の判断を正しくするには,自分の思考を内省し,失敗だったら思考を代えるようにする。成功(うまくいっていたのなら)していたら,その思考を維持できるように努めるということを忘れず,明日からも子どもたちへの言葉をしっかり聴けるようにしたいです。ありがとうございました。(市内K

授業研究はするけれど,応用のきく,次に生きるものになってないなと常々感じていましたが,一授業でもしっかり細かく分析することで,生きた研修になると感じました。(授業の回数は多くても力になっていない校内研修の多いこと・・・。派手なしかけの授業ではなく,ふだんのこういう授業の研修の方が,教師の思考を振り返るいい勉強になりました。(市外MN

奈須先生のお考えを聞くことができとても嬉しかったです。言葉の端々に奈須先生にお人柄があらわれていたと思います。まずは,止まって考え,自分の思考の思考を考えられようになりたいと思います。原田先生お疲れ様でした。今日はありがとうございました。(市外)

「具体的に」という一言に何もかも含まれていたように思います。
〇単元につらぬかれるねらいを明確に
〇明日から始める日記指導
すぐに始めようと思いました。
最後に奈須先生が子どもたちに顔を見て,今目に前の授業をしっかりやってくださいと言われた時,本当にクラスの子の顔が浮かび,よ〜しやるぞと思いました。ありがとうございました。

総合的な学習の時間は地域に根ざしたものから教材を開発していくという意識をもっていました。今回の会で教材化していく上で,より具体的により細かい部分まで内容を検討していく大切さを感じました。また,子どもの視点に立つという意味も分かり,目からウロコが落ちるようでした。立ち止まり,子どもの思考をきちんと考え。自分が目指したい目標を見据えながら授業ができればと思います。理想が現実に近付けるように,今後も研究を続けていきたいと思います。今日は,ありがとうございました。(市外)

そろそろ新聞をとったり,ニュースをみたりし始めようと考えていましたが,安易にそういうこともしなくてもいいのではないかと今日の話を聞いて思いました。決まってないことをバタバタして対策し始めるのではなく,今出来ることをする,という考え方で私も生きていきたいです。(市外)

実際に授業は数回しか経験したことがなく,今日のご講演は大変勉強になりました。教材研究の仕方について改めて深く考えさせられました。教師のこの授業でのねらいはもちろんですが,予想される子どもの反応を具体的に挙げることがブレのない授業につながり,子どもにとっても教師にとっても充実した授業になるのだと学びました。今日は,ありがとうございました。(市内I)

授業をもとにした具体的な事例で説明していただいたので,よくわかった。自分にもあてはまることがたくさんあって,まずいなあと思う。今まで,授業記録をぼんやりと見ていたが,“立ち止まるところ“ “流すところ”という視点で見るということが心に残った。参加してよかったです。ありがとうございました。(市内K

普段の自分の授業のまずかった部分を自覚していないまま,今まで過してきたことに気付かされました。奈須先生のご助言と原田の授業から得た気付きをもとに,自分のまずさを自覚的にとらえ,そこから何かをすくい上げることができればよいと思って明日からの授業に臨みたいと思います。今日はありがとうございました。(市外A

貴重な授業提案ありがとうございました。丁寧な授業おこしのお陰で自分の実践を振り返ることができました。自分の実践ではねらいの明確化が必要だと思いました。そして,丁寧に子どもに接していければと思います。最後になりましたが,原田先生の子どもと謙虚に向き合う姿勢が何より刺激的で研修になりました。お疲れ様でした。(市外K

授業とは何か,単元とは何かを考えさせられました。当たり前のようだが,そこが大事である。結局は授業で「何を子どもたちに考えさせ,どんなことを子どもに納得させるのか」である。それが,曖昧になればなるほど,授業の小さな状況の中での教師の判断は曖昧に,そして不適切になっていく。そのあたりを奈須先生における授業検討で実感できた。単元で具体的に何に出合わせ,どんなことを考えどういうことがわかっていくか,それをしっかり思考していくことが必要だ。その過程が授業に対する教師の構えをつくる。原田先生が授業記録をしっかりととっていただき,みなさんの前に出していただいたことに深く感謝したいと思います。本当にありがとうございました。(市外)

今日の研修会を本当に楽しみにしてまいりました。このようなすばらしい研修会を開いてくださった皆様に感謝しています。原田先生の授業提供があって,具体的に奈須先生の分析が分かるんですよね。これなしでは今日の学びは半分以下だったと思います。今日のお話で自分の病が分かりました。授業構成も子どもとの話し合いも直感にたよっているということ,分析と見通しが足りないということ・・・。奈須先生のお話を聞くと実践への意欲がわいて来ます。明日からがんばるぞ〜?原田先生,本当にありがとうございました。(M

日頃の授業を考えるよい機会となりました。あいまいさとか子どもの立場で考えることなど,明日からもう一度しっかり考えていこうと思いました。「まよったら止まる」,そして子どもたちと相談する,「指導案は具体的に」が心に残り,生かしていこうと思いました。総合について,書くことについて,いろいろとお話をうかがうことができ,大変勉強になりました。ありがとうございました。(市内S

今までの授業の仕方,授業案の立て方がなんてラフだったのかと思い知らされました。一つの授業を今回のように詳しく分析していくことをした事がなかったので,大変勉強になりました。止まるところ,流すところが分からず,今まで自分の気持ち,子どもの様子にまかせてやったところがありました。しかし,最初にめざすところを具体的にもち,それに向かっているかどうかで進めていかなければならないと思いました。今回,具体的に何事も決めていかなければならない,あいまいはいけないということが分かりました。今回,総合を見せていただき,奈須先生のお話を聞くことができ,これから生かしていきたいと思います。具体的な話で大変分かりやすかったです。(市内O

大変具体的に,教師の指導のあり方(計画から構想,授業,子どもの話の聞き方,つっこみどころ・・・)を語っていただきました。ここ10数年,変だぞと思ってきたことが少し分かりました。子どもの個性として投げ出してきたもの(投げ出されてきたもの)がいかに多いのか・・・。ほめるだけの授業研究がいかに多いか。具体的に思考していくくせをつけなおしたいと思いました。原田先生の取組を参考にさせてもらって総合に取組んでいきます。ありがとうございました。(市内M

子どもを見取るためには,あらかじめ具体的に子どもの視線で学びを想定してみることだと思いました。具体的にみているからこそ,子どもの姿が見え,またそこにズレを感じたら,自分の見方を修正していくチャンスなのだと感じています。生の子どもたちを見せてくださった原田先生,具体的なご指導をくださった奈須先生,そして貴重な機会を与えてくださった子どもの学びを創る会の先生方,本当にありがとうございました。(市外TY

〇 今回,授業記録を提示されて,とても興味がありました。(以前,このような授業記録をもとに教師の“見取り力”や“支援の方向,場”などを授業分析し合う「社会科」でしたが,博多へ数回参加したことがあり・・・)VTRをカットしてももっともっと時間をたっぷりと話し合うことができればと思いました。P1〜10まで十分な資料で,貴重な提案でした。質問するチャンスを失ってしまいましたが,テーマと一次A,そして二次へのリフォームの意図等を参観者が意見交換をすることによって各々の教材観や指導観を磨き合えると思います。ぜひ,今後も(今回P3〜9の授業記録から子どもの学びの変容とか変容しないところとか,教師の子どもの実態把握とかを検討し合うことができなかったけれど)このような資料提供をしてもらう研修会を開いていただきたいと思います。期待しています。

〇 「子どもの学びを創る会」の活動,いいですね。みなさんの教育への情熱が伝わります。(前回,養護の先生の発表を臨採の養護教諭を誘って参加させてもらいました。)

〇 奈須先生の授業についての講師助言はとても端的で,多くのものが感じている不明瞭な部分にきっちりメスが入って分かりやすかった。“授業分析”まさにその通りだと思いました。

〇 原田先生,資料提供ありがとうございました。の学習後の感想一覧,4日が本時?このVTRの日の授業記録ですか?授業記録をとおして奈須先生が理解された“なつみ・穂・優子・大樹”の授業の姿とふりかえりの文から予想される姿があまりにも差があるように思いました。→いわゆる“書くに値する活動”の後や“書くことのみから見取る間違い”という奈須先生の回答でさもありなんと分かった。

〇 奈須先生へのQ&Aから

@振り返り・・・“ことばは思考を支えるものなので,書かせる,書かせたいと思う教師の目ざすものを持つということ”・・・納得!1時間ごとの授業評価を40人近くのクラスを持っていた時に,この振り返り文をひとつの評価の手段にしていた時,語学力の評価になっていないかと迷った時もあったが,結局,奈須先生が言われるように自分では当時考えたことを言ってもらい納得!

A英語活動から今後の動向まで聞けて,公教育について,改めて視野を広げられた1日であった。総合的な学習,生活科,五日制の過去の裏話は面白かった。―教育の原理だけで政策は作られない。―何か不合理? しかし,政策はそういうものというあきらめ,それを現場の力で教育の質を高め授業力,教師力を鍛え,成果をあげなければ・・・と奮起させられた。(市外Y

今日の研修で,私は様々なことを学ぶことができました。総合的な学習の時間の授業を見せていて,授業の目標の組み立て方など,とても難しく感じました。また,奈須先生のお話で「具体的に」という言葉がとても印象に残りました。よく抽象的だったりすることを思いだいました。奈須先生のお話を聞き,子どもから発言を取り出し,最終的なテーマへ進むことの大変さを知りました。ありがとうございました。(市外K

一つの授業をこんなにも分析していくつらさを味わいましたが,とても勉強になりました。今日の学習で得たことは,子どもの発言が意味不明なときはさっと流さず,立ち止まって取り上げ考えるということです。また,自分のくせを知るということも・・・。こわいけれど一度,自分の授業をビデオに撮って分析することが重要だと思いました。原田先生,ありがとうございました。ご苦労さまでした。(市内H

授業記録の読み取り方(授業分析)について分かり易く教えていただきました。また,単元を構想するにあたり,子どもたちの反応をしっかり予測した上で,具体化しておかなければならないことを再認識することもできました。(市外KF

授業を組み立てる設計段階から,いかに子どもたちの疑問や意見を大事にしていくか,そして,それをいかにして教師が授業の中心課題として,大きく取り上げて授業を組み立てていくかというお話が聞けて本当によかったなと思いました。この根本部分が曖昧であると,どんなに教師ばかりが一生懸命資料を準備し,子どもたちに提供したとしても,肝心な子どもたちの意欲は高まらず,深まってもいかないからです。このことは,生活科や総合的な学習の時間だけではなく,全ての教科の導入,進め方にかかわってくる教師の心構え・姿勢だと思います。今日,学んだことを明日からの授業で少しでもいかしていけるように,これからも本を読んだり,多くの実践を学んだりしてがんばっていこうと思いました。ありがとうございました。(市外AH

今日は本当に参加してよかったです。夕方までの研修が非常に短く感じられました。一つの授業で先生と子ども同士との言動をみていく中で,学習の中での教師の居方,子どもの発言をどう受け止めるか,学習をどう深めるか具体的によくわかりました。自分の授業を振り返ることで,自分の力量を高めることにつながり,子どもを大切にしていることに改めて気づかされました。教師の一言一言は授業(学習)の流れを決めるもので,より遠くを見つめ(子どもに考えさせたいこと),考え,子どもたち一人ひとりが生きる授業作りを目ざしたいこと,実践を聞きながら元気が出てきました。原田先生の子どもに対する思い,教育に対する考え方に共鳴しました。自分のクラスではまだまだうまくいかないことだらけですが,授業を振り返り,実践に学び,明日からまた頑張ろうと思いました。貴重な実践報告を本当にどうもありがとうございました。とても意義ある会で方向性を確認した気がします。また,是非参加させてください。(市外HK

原田先生の授業記録をもとに,教師の一言一言や子どもの発言などについて具体的に話されたので,とてもわかりました。とてもいい研修をさせていただきました。(市内K

原田先生,提案授業ありがとうございました。授業記録から省察し,ひとつひとつを奈須先生の見方で助言をいただくことができ大変勉強になりました。生で奈須先生の教師に対する「もっとしっかりしろ!」という思いや願いや子どもを大事にした指導のあり方を聴くことができ,明日からまたしっかりやらなきゃという思いです。このような企画をしていただき本当に本当にありがとうございました。(Y

提案授業が大変よかったので勉強になりました。具体的には単元の出会い方,問題意識のもち方(もたせ方)修正の仕方等です。子どもの意識,生活経験等,丁寧に分析していかないといけないと反省しました。皆で考えを深めることできる提案だったと思います。原田先生,ありがとうございました。具体的な授業をビデオで共有した後の奈須先生のお話はわかりやすく,授業分析の仕方も参考になります。子どもの一言一言,教師の言葉,こまかくみていくことの大切さを改めて感じています。自分の思考のクセを確認して,少しでも授業改善(子どもにその時間力がつくように)していきたいと思います。声をかけていただきありがとうございました。また,勉強させていただきます。(市外Y

原田先生,今回の授業はとても勉強になりました。子どもたちとともに授業を創るという姿勢がよく分かり,原田先生の温かな人柄がよく伝わってきました。それとともに,先生に地域に対する熱い思いも感じられました。また,先生が子どもと地域のよさをもとに総合の単元を創造されていて,とても羨ましく思います。自らの実践にも是非生かしていきたいと思います。ありがとうございました。また,奈須先生からは授業研究の姿勢と視点について多くのことを学ばせていただきました。自分の授業研究のあり方を猛省するとともに,教えていただいたことの一つでも二つでも実践に生かしていきたいと思います。お世話していただきました先生方,ありがとうございました。(市外S

【午前のみ】積極的に発言する子が数名いて,おもしろかったです。その分,なかなか発言できないでいる子への支援が難しいなと思いました。総合的な学習の時間で難しいのは,教師の思いと子どもの思いがズレてきた時にどうするかだと思います。私はこの授業ではそうズレていないのではないかと思いました。(No 294なつみさん,No296みにりさんの発言で)「料理を作りたい」→「ああ楽しかった,おいしかった。」だけで,この子たちは終わらないのではないかと思います。この活動から,環境とか健康への関心がいき,最終的に自分たちができることを,それを地域に発信できるのではないかと思いました。これだけ発言できるのは,普段からすごく鍛えておられるのでしょう。勉強になりました。ありがとうございました。(市外N

 授業のラインを作る,子どもの発言の取り上げ方,流し方,きちんと終末を考えて授業を作っていく。授業検討って,こうして考えていくんだなーって初めて知ったきがします。教師の発言って,本当に大切ですね。ありがとうございました。(市内M

 総合的な学習の時間をもとに,「見取り力を鍛える」の主題でしたが,授業には入るまでに教師として身につけておかねばならないことを多く再確認しました。特に,子どもの学びをいかに見取り,授業の構想を練ろうか。平素,頭ではわかっていても日々の授業に生かしきれてないことを反省しました。(市外MK

 今日はありがとうございました。総合的な学習については,よくわからないままに進めてきましたが,明日からまた自分の中でもう一度よく考えながら進めていきたいと思います。(市外H

 このような子どもの発言を中心にした授業の振り返りをすることにより,教師自身の資質向上に必ずつながると思いました。大変な労力と時間がかかったと思いますが,これが一番着実な方法だと確信しました。大変ありがとうございました。(市内S