木製の小型ボートの製作と舟遊びを紹介したホームページですが、どうしても安全について触れないままで終わらせることはできません。ディンギーのセーリングでは永い経験がありますがディンギーやカヌー・カヤックの木製作はともかくパドリング・ローイングは初心者並です。まだツーリングといえるほどの経験はありません。ですが、海上・湖上に出て行くときにはセーリング時同様十分気を使ってきました。「作って、乗って、楽しんで!」だけでは片手落ちになりますので一ページを作ることにしました。
永く小型ヨット(ディンギー)でセーリングを楽しんできました。ヨットは琵琶湖のハーバーに置き,時々江ノ島や大阪湾、宮津湾等に遠征するという乗り方でした。自前のクラブレスキュウを出していましたし周りにはクラブや大学ヨット部のヨットとレスキュウ、それに県警の警備艇がいつも湖上に出ていました。そういう環境の中での活動でしたのでレスキュウしたりされたりと安心でした。
そのうちレーザーを始めシーホッパーなどのワンマン艇が発売され,人気もあって結構多くのカートップが世に出ました。以前からハーバー(マリーナ)の置料は割り高感がありましたしカートップの売りの一つが置料が不要ということもあってそのうちかなりの艇数がハーバーの外(ほとんどは自宅か?)に置かれたと思います。そしてそれらは単独で車に乗せられ、あちらこちらに多くはハーバーでない海か湖の浜に下ろされ乗艇されたものと思います。ヨットの初心者も少なからずあったはずです。
当時、出艇したものの無風かあまりに弱い風のためまともなセーリングが出来ずにあのヨットの爽やかさとはまったくの期待はずれであったり、または思いの外風が強くてやはりまともなセーリング出来ずに恐ろしい思いだけで終わったりと、そしてどちらにしてもその後続けて乗ることがなくなったケースが少なくなかったそうです。ちょうどその日が初心者向きのほど良い風であることなどめったにあることではありません。セーリングは見た目ほど楽しくはない‥、こんな思い通りにいかないものとは‥、こんな恐ろしいものか‥ということになったのでしょう。理由はともかく仲間のいないところで、レスキュウ体制のないところでディンギーに乗ることは止めましょう。特に初心者は‥。
お察っしの通りディンギーでは単独行はいろんな意味で無理なのです。また手順(セーリング知識・技術の習得とそのときどきのセーリング時の環境・状況)を踏まえないやり方では危険がいっぱいなのです。ヨットは直ぐには乗れないのです。ヨットを覚えたくてもヨットスクールは少ないし、初心者を受け入れセーリングの習得コースを組織立って持っているヨットクラブは決して多くはありません。その状況は一方的に非難されるものではなく、私の知る限りセーリングの一通りをきちっと学ぼうとする人はそう多くはないのが実情です。セーリングがより広く多くの人に楽しめるものになる時が来るのはまだまだ先のことになるのでしょうか。残念ながらヨットは直ぐには上手にはなれませんが、だからこそしっかり始めさえすれば永く広く楽しめるものになると思っています。
カヌーやカヤックにもカートップヨットの場合に似ていることが多くあると思います。単独行をしがち(特に初心者はしてはいけないと言いたい)、天候に大きく左右される(多くの場合は穏やかな日のことしか考えていないーそんなことはほとんど期待できないはずである)からです。ヨットは風を使って走りますから風なしでは話になりません。上手になるほど豪快に走れる強い風が嬉しいものです。が一方、カヌーやカヤックは思った以上に風の影響を受けるものです。特に水面下の体積に対して水面上の割合が圧倒的に大きなカヌーでは強い風に抗して進むことは勿論のことバウが流され進路さえ維持出来ないことがあります。特に初心者ならまったく思うようにはいきません。海浜で帰路が陸風に変わりどんどん強くなっていく‥など考えるだけでも怖いことです。見聞きするカヌー・カヤックの事故はこれによることが大半かと思います。
以上のことを踏まえたうえで、ボートを作り近くの水辺で浮かべ気軽に楽しむことが盛んになって欲しいと思いこのホームページを作りました。セーリング・パドリングに限らずローイングもいいのではないでしょうか。なにも競技をするためにあるのではないと思います。もの(木製ボート)作りを楽しむ・身近な人々と一緒に乗って楽しむ・何処でも手軽に楽しむ‥‥をより多くの方に呼びかけます。がそのとき真っ先に安全を考えてください。
安全が何にも増して重要事項であるだけにいろんな場所で場面でいわれているわけですが、他のページで紹介している小型ディンギーFirebugクラス協会の安全についての基本ルールが記述してあります。私なりに簡約して紹介してみました。
小型ボートの安全のための基本ルール
・NEVER TAKE RISKS
初心者には海は危険なところで、知ったかぶりをしてはいけない。いつでも危険に出会いますよ。
・MUST BE ABLE TO SWIM
ライフジャケットを(子供に限らず)着用せよ。波のある中で50Mは泳げて‥‥
・TELL SOMEONE
出艇を他人に知らせよ。トラブルにあってもボートに留まれ。でないとさらに状況が悪くなる。
・LOOK AFTER YOUR BOAT
常にボートの手入れをし、安心して乗れるようにしておくこと。
・WEATHER FORECAST
天気予報をチェックし、勝手な甘い判断で行動するな。
・BE PATIENT
直ぐには上達しない。何年もの経験が要る。十分な資格を得るには10年はかかる。