最終更新日2011年5月10日
石川県森林公園内で見つけた食べられる野草です。日ごろ調べておけば飢饉が来ても生きてゆけるかもしれませんね。でも中にはよく似た毒草もありますので、できるだけ詳しく掲載したいと思います。私は田舎の山の中で育ちましたので昔からの山菜はすぐに分かります。よく似ているといわれる毒草でも私の目からすると全く違います。しかし、都会にお住まいで初めて見られる方々は見分けが難しいかもしれません。そのときの見分け方のコツ、また調理の仕方もあわせてご紹介いたします。
(ご注意)→森林公園内では、わらび、ぜんまい、イタドリをその場で味見するなど、どこにでも多量に有る山菜は採取が許されていますが、その他のものは採取が禁止されています。どうか自然保護にご協力をお願いいたします。このページは、みなさま方の近くの山などで採取された山菜のご参考にしていただければ幸いです。
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イタドリ | ミツバ | ミツバに似た葉 | セリ | ヤマフキ | ツワブキ | オヤマボクチ | フキノトウ | オオバギボウシ |
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ヨモギ | ギシギシ | スイバ | カラスノエンドウ | アザミ | ウド | ウドに似た草 | タネツケバナ | タンポポ |
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ツリガネニンジン | ノビル | ハコベ | ワサビ | ヨメナ | ゼンマイ | ワラビ | タラノメ | タラノメに似た木 |
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ドクダミ | サルトリイバラ | カキドオシ | シャク | シロツメクサ | アカツメクサ | キクイモ | クズ | エゴマ |
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ミソハギ | イヌタデ | ツユクサ | オオバコ | ヤマモモ | モミジイチゴ | ナツハゼ | ガマズミ | ヤマブドウ |
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ブドウに似た実 | クリ |
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★食べると危険な毒草
マムシグサ | ヨウシュヤマゴボウ | ウマノアシガタ | キツネノボタン | ツリフネソウ | ミゾカクシ | センニンソウ | ヒガンバナ | イヌホオズキ |
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ムラサキケマン | ドクゼリ猛毒 | ドクニンジン猛毒 | バイケイソウ猛毒 | トリカブト猛毒 |
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■イタドリ
2009年5月19日。タデ科。4月終わりから5月終わりが最盛期。この特徴ある姿は他の野草と間違えないでしょう。茎葉が赤みがかって危険色にも見えますが大丈夫。淡白な酸味が有っておいしいですよ。私は春に山に入ると必ずイタドリを探し、日に4、5本は生食します。ただし、ほうれん草同様茎葉にシュウ酸を含み下痢の原因になりますので多くの生食は控えた方がいいでしょう。ゆでて水にさらしアクを除いたなら、かなり食べても差し支えありません。ある地方では盛んに採取され探しても見つからないほど。醤油漬け、味噌漬けなど、その他色々の調理法があります。
名前の由来は、葉に止血効果があるから「痛取り」、また皮から糸状のものを取っていたから「糸取り」がなまったもの、という説があります。根は虎杖根と呼び、緩下剤、利尿剤の薬として使われます。
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■イタドリの食べ方
イタドリの生食の方法をご紹介します。上の写真のように葉がまだ開ききらない若い茎の根元をポクリと音がするところで折り取ります。葉が大きく開いてしまい、折ろうとしても曲がるだけのものはスジばかりで食べられません。そしてバナナの皮をむくように、皮を折口から下へ剥いでゆきます。指と爪でやれば簡単です。でも山歩きの時はたいてい手は土で汚れていますので、私はこの作業を歯でやります。こうしてむけたら、シャクシャクと小気味よい音で頂きます。陽光を浴びて、遠くの山など眺めながら頂いているとつい食べ過ぎてしまいます。でも4、5本でぐっと我慢です。初めての方は1、2本で様子を見てくださいね。
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■イタドリの花
2009年9月13日。これが秋のイタドリの花です。細かい白い花が無数に付きます。
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■ミツバ
2009年5月19日。早春になるといつも山菜を思ってそわそわします。ミツバはまさに春の味。その野生的な香味が命です。市販の軟白したミツバの味とは比べものにはなりません。まさに別物ではないでしょうか。ほんの少し採ってきて味噌汁の中に入れるだけで、野生の本物の香味を味わえます。
野生のミツバは、湿った薄暗い山間によく生えています。栄養価がほうれん草並み、アクが少ない方ですので、私はそのまま卵と一緒に炒めたり、味噌汁に入れたりします。てんぷら、おひたしにしても大変おいしいです。乾かすと味が著しく落ちるので、ラップなどに包んで冷蔵庫に入れれば多少長持ちします。しかし、山菜はすべて採りたてが最高。その日のうちにいただくのが一番うまいです。
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■ミツバの葉
ミツバの葉です。このように三つの葉があるので「ミツバ」。ただ、ミツバに似ている毒草があります。それも、いつもミツバの近くにありますので、初心者の方は見分けが難しいかもしれません。最も見分けが簡単で確実なのが、茎葉に毛が有るか無いか、茎の先をつぶして香りを嗅いで見ることです。ミツバには毛が有りません。茎葉を触るとキュッキュッというくらいツヤツヤ。またミツバならミツバの香りがします。もしミツバの香りを知らない方がいらっしゃいましたら、市販のミツバで修行をなさってから挑戦された方がいいですね。
下に、ミツバに似た葉をご紹介いたします。キンポウゲ科のキツネノボタン。猛毒ですのでご注意願います。
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■ミツバに似た葉(キツネノボタン)1
2009年5月19日。上のミツバのそばに生えていました。これは毒草キツネノボタンの若いころです。まさにミツバにそっくり。でもよく見てください。葉っぱの柄に薄い毛が生えています。葉っぱも触るとざらざらしています。ミツバの柄は無毛でツヤツヤです。ミツバと一緒に食べてしまうと、口内がはれ上がり、胃腸も損傷し、ひどく苦しみます。
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■ミツバに似た葉(キツネノボタン)2
2009年5月21日。キツネノボタンの少し成長した葉です。まだミツバに見えますが、柄が三つに伸びてミツバに見えるだけ。ミツバは、中央の葉に柄が有りますが、こうして三本の柄は有りません。それに、それぞれの柄に薄い毛が見えます。
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■ミツバに似た葉(キツネノボタン)3
2009年5月26日。キツネノボタンの花を付けたころです。花として鑑賞するならまあまあかな。でも同属の毒草ウマノアシガタの方が花もすっきりしてきれいです。ウマノアシガタの葉はミツバと似ていません。花が終わるとすぐ緑色のコンペイトウのような実をつけます。
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■セリ
2009年5月19日。4月から6月、沼や小川の脇、常に水があるような場所に生えています。比較的乾いたところに有るものは茎葉がやや堅くて味も落ちるようです。セリの持ち味はその香味。おひたしにして軽く味をつけるだけで春の味を満喫できます。近くの水辺で少し採ってきて、帰宅された旦那様の酒の肴にそっと一品出して置くと喜ばれること請け合い。やはりミツバと一緒で、市販のセリの味とは比較になりません。
これに似た毒草としてはドクゼリが有ります。日本三大毒草のひとつ。猛毒。しかし草姿、葉っぱの形、根の形はセリとはかなり違っています。いつも採取する方は決して間違えることは有りません。初心者の方で迷ったら、やはり茎の先をつぶして香りをかいで見ることです。ドクゼリはセリの香りがしません。ドクゼリを探しましたが見当たらなかったので、3段下に深山毒草園からお借りした写真を掲載しておきます。
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■セリの葉
セリの葉っぱです。とてもおいしそうです。
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■セリの根
セリの大きい奴を一本抜いてみました。ドクゼリには太い根茎があります。セリの根っこは普通の細い根です。
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■ドクゼリの花
深山毒草園さんからお借りした写真です。セリ科ドクゼリ属。ドクウツギ、トリカブトと並んで日本の三大毒草のひとつ。セリと同じような水辺に生え、時々セリと誤食した悲惨なニュースを聞きます。中には根茎をわさびと間違えて食べたり、痒み止めに使用して亡くなった方もいらっしゃいます。食べてしまうと痙攣、呼吸困難、嘔吐、下痢、めまい、意識障害、あらゆる苦しみが襲い、ひどいときには死亡してしまいます。ソクラテス処刑の毒杯はドクニンジンだと言われています。でもこのドクゼリではないかという説もあります。
■ドクゼリの葉
深山毒草園さんからお借りした写真です。この葉は少し成長した時のようです。セリとはかなり違った葉をしています。しかし初心者の方は、同じ場所に生えていますのでセリと間違えることが有るかもしれません。迷ったら必ず茎をつぶして匂いを嗅いでくださいね。ドクゼリはセリの香りが全くしません。
■ドクゼリの根
深山毒草園さんからお借りした写真です。ドクゼリの根はこのように太いわさびのようです。半分に割ると竹の子のようなフシが有ります。
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■ヤマフキ1
2009年5月19日。キク科。4月から6月、どこにでも大量に生えています。似ている葉に同じ科のノブキ、ツワブキが有ります。このヤマフキは丸い感じの葉で全体に薄い毛、ノブキは先端が少しとんがってややハート型、ツワブキは葉の表にツヤが有ります。ノブキ、ツワブキともおいしい山菜ですので気にしなくてもよさそうです。ヤマフキの葉は細かい毛が有り、食べてもおいしくありません。普通葉を捨てて茎を利用します。塩茹でにして、その後甘く炒めたり、重曹か木灰を入れた湯でゆでてアクを取り、その後煮付けなどに致します。(全体に肝毒性が強いピロリジジンアルカロイドという物質を含みますのできちんとアク抜きをしましょう)
フキはさまざまな種類が栽培されています。中には巨大化したのも有り、北海道のラワンフキは高さ2mから3m。昔、4mの物も有って馬に乗ってその下をくぐれたほどだったそうです。フキの下に住む妖精のコロポックルの「コロ」とはフキのことだといいます。
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■ヤマフキ2
ヤマフキは山道でこんな風に生えています。
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■ツワブキ
2009年6月9日。キク科。これは森林公園のものでは有りませんが比較のために載せました。ご覧のようにツワブキの葉はヤマフキとそっくり。でも表面がツヤツヤしていますね。「ツヤフキ」がなまってツワブキになったと言われています。常緑性で花は10月から11月。花が黄色いキクのようで美しく、また日陰にも強いので庭の下草として植える方もいらっしゃいます。人家近くでは畑に栽培していることも有りますので採取は気を付けましょう。
食用としてはフキと同じようにして葉を捨て、茎を利用します。特にツワブキの茎を料理したものを「キャラブキ」と言い、九州名産「佃煮キャラブキ」が知られています。その他、薬用として葉を火であぶったものは、腫物、湿疹に効果が有るそうです。
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■オヤマボクチ
2009年5月26日。これはキク科のオヤマボクチの葉です。フキと似ていますが葉が長くて先がとんがっています。フキは上の写真のように丸い感じです。
オヤマボクチは公園内道路脇にたくさん生えています。匂いを嗅いでみてもフキの匂いはしません。しかしオヤマボクチも、若葉のときは立派な山菜です。また、若葉をヨモギのように餅に入れたり、葉に付く薄毛のようなものをソバのつなぎにするとおいしいそうです。オヤマボクチに関しては秋の野草に詳しく載せてあります。
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■オヤマボクチの花
2009年10月29日。これがオヤマボクチの花です。晩秋、大きいつぼみを付けた細い茎を伸ばし、やがてアザミに似た花弁をのぞかせます。アザミほど華やかではありません。しかし野生的な力強さを感じます。
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■フキノトウ
2009年3月27日。フキノトウはフキの花です。早春、フキの葉が出る前に花だけ先に出てきます。写真のようにまだ花が見えないころ摘んできて、てんぷら、汁の実、フキノトウ味噌に致します。初めての方はその独特の苦味、風味に箸を置かれる方もいらっしゃるかもしれません。でも慣れればきっと病み付きになってしまいますよ。私は特にフキノトウ味噌が大好き。とにかくフキノトウ味噌を食べないと春が始まった気持ちが致しません。
[フキノトウ味噌の作り方]フキノトウ4、5個をよく花の中まで洗い、ゆでて水にさらします。→その後細かくきざむか、すり鉢ですります。→味噌大さじ2、3杯、みりん大さじ1、料理酒大さじ1、お砂糖お好みぐらいの割合で混ぜて小鍋で暖めながら調理済みのフキノトウを放り込みます。いい香りがしてきたら熱いご飯の上に山盛りに載せて、はふはふ頂きます。
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■フキノトウの花
フキノトウの純白の花が顔を覗かせました。近付いてよく眺めるとなかなか可愛いもの。これくらいのものでもじゅうぶん食べられますが、汁の実にする時など花がモガモガしておいしくありません。普通花を除いて葉だけを利用します。フキノトウ味噌、てんぷらにする場合は花のまま利用してもおいしいです。
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■オオバギボウシ(ウルイ)1
★2009年5月10日。ユリ科。5月から6月頃、山間湿地の木漏れ日が当たる程度の場所に生えています。山菜としては「ウルイ」。おひたし、酢の物、てんぷら、汁のみなど、どんな調理方法にも合い、クセが無く、わずかの苦味とシャキシャキ感が有っておいしいです。私は春になるとスーパーで野菜を買いません。フキノトウ、ミツバ、セリ、フキ、そしてこのウルイがあればじゅうぶん。たいてい群生していますので、一度見つけると袋いっぱいになります。6、7月ごろ茎を長く伸ばして白か紫のきれいな花を咲かせます。
★ウルイと似た草に有名な猛毒バイケイソウが有ります。毎年のようにウルイと誤食した悲惨なニュースを聞きます。しかし、私からするとウルイとバイケイソウはあまり似ていると思えません。葉の模様も色も違いますし、裏に毛が生えていて全くおいしそうではありません。どうしてバイケイソウを食べてしまったか不思議に思います。この下4段目に深山毒草園からお借りした写真を掲載しておきますね。
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■オオバギボウシ(ウルイ)2
2009年5月26日。オオバギボウシの大きくなったものです。葉の葉脈がなんとなく、ほら、仏壇に飾ってある、あれはハスの葉でしょうね。あの形に似てきれいな模様を描いています。これくらい大きいものは葉がモガモガしておいしく有りませんので、葉を捨て茎だけ利用します。
森林公園ではお花として植えられている場合が多いので、どうか採取は控えてくださいね。
私はほとんどの山菜を近くの山へ行って採ってきます。津幡は山ばかりですから。
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■オオバギボウシのガク片
2009年7月5日。この花のような姿を見つけたら、何の花かと戸惑われる方もいらっしゃると思います。一見純白の美しい花に見えます。でもこれは花ではありません。オオバギボウシのガク片です。この姿からやがて花が立ち上がって白か紫の優美な姿が現れます。
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■オオバギボウシの花
2009年8月23日。これがオオバギボウシの花。子供の広場休憩所横のものが最も大株です。森林公園ではあちこちに植えられています。もちろん野生のものもいっぱい有ります。
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■バイケイソウ
深山毒草園からお借りした写真です。ユリ科。殺虫剤に使われるほど猛毒。確かに生え頃はウルイに似ていると言われればそんな気もします。でもバイケイソウは葉脈が平行、葉はでこぼこ。葉裏に毛も生えており、一目でまずそうな姿です。ウルイは鮮明な緑、仏壇のハスの葉のようなきれいな模様、葉の表も裏もツヤツヤでいかにもおいしそう。でも間違ってこのバイケイソウを食べてしまうと、下痢、吐き気、めまい、手足のしびれ、けいれんに苦しみ、重症になると意識不明になり死亡します。中毒なさる方は「おすそ分け」も有ると聞きます。不審なものは食べないように注意してください。
■バイケイソウの花
深山毒草園からお借りした写真です。バイケイソウの花はこのようにきれいです。人間からすると危険でも、バイケイソウの方からすると長い間かかって獲得した身を守る知恵なのでしょうね。この花が好きで庭に栽培する方もいらっしゃいます。
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■ヨモギ1
2009年5月21日。キク科。別名モチグサ。どこにでもところかまわず生えています。ご存知、ヨモギ餅は有名ですね。でも山菜としても食べられます。この写真のような、5、6月の若い茎葉を摘んできて、おひたし、汁のみ、てんぷらにしてもおいしいです。
ヨモギと誤食されて、よくニュースになるのが猛毒トリカブト。トリカブトの葉とヨモギの葉はあまり似ていません。でも芽が出始めのころ、ヨモギの中に混じって生えていることがあるので一緒に摘んでしまうようです。ヨモギの葉や茎には細かい毛が生えていますがトリカブトには生えていません。トリカブトは昔から保険金殺人や暗殺などに使われた猛毒です。四谷怪談にも使われました。また毒矢の毒はトリカブトの根を煎じて作ったものです。自信の無い方は、必ず茎の先をつぶして香りをかいで見ることです。ヨモギ餅の、あのなつかしい香りがしたら必ずヨモギです。
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■ヨモギ2
ヨモギの少し大きくなった個体です。これくらいのものは、山菜としては堅くて食べられません。茎葉を干して漢方薬「カイヨウ」として使われます。体を温め、食欲増進、止血、冷え性から来る腹痛、胸焼け、下痢、便秘、血尿、痔などに効果があります。ヨモギ茶というのも市販されています(下に作り方を書いておきますね)。またお灸に使う「もぐさ」はこのヨモギの茎葉の毛を集めて作ったものです。その他、ヨモギには茎葉に火薬の原料となる物質を含むそうです。およそ400年前、織田信長はこのヨモギから火薬の原料を作りました。
[ヨモギ茶の作り方]→全草を刈り取ってきてよく水洗いし、軒下で陰干しをします。カラカラに乾いたら細かく刻んで油無しのフライパンで炒ります。あとはお茶と同様にしていただきます。残ったものは乾燥剤入りタッパーなどに保存しましょう。
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■ギシギシ
2009年5月21日。タデ科。一年中どこにでも有ります。写真のものは大株。もう少し若いものがおいしいです。同種のイタドリ、スイバ、ほうれん草同様シュウ酸を含みますので、さっとゆでて酢みそ和え、おひたし、煮物、油炒めに。ジュンサイのような独特のぬめりがあっておいしいです。
ギシギシの穂はスイバにそっくり。でもスイバのように赤くなりません。青いままやがて褐色になってゆきます。ギシギシもスイバも同様にして食べられます。根を乾かしたものは生薬「羊蹄根」と呼ばれ、便秘、にきび、高血圧、動脈硬化に効果があるそうです。また生の根を砕いて水虫、インキンタムシなどの皮膚病に使います。
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■ギシギシの花
2009年5月30日。ご覧のように、ギシギシの花は赤くなりません。青いまま褐色に変わってゆきます。
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■スイバ
2009年12月10日。タデ科。一年中どこにでも有ります。茎をかじると酸っぱいので「酸い葉」。私が子供の頃は、やわらかい茎の皮をむいてよくかじったものです。とても酸っぱい味がします。葉は上のギシギシに似ていますがギシギシより小型。フランスでは「ソレル」と呼ばれ、品種改良されて野菜として親しまれています。
やわらかい葉や茎を採取します。茎をつぶして匂いを嗅ぐといかにも酸っぱそうな香りです。ギシギシと同様シュウ酸を含みますので、熱湯でゆでて水にさらし、おひたしやあえ物に。一晩漬けたものはなかなかおいしいです。
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■スイバの花
2009年5月12日。スイバの花はこのように赤くなります。花として鑑賞してもなかなかです。
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■カラスノエンドウ
2009年5月21日。マメ科。別名、学術的にはヤハズノエンドウ。ソラマメの仲間です。オリエントから地中海地方原産。原産地では古代、エンドウ同様に食用として栽培されていました。今では大量に有りすぎて厄介な雑草とみなされています。カラスノエンドウより小型のスズメノエンドウ、その中間的なカスマグサ(カラスとスズメの「カ」と「ス」の間だからカスマグサ)というのも有ります。いずれも食用にできます。食糧難がご心配な方は日ごろ料理法など経験しておかれるのもいいかもしれません。
春から初夏、葉や茎のやわらかそうなところを摘み取り、熱湯で軽くゆでて水にさらし、おひたしやあえ物、炒め物、てんぷらなどに利用します。茎も葉もさやも豆も全草食べられます。
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■カラスノエンドウの花
2010年5月7日。花はマメ科独特の蝶形花。ピンクで美しいものです。カラスノエンドウはピンクの花を枝先に一個ずつ付けますが、スズメのエンドウは紫がかった白い花を枝先に4個ずつ、カスマグサは紫がかった白い花を枝先に2個ずつ付けます。3種類とも同時に咲いていることも有ります。
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■アザミ
2009年5月1日。キク科の多年草。葉を見ると鋭いとげが有り、あまりおいしくなさそうに見えますね。でも春先の若芽はくせが無く昔から食用にされていました。アザミはどの種類でも食べられます(中には舌触りが良くないものも有りますが)。若い根もゴボウのように食べられます。特にモリアザミの根の味噌漬けは「ヤマゴボウ」という名で売られています。
春先に芽生えたばかりの若芽を摘みます。てんぷらや汁の実、また熱湯でゆでて水にさらし、おひたしやあえ物、酢の物、バター炒めなど。根は味噌漬け、しょうゆ漬けにすると美味です。
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■ウド
2009年10月6日。ウコギ科の多年草。独特の香りと風味で昔から人気が有ります。草丈2m以上になる大型の草です。軟化栽培も有りますが太陽と大自然が醸した香味を味わうには、やはり探し回るのが一番。きっとその労力に見合った感動があるはずです。
ウドに似た草にセリ科の「シシウド」が有ります。花も草姿も、香りもそっくり。しかし、シシウドの花は花火のように丸く咲きます。ウドは写真のようにバラバラな感じで咲きます。シシウドは苦くておいしくありません。もっぱら薬用に使います。
夏ごろ咲く花のありかを覚えておき、春、地上に20cmから30cmに伸びた新芽を掘り取ります。生食が最高。アクの強い皮を厚めにむき生味噌やマヨネーズで頂きます。その他熱湯で煮て、水にさらし、あえ物、酢の物に。葉などもてんぷらにするとうまいです。大きくなったものでも、春から初夏まで脇から出る若葉は随時利用できます。
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■ウドに似た草(シシウド)
2009年9月28日。これはセリ科のシシウドです。山間地へ行けばどこにでも大量に見つかります。茎を折り取ってにおいを嗅いで見るとウドに似た香りもします。でも食べても苦くて食用にむきません。しかし、学名はアンゲリカ(天使)。ヨーロッパでは長い間魔除け、薬用として大事にされてきました。確かに薬効は大きいものが有ります。根は生薬「独活(どっかつ)」と呼ばれ鎮痛、鎮静、血管拡張、リューマチ、神経痛、冷え性などに使います。花は花火のように円形になり、ウドよりもきれいだと思います。
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■タネツケバナ
2009年4月12日。アブラナ科。別名タガラシ、ミズガラシ、タゼリ。早春、いたるところに大量に見つかります。小さく白い十字花をつけ、長いさやを、これ見よがしに持ち上げているのですぐに分かります。
春先の若芽を摘み取り、てんぷら、漬物。軽く湯通しして水にさらし、汁の実、酢みそ和え、おひたしなど。心地よい辛味を楽しむものなのであまり煮過ぎないように。生のままサラダに添えても大丈夫です。
薬効に関しては、むくみ、腫れ物、尿道炎、膀胱炎、おこりなど。野生のものは必ず何がしかの薬効が有るようですね。私のような自然人の思いとしては、ニンジン、ピーマンが嫌いな子供たちに、ちょいとそこら辺の雑草を採ってきて食べさせてみれば意外と好きなものも有って、健康に役立つと思うのですが。
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■タネツケバナの葉
2010年4月8日。どこにでも生えています。ちぎって匂いを嗅ぐと辛そうな香りがします。
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■タンポポ
2009年4月5日。ご存知タンポポ、漢字で蒲公英。なぜタンポポと言うかには諸説があります。その中でも中国名、婆婆丁(ポポチン)から来たと言うのが面白いかなと思います。タンポポはその苦味を利用してさまざまな食用とされています。ヨーロッパではサラダ、スープ。日本でもタンポポ茶、タンポポコーヒー、タンポポワイン、タンポポ酒など販売されています。薬効として、利尿剤、健胃剤、高血圧、糖尿病。下にタンポポコーヒーの作り方を掲載しておきます。とても簡単ですのでぜひ試してください。ノンカフェイン、薬効が有りますので健康増進間違い無しです。
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■タンポポの葉1
タンポポの一株です。こんな大きくなっても食べられますが、やはり花の咲く前の若いものがおいしいです。この葉の形を覚えておいて、春先に摘んでサラダ、おひたし、汁の実に利用します。また根っこを掘り取ってタンポポコーヒーを作ることができます。
[タンポポコーヒーの作り方]→根を良く洗って乾かす→フライパンで軽く焦げ目が付くくらい炒る→ミキサーで砕く→再びフライパンで軽く炒る→あとはコーヒー豆と同様に扱う。
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■タンポポの葉2
タンポポの葉っぱの形です。
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■ツリガネニンジン
2009年10月18日。キキョウ科。「山でうまいものはオケラにトトキ」と言われます。この花の若芽が「トトキ」。日当たりのよい野原や土手、山道の脇に見つかります。夏から秋にかけて紫のきれいな花を咲かせます。庭で栽培して、鑑賞、山菜の一石二鳥もいいかもしれませんね。「ツリガネ」の名は花の形から、「ニンジン」の名は根がニンジンのように太いから。根を乾燥させたものは生薬「沙参(しゃじん)」と呼び、薬として用いられます。
春に若芽を摘み取ります。若芽の葉のふちがやや赤みがかっているものが多いです。切り口から白い汁が出ます。ただ葉の変異が大きく若芽を特定するのがとても難しいです。花のありかを覚えておき次年度の春に摘み取るのがよいかと思います。
そのままてんぷらに。熱湯でゆでて水にさらし、胡麻あえ、酢みそあえ、おひたし、炒め物に。根は熱湯でゆでて水にさらし、細かく切って煮物、炒め物、味噌漬け、粕漬けに。根は一年中採れます。
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■ノビル
2009年5月28日。ユリ科の多年草。野生のネギの一種。畑のへりや土が軟らかい道端で時々見かけます。地下に直径1cmほどの球根が有り、細いネギを数本立て、初夏に花茎を伸ばして写真のようなネギ坊主を付けます。花が数花咲いていますが種はできません。もっぱら写真の茶色のムカゴと球根で増えてゆきます。
葉はネギのようでネギ同様に利用できます。でも葉はあまりに細すぎます。よほど大量に採れたのならそれなりの利用もできますが、普通、香辛料として味噌汁に散らすぐらいの利用がいいかもしれません。球根は味噌をつけて生食するとうまいと聞きましたので、私も数個掘り起こし、さっとゆでて醤油で食べてみました。でも独特の臭みと辛味が何ともいえません。数時間口の中ににおいが残りました。食べなれるとうまいのでしょうか。
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■ハコベ
2009年3月17日。ナデシコ科。別名ハコベラ、アサシラゲ。これが春の七草で言うハコベラです。どこにでも大量に有ります。春から秋にかけ、写真のような白い5弁花を付けます。花弁が十枚のように見えますが一枚一枚が深く根元まで裂けているので十枚に見えるのです。
初冬から初夏まで摘めます。アクが少ないのでそのままてんぷらに。茎葉を熱湯でゆでて水にさらし、おひたし、ごまあえ、酢みそあえ、汁の実に。雑草退治と一石二鳥。大型のウシハコベも同様に食べられます。
写真に見える花のつぼみはセキセイインコの大好物です。朝、つぼみの多い茎葉を摘んでインコに与えると争ってついばみます。
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■ワサビ1
2010年4月21日。アブラナ科。日本原産。学名はワサビア・ジャポニカ。多年生の日陰植物。薄暗い小さな沼地に群生していました。近くに畑が有りましたから、これは誰かが植えたのでしょう。根茎をすって香辛料として使いますが、茎葉、花も同じ香りがしますので立派な食材です。私もワサビが大好き。鼻につーんときて涙が出るくらいがちょうどいいです。はじめて食べた外国の人がどんな顔をするのか見てみたいですね。
ワサビ栽培には2種類有るそうです。清流が流れる浅瀬に植える「水ワサビ」。普通の畑に植える「畑ワサビ」。いずれも直射日光に当てないように。ただ畑ワサビの方が根茎の肥大が悪いとのこと。ホームセンターに時々畑ワサビ苗が売られています。300円から400円程度。株を植えてから2年程度で食材にできます。根茎を肥大させたいのなら花は小さいときに取り除きます。花を咲かせて種を採ることもできます。今年は畑ワサビに挑戦してみようかな。水ワサビは設備が難しそうだから。
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■ワサビ2
花を拡大しました。4弁花ですね。清楚できれいです。
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■ワサビの葉
これは大きすぎておいしくなさそう。もう少し若いものがいいですね。
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■ヨメナ1
2009年10月19日。キク科ヨメナ属。一般に野菊と呼ぶ花。どこにでも見かけます。若芽は香りが良いので山菜として人気が有ります。ヨメナと似た花にシロヨメナ、ノコンギクなど有ります。全て食べられます。キク科には毒草は有りません。おいしいかまずいかだけ。春咲きのハルジオン、秋咲きのヒメジョオンもおいしいですよ。地方によって舌の感覚も違うかもしれませんので色々試してみるのもいいですね。
初春から春まで若芽を利用します。葉は長い卵型、ふちにぎざぎざの鋸歯が有ります。ちぎってにおいを嗅ぐとキク科特有の香りがします。軽く熱湯に通しておひたし、あえ物、てんぷら、汁の実に。炊いたご飯に散らして「ヨメナ飯」とすることも有ります。
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■ヨメナ2
2008年10月8日。近付いて眺めるとこのようにきれいです。漢字で「嫁菜」。きっと「お嫁さん」のようにきれいだから名付けられたのでしょう。ノコンギクよりわずか花弁が大きいようです。雨のあとはこのように花弁がしなります。
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■ノコンギク
2009年10月9日。キク科シオン属。漢字で「野紺菊」。ノコンギクとヨメナの花はそっくり。草姿、葉の形、生えている場所もほぼ同じで普通は見分けがつきません。わずかな違いは、
(1)花の中央の黄色い部分を割ると、薄い毛(冠毛)が目立つのがノコンギク、毛がほとんど無いのがヨメナ。(2)ノコンギクの葉は細かい毛が有り、触るとざらざら。ヨメナの葉は毛が無くすべすべ。(3)ノコンギクは枝分かれが小さく花やつぼみが密集して付く。ヨメナは枝分かれが大きく花の付き方がまばらな感じがする。(ヨメナの方が花の下の茎が長いので「ヨメナはハナの下が長い」という言葉も有ります。)
しかし、ノコンギクもヨメナ同様山菜にできます。ヨメナの方が味がいいということですが、あまり細かい詮索は要りませんね。これに似た花の若芽は片っ端から食べられます。
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■ノコンギクの葉
2009年12月2日。葉のふちには鋸歯(ギザギザ)が有ります。ヨメナの葉とそっくりですが、かすかな毛が生えており、触るとざらざらします。
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■シロヨメナ
2009年10月25日。キク科シオン属。「ヨメナ」と名付けられていてもノコンギクの方に近いそうです。花はご覧のように密集して咲きます。シロヨメナの別名をヤマシロギク(イナカギク)としている図鑑も多いのですが、別のものだとしている図鑑も有ります。ここら辺は変異も多くて多少混乱しているようです。このシロヨメナはまだ味見をしたことが有りません。味見をしたらまたお知らせします。
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■ゼンマイ1
2010年4月11日。シダ科。みなさんよくご存知の食材ですね。でもこのごろ見かけることが少なくなりました。市場取引価格も高いと聞いています。子供のころはよく食べて、こんなものかと思っていましたが、見かけなくなったら食べたくなるのが不思議です。
写真の左が栄養葉(葉になる)、右が胞子葉(胞子を飛散させて子孫を作る)です。食材にするのは左の、葉が見える栄養葉です。栄養葉の方を「女ゼンマイ」、胞子葉の方を「男ゼンマイ」と呼ぶことが有ります。
ゼンマイはよく灰汁抜きをしなくてはなりません。木灰か重曹を加えた多量のお湯で1、2分沸騰させます。取り出してからさらに冷水に一晩漬け、それから調理します。
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■ゼンマイの胞子葉
胞子葉を拡大しました。この胞子葉は採らないでくださいね。この葉が大きくなって、胞子を飛ばし子孫を作ってゆきます。ゼンマイが増えるように残しておかねばなりません。
ゼンマイの語源は、銭が回転しているようだから「銭舞」から来たようです。時計やからくり人形に使われるゼンマイも、この山菜ゼンマイの名を使っています。
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■ワラビ1
2010年5月9日。シダ科。森林公園ではワラビ、ゼンマイなどは採取が許可されていますので、よくワラビ採りの方に出会います。先日も若いカップルに出会いました。だんなさま?が危険な斜面に降りて探していらっしゃいます。おくさま?は上の方で「あれじゃない?」と指差しています。すみません。もっと沢山あるところを知っていましたが、邪魔をしないように急いで通り過ぎました。
食材とするのは、写真のように葉が開かない時、ポキリと折れるところだけを用います。ぐにゃりと曲がるところは筋ばかりで食べられません。ワラビはそのままでは有毒です。間違ってもその場で味見をしないでくださいね。上のゼンマイと同様、木灰か重曹を加えた多量の水で1、2分沸騰させ、一晩冷水につけ、よく灰汁抜きをしてから調理します。
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■ワラビ2
2010年5月9日。ワラビの葉が展開したものです。もうこうなっては食べられません。
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■タラノメ1
2009年4月18日。ウコギ科。4月、桜の8分咲き頃が採りごろ。山菜の王様。クセ無く、独特の風味でおいしいとのこと。でも私はまだ頂いたことが有りません。私の村の山ではあまり採れなかったし、おいしいと知った時には乱獲されて大変かわいそうな木だと知ったからです。公園内を歩いていますとポツポツ見つかります。しかし、ああ、ここに一芽有るなと見ていた次の日に、もう芽は有りません。4月初旬あっという間に芽が無くなります。また去年見かけた場所に今年は枯れた棒だけが並んでいます。タラノメ採取は1番芽、2番芽までにして、後は来年のために残して置けと言われていますが、タラノメ目当てで来た人はそんなことは言っておられませんよね。いくら強く成長が早いといってもこれではタラノメの繁殖力は持たないと思います。やっと人の目を逃れた数本だけご紹介いたします。(ご注意)→公園内ではタラノメ採取は禁止されています。自然保護にご協力をお願いします。
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■タラノメ2
5月中旬のタラノメです。もうだいぶ葉を伸ばしてきました。これくらいになると堅くて食べられないから、このタラノメは命拾いしたことになります。頂点の1番芽が有りませんので採取されたあと再び頑張ったのでしょう。この2番芽も採取されていたら必死で3番芽を伸ばしてきますが、それも取られたら葉が全て無くなってしまいます。もう生きてはいけません。
タラノメの茎にはご覧のように鋭いトゲが有ります。芽にも有りますので採取する時は分厚いゴム手袋など必要です(軍手ではトゲが突き抜けてとても触れません)。しかし、この鋭いとげがよく似た毒草ウルシと区別するのに好都合。ウルシも若いとき頂点に似た芽をつけますが、ウルシにはトゲは有りません。
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■タラノメ3
タラノメの堂々とした姿です。ボート乗り場横の小道脇、人通りも多いので採取を免れているようです。大きく育っているから力余って、胴体からいくつもの芽を噴出しています。
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■タラノメに似た木(ウルシ)1
2009年5月25日。これはウルシの木です。これが頂点に芽を出す時タラノメと似ているので間違う方もいらっしゃるようです。樹液にはウルシオールというかぶれ成分を含みます。でも私は田舎人で子供のころ野山を駆けめぐっていましたが、ついぞウルシにかぶれた記憶がありません。今もウルシを触っても、たぶん腕にこすり付けても、かぶれそうな気配がありません。樹液を直接塗りつけたら分かりませんけど。若芽の時はかぶれ成分も少なくて山菜にする地方も有るそうです。かぶれに弱い方にはちょっと心配。あまりお勧めできませんね。
タラノメとウルシの違いはトゲの有る無しを見れば一目瞭然です。ウルシの幹にはトゲが有りません。すべすべしています。タラノメの栽培種メタラはトゲが有りませんが山歩きして見つけるならトゲの有る無しで判断しておけばじゅうぶんです。その他、ウルシは写真のように枝の途中で幾重にも枝分かれします。たらの芽は1、2本すっくと立って頂点に芽をつけます。
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■タラノメに似た木(ウルシ)2
5月終わりのウルシの花です。ウルシはかぶれるので嫌われます。しかし縄文時代から塗料として大切にされてきました。ウルシの樹液は酸化すると黒く硬くなり、さまざまな化学変化に強く、500年くらい持つそうです。世界各地でも利用されていますが日本の漆技術は世界最高です。秋には美しく紅葉し、人々の目を楽しませてくれます。
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■ドクダミ
2009年5月27日。漢字で毒溜。日本原産。「ドク」と名前が付いているので警戒なさる方もいらっしゃると思います。また、全草にくさいにおいもあり、けっこう嫌われているようです。しかし、この草は生薬「十薬」としてさまざまな病気に特効があります。生の葉をあぶって腫れ物に。利尿、便通、高血圧、神経痛、動脈硬化、アトピー。まさに万病に有効な草です。くさいにおいは乾燥したり、高熱で煮ると消えてしまいます。乾かしてお風呂に入れると現代病のしつこいアトピーや美肌維持効果も有ります。高価な健康食品や美肌維持化粧品を使用するよりよほど効き目が有ると思います。また塩ゆでして水にさらすと山菜として食べられます。特においしいとは言えませんが薬効成分が有りますので健康に気を使われる方はぜひ試してください。ドクダミ茶という健康茶も市販されていますね。下の写真に健康茶の作り方を掲載しておきます。
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■ドクダミの花
2009年6月1日。ドクダミの花です。なかなかすっきりしてきれいです。しかしまあここでは健康の方に役に立ってもらいましょう。
[ドクダミ茶の作り方]→作り方は簡単です。全草を刈り取ってきてよく洗い、軒下などにつるして陰干しにします。カラカラに乾いたらハサミなどで細かく切ります。あとはナベでお好みの濃さに煎じていただきましょう。このとき鉄製のナベ、ヤカンは使わないでください。有効成分が鉄分と反応して変質してしまいます。土製のもの、ガラス製のものなどが最適です。残ったものは乾燥剤入りタッパーなどに保存しましょう。
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■サルトリイバラ
2009年5月27日。ユリ科、シオデ属。鋭いとげがあるのでヤブに入ると服をはぎ取ろうとして厄介です。名前の由来も、サルが捕らえられて動けなくなるほど、というところから。茎の先端から長いツルを伸ばして、他の木に絡みながらはい上がっていきます。
山菜のシオデの仲間ですので、出たての若い葉や茎の先端のやわらかいところは食べられます(この下の写真参照)。そのままてんぷらや、軽くゆでて水にさらしマヨネーズあえなど。また、5月終わりごろ、青い実をつけます。秋に赤く熟したら生食できます。でも実はそんなにおいしいものではありません。ホワイトリカーに漬けてサルトリイバラ酒もいいですね。根は「和の山帰来」として生薬に使われます。
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■サルトリイバラの先端
2009年5月27日。茎の先端の写真です。これを折り取って山菜として利用します。折り取ってもまた脇から生えてくるので枯れることはありません。
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■サルトリイバラの実
2009年10月27日。秋に赤く熟したら生食できます。ちょっと酸っぱい感じです。
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■カキドオシ
★2010年5月9日。シソ科の多年草。ツルが垣根を通り抜けるので「垣通し」。別名子供の疳を取るので「癇取り草」。葉形を見ると「銭」がつながって見えるので「連銭草」。どこにでも多量に有る雑草です。しかしこの草は近年、糖尿病に効果、副作用なし(1968年日本生薬学会)、ダイエット効果(1987年北九州小倉薬草研究会)など薬草として脚光を浴びています。民間では利尿、消炎、黄疸、胆道結石、腎臓結石、膀胱結石、水虫、タムシその効果は広範囲に渡ります。生薬名は「連銭草」。4月から5月頃全草を刈り取り、陰干しにして、煎じたりお茶にして服用します。
★山菜としても食べられます。一年中採取可能。やわらかそうな葉や茎を採取。さっとゆでて水にさらし、おひたし、炒め物に。有効成分は芳香成分に含まれるので長く煮つめないように。花は生でサラダに添えても大丈夫。この草はその独特の香気から「まずい」から「病み付き」まで色々意見が分かれています。薬効も広いので一度試してみられはいかがでしょうか。
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■カキドオシの葉
ツルに丸い銭のような葉が並ぶので生薬名は「連銭草(れんせんそう)」。茎や葉に薄い毛が生えています。葉をもんで匂いを嗅ぐと甘いハッカのような強い芳香が有ります。だし汁で食べてみると私の味覚には合いそうでした。「病み付き」になるかもしれません。この強い芳香はハーブティーにしてもいけそうです。
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■シャク
★2010年4月5日。セリ科。別名山ニンジン。どこにでも有ります。茎は1m前後。半日陰、やや水分の多い場所を好みます。5月から6月頃清楚な花を咲かせます。葉はニンジンに似てセリのような香気が有り、古代から山菜として利用されてきました。随時やわらかそうなところを摘み取り、そのままてんぷらに。ゆでて水にさらし、サラダ、あえ物、おひたし、汁の実、卵とじに。根を乾燥して薬草効果→消化促進、老人の頻尿予防。
★ただしご注意!!。シャクはドクニンジン(4段下参照)という毒草とそっくり。帰化植物。北海道に多く、東日本にもわずか有るとの報告が有ります。ドクニンジンは茎に赤い斑点が有り、茎や葉の汁は悪臭がします。食べてしまうと嘔吐、筋肉麻痺、呼吸困難となり死亡します(死亡例が数例)。採取には茎の斑点の有る無し、セリのような香気が有るかどうかよく確かめてくださいね。
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■シャクの葉
★このように細かく切れ込んだ葉です。ちぎって匂いを嗅ぐとセリ科特有のおいしそうな香りがします。ドクニンジンの葉は、シャクよりさらに切れ込みが細かいようです。ちぎって匂いを嗅ぐとかび臭い悪臭がします。
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■シャクの茎
★やや薄く茶色がかっていますが血のような斑点は有りません。ドクニンジンの茎は、赤っぽく、「ソクラテスの血」と呼ばれる赤い斑点が有ります。
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■シャクの花
★なかなか楚々としてきれいな5弁花です。1弁だけ大きかったり、均整がとれていません。ドクニンジンの花は似ていますが、ネット図鑑で調べる限りおしべが長く花から飛び出ています。
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■ドクニンジン1
深山毒草園からお借りした写真です。セリ科。茎には血を散らしたような斑点。これはヨーロッパでは「ソクラテスの血」と呼ばれているそうです。哲学者ソクラテスの処刑に毒杯が用いられたことは知られていますが、その毒杯にこのドクニンジンを用いたらしいのです。コニインという神経性の毒で、飲むと苦しみとともに次第に体の感覚が無くなり、やがて死へ至ります。茎や葉をつぶすと腐ったような、かび臭いような悪臭が有ります。くれぐれも注意なさってください。
■ドクニンジン2
深山毒草園からお借りした写真です。ドクニンジンの葉。シャクとそっくり。花も大体似ています。
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■シロツメクサ
2008年5月12日。マメ科。ご存知クローバー。明治時代ヨーロッパから牧草として導入されました。今ではあらゆるところに雑草化しています。葉は三つ葉ですが、まれに四つ葉が有り「幸せを呼ぶ四つ葉のクローバー」として珍重されていますね。
花や茎葉のやわらかいものは食べられます。山菜として見ればまた可愛く愛しいもの。ひどいクセは無くけっこういけますよ。花をそのままてんぷらに。茎葉はさっとゆでて水にさらし、あえ物、おひたし、油炒め、汁の実に。
シロツメクサは、二段下のアカツメクサとよく似ております。違いは、シロツメクサはご覧のように花の下にすぐ葉が有りません。アカツメクサは花の下にすぐ葉が有ります。
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■シロツメクサの葉
2009年12月10日。ご覧のように素敵な三つ葉。葉に白い斑紋が有ります。
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■アカツメクサ
2008年5月18日。マメ科。この花もヨーロッパから牧草として導入されました。上のシロツメクサよりやや大型でピンクの大きい花を咲かせます。シロツメクサとの違いは花の下にすぐ葉が有ることです。シロツメクサ同様、花や茎葉は食べられます。その他、花をジャムにしたり、茎葉を乾かしてハーブティにもするそうです。薬効も有り、呼吸疾患のトラブル、アトピー性皮膚炎など。
下の写真のようにアカツメクサの白花化したものは特に「雪花詰草(セッカツメクサ)」と呼びます。
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■白花アカツメクサ(雪花詰草)
2008年5月25日。マメ科。白花のアカツメクサは三段上のシロツメクサにそっくり。でもやや大型、ご覧のように花のすぐ下に葉が有ります。それにわずかピンクの色が残っています。
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■キクイモ
★2009年9月28日。キク科ヒマワリ属の多年草。別名アメリカイモ、ブタイモ。原産は北アメリカ。日本へ江戸時代末期に飼料として入ってきました。名前の由来は、地下にショウガに似た食用の芋ができるからです。芋はてんぷら、バター焼き、フライ、スープ、味噌漬け、煮物などに。けっこうおいしいです。スーパーで時々安価で売られています。
★そっくりな花にイヌキクイモ、キクイモモドキというのが有ります。イヌキクイモはキクイモなのですが芋が小さくて食用に向きません。キクイモモドキは葉に鋸歯が有り芋はできません。
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■キクイモのイモ
★2010年3月29日。スーパーで十数個入ったものを130円で買いました。ゆでてだし汁で食べてみると、淡白な味で結構いけます。この芋はこのごろ健康食品として脚光を浴びています。ポリフェノールが多く、活性酸素の害を防ぎ、老化防止、美肌効果が有るそうです。また芋に含まれる「イヌリン」という物質が「インシュリン」同様の効果が有り糖尿病治療に期待されています。20世紀はじめ、預言者エドガー・ケイシーが、糖尿病の人に食べさせて合併症から救ったと言われています。もっと売れてもいいと思いますけれど。
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■キクイモの葉
このように細長い葉です。
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■クズ
2009年9月13日。マメ科。秋の七草のひとつ。しかし雑草としてはとても厄介です。クズの成長はすさまじく、あっという間に木をおおってしまいます。昔、この成長力を見込まれて中国の奥地、北アメリカの緑化のために種をまきました。ところが北アメリカでは猛威をふるい、今では有害指定されています。この太い根茎から取れるでんぷんはくず粉と呼ばれ、葛きり、葛餅などお菓子の材料に用いられています。生薬としては「葛根湯(かっこんとう)」。鎮痛、発汗作用が有るとされています。
ツルの先端のやわらかい部分は食べられます。ぽきりと折れるところで折り取って、てんぷら、油炒め、汁の実に。ひどいクセも無く乙な味です。家の裏庭に生えてきたら試してみてください。おいしく頂いているうちに退治できるかも。
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■エゴマ
2009年9月30日。シソ科の一年草。東南アジア原産。漢字で「荏胡麻」。青じその変種です。道端にいくらでもみつかります。葉も花も香りも青じそにそっくり。でも葉をちぎって香りを嗅いでみるとちょっときつい感じがします。レモンの香りがするレモンエゴマというのも有ります。日本ではこのきつい香りが嫌われ葉をあまり食用とはしません。朝鮮半島、中国では好まれて食卓に上がると言うことです。私の試食では抵抗無く食べられました。私はけっこう何でも大丈夫ですのであまり参考になりませんが。でも日本でも、きっと好まれる方はいらっしゃると思います。ビタミンが豊富なので試してみられてはいかがでしょうか。
種子はゴマのように炒ってすりつぶし、エゴマ味噌、エゴマ油などに利用します。インド原産のゴマより古くから利用していました。縄文時代の遺跡からも発見されています。
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■エゴマの花
2009年10月1日。青じその花とそっくりです。
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■ミソハギ
2009年9月20日。ミソハギ科。別名ボンバナ、ボングサ、ショウリョウバナ、ミズカケバナ。昔、祭事にこの花穂に水を含ませ、供え物に水をふりかけて汚れを払うみそぎをしたから「ミソギハギ」。これが転じて「ミソハギ」なったとのこと。
食用にできます。若い芽をゆでて水にさらしてあえ物、炒め物、佃煮に。花は生のままサラダに入れても大丈夫。きれいなサラダができるでしょうね。
生薬としては「千屈菜(せんくつさい)」。全草を乾かし、煎じて服用すれば、下痢止め、急性腸炎、膀胱炎、むくみに、また、煎じ液をガーゼに含ませてシップすれば、あせも、靴ずれ、股ずれ、湿疹などに効くそうです。
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■イヌタデ
2009年10月24日。タデ科イヌタデ属。この花は秋になるとどこにでも有りますね。別名「あかまんま」。昔、女の子たちがママゴトのご飯代わりにしたから。この草も若いときは食べられます。花がまだ付かないころ摘んで、てんぷらに。さっと湯に通し、汁の実、おひたしなどに。
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■ボントクタデ
2009年9月30日。タデ科イヌタデ属。ボントクタデ。上のイヌタデよりやや水の有るところを好みます。田んぼのふち、水辺の辺りに生えています。草姿が似ているヤナギタデは辛味が有り香辛料に使われます。でもボントクタデには辛味は有りません。漢字で「凡篤蓼」。「凡篤」とは方言で「愚か者」の意味。ヤナギタデにそっくりなくせに香辛料に使えないから叱られたようです。しかし、辛味は無くとも立派な山菜になります。イヌタデ同様、まだ花の付かない頃摘んで利用します。
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■ボントクタデの葉
写真のように葉に黒い模様が有ります。
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■ツユクサ1
2009年6月1日。ツユクサ科。どこにでも生えています。秋には、みなさまよくご存知の青い花を咲かせます(この下の写真、ツユクサの花参照)。早朝咲いて、夕方にはもうしぼんでいるから「露草」。色が服に付くから「ツキクサ」がなまったという説も有ります。生薬として利尿剤に使われます。
この葉っぱは山菜として食べられます。初夏のまだ花の付く前の柔らかいものを摘み取り、ゆでて水にさらします。その後おひたしやあえ物、煮物など。炒めて味付けしてもおいしいです。
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■ツユクサ2
2009年6月1日。ツユクサの葉っぱです。これくらいのものが採取適齢期です。
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■ツユクサの花
口を開けたガクから青い花を立てます。
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■オオバコ1
2009年6月17日。オオバコ科。この草は、人の歩くところどこにでも見かけます。それもそのはず、じつは面白い性質が有るのです。人や動物に踏まれるのを喜ぶのです。ですから踏まれそうな道路わきや土の駐車場、細道の木の階段などに葉を広げています。人が歩かないような草わらの中はあまり見当たりません。有っても他の草に負け、所在無げに葉を上に持ちあげて小さくなっています。他の花が最も嫌う「踏まれる場所」にわざわざ出てきて、「さあ踏んでくれ」と居直り、子孫を残そうというのです。この草が長い間かかって身に付けた知恵なのでしょう。葉はご覧のように地面に張り付くようにして踏みつけに備えています。葉が大きいから「大葉子」。春5、6月ごろ、棒のような茎を立ち上げ、その頂上付近に細かく小さい花を付けます。
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■オオバコ2
2009年6月17日。オオバコの葉の形です。見た目はあまりおいしくなさそうですね。でも、その薬効の範囲は広く、乾燥したものは生薬「車前子(シャゼンシ)」と言い、セキ止め、利尿、健胃、整腸、消炎、鼻血、むくみ、下痢、更年期障害の治療薬として用いられています。特に便秘、下痢などに特効が有ります。作り方は簡単。体調を気になさる方はぜひ試してください。[オオバコ茶の作り方]→根を含んだ全草を水洗いし乾燥させる。水500gに葉5gぐらいを入れて沸騰させ、半量ほどになったら出来上がり。
食用としても調理の仕方によってはおいしいです。できるだけ柔らかそうなものを摘み取り、スジが少し硬いので長めにゆで、ゴマあえにするとけっこういけます。てんぷらにするときは、スジにそって包丁で少し切れ目を入れてください。切れ目を入れないと葉が膨らんではじけますので熱い油が飛んできます。
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■オオバコの花
2009年6月17日。オオバコの花です。あまりに細かく小さいので、学者の方しか目にとめないかもしれません。
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■ヤマモモ
ヤマモモ科。暖地に生える雌雄異株の常緑高木。バラ科の普通の桃とは全く別種です。高さは15mにもなります。寒地では育たないので注意。石川県森林公園に有りました。このごろ温暖化で可能なのでしょうかねえ。
初夏に写真のようなおいしそうな実を熟します。公園内ですから撮影だけで私はまだ食べたことが有りません。多汁で甘く、ほどよい酸っぱさが有るそうです。人によっては松やにのにおいがするという方もいらっしゃいます。熟成の度合いによって味が違うのかもしれません。ジャムやゼリーに加工したり、塩漬け砂糖漬け、焼酎に漬け込んでヤマモモ酒を作るそうです。果実は日持ちがしないので全国的な流通経路に乗らないとのこと。暖かい地方だけの果物のようです。
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■モミジイチゴ
2009年5月27日。バラ科。一般にキイチゴと呼ばれています。春先に花が咲き、初夏にはもうおいしい実を付けます。子供たちの遠足で大人気になる実です。実は程よく甘く、いくら食べても飽きません。ただ、茎には鋭いとげが有るので注意。ヤブに分け入ると服や皮膚を引っかきます。
初夏にキイチゴ摘みをして、よく洗い、生食するのが一番。多量に採れた時は砂糖で煮てジャムにしたり、焼酎につけてキイチゴ酒にいたします。
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■モミジイチゴの花
2009年4月3日。モミジイチゴの花です。春に純白の花を下向きに付けます。葉がモミジに似ているのでモミジイチゴと名付けられました。
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■ナワシロイチゴ
この赤いイチゴの実もおいしいです。苗代(稲の種を撒く)ころ実が熟すのでナワシロイチゴ。石川県森林公園ではモミジイチゴはふんだんに有ります。このナワシロイチゴはやや少ないです。
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■ナツハゼ
2009年9月24日。ツツジ科スノキ属の落葉低木。別名ヤマナスビ。これが日本自生のブルーベリー。公園のいたるところで見つけます。山道脇の草のように小さいものから2m以上の実だらけのものまで。5月頃とても素敵な花が咲き、その後赤茶色の実を枝いっぱいに付けます。秋に黒く完熟したら採り頃。実にはごらんのように大きいクレーターのような模様が有ります。ある地方ではこれが鉢巻に見えるらしく、「ハチマキモモ」「クロハチマキ」と呼んでいるそうです(森林公園周辺の人々は茶釜に見えるので「チャガマノ木」と呼んでいます)。
生食ではやや酸っぱくて大量には食べられないのですが、疲れているとき少量口に入れればおいしいものです。たくさん採れたら焼酎に漬け込みナツハゼ酒にすると長い間楽しめます。
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■ナツハゼの花
2009年5月28日。5月頃咲くナツハゼの花です。山道脇のヤブから顔を出していました。花の時からおいしそう。まるでおとぎの国のカップのようです。
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■ガマズミ
2009年9月30日。スイカズラ科。この木も公園のいたるところに有ります。5、6月ごろ芳香有る純白の花が咲き、秋に南天のような赤い実を付けます。この実は甘酸っぱくてなかなかおいしく、また疲労回復、血液さらさら効果、生活習慣病、美容、健康に効果が有るとされ近年人気になってきました。昔、一日じゅう狩をして歩くマタギが疲れを癒すためにこの実をとても大切にしたそうです。
ガマズミという名前の由来ははっきりしておりません。中国名から来たとか、昔この木からクワ、カマの柄を作ったから「カマ」と付けられたとか、神が下さった効能有る実だから「神つ実(かみつみ)」がなまったものだとか。この中で「神つ実」の名付け方が一番素敵です。これからはそうしておきましょうね。
食べ方は生食のほか、ジュース、ガマズミ酒など。健康食品、健康酒などさまざまに加工され販売されています。
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■ガマズミの花
2009年5月28日。「神つ実」の花の美しい姿です。
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■ヤマブドウ1
2009年9月26日。ブドウ科。野生のブドウです。栽培品種より酸っぱくて甘みは少ないのですが野生的な味でけっこうおいしいです。ただ個体によって差が激しく、酸っぱくてうまくないものからおいしいものまで幅があるようです。この写真のものは2、3粒口に入れてみたら結構いけました。
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■ヤマブドウ2
2009年9月26日。ヤマブドウはツルを出して他の木につかまりながら成長します。時々このように藪から顔を出しています。
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■ヤマブドウの葉
2009年9月26日。ヤマブドウの葉っぱです。このように五角形の形をしています。他にそっくりの葉に、ノブドウというのが有ります。ノブドウの実は青い感じの色をしており、ヤマブドウとすぐに見分けがつきます。ノブドウはまずくて食べられません。
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■ブドウに似た実(ツヅラフジ)1
2008年10月22日。これは葉の形、実のなり方からツヅラフジです。ツヅラフジ科ツヅラフジ属。漢字で「葛藤」。葉は変化に富んでいて、ブドウの葉と似ているものも有り、ネットでもヤマブドウと紹介しているページが有ります。
ツヅラフジの実は、写真のように小さい玉のように固まり、ツルにポツリポツリとついています。ヤマブドウの実は、普通の栽培種のブドウのように縦に長い房になってぶら下がります。ツヅラフジの実は食べるとやや甘みも有りますが苦味が強くあまりおいしくありません。実は毒が有るとも、またそのまま食べると薬効が有るとも言います。でもはっきりしないので大量に食べないようにしましょう。
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■ブドウに似た実(ツヅラフジ)2
★ツヅラフジの房のひとつに近付きました。まだ若い実ですがなかなかおいしそう。ヤマブドウと間違えるのも無理はないですね。二、三粒なら食べても害は無いと思いますが保証はできません。
★みなさんご存知でしたか。「葛藤(かっとう)」という言葉はこのツヅラフジの漢字から来ました。ツルが複雑に絡まる様子が感情のもつれを表すのにふさわしかったようです。また、折れ曲がった道を「九十九折(つづらおり)」と言いますが、この言葉もツルの様子から来たらしいです。石川県津幡町倶利伽羅山(くりからやま)のふもとに「九折(つづらおり)」という地名が有ります。倶利伽羅山天田峠へ至るくねくねした道周辺の地区です。
★ツルは昔からカゴを作るのに使われています。生薬名は「防已(ぼうい)」。根や茎を煎じて消炎、鎮痛、利尿剤として使います。
★その他、ブドウ科ではエビヅルがヤマブドウに似て食べられますがあまりおいしくありません。ノブドウは実が青や紫、カガミグサは白や青で、まずそうな姿ですぐ判別できます。両方とも食べられません。
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■ブドウに似た実(カガミグサ)
2009年10月14日。ブドウ科のカガミグサです。確かにブドウ科ですが色は白や緑っぽく、いかにも食べられないような姿をしていますね。カガミグサの名の由来ははっきり分かっていないようです。なにぶんにも人にあまり役に立たない植物で、また昔のことなので、名前の付け方も勘違い、いい加減も有ったのかもしれません。
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■クリ1
2009年9月21日。子供の頃はよく道端の栗をもぎ取りました。片足で踏んづけ、木の枝でトゲを剥ぎます。硬い皮を歯でむしり、渋皮を爪でこすり落とし、生で口に放り込みます。村では「生で食べると頭に吹き出物ができるぞ」と言われていましたが一度もできたことが有りません。アクのことを言っているのかな。
栗の歴史は古く、縄文時代(5000年前)に食べられていたそうです。平安時代の初期、京都の丹波地方で栽培が始められ、現在でも「丹波栗」としてブランドになっています。
栗はカリウム、ビタミンC、食物繊維を多く含み、高血圧、動脈硬化予防に効果が有ります。ただ数日経つと水分が飛び栄養価も半減します。私のように生で頂く場合は、採りたてがカリコリして最高です(アクに弱い方は注意してくださいね)。数日持たせたい場合は新聞紙に包んで冷蔵庫へ。皮をむいてアク抜きしたものなら水に入れて3日以内。長期間保存したい場合は冷凍庫へ入れると6か月は持ちます(味はかなり落ちます)。
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■クリ2
2009年9月21日。このようにトゲの内部が少し赤みがかってきたら採り頃です。もうすぐ口を開けて茶色い栗の実が顔を覗かせます。
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★食べると危険な毒草
■マムシグサ1
2009年5月10日。サトイモ科。子供の広場から入った小道で撮影。山道で突然こんなのに出くわしたらやはり驚きます。なんておどろおどろしい姿をしているのでしょうか。魔物が羽を広げて何か叫んでいるようなイメージです。でも体全体が「私は毒ですよ」と言っている様なものなので、だれも食べる人はいないでしょう。あの、歌に歌われるミズバショウの仲間らしいのですがとてもそう思えませんね。全体に猛毒を含みます。特に球根に多いです。昔、この球根を採取して毒抜きをして食べたという話も聞きます。よほどの専門的知識がないと無理でしょう。マムシグサの命名は、この姿を見たらすぐ分かりますね。この草の茎がマムシの皮膚に似ているから、とも言います。下に三つ、色違いのものを掲載しておきます。それぞれ違った名前が有るのかも知れません。
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■マムシグサ2
2010年5月7日。ある小道で撮影。これは色がまだやさしいですね。これくらいなら驚かないかもしれません。
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■マムシグサ3
2009年5月26日。炊飯広場近く、サイクリングロード脇で撮影。今度は緑色。上から順にやさしい色になってきました。道脇の崖ですので、前からの撮影はできませんでした。もしかすると人間嫌いになってしまって、人に顔を見せたくないのかもしれません。
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■マムシグサの実
2009年10月13日。秋に実るマムシグサの実です。トウモロコシに似て意外と彩りもよくツヤツヤしてきれいです。食べるとおいしそうな気がします。でもだまされないでくださいね。食べてしまうと、どこか知らない世界へ行ってしまいます。
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■ヨウシュヤマゴボウ
2008年6月14日。ヤマゴボウ科。北米原産の帰化植物。公園のあちこちに生えています。他に同属のヤマゴボウといわれるものが有って、花はこれよりややきれいで花が垂れずに上を向いて付くそうです。高さ1m以上のかなり大きい草です。初夏から夏に花が咲き、その後、下に掲載したような紫のブドウのような実を付けます。この実がつぶれて服などに付くとなかなか落ちないので、アメリカではインクベリーと呼ばれ、一時染料、ワインの着色料として使っていたことが有るそうです。しかし毒草ですので今は用いられていません。
スーパーなどで山菜ヤマゴボウとして売られているものはキク科のモリアザミか普通の野菜のゴボウです。間違えてこの写真の本物のヤマゴボウの根を食べないでくださいね。
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■ヤマゴボウの株
ヨウシュヤマゴボウの一株です。花芽がいくつか見えます。これはまだ若い株ですが、大きくなると1m以上、こんもりとした草姿になります。
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■ヨウシュヤマゴボウの実
2009年10月12日。ブドウのようでおいしそうに見えます。毒が有るのは茎葉や根で、実には毒は無いという人もいます。実際、イタリア人の植生学者が食べてみせ、何とも無かったとのこと。でもこれは又聞きですので保障はできません。
この実を「ヨウシュヤマブドウ」と覚えている人もいるようです。ネットで調べると何件かヒットします。「ブドウ」と聞いて食べてみる人もいるのではないでしょうか。実を食べて中毒した話はまだ聞きませんが注意しておいた方がよさそうです。
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■ウマノアシガタ1
2009年4月18日。キンポウゲ科。4月から6月、道端を黄色く染めているのはたいていこの花です。この草を食べると口の中がはれ上がり、胃腸も炎症を起こします。セリ、ヨメナの中に混じっていることが有るので要注意。同種同属にキツネノボタンが有ります。毒成分はウマノアシガタと変わらず、中毒症状も同じです。両方とも花後にコンペイトウのような実をつけます。
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■ウマノアシガタ2
毒草ですが花はきれいです。つやのある黄色い花をたくさんつけます。花が八重になったものを特にキンポウゲと呼びます。
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■ウマノアシガタの葉
2009年12月2日。葉は「馬の足形」に似ているとのこと。どこが似ているのでしょうね。キツネノボタンの葉とは全然違います。茎葉には毛が密集していて触るとふかふかします。
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■キツネノボタン
2009年5月26日。キンポウゲ科。中毒症状は上のウマノアシガタと変わりません。この草の小さいときはミツバにそっくり。→(ミツバに似た葉参照)
ミツバとの違いはこの草には薄い毛が生えていることです。また茎をつぶして匂いを嗅いでもミツバの香りがしません。ミツバに混じり込まないように注意しましょう。上のウマノアシガタより草姿が荒く草丈も大きいようです。しかし花はまばらに付き、小さく貧相です。
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■ツリフネソウ1
2009年9月24日。ツリフネソウ科。花が船を釣っているように見えるのでツリフネソウ。半日陰で湿った場所を好みます。ホウセンカの仲間で種子も似ていて触るとはじけます。草丈はけっこう大型で1mほど。花はきれいでも有毒です。食べてしまうと腹痛、吐き気、下痢に見舞われます。
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■ツリフネソウ2
2009年9月24日。ツリフネソウの群生です。かも池ベリの細い道で見つけました。
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■ミゾカクシ
2009年9月27日。キキョウ科。学名ロベリア。別名アゼムシロ。水田のふちやあぜに咲いています。草丈10cmほど、花は1cmほど、小型でたいしたことも無いと思いがち。しかし全草にロベリンという猛毒を含み、食べるとけいれん、呼吸麻痺、ひどい場合は死んでしまうことも有ります。山菜の中に混じり混まないように注意しましょう。
この花の園芸種はロベリアとして園芸店に売られています。同属にサワギキョウという紫色の花も有ります。ともに有毒です。
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■センニンソウ
2009年9月30日。キンポウゲ科。常緑のつる性植物。別名有毒のため「ウマクワズ」。種子に仙人の様なひげが有るのでセンニンソウ。葉はおいしくなさそうですので誰も食べないと思います。でも間違って食べてしまうと口内の腫れ、腸のただれ、下痢で苦しみます。
この花の園芸種がカザグルマ、クレマチスです。
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■ヒガンバナ
2009年9月19日。ヒガンバナ科。別名マンジュシャゲ、マンジュシャカ。その他各地で「死人花」「地獄花」「幽霊花」「カミソリ花」「キツネ花」「捨て子花」など、とにかく不吉な花として知られています。全草にリコリンという猛毒を含み、墓地などに植えられることがあるからです。昔は、この花の球根の毒抜きをして食用にしたらしいです。もちろん素人の調理は危険。食べてしまうと嘔吐、下痢、呼吸困難となり、死に至ることも有ります。
その他、同じヒガンバナ科で、薄いピンク色の花を咲かせるナツズイセン。園芸品のスイセンも有毒です。スイセンの葉はニラと似ているので間違わないようにしましょう。食中毒症状のほか、葉の汁が付くと皮膚炎になることも有ります。スイセンの球根をアサツキと間違えて食べ、亡くなった方もいらっしゃいます。
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■イヌホオズキ
2008年11月5日。ナス科ナス属。ナスの仲間ですが有毒です。食べると嘔吐、下痢、呼吸麻痺で苦しみます。写真の白花のほか、紫色の花も有ります。花のあと、黒く小さいトマトのような実をつけます。
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■ムラサキケマン
2008年4月29日。キク科キケマン属。薄暗いじめじめした林の中で見つけました。花弁も触るとやわらかく、茎もひよろひよろしていかにも日陰植物という感じ。草の汁は悪臭がします。ケマンというのは、仏具の欄干の装飾具。
全草有毒です。プロトピンという有毒物質を含み、誤食すると嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺で苦しみます。
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■ドクゼリ(猛毒)
深山毒草園からお借りした写真です。セリ科ドクゼリ属。ドクウツギ、トリカブトと並んで日本の三大毒草のひとつ。セリと同じような水辺に生え、時々セリと誤食した悲惨なニュースを聞きます。中には根茎をわさびと間違えて食べたり、痒み止めに使用して亡くなった方もいらっしゃいます。食べてしまうと痙攣、呼吸困難、嘔吐、下痢、めまい、意識障害、あらゆる苦しみが襲い、ひどいときには死亡してしまいます。ソクラテス処刑の毒杯はドクニンジンだと言われていますが、このドクゼリではないかという説もあります。
■ドクゼリの葉
深山毒草園からお借りした写真です。この葉は少し成長した時のようです。私にはセリの葉と全く違った葉に見えます。でも初心者の方は、同じ場所に生えていますのでセリと一緒に摘むことが有るかもしれません。迷ったら必ず茎をつぶして匂いを嗅いでくださいね。ドクゼリはセリの香りが全くしません。いつも採取している人は葉も草姿も違うので間違えるはずは無いと思うのですが・・・
■ドクゼリの根
深山毒草園からお借りした写真です。ドクゼリの根はこのように太いわさびのようです。半分に割ると竹の子のようなフシが有ります。
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■ドクニンジン(猛毒)
深山毒草園からお借りした写真です。セリ科。山菜シャクに似ているのでご注意。シャクはセリに似た香味が有りとてもおいしい山菜ですが、ドクニンジンには茎に血を散らしたような斑点が有ります。これはヨーロッパでは「ソクラテスの血」と呼ばれているそうです。哲学者ソクラテスの処刑に使われた毒草らしいのです。コニインという神経性の毒で、飲むと苦しみとともに次第に体の感覚が無くなり、やがて死へ至ります。茎や葉をつぶすと腐ったような、かび臭いような悪臭が有ります。
■ドクニンジンの葉
深山毒草園からお借りした写真です。ドクニンジンの葉。シャクとそっくり。花も大体似ています。
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■バイケイソウ(猛毒)
深山毒草園からお借りした写真です。ユリ科。殺虫剤に使われるほど猛毒。生え頃は山菜ウルイに似ていて誤食するケースが有るようです。でもバイケイソウは葉脈が平行、葉はでこぼこ。葉裏に毛も生えており、一目でまずそうです。ウルイは鮮明な緑、仏壇のハスの葉のようなきれいな模様、葉の表も裏もツヤツヤでいかにもおいしそう。でも間違ってこのバイケイソウを食べてしまうと、下痢、吐き気、めまい、手足のしびれ、けいれんに苦しみ、重症になると意識不明になり死亡します。中毒なさる方は「おすそ分け」も有ると聞きます。不審なものは食べないように注意してください。
■バイケイソウの花
深山毒草園からお借りした写真です。バイケイソウの花はこのようにきれいです。人間からすると危険でも、バイケイソウからすると長い間かかって獲得した身を守る知恵なのでしょうね。この花が好きで庭に栽培する方もいらっしゃいます。
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■トリカブト(猛毒)
深山毒草園からお借りした写真です。キンポウゲ科。ご存知、日本三大毒草のひとつ。さまざまな犯罪に登場し、昔は毒矢にも使われました。食べると口内に痛みが走り、嘔吐、けいれん、歩行困難、呼吸困難となり、ひどい場合は死亡します。現代医学では有効な治療法が有りません。時々山菜になるキンポウゲ科ニリンソウ、ヨモギ、モミジガサと間違え、悲しい目に遭われる方がいらっしゃいます。
■トリカブトの葉
深山毒草園からお借りした写真です。葉は円形で深く裂けており、やはり同科ニリンソウに似ています。ヨモギにはあまり似ているとは思いません。でも一緒に生えていることも有るので、紛れて摘んでしまう方がいらっしゃるようです。じゅうぶん注意なさってください。
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