このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

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種名または品種、栽培品種名
Cerasus × sieboldii‘Yayoi-takasago’
ヤヨイタカサゴ
弥生高砂

富山県から報告された、タカサゴの早咲き品種。タカサゴは別名、ワセミヤコ(早生都)と呼ばれており、八重咲性の品種の中では早咲きである。
花床筒は筒状鐘形
萼片は楕円形、縁は全縁、
花床筒、花序柄、小花柄には毛がある
原木は、富山県富山市婦中町萩島、飲食店敷地(民有地)にある。

<花の色>
 白色「9501」
<花弁の枚数>
 10枚〜15枚
<花の形>
 半八重咲き〜八重咲き 大輪
<花の時期>表記のない場合は近畿基準
 4月上旬(富山県基準)
<特徴・来歴>
 タカサゴは、チョウジザクラとサトザクラの雑種であり、葉や花床筒、花序柄、小花柄に毛が多いという特徴があります。普通3倍体のサクラです。
 タカサゴは古くから栽培されている品種で、全国には形質もかなり差異があり、どれを一般の型とするか疑問の残るところです。
 ヤヨイタカサゴは、富山県などのタカサゴと比べ、葉裏面の斜出毛や有毛部位に差異があること、開花が早い点などでタカサゴと区別できるとして、令和5年(2023年)に、富山県中央植物園、大原隆明氏が新品種として発表したものです。
 原木の立地状況を見ると、積雪の時期においてもアスファルト(黒色)が幹冠下の根系部を覆っていること、冬期においても建物からの廃熱による影響など、比較する条件が違うため、タカサゴと比べ、やや開花が早くなる可能性が考えられます。一般的なタカサゴとの開花期が早い点については、今後検証が必要かも知れませんね。

<余談>
 調査の際、原木のある「はぎ亭」さんで、とても美味しい、トンカツ定食をいただきました。その後、撮影の許可を得た上で、原木の撮影をさせていただきました。桜の場所は飲食店の駐車場の中なので、迷惑とならないような桜の観賞をお願いします。


<成立に関係しているサクラ(種)>
C.jamasakura
C.sargentii
C.leveilleana
C.speciosa
C.itosakura
C.incisa
C.apetala
C.companulata
C.maximowiczii
C.pseudocerasus
C.avium
不明


文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜


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