このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

桜の名前から ↑

学名・種名
Cerasus incisa (Thund.) Loisel. var. incisa
/
マメザクラ
豆桜・富士桜・婆彼岸・箱根桜

低木性〜小高木性
樹形は傘形〜広卵形状
散形状花序


本州中部、関東周辺に分布します。
各部に有毛なタイプから無毛のタイプもあり様々です。
枝はよく分枝し、小枝にも花をつけるので盆栽などとしても利用されてきました。
・花色は白色〜淡紅色
・花弁の先は浅く二裂します。
・花径は1.5cm〜2.5cm(小輪)
・花床筒は短い筒状鐘形でほぼ無毛
・萼片は広卵状三角形で縁は全縁
・小花柄には斜上毛がありますが、無いタイプもあり、個体差があります。

・葉身は倒卵状形〜卵形楕円形(小型)
・葉身の先は尾状鋭尖形
・葉身の表面、裏面は有毛
・葉身の側脈は5 〜 7 対あります。

・葉縁、鋸歯は欠刻状重鋸歯
・先には腺があります。
・学名の「incisa」は、欠刻のあるという意味です。
・葉身基部は、円形〜くさび形
・葉身基部、葉柄上部に蜜腺があります。
・葉柄には斜上毛があります。
果実は、直径0.5cm〜0.8cm位、
黒紫色で甘味があります。
特に富士山周辺に多いことから「富士桜」と呼ばれます。
私は、野生種のサクラの中では、マメザクラが一番好きです。

 Prunus incisa Thunb.in Fl.Jap.:202(1784)
  -Cerasus incisa(Murray)Loisel.in Duhamel,Traite Arbr.Arbust.New ed.5:33(1812)




マメザクラは実に多様です。変種や地域型には、
・イシヅチザクラ C.shikokuensis
・キンキマメザクラ C.kinkiensis
・オンタケマメザクラ C. ontakensis
・クモイザクラ C.alpina
・タカネザクラ C.nipponica
・チシマザクラ C.kurilensis
・ビロウドチシマザクラ C.kuriensis f.hayashi
・ブコウマメザクラ C.bukosanensis
・ミドリキンキマメザクラ C.kinkiensis f.viridicalyx
・ミドリザクラ C.f. yamadei などがあります。



文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜
桜樹学・桜の世界1 野生種編 P41-42

このページへの直接のリンクを禁止します。