このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

桜の名前から ↑

種名または品種、栽培品種名
Cerasus leveilleana (Koehne) H.Ohba f. pubifolia (Makino) H.Ohba
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キビザクラ
吉備桜・高梁霞桜

花はカスミザクラそのものだが、各部に毛が多い
(岡山県高梁市 臥牛山)
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カスミザクラと比べかなり多毛
花床筒は筒状鐘形でまばらに毛がある
小花柄には開出毛が密生する。

<花の色>
 白色「9501」
<花弁の枚数>
 5枚
<花の形>
 一重咲き 中輪
<花の時期>表記のない場合は近畿基準
 4月下旬〜5月上旬 岡山県基準
<特徴・来歴>
(カスミザクラ ×  )
 岡山県の臥牛山で発見された、カスミザクラの一型で多毛型のタイプです。花期もカスミザクラに比べ遅いです。
 名はよく知られる桜ですが、写真や文献がほとんどないため、藤原が詳しく記載します。
 花はほとんど白色ですが、開花直後は花弁の先にやや微淡紅色の色が残ります。葉は両面とも毛がありますが、特に裏面には密生し、脈上に添うように斜状に生えます。
 小花柄は、1.5〜2cm位で、白色の毛が密生しています。(花柄、約1cm同じく毛がある)その他の特徴はカスミザクラと同じです。

(私の見解)
 なぜカスミザクラの多毛型が臥牛山に自生しているのかは、未だ不明で検証もされていません。「備中植物誌(1925年)」によると、臥牛山、秋葉山の産とあります。私が数年前、同じく岡山県の備前市周辺のカスミザクラを調べた際、かなり多毛なタイプがあったり、花期も他のカスミザクラと比べて遅いものがありました。分布域、それらの中間的なタイプなど調べるとかなり分布域が広いのかもしれませんね。

<成立に関係しているサクラ(種)>
C.jamasakura
C.sargentii
C.leveilleana
C.speciosa
C.itosakura
C.incisa
C.apetala
C.companulata
C.maximowiczii
C.pseudocerasus
C.avium
不明


文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜
桜樹学・桜の世界1 野生種編 P77-78

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