【 漢詩 】
七言絶句
- 幕末に生きた志士の詩 -

常盤孤を抱くの図に題す
雪は笠檐に灑いで風袂を捲く 呱呱乳を覓むるは若為の情ぞ
他年鉄枴峰頭の嶮
三軍を叱咤するは是れ此の声
《作者》
梁川星巌(1789~1858)江戸時代後期の漢詩人。 寛政元年美濃の生まれ。15歳で遊学の為江戸に赴き、古賀精理、 山本北山に師事する、当時、神田お玉が池に大窪天民が江湖社を 開き、各地の詩客を集めていた。星巌はその中にあって詩才に すぐれ、人はみな天稟(てんぴん)と称した。大窪天民は清逸淡泊 で、『詩経』の国風に類したが、これに対し星巌は温潤濃厚で 大雅、小雅の風があった。星巌は範を唐詩にとったが、天民は 宋・元にも及んだ。 星巌は天保5年江戸にお玉が池を開き、玉池吟社と称した。 大勢の門弟が集まり、隆盛(りゅうせい)となったが、弘化2年 京都に去り、鴨川の畔に住み鴨沂小隠(おうきしょういん)と 称し吟詠して独り楽しんだ。世人(せじん)は日本の李白と称した。 安政5年閣老間部詮勝が幕命で京に上り、攘夷論者を捕えようと した時、憤慨し詩二十五首を作り、幕府の政道をなじったが、 病によりこの年、七十歳で没した。
《解説》
作者が中国地方に旅して、文政六年から七年にかけて 百日余りの間安芸(広島)三原に滞在した際、四条派の女流画家 田氏の女玉葆(ぎょくほう)が、源義朝の妾 常盤が三人の孤児を ともなって逃れてゆく大和路(奈良県)における雪中苦難のさまを 描いた図に題した詩である。
《通釈》
雪は絶え間なく常盤の笠の縁(ひさし)に降り注ぎ、肌を つんざく寒風は常盤の袂を捲きあげる。(今若、乙若の手を引き、 牛若を懐に抱いて、追手を逃れてさまよう常盤の姿は見るも痛ましい。 牛若は空腹を訴えて)おぎゃぁおぎゃぁと泣き叫びながら、乳房を 探し求めているが、どんな気持ちでいるのか、なにもわからぬだけに かえって不憫である。やがて時移り、けわしい鉄枴峰上に立って 大音声を揚げ、大軍を指揮して鵯越(ひよどりご)えを一気に駆け下り たちまち平家の軍勢をうち破った大将の、その大音声こそ、寒風の 中で乳を探し求めて啼いているこの声に他ならないのである。
【 俳句 】
五・七・五 からなる定型詩。
ゆったり吟じます。
心が洗われた気分になります。

裏を見せ 表を見せて
散るもみじ
裏を見せ 表を見せて
散るもみじ
≪作者≫
良寛 : 江戸後期の僧侶、詩人、歌人、書家、 俗名は山本栄蔵、越後の人、 名主の家に生まれ、 一旦は名主見習いを継いだが十八歳の時、家を 弟に譲り出家した。漢詩と儒学を少年のころ、大森 子陽について学んだ。二十二歳の時、得度して 岡山に行き、円通寺の國仙和尚について修行した。 のち諸国行脚の末、四十七歳のとき郷里に帰り 国上山の五合庵に入り十三年間過ごし、その後 約十年間、山麓の乙子神社の庵に住んだ。晩年 は、島崎村の木村家に寄寓し、弟や貞信尼に 看取られて、天保二年、七十四歳で没する。
≪その他≫
五合庵に忍びこんだ賊に、全品を与え、その時の句に
ぬすびとの取り残しけり窓の月
があるそうです。
このほか良寛さんには色々なエピソード・逸話があるようです。
厳しい雪国の五合庵でのまずしい生活の中に置き、自分をみつめる。それ自体が良寛さんの修行だったのだろうか。
無心になるため手まりをつく良寛さん。純粋な気持ちにもどるため子供らと遊ぶ良寛さん。
貞信尼との恋ごころをもつ良寛さん。良寛さんの書とは..。
良寛さんはどのような方なのか。
【 短歌・新体詩 】
新体詩は日本の和歌・俳句などの定型詩や漢詩から新しい詩型を目指した詩作品。

われら愛す
胸せまるあつきおもいに
この国を われら愛す
しらぬひ筑紫のうみべ
みすずかる信濃のやまべ
われら愛す
涙あふれてこの国の空の青さよ
この国の水の青さよ
≪作者≫1915年(大正4年)1月1日 - 1993年(平成5年)5月9日)は、日本の教育者。詩人。歌人。山形県白鷹町横田尻に生まれる。アララギ派の歌人として出発し、1934年(昭和9年)の情報局・朝日新聞主催の懸賞作詞「大日本の歌」で一位入賞を果たす。また戦後には、洋酒壽屋(現サントリー)主催で公募の新国民歌「われら愛す」が一位で入賞した。 1993年(平成5年)5月9日心不全で逝去。享年78
出典:BIGLOBE百科事典
≪写真≫
東久留米市は都内最大の湧水量を誇る湧水の場所があります。市内に流れる黒目川と落合川、
今回はこの落合川と、多聞寺( 毘沙門天を本尊とする武蔵野三十三観音霊場の第五番札所、
境内には聖観音像と弘法大師像が見守る ) よりほんの少しそれた竹林のなかにある湧水の場所を撮ってきました。
湧水ときれいな川、そして鳥たちものんびり泳いでいした。私も休日によくここに散歩に出かけます。
水のきれいなこの日本に生まれてよかったなといつも思います。