日本では、心筋梗塞など血管の病気による死亡が増え、2004年には年間28万人を超える方が血管の病気で亡くなっています。
1960年代の初めに、高コレステロールが血管の病気の大きな原因の1つである事がわかりました。
しかし、当時コレステロールを下げる良い薬がありませんでした。
1970年代初め、現在東京農工大学名誉教授でいらっしゃる遠藤章先生が、「肝臓でのコレステロールを作るのを邪魔すれば、コレステロールを下げる事が 出来る」「カビやキノコの中に、コレステロールを作るのを邪魔する物質がある。」という2つの仮説を立て、1971年から研究を開始しました。
2年間でなんと6,000株ものカビとキノコを調べ、ようやく「コンパクチン」という物質を発見したのです。
しかし、遠藤先生の苦悩は始まりました!
「コンパクチン」は期待に反して、ラットの実験ではコレステロールを下げる効果がなく研究は難航しました。
1976年にようやく「コンパクチン」がニワトリとイヌのコレステロールを劇的に下げるという実験結果がでて、再び研究が軌道に乗るかと思われました。
しかし、1977年にラットによる実験で毒性の疑いが出てきて、再び実験は危機に陥るのです。
でも、遠藤先生は諦めませんでした。1978年、高コレステロール患者に投与する実験を行った結果、患者のコレステロールを下げ、重篤な副作用もない事がわかり「コンパクチン」の研究は順調に進んで行きました。
ところが、1980年夏にイヌの毒性試験に失敗し、「コンパクチン」の研究は中止になってしまったのです。
しかし、この研究は無駄になりませんでした!その後の研究で、「コンパクチン」のよく似た物質で「スタチン」が発見されたのです。
「スタチン」はその後の研究で、コレステロールを下げるだけでなく、心臓発作の発症の低下、脳卒中の発症低下にも効果があることがわかり、今では世界中で約3,000万人の患者が「スタチン」による治療を受けています。
「スタチン」は、たしかにコレステロール値を下げるのに大変効果のある薬ですが、残念な事にコレステロール値を下げると同時に体内のコエンザイムQ10も減少するのです。
コエンザイムQ10といえば、聞かれたことのある方が沢山いらっしゃるかと思います。コエンザイムQ10は、体のサビ止め(抗酸化作用)として大きな作用があるといわれており、若返りの補酵素ともいわれています。
さらに体の中でエネルギーを燃やすマッチの役目をしていて、コエンザイムQ10が少なくなると、疲れやすくなるともいわれています。
「スタチン」を服用されてない方でも、残念ながら20歳をピークに減少していきます。
最近どうも、「疲れやすい」とか「やる気が出ない」方一度、コエンザイムQ10を摂取してみてはいかがでしょうか? |
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