合宿最後の塩見岳から踏破した峰々を振り返る
畑薙第一ダム | 8:40発 | |
林道 | 9:15着 | 9:30発 |
ヤレヤレ峠 | 10:20着 | 10:40発 |
上河内沢テントサイト | 10:55着 |
7月18日午後5時31分大阪駅発 快速電車大垣行で出発。帰りのラッシュ時とかさなって全員散々になり、なんとか乗り込む。大垣から東京行の普通電車に乗りかえ。午前0時15分金谷着。なかなか立派な駅で利用客の多さがわかる。売店はとっくに閉まっているが、自動販売機はたくさんある。しばし仮眠。
3時20分発千頭行きでは、車内の照明がすべて消えたのに驚く。夜が明けるころ蒸気機関車ならぬディーゼル車に引っぱられる2台の小さな客車に乗って、井川まで。天気は曇がち。風はなく、渓谷や山の斜面には霧がかかっている。大井川鉄道の沿線は景観がよいというので、眠たいのをこらえて、窓を開けて(かなり寒い)ながめていた。
井川からバスで畑薙まで。荷は別にトラックがまとめて運んでくれる。7時すぎにダム着。朝食。
畑薙第一ダムの前で朝食
だるさをこらえて歩き始める。吊り橋を渡って、ひとしきり急登のあと、山腹をまくようにして、なんとなく上河内沢サイト地(下流側)に着く。水場は沢の水の他に小さい流水がある。
一人ひとり渡る畑薙の大吊橋
上河内沢テントサイト | 3:30起床 | 5:15発 |
ウソッコ沢小屋手前 | 着 | 発 |
ウソッコ沢小屋後 | 6:30着 | 発 |
中の段より上 | 7:35着 | 発 |
横窪沢小屋前 | 8:20着 | 8:40発 |
昼食 | 9:30着 | 10:35発 |
水呑み場 | 11:15着 | 11:25発 |
樺段より上 | 12:15着 | 12:30発 |
茶臼小屋 | 13:10着 |
3時ごろから雨。先が思いやられる。吊り橋を4つ渡ると、ウソッコ沢小屋。
ウソッコ沢
そこから急登。鉄はしごの階段もある。路傍におおきなガマもいる。雨がやみそうにみえたので、セパレーツを脱ぐと再び強く降り始めるというような天気が続く。横窪沢にたどりつくころには雨があがり、周囲が見渡せるようになった。
単調な登りが続く。しんどいの一言に尽きる。水呑み場の立派な標識には似合わない貧弱な水場で一本。近くにサイト跡らしきものもあるが、水は全くあてにならない。そのうち、岳樺が多く目につくようになり、霧間から茶臼岳が見えるようになるころ茶臼小屋の標識があった。上河内岳も見る。小屋が見えてからは、もう着いたような気分で歩いた。
茶臼小屋周辺は、お花畑になっていて、設備もよく、サイト地として優良。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、etc。(あとは、名前がわからない)
茶臼小屋のテントサイト
ヨツバシオガマ
高山植物の初撮影(名前は後から調べた)
茶臼小屋テントサイト | 3:30起床 | 5:20発 |
分岐 | 5:35着 | 5:50発 |
茶臼岳 | 6:05着 | 6:25発 |
分岐 | 6:35着 | 発 |
お花畑(2度休憩) | ||
上河内岳 | 8:45着 | 8:55発 |
2702 | 9:30着 | 10:23発 |
聖平 | 11:20着 |
快晴。富士山が見えるが、ご来光は稜線にかくれて見えない。
夜明けの富士山
南は雲がたなびいている。雲海はないが、霧でかすんでいる下界をながめて、改めて自分の今いる高さを知る。主稜線にでると、聖岳や兎岳、悪沢岳、赤石岳が茶臼岳から遠くに望める。
朝靄に霞む聖岳
茶臼岳からさらに南側には、光岳、大無間、黒法師、加々森の山並み。方向指示盤は分岐の少し茶臼側の上部にある。
岩が累積する茶臼岳の山頂 光岳が深く静かにたたずむ
縦走路は山腹通しだと、ハイマツとダケカンバなどの樹海の中を通ることになる。まくようにして船窪のお花畑の中を通る方がずっと楽だろう。
お花畑から上河内岳が大きく見える。上河内岳につくころには、すっかりガスにまかれて何も見えなかった。2702までは途中道が2つに分かれているが、そこからの下りはかなり長いような気がした。途中から樹林帯になる。
朝露に濡れるハクサンシャクナゲ
お花畑から上河内岳
聖平はサイト場としてなかなか良好。キジ場は小屋から少し離れたところに2つある。サイト場の分岐付近は、ニッコウキスゲの大群落。上河内岳が見える。樹林帯の白い木立の立ち枯れがおもしろい。水場は水量が豊富だが、あまり流れていない。聖岳が見えるが、ガスにまかれている。
聖平 夕食の準備に取り掛かる
聖平 | 2:40起床 | 4:25発 |
小崩壊地 | 4:47着 | 5:00発 |
小聖岳 | 5:50着 | 6:05発 |
聖岳 | 7:05着 | 7:35発 |
鞍部 | 8:30着 | |
兎岳 | 9:35着 | 10:15発 |
小兎岳 | 10:50着 | 11:00発 |
中盛丸山 | 11:45着 | 12:00発 |
百間洞 | 12:50着 |
1:30ごろまではおぼろ月夜だったが、そのうち小雨模様となった。聖岳の稜線はガスがかかっている。風はない。樹林帯の中を草露に濡れながら登っているうちに雨はあがった。薄日がさして天気回復のきざしにいくらか期待する。
樹林帯を抜けると、小聖岳。ガスが薄くなりながら、上昇していく稜線の中に前聖岳が時々姿を現す。崩壊地を登る途中で雷鳥に会う。2羽のひなを追いたてるようにして岩場へ去った。途中に水場があるが、たいしたことはない。
聖岳の頂上からは何も見えない。富士の稜線が雲間に少し見えたぐらいだった。南東より北西の方が雲が厚く、東から西に移っていく。なんとなく晴れそうでいて、また、ガスが湧き上がってくる。あきらめて下り始めると、急にガスが晴れて一時赤石岳が見えたりする。今年は好天と縁がないのだろうか。兎岳では、ガスにまかれるが、小兎岳では聖岳が雲間に見える。
小兎岳の山頂 聖岳が姿を見せた一瞬
岩場伝いに中盛丸山。その下りで再び雷鳥に出会う。近づいても別に逃げもせず道の真中で砂あびをしていた。百間洞への分岐でも雷鳥の親子に出会った。百間洞への長い下りは、ハエだらけだった。サイトは小屋から10分ほど。上流にもある(どちらも数張程度)。聖岳が見える。水は浴びるほどある。小屋の横にはテント場のようなキジ場がある。
百間洞から聖岳 深閑と日が暮れる
百間洞 | 3:35起床 | 5:05発 |
百間平 | 6:05着 | 6:20発 |
赤石の登り | 7:15着 | 7:25発 |
赤石岳 | 8:05着 | 8:45発 |
小赤石 | 9:40着 | 9:50発 |
ダマシノ平 | 10:15着 | 10:50発 |
荒川小屋テントサイト | 11:35着 |
快晴。百間平まで一息で行く。北アルプス槍・穂高連峰、中央アルプス、富士山、甲斐駒ヶ岳、千丈ヶ岳など文字通りの大展望である。
大沢岳 (マウスオンでロールオーバー) 中央アルプス 北アルプス
合宿最終目的地の塩見岳 荒川三山(悪沢岳) 赤石岳に続く稜線
赤石岳 富士山 笊ヶ岳 奥聖岳東稜線
昨日の縦走コース 聖岳 → 兎岳 → 小兎岳 → 中盛丸山 大沢岳
アップダウンを繰り返す正に練成コース ”ファイト・コール!”
高層雲が少しあるほかは、目立った雲もなく、伊那盆地の町まで見渡せる。無風。赤石岳のピークにて大休止。
富士山をバックに赤石岳の山頂にて記念写真
赤石岳のコル付近には少し残雪がある。ミルク金時をつくる。ダマシノ平付近にも残雪があって、アイスコーヒー、アイスミルクをつくる。昨日とうってかわり、のんびりムードの山行である。
荒川小屋で第4パーティーと合流。歓談。荒川小屋の水場は貧弱。サイト場は小屋周辺に多数(23張りほど幕営可能)。小屋東側は富士山が見える。キジ場はハエだらけ。
荒川小屋テントサイト | 3:05起床 | 4:35発 |
途中 | 5:05着 | 5:20発 |
中岳前岳コル | 6:05着 | 6:20発 |
悪沢岳 | 7:10着 | 8:00発 |
中岳前岳コル | 9:00着 | 9:10発 |
前岳 | 9:20着 | 9:50発 |
森林限界 | 10:35着 | 10:45発 |
水場 | 11:45着 | |
高山裏テントサイト | 12:30着 | |
高山裏テントサイト | 15:55発 | |
小河内岳避難小屋 | 17:30着 | 18:00発 |
三伏峠小屋 | 18:55着 |
晴。富士山と御来光が見えるはずだったが、曇っていてだめだった。登り途中で霧がかった富士山を望見。雲海。朝焼けに映える赤石岳が眺められる。甲南大に追い抜かれる。右によって行って稜線に着く。悪沢岳へピストン。気付かず道を外してスリルを味わう。ピークに着く頃には、富士山はほとんど霧で見えなくなり、中央アルプス、槍・穂高連峰も同様。南アルプスの北部一帯も霧ならぬ雲がかすめ始める。
赤石岳 その名のとおり
塩見岳から蝙蝠岳へ延びる支稜
前岳で昼食。前岳からの下りがしんどい。樹林帯に入るとハエだらけ。水場はわずかに流れるのみ。高山裏テントサイトはほぼ一杯になっていた。一昨年の夏合宿で利用した水場はなく、かなり沢沿いに下らされる。15時ごろ雷鳴とともに雨、雹が降る。テントサイトの低い平地が池になる。
16時前、同テントサイトの東京の電通大山岳部の救援要請(部員の衰弱)により、オブザーバー(Obs)の先輩とサブリーダー(SL)の私が三伏峠小屋まで伝令に走る。稜線はガス濃く、遠雷が不気味。小河内岳避難小屋で30分雨宿りを兼ね様子見する。その間先輩が持参したガスコンロで白湯を沸かし暖をとる。雲が切れ、夕焼けが樹林を通して西の空に映える頃、三伏峠小屋に着く。小屋の主人に救援の連絡をつけてもらう。この日は2人で部活動では滅多に利用しない小屋泊まりになる。無償、ご好意に感謝。夜中になって、かなり雷があばれまわった。
メモ(三伏峠小屋素泊まり1300円、休憩200円、毛布1枚150円、ファンタ250円、缶ビール350円)
高山裏テントサイト | 3:00起床 | 4:45発 |
(休憩) | 5:20着 | 5:30発 |
板屋敷 | 6:20着 | 6:35発 |
(休憩) | 7:25着 | 7:35発 |
小河内岳避難小屋 | 8:15着 | 8:55発 |
前河内岳 | 9:25着 | 9:50発 |
烏帽子岳 | 10:20着 | 10:30発 |
三伏峠 | 11:10着 |
5:30起床。快晴。昨夜の雷がうそのよう。6:20小河内岳へ無線機をもって連絡に行く。甲南大(借用した無線機は100mW/27.080Mc)とは連絡とれなかったが、三伏峠小屋で借用したもう一つの無線機(塩川、三伏との連絡用)はよく通じた。
小河内岳避難小屋7:30に着いて間もなく、病人を背負った甲南大・名古屋大のパーティーがやってくる。次いで我がパーティーも(残してきたObsとSLのキスリングをダブルに担いで)元気にやってくる。パーティーは先に行ってもらい救援活動の模様を見守る。
9:00に双発機が飛来、ヘリの着陸地点を偵察するかのように周りを飛び回って帰投。10:00に双発の大型ヘリが飛来し小河内岳ピークに着陸、病人を含めパーティーの3人を収容して飛び去った。救援活動を見届けた後、10:15避難小屋を出発、11:30三伏峠小屋に寄り、12:00三伏峠テントサイトでパーティーと合流する。午後から昨日のように雷が鳴り出した。
三伏峠テントサイト | 3:00起床 | 5:00発 |
本谷山 | 5:30着 | 5:40発 |
塩見岳 | 7:30着 | 8:30発 |
水場 | 9:30着 | 9:40発 |
三伏峠テントサイト | 10:40着 |
晴。無風。本谷山から中央アルプス、聖岳、荒川三山、塩見岳、雲海…。
ハイマツ茂る本谷山から南の展望 荒川三山、烏帽子岳、小河内岳、遠く聖岳
塩見小屋横の立て札「ファンタ250円、キリンビール400円、マイコーヒー300円、カラーフィルム24EX650円、etc…。石油買います1リットル70円」。
塩見小屋の前 塩見岳が目の前に聳える
塩見岳から霞みがかった雲海の中に浮かぶ富士山、北岳、千丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、蓼科山、聖岳、荒川岳、(赤石岳)、…。北アルプスは霞んで見えない。合宿で別コースをとる第1、第2パーティーが山頂で待っていた。
雲海の彼方に富士山
塩見岳の山頂で3パーティー合流
かなたに霞む千丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳 他のパーティーは北岳・間ノ岳を縦走
3パーティー揃って記念撮影の後、第1パーティー、続いて第2パーティーが先に出発する。第2パーティーは塩見岳の下りで、第1パーティーは本谷山で追い抜く。塩見岳の下りあたりでは、往来の人の列で少し混む。地図上の水場には流水なし。三伏小屋テントサイトは今日も満員である。日焼けした顔がヒリヒリして皮がむけ始める。
三伏峠テントサイト | 3:30起床 | 5:05出発 |
三伏峠 | 5:30着 | 5:45発 |
水場 | 6:30着 | 6:40着 |
取付き点より下りの橋 | 7:20着 | 7:35発 |
塩川 | 8:05着 |
晴。放射冷却で震えるほど寒い朝になる。
三伏峠 合宿の締めくくり、後は下山するのみ
三伏峠から塩川までの下り道はすれ違う人も多い。峠から下るにつれ谷間に響く渓流の涼しげな音が近づき、合宿も最後と思うと少し名残り惜しい。登りはしんどいコースだが景色を楽しみながらを下る。鹿塩で温泉につかり、その日は神社の境内でサイト。鹿塩のげんぽん(現地本部)は一足先に集結地の松原湖へ。下山すると、とにかく暑い。
八ヶ岳山麓の松原湖畔 合宿を終えたパーティーが集結
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