ROD STEWART


1975 - 1985

ATLANTIC CROSSING (1975)
produced by Tom Dowd
FAST SIDE : Three Time Loser / Alright For An Hour / All In The Name Of Rock 'N' Roll / Drift Away / Stone Cold Sober
SLOW SIDE : I Don't Want To Talk About It / It's Not The Spotlight / This Old Heart Of Mine / Still Love You / Sailing
 ”アトランティック・クロッシング”...大西洋を超え、ロッドはアメリカへ渡った。新境地アメリカでの録音、そしてワーナー移籍後の第一弾アルバム。過去何作かセルフ・プロデュースの形をとって来たロッドが敏腕プロデューサー、トム・ダウドの力を得て完成した名盤。
 個人的にも、ロッドの作品の中で最も思い入れの深いアルバム。A面をファスト・サイド、B面をスロー・サイドという構成にしたLPに出会ったのはこれが初めてでした(それ以後、自分のオリジナル・テープを作る時には、ファストとスローをわけるようになりました)。やはり、スロー・サイドが秀逸で、言わずと知れた名曲"Sailing"(全英チャート第1位)、ロッドの誠実さが伝わってくる"I Don't Want To..."、そして89年にロナルド・アイズレーとのデュエットでリメイクされた"This Old Heart Of Mine"(私はこちらのアレンジの方が好きです)などが収録されています。

A NIGHT ON THE TOWN (1976)
produced by Tom Dowd
SLOW SIDE : Tonight's The Night / First Cut Is The Deepest / Fool For You / The Killing Of Georgie (part I and II)
FAST SIDE : The Balltrap / Pretty Flamingo / Big Bayou / The Wild Side Of Life / Trade Winds
 アメリカに移って約一年、空気になじんで、サウンドもより洗練された感じ。その時、ロッド最大のヒットが生まれました。当時の恋人、ブリット・エクランドのささやきが入った"Tonight's The Night"(邦題:今夜きめよう)は、76年11月13日、ビルボード・チャート第1位を獲得すると7週にわたり首位を独走。スーパースター、ロッドの地位を動かぬものとしました。
 今作は、A面がスロー・サイド、B面がファスト・サイドという構成。バラードは哀愁と深みを増し、ロックはまだまだ元気なロッドのサウンドが聞けます。ちなみにバックは、スティーブ・クロッパー、ジョー・ウォルシュ(イーグルス)らが参加。

FOOT LOOSE & FANCY FREE (1977)
produced by Tom Dowd
Hot Legs / You're Insane / You're In My Heart / Born Loose / You Keep Me Hangin' On / (If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right / You Got A Nerve / I was Only Joking
 ブリット・エクランドに60億円の慰謝料を払って別れたロッドが、77年完成させた”明日へのキック・オフ”。実はこのアルバムは、当初2枚組み予定で制作されていたもので、仕上がりに満足しなかったロッドが、トラック・ダウンしながらベスト・テイク8曲にしぼった。よって、アルバムを通してというより個々の楽曲のグレードが素晴らしく高い。
 ライブの定番となった"Hot Legs"、美しきアコースティックに導かれて始まる"You're In My Heart"、シュープリームスのカバー"You Keep Me Hangin' On"、そして正にラブ・ソング"I Don't Want To Be Right"など。私が始めて手にしたロッドのアルバム。
"You're In My Heart"78年1月14日ビルボード・チャート第4位。

BLONDES HAVE MORE FUN (1978)
produced by Tom Dowd
Da Ya Think I'm Sexy? / Dirty Weekend / Ain't Love A Bitch / The Best Days Of My Life / Is That The Thanks I Get? / Attractive Female Wanted / Blondes (Have More Fun) / Last Summer / Standin' In The Shadows Of Love / Scarred And Scared
 ”スーパースターはブロンドがお好き”がこのアルバムの邦題。やはり75年から78年が、ロッドが最もロッドらしかった時代だと思う。プロデュースはトム・ダウド、そしておなじみになったバックを従えて創られた会心の作品。
 当時はディスコ・ブーム全盛期。初めてディスコ・ビートを取り入れた"Da Ya Think I'm Sexy?"は79年2月10日ビルボード・チャート第1位を獲得(4週連続)。しかし、ブームに迎合したという理由で多くの批評家からコテンパンに攻撃された。しかし、評論家というものは時代を取り入れる才能を評価しないものなのでしょうか。
 ちなみにこの頃のディスコ・ヒットをあげると、"Le Freak / Chic"、 "Y.M.C.A. / Village People"、 "September / E.W.& F."、 "I Will Survive / Gloria Gaynor"、 "Tragedy / Bee Gees" など。

FOOLISH BEHAVIOUR (1980)
produced by Harry The Hook
Better Off Dead / Passion / Foolish Behaviour / So Soon We Change / Oh God, I Wish I Was Home Tonight / Gi' Me Wings / My Girl / She Wont Dance With Me / Somebody Special / Say It Aint True
 79年にグレイテスト・ヒッツを発表し、一区切りつけたロッド。過去何作かを円熟、洗練という形容をするとすれば、このアルバムは、先鋭という感じがする。ストーンズ風の"Passion"がすごく印象的。
 ”今宵焦がれて(Oh God, I Wish I Was Home Tonight)”は当時、日本のコマーシャルにも使われました。

TONIGHT I'M YOURS (1981)
produced by Rod Stewart
Tonight I'm Yours (Don't Hurt Me) / How Long / Tora, Tora, Tora (Out With The Boys) / Tear It Up / Only A Boy / Just Like A Woman / Jealous / Sonny / Young Turks / Never Give Up On A Dream
 "Tonight I'm Yours"、 "Young Turks"など、時代を意識しながら、バンドのメンバーとのコラボレーションによって作品を創ろうとした当時のロッドの姿勢が伺える作品。
 ボブ・ディランの "Just Like A Woman" はロッドのカバーの中でも好きな曲の一つ。"Tonight I'm Yours" では、カーマイン・アピスの最後のドラムが聞けます。

BODY WISHES (1983)
produced by Rod Stewart & Tom Dowd
Dancin' Alone / Baby Jane / Move Me / Body Wishes / Sweet Surrender / What Am I Gonna Do (I'm So In Love With You) / Ghetto Blaster / Ready Now / Strangers Again / Satisfied
 数年、思考錯誤を繰り返した(と思われる)ロッドが83年に放った快作。"Baby Jane" は、ビルボード・チャート14位まで上昇、ディスコでも結構かかっていました。"What Am I Gonna Do"、 "Body Wishes"など佳作多し。
 なんといっても、エルビス・プレスリーをパクったジャケットが印象的。

CAMOUFLAGE (1984)
produced by Michael Omartian *produced by Rod Stewart
Infatuation / All Right Now / Some Guys Have All The Luck / Can We Still Be Friends / Bad For You* / Heart Is On The Line / Camouflage / Trouble
 クリストファー・クロスやピーター・セテラのプロデュースで知られるマイケル・オマーティアン。よって曲の構成がドラマティックになった本作。シングル・カットされ、ビルボード・チャート6位までなった"Infatuation"、大好きなトッド・ラングレンのカバー " Can We Still Be Friends"(その昔、ウィルソン・ブラザーズも歌ってました)、そして "Bad For You" の3曲には、なんとジェフ・ベックのギターが入ってます。
 私が行った、最初で最後のロッドのコンサートは、この時の”カモフラージュ・ツアー”。もう感動で腰が抜けそうになりました。

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