全身性強皮症とは
全身性強皮症(Systemic Sclerosis, SSc)は、自己免疫疾患の一つで、皮膚や内臓の線維化(硬化)を引き起こす病気です。
免疫系が異常をきたし、過剰なコラーゲンが生成されることで、皮膚や血管、内臓に影響を及ぼします。主に成人に発症し、女性に多いとされています。
病気の原因
全身性強皮症には、自己免疫異常、血管の障害、線維化 という3つの異常が関わっていると考えられています。
全身性強皮症の患者さんのからだの中では、何らかの原因で免疫システムが異常をおこし、自分のからだを攻撃する「自己免疫異常」が生じています。その結果、血管の壁の細胞が攻撃されて「血管の障害」がおこります。攻撃された血管の壁の細胞からは刺激物質が放出されます。その刺激によって、近くの細胞がコラーゲンをたくさん分泌することで、皮膚や全身のさまざまな臓器が硬くなっていく「線維化」がおこります。これら3つの異常が絡み合って、それぞれの患者さんで複雑な症状があらわれます。
病気の始まり
全身性強皮症の初期症状として、以下が挙げられます:
- 手足の冷え(レイノー現象)
- 指や顔のむくみ
- 皮膚の硬化
また、関節痛や筋肉痛、消化器系の不調(胃もたれ、逆流性食道炎など)が見られることもあります。
病気の進行に伴い、肺や心臓、腎臓などの内臓障害を引き起こすことがあります。
強皮症の種類
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限局型(Limited Cutaneous Systemic Sclerosis, lcSSc)
- 皮膚硬化が手指や顔などに限局されるタイプ。
- 進行が比較的緩やかで、肺高血圧症のリスクがある。
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びまん型(Diffuse Cutaneous Systemic Sclerosis, dcSSc)
- 皮膚硬化が広範囲に及ぶタイプ。
- 内臓障害が早期に現れることが多い。
強皮症の症状
- 皮膚の硬化:顔や手足を中心に皮膚が硬くなり、動かしにくくなる。
- レイノー現象:寒さやストレスで指先が白や紫色に変わる。
- 関節痛・筋肉痛:炎症により関節や筋肉に痛みが生じる。
- 消化器症状:嚥下障害、胃もたれ、腸の運動低下による便秘や下痢。
- 肺疾患:肺線維症や肺高血圧症により、息切れや呼吸困難が発生。
- 心疾患:不整脈や心不全のリスクがある。
- 腎障害:高血圧や腎不全を引き起こすことがある。
強皮症の治療薬
- 免疫抑制剤(メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルなど):免疫の異常な働きを抑える。
- 抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ):肺線維症の進行を抑える。
- 血管拡張薬(プロスタサイクリン製剤、エンドセリン受容体拮抗薬):レイノー現象や肺高血圧症の改善。
- 抗炎症薬(ステロイド、NSAIDs):関節痛や筋肉痛の軽減。
- 消化器系治療薬(プロトンポンプ阻害薬、消化管運動改善薬):逆流性食道炎や腸の運動障害の管理。
まとめ
全身性強皮症は自己免疫異常により発症し、皮膚の硬化や内臓障害を引き起こす病気です。
限局型とびまん型の2種類があり、それぞれの特徴に応じた治療が必要です。
免疫抑制剤や抗線維化薬、血管拡張薬などを用いた治療が行われますが、早期発見と適切な管理が重要となります。