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<ツバメの渡り>
ツバメ(燕)は世界中の北半球に分布しますが 日本生まれのツバメの場合 越冬地は マレー半島 台湾 フィリッピン ボルネオ島 など主に東南アジアです。
渡りは昼間行い 低空を一日に200−400キロ飛ぶといわれています。 集団は作りますが 実際は一羽ずつ別々に飛んでいるとされます。
日本生まれのツバメは同じ巣に戻る傾向が強いということです。 しかし必ず絶対に戻ってくるとはいえません。
何故なら野生の鳥類の場合 生まれた個体の一年後の生き残り率は15−30% であることを考慮すべきだから
です。 日本と東南アジアの間を飛行する際 嵐に逢ったり 鷹などの天敵に捕まったりして 飛翔の名人といえども
生き残りは厳しいのですね。
オスはメスよりも数日早く到着するといわれています。 営巣の場所を確認するためでしょうか。
ところでツバメが歩くのをご覧になったことがありますか? おそらく無いと思います。
飛ぶのは大得意ですが歩くのはとても苦手で ほとんどの用は飛んだままですませます。 どうしても という場合は
雀のように両足を揃えて飛ぶのではなく 片足を交互に出してよたよた歩くそうです。
<ツバメは日本に来るのではなく 帰ってくる というべきです>
渡り鳥のツバメを例に取りますと、多くの人たちが
「ツバメは初夏に日本に来る」
と言います。 特に鳥類研究者と称する多くの方々は
「繁殖のために日本に渡ってくる」
などと言います。
しかし これは日本語の表現の貧しい一面であると思うからです。
ツバメ(燕) は日本に 来る のでしょうか?
ツバメは、 例えばあなたの家の軒下で生まれ育ったのです。
つまり日本で生まれ育ったのです。 ですから 日本人 (日本鳥?) ではないのでしょうか?
そして初夏になると 日本に来る のではなく、 帰ってくる と言うべきではないでしょうか?
これが英語圏では 帰ってくる と言うはずです。
語学にさほど堪能ではないのですが、 日本以外のほとんどの国でもそうではないでしょうか?
外国では、 例えば日本でのハクチョウのように、 繁殖のためでなくただ冬を過ごすだけの渡り鳥でも 「白鳥が来る」ではなく 「白鳥が帰ってくる」 と言うはずです。
日本で生まれる渡り鳥は 夏鳥と言われるものが多く、
ツバメ(燕)以外に
サシバ ミサゴ ホトトギス オオルリ、 キビタキ
アカショウビン カッコウ ハチクマ ダイサギ チュウサギ
ブッポウソウ アジサシ2種
などです。
これらは夏になると 生まれ故郷の日本に 帰ってくる のです。
日本で繁殖しない渡り鳥は 冬鳥に多く
ハクチョウ、 ガン、 カモ、 マナズル ナベズル チュウヒ
チョウゲンボウ オオワシ オジロワシ
などです。
他に 旅鳥 といわれる渡り鳥は旅の途中を日本で過ごすもので、
チドリ シギ類 アジサシ類
などです。
なお 留鳥 といって日本だけで過ごす鳥たちは渡り鳥ではありません。
特にツバメのように日本生まれの渡り鳥たちには 「お帰り」 と迎えてやってほしいと思うのです。
いや、 ツバメのような日本生まれでなくても渡り鳥みんなに 他の国々の人達がそうであるように 「お帰り」 と暖かく迎えてやってはいかがでしょうか。
本当に鳥たちを愛するなら 鳥たちを迎える日本語は 豊かで暖かいもの であってほしいものです。
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魚類研究者や魚類を愛する方々は
「サケは産卵のため日本に帰ってくる」
と言います。 産卵のため日本に来る という人は一人もいません。
産卵後は海に戻るウミガメなどに対してでもそうです。
この表現は 日本生まれの彼らは我々の仲間である と考える愛着と暖かさがこもっています。
それに比較して 鳥類研究者や専門家や愛鳥家 と名乗る方の多くが 日本生まれのツバメたちに対して
「ツバメは繁殖のため日本に来る」
などと よそ者あつかいのみずくさい言い方をされます。
こうした語法には ツバメなど夏鳥の故郷がどこにあるか という視点が欠落していると思うのです。
彼らの故郷が生まれた日本でないなら一体どこにあるというのでしょうか?
同じ日本語の表現なのにどうしてこう違ってしまったのでしょうか? 両者の違いはどこにあるのでしょうか?
対象の生き物たちへの愛着の情の差なのかもしれません。
対象の生き物たちを暖かく見守るのか それとも単に研究対象としてモノとして見ているのかの違いでしょうか。
また論理的な観点からも日本で生まれた者は 「日本に帰ってくる」 と表現するのが正しいのではないでしょうか?
皆様はどうお考えになるでしょか。
<追記>
yahoo Google など検索してみた結果
「ツバメは日本に帰ってくる」
と表現される方達もかなり多数おられるので嬉しく思いました。
そうした表現をされるのは渡り鳥たちを暖かい目で見る一般の方がほとんどです。
渡り鳥 留鳥などさまざまな鳥たちを集めたイラスト集を別途
作成しています。
<イラスト集 鳥>
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