狼　　オオカミ

　　　　　 ≪　ケイコのコメント　≫
歴史的に　狩猟民族であるヨーロッパ人は　同じく狩猟動物である狼は　強力なライバルだったため　童話などで悪者として描きました。　　 　　実際には狼は人を襲ったり騙したりなどするはずがありません。

一方　オオカミを素晴らしい動物として描いたのは　「狼王ロボ」　など動物記でお馴染みのアメリカ人の　　　アーネスト　トンプソン　シートンです。

また日本に狼がいた頃　人々はオオカミを名前通り　「大神」　として崇めていました。　　　　　繁殖力が強くて様々な食害を起こすシカの数が 増えすぎる分を駆除する大きな役目を果たしていました。
現在は本州も北海道も　狼が絶滅したため　シカの食害が大きくなって森林に害を及ぼし　深刻な問題を引き起こしていることは皆様ご存じの通りです。 　

また特にアメリカでは最近　オオカミは生態系を正常に保つために絶対に必要な動物　とされ絶滅した地域にも導入する動きが加速しています。 　　例えば国立公園 イエロウストーンでは導入の結果　正しい生態系が戻りつつある　とされます。　　　　草や木の葉を食い荒らす草食動物の数が増えすぎるのを防止する 役割を果たしているのです。

≪　日本の狼の絶滅の原因　≫
ニホンオオカミ　（ホンドオオカミ）
ニホンオオカミは江戸期までは本州四国九州に生息していましたが　絶滅した原因は明治以後に西洋から輸入された西洋犬の　ジステンバーという疫病が伝染したのが 原因といわれています。　　　　本当に残念なことです。　
今では増えすぎたシカの数を抑えるオオカミが存在しないため　その食害が大問題になっているのは皆様はご存知のとおりです。


エゾオオカミ
北海道には　　エゾオオカミ　というアメリカのシンリンオオカミに匹敵する雄大な狼が　明治以前には数千頭生息し　約３０万頭いたとされるエゾシカ を主な獲物としていました。

しかし明治以後　人間がエゾシカを狩りたてて絶滅寸前になったため　獲物を失い家畜を襲うようになりました。　　　　そこでもともと狼を嫌う 英国人の入れ知恵により　大量毒殺　が行われ絶滅してしまったのです。　
その後　繁殖力の強いシカは数を回復し今では畑地のみならず森林をも食い荒らすなど大きな問題になっています。　　 　　　　昔なら狼が鹿の数を一定以上に増やさない働きをしていましたが　今ではそうではなく問題は増大する一方です。

シカは可愛い動物ですが 天敵がいないため限度を超えて増加する一方で　その食害はますます放置できないほど大きくなっています。　　　 これは自分たちの数をコントロールできないシカ達にとっても不幸なことです。

現在は増えすぎたシカを　猟銃　によって射殺することが行われています。　　　しかし狭い日本の山野で 猟銃という危険なものを振り回し殺戮を楽しむ ハンター達という野蛮な人種を喜ばせる結果になっているのです。

シカの増加を抑える方策として　外国から狼を移入することを考える人たちが少しずつ増えてきました。　　
外国種の移入はさまざま問題があると反対する人達もいると思われますが　皆様はどうお考えでしょうか？