新人だからとはいえ、正月も故郷に帰さないってひでーもんだ。軍空港の横の四十二部隊でぼーっと正月番組を観ていた俺。鎌田はまたもエンゼルソード奉仕とやらで、奄美姉妹とディズニーランドに行っちまいやがった。
俺と同じ居残り組みの大村だが、どういうわけか最近おたく技術士官の真下技術少佐の研究所に入り浸ってる。何やってるのかわかんねーけど。
本部の部隊長室を殆ど自分の自宅同様に使っている木桜大尉から電話で呼び出しを喰らったのは、テレビのサッカー試合でゴール直前のいい所だった。しぶしぶ宿直室から部隊長室に行くと、大尉殿は昼間っからスコッチの瓶片手にソファーでコンピュータ相手にチェスをやっている最中。
「お呼びでありますか」
そう言って敬礼する俺に、ソファーで寝転がり一枚の機密文書であるブルーのペーパーらしきものを手渡す大尉殿。俺も遂にこんなものを手渡される身分になったか。
「九十一部隊から、おめー直々にだとよ。へっいいよなあ、軍部とはいえ女と堂々と付き合える奴はよ…わかってると思うがスイッチ押して十分後には消えるからな」
そう言って大尉殿はスコッチの瓶を仰ぎ、葉巻を口に再びチェスの画面に見入ってしまう。
書類には短く
「人質救出、詳細は迎え時。一四〇〇時四十二基地で待て」
たったそれだけ。
(こんなの機密もなにもかもあるのかよ)
そう思い、ペーパーを回収BOXに入れ、当座の荷物を入れたバックパックを肩に。ガソリンの匂いのする基地の滑走路に出向く俺。
基地に休みはない。非番者が多い今を狙い、整備班が忙しそうに格納庫で機体と格闘している。コーヒー片手に通りがかった整備班の女性クルーに挨拶をして、俺は多分俺を迎えに来るだろうと思われる定期便の輸送機を待った。しかし、基地の建物から風みたいな音を立てて現れたのは…。
「ハーイ、サナダ、ウエィト?」
空色の光学迷彩と、カモフラージュの風の音を解いて小型のヘリが現れ、操縦席から顔を覗かせたのは、エンゼルの二人の外人の片方のリリー・シェルファユ少尉だった。
エンゼルの制服にサングラスの彼女は、あのアンジェラ・井上みたいな野蛮な奴とは正反対の黒髪で落ち着いたヨーロピアンだ。元はユーロ圏空軍戦術研究所、いわば日本で言うブルーインパルス。そこの唯一の女性パイロットだった。なんで日本に来たのかわからないが、
「オウ、ワケデスカ?トリノカラアゲデース」
「はあ!?」
「ニホンにキテ、トリノカラアゲニコイシマシタ」
「…」
鳥の唐揚げに恋してユーロ空軍やめたのかこの女…。やはりエンゼルには変わり者が多い。程なく離陸したヘリの騒音の中、ヘッドセットを通じて彼女から今回の詳細を聞く俺。どうやら女性ばかりの大がかりな人身売買が伊豆半島の某所で行われており、その救出が任務らしい。組織のボスはどうやら地元の要人を抑えており、証拠も無いとされ、困ったあげく九十一部隊エンゼルソードに救出依頼がきたとの事。表立っての行動はできないって事か。
「ところでさ、なんで俺なんだ?」
指令を受けた時から気になっていた事を聞いてみる。
「オー、ソレハデスネ…ルミチャンガ、イルカラデス」
「ルミって、綾瀬の事か?」
「ハーイ、ユーノフィアンセデース」
「だから、やめろってフィアンセっていうのは…」
リリーの話だと、エンゼルは単独行動は許されず、必ず波長の合う二人もしくは三人組んで作戦行動する掟らしい。先だってのアンジェラ井上も酒に酔った勢いで単独行動してあげくの果てに失敗して、秋元大尉に怒られていたよなあ。
それで、いま男から女に移行中の綾瀬の場合、まだ波長の合うのがいなくて、仕方ないので俺がパートナーに選ばれたらしい。
今回の作戦指揮は、あの真下技術少佐が化け物呼ばわりしていた木暮桜花中尉。綾瀬の女性化教育指導もやってるらしいが、どんな奴か会うのが少し楽しみだ。その下に連光寺御世と霧雨理恵という二人の少尉。この三人がトリオで常に組んでいるという。
「リリー、君のパートナーって誰なんだ?」
「オウ、コウホウシエンブタイハ、ハマショウイトクンデイマース。アトハ、エンゼルノメカニックノ、ホウキョウショウイ、モイマスネ」
ああ、エンゼルで一番人間らしい浜少尉か。それに専属メカニックなんてのもいるのか。法橋って変わった名前の奴だなあ。
初期の新幹線並みのスピードでヘリでどこかのビルの屋上に着く頃、辺りは短い冬の夕暮れ時だった。
「ここで降りろってか…」
冬の風に軍服のコートの襟を立て、ローターをよけてかがみながらヘリから降りると、一人の女性らしき人物が待ち構えていた。
「黒人!?」
まて、エンゼルに外人はアンジェラと、今俺を運んできたリリーの二人だけのはず…。
「コグレチュウイ、アトオネガイシマス」そう言って彼女に敬礼するリリー。
「そちらこそ。変更は無しです」
「イェッサー」
そう言ってリリーを乗せたヘリは瞬く間に夕暮れの空へ消えていく。
「木暮…中尉殿ですか?」
「イエス、行くよ。その前にその軍服着替えなさい」
そう流暢に日本語で答え、そのアフロ頭にこの寒いのに茶色のセーターと黒い短パンとタイツ姿の黒人女性は、風船ガムを膨らまし胸元の金の大きなネックレスの音を立ててくるっとビルの屋上の出入り口方向へ向きを変え歩き出す。そうだった。木暮中尉って確か変装の達人と聞いたよな。後ろ姿に軽く敬礼して後に続く。
「とにかく時間がない。わかってるのはどこかの海沿いの倉庫みたいな所に閉じ込められてるって事と、今日の夜に女の子達が運び出されるって事だけ。今日を逃したら負けなんだよ」
港町の外れの空き地にある、場違いな小さなアメリカンカントリースタイルの一軒家みたいなバー。多くの酒びんと一枚板のカウンタに座る、薄汚れたジャケットにジーンズ姿に付け髭。薄汚い変装させられた俺。と
「おーっと、綾瀬の彼氏じゃん」
と一人の白人の女の子が店の奥から出てくる。もういい、何言われても。
「君は?」
「愛原美奈子少尉様だ。彼女から名前くらいは聞いてんだろ?」
そう言って握手しようとする俺の手を軽くポンとタッチする彼女。エンゼルに外人は二人だろ?
「そうだよ。あたし達木暮ファミリーは他人に化けるのが仕事だからさ」
横で聞いてた黒人に化けた木暮中尉が話に割り込む。
「いい?とにかく綾瀬が奴らの手下の一人引っかけてもう少しで来るからさ、さっき話した通り奴からうまく情報聞きだしてほしい」
「酔っぱらってからめってか?」
「構わねーだろ?武術もろくに知らねー奴に数発殴られるくらいさ?」
「その前に折角だからさ、酒の一杯でも出してくれよ」
「おーおー贅沢な…作戦行動中だぜ」
そう言いながらもずらっと並んだウィスキーの瓶の一本に手をかける木暮中尉。と、
「来たぜ!」
また一人、今度はおかっぱにメイド服の女の子が一人店のドアから駆け込んでくる。
「おけー」
俺の横にいた愛原少尉がそう言うと、カウンターの奥に入り、何やらスイッチをいくつか入れる音がする。突然店内は明るくなり、天井のミラーボールが回り、いくつかのカラフルなビールメーカーのロゴとか歓迎の言葉のネオンサインが店の中で輝き、女性ボーカルのカントリーの曲が流れだす。
「綾瀬待ちか?中尉殿が女性修行させてるって聞いたけど」
「可愛くなったぜ。まあ見てやりなって」
さっきのメイド服の女の子がドア横に立って俺に答えた。多分この子もエンゼルだろう。
「矢吹絵里少尉♪。覚えておいてねーん♪」
カウンターの端に腰かけ、貰ったウィスキーの水割りちびちびやりながら俺は奴を待った。
突然小さな鐘の音が鳴り、なにやら下品なダミ声と共に、髪をボサボサにした、うだつのあがらなさそうな男がこの寒いのに黒のタイツとショートパンツ、白のセーターにコート姿で入ってきた女の子と一緒に入ってくる。
「いらっしゃいませー」
ドア横に立ったメイド服姿の矢吹少尉の声。
(げ…綾瀬…の野郎…)
男好きしそうなぱっちりふっくらメイクをほどこしていたが、長年連れ添った俺には横の女の正体がすぐに綾瀬とわかった。
「いらっしゃーい。あれ、初めてかしらお客さん。あら、マミちゃん?お友達?彼氏?」
「おい、お前の名前ルイじゃねーのか?」
「あ、ここでは源氏名でマミって呼ばれてるの」
木暮中尉の言葉にいぶかしげに答える、多分悪党共の手下の男。取り繕う綾瀬の声はハスキーだけどすっかり女のイントネーションが付いていた。けっ、何がマミだのルイだのルミだよ。下手な芝居しやがって。おめーの名前は浩二だろってんだ。俺の位置から反対のドア付近のカウンターに座る二人を見ながら俺はため息をつく。
「これから贔屓にしてくれるんなら一杯おごっちゃおう。お客さん何がいい?」
「ああ、アイリッシュあるか?俺の故郷の味だ」
「あるわよぉ」
「折角ならダブルでくれよ。これからも来てやるからさ」
「ダブルね。お客さんお住まいこの辺の近く?」
「いや、ここからは遠いな」
「じゃあ、お仕事場がここの近くかな?ぱっと見お疲れの様子みたいだし」
「あ、まあいいじゃねーか」
ぼさぼさ髪のあんちゃんだが、木暮中尉のさりげない質問をのらりくらりと交わす。口は堅いみたいだな。出されたグラスを手に持ちぐいっと飲む彼。
「おう、ティーリングじゃねーか。俺の好きなのよくわかったな?」
「結構強いお酒だけど、お客さんも強そうね?」
「ああ、安酒ばかり飲んでっけどな」
「お客さんお名前なんていうの?」
「ははは、まあ、ジョーとでも呼んでくれ」
木暮中尉とのやりとりに綾瀬が口を出し始める。
「えー、違うでしょ?ウォルシュとか言わなかったっけ?」
「ははは、まあどうでもいいやな」
「二杯目あたしがおごってあげる」
「いいのかよ?ケーキ屋の店員だろ?金あるのか」
「いいっていいって。ママ、同じのもう一つ」
「すまねーな」
そう言って最初の一杯の残りをぐいっと飲み干すジョー・ウォルシュ。
「ねえねえ、二人どういう関係?」
「俺達か、まあ、友達以上恋人未満てとこかな」
おかっぱメイドの矢吹少尉の問いに少し上機嫌で答えるジョー。
「あのね、あたしのお兄さんに似てるんだ。だからお友達とも思えないし」
「おい、ルイ…や、マミか。お前も飲めよ」
「あ、あたし強いのだめだからグラスホッパーがいいな」
けっ、なーにがグラスホッパーだよ。作戦前なんだろ?ほどほどにしとけよ。お前あんまり酒強くなかったろ?俺に背を向けた格好でカウンターでジョーの方を向き、軽く腕を奴の手に絡める綾瀬の背中に浮かぶセーター越しのブラの線を見つつ俺はそろそろいくかと思った。俺は酔ったふりをして千鳥足でジョーの横に行き、よろよろと彼の体にわざとぶつかり、何食わぬ顔でトイレの方へ、
「おうおう!おい!」
そう言っていきなり振り返るジョーに、
「いてーな…気を付けろバカヤロー」
とすごむ俺。思ったより早くもみ合いになる二人。
「ジョーやめて!」
綾瀬が止めるのも聞かず、俺達はそのまま店の机やテーブルをなぎ倒しながら店の床にもつれ込んだ。一応殴られ方は知っているので奴の力をそらす様にしながらも殴られるふりをしたが、あまり気持ちのいいもんじゃない。
「やめて!やるなら外でやってよ!」
もっともらしくメイド姿の矢吹少尉が叫び、黒人に化けた木暮中尉と愛原少尉がわざとらしく悲鳴を上げる。
「てめー!どこのもんだ!俺にこんな事して只で済むと思うな!」
「誰だっていいじゃねーか!」
「お、おい!どこのファミリーか知らねーけどよ!俺ソロなんだ!ボスの名教えてくれ!仲間になりてぇ!」
「おめーみたいな奴に用はねえ!」
床に寝転がり、悔しいのを我慢して哀願するふりをする俺を軽く蹴とばし、軽く身なりを整えるジョー。
「おい、ルイ行くぜ!けったくそ悪い!」
「あ、うん…ママさんまたね…」
そう言う綾瀬の手を強引に引き、出口の扉から出ていくジョーだった。
「ぜーんぜん役にたたないじゃないの!」
「何で最初から喧嘩になるんだよ!駆け引きしらねーねのかよ!」
メイドの矢吹少尉と白人に化けた愛原少尉がそう言いつつ白い目で俺を見る。
「うるせーよ!」
そう切り替えす俺が座ってるバーのカウンターの奥で、両手を顔に当ててうつぶせている木暮中尉。
「あとは綾瀬次第か…」
そう言いつつ、傍らに置いてあったヘッドセットでどこかに何やら指示し始める。と、中尉の声が大きくなる。
「確かなのね!綾瀬!」
そう叫ぶとヘッドセットの何かのボタンを操作する木暮中尉。相手の綾瀬の声が大きく聞こえ始める。
「防人岬に行くって!それと相手はやっぱりユウ・カイウェン!間違いないわ」
「ラジャ!でかした!」
「あと、仕事が終わったらこの店で待ってるって僕に…」
その言葉を聞かずに、見慣れたエンゼルの白とブルーの綾瀬も持っていた小さな無線機を手に取り、大声で叫ぶ木暮中尉。
「エマージェンシー!エンゼルコール!伊豆の防人岬に倉庫みたいなのがあるか調べて!相手はユウ・カイウェンで間違いない。多分防人岬も奴の縄張りで立ち入り禁止だと思うけど!」
それを聞きながら、
「あの野郎!次ここに来たらぶっ飛ばしてやる!」
そういう俺に、
「もう来れないわよ」
メイド姿の矢吹少尉が答える。
「なんでだよ?」
「こういう事!ほら店から出て!早く!」
訳が分からずそのまま店外へ出た俺の後ろで突然ガラスが割れたり何かが折れるすさまじい轟音がする。と、店は豪快に縦半分に折れ、その姿はたちまち大型のトレーラーに変形した。
「あ…酒…もったいない…」
「殆ど紅茶か麦茶だよ」
いつのまにか俺の横にいた金髪美女姿の愛原少尉がぼそっと言う。
「いや、ジョーに酒だしたろ?」
「奴があれ選ぶってわかってたから、あのウィスキーと予備にアイリッシュ数本は本物ってわけ」
まだ物の壊れる音を耳にしながら、大量の店の瓦礫をしまい込んだトレーラーの運転席から誰かが顔を覗かせた。
「ミスコグレ、アトハ ヤリマス!」
俺を迎えに来たあのリリー少尉がそう言って、ガチャガチャと音を立ててトレーラーを動かす。程なくショットバーに化けていたトレーラーは夕暮れに姿を消した。と、いきなり後ろにいた木暮中尉が自分のヘッドセットのコール音に反応。
「座礁した貨物船!?確かなのね?船の形式と見取り図をエンゼルメンバーへ。フォールンエンゼル!」
フォールンエンゼルモード。いわゆる殺人許可って奴か。
「なんで私まで!放しなさい!」
防人岬に座礁している小型の貨物船の機関室では一人の女の怒号が木霊していた。
「ユウ親分様の命令でな。あんたも積み荷の一部ってわけさ」
「ふざけないでよ!これだけの女集めるのにどれだけ苦労したと思ってるのさ!」
二人の男に両脇を取られながらも、少々厚化粧をした黒のドレスの女はあらん限りの抵抗をするが、程なく船倉に放り込まれる。そこには毛布にくるまった二十人ばかりの少女がおびえた顔をして奥にひと塊になり、その光景を眺めていた。
自分が騙して連れてきた少女達、最もみな消息がわからなくなっても左程騒がれない家出娘とか身元もわからない風俗嬢、ホームレスしていた少女もいたが、皆顔立ちは水準以上。その中に放り込まれながらも気丈な態度は崩さなかった。
「やあ、ホウ・ユンファン。今までご苦労だったな」
船倉の上の庇の様になった所に一人の男が手下と思われる男数人と現れる。黒のシャツに上下白のスーツ。顔立ちはいかにもキザっぽい売れっ子のホストという感じで、手にはこともあろうにワインのグラスまで持っていた。この男がユウ・カイウェン。昔で言う女衒のボスである。
ここにいる囚われの少女達は皆ホウの甘い言葉に誘われ、ユウの甘いマスクに惹かれ、ユウの店で働かないかと誘われたのだった。
「ユウ!ユウ大人!嘘だと言って!なんであたしまで!あんなにつくしてあげたでしょ!役にたったでしょ!店持たせてくれるって!」
ユウのいる庇に向かってホウが悲鳴あげて叫ぶが、涼しい顔の彼。
「だーかーらさあ、ご褒美に大陸への旅行プレゼントしてあげてんじゃん」
尚も叫び続けるホウを無視し、階下の少女達に演説するかの様に話始めるユウ。
「さあ、お嬢様達。新日本帝国で金持ちのプリンスがお待ちかねだ。迎えが来るまでおとなしく待っているんですよ。もし騒いだりしたら、行先は売春宿だからね。はっはっは!」
そう言って尚も笑いながら、ユウは庇に通じるドアに消えた。船倉では何人もの少女のすすり泣く声がする。
「親分。本当にみんな見ず知らずの男共にくれてやるんですかい?ならあっしも少々金がありますんで…」
ユウの横にいた齢四十位の部下の男がふと彼に尋ねる。
「君はバカかね?売っ払っちまったらそれまでだろ。全員俺の売春宿に行ってもらうさ。その方が儲かるだろ」
もう一人の部下がいぶかし気にユウに尋ねる。
「けどよ兄貴、今日あのホワイトデビルが人質奪い返しに来るって話ですぜ?」
「ああ、そうらしいな」
そういいつつ難破船の甲板へ続く階段を上り、冬の海を見据えるユウ。
「移送は今夜、予定通り行う。情報だと海から来るらしい。丁度いい。奴らもまとめて始末してやる。この前の恨み晴らしてやるぜ」
「ところで、ジョーはどうします?」
「ああ、ホワイトデビルの一人と接触してた奴か?」
そう言って軽く笑ったユウが続ける。
「痛めつけて縛っておけ。奴にはまだ働いてもらわないとな」
今度は大笑いするユウ。これはなんという事か?エンゼルの情報が洩れている?