よしおか内科胃腸科 内科・内視鏡内科・小児科

福島県いわき市平下平窪山土内町7-5

Tel 0246-22-8500

わかりやすい説明と丁寧な診察、そして安心を心がけております

コラム

No.20 改めて -2011.6.1-

はじめに、3月の大規模地震・津波、及び原子力発電所の事故により被災された皆様に
謹んでお悔やみ、お見舞いを申し上げます。震災から2か月以上の時を経ても、未だ
身近な多くの方々が、苦しい生活を強いられているこの状況に、改めて今回の震災の
大きさを、思い知らされるばかりです。

幸い、当医院は、3月11日の震災時にもその後の余震においても、
建物には目立った損傷もありませんでした。
ただ、断水が長く続いていたことや建物の安全の確認や医療機器の復旧に時間を
要したこともあり、3月末までは診察と短期の処方のみで十分な診療が行えず、
受付時間も日によっては短縮させていただいておりました。

この間、患者さまには、少なからずご迷惑とご不便をおかけしてしまい、
まことに申し訳ございませんでした。

当よしおか内科胃腸科といたしましては、地域医療の一端を担う立場から、これからも、
微力ながら皆様の健康維持のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

そして一日でも早く、皆様が震災前に近い生活を取り戻せますよう、願ってやみません。
私どもスタッフ一同、皆様のご健康と地元いわきの復興、そしてさらなる発展にむけて
毎日毎日、一歩一歩尽力・前進してまいります。

これからも、共に頑張りましょう!

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No.19 花粉症対策について -2011.3.1-

花粉症の方にとっては、憂鬱な季節が今年もやってまいりました。
鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの不快な症状は、経験したことの
ある人しかわからない辛さですね。

当院でも、早い方だと年明けすぐくらいから、お薬の処方についてのご相談に
いらっしゃる方もいます。早いうちに対策すれば、いざ、花粉が飛散しはじめても
症状は軽くすむことが実証されています。

ところで、一口に「花粉症」といっても、その症状や時期は様々で、
人によっては一年中辛い症状が続く方もいらっしゃいます。

今回は、発症者が一番多く、だいたい2月から5月にかけて症状が
強く出る、一般的に「花粉症」と言われるものの対策についてお話します。

テレビや新聞などで、皆様もご存じのとおり、今年の花粉症は例年に
比べて、症状がひどくなるだろうと予想されています。
それは、昨年夏の気象条件が、杉の育成にとって好条件だったため
と言われています。

さらに、いわき市は全国的に見ても、もともとスギ花粉の飛散量が
多い地域であり、風も強い地域であることから、お住まいになっている
方が日常生活を送る上では、今年は特に花粉を避けるための工夫が
必要となりそうです。

花粉症の症状を抑えるには、まず、花粉をいかに持ち込まないか、が大切です。
以下に、主に服装についていくつかのポイントを書いてみます。

(1)コートやジャケットを羽織る。

一般的なスプリングコートのような、すべすべした素材のものを選びましょう。
デニム素材が一番花粉を吸着しないと言われており、一方ウールやフリースは
花粉が奥まで入り込んでしまいなかなかとれなくなるので、
避けた方が良いとされています。
そして家に入る前には、必ず手で肩から裾にむかって花粉を払い、
玄関で脱ぐように習慣づけましょう。

(2)帽子をかぶる。

こちらも、コート同様、すべすべした素材のものを選びましょう。
実はあまり知られていないのですが、花粉が髪の毛のなかに入り込むと 洗っても
落ちにくいためそのまま寝具に付着してしまい、寝ていても不快な症状が続く、
という恐れがあります。
夜、症状が強くて薬を飲んでも眠れないという方は、
一度帽子をかぶる習慣をお勧めします。

(3)足元に注意。

意外と盲点なのが、足元から舞い上がる花粉です。
飛散した花粉は、空中で舞っている量より、地面に落ちている量のほうが多いのです。
地面が土や草なら、花粉が舞いあがるのを防げるのですが、残念ながらほとんどが
アスファルトやコンクリートです。
家に入る前には、上着とともに、足元の花粉を掃う習慣をつけましょう。

(4)コンタクトレンズではなくメガネを使用しましょう。

普段、コンタクトレンズを装着している方で、花粉症を発症されている方は
注意が必要です。
なぜなら、花粉は眼球にも吸着してしまうため、コンタクトレンズと眼球の間の摩擦で
眼球に傷がついてしまうことがあるからです。
この時期は、コンタクトレンズの使用を極力避けましょう。
もし、使用を続けたい方は、花粉症用のゴーグルを装着するなど、
眼球に花粉が付かないように工夫しましょう。

(5)スカーフも効果的です。

花粉が皮膚に付着すると、アレルギー体質の方だと皮膚炎を起こすことがあります。
これを避けるためには、スカーフが効果的です。首のまわりに巻くことで、
花粉が襟元から入り込むのを阻止します。


最後に、花粉症の症状をより悪化させないためには、服装に気をつけることの他に、
ストレスを避け、睡眠を十分にとり、きちんとした食生活を心掛ける、などの
規則正しい生活を送ることが、実は一番大切だといわれています。

来月はいよいよ、進級・新入学の4月です。気持ちを新たに新しい生活を始めるために
今から、生活リズムを見直すのも、今出来る、一つの花粉症対策といえるかもしれません。

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No.18 インフルエンザの“新型”と“季節性”の違いって? -2011.2.1-

年末から、全国的に出されていた乾燥注意報が、今年に入ってさらに
その傾向を増しています。

それに伴い、年明けの、ちょうど子供たちの新学期が始まるころから、
インフルエンザの大流行が始まりました。

今年のインフルエンザの流行は、「A香港型」を主流とする“季節性”と
昨年から世界中を席巻している“新型”が、ほとんどを占めており、
H23年1月現在、B型インフルエンザの流行は目立っていません。

これらの流行の動向については、「国立感染症研究所」という
国の施設で毎週発表されているものです。

この施設では、日本国内の特定の医療機関から送られてきた
サンプルの検体を遺伝子レベルで調べることで得た
「今、どこで、どんな病気が流行しているのか?」
という情報を、広く提供しています。

この情報をもとに、報道機関などは、メディアを通じて「新型インフルエンザ
が流行してきました」などと国民に注意を呼び掛けることができますし、
また、製薬会社はインフルエンザの薬を安定して供給するようにしたりと
インフルエンザ対策に役立てることができるのです。

最近よく、診察後に
「私のインフルエンザは“新型”なの?“季節性”なの?」
という質問をされることがあるのですが、上記のような遺伝子レベルでの
検査になりますので、残念ながら当院ではお調べすることはできません。

“新型”も“季節性”も、症状に違いはあまりなく、使用する薬も同じです。
どちらも、早期にお薬を服用していただくことが、治すための、
一番の近道になりますので、家族や友達など、身近な人がインフルエンザ
と診断され、自分も「おかしいな」と感じたら、即受診することをおすすめします。

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No.17 禁煙治療薬「チャンピックス」の品不足について -2010.11.1-

皆さんは、テレビなどで「禁煙難民」という言葉を耳にしたことがありませんか?
これは「禁煙外来を受診したら、“お薬がないので治療が開始できない”といわれた」方のことを伝えるときに使われる造語で、最近メディアを通じて頻繁に聞かれるようになりました。

先月、10月1日から、たばこ税が大幅に増税されたことで、たばこの値段が大幅に上がった
ことは、愛煙家ならずとも、もはや周知の事実でしょう。

(この大幅な値上げは、「健康増進」による、将来的な国家の健康保険料の予算の
削減を狙った政府の政策といわれています。)

この値上げを機に「禁煙しよう!」という方が、全国にあふれ、このたびの禁煙治療薬
「チャンピックス」の不足、という事態に陥ってしまいました。

メーカーでも、今、この「チャンピックス」の増産に努め、出来るだけ早い時期に安定
供給を目指すとしており、遅くともおおむね平成23年1月くらいには、新規の患者さまにも
対応できる、と発表しております。

当、よしおか内科胃腸科でも、10月の上旬までは問題なく新規の患者さまを
受け入れておりましたが、この薬剤不足を受け、その後は継続の方の治療のみを
行ってきました。

新しく、禁煙に臨まれる方のお手伝いができないことは、大変心苦しいことでありましたが、
禁煙治療薬「チャンピックス」の安定供給がなされ次第、当院でも新規の禁煙治療の
患者さまを、随時受け入れてまいりますので、大変申し訳ないのですが、
これから、お薬での禁煙治療をお考えの方は、もうしばらくお待ちいただけますよう、
お願い申し上げます。

また、重ねて、現在すでに治療を開始されている方の分のお薬に関しては、
足りなくなるということがないように、関係各位にお願いしてありますので、
安心して治療をお続けになりますよう、これからもお手伝いさせていただきます。

※あわせて、禁煙外来の治療内容について、詳しくは禁煙外来のページを
  ご覧ください。

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No.16 インフルエンザ流行の季節に備えて -2010.10.1-

昨年の冬から年明けには、インフルエンザワクチンの不足が大変な
混乱を招きましたが、幸いにも今年は十分な数のワクチンが
供給される見込みとなりました。

当院でも、更新日の10月1日から、接種を開始します。

今年のインフルエンザワクチンの特徴は、
「従来のインフルエンザワクチン」プラス「新型インフルエンザワクチン」が
一体になっている「混合型」であること。

つまり、1回の接種(中学生以下は2回接種が基本)で、
「従来型」と「新型」両方の免疫効果が期待できますので
わざわざ別々に受ける必要はありません。

ただし、「従来型」と「新型」を、あえて分けて接種する医療機関も
なかにはあるようですので、予約などの際に、必ず確認する
ことをお勧めします。(当院は「混合型」のみを取り扱う予定です)

さて、よく窓口やお電話で、
「インフルエンザワクチンを接種すれば風邪をひかなくなるの?」
という質問をされることがありますが、これは間違った認識といえます。

確かにインフルエンザウィルスは、風邪のウィルスの一種とは言えますが、
風邪のウィルスのすべてをさすものではありませんので、
インフルエンザワクチンを接種しても、風邪をひくことはあります。

また、ワクチンは万能ではありませんので、予防接種を受けたからといって
インフルエンザには絶対かからないということはありません。
手洗い、うがいなどの予防対策を怠ると、感染してしまうことはあります。

ただし、予防接種によってウィルスに対する免疫力は高められますので
かかっても軽くすむ、と言われています。
抵抗力の弱い高齢者や小児は、予防接種を受けたほうがいいでしょう。


それをふまえ、まずは予防対策を万全に。みんなが協力して感染の拡大を防ぎ、
全国的な混乱を避けることが、身近な家族を守ることに手段と言えそうです。

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No.15 夏の日焼けケアについて -2010.9.1-

夏は暑いのが当たり前なのですが、それにしても、特に今年は
「暑いね~」と、窓口にいらっしゃる方が多かった気がします。
考えてみると、今年は4月まで雪が降ったりして、「冷夏になる」との
予想がされていたのですが、そんなのはまるでウソのように酷暑の夏でした。

その夏も終わり、今、暦の上では秋です。・・・と言いつつも、連日
気温が30度以上の夏日が続いており、いまだに真夏のような毎日。
かろうじて、朝夕の束の間の涼風と、虫の声に秋を感じています。

ただ、日中はまだまだ暑い日が続くようですので、熱中症や、水あたりなどの
夏特有の体の不調には、十分お気をつけてお過ごしください。
(コラム第3回、「熱中症は予防が大切」のほうも合わせてご覧ください)

さて、夏の間に負担をかけたのは、身体の中ばかりではありません。
肌も、相当のダメージを受けています。
特に「日焼け」は、のちのち跡が残ったり、場合によっては皮膚病の原因に
なることもあり、女性に限らず、男性の方にも、そのケアをおすすめしたい
トラブルの一つです。

ここでは、日焼けをしてしまった肌に対するケアについて、ご紹介したいと思います。

Ⅰ.「ほてり」のある場合

日焼けは、医学的には「やけど」と同じです。
ですから「ほてり」のある初期段階では、まず“冷やす”ことが第一。

濡らしたタオルに氷や保冷剤などを入れて、ゆっくり、時間をかけて冷やします。
(氷や保冷剤で直接冷やすのはやめましょう)

※水ぶくれや痛みがある(ひどい)時は、早めに医師に相談することをお勧めします。

Ⅱ.「乾燥」を避ける

日焼けのあとの肌は、かなり乾燥しています。乾燥した状態が続くと
砂漠の地面のように肌が割れて、表皮だけではなく真皮をも傷つけ
そこにさらに紫外線を浴びると、シミやシワ、ひいては皮膚がんの
原因となることもありますので、注意が必要です。

女性はもちろん男性の方も、化粧水や乳液などで、きちんと保湿することをお勧めします。

Ⅲ.肌の「再生」を促す

新陳代謝を活発にするため、適度な運動や、バランスのとれた食事、
あとは、規則正しい生活を心がけましょう。
(快食・快眠・快便)

日焼けのあとのシミが気になる場合は、ビタミンCを積極的に摂取します。

日焼けは一度してしまうと、元の肌の状態に戻すのは困難です。
できる限り予防をした上で、アフターケアに頼りましょう。


夏が終わったといっても、まだまだ紫外線は強く、肌を露出する機会も多いこの季節。
これからの日焼け予防も大変重要になりますので、引き続き過剰な紫外線を浴びないよう
気をつけて過ごしてください。

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No.14 お盆休み中に急病になったら? -2010.8.1-

子供たちが夏休みに入ってから約1か月後、大人たちにも短い(?)夏休みが
やってきます。いよいよ今年もお盆休みの季節です。

お盆休みは本来、ご先祖様の魂がなつかしい我が家へ帰ってくるのを、
家族みんなでお迎えし、お盆の間自宅でおまつり(おもてなし)して、また再び
黄泉の国へお見送りする、という日本独特の文化です。
(海外では、秋のアメリカのハロウィーンがこれに近いと言われています)

近年は、お盆休みを利用して、家族旅行に出かけたりする傾向も多く見られ、
必ずしも「故郷で過ごす」という過ごし方が一般的ではないかもしれません。

お盆休みに帰省など、お出かけになる場合には、いろいろとご準備されると思いますが、
ぜひその際には、お出かけ先の医療機関についてお調べいただくことも忘れないでください。
(下に、是非調べておいてほしいことをまとめましたので参考にしていただけると幸いです)

Ⅰ.お出かけ先での医療機関について

お盆期間中は、地域の診療所がお盆休みを取るところが多いため、注意が必要です。
必ず、お出かけ先の地域の医療機関と休診日を調べておきましょう。

市町村や医師会などで、ホームページを運営しているところでは、休日当番医表を
インターネットで調べられる場合もありますので、確認しておくといいでしょう。

ただし、お盆休みを設定していない、大きな医療機関などでも、診療科によっては
医師がお休みをとっていたり、診療内容が変更になることも考えられますので、
電話番号は必ず控え、受診する際には電話で確認をとってからの受診をお勧めします。

Ⅱ.かかりつけ以外での受診の際には

急な発病でもあわてないために、かかりつけ以外での受診には下記のものをご用意ください。

・保険証(コピー不可)
・既往歴のわかるもの
・服用中の薬の名前がわかるもの(お薬手帳など)
・食べものや薬のアレルギーがある場合はその名前

Ⅲ.ペットも一緒にお出かけする場合

人間と同様、お出かけ先では、ペットも思わぬ病気やトラブルに巻き込まれることがあります。
そんな時にあわてないように、お出かけ先の近くにある動物病院を調べて、なおかつ
お盆休み中の診療について事前に確認しておくと、いざというときも安心です。

Ⅰ~Ⅲのことは、今のうちからでも準備しておけば、直前に慌てる必要がありません。
ぜひ、早めの準備をおすすめします。

親子の楽しい夏休み。後々になっても“いい思い出”として心に残るような
そんな楽しいものであるように願います。

※ちなみに、当よしおか内科胃腸科は、8月12日(木)~15(日)までお休みさせていただきます。
よって、下記に、いわき市内の休日当番医についてご案内いたしますので、
急病の際の参考にしてください。

なお、当医院かかりつけの方には前もってご案内していますが、お盆休みの期間中に、
お薬のなくなってしまう方は、早めに処方いたしますので、診察の際に医師にご相談ください。

◆いわき市内の休日当番医  8月14日(土)~15日(日)の9時~17時

8月14日~15日のいわき市休日当番医

※8月12日と13日は平日扱いとなるため、市内の主な病院は通常通り診療を行っています。
 いわき市の公共の医療機関
  磐城総合共立病院・・・・・・・・・・26-3151(代)
  福島労災病院・・・・・・・・・・・・・・26-1111(代)
  休日夜間急病診療所・・・・・・・・27-1208

診察を受ける場合は、かならず医療機関に前もってご相談ください。診療科によっては、
休診となっていたり、また直接受診すると特別な料金が発生する場合がございますので、
ご注意ください。

→ 詳しくは いわき市のホームページ 「トップ>急病>休日夜間診療所・休日当番医」
  をご覧ください。

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No.13 真夏のインフルエンザにご注意 -2010.7.1-

梅雨入り(6月14日)、夏至(6月21日)も過ぎて、これで
7月下旬に例年通り梅雨明けすれば、いよいよ夏本番ですね。

今年は特に、春の気温が低く、初夏に急に気温が上がったせいか
体調を崩される方も多く、当医院にもさまざまな不調を訴えられる方が
いらっしゃっています。

意外と知られていないのですが、いわき市医師会のホームページでは
市内の各地の医院さんの協力を得て、地域ごと、週ごとの感染症の
流行状況を、毎週水曜日に更新しています。
いろいろな感染症について詳しく載っていますのでぜひ、参考にしてみてください。

リンク : いわき市医師会 ホームページ

6月下旬現在、感染性胃腸炎(お腹にくる風邪の一種)の流行が
まず目につきますが、今年の注目すべきは、やはりインフルエンザかと思います。

昨年の5月に日本に襲来し、真冬の日本列島を駆け抜けた
新型インフルエンザも、今年の3月頃に、ようやく流行の終息を見せました。
ところが、ここ数週間(具体的には5月中旬から)
いわき市内でふたたび流行の兆しを見せているのです。

「真夏にインフルエンザが流行するの?」

と疑問に思う方も多いかと思いますが、実は真夏にインフルエンザが
流行することはあまり珍しいことではありません。
真夏でも、毎年日本全国でインフルエンザにかかる人は多く、
特に、ここ数年、沖縄では夏のインフルエンザ流行が定着しています。

例年ですと、真夏にインフルエンザが流行する、という考えがなかったために、
検査をしなかった、ということもあり、あまり知られていなかったのですが、
今年は、昨年の新型インフルエンザの流行の影響で、
検査をする人が多いのも、流行の一因とも言えそうです。

・38℃以上の高熱
・異常なだるさ(お子様の場合は元気がない)
・激しい関節痛や頭痛
・つらい咳

など、インフルエンザ特有の症状がみられた場合は素早く
医療機関を受診されることをお勧めします。

なお、当院を受診される際に、インフルエンザの検査をご希望の方は、
受け付けの際にその旨をおっしゃっていただけると、検査から受診までの
流れがスムーズです。

夏でも、タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、各医療機関で、
随時処方できますので、安心して受診して下さい。

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No.12 梅雨時の洗濯のコツ -2010.6.1-

6月と言えば、梅雨。毎年のことなのですが
梅雨時は、洗濯物が片付かないのが憂鬱、、、という方も多いのではないでしょうか。

やむを得ず、部屋干しをする方も多いと思いますが、その際に頭を悩ますのが
1.生乾き(乾いた後)の洗濯物の嫌なにおい
2.室内の湿気とそれに伴うカビの発生
3.すっきりと乾かない、乾くまでに時間がかかる
といった、数々のトラブルですね。

今回は、梅雨時の洗濯のコツということで、上記のお悩み別に
解決法をいくつかご提案したいと思います。

1.洗濯物のにおいを防ぐには?
 洗濯物のにおいの原因は、ズバリ「雑菌」です。
 部屋干しをする前に、「雑菌」の原因となる「汚れ」をきちんと落とすことが
 重要なポイントとなります。

・除菌力の高い洗剤(もしくは洗濯機の「除菌モード」)を活用する
・洗濯物は“腹八分目”でいっぺんにたくさん洗わない
・肌に触れるものは一度手洗いしてから
・お風呂の残り湯は使用しない

2.室内干しの湿気対策
 室内干しをすると、湿気がこもってしまい、カーテンや壁紙、畳や床まで
 カビに侵されて傷んでしまうことがあります。

・除湿器やエアコンの除湿機能を利用し、締め切った室内でも湿度が上がらないようにする。
・お風呂場で換気扇を回して洗濯物を干すと、室内まで湿気が及ばないので、
 意外とお勧めです。
・洗濯物の下に、丸めた新聞紙を敷くと、新聞紙が湿気を吸ってくれます。
 (これは、洗濯物が早く乾くという利点もあります)

3.乾くまでの時間を短縮するには?
・できるだけ、洗濯物同士が重ならないようにする。
・扇風機などで風を送りながら乾かす。
・アイロンを活用する。
・壁際や窓際ではなく、部屋のまん中に干す。(日が当たるところならよりGood)

あとは、意外と知られていないのが、洗濯機そのものの汚れが洗濯物にうつってしまい、
においの原因となる、という事実です。
洗濯機を清潔に保つことも、気持よく洗濯するためのコツと言えるでしょう。

《具体的な対策》
・汚れた衣類は、長時間洗濯機に入れておかない。
・洗濯をしていないときは、洗濯そうの蓋をあけておき、中を乾燥させる。
・洗濯機のなかを掃除する。

室内の湿気やいやなにおいは、気分を憂鬱にさせ、
また、天井や壁、カーテンで発生したカビが
体の中に入って、病気の原因となることもあります。

梅雨は、古来より日本独特の情緒のある季節ですが、厄介者扱いされがちです。
毎年のことなので、出来れば快適に乗り切って、来るべき暑い夏に向けての健康を
保っていただきたいと思います。

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No.11 初ガツオ -2010.5.1-

「目に青葉 山時鳥(ほととぎす) 初松魚(はつがつお)」

皆様も、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
初夏を象徴するこの句は、江戸中期の俳人・山口素堂の作で、
日本人の文化・風情を表す句の代表ともいえる有名なものです。

さらにこの、“初鰹(はつがつお)”という言葉は、初夏の季語となっており
「女房を質に入れても食べたい初鰹」と言われるほど
江戸の昔から初夏、5月を代表する味覚の一つとなっています。

ですがこの時期、かつおやそのほかの刺身を食べた翌朝、
激しい腹痛に見舞われて来院される方が、多くいらっしゃいます。

症状や状況について伺うと・・・

・夕食にカツオ(もしくはイカやその他の魚)を刺身で食べた。
・夜中の2時ごろ、急激な腹痛で目が覚めた。
・朝方から、おう吐が止まらない。
・下痢はしていない。
・一緒に食べた家族の、全員に症状があるわけではない。

上に示したのは、あくまで症状の一例で、これに限るわけではありませんが、
おおむね8割くらいの方は、このような訴えで来院されます。

これらの症状は、「アニサキス」という、魚の内臓にいる寄生虫が胃の中に入り、
胃壁に食いつき、悪さをしている場合が多いようです。(胃アニサキス症)

☆胃アニサキス症の治療☆
内視鏡(胃カメラ)の先についた鉗子(ピンセットのようなもの)を使って、
虫体の先をつまんで取り除くことで、症状はたちまち回復します。

☆アニサキスが体に入らないようにするには?☆
・刺身にする魚は生きているうちに内臓を取り除く(活〆)。
・-20℃で2日以上の冷凍、もしくは60℃で1分以上の加熱処理する。

※ちなみに、薬味としてのニンニクやしょうがには、アニサキスを弱らせるほどの
  効果はないと言われています。また、酢じめにもあまり効果は期待できません。

いわき市は、全国でも、カツオを刺身で食べる習慣の多い地域と言えます。
初夏の味覚として、今の時期ぜひ楽しみたいカツオではありますが、
食べる際の注意を知っていただいて、よりおいしく味わっていただきたいものです。

そして、もし、症状がおかしいな?と思われた場合には、無理せず
内視鏡専門の内科・胃腸科での治療をおすすめします。

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No.10 禁煙の春 -2010.4.1-

「健康増進法」「受動喫煙防止条例」という言葉を最近よく耳にします。
愛煙家の方には、耳の痛い話だと思いますが、この春、その愛煙家の方々は、
さらに肩身の狭い思いをすることになりそうです。

受動喫煙の防止策を議論してきた、厚生労働省(現・長妻昭厚生労働相)
の検討会は、多数の人が利用する公共の場について「原則として全面禁煙」
とする報告書をまとめ、3月中に各都道府県に通知しました。

これにより、今年の4月からは「学校」や「駅」、「飲食店」などの屋内施設はもちろん、
「公園」「遊園地」「通学路」など、主に子供が利用する屋外についても
全面的に禁煙となります。

これらはすべて、健康増進法の努力義務のため、罰則規定はありませんが、
施設の管理者には努力義務がすでに課せられているため、実質的な禁煙は
さけられず、早い話が“一歩玄関を出たら禁煙”という状況です。

「この機会に禁煙を」とお考えの方はぜひ、当院にご相談ください。
これまでにも、多くの方が禁煙にチャレンジし、成功されていらっしゃいます。

当院では、俳優・舘ひろしさんのCMでも知られている、「無理のない禁煙法」
で、患者さまの禁煙をメンタル面と体の面の両方からサポートさせていただきます。

タバコが健康に悪いのはわかってるし、家族からも禁煙するように言われている、
吸える場所も年々減って行き、肩身が狭い・・・何度も禁煙にチャレンジしたけど
やめられない、など、禁煙についてお悩みの方、この春を機会にぜひ
“新しい禁煙法”をお試ししてはいかがでしょうか?

興味のある方は、このHPの「禁煙外来」のページもあわせてご覧ください。
金額などの詳細をおわかりいただけるかと思います。

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No.9 MR(エムアール)ワクチンはお済みですか? -2010.3.1-

3月は年度末。
この時期、お子様のいらっしゃるご家庭では、新年度にむけた準備で
なにかと気ぜわしくなりますね。
あれもこれもと準備に気をとられるうちに、つい忘れがちなのが、予防接種。

特に、3月末までに受けなくてはならない(2期~4期)のが、麻しん・風しんの混合ワクチン、
通称「MR(エムアール)」と言われるものです。

記憶に新しいところでは、平成18年の春ごろから、大学生などを中心に
麻しん(はしか)が大流行しました。麻しんは、高熱が5日~1週間ほども続き、
感染者の1,000人に1人の割合で、脳炎を発症、そのうち6人に1人は死にいたる
恐ろしい病気です。

仮に死にいたることがなくても、神経系に重い後遺症を残したり、感染して数年後には
「亜急性硬化性全脳炎」という、徐々に症状の進行する脳炎を発症することもあります。

わが福島県の平成20年度の、MRワクチンの接種率は下記のとおりです。(単位は%)
(平成20年度=平成20年4月~21年3月)

  1期 2期 3期 4期 平均
福島県 88.6 92.5 86.9 81.1 87.3
全国平均 91.7 91.8 85.1 77.3 86.5

 1期:1歳児
 2期:年長児
 3期:中学1年生
 4期:高校3年生

1期以外では全国平均をわずかに上回っていますが、それでも90%に及ばず
対象者100人のうち12~13人は受けていない計算になります。

麻しんウィルスの感染力は非常に強いことで知られており、その威力は
インフルエンザウィルスの3倍~4倍といわれています。これは、予防接種を受けていない人
同士が同じ部屋にいた場合、ほぼ全員が感染するといっても過言ではないほど。

麻しんワクチンでは、重い副作用がまず無いと言われている一方で、ほぼ確実に
免疫を得ることができ、子供たちを麻しんの脅威から守ってくれます。

1歳を過ぎたら、なるべく早めに受けることと、
2期~4期の年齢にあたるお子様のいるご家庭では
もう一度母子手帳を確認して、不安のない新年度を迎えていただきたいと思います。

日本では毎年、約50人の人たちが、麻しんによって命を落としています。
予防接種さえ受けていれば、失われずにすんだかもしれない命です。
「昔の病気」とあなどることなく、この機会に、きちんと予防接種について
見直していただけたら、とせつに願います。

※当院では、「MR」の他にも各種予防接種を行っています。
(22年4月からは「DPT(三種混合)」も新たに開始いたします。)
詳しくは、「予防接種」のページをご覧ください。

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No.8 今年の花粉症対策 -2010.2.1-

2月になり、真冬の風の冷たさの中にも、晴れた日の日差しの暖かさや、
梅の便りに春を匂わせるような日も、見られるようになりました。

花粉症の方には、辛い季節がやってきましたね。
筆者にはまだ経験がないのですが、患者さまのつらそうな表情を
毎年見ているので、お察しいたします。

厚生労働省によりますと
「今春の花粉飛散量は、昨年春に比較すると、東北及び関東地方では、
やや少なく
、東海及び北陸から九州地方では、一部を除いて
やや多くなると予想されます。」
との花粉飛散予想がなされています。

ただし、花粉の飛散量が少ない=症状が軽い、というわけには
いかないようで、早い方は1月末の時点ですでに、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、
目のかゆみ、といった、花粉症特有の症状を訴えて来院される方もいらっしゃいます。

毎年、この季節に辛い症状に悩まされている方にはぜひ、早めの対策を
お薦めいたします。

1.花粉症には「予防薬」があります。
 症状が出る前から飲み続けることで、花粉が実際に飛んでも、反応が
 出にくくなります。飲んでも眠くなりにくいのが特徴ですが、即効性はあまり
 期待できないと言われています。

2.症状がひどい場合は、症状に合わせて飲み薬や点鼻薬などを追加します。
 こちらの飲み薬は即効性はありますが、飲むと眠くなるとおっしゃる方も多く、
 受験生や、車の運転をされる方には不向きとされています。

3.目のかゆみには点眼液を処方します。
 内科でも点眼液を処方することが可能です。

内科では花粉症の薬は出してもらえない、と誤解されている方も多いのですが、
そんなことはありませんので、普段かかりつけの方はもちろん、毎年この時期に
花粉症でお悩みの方もぜひ、この機会に当院にご相談ください。
できるだけ早めの受診(2月中ごろまで)をお薦めいたします。

また、マスクをする、花粉予防用の眼鏡をする、ウールの衣類を避ける、などの
簡単な心がけでも、花粉症の症状は軽減されます。こちらは花粉症の方はもちろん
「まだお薬には頼りたくない」という、花粉症未満の方も、ぜひお試しください。

幸いにも花粉の飛散量が少ないと言われる今年こそ、花粉症の方にも
ぽかぽかの春の陽気を体いっぱいに吸い込んで、春を満喫していただけるよう、
当院もお手伝いさせていただけたらと思います。

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No.7 新年によせて -2010.1.1-

あけましておめでとうございます。
今年も、地域の皆様のご健康とご多幸をお祈りします。
当、よしおか内科胃腸科が、皆様の健康維持に、少しでも貢献できればありがたく存じます。

さて、毎年新年の抱負として、
「年頭の目標」を掲げる方も多いですね。

中には、健康を維持するために、ああしたい、こうしたい、と思う方もいらっしゃることでしょう。
具体的な目標をお持ちの方もおいでになるかも知れません。

ただ、そういった方々の中で
自分の体の「現状」がわからずに、
「どうなのかな?」と漠然とした不安をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

昨年、病院の窓口や診察室でうまく伝えられずに、
「健康不安」を今年に持ち越してしまった方も、中にはいらっしゃるかと思います。

特に、胃や大腸など普段目に見えないところの不調は
ご本人も気づきにくく、仮に気づいてもなかなか言い出しにくいとおっしゃる方も多いようです。

こちらについては、私たち医院のスタッフも、なるべく患者さんの不安に
気づくことができるように、反省すべき点だと思われますが、
やはり、胃カメラや大腸カメラの検査は、血液検査やエコー検査に比べて
抵抗を感じる方が多いというのも、無理はありません。

ただし、検査を終えて帰られる方のほとんどの方が
「やってよかった」とおっしゃっていることも事実です。

改めて、内視鏡内科の専門医の観点からすると、
胃の病気についても大腸の病気についても、
とにかく早期発見が、完治の第1条件であることは間違いないのです。

今年の目標の一つとして、不安のある方はもちろん、
自信のある方にも、「内視鏡検査を受けてみる」というのはいかがでしょうか?

一度、自分を「内側から」見つめてみてください。
きっと、そこから、また新たな目標を設定できるようになるはずです。

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No.6 「天高く馬肥ゆる秋」 -2009.10.1-

読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋・・・秋にはいろいろな代名詞がありますが、
中でもよく耳にするのは、やっぱり「食欲の秋」でしょうね。

暴飲暴食をしているつもりはなくても、海の幸・山の幸が豊富な季節ということもあり、
ついつい食べ過ぎてしまうのが心配です。

その上、暑かった夏が終わり、だんだんと過ごしやすくなるこの季節。
なにか新しいことに挑戦したくなったり、今まで控えていた外出をしてみたくなったりと、
気分が高揚しがちです。

気力の増加は、時に体力の限界を無視してしまうので、
あれもこれもと気力に任せての行動は禁物。
「天高く馬肥ゆる秋」とは、来るべき冬に備え、体力を蓄える時期、とも取れます。

夏前に、集団検診や個別検診などで、健康診査を受けそびれたという方は、
冬になる前のこの時期に、是非、市の健診及び、社会保険・いわき市以外の国保などの
特定検診を受けてみることをお勧めします。

改めて、自分の身体と向き合うことで、健康をきちんと確かめてから、
安心して旅行やスポーツなどを存分に楽しんでいただけたら、と心から願います。

当、よしおか内科胃腸科では、各種健診の中でも下記の検診を行っています。

「基本健診」(健康診査・特定検診)
「胃がん検診」
「肺がん検診」
「大腸がん検診」
「骨粗鬆症検診」
「前立腺がん検診」

ちなみに受診券の発行方法などは、『各種健診』『Q&A』のページを参考にしてください。

この秋、皆様の健康のお手伝いをいたします。
何かわからないことがあれば、お気軽にスタッフまでお尋ねください。

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No.5 「新型、及び季節性のインフルエンザワクチンについて」 -2009.9.1-

※この記述は、2009年当時の見解が多く含まれており、2014年現在ではすでに参考にならない内容を含んでいます。

いわきも最近、すっかり秋めいてきました。
朝夕の冷えが、だんだん身にしみて感じられますね。

季節の変わり目は、どなたでも体調を崩しがちです。
しかも今年は、新型インフルエンザの心配もあり、
自分や家族の健康について、不安を抱えている方も多いかと思います。

近頃、来院される患者さまから、
「新型インフルエンザのワクチンは、接種できるの?」
「季節性のインフルエンザのワクチンは、いつから?」
というご質問を、数多くいただいております。

今回は、そのことも含め、現段階(2009/9/1)でわかっていることを、
ご覧になっている方にお伝えしたいと思います。

◆ 新型インフルエンザのワクチンについて

TVや新聞など、メディアでも連日報道のあるとおり、
新型インフルエンザワクチンは生産数が限られており、
日本国民全体に行き渡るには(輸入分を含めても)全く足りない状況です。

したがって、政府では「ワクチン接種の優先順位を決める」との見解を、8月末に示しました。

まだ、詳しいことは現時点では決定されていませんが、
おそらく「妊婦」や「乳幼児」、「腎不全などの基礎疾患をお持ちの方」など、
新型インフルエンザにかかった場合、重症化するおそれのある方に優先的に接種する方向に向かっていくと思われます。

よって、一般的に健康な方への接種は、現実的には難しいと思われます。
当院も政府の指導に従いますので、新型インフルエンザのワクチンが入ってくるかどうかも、今のところはわかりません。
一般に健康な大人の方であれば、ほとんどが1週間程度で回復していますので、
ワクチンが接種できないからといって、極端に恐れる必要はありません。

◆ 季節性のインフルエンザワクチンについて

当、よしおか内科胃腸科では、昨年と同様に10月中旬頃から、
季節性インフルエンザワクチンの接種を行う予定です。
こちらについては、ワクチンの入荷がまだされていないので、
値段や入荷数、時期も未定です。
今後、詳しいことがわかり次第お伝えしていきたいと思います。

新型インフルエンザが流行すると、季節性のインフルエンザのワクチンの接種を希望される方も増えることが予想されます。
できるだけ多くの方に接種できるよう、中学生以上の方には1回のみの接種でのご協力をお願いいたします。

◆ 新型インフルエンザの判定と治療について

新型インフルエンザかどうかは、当院も含め病院や診療所では確認することはできません。
保健所の指示により、詳しい遺伝子検査を行うことで確定するからです。
※新型インフルエンザかも?と思った際の受診方法はQ&Aをご覧ください。

ただし、診療所での簡易検査で「A型」の判定が出た場合は、新型の可能性があります。
簡易検査で「A型」の判定が出た場合も、季節性の時と同様に抗インフルエンザ薬を服用し、自宅療養していただきます。入院の必要はありません。

8月末現在、新型インフルエンザには抗インフルエンザ薬が有効で、症状はだいたい1週間程度でおさまります。しかし、症状が治まっても他の方への感染の危険性がありますので、出来れば10日間は外出を控えて安静にしてください。

健康な大人での死亡例は8月末まで報告がありませんので、極端に敏感になる必要はありません。ただ、重症化するおそれがある注意の必要な方は、それぞれの専門医にご相談ください。

※新型インフルエンザで重症化のおそれのある方と受診先
「妊婦」→ 産婦人科
「乳幼児・小児」→ 小児科専門医
「腎疾患・人工透析を受けている方」→ 腎泌尿器科
「糖尿病」→ 糖尿病専門医
「喘息・肺疾患」→ 呼吸器専門医
「心疾患」→ 循環器専門医

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No.4 「夏バテ」を予防して楽しい夏を -2009.8.1-

◆ 「夏バテ」とは?

「夏バテ」には、はっきりとした医学的定義がありません。
夏の暑さで汗をかいた体内からは、水分と共にビタミンやミネラルなどの
体の機能を保つために必要な栄養素も失われています。
そのままの状態が続くと、自律神経に異常をきたして体温の調節がうまくいかなかったり、
消化不良、睡眠不足などを招き、「食欲がない」「だるい」「眠い」などの
諸症状を引き起こすことがあるのです。
このような慢性的な疲労の状態を「夏バテ」という言い回しで表現しているようです。

◆ 「夏バテ」は、“対処” より “防御”

「夏バテ」は、病気ではありません。
普段の生活をちょっと見直すだけで、予防することができます。
前回の「熱中症」のコラムでお話ししたことと似ているのですが、
こちらも併せて注意してみてください。

(1)冷房の設定温度に注意
急激な気温の変化は、自律神経に無理なストレスを与え「だるさ」を招く原因の一つです。
また、冷房の利いた室内でずっと過ごしている方が、
知らず知らずに「気がつくとエアコンの設定温度が低すぎた」なんてことも・・・。
こちらは、「頭痛」「吐き気」などのいわゆる「冷房病」の原因にもなってしまいます。

・・・ちょっとひと工夫・・・
・エアコンの設定温度は“外気温マイナス5度以内”に
・冷房と扇風機を併用する
・窓にはカーテン、よしずで直射日光を防ぐ
・家の周りに打ち水をする(午後2時~4時ごろ)
 (一日のうち午後1時~4時が気温が高くなるピークです)

(2)食事や間食に注意
「食欲がない」からと言って、うっかり冷たいものを摂りすぎてしまったことは ありませんか?
極端に冷たいもの(アイスなど)は胃腸を冷やしてしまいますし、
またジュースや水でも摂りすぎると胃液を薄めてしまうので、消化不良をおこしたりと、
栄養や水分を補給するつもりが、かえって下痢をして脱水してしまうという
悪循環に陥りかねません。
また、暑いからと言ってそうめんなどの炭水化物に偏った食事を続けてしまうと、
必要な栄養素が不足する原因となります。

・・・ちょっとひと工夫・・・
・デザートのアイス、ジュースは控えめに→スイカ・桃などで代用
・麺類には“ネバネバ食材”をあわせる→ぶっかけそうめん(そば)
・夏野菜(きゅうり・なす・トマトなど)を積極的に食べる→豚肉の冷しゃぶ、夏野菜を添えて
・定番のうなぎも効果的

 疲労回復には・・・梅干し、酢、レモン(クエン酸を多く含む)
 滋養強壮には・・・山芋、オクラ、にんにく、うなぎ
 風邪予防には・・・トマト、きゅうり(ビタミンC)
 夏バテ予防の完璧食材は・・・枝豆(疲労回復、ビタミン、ミネラルを多く含む)

 《ぶっかけそうめんレシピ》
 材料・・・そうめん、オクラ、納豆、青じそ、きゅうり、みょうが、ミニトマト(すべて適宜)、
       温泉卵 1個
 1.そうめんをゆでて水で洗い、ざるにあげておく。
 2.山芋はすりおろす。オクラはゆでて小口切りにし、
   きゅうり、青じそ、みょうがは千切りにする。
 3. 1 を平たい皿に盛り、上から 2 を適宜のせる。
 4.めんつゆをかけていただく。
 ※山芋の代わりにゆでた豚肉をのせて冷しゃぶ風そうめんや、
   キムチをのせて酢をちょっとかけて冷麺風にアレンジするのもおすすめです。

(3)生活リズムの乱れに注意
明るく、過ごしやすい夜が続く夏は、どうしても夜更かししてしまいがちです。
しかし、寝るのが遅いと、朝起きられずに朝食が摂れなかったりと、
どうしても生活のリズムが崩れる引き金となってしまいます。

・・・ちょっとひと工夫・・・
・夏こそ早寝早起きを心がけましょう。
 (まだ涼しいうちに活動すると、自然と食欲がわき、朝食もおいしく感じるものです)
・一日三食、決まった時間にきちんと食べましょう。
・夜は熟睡できる環境を整えましょう。
・冷房をかけて寝るときはタイマー設定し、深夜2時ごろまでには切れるようにしましょう。
 (朝方に日が差してくる時間には、外は一気に冷え込みます)

(4)その他
8月に入ったというのに、今年はまだ東北地方に梅雨明けの発表がありませんね。
でも、晴れた日には真夏のような日差しと暑さ、そして時に夕立が激しく降ったり、
かと思うと気温の低い日があったり・・・はっきりしない感じです。
そして夏は、お盆休みや夏休みなどで、いつもと違うイベントが続いたりするので、
大人も子供も、知らずに無理をしてしまいがちです。
体調管理に十分注意して、楽しい夏を過ごしましょう。

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No.3 「熱中症は予防が大切」 -2009.7.1-

毎年、暑くなるとTVや新聞などでよく「熱中症」の話題や報道を見かけます。
よく「日射病とは違うの?」と聞かれることがあるのですが、
基本的には同じだそうです。
ただ、「日射」がなくても暑さで体温調節がうまくいかずに起こる様々な症状を総称して、
数年前から「熱中症」という名前が一般的に使われるようになりました。

耳慣れない方の中には、「何かに夢中になって我を忘れること」と勘違いされる方も
いらっしゃるようなので、これを機に「熱中症」についてより知っていただけたらと思います。

《熱中症にかかりやすい条件》
・夏の曇りの日や雨上がり
・湿度80%以上、気温30度以上
・熱帯夜(夜間でも25度以上)

《熱中症にかかりやすい環境》
・アスファルト、コンクリート、砂地など照り返しの強いところ
・車の中
・風通しの悪い室内
・スポーツ中(屋内・屋外問わず)
・就寝中

《熱中症の主な症状》

症状度
 1.手足が痛む、または痺れる。腹痛、軽いけいれん(足がつる)など
 2.頭痛・めまい・脈が速くなる、顔面蒼白など
 3.吐き気・おう吐(時に失神)
 4.虚脱感(ぐったりとして動けない状態)を感じる
 5.意識障害・おかしな言動・過呼吸・ショック症状

※危険度別に段階で示しますが、必ずしもこの通りに症状が進むわけではありません。
  急に意識を失ったりすることもありますので、本人はもちろん、周囲の方(保護者など)も
  注意して見ていることが大切です。

《応急処置の方法》
上の症状の1・2の軽度の症状の場合
・涼しいところで体を休め、うちわなどで風を送り続ける。
・脇の下や股の内側など、太い血管が通っているところを、冷やしたタオルなどで冷やす。
 (氷などで直接冷やすのは、かえって危険です)
・水分のほかに、塩分・糖分も補給する(スポーツドリンクなどが効果的)

※上の症状の3~5の場合は、急いで医療機関を受診するか、
  場合によっては救急車を呼ぶことも判断に入れ、
  応急処置はあくまで、それまでの間に行なうものとしてお考えください。

《熱中症の予防》
・こまめな水分補給を心がけましょう。
 (がぶ飲みはかえって胃腸を痛め、脱水を引き起こすことがあります。
  極端に冷たいものも同様です)
・白っぽい服装をする、帽子をかぶる、風通しのいいものを着るなど、
 身につけるものを工夫しましょう。
・室内は換気して、風通しをよくしましょう。
・熱帯夜には、クーラーや扇風機などを上手に利用しましょう。

《さいごに》
・わずか数分でも、子供を車中に残してその場を離れるのは、大変危険な行為です。
 「寝ているから起こしたくない」「ほんのちょっとだけだし」、誰もがそう思いがちです。
 しかし、その小さな油断が取り返しのつかない重大な結果を招きます。
 絶対にやめましょう。

・6月26日に、携帯式の「熱中症危険度計測器」が日本気象協会から発表されました。
 熱中症予防に役立つ「熱中症危険度計測器」の価格は1個 1,050 円です。
 全国の日本気象協会の支社・支店のほか、ネットショップでも注文を受け付けています。
 判断に迷う場合は、こういったものに頼るのも、ひとつの手ですね。

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No.2 「梅雨と食中毒」 -2009.6.1-

今年も『ジメジメ』、梅雨の季節がやってきました。
東北地方南部は、平年のデータを確認しますと
 梅雨入り・・・6月10日ごろ
 梅雨明け・・・7月23日ごろ  が予想されます。

農作物にとっては天の恵みの時期ですが、湿気の多くなるこの時期は、
私たちの健康をも大きく左右する季節でもあります。

特に気をつけたいのが食中毒です。
食中毒は、6月~9月が1年のうちでもっとも発生が多く、
特に、湿気が多く気温も高くなる今の時期は、細菌が繁殖しやすいので、注意が必要です。

◆食中毒を防ぐには?

食中毒にかからないように、以下のような点に注意しましょう。
1.調理の前の手洗いを、いつもより念入りにしましょう。
2.調理器具は丁寧に洗い、肉や魚などを扱った日には除菌をしましょう。
3.食品はよく加熱して食べましょう。
4.作った料理は早めに食べ、作り置きや作りすぎをしないように気をつけましょう。

お弁当を持たせるときは、次のような点に注意しましょう。
1.ごはんやおかずは、冷ましてから詰めましょう。
2.梅干しなど、防腐効果のある食材や、保冷剤などを上手に活用しましょう。
 (凍ったまま詰められる市販の冷凍食品なども、便利で効果的です)
3.出来上がったお弁当は、長時間暑い所に置かず、
 なるべく涼しいところ(できれば冷蔵庫)で保管しましょう。

◆もし食中毒にかかってしまったら?

まず、食中毒の症状ですが、主な症状は腹痛、下痢、おう吐などの胃腸症状です。
時には高熱を伴うこともあります。
これらの症状が現れた時は、早めに医療機関を受診しましょう。
食べたものに心当たりがある時は、メモして持っていくと医師の診察がスムーズに進められます。
主な治療は、整腸剤などの薬剤での治療ですが、下痢やおう吐がひどく、脱水症状が心配されるようなときは、あわせて、点滴などを行うこともあります。

◆どのくらいで治るの?

食中毒は、健康な方であれば、症状が出てからだいたい1週間くらいで回復します。
体力の弱いお子様や、糖尿病などの慢性疾患をお持ちの方は症状が長引いたり、
合併症を引き起こす危険性がありますので、こまめに水分補給をしたり、
症状の変化には、注意が必要です。

--- 余談ですが、
人間が、快適に感じる湿度は約45~60%と言われています。
これ以上でも以下でも、風邪をひきやすくなるなど、
少なからず人体にも影響があるそうです。

梅雨の晴れ間はもちろん、雨の日でも湿度は屋外のほうが低いので、
1日1回は、最低でも1時間程度の換気をしましょう。
(ちなみに、部屋干しした洗濯物は、湿度を10%程度上昇させると言われています)

ジメジメした季節で気分も滅入りがちですが、身も心もカラッと過ごして、
来るべき夏に備えたいものですね。

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No.1 「5月病について」 -2009.4.28-

木々が青々と萌え、さわやかな風が吹き抜ける季節です。
日差しのまぶしさとはうらはらに、なんとなく気分がすぐれない、いらいらする、無気力になって、どこへもいきたくない・・・。

ひょっとして、5月病?

あまり過敏に反応する必要はありませんが、
いろいろと注意をしたほうがいいかもしれません。
4月から新年度が始まり、自分を取り巻く環境が劇的に変わったという方も多いはず。
そして、そのような家族を支えているお母さんも。

ストレスを感じて、それを上手に発散できる場合は問題ないのですが、
怖いのは、自分が気づかないうちに、心と体にストレス(負担)がかかっている場合、
そして、ストレスを発散できず、知らず知らずにため込んでしまう場合です。

「5月病」という定義はあいまいで、医学的には「アパシーシンドローム」と呼ばれるものが、これにあたるそうです。(日本語に訳すと「無気力症候群」)
一般的に、きまじめで頑張り屋さんの人が、陥りやすい傾向があります。

5月病と聞くと、まず思い浮かべるのが「不眠」「気分の落ち込み」「倦怠感」などの症状ですが、この他にも意外と多いのが「腹痛」「下痢」「軟便」「おう吐」などの胃腸症状であることをご存知ですか?

これらの症状を「一時的なもの」と放っておくと、慢性化してしまったり切れ痔・いぼ痔などの不快な症状を引き起こす原因となります。
お子様の場合、親御さんの気づかないうちに、下痢や軟便が慢性化してしまって授業に支障が出てしまったり、結果的に学校に行きづらくなってしまう要因となりかねないので、特に注意が必要です。

こういった胃腸症状は、整腸剤などを服用することで改善されることが多く、早いうちであれば治りも早いので、「なんか変だな?」と感じたら、すぐに胃腸科の専門医を受診することをおすすめします。

新しい期待に胸をふくらませ、桜の季節にはじまったこの新生活。
G・W明けも、また同じ気持ちで進んでいきたいですね。
本人はもちろん、その家族を送り出す方も・・・。