Fostex FE127EII バスレフ (2010)
FE127Eの改良版ユニット
FE167Eのバスレフ
は今まで製作してきたスピーカーの中ではもっとも調整に時間をかけ、思うような音に近づけることができました。気に入っているのですが、作らずにいられない性分はどうにもならず次は何を作ろうかと考える毎日です。
先日購入したオーディオ雑誌で
コイズミ無線
からFE127Eの改良版ユニットを販売している旨の記事を見ました。最新の軽量布エッジを採用しているとのこと。FEシリーズの防磁タイプは生産終了なので限定販売です。FOSTEXに問い合わせてみたところ今後新しくなる予定はないようです。残念。ちなみにFFシリーズのリニューアルモデルが年内(2010)に出る予定だそうです。
どうせなら新しくなったFE126Enでバックロードホーンかなとも思いますが、バスレフが好きなのでFE127EIIを使ってみようと思います。
FE127Eバスレフ
どんなエンクロージャーにするか。考えを整理してみると、
形状は
FE167Eのバスレフ
でうまくいったトールボーイスタイルのバスレフ。
同様に、吸音材は
FE167Eのバスレフ
で良い効果があった
ティッシュテトラ
を使う。他の吸音材と併用。
箱の容積は大きめにしてゆったり鳴らす。
といった所です。
設計
spedで次のように設計してみました。50Hz付近まで確保できそうですが、量感を出すためにfdを60[Hz]程としてみました。
パラメータが違う
今日(2010,7,27)、ユニットが到着。さっそく開封してみました。同封されていたデータシートを見て…。FE127Eと少し?数値が異なります。最低共振周波数とQoが高くなっています。エッジが変わることでこれだけ変わってしまうのかと少々ビックリ。上の図はFE127EのTSパラメータで設計したものです。当然違う結果になりそうです。
fo,Qo共に高いので、無理をせずにもう少しダクトを短くして共振周波数を上げようと思います。110mm→90mmくらいかな。
ユニット名
最低共振周波数
Qo
Mms
FE127E
70Hz
0.43
2.9g
FE127EII
80Hz
0.52
2.9g
材料
ウッドポケット
さんから材料が届きました。MDFです。
下の写真は仮組みした状態です。
製作
いつものように組み立て、磨き、塗装。
磨きは80番、120番、150番、240番、320番。
塗装はオイルステイン(オールナット)+ラッカー(透明)。
FE167Eのバスレフ
と同じスタイルにしました。
視聴
まずは吸音材なしで視聴。くせのない音です。明るく素直な感じ。
ティッシュテトラ
を2つ入れてみました。音に落ち着きと厚みが出てきます。
FE167Eのバスレフ
ほどシビアに調整しなくても問題なく聞けます。特に調整らしい調整をしなくても音楽を楽しめる音が出てしまい拍子抜け。
以前
FE127E
をブックシェルフタイプのバスレフで聞いたことがあります。こちらもとても素直な音で良かったんですが、低域の量感はトールボーイタイプの方が上です。長いタイプのエンクロージャーはダクトを効率良くドライブできるのでしょうか。なんとなく分かるような気もしますが。
いろいろなCDを聞いているうちに不満も出てくるかも、ということで、しばらくこの状態でエージング。
視聴2
低域の量感は、
FE167Eのバスレフ
と比べると多少物足りなさを感じる面もありますが、サイズの違いほどではありません。どちらかというと質的な違いを感じます。
FE167Eのバスレフ
の方はフワッとした感じ。FE127EIIの方が弾力がある感じ。量感は
FE167Eのバスレフ
に負けますが、力があるので不足感はありません。むしろ曲によっては充実した低音を聞けます。
中高域はやっぱり小口径な分有利です。まだエージングが進んでいないので少し硬さを感じる面もありますが、たぶん解消されていくと思います。
ゆったりと情感豊に鳴る
FE167E
。素直でくせがなく万能タイプのFE127EII。それぞれに魅力があります。
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