Fostex FE167E バスレフ (2009)
初の16cm
市販のスピーカーを何機種か(2WAY,3WAY)使い、自作でも
ウーハー+ツイーターの2WAY
を試してみたけど、やっぱりフルレンジの軽快な音が好き。どうも最近はウーハーの重い低音にはついていけない。昔は迫力のある音が好きだったんだけど・・・年のせい?
今まで使ってきたフルレンジは8cm,10cm,12cm,20cm。中でも12cmはバランスが良かったかな。最近使った
JX92S
は14cmくらいでこれも良かった。次はバランスが良いとされるロクハン(16cm)をぜひ使ってみたい。ということで、候補を考えてみました。ダイアトーンのP-610シリーズやパイオニアのPE-16Mあたりを使ってみたいところですが、すでに生産中止で中古でも手に入りにくい。困った時のFOSTEXということでFE166E、FE167E、FF165K。バスレフでいこうと決めていたのでFE167Eに決定しました。
設計
FE167Eをゆったりと鳴らしてみたかったので容積確保のためにトールボーイタイプにすることにします。
spedで設計してみました。低域が少しだら下がりですが、60Hz付近まで伸びています。トーンコントロールで十分補正可能な範囲だと思います。今まで口径の小さいユニットを使ってきたので、どちらかというと高域の方が心配です。
ユニット
ユニットが届きました。今使っているユニットより一回り大きくて何となく頼もしい感じ。ゆったり鳴ってくれそうかな。
組み立て
今回も前回に引き続き
ウッドポケット
さんに材料のカットをお願いしました。ウッドポケットさんのありがたいところは、見積もりをお願いした時に、こちらが出した要望のまま準備をされるのではなく、「この加工は高いからこうするともっと安くできる」など、親切にアドバイスしていただけるところです。
研磨
紙やすり80番、150番、240番、320番の順でやってみました。
塗装
オイルフィニッシュを考えましたが、塗装後のケアが必要であったり、塗料が高価であったりするので、前回同様オイルステインで着色しました。今回の色はオールナット。ちょっと渋めです。円を描くように塗料を塗りこみます。しかし気温が高かったせいかすぐに乾いてしまい、どうしてもムラができます。ペイント薄め液で少し薄めてやってみたらいい感じ。でもやっぱりこすった跡が残ります。どうしようか考えた挙句、本来木目のないMDFですが、木目のような感じに、あえてこすった跡を残してみました。シナ合板風って感じです。塗り跡を残さない塗り方よりも簡単なのでお勧めかもしれません。オイルステインは塗膜ができないので最後はラッカーで仕上げました。ちょっと邪道な気もしますが、なかなかうまくいったかなと自己満足しています。
視聴
音は狙った通り。小口径フルレンジユニットでは聞けないゆったりとした音です。16cmフルレンジも小口径なんでしょうけれど・・・。
エージング
ダブルコーンというユニットの構造のせいでしょうか。エージングによる変化が大きいです。声を張り上げたときの感じとかは
JX92S
よりもいいかも。吸音材を少し増やしたらさらに落ち着いた感じになり、聞ける音楽の幅が増えました。FE167Eはナローレンジ、あるいはおとなしい音という評価が多いし、鳴らし始めは僕もそう感じていましたが、聞き込んでいくとそうでもないです。ワイドレンジとは言い難いんですが、十分です。JX92Sとは音の雰囲気が全く違いますが、いい勝負しています。
吸音材で調節
先日少し増やした吸音材を半分ほど減らしました。現在側面に一枚、裏面に一枚、底に一枚、中空部分に軽く、といった感じで入っています。吸音材の量でこれほど音が変わるのは初めてです。
久しぶりに
JX92S
の音を聞いてみました。JX92Sの方が音がきちんと整っているし高域の伸びはこちらが上ですが、FE167Eと比べるとクールな感じがします。FE167Eで聞くトゥーツ・シールマンスのハーモニカやアン・サリーのボーカルはとても心地良いです。ゆったりとした温かみのある音色はFE167Eの方が上です。伸びやかさを感じます。
ダクト調整
もう少しダクトの共振周波数を下げてみようということでスリットダクトに角材を入れて調整してみました。3本入れるとかなり締まった感じ。2本にしてみました。このアイデアは以前長岡鉄男さんの本で見たものです。スリットダクトは空気抵抗が大きいかなとあまり使いませんでしたが、こんな使い方ができて便利です。
中低域に少しピーク・ディップがある感じ。これを何とかしたい。
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