制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2002-05-06
この文書について
「すみけんリソース!」を斬るの改訂版です。

すみけんたろうさんの「すみけんリソース!」とNiAOUさんの「NiAOU's Laboratory」を斬る

すみけんリソース!

aのスタイルと、dtのスタイルが紛らはしいものになつてゐる。

前者はdtであり、後者はaである。兩者は、非常に紛らはしい。問題は、この紛らはしさにある

この點は現在、改善されてゐる。

NiAOU's Laboratory

strongのスタイルと、dtのスタイルがそつくりであるが、そのスタイルが「青字+アンダーライン」で、一般に「アンカー」と看做されるスタイルである。一方、aのスタイルが「青字+裝飾ナシ(link)」「茶色(visited)」「茶色+背景白(hover)」で、一般的な「アンカーのスタイル」とは異つてゐる。

「青字=アンカー」?

「青字と云ふスタイル=事實上アンカーを示すスタイル」と云ふ説を、ヤコブ・ニールセン氏が1996年に唱へてゐる。

ところで、私の「ストックホルム支社」の例ではいくつかの単語が青になっていた。お詫び申し上げる。この例のような場合を除いて、ハイパーテキスト・リンクでない文字は絶対に青にしてはならない。ユーザはすでに、ページを斜め読みしてクリック可能な青いテキストを探す習慣を身に付けているからである。また、単語を青く(そうなっているブラウザもあった)するために用いたHTMLが適切でなかった点もお詫びしたい。カスケーディング・スタイルシート(1997年に色を変えるならこれが最適だろうが)は、まだ十分に広く利用されていない。

一方、そのニールセン氏の説は既に古びてゐる、と云ふ反論がある。

「アンダーライン+紫色の文字」と云ふアンカー紛ひのスタイルになつてゐる。

それはご指摘のとおりです。いいことをおっしゃいますね。

でも、私の判断では、2001年の段階で、その常識はすでに古い常識でした。仮に私の判断が間違っていたところで、ユーザーが1度戸惑えば理解できる程度の悪影響しか出ません。−−[すみけんリソース!]はリピーター中心の小規模サイトですから。

たしかに現在、アンカーのスタイルは再指定されるやうになつて來てをり、ブラウザのデフォルトスタイルがそのまま使はれるとは限らない。

「アンダーライン=アンカー」?

しかし、私見だが、アンダーラインと云ふスタイルは、今でも「アンカー」のスタイルとほぼ同義と看做されてゐるのではないか。

b要素i要素とがHTML 4.01 Strictで生延びつつ、u要素がDeprecatedになつてゐるのは、アンカーでもないのにアンダーラインの引かれてゐる文字列があると閲覽者が混亂する、と云ふ理由に據るのではないか。この事は、a要素についてで述べた。

もちろん、HTML 4.01の勸告には、何も理由は書かれてゐないが。

複合的に「青字+アンダーライン」と云ふスタイルを指定する危險性

「青字」は、必ずしも「アンカー」ではないが、かつては「アンカー」と看做される事もあつた。「アンダーライン」は、必然的な結び附きはないが、屡々「アンカー」と結び附けて考へられる。ならば、「青字+アンダーライン」と云ふスタイルは、極めて多くの場合に「アンカー」と認識されるのではないか。

NiAOUさんのスタイルでは、「常識的」にアンカーと看做されるスタイルを指定された文字列がアンカーではない一方、アンカーとは通常看做されないスタイルを指定された文字列がアンカーである。確實に閲覽者は一度、戸惑ふだらう。

「すみけんリソース!」を斬るでは、「aのスタイル」その他に話を擴げて「自滅」した譯だが、負け惜しみととられるのを承知で、「青字+アンダーライン」と云ふスタイルは濫用するな、と主張したい。


少くとも、アンカーと認識され兼ねないスタイルをaではない要素に指定するのは止めるべきだと思ふし、アンカーのスタイルとさうではない要素のスタイルとを同じやうなものにしてしまふのも止めるべきだと思ふ。