文書のある部分が他の文書との間を繋ぐアンカーとなるべき部分である事を示すのがa要素です。
他のリソースから参照されるための記述も可能(リンクの終着点としても使用可能)でしたが、HTML 4.01以降ではリンクの出発点として特化されるべきものとなりました。
他のリソースを参照するためのURL/URIを記述し、アンカーを作成して、閲覧者が他のリソースを参照できる様にする要素です。HTML文書をハイパーテキストたらしめる重要な要素です。
「文書のマークアップ」を重視する立場から見ると、a要素の地位は相対的に低いものとなります。しかしHTMLのハイパーテキストとしての側面を重視するならば、a要素はHTMLの中でも極めて重要な要素とする事ができます。
属性には、name:リンク元 / href:リンク先があります。
汎用属性のclass、id、title、style、lang、dir(、xml:lang)が使用可能です。
&
と書いておかなければなりません。CGIに渡すパラメータ区切りに&が使用されることがあります。多くのブラウザは、その辺りのエラーを訂正してくれますが、ブラウザのエラー訂正機能に依存して手を抜くのはよくないことです。既存のa要素を別のa要素で包む様にマークアップしてはいけません。
img要素をa要素の中身にできます。多くのブラウザがimgのborderを見せて、その地点がホットスポットであることを表現します。が、その様にしなければならない必然性は全然ありません。
この手の「やってはいけない」事をやることで「隠しコンテンツ」「裏サイト」を作れる、といった迷信が存在するみたいですが、検索エンジンのロボット相手には無意味ですし、Internet Explorerユーザにtabキー連打をされればばれますし、ソースを覗かれれば確実にリンクの存在は自明です。そもそも、その手の「あまり読まれたくない」といった意図の露骨に示されたコンテンツは、好ましいものではありません。
アンカー/ホットスポットである文字列を、多くの視覚系ユーザエージェントは下線を附けて示します。一般的なブラウザを使用するユーザは、下線の附けられた文字列をアンカーのホットスポットだと認識しがちです。
「アンカーのホットスポットは下線附きの文字列で示さなければならない」なる決りがある訳ではありませんが、アンカーではない文字列に下線を附すのは、スキルの高くないユーザを混乱させる原因となりがちです。その種のデザインは、避けた方が無難です。
もしかすると、閲覧者から「ややこしいデザインはやめてくれ」と、クレームが来るかも知れません。
ヤコブ・ニールセン氏が、アンカーの色をNetscape NavigatorやInternet Explorerのデフォルトの色とは異なる様に指定するウェブデザインを間違い
と評したことがあります。
一般的なブラウザのデフォルトスタイルが美しくないので、制作者は綺麗なスタイルを指定したくなるものです。しかし、制作者独自の美的センスを必ずしも全ての閲覧者が理解するわけではありません。インターネット初心者は、恰好良いデザインに惹かれる一方、標準的ではないデザインに混乱するものです。その種の初心者を混乱させない様に、閲覧者は工夫をすべきです。
もちろん、その種の工夫をしないのも、選擇肢の一つですし、見識の一つです。けれども、閲覧者にとってそれが不利益となる場合もある事、不利益を被った閲覧者はそのサイトを支持しなくなる事も、制作者は認識しておく必要があります。
HTML 4.01以降、u要素(アンダーラインを指示するプレゼンテーションのための要素)は「非推奨」と定義されました。しかし、b要素やi要素は、依然、HTML 4.01 Strictに存在します。
一般に、プレゼンテーション目的の要素が單純に排除された、との理由でu要素が「非推奨」である事は納得されるものなのですが、どうもそれは怪しいみたいです。
以下は私見ですが――
以上は推測であり、何らかの文献に拠った記述ではありません。推測が誤りである可能性もあります。