Arkの理論値とゲーム上での表示値とのズレの真相

影牢最大の謎であった「計算機で得られるArkの理論値」と「ゲーム上で表示される実際のArkの数値」とのズレの原因が判明し、計算アルゴリズムはほぼ解明されました

累積Ark倍率は1回毎に有効数字3桁で切り捨てて計算!

まずはこのファイル(Excel、12KB、解凍後41KB)をダウンロードし、適当なフォルダに解凍して開いて下さい。
すると、下記のような画面が表示されます。(画像はMircosoft Excel 2000で開いたときの表示例)

Excelシートの見方

このExcelファイルにおけるそれぞれの列の意味の説明を行います。

《A列・B列》
対象となる敵の防御力(1行目)、および敵のHP(2行目)
※各行の表示例はコンボ19の相手である第12話のクラッシャー・ギュンターのステータス

《C列》(Hit)
ヒット数の順目(1ヒット目~10ヒット目)

《D列》(Trap Name)
使用するトラップの名称
※各行の表示例はコンボ19(第12話のクラッシャー・ギュンターが相手)で使用しているトラップ

《E列》(Dmg)
各トラップの固有ダメージ値

《F列》(†:本サイトでは「防御力無視」を意味する記号)
そのトラップが防御力無視のトラップである場合は「有」を選択し、そうでない場合は「無」を選択または空欄のままにする(選択形式)

《G列》(Ark)
各トラップの固有Ark倍率(選択形式)

《H列》(%)
各トラップのヒットレート(選択形式)
(ヒットレートは概算して100%、97%、94%、91%、88%、85%の6通りの値を取る。詳細な値については第1章を参照のこと)

《I列》(bonus)
コアヒット、エリアルヒット、ロングレンジヒットなどのテクニカルボーナスの数(1つ付くごとに獲得Arkが1.5倍される)

《J列》(virgin)
バージントラップジャストキルのテクニカルボーナスが付いた場合に加算されるArkの数値(選択形式)
バージントラップとは、ゲーム開始から全26話中初めて当てたトラップにのみ付くボーナス。天井/壁/床トラップで100Ark加算、仕掛けで150Ark加算。
ジャストキルとは、累積ダメージとコンボ開始時HPの差が2以内で殺害した場合に付くボーナス。50Ark加算。

《K列》(実Dmg)
各トラップの実際のダメージ値
(《H列》のヒットレートは、式「ダメージ={(トラップ毎の固有ダメージ値)-(敵防御力)}×ヒットレート」に各数値を代入して得られる)

《L列》(totalDmg)
各ヒットの時点での累積ダメージの値

《M列》(totalArkRate)
各ヒットの時点での累積Ark倍率の、端数の切り捨て・切り上げ・四捨五入一切無しの、計算機で得られる理論上の値

《N列》(CalcArkRate)
各ヒットの時点での累積Ark倍率の、実際のArk計算にて用いられている数値、と思われるもの。
有効数字3桁端数切り捨て。1ヒット毎にその都度端数を切り捨てる。(具体的な詳細は後述)

《O列》(理論値)
上記の
  「実Dmg」(K列)×「累積Ark倍率の理論値」(M列)×「テクニカルボーナス」(I列と関連)+「バージントラップ」(J列)
で求められる、計算機で得られる理論上のArkの値
但し、ダメージ超過で既に死亡している場合は「死亡」と表示され、Arkは算出されない。
※普通に計算すると、通常は実際にゲーム上で得られるArkとこの理論値との間に、最大5%程度のズレが生じる。

《P列》(表示値)
上記の
  「実Dmg」(K列)×「実際のArk計算で用いられている累積Ark倍率」(N列)×「テクニカルボーナス」(I列と関連)+「バージントラップ」(J列)
で求められる、ゲーム上の実際のArk計算アルゴリズムを経て得られる値に極めて近い、1ヒット毎のArkの数値
(誤差±0.5%前後。詳細は後述)
但し、ダメージ超過で既に死亡している場合は「死亡」と表示され、Arkは算出されない

《Q列》(合計)
上記「P列」の累積値。すなわち、1ヒット毎のArkの「表示値」の累積値。
但し、ダメージ超過で既に死亡している場合は「Nil」と表示され、Arkは算出されない

《S列》(実際の値)
実際にPSP/PS3版(ゲームアーカイブス)の影牢をプレイして得られた、ゲーム上で表示される各ヒット毎のArkの数値の「本当の値」

《T列》(ズレ)
上記の実際のArk計算にて用いられている数値に基づいて計算されたArk値(表示値)から、実際にゲームをプレイして得られた「本当の値」を引いた差。
すなわち、上記「P列」の値から「S列」の値を引いた差。
この値が正なら計算値(表示値)のほうが大きく、逆に値が負なら実際の値(本当の値)のほうが大きいことを意味する。


では、ゲーム内におけるArk算出式のアルゴリズムに迫ってみたいと思います。

・1ヒット目(❶控えの間の油だまり)
1ヒット目の獲得Ark
1ヒット目のキャプチャ画像

1ヒット目(油だまり)はダメージが0なので、Ark倍率がいかなる値を取ろうとも、獲得Arkは「0Ark」となります。
ゲーム上の実際の値も当然「0Ark」です。

・2ヒット目(Ⓐ□アタックウォール→❷倒れる柱)
2ヒット目の獲得Ark
2ヒット目のキャプチャ画像

2ヒット目(倒れる柱)はトラップの固有ダメージが100 Dmgであり、実際に与えられるダメージは「76 Dmg」なので、計算((100 Dmg - DEF 10)÷76 Dmg = 0.8444...)によりヒットレートは最低の「85%」であることが分かります。
また、累積Ark倍率は、理論値と「実際の値」との間に差は無く、共に「2.25倍」です。
Excelシートで得られる計算結果は「171Ark」で、ゲーム上の実際の値も「171Ark」となり、両者は完全に一致します。

・3ヒット目(❸△ヨウガンカビン)
3ヒット目の獲得Ark
3ヒット目のキャプチャ画像

3ヒット目である❸△ヨウガンカビンの固有ダメージは55 Dmg、防御力(DEF:10)を引いた実ダメージは45 Dmgで、累積ダメージ(toralDmg)は121 Dmgとなります。
また、累積Ark倍率は、理論値と「実際の値」との間に差は無く、共に「4.5倍」です。
❸△ヨウガンカビンには必ずコアヒットのテクニカルボーナスが付くので、獲得Arkは1.5倍になります。
Excelシートで得られる計算結果は「816Ark」で、ゲーム上の実際の値も「816Ark」となり、両者は完全に一致します。

・4ヒット目(❹×スマッシュフロア)
4ヒット目の獲得Ark
4ヒット目のキャプチャ画像

ここの❹×スマッシュフロアには、狙いを定めてコアヒット(15 Dmg)を付けます。(比較的容易に付けられます)
4ヒット目である❹×スマッシュフロアの固有ダメージは25 Dmg、防御力(DEF:10)を引いた実ダメージは15 Dmgで、累積ダメージ(totalDmg)は136 Dmgとなります。
また、累積Ark倍率は、理論値と「実際の値」との間に差は無く、共に「5.85倍」です。
Excelシートで得られる計算結果は「1,193Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「1,190Ark」となり、計算結果の方が実際の値よりも3Ark多くなりますが、その誤差はまだたったの0.25%です。

なお、この時点では、まだArkの計算機上の理論値と実際の値は完全に一致しており、ズレ幅は一切ありません。

・5ヒット目(❺王の間の油だまり)
5ヒット目の獲得Ark
5ヒット目のキャプチャ画像

❹×スマッシュフロアで隣の部屋へ無理やり飛ばして、事前に発生させておいた❺油だまりを当てます。
油溜まりの固有ダメージは0 Dmgなので、累積ダメージ(totalDmg)は4ヒット目と変わらず136 Dmgですが、ここで初めて累積Ark倍率の「計算機上の理論値」と「実際に計算に用いられる値」にズレが生じます。
「累積Ark倍率の計算機上の理論値」(M列)は「8.775倍」と有効数字4桁であるであるのに対し、「ゲーム上で実際に計算に用いられるArk倍率」は端数の下4桁目を切り捨てて「8.77倍」とします。この4ヒット目で初めて累積Ark倍率の算出値の調整が行われます。

すると、Excelシートで得られる計算結果は「1,192Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「1,190Ark」となり、計算結果の方が実際の値よりも2Ark多くなります。しかし、その誤差はまだたったの0.17%です。

なお、この時点では、Arkの計算機上の理論値(1,193Ark)と実際の値とのズレ幅は、まだたったの3Arkしかなく、比率にしてズレ幅は0.25%となります。

・6ヒット目(❻△オオタライ)
6ヒット目の獲得Ark
6ヒット目のキャプチャ画像

6ヒット目の❻△オオタライには必ずコアヒットが付きますので、通常より1.5倍のArkが得られます。
累積ダメージは146 Dmg、累積Ark倍率は「計算機上の理論値」が「17.55倍」で、「実際に計算に用いられる値」はこのArk値から有効数字範囲外の4桁目を切り捨てた「17.5倍」として計算されます。そのズレ幅は0.05倍。まだこの時点では両者の差は小さいですが、トドメの10ヒット目に近づくにつれその差は徐々に大きくなっていきます。

そして、Excelシートで得られるここでの計算結果は「3,832Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「3,834Ark」となり、この時点であってもまだ計算結果の方が実際の値よりも2Ark少なくなりますが、その誤差はまだたったの0.05%です。

なお、この時点から、Arkの計算機上の理論値と実際の値とのズレ幅が広がる傾向へと推移します。6ヒット目でのArkの理論値は「3,843Ark」に対し、実際の値は「3,834Ark」。ズレ幅は9Ark。比率にして0.23%へと微増します。

・7ヒット目(❼×カタストロフボム)
7ヒット目の獲得Ark
7ヒット目のキャプチャ画像

この❼×カタストロフボムはロングレンジヒットさせますので、通常より1.5倍のArkが得られます。
累積ダメージは変わらず146 Dmg、累積Ark倍率は「計算機上の理論値」が「29.835倍」で、「実際に計算に用いられる値」の方は『6ヒット目に“有効数字3桁で端数(下4桁以下)を切り捨てた倍率”』である「17.5倍」に❼×カタストロフボムのArk倍率「1.7倍」を掛けた数値である「29.75倍(17.5×1.7 = 29.75)」から、有効数字3桁の範囲外である下4桁目の端数を切り捨てた「29.7倍」として計算されます。そのズレ幅は0.135倍。まだこの時点では両者の差は小さいですが、トドメの10ヒット目に近づくにつれその差は徐々に大きくなっていきます。

そして、Excelシートで得られるここでの計算結果は「6,504Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「6,514Ark」となり、この時点であってもまだ計算結果の方が実際の値よりも10Ark少なくなりますが、その誤差はまだたったの0.17%です。

そして、Arkの計算機上の理論値は「6,533Ark」で、実際の値は「6,514Ark」。ズレ幅は19Ark。比率にして0.29%へと更に増加します。

・8ヒット目(❽△アブラカビン)
8ヒット目の獲得Ark
8ヒット目のキャプチャ画像

この❽△アブラカビンには必ずコアヒットが付きますので、通常より1.5倍のArkが得られます。
累積ダメージは相も変わらず146 Dmgのまま、累積Ark倍率は「計算機上の理論値」が「53.703倍」で、「実際に計算に用いられる値」の方は『7ヒット目に“有効数字3桁で端数(下4桁以下)を切り捨てた倍率”』である「29.7倍」に❽△アブラカビンのArk倍率「1.8倍」を掛けた数値である「53.46倍(29.7×1.8 = 53.46)」から、有効数字3桁の範囲外である下4桁目の端数を切り捨てた「53.4倍」として計算されます。そのズレ幅は0.303倍にまで増大しています。

そして、Excelシートで得られるここでの計算結果は「11,694Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「11,705Ark」となり、この時点であってもまだ計算結果の方が実際の値よりも11Ark少なくなりますが、その誤差はまだたったの0.09%です。

一方、Arkの計算機上の理論値は「11,760Ark」で、実際の値は「11,705Ark」。ズレ幅は55Ark。Ark値についてもズレ幅は比率にして0.47%にまで増大しました。

・9ヒット目(❾×スプリングフロア)
9ヒット目の獲得Ark
9ヒット目のキャプチャ画像

ここの❾×スプリングフロアには、狙いを定めてコアヒット(5 Dmg)を付けます。(※注意:コンボ19の解説で紹介していますが、難易度は激ムズです)
累積ダメージはようやく5 Dmg増えて151 Dmg、累積Ark倍率は「計算機上の理論値」が「69.8139倍」で、「実際に計算に用いられる値」の方は『8ヒット目に“有効数字3桁で端数(下4桁以下)を切り捨てた倍率”』である「53.4倍」に❾×スプリングフロアのArk倍率「1.3倍」を掛けた数値である「69.42倍(53.4×1.3 = 69.42)」から、有効数字3桁の範囲外である下4桁目の端数を切り捨てた「69.4倍」として計算されます。そのズレ幅は0.4139倍にまで更に増大してしまいました。

そして、Excelシートで得られるここでの計算結果は「15,719Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「15,700Ark」となり、この時点では計算結果の方が実際の値よりも19Ar多くなりますが、その誤差はたったの0.12%と微小な差です。

一方、Arkの計算機上の理論値は「15,812Ark」で、実際の値は「15,700Ark」。ズレ幅は55Ark。Ark値についてもズレ幅は比率にして0.71%にまで増大しました。

・10ヒット目:トドメ(❿床のヤリ)
10ヒット目の獲得Ark
10ヒット目のキャプチャ画像

トドメの10ヒット目・❿床のヤリには、運悪く❾×スプリングフロアの起動タイミングが❿床のヤリが定期的に飛び出すタイミングと重ならい限り、必ずコア&エリアルの2つのテクニカルボーナスが付きますので、通常より(1.5×1.5 = )2.25倍のArkが得られます。
累積ダメージはようやく211 Dmgで死後余剰ダメージ(オーバーキル)の分を加味したArk算出式におけるHPの項目の計算値は「244.8」。
また、最終的な累積Ark倍率は「計算機上の理論値」が「104.72085倍」で、「実際に計算に用いられる値」の方は『9ヒット目に“有効数字3桁で端数(下4桁以下)を切り捨てた倍率”』である「69.4倍」に❿床のヤリのArk倍率「1.5倍」を掛けた数値である「104.1倍(69.4×1.5 = 104.1)」から、有効数字3桁の範囲外である下4桁目の端数を切り捨てた「104倍」として計算されます。そのズレ幅は最終的には0.72085倍にまで更に増大してしまいました。

そして、Excelシートで得られるここでの計算結果は「57,283Ark」ですが、ゲーム上の実際の値は「57,249Ark」となり、この時点では計算結果の方が実際の値よりも34Ar多くなりますが、その誤差は何とたったの0.06%と、極めて精緻な値が求められることが分かります。

一方、Arkの計算機上の理論値は「57,680Ark」で、実際の値は「57,249Ark」。ズレ幅は431Ark。計算機上の理論値とのArk値のズレ幅は比率にして0.75%にまで大幅に増大してしまいました。


以上をまとめます。
起動罠計算機上の
Ark理論値(誤差%)
Excelシートを使った
Ark算出値(誤差%)
 (控えの間の)油だまり0%0%
 倒れる柱0%0%
△ヨウガンカビン0%0%
×スマッシュフロア0%0.25%
 (王の間の)油だまり0.25%0.17%
△オオタライ0.23%0.05%
×カタストロフボム0.29%0.17%
△アブラカビン0.47%0.09%
×スプリングフロア0.71%0.12%
 床のヤリ0.75%0.06%

このように、Arkを算出する際、1ヒット毎に累積Ark倍率をその都度有効数字3桁で端数切り捨て(数字の下4桁目以降を切り捨て)て計算すると考えると、実際に計算機を用いて求められる理論上の数値よりもより精緻なArk値が得られることが分かります。

なお、上記のコンボ19は誤差が極端に小さく算出される傾向にあるようで、実際にはこのExcelシートで計算して得られたArk値と実際にゲームで得られる数値との間に、トドメで最大約0.5%強のズレが発生する場合すらあります。(例:コンボ9。トドメの❿床のヤリで164Arkのズレが生じるのを確認済み)


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