まずは、獲得Ark算出式を見ながら、どのパラメータに着目すればトドメの獲得Arkが増大するのかを考えることとしましょう。
以下に、一般に広く知られている形の獲得Ark算出式を記します。
獲得Ark={累積ダメージ+(死後余剰ダメージ(オーバーキル)×1.3)}×累積Ark倍率 ×テクニカルボーナスによる追加倍率 ※注 |
しかし、この形のままではごちゃごちゃしていて本質を見失ってしまいかねないので、少々変形を施します。
上記式における「累積ダメージ」とは、敵のHPと死後余剰ダメージ(以下本サイトでは「オーバーキル」で用語を統一)との和であることに注意し、4つの文字H、D、A、Tを以下のように定義します。
H :敵のHP
D :死後余剰ダメージ(オーバーキル)
A :累積Ark倍率
T :テクニカルボーナスによる追加倍率
すると、上記の獲得Ark算出式は、以下のように書き直すことができます。
獲得Ark=(H+D×2.3)×A×T |
ここで、Hの値は敵のHP、つまり敵ごとに固有の定数であることに注意して下さい。すると、上の式において、変数はD、A、Tの3つということになります。
従って、以下の(1)~(3)を全て高いレベルで満足することが、究極的に稼げるコンボを作成する際の課題となるのです。
(1) オーバーキルDの値を大きくする
(2) 累積Ark倍率Aの値を大きくする
(3) テクニカルボーナスによる追加倍率Tの値を大きくする
さて、上で挙げた(1)~(3)のうちで最も重要なのは、(3)テクニカルボーナスによる追加倍率Tです。ここで、Tの値は最大で2.25(=1.52)をとります。
7種類あるテクニカルボーナスのうち、追加倍率1.5倍が得られるものは、
コアヒット、エリアルヒット、ロングレンジヒット、ダブルヒット、カウンターヒットの5種類がありますが、今はトドメを刺す場合を考えてますので、ダブルヒット(トドメに付けるのは事実上不可能)とカウンターヒット(1ヒット目限定)は除外します。
[2009/1/6追記] お詫びと訂正
こちらで後日調査しました結果、実際にはロングレンジヒットが付けられる□アロー系トラップにはコアヒットも付けることができ、従ってコアヒットとロングレンジヒットが同時に付くことも実際にはあり得ることが判明致しました。謹んでお詫び申し上げます。
また、これとともに、コアヒット、エリアルヒット、ロングレンジヒットの3つのテクニカルボーナスを全て同時に付けることも可能であることも判明しました。
とはいえ、実際には□アロー系トラップにコアヒットが付く条件は極度に限定される(アロー系トラップのコアヒットについてを参照)ことが判明していることから、コアヒットとロングレンジヒットが同時成立することは事実上無いと考えていただいて差し支えありません。
従って、テクニカルボーナスの最大同時付加数は、理論上は3つまでは同時付加可能ではあるものの、実際には事実上2つ、つまりTの最大値は事実上1.52=2.25と考えるのが妥当であり、その成立パターンを網羅すると以下の4通りが挙げられます。
Ⓐ コアヒット&エリアルヒットこのうち、実際に成立可能なのは、「事実上」ⒶかⒷの2通りだけです。
Ⓑ エリアルヒット&ロングレンジヒット
Ⓒ コアヒット&ロングレンジヒット(事実上成立しない)
Ⓓ コアヒット&エリアルヒット&ロングレンジヒット(事実上成立しない)
次に、上述した獲得Ark算出式におけるD(オーバーキル)とA(累積倍率)をともに増大させることを考えます。
この2つの変数を両立させるには、どのトラップでトドメを刺せば良いのか?
その答えは、「仕掛け」です。ダメージとArk倍率がともに高いトラップは、△ヨウガンカビン(Dmg:55、Ark倍率:2.0倍)以上のダメージを与えられるものでは、仕掛けしか存在しません。
下の【表1】および【表2】は、その答えの根拠となるものです。【表1】はトラップをダメージの高いものから順に並べたもの、【表2】はトラップをArk倍率の高いものから順に並べたものです。
【表1】(トラップをダメージの高いものから順に並べたもの)
トラップ名 | Dmg | Ark | トラップ名 | Dmg | Ark | トラップ名 | Dmg | Ark |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吊り天井 | 160 | 1.0 | ×ヘルファイアー | 85 | 1.0 | 床のヤリ | 70 | 1.5 |
巨大岩石 | 120 | 1.6 | ×ジャッジメント | 85 | 1.0 | 壁のヤリ | 70 | 1.5 |
倒れる柱 | 100 | 1.5 | □レーザーアロー | 85 | 1.0 | 油のタル | 70 | 1.8 |
△ボルトロック | 100 | 1.0 | 落とし穴 | 80 | 1.5 | 電撃壁 | 70 | 1.5 |
ギロチン | 90 | 1.2 | フック | 80 | 1.5 | △メガロック | 70 | 1.0 |
鉄の処女 | 90 | 1.5 | 火薬箱 | 80 | 1.0 | □ローリングボム | 70 | 1.0 |
△フレアロック | 90 | 1.0 | △アイアンボール | 80 | 1.0 | |||
ペンデュラム | 85 | 1.5 | △スパイクロック | 75 | 1.0 |
【表2】(トラップをArk倍率の高いものから順に並べたもの)
トラップ名 | Ark | Dmg | トラップ名 | Ark | Dmg | トラップ名 | Ark | Dmg |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
△ヨウガンカビン | 2.0 | 55 | △カースドガス | 1.6 | 0 | ペンデュラム | 1.5 | 85 |
△オオタライ | 2.0 | 20 | △コンフューズガス | 1.6 | 0 | フック | 1.5 | 80 |
△アブラカビン | 1.8 | 0 | △スローガス | 1.6 | 0 | 倒れる柱 | 1.5 | 100 |
△カビン | 1.8 | 0 | 巨大岩石 | 1.6 | 120 | 電撃壁 | 1.5 | 70 |
△タライ | 1.8 | 10 | ×クエイクボム | 1.5 | 0 | 暖炉の炎 | 1.5 | 30† |
△バーサークガス | 1.8 | 0 | ×フラッシュボム | 1.5 | 0 | 鉄の処女 | 1.5 | 90 |
油のタル | 1.8 | 70 | 回転ノコギリ | 1.5 | 55 | 壁のヤリ | 1.5 | 70 |
×カタストロフボム | 1.7 | 0 | 床のヤリ | 1.5 | 70 | 油だまり | 1.5 | 0 |
電気イス | 1.7 | 35† | 落とし穴 | 1.5 | 80 | 地獄の炎 | 1.5 | 35† |
この【表1】および【表2】から分かるのは、設置トラップはダメージとArk倍率が両立しないということです。設置トラップは高ダメージ(△ヨウガンカビンの55Dmgより高いダメージ)のものは全てArk倍率が1.0倍です。これに対し、仕掛けはダメージとArk倍率のどちらも高いものが数多く存在します。
では、DとAの値をともに増大させつつ、テクニカルボーナスによる追加倍率Tの値を最大値(2.25倍)にするには、どのトラップを用いれば良いのか?
その答えはやはり「仕掛け」ですが、用いる仕掛けはかなり限定されます。具体的には、以下に示す8種類の仕掛けでしか条件を満たしません。
Ⓐ コアヒット&エリアルヒットで
トドメを刺せる仕掛け計6種類 → Ⓐ-①回転ノコギリ、床のヤリ、落とし穴:タイミングが容易 Ⓐ-②フック、ペンデュラム、吊り天井:タイミングがシビア Ⓑ エリアルヒット&ロングレンジヒットで
トドメを刺せる仕掛け計2種類 → 巨大岩石、油のタル (※いずれも王宮・階段の部屋限定)
ここで、上記の2パターンのうち、後者のⒷエリアルヒット&ロングレンジヒットでトドメを刺す方法については、とうの昔に研究し尽くされているため、今後の議論の対象からは除外します。
以降では、前者のⒶコアヒット&エリアルヒットによる仕掛けでのトドメの刺し方について、さらに踏み込んで考察していきます。
さて、エリアルヒットは空中でヒットさせれば成立します。これは明白な条件です。
これに対し、コアヒットはトラップの中心付近でヒットさせれば成立するのですが、具体的にはどの範囲までがコアヒットの成立範囲なのでしょうか?
この第2節では、そのコアヒット成立範囲の詳細と、コアヒットの成立を容易にする「位置補正」なる性質について解説します。
仕掛けを除く各トラップにおけるコアヒットの成立範囲は、具体的には以下の通りとなります。
×床トラップおよび 一部の△天井トラップ ※注 | ……… トラップ設置ブロックの中心地点から半径0.1ブロックの円内 |
□壁トラップ | ……… |
[2009/1/6追記] お詫びと訂正
上でも述べましたとおり、実際には全ての□アロー系トラップにおいてコアヒットを付けることができます。
(□アロー系トラップのコアヒットについてを参照)
但し、検証の結果、その成立条件は極度に限定されることが判明していることから、□壁トラップにコアヒットが付くことは事実上無いと考えていただいて差し支えありません。
右の【図1-1】は、×床トラップおよび一部の△天井トラップにおける、コアヒット成立範囲を含むヒットレート(後述)の分布を示したものです。
右の【図1-1】において、太線で示した正方形の枠は、床面上の1×1ブロックを表しています。
そして、コアヒット成立範囲は、図において赤色で示した円内です。つまり、ブロックの中心地点から半径0.1ブロックの円内、直径で言い直すと、図に示したように直径0.2ブロックの円内です。
さて、ここで「ヒットレート」なるものについても述べねばなりません。
ヒットレートとは、ダメージを計算する際、トラップの中心地点からの距離に応じて決定される値であり、具体的には100%~85%の幅で6通りの値を取ります。
また、ダメージは、以下の計算式により算出されます。
ダメージ={(トラップ毎の固有ダメージ値)-(敵防御力)}×ヒットレート |
ここで、上の計算式で用いる「ヒットレート」の値は、筆者が膨大なデータを分析することで得られた厳密な値を用います。そのヒットレートの厳密な値と、ブロック中心地点からの距離との対応関係は以下の通りです。
ヒットレート | 厳密な値 | 中心地点からの距離d |
---|---|---|
100% | 1.0000 | d≦0.1 |
97% | 0.9725 | 0.1<d≦0.2 |
94% | 0.9415 | 0.2<d≦0.3 |
91% | 0.9098 | 0.3<d≦0.4 |
88% | 0.8785 | 0.4<d≦0.5 |
85% | 0.8472 | 0.5<d |
次に、最重要キーワードである「位置補正」なる性質について紹介します。
と言っても、既にご存知の方も多いでしょう。この「位置補正」とは、初代影牢においては×スプリングフロアと×スマッシュフロアのみが有する性質です。
本サイトでは、×スプリングフロアを最重要トラップと位置付けます。その理由は後述しますが、要は「楽して稼ぐ」ことを可能とするトラップだからです。
左上の【図1-2】は、×スプリングフロアにおける位置補正の性質を示したものです。
×スプリングフロアをヒットさせた後の着地点は、常に同一の地点です。たとえ×スプリングフロアを当たり判定内のどの地点で当てようが、当ててしまえさえすれば、着地点は常に同一地点となるのです。
言ってみれば、×スプリングフロアが有する位置補正の性質とは、当たり判定という「領域」を、ただ1点に定まった着地点という「点」へと収束させる性質なのです。
次に、着地点の詳細な位置について見てみましょう。右上の【図1-3】が、その着地点が存在するブロックの拡大図です。
×スプリングフロアのヒット後の着地点は、詳しくは以下の通りとなります。
〈×スプリングフロアの着地点〉
|
上記の数値は以降頻出しますので、ここで覚えておいて下さい。
なお、上では着地点についてのみ説明しましたが、実際には位置補正は×スプリングフロアがヒットした瞬間に行われます。つまり、×スプリングフロアをどの位置で当てようが、当ててさえしまえば、着地点だけでなく、ヒット直後から着地するまでの軌跡についても、常に同一の曲線を描くのです。
これこそが、×スプリングフロアが有する「位置補正」の性質の正体です。
また、×スマッシュフロアも×スプリングフロアと同様に位置補正の性質を有しており、その相違点は飛距離と軌跡だけです。
×スマッシュフロアのヒット後の着地点は、詳しくは以下の通りとなります。
〈×スマッシュフロアの着地点〉
|
では、なぜ×スプリングフロアが「楽して稼ぐ」ことを可能とするトラップであると言えるのか?
その理由を、"❶×スプリングフロア→❷床のヤリ"の2連コンボを例に挙げて解説します。
右の【図1-4】は、"❶×スプリングフロア→❷床のヤリ"と決める2連コンボにおいて、❶×スプリングフロアの設置位置と、続く❷床のヤリのヒットレートとの関係を示した分布図です。
この分布図では、ヒットレートがブロック毎に1種類しか記されていません。その理由は、×スプリングフロアが位置補正の性質を有しているからです。
理由をより詳しく説明しますと、一旦×スプリングフロアの設置ブロックを定めてしまえば、その当たり判定内のどの位置で当てようが、位置補正の性質によりヒット後の飛行時に描く軌跡はヒット直後から常に同一の曲線を描きます。そして、❶×スプリングフロアがヒットした後の飛行時に描く軌跡が常に同一であるので、続く❷床のヤリのヒットレートも同様に、常に一定の値となるのです。
従って、一旦×スプリングフロアの設置位置を定めてしまえば、その時点で続く床のヤリのヒットレートが決定するのです。
以上の点を踏まえて、改めて【図1-4】をご覧下さい。
16個あるコンボ成立可能なブロックのうち、赤色で示した6つのブロックについては、そのヒットレートは100%、すなわちコアヒットが付きます。
ついでに、どのブロックから飛ばしても空中で❷床のヤリがヒットしますので、エリアルヒットも付きます。
つまり、このヒットレートが100%となるブロックを起点として"❶×スプリングフロア→❷床のヤリ"の2連コンボを決めることで、❷床のヤリにはコアヒット&エリアルヒットの2種類のテクニカルボーナスが同時に付くのです。それも、簡単かつ確実に。
この事実こそが、×スプリングフロアが「楽して稼ぐ」ことを可能とするトラップである何よりもの証拠なのです。
さて、上で触れた「×スプリングフロア→床のヤリ」のコア&エリアル同時成立条件について、もう一度詳しく見てみることにしましょう。
改めて上の図を見ると、次のような特徴があることが分かります。
(1) 2~4マス先から飛ばしたときは、どの方角でもヒットレートは同一
(2) 1マス先(直近のブロック)から飛ばしたときは、方角によってヒットレートが異なる
2マス先から飛ばしたときは97%、3マス先から飛ばした場合は100%(コアヒット)、4マス先から飛ばしたときは91%で、どれもどの方角からでも同一のヒットレートとなります。
これに対し、1マス先から飛ばした場合は、北隣と東隣からのときは100%(コアヒット)であるのに対し、南隣と西隣からのときは88%となります。
以上のことをまとめると、次のようになります。
〈“×スプリングフロア→床のヤリ”で床のヤリにコア&エリアルが同時に付くブロック〉 ・床のヤリから3マス先(方角不問) ・床のヤリから1マス先(直近のブロック)のうち、北隣と東隣のブロック |
ところで、上で紹介した"❶×スプリングフロア→❷床のヤリ"以外にも、仕掛けにコア&エリアルを同時に成立させられる組み合わせは存在します。以下では、コア&エリアルが同時に成立するトラップとして紹介した6種類の仕掛けのうち、成立の簡単な回転ノコギリ、床のヤリ、落とし穴の3つについて、そのパターンを解説します。
"❶何かのトラップ→❷仕掛け"と当てる2連コンボにおいて、「❷仕掛け」にコア&エリアルを同時に付加することのできる「❶何かのトラップ」は数種類存在しますが、稼ぎの観点から本サイトでは以下の3種類のトラップしか扱いません。
従って、「❷仕掛け」にコア&エリアルを同時に付けるためのトラップの組み合わせは、以下のものへと限定されます。
❶何かのトラップ …… ×スプリングフロア、×スマッシュフロア、□アタックウォールこれらのトラップの組み合わせのうち、コア&エリアル同時付加の成立の可否は、以下の通りとなります。
❷仕掛け ……………… 回転ノコギリ、床のヤリ、落とし穴
〈コア&エリアル同時成立の可否〉
|
□アタックウォールが絡む部分の解説は□アタックウォールの性質を解説した後に回すとして、まずは回転ノコギリのコア&エリアル同時成立条件から解説することとします。
〈回転ノコギリ〉
初めに、回転ノコギリのコア&エリアル同時成立条件について解説します。
左下の【図1-5】は、"❶×スプリングフロア→❷回転ノコギリ"とした場合における❷回転ノコギリのヒットレートの分布を、
右下の【図1-6】は、"❶×スマッシュフロア→❷回転ノコギリ"とした場合における❷回転ノコギリのヒットレートの分布をそれぞれ示したものです。
回転ノコギリにおけるヒットレートの最大の特徴は、方角によってその値が大きく異なることです。具体的には、東西方向からのヒットレートは高め(100%~97%)であるのに対し、南北方向からのヒットレートは非常に低い値(91%~85%)をとります。
回転ノコギリにコア&エリアルが同時に付く設置ブロックをまとめると、次の通りとなります。
〈回転ノコギリにコア&エリアルが同時に付くブロック〉
|
なお、"❶□アタックウォール→❷回転ノコギリ"とする場合については実用性に欠けるので、説明は省略します。
〈□アタックウォールの性質〉
さて、□アタックウォールが絡むコンボを解説する前に、まずは□アタックウォール自体の性質を解説せねばなりません。そこで、最初に□アタックウォールの飛距離について解説し、その後ヒット後の軌跡について徹底解剖します。
□アタックウォールを含めた□壁トラップのうち、Ark倍率が1.0倍よりも高いものは、僅か4種類しか存在しません。その4種類のトラップを列挙すると、以下の通りとなります。
Ark倍率:1.3倍 ………… □プレスウォール、□アタックウォール、□スパイクウォールこの4種類の壁トラップの中でも、□アタックウォールは他には無い2つの重要な性質を有しています。
Ark倍率:1.2倍 ………… □コールドアロー
ここで、□アタックウォールの飛距離の詳細について解説しましょう。トラップ説明画面では「4ブロック飛ばす」と説明されていますが、実際にはもう少し余分に飛びます。
□アタックウォールによる着地点は、具体的には以下の通りとなります。
〈□アタックウォールの着地点〉
|
この飛距離も今後よく出てくるので、ここで覚えておいて下さい。
続いて、□アタックウォールの描く軌跡について解説します。
□アタックウォールがヒットすると、ヒットした人間は放物線を描いて吹き飛ばされます。筆者は調査を重ねた結果、その軌跡は簡潔な式で近似できるとの結論に達しました。
上の【図1-8】は、□アタックウォールの軌跡を示した図です。その軌跡を解説する前に、この図における座標の取り方から説明しましょう。
進行方向(x軸方向)は、ブロック単位での距離、すなわち1ブロック分の長さを「1」とした値を取ります。
また、高さ方向(y軸方向)は、人間の身長の高さを「1」と定めた値を取ります。
そして、対象のヒット地点(中心地点)は、進行方向(x軸方向)では原点、高さ方向(y軸方向)では身長の半分、すなわち0.5の値を取る点です。□アタックウォールの軌跡は、このヒット地点(0, 0.5)を始点とします。
以上の点を踏まえて、□アタックウォールの軌跡の方程式についての説明を行います。
□アタックウォールの描く軌跡(放物線)の方程式は、上の図にも示したとおり、
y=-(x2-4x-2)/4で高い精度で近似されます。ここで、地平面に着地する(y=0となる)際の進行方向(x軸方向)の値は、上の方程式において、y=0を代入したときのxの解のうち正の解、すなわち、
x=2+√6=4.449897…となり、上で紹介した数値(4.45)に非常に近い値が得られます。
ここで、突飛なようですが、上の放物線の方程式にy=-0.5を代入してみましょう。すると、xの解のうち正の解は、
x=2+√8=4.828427…≒4.8となります。さて、これは何を意味するのでしょうか?
〈落とし穴〉
次に、落とし穴のコア&エリアル同時成立条件について解説します。
落とし穴は、×スプリングフロアや×スマッシュフロアではコアヒットを付けることができませんが、ある位置から□アタックウォールで飛ばすことにより、コア&エリアルを同時に付加することができます。
但し、落とし穴にエリアルヒットが付くのは、蓋がない場合に限られます。
上の2つの図は、"❶□アタックウォール→❷落とし穴"の2連コンボにおいて、❷落とし穴にコアヒットが付けられる❶□アタックウォールのヒット地点、すなわち落とし穴のコアヒット成立範囲を示した図です。
ここでまず注目していただきたいのは、左上の【図1-9】における右端にある、「ヒット判定面」と銘打った平面です。
この平面は、蓋のない落とし穴においてヒット判定が行われる高さを示しており、その高さは、地平面からおよそ身長の半分だけ下(つまりy=-0.5)の位置です。
さて、先ほど□アタックウォールの軌跡の方程式にy=-0.5を代入すると、xの正の解はおよそ4.8となることを紹介しました。ここで、y=-0.5というのは、ヒット判定面の高さ、すなわち蓋のない落とし穴でヒット判定が行われる高さを意味しています。
そうすると、そのときのxの正の解x≒4.8が意味するのは、
「落とし穴の中心から4.8ブロック先の位置からアタックウォールで飛ばすと、という事実です。
落とし穴のヒット判定面の中心に到達し、コアヒットする。」
ここで、第2節でも説明したとおり、コアヒットの成立範囲は半径0.1ブロックの円ですので、着地点には半径0.1ブロックの分だけブレが許容されます。
従って、□アタックウォールのヒット地点にも、半径0.1ブロックのブレが許容され、その中心点は落とし穴の中心から4.8ブロック手前となります。
左上の【図1-9】において示した座標は、ブロック横方向中央のラインにおける、落とし穴にコアヒットが付く範囲を表しています。この図に示すように、ブロック横方向中央のラインにおいては、そのコアヒット成立範囲は落とし穴の中心から4.7~4.9ブロック先となります。
コアヒット成立範囲が存在するブロックについてもう少し詳しく見てみましょう。その詳細を示した図が、右上の【図1-10】です。この【図1-10】に示すように、落とし穴にコアヒットがつけられる□アタックウォールのヒット地点は半径0.1ブロック(直径0.2ブロック)の円で、その中心の位置は次のようになります。
横方向: ブロック中央 進行方向: ブロックの中心から0.2ブロックだけ落とし穴側
なお、上ではコアヒットのことのみについて言及しましたが、□アタックウォールで飛ばしているので当然エリアルヒットも付きます。つまり、この「コアヒット成立範囲」とは、落とし穴にコア&エリアルを同時に付加することのできる範囲でもあるのです。
以上のことをまとめると、次のようになります。
〈落とし穴にコア&エリアルを同時に付ける方法〉 落とし穴の中心地点から4.8ブロック先を中心とする 半径0.1ブロックの円内の地点から、□アタックウォールで飛ばす |
さて、右上の【図1-12】は、先ほど紹介した"□アタックウォール→落とし穴"とする場合のコアヒット成立範囲付近の拡大図(【図1-10】と同じ)であり、
左上の【図1-11】は、第2節で紹介した×スプリングフロアの着地点の拡大図(【図1-3】と同じ)です。
この2つの図、非常に良く似ていると思いませんか?
この2つの図は、「ブロックの中央から0.2ブロック手前」という点で合致しています。一方は着地点、他方はヒット地点の中心という違いはありますが、どちらもその点は進行方向のブロック中央から0.2ブロック手前で共通です。
つまり、×スプリングフロアを用いることで、半径0.1ブロックの円内という落とし穴にコア&エリアルが同時に付加できるヒット地点への誘導を、いともたやすく行うことができるのです。
では、その実例を以下に紹介しましょう。
×スプリングフロアを用いたヒット地点への誘導とは、要は"❶×スプリングフロア→❷□アタックウォール→❸落とし穴"の3連コンボを決めることに他なりません。なお、❶×スプリングフロアの設置位置は落とし穴の1マス手前です。
ここで、❶×スプリングフロアのヒット後の着地点は、設置したブロックの中央から3.8ブロック先ですが、この地点は落とし穴の中心地点を基準に取り直すと、4.8ブロック先となります。
つまり、上の【図1-13】にも示したとおり、❶×スプリングフロアのヒット後の着地点と❸落とし穴のコアヒット成立範囲の中心点は一致するのです。
これまで何度も述べているように、×スプリングフロアには位置補正の性質があります。従って、×スプリングフロアを当てさえすれば、たとえそのヒット位置がどこであろうが、着地点は常に3.8ブロック先という定点です。
ゆえに、この"❶×スプリングフロア→❷□アタックウォール→❸落とし穴"の3連コンボは、いともたやすく❸落とし穴にコア&エリアルを同時に付けることのできるコンボであり、この3連コンボを締めに据えた十連コンボは、安定的に稼げるコンボとなりうるのです。
この方法以外にも落とし穴にコア&エリアルを同時成立させる方法はいくつかありますが(例:コンボ13、コンボ14)、上述した×スプリングフロアを用いた方法が最も安定したパターンと言えます(応用例:コンボ11)。
〈“□アタックウォール→床のヤリ”のコア&エリアル同時成立条件〉
最後に、"❶□アタックウォール→❷床のヤリ"のコア&エリアル同時成立条件について、簡単ながら解説します。
上の図は、"❶□アタックウォール→❷床のヤリ"の2連コンボにおける❷床のヤリのコアヒット成立範囲を示した図です。
この図に示したように、❷床のヤリのコアヒット成立範囲は2箇所存在します。
Ⓐ、Ⓑ2つの場合について、具体的な範囲は以下の通りとなります。
Ⓐ 床のヤリの中心点から0.8ブロック先を中心とした、半径0.1ブロックの円内
特に、横方向中央のラインにおいては、そのコアヒット成立範囲は0.7~0.9ブロック先Ⓑ 床のヤリの中心点から4.09ブロック先(または4.08ブロック先)を中心とした、半径0.1ブロックの円内
特に、横方向中央のラインにおいては、そのコアヒット成立範囲は
3.99~4.19ブロック先(または3.98~4.18ブロック先:方角によって異なる)