特別企画:観劇でカンゲキ


ヨーロッパを旅する目的は?と聞かれたら。

これに新たに音楽や演劇を楽しみたいを付け加えたい。

最初は私も貴重な時間を鑑賞に使うのはもったいないという気持ちが捨てきれなかったが、


今回の旅行中にチケットを購入して見たものが3つあった。

1、アムステルダム「コンセルトヘボー」 (ゴッホ美術館近く、7月14日夜)
  【ROBECO SOMER CONCERTEN「Mozart-Haydn Driedaagse」】  

 世界でも音響の良いコンサートホールとして有名らしい。また、王立コンセルトヘボーオーケストラの本拠地でもあるとのこと。外観も内部の作りもしっかりしている。特に目当てのコンサートがあったわけではないが、何かしらやっているだろうということで、当日朝インフォメーションセンターで手配しようとしたがすでに満杯とのこと。そこで、ゴッホ美術館のそばなので、直接ホールの窓口へ行ってみたところ、あっさり入手することができた。値段は17.95ユーロ(2250円くらい)である。やはり直接行ってみるべきである!
夜再びでかけると、年配の人も多く、みんなおしゃれをしているし、中には手をつないでいる人も。席はほとんど最前列で、ステージがかなり高いのでやや見にくかったが、音楽を聴くのでさほど問題ない。演題はハイドンの交響曲26番、モーツァルトのフルートとハープとオーケストラのためのコンツェルト、交響曲39番

2、アムステルダム「カレー劇場」(マヘレのはね橋近く、7月14日昼)
  【THE GREAT CIRCUS OF ASIA 「OVATIONS」】

 王立の劇場で、中央に円形のステージがあり、こじんまりしている。席は三階席まであり、そのせいか客席の段差も急である。この日は、ロシアの騎馬雑技団北朝鮮の国立サーカス団の2つのショーを見ることができるものであった。マヘレ橋を見るためにたまたま劇場前を通った時に見つけた。最初はアジアのショーをわざわざここで見なくても、と消極的になっていたが、よくよく考えたらこのサーカスは日本ではまず見るのは無理だろう、ということで見ることにした。開演1時間前だったが、窓口に並んで入手できた。値段はバルコニー席で29ユーロ(3600円くらい)である。
日曜なので子供連れで来ている人たちも多く、服装は比較的ラフな人が多かった。入場して席を探すときに係員は有無を言わさずオランダ語で指示してきてちょっと面食らってしまった。こんな時間に観光客が来るとは思ってなかったのか?

ステージはまずロシアの騎馬団からスタートした。にダンスのようなことをさせたり、音楽に合わせて馬を座らせたり、円形ステージをギャロップしてるなかで、馬の背でパフォーマンスを見せたりと、馬と人間の連携が見事である。(乗馬経験からして、あそこまで操るのはたいへんだぁ)
後半は北朝鮮国立サーカス団の演技である。高度なジャグリングや円筒を重ねた不安定な台の上でのパフォーマンス、休憩をはさんで空中ブランコのショーなどハラハラさせられることが多数あって、純粋に楽しむことができたと思う。

3、デュッセルドルフ「ドイツオペラ アム ライン」(ハインリッヒハイネ遊歩道、7月20日夜)
  【バレエ「シンデレラ」】

デュッセルドルフの中心街にあるオペラハウスで、前もってあることはわかっていたが我が家としては当日まで予約は取らずにいた。結局行きたいということになって当日午前中に窓口で空きがあることがわかり入手した。値段は46.20ユーロ(5500円くらい)。
童話に出てくるシンデレラのストーリーを想定していったが、現代風にアレンジされていた。ガラスの靴に相当するものは「マスク(仮面)」で、バレエが不得意で仲間外れにされるヒロインがマスクを手に一夜の逢瀬を楽しみ、後日その持ち主を探し求める様子をバレエで表現している。なかには千秋さん似のボケ役もいて笑える場面もあったりした。もちろん、音楽は生演奏である。ちなみにプログラムは3ユーロ。

今回の観劇は言葉で表現するものはなかったので、理解に困ることもなく楽しめた。いずれも公演時間は休憩含めて2時間半程度の本格的なものである。

また公演そのものだけでなく、周囲の観客をウォッチングするのもまた楽しい。
ちょっとした観客どうしのやり取りを見ているだけで、言葉の勉強になることもあった(Dank u、Natuurlijk、など)。また、彼らの観劇のしかたをみるのも貴重な経験となった。どの観劇でも共通していたのが、自分より内側の席へ行く人がいるときは、大人も子供も席から一斉に立ち上がって通りやすくしている。日本では通る人が狭い場所を遠慮がちに通っているのに・・・
そして、休憩になるといっせいにバーへ向かってワインやらソフトドリンク(2、ではアイスも)を頼んで談笑している。バーなしの休憩は彼らには考えられないみたいだ。5分と経たないうちにバーの従業員はテーブルに並べた飲み物をさっさと片付け始めるが別に注文しても構わない。ブザーが聞こえてからみんなゆっくり戻り始める。日本のように休憩時間中、ずっと席へ戻るように促すせわしいアナウンスもない。ほんとにゆったりと楽しんでる光景だ。休憩中にバーで注文できればきっとヨーロッパ観劇通になれるだろう。観劇そのものも文化だけど、観劇する人々を見てその立場に立ってみることも文化を経験する旅の醍醐味として、これからも積極的にカンゲキしていきたい。


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