四国のみちと遍路
                                                              
≪四国のみち≫ 【愛媛支3・四国カルストルート】

2015年11月6日
≪美川スキー場休憩地〜ほうじが峠〜桶小屋〜小田深山荘(21.0km)≫

          
 今日の計画の実行にあたっての準備は、先週の“美川スキー場”までの歩みで大概が完成したのだった。その計画は≪美川支所(タクシー利用)〜美川スキー場〜【愛媛 支3 四国カルストルート(21.0km)】〜【愛媛 支4 四国カルストコースの古味(10.1km)】古味(町営バス)〜柳谷 柳谷(JR四国バス)〜御三戸≫と出来上がっていた。後は実行に移すのみ・・で、降水確率の低い日を選んだのだった。尚、美川のタクシーについては前日に予約をしていたのだった。

  
 予約の電話には女性が出たのだったが、目的の待ち合わせの2〜3分前に現れたのも昨日の電話に出た女性のタクシー運転手だった。8時半、美川スキー場でタクシーを降り、トイレをお借りして、先日も訪れた“林道大谷線”の起点にある東屋が、今日の出発点である。林道は思ったよりも狭くは無くて、1.5車線道路と云える。歩き出して間もなく、道の上手の開かれた場所に何か人工物(ビニールハウスか?)が建設されていた。

  
 降水確率が、昨夕急に上がったのだが、既に宿泊予約しているので中止には出来ない。暫く歩くと想定内の霧雨ようの雨が当たるので、傘を出して歩く。今日、明日は道路歩きなので、歩くにあたっては山登りの時のような慎重さは必要は無いだろう。林道では、ここが“何年度の工事である”という標識に良く出合う。道によって予算の精か、一年で数百bしか伸びていない場所もある。また、檜の造林に≪御山 黒ヶ森 官行造林≫の立て看板がある。そして、山の中の林道なのに、サワガニがハサミで小生を威嚇している。『車が来たら轢かれるから、さっさと道を渡りなさい』と云っても、口から泡を吹くだけで聞き分けが有りそうに無い。

   
 9時、上黒岩方面の案内がある右手の道は砂利道だが、小生の地図では載っていないのでどの道を指すのか特定出来ない。その林道は≪林道 大谷支線≫との看板が建てられていた。小生持参の1/25,000は古すぎて、現在歩いている林道の場所は未だ記されていないのである。

  
 9時39分、林道イワタケ線の立て看板があるが、前述と同様、持参の地図では判読不可能だ。10時2分、『県民ふれあいの森林』県営林大川事業所の看板も建っている。看板には、『えひめ森林浴88ヶ所 41番 大川ふれあい林』とあるが、こんな山深い林道を散策する人が、さて、年間何名居るんだろうか。

 
 今日は、歩き始めから1,000m程度の高度の林道歩きだった。道は沢部の上流部を辿るようになって向きを変え、やがて水の流れる音が聞こえて来た。この辺りの沢部は、美川峰から大川嶺へかけての尾根の北面から流れる源流部だろうと、同定出来る。10時8分、大川嶺の北面は、ガスの切れ間から黄葉が見事だ。この辺りには、美川スキー場の上部の美川峰へと辿る破線の道が地図上には記されているが、さて、現在も道が通行可能なのかどうかは分からない。10時17分、小休止だ。この沢の源流部は『銅山川』と呼ぶようで、大川集落の最奥である木地集落の辺りで大川川へと合流しているようだった。

  
 10時21分、すぐ先には案内標識が派手に建てられていた。ここには“四国のみち”の案内標識とは別に道路標識も建っている。同じ方向を指しているのに≪ ←ほうじが峠(4.4km) 美川スキー場休憩地(7.1km)→ ≫と、≪ ←大川方面 大谷方面→≫となっている。そして、“林道狼ヶ城線”が分かれていたのだった。そして、ここが≪林道大谷線 終点≫だったが、辿ってきた林道には“天地”と“悠久”と書かれた石標が建っていた。何を示しているのかは意味不明だ。

 

 今日歩き始めて、初めて車のエンジン音が聞こえた。10時32分、県道211号線との合流点に着くと、既に車の影は無かった。すぐ先に道路工事の通行止め時間帯が書かれた看板が建っている。今月(11月)の9日から30日までの工事期間だった。

 
 地図で“大栩(とち)”と記された場所に来ると、全伐の風景が目に入ってきた。10時40分だった。未だ新しいガードレールが伸びている。ここまでは黄葉ばかりで、紅く色ずく木は道路脇には無い。

 
 ず〜っと下方に大川の集落が見える。この集落は国道33号線からは見えない。小生が大阪へと転勤後に“平成の大合併”により、旧美川村の4校が合併し新築された(木製の綺麗な学校)美川小学校から入った奥に大川集落があるのだが、その集落の奥に聳える大川嶺由来の集落である。

  
 大川川の上流域は、見事に黄葉していた。そして、この辺りでは紅葉している木も現れ、相棒が感嘆の声を上げている。しかし、今日は相棒のカメラはザックには無い(我が家でお留守番なのだ)。突然、大きなエンジン音がして前方から木材を積んだトラックが来た。相棒がガードレールにへばりつくように除けているが、トラックは右側の側壁を擦りそうに通り過ぎる。そして、後からきた一台も同様に通りすぎた。その先には、山の頂上部まで伐採された場所が現れた。

 さて、大川川源流部の“紅葉祭り”だ。
 

 
 ネットにも載らない紅葉の時期は、初めての場所だった。

  
 11時26分、久万高原町と内子町との群界(平成の大合併以前は旧の久万町と美川村と小田町で同じ上浮穴郡だったが、合併後は、小田町は喜多郡の内子町と合併した)に出合い、その前方に小田深山への案内表示がある。そこからは県道340号線とある。また、『悪路 舗装無し』などの注意書きなどもある。ここは三叉路となっていて、右へとその一方は“露峰”と案内されていた。この辺りが“ほうじが峠”だろう。

  
 道は全伐の箇所からぐるっと廻って、少し先にも案内があった“林道 狼ヶ城線”と右手に道が伸びているが、入口には鎖がある。先ほどから適当な休憩場所を探していたのだが前方に建物風の影が見えて来た。そこには、偶然にも休憩舎が建っていた。11時46分、昼食休憩とした。

  
 傍らには、≪小田深山・森のくにの碑≫と刻まれた大きな石碑が建っていた。一台の乗用車が通り過ぎ、そして、昼食を終える頃、“水汲み”のオジサンが来た。“よく、こんな山奥へ汲みに来るなぁ〜”と、小生は口には出さないが『梨ノ下から入ったら直ぐに来れる』と云い、この辺りの“森のくに”造りのことなどもとくとくと喋るのだった。昼食休憩を終え我々は、12時14分、小田深山へと出発である。

   
 緩い降りを行くと、右手には木の枝越に小田川の上流域の集落“上川”(現在は、内子町)が望まれる。12時56分、≪ ←小田深山荘(5.0km) ほうじが峠(4.5km)→ ≫の標識があった。

  
 13時10分、未だ新しい≪緑資源幹線林道 小田・池川線≫という表示の道に出合った。その脇にある新しく設置された標識には≪ ←小田深山荘(5.2km) ほうじが峠(4.2km)→ ≫と、14分も歩いたのに先ほどの距離表示より増えていたのはどういう事なのだろうか。また、小田深山荘とほうじが峠間の距離までも100m短くなってしまっていた。相棒が「ええ〜!」と、ガックリきている。7分後の13時17分に次の標識、≪ ←小田深山荘(4.0km) ほうじが峠(5.5km)→ ≫を見つけた時には「やっぱりねぇ」と安心したのだった。

 
 13時34分、先にへアピンカーブがあるのだろう、真下に折り返しとなった道が見えてきた。そして川の傍に黄葉した大木が見える。さて、何の木なんだろうか。

  
 13時38分、生草林道と木製に墨で書かれた林道が伸びている。この林道は遥か、大川嶺直下まで伸びている。13時58分、桶小屋へ着いた。その脇から伸びる林道は貝渚林道で、小生も一昨年辿った事があるのだった。

  
 営林署の小屋がある淵首には、14時3分に着く。県道211号線に合流して以降、ほうじが峠から県道340号線を経由してここまでで、木材搬出のトラック二台と5台とバイクに合ったのみだった。しかし、ここからは小田深山の紅葉祭りが行われている。さて我々はそんなに先を急がない。今は誰も住んでいない家の軒下をお借りしてコーヒーブレイクは、15分ほどだった。

  
 四国のみちは、ここで橋を渡り遊歩道を巡ることとなる。

 本日二度目の“紅葉祭り”撮影会だ。
 
 

 
 マイ撮影会を終え、15時6分深山荘への橋へ来ると、TVクルーがリハをしていた。TV愛媛の夕方の“ほ〜なん”の生中継があるとのことだった。私たちはこの時間帯はNHKしか見ていないので、レポーターに会っても判らない。

≪おまけ≫

 
 ここ小田深山は、今日まで紅葉祭りだった。最終日のこの日には、TVの生放送が入っていた。ここの女将さんや学生の売り子さんなどがリハーサルに余念が無い。17時と18時の中継はそれぞれ数分間だが、リハーサルは、2時間程掛けて入念に行っていた。

  
 夕食は“土手鍋”をお願いしていたのだったが、二人以上の宿泊にはこの料理が付いているとのことだった。また、以上の料理に追加で刺身が出た。また、鍋の後は、うどんを土鍋で温めて頂いた。

ちょっと 一息

≪深山七不思議案内≫
一、深山夫婦もみじ(深山荘前)
  イロハ楓、一本の樹が三面に黄葉する
二、見ざる・聞かざる・言わざるの岩(500米)登る
三、腰のばし岩
  見上げるたび背が伸びるので名付けたもの(100米)登る
四、(300米)登る
  たびかさなる激流で巨岩が一回転し現在の位置におさまったとつたえられる。
五、尻無川(300米)登る
  上流には豊富な水・河口には一滴の水もない。
六、深山洞穴(硅岩石350米)登る
  尻無川の水が分散湧出している。
  この周辺がカメラ撮影に最もよい。
七、五色河原・原生林トネリコ(500米)登る
  何百年も河の中で生き続けている。
  現在は野球のバットに利用されている。


【四国のみち案内標識など】

   

   

   

  

   

   


【タクシー料金】 美川支所〜美川スキー場  \2,890

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