2006年    




 


 7日【西大台ヶ原】

 西大台は、9月1日から「利用調整地区」となるので、それまでに一度行っておこうと思っていた。そろそろバイケイソウも咲いている頃だし〜、天気予報も小雨なので、靄も出るかも〜 と決めた。

ナゴヤ谷の橋 最初の撮影ポイント
 6時にアパートを出発。葛城古道の九品寺の近くにハス田があるのを見つけていたので、立ち寄ってみたが、手前の方は去年収穫したのか・・、株は真ん中にしかなくて花も2〜3本しか咲いてなかった。

 大台ケ原の駐車場には9時頃に着いた。ビデオカメラと音声の機材を持った5、6人が西大台方面に入って行った。丁度ビジターセンターから、「自然探索ガイドをしますから希望者はお集まり下さい」とのアナウンスがあった。雨だし、あまり登山者の姿はない。今回は、バイケイソウが目的なので、逆峠〜小処温泉方面に行く事にした。ナゴヤ谷に架かる橋の手前で先程のクルーが撮影していた。NHKの取材で、利用調整地区について聞かれたが、突然の事なのでうまく答えられなかった。「自然保護の為に利用調整地区になりますがどう思われますか?」「自然保護と言われたらね〜」と曖昧な返事。「9月からという事なので、もう最後かなと思って来たのですが・・」、「ところで、人から聞いた話ですが、9月からは届けを出しても、ガイドと一緒でないと入れないのでしょうか?」と逆に質問、「そんな事はないと思いますが、じゃ〜1人でゆっくり歩きたいという事ですね」と言われたので頷いた。

 赤いつり橋の所までにも撮影ポイントはあるが、そこそこに歩を進める。台風の爪痕だろうか木が倒れて荒廃している場所もある。そこかしこに電気関係の物が転がっていたり、岩ゴロゴロの所はどう考えても自然の道ではなく、開拓跡があるくらいだから、その当時の開発の跡だろう。開発したり、規制したり・・なんだ〜。

赤いつり橋 ヤマト谷の山ツツジ
 赤いつり橋の辺りは、山ツツジだろうか、ぼつぼつ咲いている。開拓跡へ行く途中のバイケイソウの大群落の所へ行ったが、バイケイソウはほとんど黄色くグシャッとなっていて、花が立っているのだけがシャキッとしている。池もあるが、丁度靄が晴れてきたし、あまり綺麗でないので写すのは止めた。


バイケイソウ 根元にコブのある木を撮影中
  戻って、根元に大きなコブのある木を写しに展望台・小処温泉方面に行くと、丁度靄も出て良い感じ♪ この辺りで1時間程費やした。鹿の親子、30人位の登山者、登山道を整備されているのか、道具を持ったおじさま2人とすれちがった。

ツアーのハイカー ツキヨタケ
 又、バイケイソウの群落の所へ戻る。丁度12時だったので昼食とした。雨足が強まったり、弱まったりしている。その後、苔が綺麗に付いた形の良い木を写そうとスタンバイし、靄も出て来たので写そうと向こうを見ると・・、なんと色とりどりのカッパを着た登山者が大勢やって来た。やっと、靄が来たのに〜 (-"-)

 仕方ない・・、通り過ぎるのを待たないと・・。待つこと30分余り、やっと出発したと思ったら・・、又ストップ! そして、なんと! 総勢140名、バス5台の○×旅行会の大阪、神戸、京都出発の団体ツアーの方々だった。早くも膝が痛そうに足を引きずっている人もいる。

 撮影している私の横で立ち止まった女性が、バイケイソウがグシャッと折れているので、何か言おうとしたが、ズーッと向こうまでほとんどがなっているのに気が付いたのか、踏んだのじゃないのねぇと言いながら通り過ぎた。


 
マウスポインタを置くと画像が入れ替わります

 その間に靄はすっかり消えて・・、おっちゃんは木にもたれて爆睡中だ。私は、顔・首を6ヶ所、手を3ヶ所ブヨに刺された。そして、団体が通り過ぎて1時間たって、やっと靄が漂ってきた。(^o^)丿 休んでいた3人も引き返して行った。さ〜♪ 撮影タイムだ。 上のおっちゃんの写真で、靄のあるなしをお楽しみ下さい。

 15時になったので、waiwai隊も引き返す事にした。ナゴヤ谷の橋が近づく頃に、引き返した3人に追い付いた。若い女性が地図を見ている。中年と高齢(80歳を越えている)の男性2人の足元がふらふらしている。私達が来たので避けてくれようとするのだが大変みたいなので「ゆっくりして下さい」と声をかける。女性に「駐車場へはこの道ですよね」と聞かれたので「そうですよ、高齢の方はしんどそうですね」と言うと、「16時30分には駐車場に帰らないといけないのですが・・」と言うので、「それまでには間に合いますよ」と行こうとしたが、高齢の方の顔が蒼白だったので、気になり引き返して、「水は持ってますか?」と聞くと「持っています、ありがとう」と言われた。家族で来たのかと思ったら、さっきのツアーの客と係員で、西大台をぐるっと回らず開拓跡の手前で引き返したみたいだ。

 西大台をぐるっと回るコースと合流する地点で、もう1人の係員がいたので、様子を伝えた。回って来た人達と前後して駐車場に着くと、16時10分出発ですと係員が言っていた。何時に歩き始めたのですかと聞くと、12時頃との事。“大台ケ原 Walking Map”によると、西大台(約8Km/約4時間)となっている。歩き慣れた人ならともかく、ちょっときついのでは・・。
帰宅して、ツアーを検索してみると、【ラストチャンス 西大台ヶ原ハイキング】 西大台ケ原入山規制について(H19年9月より)の説明付きで募集している。今日が初日で、8月末まで17回予定されていた。

 ワラビ餅セットを食べて、バスと前後しながら(あの方達も無事着いたのだろう)ドライブウェイを降りていると、西大台側には、真新しい柵とロープがずっと設置されているのが目に付いた。今日歩いたかぎりでは、人が入った為に自然が壊されたと感じる所はなかったように思う。それよりは、開拓の跡、ドライブウェイを作った為に崩れた沢、鹿の食害、台風の脅威ばかりが目についた。自然保護と規制、これから予想される地球の温暖化による環境の変化等、考えさせられる一日だった。

環境省 近畿地方環境事務所のHPに、西大台利用調整地区ガイドがアップされていたのでアドレスを書いておきます。

http://kinki.env.go.jp/nature/mat/nishiodaiguide/


 22日【明神平】
 そろそろバイケイソウが咲いている筈、“例の木”の新緑は緑が今ひとつだったので、今回は緑の葉を・・ と、先週行く予定にしていたのに、台風が来て中止になった。今週も、金・土は雨だったが、今日は願ってもない曇りのち晴れの天気予報だ。

山アジサイと木苺 明神谷からの水 キワダサコ谷の手前で休憩
 6時に吹田のアパートを出発。途中でガソリンを入れたり、コンビニに寄ったりして駐車場に9時前に着く。吉野あたりから川霧がずっとたっている。今日は、靄は心配ないな〜♪ 日曜日だというのに、車は3台しか停まっていない。準備をして9時に出発。周りは5月19日に来た時より、草木も繁り道幅が狭く感じる。道路脇の小滝に山アジサイと木苺が彩りを添えている。コンクリートの道を25分で山道になる。明神谷からの水を流している3つの管からの水量が多い。

明神滝 最後の渡渉 ヒメシャラの花が散っている登山道
 キワダサコ谷の手前で休んでいると、男性が4人挨拶をして通り過ぎた。トップの方だけザックを担いで、あとの3人はなにも持っていない。谷の水量が多く、渡渉が心配だったが、靴が濡れるのを心配せず渡れば大丈夫。

 明神滝はガスが深くて、あまり見えない。崩壊場所も写真ではヘッピリ腰に見えるけど、難なくクリア。後は、時には植林、時には自然林のつづら折れの道を歩くのみだ。ヒメシャラの花がたくさん落ちている。

バイケイソウが咲いてきた 明神平
 小沢の辺りから、バイケイソウが咲いてきて期待に胸が膨らむ。ガスが深いので急がなくても、なくなる心配がないので今回は余裕を持って歩ける。明神平に10時50分に着いた。休憩所でさっきの4人が休んでいるのか声が聞こえた。ガスで天理大学山小屋は全然見えない。「不案内な所でこんなガスにまかれたら迷うよね」と言いながら、まずはバイケイソウの場所へ行くが、2ヶ月前とは様相が変わって、ほんとに迷ったのかと思った。

バイケイソウ 靄待ち
 この前は、全面バイケイソウの葉だったのに、一株も見当たらない。「どういう事??」と狐につままれたような気持ちだ。おちついて見ると、木が倒れて空がぽっかりと開いている所は、バイケイソウの花が咲いている。日が当たらないので枯れてしまったのか・・。まだ、花が咲くほどの株に育ってないのか・・。気を取り直して、良く咲いている所で写してはみたけど〜。私のカメラでは、前景の花等にピントを合わすのが難しいのに・・、おっちゃんのコンデジは、ピントを合わそうと写してないのに、バイケイソウにピントが合っているのよね〜。^_^;

 それでも、お昼を含めて1時間30分位はいただろうか・・、“例の木”の所へ行く事にした。あれ程深かったガスも、前山の方へ近づくにつれて薄くなった。木の辺りに生えていた笹はすっかりなくなり、代わりにシダの絨毯になっている。靄は撮影に入った途端になくなってしまった。今回は緑がテーマなので、それ程の落胆はないのだが・・、いっそ青空になってくれれば・・、靄が流れては来るものの、風が吹いて飛んでしまう。時々、薄い靄が来るので気長に待って何枚か撮った。

鹿がこちらをみている バイケイソウ
 靄待ちをしている間に、鹿の群れが向こうを横切ったり、向こうの丘からこちらの様子を伺ったりしている。増えると森に害を及ぼす鹿も、こうして見ると可愛い。でも、これだけ頻繁に見ると言うことは相当増えているのだろう。10人のパーティが桧塚方面へ行っていたのか、明神岳の方から来て記念撮影後下山して行った。

天理大学山小屋 明神滝の下部 
 1時間程いて、2時前に下山した。「今日は、日曜日なのに登山者が少ないね」と話していると、中学生かな〜、寝袋を持って登ってきた。最後の引率の方に「小屋で泊まるのですか? 何人ですか?」と聞くと、「そうです、40人です」との事だった。夏休みの林間学校かな〜。私がああでもない、こうでもないと撮影している間に、おっちゃんはカステラを食べたりしているが、私は食べてないので途中のベンチの所でコーヒータイムとした。

 崩壊後の渡渉の所で、下の方を渡っていると、上の崩壊している所から男性が走って下りてきて、追い抜いて行った。「薊岳か、伊勢辻山から縦走して来て、大又まで走るんかな〜」「そんなところやな」と言いながらゆっくり下りる。明神滝の所で、いつもはやりすごすのだが、フイルムが残っているし、水量が多いので写せるかも・・、と滝の近くまで行ってみたら、良かったので最後まで写せた。

そして、4時20分、駐車場には我車が一台、ポツンと残っているだけだった。さて、“例の木”の撮影は、これで最終回を迎える事が出来たのか?(冬、春、夏、秋と撮ったけど、ピーカンの青空になった事がないな〜 (^_-)-☆ ) お決まりの、やはた温泉に入湯して帰った。


 29日【二の滝】
 朝、5時30分に目覚まし時計が鳴った。選挙だし〜、夏の関西の山は暑いし〜、何処へ行くか決まってないのに起きれないわ。(-"-) それから一眠りしてしまった。投票をしてから、2年連続同時期(2005年7月30日2006年7月27日)に行っているあの滝に行くか〜、このピーカンの天気では・・、写真にならないけど・・、雨だと山ヒルが・・、何度行ってもいい写真が撮れないし・・、今回もダメだろうけど他に行く所を思いつかないし・・、と言うわけで二の滝に決まった。


カクシ平登山口 二の滝
 9時に投票をして出発。吉野のいつものガソリンスタンドが開いてない。営業時間は日曜日10時30分となっているのに・・、コンビニでお弁当を買ったりして待つ。店員が15分遅れて来て、やっと給油出来た。カクシ平登山口に12時過ぎに着き、おにぎりを一個食べて、12時20分に出発。森と水の源流館が主催する「水源地の森ツアー」のバスだろうか、2台停まっている。

滝までの登山道で、お年寄り2人とロープを肩に架けた若い人(手にはナイフ状の何かを取る道具)の3人とすれ違った。「何処に行くのかね」と聞かれたので「二の滝まで撮影に」と答えると「健脚やな」との返事。90歳は過ぎてるかと思えるお年に見えた。私の推理では、何か貴重な物(ロープがいるような危ない所に生えているような)の場所を、若い人に今のうちに教えておかないと・・と出掛けてきた、と思うんだけどどうかな〜? (^^ゞ イワタケとか・・。それとも貴重な花の盗掘?(業者のようには見えなかったけど・・) 袋を持っていたかどうかは見てなかった。


イワタバコ イワタバコ
 滝が近づいて来ると、そろそろ山ヒルがいる所になる。何度も来ていると分るのだ。おっちゃんがギャ〜と飛び上がっている。蛇がいたとの事。続いて、私も! 首の所が黄色の子供の蛇が飛び出してきた。 (@_@;)  そして、おっちゃんが足を上げた靴底の落ち葉や石の上で、あの山ヒルが私の足に飛びつこうとピロピロ〜と待っているのが見えた。滝までに10匹は見た。

40分歩いて13時に滝に着いた。登山道に入ってすぐに涼しかったのだが、滝は尚一層涼しく気持ちがいい。お目当てのイワタバコも咲いている。ただ、日差しが強い、もう少ししっとりしてればね〜。この前、写友と撮影に行った“南条ハス”と“龍双の滝”の残りのフィルムがカメラに残っているので、35ミリも持って来た。マクロレンズを着けて、手持ちでイワタバコを写した時、さすがマクロレンズ、シャター速度が手持ちでも十分の1/60だわ♪ と思ったんだけど・・、この前の滝の撮影で多重撮影の為に−3に露出補正したままなのを忘れていただけだった。現像があがってきてビックリ! 真っ黒だ!


 二の滝
 まぁ〜、普通に写したんでは撮れない感じには、何枚か撮れていたんだけどね〜。^_^; 今回も滝の写真は、ど〜んと落ちて来ている木の為に、どうにもなりませんでした。

正面から二の滝 木にまでイワタバコが生えている
 撮影をしたり、コーヒーを飲んだり2時間程過ごして、15時に滝を後にした。下りは、上りと違って靴底が見えない為、ここへ来た時のいつもの歩き方(おっちゃんが右足を降ろした所の左に私の左足を降ろす)で歩くが、なかなか難しいですよ〜(笑) ヒルノックと、この歩き方のおかげで大丈夫だった。
帰りも、蛇が一匹飛び出して来た、子供の蛇は元気がいい。うずくまっている蛇はそっと通ればいいけど・・、飛び出してくるのはね〜。(>_<)
 行きと同じ時間の40分で15時40分に登山口に帰る。バスも乗用車も帰った後だった。車が一台来て、下見に来たと言われるご夫婦に、カクシ平・行宮跡まで1時間30分位かかるかと聞かれたので、おっちゃんが地図を出してそれ位ですねと答えた。私が山ヒルがいますよと言うとビックリしていた。

温泉は、入之波温泉には間に合わず、津風呂湖温泉に入湯、夕食も食べて帰った。