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CD Release

第163回 まわりだす気持ち

はじめに

 今はすっかり紅葉の季節になってしまっていて、四葉のクローバーなんかの草原を風が緑の香りを乗せてそよいでいく…って雰囲気でもないんですが(苦笑)。でもまぁ、気持ちなんて、いつ動き出すか分かんないものですし、そうなったら後はそれに任せて…ってところがあるんで、まぁいいでしょう。
 そんなわけで…ってどんなわけだか自分でも知りませんけど、今回は自分の中のフィーリングでこれをやりたいな…って思ったので、「まわりだす気持ち」で思ったことを書いてみたいですね。

新しい軽やかさ

 「Crystal Days」のアルバムについて書いたとき(第158回)にも言及しましたが、このアルバムを最初に聴いた時に、その軽やかさが耳に残りました。それは特に「そっと」までの前半部分で感じたことです。…って言うか、最初の「クリスタルデイズ」からそこまで、何かしらの軽やかさはそれぞれにありますね。で、その中でも印象的なのが、この「まわりだす気持ち」のものではないでしょうか。
 他の曲での軽やかさは、例えば「Only You☆」だったら「とびたつ季節」にどこか似てたり、「そっと」は「グッピー」だったりと、「10 LOVE」までの曲におぼろげな類型を求めることができるんですが、「まわりだす気持ち」の場合は、私が感じる限り、そうしたものがないんですよね。つまりは、まったく新しいタイプの軽やかさなわけで。
 私の感覚ですけど、この曲でのそれは「暢気な軽やかさ」って表現になるんじゃないか、と。「暢気」って言葉だと表現が悪いかもしれないですが、いい意味で使ってますよ、もちろん。あるいは「大らかな〜」って言い方が近くなるかもしれないけど…微妙にずれますね、やっぱり。
 で、それが与える印象なんですが、なんか、気持ちを思いっきり大きく広げて、目指す場所まで今見えるところに取り込んだ上で、今いる場所…というより世界をのんびりしっかり楽しんでしまおうっていう感じですかね。別に、急いで進むことはなくって、気持ちの廻りや周りの光景をちゃんと感じて、それを楽しむことができたらいいんじゃない…ってまーちゃんは言ってるように感じます。

まわりだすメリーゴーランド

 さて、この曲は自分の気持ちをメリーゴーランドに見立てて、その動き始めたところをとらえてるわけですが、他にもメリーゴーランドをモチーフにした曲はもちろんあります。でも、何がメリーゴーランドになっているか…というのはやっぱり曲それぞれに異なってるわけです。
 まず、渡辺美里さんの「メリーゴーランド」だと、回っているのは、二人の間を行き交う気持ち…愛情です。あるいは、サザンオールスターズの「悲しみはメリーゴーランド」や「DIRTY OLD MAN〜さらば夏よ〜」だと、メリーゴーランドになって回っているのは、過去における悲しみだったり、かつて見ていた夢の破片だったりします。そして、堀江由衣さんの「Shiny merry-go-round」ですが、ここでは季節の廻りをそう描写しています。
 こんなふうに、いろんなものがメリーゴーランドになって回っているわけですが、何度も何度も訪れたり、感じたりするものだからこそ、回りまわってまた訪れた…という感覚になるんでしょうね。だから、時にメリーゴーランドから離れてもそんな表現になるわけで、「オレンジと観覧車」はこの先二人で過ごしていくはずの日々を観覧車としてみています。また、イズミカワソラさんの「電子レンジマジック」だと、ターンテーブルに乗って回っている自分の周りからず〜っと愛を与えてくれてる…みたいな感じじゃないでしょうか。
 やっぱり、何度も感じる気持ちと、一点を中心にして廻るものっていうのは、表現としてどこか重ねやすいからこそ、こうした表現がいろんなところで出てくるんでしょうね。

最後に

 「B.B.B」を見直してみると分かるんですが、実はこの曲は少なくとも1年越しのものなんですよね。まぁ、「10 LOVE」だと確かにこの調子は少し浮くかもしれないですか(苦笑)。だから、1年待ったおかげで、よりこの曲にふさわしい場所を得たように感じるのは、多分気のせいじゃないでしょうね。アルバムの印象を固める要素になっているんじゃないでしょうか?


 さて、次回は同じアルバムから「ミルフィーユ」でいきましょうか。ソラさんの曲を色々と見ていくことになるんでしょうか?

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