ローソク足易占法の手法
「ローソク足易占法」とは、日足チャートで直近6本のローソク足の陰陽を易卦に変換することで、
相場の未来を予測する手法です。日足の各爻に何を配しているかは、日足の3分割である8時間足で見ます。
つまり、日足の各爻には8時間足3本による八卦が内蔵されているわけです。
(15分足チャートを易卦に変換した場合は、内蔵八卦は5分足となります。)
之卦の求め方は、本卦の各爻、すなわち6本の各ローソク足のうち、
最もボラティリティまたは出来高の大きなローソク足に変爻をとり、本卦→之卦とします。
(変爻は一つだけとは限らず、最大のボラティリティまたは出来高が複数あるときは、その全てを変爻する。)
本卦は現状と目先の変化、近い未来を現し、之卦は更なるトレンド、遠い未来の傾向と変化、転機の時を現します。
裏卦は本卦で得られた六つの爻の陰陽をすべて逆にしたもので、警告や戒めの意味があります。
之卦の示す転機が訪れる時期は、
乾(天)=1、兌(沢)=2、離(火)=3、震(雷)=4、巽(風)=5、坎(水)=6、艮(山)=7、坤(地)=8、
を転機の基本数字とし、例えば、之卦の上卦(外卦)が乾(天)なら、
1本後のローソク足もしくは、1時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後、1年後のいずれかに転機が訪れます。
之卦の上卦(外卦)が兌(沢)なら、2本後のローソク足、2時間後、2日後、2週間後、2ヶ月後、2年後、
之卦の上卦(外卦)が離(火)なら、3本後のローソク足、3時間後、3日後、3週間後、3ヶ月後、3年後、のいずれかです。
※八卦(はっけ、はっか)とは、易における八つの基本要素。すなわち、乾、兌、離、震、巽、坎、艮、坤、の八つ。
※以下の説明においては、□を陽線、■を陰線としています。
※大成卦横のカッコ内の数字は変換される二桁の数字を表現しています。
※裏卦には警告や戒めの意味があります。
※各爻位は、該当の日付を6で割り、余った数が1なら初爻、2なら二爻、3なら三爻、4なら四爻、5なら五爻、0なら上爻。
<ローソク足3本による小成八卦>
3本のローソク足の陰陽によって構成される易卦の基本要素である小成八卦
※カッコ内は変換される数字と方角と干支です。
1.乾 □□□ (1、9、北西、戌、亥)
全陽の卦象より推して先づ高いと見ることができ、積極的に上昇する強い勢いを蔵しています。
ただし、「陽極まって陰に変ずる」という易理によって、多くの場合、上がる一方というよりは、
変化の機微を孕んでいる事に注目しなければなりません。
外卦または本卦として得た乾にはこの注意が必要であり、爻卦として見た乾は特にこの意味が顕著となります。
尚、五行では乾は兌と共に金に属し、金の性質を推して鈍重という見方もあるのですが、
正則的にはこれに捉われる必要はありません。
2.兌 ■□□ (2、西、庚、辛、酉)
兌は安値保合いの卦で、概してジリジリと低落の一途を辿る場合が多く、保合いつつもジリ貧化の傾向があります。
ただし、兌はジリ貧の中にも反発の機を蔵しています。
坤から来た兌の場合は特にその傾向があり、主爻に離を配していればその意味が更に顕著となります。
その一方で、乾から来た兌の場合は、急反落になることが少なくありません。
3.離 □■□ (3、南、丙、丁、牛)
離は代表的な高値の卦ではありますが、乾や震のような底からの持続的な勢いは無く、
どちらかというと突飛高の嫌いがあり、その動きには慎重な判断を必要とします。
主卦の爻卦と共に、それを包んでいる二陽の配爻が何であるかには特に注意する必要があります。
4.震 ■■□ (4、東、甲、乙、卯)
震は巽と共に変動の卦なのですが、震はどちらかというと動いて上る方であり、下から持ち上がる象で、
時間的にも急速なので、急反発の占とみることが多いです。
しかしその一方で、押されては上げ押されては上げというように、変動を繰り返すと判ずる場合も少なくありません。
これは震に限ったことではなく、坤から来た震であれば、下げてきて一応の底をついたということになるのですが、
その場合初位の配爻が坎や乾であれば更に底を割って一段と下値があり、艮であれば底値一服、
震ならば底値から反発の勢いを孕んでいる、というように、爻卦に注目する必要があるわけです。
5.巽 □□■ (5、東南、辰、巳)
巽は同じ動くにしても言わば浮動という動き方で、力のある変動ではありません。
目先の動きというか、仕手関係のような動きで、腰が入らぬための動揺であり、
見通し困難による上ツ調子の浮き上がりであったりする事が多いので、判断には慎重を期さなければなりません。
主爻の爻卦その他により卦意に変化が生じるのは震の場合と同様です。
6.坎 ■□■ (6、北、壬、癸、子)
坎は離とは反対に代表的な下落の卦なのですが、全てが正反対というわけではありません。
例えば離の上昇は時間的な持続性に欠けるのですが、坎の下降には持続性があり、
また同じく下値の兌と比較しても、兌が緩慢であるのに対し坎は急激であり、
兌が下値に対しても保合いの意味があるのに、坎は流動して止まない性向があります。
7.艮 □■■ (7、北東、戌、丑、寅)
艮は普通には高値保合いと見ます。同じ保合いでも坤が弱含みであるのに対し、艮は強腰の保合いです。
ただし、坤の後に来た艮であれば保合いの中にも底固く強含みなのですが、乾の後に来た艮であれば、
高値保合いの中に崩落の危険を蔵しており、注意が必要です。
8.坤 ■■■ (8、0、西南、未、申)
坤は全ての点で乾とは正反対の見方が出来、概して安く、また下降の勢いを蔵していますが、
しかしそれは、坎のような下落を示すというよりは、弱含みの保合いという程度の穏やかさを見ることが多くあります。
その代わり、「陰極まって陽に変ずる」とは言っても、乾の場合のような積極性や時間的な急進性は欠いています。
<六十四卦早見表>
※セル内の各項目(大成卦)は各項目(大成卦)の説明とリンクしています。


<大成六十四卦>
6本のローソク足の陰陽によって構成される易卦の大成六十四卦
※大成卦横のカッコ内の数字は変換される二桁の数字を表現しています。
1.乾為天(けんいてん) □□□□□□ (11,19,91,99)
※売りの機が熟している。高値なら売った方が良い。買いは投資しようとしている相場をじっくり観察する時。焦ると失敗する。
純陽の積極性と、天を表す象意から、これを非常な高値とし、上伸の勢いが極盛にある占とします。
ただし、一面においては高値の頂点とも見てとれますので、「陽極まって陰に変ずる」という易理により、
既に変転の気運が孕まれていることを察しなければなりません。
従ってこの卦を本卦に得て他の卦に変じる場合は、高値の頂上から之卦の示す方向への変化を生じるものと判じ、
他の卦からこの卦に変ずる(すなわち之卦としての乾を得た)場合は、
その本卦の状態から乾の高値を示現すると判じるわけです。
また、株価の現実の動きと対照して、現在高値にある場合に得た乾は今現在を示すものであるから、
将来はその高値から変化する機運にあるあると見なければならず、それに対し、
現在安値の場合に得た乾ならば、これから乾の示す高値になって行くと判ずることになります。
これは乾の場合に限ったことではなく、他の卦を得た場合も同様であって、
本卦・之卦の如何と、現在の実際との対照により、判断に相違が生じることに特に注意を置く必要があります。
また同じく乾の卦を得ても、その内外卦の主爻が共に坎であったり、あるいは卦中に爻卦としての坎を
多く配しているような場合には、同じく高値上昇と判ずるにしても、その程度を考慮しなければならず、
また一週間とか一月とかの推移を卦に求めたのであれば、
その期間内に爻卦(初爻から順に上爻まで)の示す波動があることを考慮しなければなりません。
(この任意の期間内の波動は、卦を構成する各爻卦が示すとする考え方は、全ての卦に共通します。)
[各爻位]
上爻 高値から崩落する。
五爻 今高いが、この先は下げに変わる。調子に乗ってはいけない。
四爻 安定しないが、後に上がる。
三爻 今までは高いが、やたらに買い進んでは危険。
二爻 上がる。
初爻 持合。後に上がる。
2.坤為地(こんいち) ■■■■■■ (88,80,08,00)
※今すぐの利益を求めず、長期的に保有する投資であれば吉。
小成卦の坤の占意をそのまま推して判ずべきで、概して安値保合いと判じます。
本卦にこれを得た場合、二五が変じて坎となるときの他は、概ね現在の保合いを底値として
遠からず変化の動きがあることを考慮し、これに対し之卦にこれを得た場合は、
如何に波乱変動の中にあっても、間もなく沈静に帰していくことを予期しなければなりません。
各爻の爻卦が期間内の波動を示し、特に留意しなければならないのは乾の場合と同様です。
[各爻位]
上爻 現在は高値。先行きは安値。
五爻 現在は高値。先行きは安値。
四爻 平凡で持合。先行き上がる。活気に期待。
三爻 底力あり。先行きは爆発する。
二爻 安値。
初爻 今は安いが、後に騰勢示す。
3.水雷屯(すいらいちゅん) ■□■■■□ (64)
※思ったように投資先の価値が上がらない。じっくり観察していると、状況が好転する。
水雷屯は上伸しようとして外卦の坎に妨げられる卦なので、伸び悩みの占となり、
いずれかといえば下押し気味であると見なければなりませんが、ただし下げるかと見れば反発し、
上げるかと見れば下押し、高下を繰り返しますが、全体的に活気乏しく値幅も小高下の域を脱しません。
[各爻位]
上爻 崩落の兆候があるが、先行きは回復していく。
五爻 軟調で持合だが、漸次騰勢となる。
四爻 目先は浮動するが、後には上がる。
三爻 気迷い浮動するが、先に行って一時上がり、のち下がるは必至。
二爻 下値で行ったり来たり。
初爻 底意強いが伸びず軟調子。
4.山水蒙(さんすいもう) □■■■□■ (76)
※当面は不安定だが、いずれ価値が上がる。今は先が見えない時期なので、できれば先に延ばすのが良い。
目先の見通しが暗く手掛かり難の卦ではありますが、小幅の下落を示します。
ただし、九二(第2爻の陽線)に震を配している場合は、下落の中にも浮動があり、
上九(上爻の陽線)に坎を配している場合は、相当大幅の下落を見ます。
[各爻位]
上爻 高値。先行き崩落の兆しあり。
五爻 底意が強いが伸びず、一時下がって下放れし、その後、強調に向かうこと必至。
四爻 安いが、先行き順を追って活況となる。
三爻 安値模様。
二爻 強い様子あり。先に行って崩落の兆しあり。要注意。
初爻 安値。
5.水天需(すいてんじゅ) ■□■□□□ (61,69)
※思い切った投資は時期尚早。暫く混迷するが、その後良くなるため投資して放置するか、良くなってから投資すると良い。
水天需は下降しようとする外卦の坎が内卦の乾のために阻まれる象です。
したがって、下値の気配にありながら、案外に下げないという占になり、上げと下げとの小高下の保合いとなります。
ただし、卦中の四つの陽爻がことごとく坎を配しているような場合には、
遂に大底を割って水の天井を蔽う大暴落を演じることがあり、注意が必要です。
[各爻位]
上爻 安値に陥る様子あり。先行きは持合必至。
五爻 順調に高値を行くが、先行きは逆転の兆しあり。
四爻 勢いはないが、徐々に好況に向かう。
三爻 今は高いが、先行き崩落。
二爻 底力はあるが、伸び悩み。
初爻 軟弱で持合。先行き上がる。
6.天水訟(てんすいしょう) □□□■□■ (16,96)
※騙しにあう。混迷する時期なので手堅く行くこと。まだ投資していないならしない方が良い。
天水背行のこの卦は、高いものは高く安いものは安いというような、部分的な高下を示す卦です。
また、始めに安く後に高いという動きを示すこともありますが、
大体においては人気や期待に逆行した実勢を現す傾向があります。
また、市場や取引に明朗さを欠き、陰険な雰囲気がみなぎる事もあります。
[各爻位]
上爻 一時暴騰。長続きせず、あっという間に崩れる。
五爻 高値。先行きはなお上がる。
四爻 一時は強調だが、いずれ崩れる。
三爻 持合の様子。先行きは上がる。
二爻 買い占める者があって、一時は上がるが挫折して崩れる。
初爻 安値。
7.地水師(ちすいし) ■■■■□■ (86,06)
※価値が混迷して波乱の相場になっていく。図に乗り、分不相応な投資に手を出すと大損する可能性あり。
安値から更に一段と下落のある卦ですが、坎為水のような急激性や暴落性はなく、漸落歩調を辿ると判じます。
また、水地比にくらべると下落の持続性は弱く底が近く、保合い気味の傾向を示します。
[各爻位]
上爻 活気を示している。先行きは持合必定。
五爻 波乱を含み、先に行って上がり、持合は必定。
四爻 軟弱で持合。
三爻 崩落の様子。先行きは強調を示す。
二爻 高値模様だが、調子に乗り買い進むは不可。
初爻 安値。
8.水地比(すいちひ) ■□■■■■ (68,60)
※投資しても価値が下がる。有識者の知恵を借りて、じっくりと吟味し検討するのが肝要。
坤の地中に坎水が浸み入る卦象より推して、底かと思えば更に底があるというように、
下落して止まらない下値の占となります。
[各爻位]
上爻 安値。
五爻 底値で持合、先に行って上がる。
四爻 安値。
三爻 不振状態が続き、なかなか回復しない。
二爻 安値。
初爻 安値。活気がない。
9.風天小畜(ふうてんしょうちく) □□■□□□ (51,59)
※うかつには乗らない。低迷するので投資には向いていない時期。入念に勉強して知恵を蓄えれば利益を得られる。
内卦の乾の上昇しようとする勢いが外卦の巽によって抑えられるという卦意から推して、
気配強含みながら頭重い占となります。
内外卦が互いに押したり抑えられたりする所から小高下の動きとも見ます。
ただし、下値は乏しいと断じてよろしいでしょう。
どちらかと言うと、抑える力よりも伸びる力のほうが強いからです。
尚、乾の各爻に震を配し、六四(第四爻の陰線)に離を配している場合には、
風の天上に吹きまくる破天荒の相場を示すことがあるので注意を要します。
これに反して、第五爻・上爻に坎を配してしかも六四が兌であるような場合は、
思惑に反した下押しと見なければなりません。
[各爻位]
上爻 高値の様子。先行き落調示す。
五爻 強い。先行き持合必至。
四爻 今は高いが、のち崩れる。
三爻 一時は強いが、たちまち挫折の様子。
二爻 一時は強い気配だが、挫折し安値。
初爻 底意強いが、伸び悩み。先行きは乱高下。
10.天沢履(てんたくり) □□□■□□ (12,92)
※無理な投資は禁物。今は慎重に情報分析をすべき時。
一方に高い株があり、それに釣られて安いものも上伸するという卦です。
ただし、上げの中にも急落の危険を蔵し、下げの中にも急騰の変化を孕んでいるので、
慎重に対処しなければなりませんが、それには五陽一陰の卦なので、
六三(第三爻の陰線)に特に注意する必要があります。
[各爻位]
上爻 高いが、先行きは下押し必至。
五爻 高値だが、先行き崩れること必至。
四爻 持合。
三爻 策謀により一時上がり、崩落必至。
二爻 高値。
初爻 底意強いが、伸び悩む。
11.地天泰(ちてんたい) ■■■□□□ (81,89,01,09)
※価値は上がるが、いずれ下がる。売買を繰り返すと損も増え、最後には小さな利益しかあげられない。要注意。
地天泰は天地が交わる卦なので、取引は活況を呈します。
ただし値段は思ったほど弾まず、高下を往来します。
それは三陰三陽の等しい力が相拮抗する象だからですが、
いずれかといえば往来しつつも大勢亢進の勢いを察しなければなりません。
それは下から長ずるのが順であり、上から消するのは逆であって、
逆は順によく克ち得ないとするのが易における消長の理だからです。
臨から変じて泰となった場合には特にその意が強く、大壮から変じた泰はその逆となりますが、
ただし大壮より変じた泰において一応の下押しを見ても、先行き急反発の勢いを察するのは、
更に臨となった場合に大震を見るためでありますが、その際は特に爻卦を注目するべきです。
[各爻位]
上爻 崩落の兆候あり。
五爻 穏やかに好調を持って進み、上がる。
四爻 高値から挫折あり。
三爻 高値だが、先行き挫折の心配あり。
二爻 先に行って次第に高騰すること必定。
初爻 先に行って次第に高騰する。
12.天地否(てんちひ) □□□■■■ (18,10,98,90)
※すでに投資しているなら安値が続く。これから投資するのは時期を見たほうが良い。じっくりと静観をきめこみ、動向を観察する時。
天地否は陰陽拮抗する点では泰と同義であるけれども、
強弱ともに相手の出方を警戒して動かず、取引は閑散の意があり、
値頃も小高下保合いを示しますが、ジリジリと目立たぬながらも下押す傾向があるのは、
陰を以て陽を消する卦情のためです。
また、あるものは高くあるものは安く、あるいは、ある時は高くある時は安く、というように、
部分的高下の占と見ることもあります。
[各爻位]
上爻 沈滞していたものが活気を取り戻してくる。
五爻 安値転換し、強調に向かう。
四爻 沈滞だが、先行き動き多く、波乱となる。
三爻 下落の兆しあり。
二爻 力弱い。先行き波乱示す。
初爻 安値模様。
13.天火同人(てんかどうじん) □□□□■□ (13,93)
※良い時期。ただし今より上はない状況で、天変地異や社会情勢に影響を強く受ける出来事が起こるかもしれない。共同体は吉。
天下に日輪(太陽)の輝く象よりして上昇高値の占とします。
大有は離の一陰をもって五陽を保つ意から全面的な高騰と判じますが、
同人は一陰を求めて五陽が競い合うという爻象があり、
ある銘柄の先駆高に追随しての高騰である場合が少なくありません。
また大有が穏やかな騰勢であるのに対し、同人はより積極的であり、また波乱を含んでいます。
特に天風后から来た同人として予想外の高値を示した場合は、
次に天沢履の危機を蔵していることを察しなければなりません。
[各爻位]
上爻 様変わりを示すこと必定。
五爻 目先は伸び悩み。
四爻 高いが先行きは下がる。
三爻 変動して上がる。
二爻 天井を突いて、下がる。
初爻 一時は崩れるが、目先では上がる。
14.火天大有(かてんたいゆう) □■□□□□ (31,39)
※利益となる。短期決戦が好結果を生む。ただし、あまり調子に乗りすぎると思わぬ損失にあう。
離の日輪が天上に輝く卦なので、上昇高値の占ではありますが、乾や大壮のような急激性はなく、
暴騰というよりは穏便な騰勢と見ます。ただし取組みの様相などから言うと、夬や大壮が狭く急速であるのに対し、
大有は広く且つ大きい傾向があり、全般的な好調を呈します。ただし、更に一段の高値を期待するのは困難です。
しかも大有は一陰五陽の卦なので、六五(第五爻の陰線)の爻卦と共に、その六五が夬から動いてきたか、
小畜から動いてきたかを検討してみる必要があります。
[各爻位]
上爻 高値だが、これ以上は難しい。先行きに警戒必要あり。
五爻 高値だが、これ以上は強気で進まない方が良い。
四爻 高いが、先行きは持合で伸びない。
三爻 高いが、先行き崩れる様子あり。
二爻 強い。この先も上がる。
初爻 底意強いが、伸び悩み。先では活況波乱の様子。
15.地山謙(ちざんけん) ■■■□■■ (87,07)
※価値は安いままだが、将来的には上がる。焦ったり直感だけで行動すると大損につながる。現状維持に努めることを優先。
気配引き立たず鈍重の占で、弱含みの保合いと判じますが、これ以上の下値はほとんど無く、かと言って、
急速に場面を一新して騰勢に転ずることもありません。ただし、九三(第三爻の陽線)に震を配していれば、
復からの動きを考えて高値への動きがあると見、坎を配していれば少しく下押すと判断します。
[各爻位]
上爻 安値で、先行きは持合必至。
五爻 上がるが、先行きは安値で持合必至。
四爻 弱い。先行き高騰し、また下がること必至。
三爻 暴落する。
二爻 安値で持合。先行きは少しずつ高騰すること必至。
初爻 安値。
16.雷地豫(らいちよ) ■■□■■■ (48,40)
※活発になるので投資に良い時期。すばやい対応が迫られている時なので、情報の収集は怠らない。
雷地豫は震雷が地上に奮い出た卦なので、反発急伸と見ます。
九四(第四爻の陽線)に震を配して他に巽離が多い時にその意味を強く見ますが、その他の場合には、
反発力は一時的なもので、持続的な上伸力は乏しく、従って大した高値は期待されません。
それは卦中の一陽が衆陰に阻まれて外に現れかねているからで、九四の爻卦が艮坎の場合、
互体・約象としての小成卦(二三四爻の艮、三四互爻の坎)を重く見る必要があります。
[各爻位]
上爻 迷っているが、先行きあがる。
五爻 持合。先行きは下放れ。
四爻 今は高いが、先行きは安い。
三爻 一時上がってもたちまち崩れること必至。
二爻 高値だが、先行崩れる。
初爻 安いが、先行き上がる。
17.沢雷随(たくらいずい) ■□□■■□ (24)
※最初は良いが、後から損失があるかも。時勢をよく見て自分流に事をすすめたほうが好結果がでる。
時を得ぬために電気の潜む卦なので下値保合いの占としますが、
既に底値にあって更に進んで下落を見ることはありません。
いずれかと言えば成り行き反発の気配を蔵していると見るわけですが、
初九(初爻の陽線)に注目する必要があります。
[各爻位]
上爻 持合。先行き上がる。
五爻 強い。先行き値上がりし、活気状態。
四爻 高値だが、先行き安値で伸び悩む。
三爻 高値は安く、安値は高く変動する時。
二爻 安値は先に行って、今一段崩れること必至。
初爻 高いが、先行き持合で、後に下がること必至。
18.山風蠱(さんぷうこ) □■■□□■ (75)
※価値が下がって低迷する。沈滞期に直面している時。情報に惑わされて目前の利に飛びつくと、大きな損失を受ける。
停滞不振にして頭の重い卦で、それを突き破らんとする小浮動を繰り返す占となります。
ただし、上九(第六爻の陽線)に震を配するかあるいは乾を配して変じ、しかも初爻に離をもっているときは、
巽風をもって艮山を吹き飛ばすような意外な高騰を示して嵐を生ずることがあるので注意が必要です。
[各爻位]
上爻 高値。先行きもう一段上がること必至。
五爻 弱い。先行きは強さ示すが、変化が多い。
四爻 安く、値動きが弱い。
三爻 強気。しかし目先で軟調示す。惑わされずしっかり大勢を見通すこと。
二爻 活気はあるが、先行きは持合。
初爻 高値。先行きは強含み示すが、伸び悩むこと必至。
19.地沢臨(ちたくりん) ■■■■□□ (82,02)
※投資は急がず、ゆっくりしたほうが良い。計画性をもって行えば、必ず利益が出る時。活気があって高値が期待できそう。
地沢臨は安値保合いの卦ではありますが、気配は良好で反発上伸に転ずると判じます。
その勢いの強弱は初二(初爻と第二爻)の爻卦の如何によります。
[各爻位]
上爻 今は高値。先行きは安値。
五爻 今は高値。先行きは安値。
四爻 安値。
三爻 勢いがない。
二爻 高値。
初爻 強いが先行き波乱。後に上がる。
20.風地観(ふうちかん) □□■■■■ (58,50)
※価値が混乱するため投資には向かない。投資は暫く手控えたほうが良い。
風地観は、地上を往来する風の象意で、安値には変動激しいとし、大艮の象を推せば高値には保合いとし、
漸落の場合には陰をもって陽を消す消長の理から更に一段の崩落がある占と見るので、
実際の相場の動きに照らし合わせる必要があります。また、本卦・之卦の動きと爻卦に注目しなければなりません。
[各爻位]
上爻 高値。先行き下落必定。
五爻 高値だが、先に行って崩落。
四爻 高値。
三爻 迷って浮動するが、先行き次第に高騰するは必定。
二爻 安値。まだ一段崩れること必定。
初爻 安値。先に行って上がること必定。
21.火雷噬盍(からいぜいごう) □■□■■□ (34)
※とても活発で良い状態だが、いまひとつ気乗りしないときは、無理な投資は控えめにしておく。他人任せは失敗する。
この卦は動きの激しい占で、急騰・急落があり、高下を繰り返しますが、
上下往来しつつも、どちらかと言えば上げの方に勢いがあり、
悪材料と見られたものなどを克服する強さを持っています。
反発急伸がどの程度かは九四(第四爻の陽線)の爻卦に注目する必要があります。
[各爻位]
上爻 狂騰の様子あり。先行きは崩落必至。
五爻 安値に見えて先行き上がること必至。
四爻 意外に強気だが、伸びずに先行き持合必至。
三爻 安値。先行き昇騰必至だが、高値で飛びつき意外な失敗あり。注意。
二爻 弱い。先行きはさらに崩れること必至。
初爻 強いが、急には伸びない。上がりそうであれば、先で昇騰必至。
22.山火賁(さんかひ) □■■□■□ (73)
※投資後伸び悩みがあるが、最終的にはそこそこの良い価値になる。派手な話や華やかな話は敬遠したほうが賢明。
山火賁は小さな高値を示す卦であり、夕陽の没する前の夕映えのような騰勢に過ぎません。
六二(第二爻の陰線)にたとえ離を配していても、外卦の艮に抑止されて伸びず、
また、内外の正震倒震(山雷頤)が強気弱気となって、九三・一陽の材料を争う意味があり、
そのような観卦をした場合には、特に九三(第3爻の陽線)に注目し、
それが上下いずれに動くかを察しなければなりません。
[各爻位]
上爻 高値。先行き下がること必定。
五爻 安値。この先は大きい変化なし。
四爻 安いが、先に行けば上がる。
三爻 高いが、勢いに乗り過ぎてはいけない。しばらく傍観してみよ。
二爻 安値。先行きは上がり、持合。有力なやり手によって動く。
初爻 底意は強いが、すぐには伸びない。
23.山地剥(さんちはく) □■■■■■ (78,70)
※価値が暴落するため、投資に適していない。隠忍自重。目先の利益には目をつむる。
風地観の一陽が更に削ぎ落とされたのがこの卦なので、漸落の相場には崩落寸前の占と見なければなりませんが、
崩落の危険が予想されながらも案外に高値を持続するのは、地上にそびえ立つ山が
そう容易には崩れるわけが無いからで、上九の爻卦に注目するべきです。
またこの卦の場合、優秀な銘柄は高く、ボロ株級が暴落するという場面も少なくありません。
[各爻位]
上爻 高値だが、これ以上は昇らず崩落し、その後また盛り返すこと必至。
五爻 安値。この先、波乱変動が多い。
四爻 安いが、先に行って転換の兆しあり。
三爻 安く、たいしたことないが、先に行って持合に終わる。
二爻 安値。
初爻 不振。安値。
24.地雷復(ちらいふく) ■■■■■□ (84,04)
※元々投資していたものは、一度落ち込むが回復の兆しを見せる。これから投資するものに関しては慎重になるべき。
この時期は急激な値上げや利幅の大きい儲けは期待できないものの、長い目で見るとかなり有利な投資ができる。
地雷復は底値から持ち直す第一歩の踏み出しを示し、先行き漸次高くなって行く占です。
その騰勢の遅速や強弱は初爻の爻卦の如何によります。
ただし、これが臨から来た復の場合は、一段の下落の後に底を突いて反発に転ずるか、
あるいは更に新安値に落ちるかの占となり、これまた初九(初爻の陽線)により判断するべきです。
[各爻位]
上爻 暴落した後、持合必至。
五爻 今は高値。先で下落し、伸び悩み必至。
四爻 安いが、先に行って上がること必至。
三爻 安いが、先に行って上がること必至。
二爻 安いが、先に行って上がる。
初爻 徐々に高騰。
25.天雷无妄(てんらいむもう) □□□■■□ (14,94)
※高騰する兆しはあるが、弾けたらとにかく暴落の一途。投資は控えたほうが良い。
天下に雷鳴を聞く象のこの卦は変動の多い占で、下値はほとんど無く、急激な騰勢を示すけれども、
人気がそれに連られてくるとかえって動かず、人気が見放せば逆に上伸するというような、
予測とウラハラな変動を示します。
[各爻位]
上爻 はじめは高値だが、後に下がる。
五爻 高値。
四爻 持合で先に行って上がること必至。
三爻 意外の相場が現われ、高値。
二爻 安いが、先に行って強調示す。
初爻 高値。先行きは警戒が必要。
26.山天大畜(さんてんたいちく) □■■□□□ (71,79)
※暫くは伸び悩むものの、最終的に価値が高くなる。しだいに上昇機運に向かいつつある。人の意見や報告をあてにすると損をする。
これは小畜とほとんど大同小異の卦と見るべきです。
すなわち内卦の乾の上伸が、外卦の艮のために止められる卦象なので、気配強くとも案外に伸びない占で、
高値保合いと判じるわけですが、上九(上爻の陽線)が艮であればなかなか動かず、
坎であれば少しく下押し、震であれば小幅の浮動と見ます。総じて下落を見ることはほとんどありません。
[各爻位]
上爻 値上がりしていくが、先行き天井を突き、下落。
五爻 下落して、先は持合。
四爻 昇進し、後で勢いをなくして下落。
三爻 安値の後、高値あり。
二爻 上がり気味でたたかれ、下落。
初爻 底意は強いが、伸び悩み。
27.山雷頤(さんらいい) □■■■■□ (74)
※価値はしばらく不安定なまま。新規投資は控えるのが無難。機が熟するのを気長に待つ。
水雷屯に少々似ていて上げと下げとが拮抗して高下を繰り返す占ですが、
屯に反して、いずれかといえば騰勢の方が強く、また活気盛んにして、値幅も屯に比べれば大です。
[各爻位]
上爻 高値。先ではさらに上がること必至。
五爻 安値だが、先で上がること必至。
四爻 今は安いが、先で上がること必至。
三爻 安値。簡単には回復しない。
二爻 安値。簡単には回復しない。
初爻 強いが、先に行って安値。
28.沢風大過(たくふうたいか) ■□□□□■ (25)
※良いと思って投資してもすぐ失敗(下落)する。うまい話が持ち込まれてうっかり飛びつくと大損する。
この卦は大幅な値動きがある占で、多くの場合は大きな下落と判じるのですが、
陽の過ぐるという象を推せば、必ずしも下落一方とは断じ難く、底意は強いと見なければなりません。
初上(初爻や上爻)に離を配している場合は特にその意味が強くなりますが、
たとえ騰勢を示すようなことがあっても持続性はなく、目先の反発にとどまります。
初上の変ずる場合は暴落暴騰の波乱を示す乱調子の相場を現します。
[各爻位]
上爻 高値から崩落。
五爻 目先で一時急騰するが、先で急落必至。
四爻 高値だが、先行きは持合必定。
三爻 高値だが、上げ過ぎて崩落する。
二爻 上がる。
初爻 今は高いが、上げ過ぎて下落する。
29.坎為水(かんいすい) ■□■■□■ (66)
※投資の時期ではない。投資はしばらく様子見。
下値のうえに、更に下落を見る卦で、下げ続けて止まらない占となり、
二五(第二爻と第五爻)の陽爻に坎を配しているような場合には、暴落の占と見なければなりません。
[各爻位]
上爻 下落して、先行き騰勢に転じる。
五爻 勢いを失っていた相場が徐々に活気を取り戻してくる。
四爻 安値からやや上向く様子あり。たいしたことはない。
三爻 下値で小浮動。
二爻 安値で持合。
初爻 大暴落して、簡単には回復しない。
30.離為火(りいか) □■□□■□ (33)
※上がっていく。小さな利益であっても確実性を狙ったほうが良い。油断していると足元をすくわれる。
高値の上にまた高値があるという、非常な亢進の卦です。
躍進的な暴騰を演じることが少なくなく、第二、第五の爻卦に離を配しているような場合には、
特にその意味が強くなり、巽兌を配している場合には、大勢亢進のなかに在って
中途の下押しや波乱を見ることになります。
ただし、第五爻に兌を配して第二爻に巽を配している場合に限り、非常なる暴騰や急転大下落など、
様相一変の相場となることがあり、注意を要します。それは互卦の沢風大過を見るためです。
またこの重離は乾為天の場合と同様に、穏やかな騰勢ではなく、
一面の危機を蔵していることに注意する必要があります。
[各爻位]
上爻 急騰するが、続かない。
五爻 騰勢保つ。
四爻 爆発してからのち崩れる。
三爻 高いが急変あって、先行きで下落。
二爻 安値。先行き昇騰すること必至。
初爻 高値で持合。
31.沢山咸(たくざんかん) ■□□□■■ (27)
※良い状態が続く。即断即決。ひらめきや直感が利益に結びつく。
上下相応ずる卦なので、高下を往来する占とします。
ただし兌の感じて下るのは艮の感じて上るのに比べて自然の勢いなので、高下往来しつつも幾分かは
下押すと見るべきなのですが、上六(上爻の陰線)の爻卦に注意する必要があります。
[各爻位]
上爻 安値で小浮動。
五爻 持合の後、高浮動して下落。
四爻 気迷いしながら下落。
三爻 今高値。先行き下落必至。
二爻 安い。目先で一時上がり、再び崩れる。
初爻 安値。先で様変わりして上がること必至。
32.雷風恒(らいふうこう) ■■□□□■ (45)
※投資しても相場感があまり変わらず、すぐには利益にならない。冷静なって自分の能力や財力を確かめてから行動に移る。
小波乱の占で、しきりに動いて上げも下げも一方に持続することがなく、その値幅は大きくありません。
上下往来のそのいずれが強いかは、初四(第一爻の陰線)の爻卦の如何にあって、
初四に離震を配せば騰勢優り、兌坎を配せば下押し気味となります。
[各爻位]
上爻 崩落も暴騰もあるが、大体は崩落する。
五爻 安値。先行き一時上がるが、また崩れる。
四爻 活気はないが、先行き徐々に上がること必定。
三爻 今は高いが、変動あり。先では安い。
二爻 持合。先行きは下落模様。
初爻 上下ともに行き過ぎた値段に訂正の動きあるが、先に行けば上がることになる。
33.天山遯(てんざんとん) □□□□■■ (17,97)
※損失に繋がる可能性が高い。不調。すべてを中断しないと、被害から脱出しにくい。
現在高値の占とします。ただし、その高値には更に進んでの上伸力はなく、
いずれかといえば、下降への気運を孕んでいます。
九三(第三爻の陽線)に坎を配していれば特にその意味が強くなりますが、
震を配していても下値への動きが蔵されています。
初二に巽か兌を配すれば、高値から大いに動いて安値を見る危険を警戒しなければなりません。
[各爻位]
上爻 天井を突き、急に下る。
五爻 高い。一時は気迷いがあるが、また上がること必至。
四爻 下向きでの浮動。
三爻 勢いがなく、先で下落。
二爻 崩れた後、立ち直る。
初爻 持合で弱含み。
34.雷天大壮(らいてんたいそう) ■■□□□□ (41,49)
※暴騰と暴落の差が激しくなる。暴落しても手放さず、しばらく静観しているとしだいに安定し、やがては以前よりも高い値をつける。
強い騰勢を含んでおり、かつ、急進の傾向を持っています。
特に九四(第四爻の陽線)に震を配していれば、急騰の意味が強くなります。
ただし、坎か艮を配し、しかも、二陰爻(第五爻と上爻)が兌であるような場合には、
大卦の兌の象を強く見なければならないので、気配ばかりが強くて、
実勢はむしろ下押し気味の保合いであることが少なくありません。また、
主卦(第五爻)に震を配して第二爻が兌である場合は、大勢保合いの中での部分高とも判じます。
[各爻位]
上爻 持合。先行き離れて、一時下落し、その後上がる。
五爻 今は高いが、先に行って下がること必至。
四爻 高値で安定だが、先で下がる。
三爻 暴騰して先行きは崩落必至。
二爻 穏やかだが、先で活気を呈し上がる。
初爻 底意は強いが、伸び悩んで持合。
35.火地晋(かちしん) □■□■■■ (38,30)
※価値が上がるため、投資するのに良い時だが、大金をつぎ込むのは避けたほうが無難。
日輪(太陽)の昇り進む象なので、上伸を持続する高値の卦となります。
六五(第五爻の陰線)に離を配している時は特にその意味が顕著となりますが、
坤を配して天地否に変ずるような場合は、不慮のシステムトラブルに見舞われることがあり、
注意が必要です。
[各爻位]
上爻 高い。まだ上がる。
五爻 高騰。
四爻 今は高いが、先行きは崩れる。
三爻 安い。先行き上がるは必定。
二爻 安値。先行き次第に高騰必至。
初爻 高値含み。安値で持合。
36.地火明夷(ちかめいい) ■■■□■□ (83,03)
※価値はしばらく低迷する。売りはある程度の利益は見込めるが、買いは控えたほうが賢明。
地火明夷は、坤の地の下に、離の日輪(太陽)が没した象であり、安値保合いと判じます。
たとえ好材料があったとしても容易に響かぬ場合が多く、また少し上向いたとしても、すぐに下押す傾向があります。
ただし、概ね更に進んでの下値はなく、太陽は地に沈んでも時が経てばやがてまた登ってくることから、
気長に待ち時を経て上伸の機を得る占、とも言われています。
[各爻位]
上爻 暴騰してたちまち崩落。
五爻 安い。先行きは一時上がり、また崩れること必定。
四爻 高値含みで浮動。安値の場合は先行き上がる。
三爻 高値で先行き更に上がること必定。
二爻 安値。更に一段下がるが、先行き上がること必定。
初爻 崩落する。
37.風火家人(ふうかかじん) □□■□■□ (53)
※投資後、非常に緩やかな上り調子になる。大金を投じての買いは控えたほうが賢明。
風火家人は内輪の卦なので、動きは小さいけれども、気配は良好の占とします。
上げて(内卦離)は少し下げ(互体坎)、また上げる(約象離)というような、小刻みな上伸を示します。
また、火起これば風を生じ、風はまた火を煽るというように、
一つの材料が次々と好材料を呼ぶというような成り行きを示したり、出遅れ株が物色されたりする占でもあります。
[各爻位]
上爻 高値だが、先行きは下落必定。
五爻 高値で持合。
四爻 騰貴して利を得ること必定。
三爻 高い。更に上がるが、急変動に注意が必要。
二爻 騰勢を含む一時的持合。
初爻 高値だが、先行きは浮動して下がる。
38.火沢癸(かたくけい) □■□■□□ (32)
※あまり良くない。大きな投資を避けて小口投資に徹する。
始め安く後に騰るか、あるものは高くあるものは安いか、いずれにしても平穏ならぬ卦で、
波乱変化に富む様相を示し、売り手買い手の駆け引きの激烈な意味があり、
上げも下げも仕手関係に依ると見なければなりません。そしてこれがいずれに強く動くかは、
乾を以て坎を包む包卦として、特に三四五爻の爻卦に注目するべきです。
[各爻位]
上爻 高値の様子だが、先行きは下がる。
五爻 騰勢だが安全性に欠ける。
四爻 高いが、先で下がること必至。
三爻 安値。先に行って上がること必至。
二爻 突発材料にて高く上がる。
初爻 安値。先行き一段と下る。
39.水山蹇(すいざんけん) ■□■□■■ (67)
※投資対象の価値が安くなる。直ちにすべて一時中止したほうが良い。しばらく我慢すると好機が巡ってくる。
水山蹇は下げ渋りの卦で、坎の下落を艮を以て阻もうとする下押し気味の保合いと判じます。
したがって、水雷屯のように伸びようとして伸び悩むという積極性はなく、気配も鈍重です。
ただし、六四(第四爻の陰線)に離を配しているような場合には、
互体の離を重視して「雷水解」から「火地晋」に至る中間相場としての「水山蹇」を考え、
先行きの高騰を察する必要があります。
[各爻位]
上爻 徐々に高騰。
五爻 底をつく。安値で持合。
四爻 騰勢前の反落的前奏的浮動がある。
三爻 今は高値だが、先行き安い。
二爻 安値模様。
初爻 安値模様。
40.雷水解(らいすいかい) ■■□■□■ (46)
※良い状態(高騰)になるので、投資には良いタイミング。積極的に投資を行えば儲けも大きい。
安値訂正の反発を示す卦ではありますが、一挙に上伸することは期待されず、
上げては押し、更にまた踏み上げるという動きを現します。その勢いの強弱は二と四の爻卦を以て判じます。
また久しく下値に在った際に得た雷水解(本卦に地火明夷を得て雷水解に変じた場合も同じ)は、
互体の離の上昇の推移を考え、蹇の伸び悩みの経過の後に晋の高値を見る将来の動きを察するべきです。
[各爻位]
上爻 安値から高値に転じる。
五爻 情けなく下落。
四爻 安値で浮動。
三爻 安値模様。先行きは持合必定。
二爻 安値で、先行き活況を示し、上がる。
初爻 安い。目先で上がり、また下がる。やめたほうが良い。
41.山沢損(さんたくそん) □■■■□□ (72)
※暫く価値が安いままだが、いずれ価値が上がる。少々の下落には動じる必要はない。へたに売買を急ぐと損失を大きくすることになる。
安値保合いの中にも少しく下がり気味の卦ではあるけれども、
上爻変ずるか、これにに震を配している場合は、先高の機を蔵しているものと判じます。
[各爻位]
上爻 持合で崩れて動く模様。
五爻 安いが、先行き堅実に好転しそう。
四爻 高騰しそうな様子。
三爻 安値から高値に転じようとしているがイマイチ。
二爻 安値。先行きは強調の様子。
初爻 安値より一段と下る。
42.風雷益(ふうらいえき) □□■■■□ (54)
※上がる時期なので投資に良い。ただ暫くすると下がる時期に入るので要注意。情報収集や勉強などの準備を怠らなければ利益拡大。
巽(風)も震(雷)も共に動きのある変動の卦で、その動きは一途に騰勢を進めるものではなく、
波乱を蔵してはいるけれども、値幅は大きく取引高も多く、大相場の活況を現します。
また、波乱変動ではあっても、決着が下落に終わることはほとんどありません。
特に、互体坤の三陰がことごとく離を以て占められているような場合は、暴騰と判ずべきです。
[各爻位]
上爻 高いが、先行きは伸び悩み必定。
五爻 高値。先行きは伸び悩む。
四爻 今は安値。先で上がるは必定。
三爻 安値。先で上がるは必定。
二爻 安値。先で上がるは必定。
初爻 高値だが、先で波乱を示しのち下がること必定。
43.沢天夬(たくてんかい) ■□□□□□ (21,29)
※強引な投資は控える。投資しても暴落ないしは大暴落して損失に繋がりやすい。
消長卦の雷天大壮が更に一陽を加えてその勢いを増した卦なので、非常に激しい足取りの騰勢を示す占であり、
外卦の兌は震から奮進して一陽を加えた兌なので、沢水の下値を見ることはありませんが、
上爻の爻卦に兌を配しているならば天井の一歩手前で下押すと見なければならず、
上爻に坤を配して次の足で乾為天に変化するならば、高値の上に更に一段の高値が予想されます。
[各爻位]
上爻 高値だが、先行きは崩落すること必至。
五爻 高値。一時下押し気配になるが、すぐ戻ってなお上がる。
四爻 勢いなく気迷いの様子。先行きは徐々に上がること必至。
三爻 強く上がるが、先で挫折必至。
二爻 穏やかでしっかりした進み。
初爻 高いが、先行きは上げ過ぎて下落模様。
44.天風后(てんぷうこう) □□□□□■ (15,95)
※投資の時期ではない。賭けない方が良い。勝負にも出ないように。持ち込まれる儲け話には用心してかかる。
突発的な変動を生ずる卦で、高値からの急落を示すことが少なくありませんが、
必ずしも下落一方の卦ではなく、動いて止まらぬ場合が多く、波乱の後に意想外な高値を生ずることもあります。
これまた初六(初爻の陰線)に着目すべきです。
[各爻位]
上爻 高値。先行きは下落必至。
五爻 高い。先行きはなお強い調子で波乱あり。
四爻 人気に反して安い。先行きは波乱。
三爻 高そうだが、先で気迷いしグズグズする。
二爻 強そうだが、先行き安い。
初爻 安いが、先行きは上がること必定。
45.沢地萃(たくちすい) ■□□■■■ (28,20)
※投資は安定していく。儲け話は信じて良い。計画したことは早めに実行すること。
沢地萃は集まるという意味の卦で、荷モタレの嫌いがあり、それに押されて値は下向く傾向があり、
弱含みの保合いの占となりますが、ただし、売り物が多い割には値を下げずにさばけるのは、
大手もしくは大口の買方が控えているか、先行きに好材料が予期されていることを察するべきでしょう。
[各爻位]
上爻 安値。先行きは更に下がること必定。
五爻 高値。先行き更に上がること必定。
四爻 高いが、先行き下がること必定。
三爻 安値。
二爻 安値。先行きは更に下落必定。
初爻 安値。
46.地風升(ちふうしょう) ■■■□□■ (85,05)
※価値は上昇する。今すぐの利益を求める投資は実ることはない。
安値から持ち直して次第に高くなる卦です。
値幅は小さく、また速度も早くはないけれども、段々と漸を追って上伸します。
ただし、初六(初爻の陰線)に兌を配している場合は、下値固めの占と見なければなりません。
[各爻位]
上爻 暴落する。
五爻 大いに上がる。
四爻 安値。先行きでは持合必至。
三爻 高値。いっそうまっしぐら。
二爻 強いが、先行きは伸び悩み、再度強調に転じる。
初爻 安値だが、先行きは上がること必至。
47.沢水困(たくすいこん) ■□□■□■ (26)
※低迷する兆しがある。動かないほうが良い。暫く情勢を見守ると、本当の価値がわかってくる。
堤の水が漏れるようにジリジリと下げる卦で、たとえ小さな反発があっても、大勢の下降を如何ともし難い占です。
ただし、急激な下落や大幅の下値を見ることはほとんどありません。人気や取引も閑散低調と判じます。
[各爻位]
上爻 安値。更に下落。
五爻 高値だが、先行き下放れ必至。
四爻 下落する。
三爻 暴落し、先に行ってもなかなか回復しない。
二爻 強気の気配だが、伸び悩み、先行き下がる。
初爻 安い。更に一段挫折し、なかなか回復しない。
48.水風井(すいふうせい) ■□■□□■ (65)
※価値はあまり変化しない。現状維持のための努力をした方が良い。早急に儲けようとは思わずに時間をかける。
下値から吊り上げてはまた下げ、吊り上げてはまた下げるというように、上下を往来する卦で、
その値幅も大して大きくはなく、また上に突き抜けることも困難で、
上げたら必ず押されるものと察しなければなりません。
[各爻位]
上爻 高いが、先行き下落する。
五爻 安値。先行き一掃の下落。
四爻 安値。先では更に下落模様。
三爻 強そうだが、このまま上がらずに下押しの様子。
二爻 強調だが、先で下落必至。
初爻 安値。先行きで次第に強調に向かうこと必至。
49.沢火革(たくかかく) ■□□□■□ (23)
※混乱・波乱の予兆がある。ここ一番で勝負をかけ、他人がやらないような裏をかく作戦で行くと、意外なほどに成功する。
兌の水は下げ、離の火は上げようとして高下往来、売り手買い手の争いが熾烈な卦です。
しかも、これまでの相場を一新するような機微を孕んでいます。
それが高値に動くか安値に動くかは、第二爻と上爻の爻卦に注目すべきで、
第二爻に離を配していれば下げ足を克服し、上爻に兌を配していると騰勢を抑制します。
また、第二爻に離を配して上爻に兌を配している場合は、上下の往来が激化します。
[各爻位]
上爻 今は高いが、様子が変わって崩れる。
五爻 高値。更に上がること必定。
四爻 高値。先行きに上がり、その後下落必至。
三爻 高いが、先行き浮動して下がる。
二爻 今は高値だが下がる。
初爻 底意は強いが伸び悩み、先に行き次第に強調となる。
50.火風鼎(かふうてい) □■□□□■ (35)
※投資したものの価値が上がる。ただ、あまり大きな勝負には出ないほうが良い。
高値浮動の卦で、上げ相場を持続して好況を呈する占ではありますが、
人気の湧いた所で急反落を演ずることが少なくありません。
ただし、反落してもそれ以上の下押しはなく、再び上げに転じます。
途中で一応利食いしてまた押し目を買うというのが火風鼎を得た場合の最善策です。
停滞不振の時にこの卦を得れば、旧態を一新して新しい動きが始まる占とします。
[各爻位]
上爻 下落する。
五爻 下落する。
四爻 挫折し、崩落する。
三爻 騰勢は頓挫して、先行き下押し。
二爻 強い。一時は気迷いがあるが、上がること必至。
初爻 今安いが、先行き上がるは必定。
51.震為雷(しんいらい) ■■□■■□ (44)
※良い状態になるので、投資に適した時期。調子に乗りすぎると失敗する。
反発上伸して再びまた一段と上伸する、上昇を繰り返す卦ではあるけれども、
踏み上げた次には必ず一旦抑止の段階(二三四の艮)があり、続いて若干下押し(三四五の坎)、
そして次にまた反発するという段階を辿る事が多く、その上伸と抑止と下落と再反発の力の強弱は、
九四(第四爻の陽線)の爻卦の如何によります。従って一気の高騰を見ることはほとんど無く、
激しく上げても持続性を欠くので、人気の割には実勢が伴わない傾向があります。
[各爻位]
上爻 変動が多く、強そうだが、先行きは下落必至。
五爻 波乱が多いが、先行きは下がること必至。
四爻 沈んだまま勢いない。先行きは次第に高騰へ向かう。
三爻 変動激しい。しかし、高くなる。
二爻 安値で更に一段下がるが、間もなく勢いを取り戻す。
初爻 高値。先行き更に上る。
52.艮為山(ごんいざん) □■■□■■ (77)
※暫く価値は均衡する。新規投資は今は控えた方が良い。
連なる山々を意味することから、基本的には高値保合いの占です。
艮の上に艮を重ねているのは、高い上に更に一段高を見ることになりますが、
それには時間的な間隔を必要とします。
また、高値安値ともに現に波乱のときにこの卦を得ると、変動が収まって落ち着くと判じます。
保合いの時にこの卦を得て、九三(第三爻の陽線)の一陽に震坎のいずれかを配していれば
変動を生じると見、上三(第三爻と上爻)の二陽に震坎艮のいずれを持しているかに特に注目すべきです。
[各爻位]
上爻 高値。天井相場となり、下落する。
五爻 軟弱な様子で持合。先行き強調に向かうこと必至。
四爻 安値。先行きは勢いなく、持合。
三爻 強調で持合。先行き崩れること必至。
二爻 安値。
初爻 勢いがない。
53.風山漸(ふうざんぜん) □□■□■■ (57)
※次第に価値が上がるので、今がタイミングとも考えられる。わずかずつ儲かるようになる。
風山漸は行き進む卦なので、漸次に上伸すると見ますが、既に高値にある場合には、
更に一段の高値を見ることはなく、保合い気味の浮動と判じます。
[各爻位]
上爻 上がりそうだが、騰勢は止まり、勢いをなくす。
五爻 昇騰するが、騰勢は止まり、伸び悩む。
四爻 一時は上がり、持たずにのち崩れる。
三爻 安値。
二爻 安値回復して、先行き強調に向かう。
初爻 安いが、先行き徐々に上がる勢いあり。
54.雷沢帰妹(らいたくきまい) ■■□■□□ (42)
※一見良く感じるが、実際はそうでもない。地道に研究し、冒険などは手控えたほうが無難。
変動を示しつつ上に動く卦ではありますが、秋に奮う雷で時を得ていないために大した高値ではありません。
始め兌の安値、二三四の離の上騰、三四五の坎の急落、四五上の震の反発というように、
少変動を示すと断じます。
[各爻位]
上爻 安値。更に下がっていく。
五爻 高値。更に目先で上がり、先で下落必定。
四爻 底意は強いが、伸びない。先行き上がる。
三爻 安値。更に一段下がり、のちに回復して上がりそう。
二爻 上がらず挫折。先行きは上がること必定。
初爻 底意は強いが、伸び悩み、先行きは一時下押し、その後上がる気配。
55.雷火豊(らいかほう) ■■□□■□ (43)
※投資には良いタイミングだが、焦って早急に利益を得ようとすると失敗する。
夏日に雷鳴を聞く激しさを持つ卦であって、急変動を示す占となります。
ただしその上伸力には持続性が無く、人気の湧く割には実勢の伴わない場合も少なくありません。
また、九四(第四爻の陽線)に艮坎を配しているならば、少し上げたところでかえって売り物をかぶり、
大きく下げる嫌いがあります。
[各爻位]
上爻 高値の様子だが、先行き下落。
五爻 今は高値だが下がり、先で変動し波乱は必定。
四爻 強いが、先に行って下落すること必定。
三爻 高値。先行きは更に上る。
二爻 勢いがないが、先行き上がる。
初爻 底意は強いが、伸び悩み、先で上がるは必定。
56.火山旅(かざんりょ) □■□□■■ (37)
※不安定で見通しが不明瞭な状態になる。たとえ、負け続けでもぐっと辛抱することが肝心。
これは山上に火の燃え移る卦なので、高値浮動の占とします。
ただし、山上を離れて更に上伸する理は無いので、値幅は小さく、また、横ばいの傾向があります。
[各爻位]
上爻 波乱動揺激しいが、強調の様子。
五爻 騰貴する。
四爻 高値。先行き伸び悩み。
三爻 高値。先行き更に上る。
二爻 安定して動かない。
初爻 安い。先行きは上がる。
57.巽為風(そんいふう) □□■□□■ (55)
※この時期の投資は控えた方が良い。年上で博識のある人と交流をもつと利益のある投資に結びつく。
これは変動の激しい卦で、部門別に次々と変動の移って行く意味もあり、
また初めに動いたものにその変動が返って来ることも少なくありません。
ただし、変動の激しい割に一方に大幅に動くことは無く、上げ下げ共に持続性がありません。
[各爻位]
上爻 今は高値の様子。先行きは下落必至。
五爻 高値の様子。先行きはしばらく持合。
四爻 安い。先行きは更に下がる。
三爻 強そうだが、先行き波乱となり、結局下落。
二爻 安値。先行きは漸騰必至。
初爻 一進一退で持合。
58.兌為沢(だいたく) ■□□■□□ (22)
※今は景気が良い状態が続くが、ほどほどに。高望みはしないほうが良い。
兌為沢は安値保ち合いの占としますが、底の下にまた底のある象よりして、
更に一段の下落をも見透さねばなりません。六三(第三爻の陰線)の爻卦には特に注目の要があります。
しかしまた、兌は一面において底が固まる象もあるので、底値からの持ち直りは近いと判じます。
[各爻位]
上爻 下値から上向く。
五爻 持合から波乱含み。
四爻 強弱両面から見て気迷う様子。
三爻 崩落の様子。
二爻 下値より動く気配あり。
初爻 底意は強いが、周囲の情勢により伸び悩み。
59.風水渙(ふうすいかん) □□■■□■ (56)
※投資をしても少し先の未来で価値が下がってしまう。暫く見送る。
安値訂正の動きがある卦ではあるけれども、その動きは緩慢で且つ力の弱い傾きがあり、
九二(第二爻の陽線)に坎を配しているような場合には却って一段の下落を見ることが少なくありません。
[各爻位]
上爻 高値。先行きは暴落。
五爻 小高く動いて、のちは持合。
四爻 今は安値だが、予想外の動きで先行き上がる。
三爻 下値から上向いて、変動する。
二爻 底価をつき、上向く波乱を示す。
初爻 下値持合から、急騰しそう。
60.水沢節(すいたくせつ) ■□■■□□ (62)
※良くも悪くもない。少しなら儲けることができるが、身分不相応な投機はやらないほうが良い。
水沢節は安値保合いの卦で、動いても小高下に過ぎず、人気は引き立たぬけれども、
これ以上の下落を見ることは殆どありません。停滞不振の相場と判じます。
ただし、九五に変のあるときは、底値からの急反発を現します。
これに反し、初二の爻卦に坎を配するときは、底値を割っての下落を見ます。
[各爻位]
上爻 持合から動こうとしている。
五爻 下値から急騰。
四爻 安値で持合。
三爻 高値含みだが、頭が重い。
二爻 活況の兆しがあるが、まだその勢いが出てこない。
初爻 下げ渋りながら、下押し。
61.風沢中孚(ふうたくちゅうふ) □□■■□□ (52)
※幸先が良い。投資には良いタイミング。粘るほどうまくいく。しかし、私欲に走りすぎると損をする。先手を打つとかえって大損しがち。
安値の小浮動と見ますが、三四(第三爻と第四爻)の二陰に離を配しているような場合には、
大卦離の象が強くなるため、意外な高値を示すことになります。
ただし、その場合でも、その高値には持続性が無いものと判じなければなりません。
[各爻位]
上爻 上がっていくが、先で崩落必至。
五爻 高いが、先行きは下落。
四爻 安いが、先行きは強調に転じる。
三爻 安い。先行きは勢いはないが、高めで落ち着く。
二爻 下値の持合より、上昇に転じそう。
初爻 少し高すぎ。訂正安あり。
62.雷山小過(らいざんしょうか) ■■□□■■ (47)
※価値が上下しやすい時期。誘惑に負けると大損する。成り行きを見届けること。
上げも下げも過敏に動く卦ではあるけれども、その値幅は大きくありません。
陽爻が衆陰に阻まれているので、概して高値は望めませんが、ただし四陰が悉く離を以て占めている場合などは、
鳥の飛び立つような突飛高を演じます。これに反して三四の二陽に共に坎を配しているときは、
全卦の坎の意が強くなって暴落を来します。
[各爻位]
上爻 崩落する。
五爻 高値で持合で、なかなか下がらない。
四爻 今高いが、先で下がる。
三爻 他に引きずられ、急に下落。
二爻 安値。先行きは持合必至。
初爻 安値。一時暴騰するが、また崩落。
63.水火既済(すいかきせい) ■□■□■□ (63)
※少し先の未来で投資先の価値が下がる可能性がある。一攫千金の夢を捨てて綿密な作戦を練って投資すれば僅かな利がある。
上げには、これを制する材料があり、下げには、またこれを阻む条件が控えているというように、
上下ともに動かず閑散を示す場合が多く、また、上げれば次には必ず同じほど下げ、
またその下げには踏み反しがあるというように、たとえ動いても上下の往来を繰り返すに過ぎない占です。
[各爻位]
上爻 暴落。
五爻 下落。
四爻 安値で持合。
三爻 伸び悩みて変動あり。
二爻 高値で持合。
初爻 下落の勢いだが、高値を望んで持合。
64.火水未済(かすいびせい) □■□■□■ (36)
※徐々に価値が変わる。儲けを焦ると不利な状況に追いやられる。初めは負けるが、後半になり、ここ一番で勝負に出ると利益がある。
天水訟とよく似た卦で、やはり部分的な高下の占としますが、天水訟のような険悪さはなく、
平穏な状況を示すので、高いは高いなりに、安いは安いなりに、保合いの小康を現す時ではあります。
したがって、動いても小幅の往来に過ぎませんが、往来しつつもいずれかといえば、少しく上伸を辿ります。
ただし、部分的に示された高下は真の価値を示さずに不当な値段にある場合が多く、
時をえて、訂正上げ、訂正下げが行われる気運があります。
[各爻位]
上爻 上がりそうだが、反動崩落兆候あり。注意がいる。
五爻 高値。先行きに波乱必至。
四爻 停滞していたものが、急に動いたり、下落したものが元の値に戻ったりする。
三爻 安値。
二爻 騰勢にあるが、制されて持合。
初爻 今は安値だが、先行き更に一段崩落必至。