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市議会の動き 2010〜2014年(3月)

市議会の動き 市議会に提案された全議案と採決結果、各会派の賛否
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施政方針に対する代表質問を行いました
『声と眼』469号 2014/3/11

 2月11日、市長の施政方針に対する各会派の代表質問が行われました。私は《市民の政治を進める会》を代表して、市長の政治姿勢などを質問しました。

放射能から子どもたちを守るために

 2月3日に行われた市長の施政方針演説では、福島第1原発事故や放射能被害については一言も触れませんでしたが、いまだに原子力非常事態宣言は継続されていて、事故現場からは毎時1000ベクレルもの放射性物質が放出され続けています。
福島から久喜市内に避難している人々もいます。
放射能の測定などの対策を継続していくよう求めました。

 原発に依存しない社会を作っていくために、久喜市の取り組みを求めました。
東電以外の電力事業者からの電気購入を進めたり、民間住宅への太陽光発電システム設置費補助金の拡大も必要です。
特に、公共施設への太陽光発電システムの設置を拡大していくために、民間資金の導入を提案しました。すでに多くの自治体で、民間事業者に屋根貸しして太陽光発電を拡大しています。
減価償却が終わった後は市に移管して売電収入が市の収入になる仕組みです。
久喜市でも取り組むよう提案しましたが、市長は消極的な姿勢に終始しました。

障害者差別解消法を生かすために

 昨年、障害者差別解消法が国会で成立し、社会的障壁を除去するために、行政が“必要かつ合理的な配慮"を行う義務が課されました。久喜市でも職員の対応などの行政のあり方や施設設備の改善を進めるために具体的な検討を進めるよう求めました。

人口減少社会にどう対応するか

 久喜市は人口減少に向かっていて、現在の人口15万人から20年後には2万人減、15歳未満の子どもは現在の1万7000人から6000人の減と予測されています。
人口も財政も縮小していく中で、公共施設の新増設は困難で、統廃合や複合施設化を進めること、道路や下水道も維持管理に重点を置くなど、公共施設の管理のあり方を転換していく必要があります。

衛生組合のごみ処理計画の見直しも

 久喜宮代清掃センターの焼却炉立て替えは2016年に着工の計画ですが、周辺住民との協議がまったく進んでいません。
このままでは2019年に新焼却炉の稼働は不可能で、久喜市のごみ処理が破綻しかねません。
田中市長自身が住民との話し合いを進めるべきです。
場合によっては久喜市全体のごみ処理計画の見直しも必要になってきます。

久喜市政で、首長多選の弊害は?

 田中市長は現在、旧久喜市から通算で5期を務めています。
首長の多選は職員の追従的姿勢を生みやすく、新たな発想や政策を取り入れる意欲が希薄化してマンネリに陥りやすいと言われます。
久喜市でも『現状でうまくいっているのだから変える必要はない』として、現状維持の体質が生まれているのではないでしょうか。
市議会で議員の政策提言に対して、「現在のところ考えておりません」という答弁が多いのですが、これなども新たな政策を取り入れようとする意識が薄いのではないでしょうか。

 また、市議会の質問で市長の政治判断を求めても、田中市長はなかなか答弁に立とうとしません。
委員会では最初の挨拶だけ終えるとすぐに退席して、公務と称して庁外へ出かけてしまうこともあるようです。
国会でも県議会でも首相や知事が委員会で答弁に立つのはあたりまえですが、久喜では市長が委員会に出席することもほとんどありません。
市議会や行政のこうした体質も、首長多選の弊害の表れではないでしょうか。
田中市長自身がそうした現実を認識して、行政体質や政治姿勢を改めていく努力が求められています。



★久喜市議会の代表質問や一般質問の録画映像をインターネットで見ることができます。《久喜市のホームページ → [インターネット議会中継]へのリンクをクリック》★ 

議会費の来年度予算要求額は3億円
2013/11/14

 来年度の久喜市の予算編成作業が始まっています。
久喜市議会の予算要求額は事務局職員人件費を除いて約3億335万円で、2013年度より1653万円(5.2%)減となりました。
来年4月から議員定数削減となるため議員報酬と期末手当の合計は1億8472万円で2013年度予算より約1700万円減、政務活動費は1089万円で703万円増(1人月2万円から3万円に増額)となります。
その他の主な事業経費は、会議録の作成とインターネット検索システム1506万円、議会だより発行費用370万円、本会議のインターネット中継などの経費が232万円、議員用パソコンのリースとインターネット接続などに250万円を予定しています。

これらの金額は予算要求額です。
これから査定が行われる中でさらに減額されるかもしれません。


【9月市議会】 「消費税増税中止を求める意見書」に賛成討論をしました
2013/10/3

 9月市議会に、共産党が「消費税増税中止を求める意見書」を提出しました。
 最終日の10月1日に、審議・採決の結果、賛成は共産党の議員4人と猪股、飛翔の鈴木・松村議員の全部で7名。他は全部が反対したので否決されました。
 私は以下のような賛成討論をし、今のこの時期に消費税の増税はするべきでないと訴えました。

【9月市議会】 「消費税増税中止を求める意見書」に対する賛成討論

 私は基本的には、日本の今後の高齢化社会における社会保障・社会福祉の財源として、消費税は重要な財源として引き上げが必要であると考えています。
 しかし政府が来年4月から税率8%に引き上げようとしている消費税増税は、今この時期においては行うべきではない、中止するべきであると考えます。

1.安倍内閣は、来年4月に消費税率を8%へと引き上げる方針を固めたと言われています。
 しかしその一方で、景気の落ち込みを防ぐためとして、公共投資の追加、復興特別法人税の前倒し廃止、設備投資に関わる固定資産税の減免など、総額6兆円規模の経済対策を検討しているとされています。
 これは、事実上、消費税増税分の大部分を企業減税と公共投資などの景気対策に回すと言われても仕方がない、企業優遇、家計軽視の政策そのものです。
 消費税増税時に低所得層への現金給付を行う方針にしても、6兆円規模の経済対策の1割にも満たない規模で、しかも1回限りの措置にすぎないで、こうした現金給付が将来の支出増に備えた貯蓄に回されて消費を支えるものにはならないことも、容易に推測できます。
 本来であれば消費税自体に軽減税率などの逆進性対策を盛り込むべきものですが、それは先送りされようとしています。

2.国土強靱化という名の高度成長時代以来の旧来型の大型公共事業、成長戦略という名の設備投資減税などが行われようとしていますが、しかし、企業の内部留保は拡大し、株価は上がっても、現在の経済状況は、設備投資が進まず、勤労者の基本給賃金は2年連続で低下している現実からすれば、消費税を引き上げる状況にはないことは明らかです。

3.復興特別法人税の廃止は、「今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合う」という復興基本方針に反し、企業の負担すべき部分を国民にツケ回しするもので、不公平と言わざるをえません。
 また、消費税増税が被災地の復興や被災者の生活再建に与える影響は大きく、被災地復興を遅らせることにもなりかねません。

4.今朝(10月1日)の埼玉新聞に、全国都道府県知事の消費税増税に対するアンケート結果が掲載されていて、埼玉県の上田知事は消費税増税それ自体には賛成だが、次期については来年4月でなく、延期を求めるという回答でした。
 これも、景気や生活への悪影響を判断してのことと考えられるのであって、私も上田知事の姿勢に共感します。

5.もともと消費税率引き上げは、社会保障と税の一体改革として進められるべきものであったはずです。
 ところが、一体改革どころか、すでに年金の特例部分の減額や生活保護水準の引き下げから始まり、今後、70〜74歳の医療費自己負担1割特例の廃止、介護の一律1割の自己負担割合の見直し、「要支援1、2」の介護保険サービスからの切り離し、「最低保障年金」を柱とする抜本改革案の見送りなど、社会保障の「充実」どころか、負担増と給付カットの「痛み」を強いる社会保障の切り捨てメニューが次々と打ち出されている。
 これでは将来の高齢化社会に備えた福祉財源としての消費税とはとうてい言えない、国民の理解は得られません。

6.消費税増税が、社会保障ではなく、法人税等の減税による減収分の穴埋め、企業負担軽減と公共事業の財源として使われることが次第に明らかになりつつある。
 しかも、円安に発した物価上昇が激しさを増しつつある中で、国民の生活悪化につながる、また消費の落ち込み、経済への悪影響も明らかな、来年4月の消費税8%への引き上げは中止するべきである。

議会運営委員会委員など、議会の役割分担の変更
2013/7/5

 「市民の政治を進める会」結成に伴って、議会の委員配分などが少し変わりました。

 新会派結成に伴って議会運営委員会の定数を1人増やして10人とし、市民の政治から猪股が入りました。
また、衛生組合議会議員の配分も会派人数に応じて変更となり、市民の政治の猪股は継続、飛翔は1名減、政策会議から2名を選任することになりました。

市議会内の役割分担の変更
各会派の議員 ◎代表 議会運営委員会委員 広報委員 衛生組合議会
市民の政治を進める会 2名 ◎猪股和雄、田村栄子 猪股和雄 田村栄子 猪股和雄
政策会議 6名 ◎石川忠義、春山千明、新井勝行、内田正、園部茂雄、富澤孝至 石川忠義、春山千明 園部茂雄
[1人追加]
内田正 [1人追加]
飛翔 16名 松村茂夫、鈴木松蔵(自民党)、岸輝美、
鈴木精一(みんなの党)、井上忠昭、宮崎利造
盛永圭子、青木信男、鎌田忠保、並木隆一、大鹿良夫
◎山田達雄、柿沼繁男、上條哲弘、梅田修一、田島行雄、大谷和子
鈴木松蔵、山田達雄、盛永圭子
並木隆一、梅田修一
大谷和子
盛永圭子
並木隆一
井上忠昭
鈴木精一、大鹿良夫
盛永圭子、鈴木松蔵
梅田修一
[1人減]
公明党 5名 ◎戸ヶ崎博、岡崎克巳,斉藤広子、矢崎康、足立清 足立清 斉藤広子 戸ヶ崎博
共産党 4名 ◎木村奉献、渡辺昌代、石田利春、杉野 修 杉野 修 石田利春 木村奉献

またまた正副議長のたらい回し
『声と眼』451号 2013/3/20

 2月定例市議会は3月19日に閉会しました。
 議案の採決後に、正副議長から辞表が提出されました。政策会議と共産党、無会派の12名は辞表の受理自体に反対しましたが、飛翔と公明党の賛成で辞職が成立し、正副議長選挙が行われました。

《議長選挙》
鎌田(飛翔) 21票 飛翔16+公明5
石川(政策会議) 8票 政策7+無会派・田村
木村(共産党) 4票 共産4
 
《副議長選挙》
岡崎(公明) 21票 飛翔16+公明5
富澤(政策会議) 8票 政策7+無会派・田村
渡辺(共産党) 4票 共産4
 
 合併後は正副議長は1年交代。
−議長は飛翔の中の旧4市町で、地区のバランスというよりも組織維持のためのたらい回し、副議長は飛翔と公明で2人ずつ、4年目で正副議長8人の大量生産となりました。
人事の私物化と役職の分け合い優先では議会の責任は果たせません。

総合振興計画基本構想・前期基本計画に、放射能汚染対策の明記を要望しました
2012/12/24

 12月21日、市議会最終日の本会議で、議案の討論・採決が行われました。
 私は、「久喜市総合振興計画基本構想および前期基本計画」の議案に対して、以下の討論を行い、賛成しました。

総合振興計画基本構想・前期基本計画に対する賛成討論

猪股和雄

 私は本会議の議案質疑で、前期基本計画の大綱2 自然とふれあえる、環境に優しいまち、2.快適な生活環境の創造、(3)公害等の環境問題への対応で、
 特に久喜市における放射能汚染対策について、具体的な取り組みを明記するよう求める。

 原案では、
「公害苦情等が発生した場合には、速やかに現状確認し、問題の解決を図っていきます。
 また、大気や水質、騒音、空間放射線量等の現状を把握するため、公害等監視調査を実施するとともに、データを蓄積し、環境の安全性を確認します」と書かれている。

 しかし、地域における環境への放射能汚染は、空間放射線量の問題だけにとどまらず、土壌や水、飲食物の放射性物質の汚染などがあり、現に久喜市行政として、空間放射線量の測定に加え、土壌や給食等の飲食物の放射性物質検査も実施している。
 さらにホットスポットにおいては、除染作業なども行ってきている。
 放射能汚染対策は、一般的な公害問題の枠の中で取り組むのはおのずから限界があるし、現に取り組んでいるこれらの施策を、放射能汚染対策の推進として明記するべきである。

 議案質疑において、環境経済部長は、「公害苦情等」の「等」の中に放射能汚染も入るという解釈を示されたが、この解釈はいかにも苦しい。
 原文の拡大解釈で放射能汚染対策をムリに入れても、この文章を読む市民にはわからないし、素直に読む市民には、放射能の汚染には触れていないと理解されてしまう。
 そこで、2段落目の「空間放射線量等」のところは、「環境中の放射能汚染等」と明確にするべきである。

 また、原案の「主な取り組み」が書かれているところで、放射能汚染について「対策の充実」の文章が欠落している。
 ここも、「空間放射線量の測定・監視」とあるのを、「環境中の放射能汚染の測定・監視、対策の充実」とするべきである。

 総合振興計画の議会審議にあたっては、大綱的な計画の体系を審査するのであって、こうした施策の内容についての、細かな文章表現については、それ自体が一言一句変更のできない議案として提案されているわけではないとされているから、総合振興計画特別委員会教育環境委員会の審議において、企画政策課長が、
 『文言等の考え方でございますが、誤字、脱字、また趣旨や意味の変わらない軽微な文言の整理につきましては、分科会のご審査を踏まえ、製本するまでによりわかりやすい表現となりますよう今後調整してまいります』
と答弁している。

 この“調整”の際に、この環境中の放射能汚染の対策についても、調整検討するよう求める。

 福祉健康委員会においても、特に成果指標の項目の選択と指標の設定に仕方について、必ずしも適当でないと思われる点について、いくつか指摘しておいた。累計の数値と年度ごとの目標数値がごっちゃに記載されていたり、実数よりも率を載せるべき箇所もある。こうした指摘についてもわかりやすい指標に整理するよう求める。
 また今後、新たに中長期計画を策定する場合、成果指標として、施策の実施が市民にどれくらい理解され受け入れられているかを示す「市民満足度」という考え方を取り入れるよう求める。

 久喜市の新総合振興計画を策定
『声と眼』446号 2012/11/26


 「久喜市総合振興計画」は、久喜市政の最も基本となる将来像を示すもので、2022年度までの10年間の基本構想と、5年間の前期基本計画からなっています。
一昨年に総合振興計画審議会が設置されて策定作業が進められてきました。
11月定例市議会に「総合振興計画案」が提案され、審議・決定することになりました。

 同時に「久喜市都市計画マスタープラン」の案も提案されます。
これは、総合振興計画を踏まえて、今後20年間のまちづくりの基本的な方針を、新久喜市の「全体構想」および旧4市町ごとの「地区別構想」としてまとめています。

 2010年の合併後、市の各分野の基本計画づくりが進められてきました。
これまでに「地域福祉計画」「障害者(福祉)計画」「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」「健康増進計画」「食育推進計画」などが策定されてきました。
さらに現在は、「環境基本計画」「教育振興基本計画」を策定作業が進められています。

 久喜市議会では、総合振興計画基本構想の他、都市計画マスタープラン、地域福祉計画、環境基本計画を議会で議決すべき事件として定めており、さらに11月議会で、教育振興基本計画も議決事項に加えることになっています。
これに基づいて、環境基本計画と教育振興基本計画は来年2月議会に提案され、審議される予定です。

 総合振興計画は7項目の政策大綱からなっていて、市議会では特別委員会を設置して、総務、建設、福祉、教育などの分科会に分かれて細かく審議・検討します。
基本構想・前期基本計画は全部で160ページに上りますが、各分科会とも審議日程を実質1日ずつしか確保していないので、どれだけ審議が深められるか注視する必要があります。

放射能対策を計画に位置付けるべき

 昨年の3・11福島第1原発事故によって放射能が広範囲に拡散し、埼玉県や久喜市内でも汚染が広がっています。
市では空間放射線量の測定や土壌の検査、給食食材の検査などを実施しています。
前期基本計画には「公害等の環境問題への対応」「地域環境の保全」「地球環境問題への対応」などの政策が掲げられていますが、放射能汚染対策については「大気や水質、騒音、空間放射線量等の現状を把握するため、公害等監視調査を実施するとともに、データを蓄積し、環境の安全性を確認します」としか書かれていません。
放射能汚染は今後数十年にもおよぶ最大の環境問題です。子どもたちを被ばくさせない、特に内部被ばくから子どもたちを守る施策を、基本計画の中に位置付けて積極的に進める必要があります。

野球場の建設を求める請願は「趣旨採択」となった
『声と眼』439号 2012/6/27

 6月定例市議会に、久喜市野球連盟が中心となって、「正規野球場の早期建設を求める請願」(署名数9399名)が提出されました。
新久喜市内に高校野球の公式試合ができる球場の建設を求めるものです。
飛翔を始め、政策会議、公明党の各会派の議員が紹介議員となっていたので、まず問題なく採択されるだろうと予測されていました。

 建設上下水道委員会では、岸議員が紹介議員の代表として説明に立ったのですが、飛翔の委員から、公式試合のできる野球場は、面積がどれくらい必要かとか、建設費用はどれくらいかとか、問題点ばかりの質問しつこく出されていたのですが、岸議員はすべて打ち合わせができていたようで、それらの質問によどみなく細かく答えていました。
 もっともその質疑応答はすべて打ち合わせの範囲内であって、財政がたいへんだから実現はできないという結論を導き出すためのやりとりであったようです。

 建設上下水道委員会の採決の前に、飛翔の並木議員から、「趣旨採択にすべし」という動議が提出されました。
 「野球場建設の要望は理解できる。しかし合併間もなく財政基盤が確立していない。まず最優先すべきは生活基盤、生活環境の整備の充実であって、多額の建設費、維持費のかかる正規野球場の建設には時間をかけ検
討すべきと考え、趣旨採択として取り扱うべきである」というのです。

 この動議を受けて、委員長が「趣旨採択」とすることに賛成の方はご起立ください」とやって、可決し、趣旨採択になりました。

 25日の本会議でも、委員会の結論を受けて、原案ではなく「請願の趣旨について」だけの採決が行われ、賛成多数で可決されました。
請願の紹介議員となって署名した3名(飛翔の岸、政策会議の新井、公明党の岡崎)は、原案を採択してほしいという立場に立たざるをえませんから、「趣旨だけ」の採決に賛成するわけにもいかず、「反対」しました。

「趣旨採択」とは、『言いたいことはわかるけれど、実現はできない』という意味で、事実上の否決と同じことです。
よりによって、紹介議員代表の岸議員の所属する最大会派の中から、事実上の否決を意味する「趣旨採択」の動議が出されたのは驚きでした。

「趣旨採択」とは何か

請願の趣旨採択は『実現はムリだが、否決するのはかわいそう。請願の趣旨だけは認めよう』という、請願者の顔を立てる玉虫色の決着です。
議会は本来は、請願について「採択」するか「不採択」とするか、2つしか選択肢はないはずで、事実上は否決なのに、「採択」されたように見せかける「趣旨採択」というやり方は好ましいことではありません。

 この場合、議会の取るべき対応は次の2つの方法があったと思います。
(1)野球場建設自体は認めようというのであれば、議会としてはひとまず請願を採択しておいて、いつ、どの程度の規模のものを、どこに建設するかは行政執行部の検討に委ねる。
(2)議会として財政問題などを十分に検討した上で結論を出そうというのならば、「継続審査」にする。

 このいずれの方法もとらないで、玉虫色の結論である「趣旨採択」としたのは、はっきり言えば議会の“逃げ”であり“ゴマカシ”に他なりません。

 一方、飛翔以外の会派の議員は、議会の半数を握る最大会派が「趣旨採択」で突っ走ってしまった以上、採決で「反対」をすれば請願自体の否定になりかねないので、しぶしぶ趣旨採択に“賛成”したというのが実情でした。

委員会等の構成を変更しました
『声と眼』438号 2012/6/5

 久喜市議会では、委員会条例で、議会の委員会等の任期は2年と決められているので、6月4日、定例市議会の初日に、常任委員会委員が改選されました。
 
代表者会議と委員会の構成
委員長  ●副委員長
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
代表者会議 石川 富澤 山田 梅田 盛永 鈴木 足立 木村
議会運営委員会(9人) 石川 春山 並木 ●盛永 梅田 鈴木 山田 岡崎 杉野
総務財政市民委員会(9人) 新井 内田 鈴木 井上 上条 松村 山田 ●足立 木村
福祉健康委員会 (9人) 猪股 ●盛永 田島 大鹿 岸  矢崎 斉藤 渡辺 田村
建設上下水道委員会(8人) 園部 富澤 鎌田 宮崎  梅田 並木 ●岡崎 石田
教育環境委員会 (8人) ●春山 石川 大谷 柿沼 青木 鈴木 戸ヶ崎 杉野
予算決算委員会(32人)
 議長と監査委員を除く全員
●園部
(7名)
大鹿
(15名)
(5名) (4名) (1名)
圏央道対策特別委員会(8名) 園部 内田 青木 ●鈴木 鈴木 宮崎 岡崎 木村

 各委員会の正副委員長などのほとんどの役職は、事前の予想通りに、議会の半数を占める“飛翔”の中で分け合いました。
 福祉健康委員会だけは、9人の内飛翔が4人と少ないため、公明党から委員長を出し、また総務委員会と建設委員会の副委員長も公明党に分けることで、事前に話が付いていたようです。
 教育環境委員会の副委員長は第2会派の政策会議から出すことになりました。
 (予算決算委員会は2月議会で新設された際に、これも第2会派の政策会議から副委員長を選任されました。)
 本来は議会運営の公平のためには、議長と副議長、議運の委員長と副委員長は別々の会派から選出するのが望ましいのですが、飛翔が1会派で独占しました。

 また、一部事務組合議会議員や、その他のすべての役職も申し合わせで2年で交替することになっています。
 各会派の所属議員数に応じて、割り振りが決まっているため、会派内での交替となりました。

一部事務組合議会議員
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
久喜宮代衛生組合議会議員(9人) 猪股 内田 鈴木 鈴木 田島 大鹿 盛永 戸ヶ崎 木村
久喜地区消防組合議会議員(9人) 園部 石川 梅田 松村 宮崎 鎌田 岸 岡崎 杉野
広域利根斎場組合議会議員(6人) 新井 井上 大谷 山田 足立 渡辺
利根川栗橋流域水防組合(6人) 園部 上條 並木 柿沼 矢崎 石田
北本地区衛生組合(3人) 富澤 青木 盛永

【議会の役割分担】
 ◎委員長 ●副委員長
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
政務調査費審査委員会 ◎猪股 梅田 岡崎 渡辺 ●田村
図書委員会 富澤 柿沼 矢崎 杉野
広報委員会 ●園部 猪股 井上 大谷 盛永 並木 斎藤 石田 田村
議員クラブ 内田 山田 足立 木村

【この他の主な公職の分担】
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
監査委員
農業委員 春山 梅田 宮崎 鎌田
民生委員推薦会委員 大鹿 斉藤
都市計画審議会委員 園部 梅田 宮崎
社会福祉協議会理事 盛永
社会福祉協議会評議員 渡辺
青少年問題協議会委員 岡崎
青少年育成市民会議理事 富澤

 以前は、市の審議会などの政策審議機関のほとんどで、委員の一部を、議員の中から選任していました。
 しかし審議会というのは、市長の政策諮問機関であって、政策決定の過程で市民や専門家の意見を聞く場ですから、行政執行部の内部組織です。
 一方、議会は、市長が提案してきた政策を審議して決定する機関ですから、議員は議会で意見や提案を行うべき立場にいます。
 したがって、議員が政策審議機関の委員に入るということは、行政組織の検討過程に加わることになってしまいます。
 審議会で意見を言い、さらに議会で意見を言うのは2重の権力行使をすることになるので、議員が審議会にはいるのはやめるべきということで、旧久喜市議会の議会改革で、議員は審議会には加わらないことになりました。

 ただし、監査委員、民生委員推薦会委員、都市計画審議会委員は、その一部を議員から選任することが、法律で規定されているので、議会からの選任が行われています。
 その他にも、社協の理事や評議員などを議員の中から選任していますが、これは議会の代表として出ているわけではなくて、議員個人の立場で会議に出ています。(議員が社協の理事会に出ても、内容を他の議員に報告していません)。
 こうした役職も、名誉職的な意味合いが強く、必要かどうか、今後検討していくべきです。


【2月定例市議会】 議長は1年交代のたらい回し
『声と眼』434号 2012/3/26

 定例議会最終日の3月22日、正副議長が辞職して、選挙の結果、飛翔の上條議員が3人目の議長になりました。
議長の任期は本来は地方自治法で4年と決まっているのですが、最大会派・飛翔の人事の都合で議長を1年交代でたらい回しすることにしているそうです。
1年目は栗橋、2年目は久喜、3年目は鷲宮からとなりましたから、来年は菖蒲の番でしょうか。

 合併して大切な最初の4年間なのに、単なる役職欲しさのオカザリ議長を大量生産して、わずか在職1年では議会をリードすることはできません。
合併しても、地区ごとの議員の利害にとらわれていては、本当の意味での市の一体感の醸成も進みません。
議員は旧4市町の議員の利害調整にうつつを抜かすのではなく、新久喜市と市議会全体の視点を優先するべきではないでしょうか。

《議長選挙》 上條 21票 (飛翔16名+公明党5名)
石川 8票 (政策会議7名+無会派・田村議員)
木村 4票 (共産党4名)
《副議長選挙》 戸ヶ崎 21票 (飛翔16名+公明党5名)
富澤 8票 (政策会議7名+無会派・田村議員)
渡辺 4票 (共産党4名)

【9月市議会】 決算審査のすすめかた
2011/8/22

 8月16日に久喜市議会代表者会議が開かれました。
 おもな議題は9月議会の日程確認で、特に今年は各会計の決算議案の審議のやり方が大きく変わるため、その内容について確認しました。

 毎年、前年度の一般会計や特別会計の決算は9月議会に提出されて、詳細な審査についてはすべての決算議案を決算委員会に付託して、12月議会までの「閉会中の継続審査となっていました。
 合併後の新久喜市議会でも、昨年度は決算常任委員会に付託していましたが、来年度からは議員全員で構成する予算決算常任委員会を設置して、委員会の中に分野ごとの分科会を設置して審査する方向が決まっています。
 今年は過渡的に、一般会計は昨年度と同様に決算常任委員会で審査し、特別会計は各分野別の常任委員会に付託して審査する、継続審査としないで9月議会の会期を長くして、9月議会中に審議を終了することになっています。

 審議方法を変更する理由は、各会計の決算書や膨大な資料について、一つの委員会だけで3〜4日間の審査で終了するのが困難だということなのですが、はたして一般会計の決算審査が3日間で終わるかどうか、また特別会計は各委員会に付託するのですが、他の議案も含めて1日で終わるのかどうか、やってみないとわかりません。

水道料金の値上げなどの重要案件も

 たとえば福祉健康常任委員会は、通常でも付託される議案が多いのに、国保特別会計、介護保険特別会計などのかなりのボリュームの決算審査が入るのですが、委員会の開催日程は1日しかとってありません。
 夜中までかかるのではないか、審査が終わらなければ急遽追加の日程をとらなくてはならないかもしれません。
 いずれにしろ、市民生活の特に福祉に関わる重要案件が多いのですから、『日程がないからさっさと駆け足で終わらせる』などということにならないようにしなくてはなりません。
 夕方になってくると、どうしても皆さん疲れてきますから、何度も質問をする議員に対して“まだあるのかよ?”“時間がないからもういいだろ ”というような有形無形の圧力がかかってきて、暗くなるほど進み具合が早くなる(委員長が早く進める)ことも、今まではよくありました。

 市民の傍聴者も多く来るだろうと予想されますので、福祉健康委員会の委員の皆さんには熱心で十分な審査を期待したいところです。
 環境建設水道委員会も予定は1日間なのですが、通常の議案の他に、水道料金の値上げも提案されていて大きな問題になりそうで、さらに下水道特別会計、水道事業会計、区画整理特別会計など、たくさんの議案がかかってくるので、こちらも1日で終わるとはとても思えません。

 環境建設水道委員会は9月15日(木)、福祉健康委員会は9月20日(火)に開かれる予定です。


TPP交渉反対の意見書は否決
『声と眼』416号 2011/4/23

 菅内閣がTPP交渉に積極的に参加する方針を示して以来、特に国内農業に壊滅的な打撃を与えるとして反対の声が強まっています。
昨年11月市議会に共産党から「TPP交渉への参加方針撤回を求める意見書」が提出されましたが、議会の結論を出すことができずに継続審査となっていました。2月議会最終日の採決では政策会議と共産党、無会派の12名が意見書に賛成=TPP参加に反対しましたが、飛翔と公明党の21名が意見書反対に回って、否決されてしまいました。

 12月議会閉会後から環境建設水道委員会で審査が行われていましたが、その過程では、飛翔の農業関係の委員から『TPP反対』の主張があった一方で、同じ飛翔の中から「TPP参加について…慎重かつ適切な判断により結論を出す」という修正案が出されたりしました。
この修正は“慎重に検討した上でTPP参加もやむなし”という論理で、もとの意見書の趣旨と正反対になってしまい、後で撤回されるというドタバタもありました。

★2月議会でTPP交渉反対の意見書は否決された。今度は6月議会に改めて、TPP交渉に『慎重な対応=事実上、参加やむなし』の意見書が提出されるのではないかと見られている。★


議長は1年交代のたらい回しの発想はどこから出てくるか
『声と眼』415号 2011/3/27

 定例議会最終日の3月18日、正副議長から辞表が提出され、選挙が行われました。
山田議長も鈴木副議長も就任後わずか10か月ですが、最大会派で議長を順番に回すため、今議会で辞める約束だったそうです。
本来、議長任期は地方自治法で4年と定められています。
正副議長選挙の前に、辞表を受理するかどうかの採決が行われました。
政策会議と共産党、無会派の田村議員の12名は『1年ずつの議長職たらい回しに反対。正規の任期を務めて職責を果たすべき』という立場で、辞職に反対しました。

議長選挙の結果
17票(飛翔17名)
石川  8票(政策会議7名+無会派・田村議員)
戸ヶ崎  5票(公明党5名)
木村  4票(共産党4名)
副議長選挙の結果
梅田 17票(飛翔17名)
富澤  8票(政策会議7名+無会派・田村議員)
足立  5票(公明党5名)
石田  4票(共産党4名)

★飛翔の中では再来年の議長・副議長まで決めてあるのだそうな。
彼らにとって議長という役はみんなで分け合うべき名誉職で、たとえ1年でもいいからなりたいものらしい。★


予算・決算委員会の委員交代
『声と眼』413号 2011/3/6

 2月定例市議会初日に予算委員会と決算委員会が交代しました。
久喜市議会は議長と監査委員を除く32名の議員が半数ずつ予算委員会と決算委員会に所属します。
1年交代で、昨年の予算を審議した議員が翌年の決算審議を担当します。
 正副委員長選挙は飛翔と公明党が組んで、予算委員会は正副とも飛翔が占め、決算委員会は委員長は公明党、副委員長は飛翔から選出されました。

【予算委員会】 政策会議/春山 猪股 石川 新井、飛翔/●青木 井上 大谷 上條 並木 柿沼 松村、公明/岡崎 斉藤 足立、共産/石田 木村
【決算委員会】 政策会議/園部 富澤 内田、飛翔/梅田 ●鈴木 田島 鈴木 宮崎 大鹿 岸 鎌田、公明/戸ヶ崎 矢崎、共産/渡辺 杉野、無会派/田村
(◎委員長 ●副委員長)


清久工業団地へのキッコーマン進出などの報告
市議会全員協議会

2011/2/9

 2月7日、市議会初日の審議が終わった後で全員協議会が開かれました。
 議題は、
(1)現在の清久工業団地に隣接する北側の地域にもう一つの工業団地を開発・造成する(清久工業団地の拡大)事業ですが、ここにキッコーマンの新工場を建設することが決まった、従業員数は60人で、「地元からの雇用も予定している」という報告でした。

(2)幸手保健所久喜分室は県の保健所体制の再編成に伴い、昨年3月に廃止されました。
 この施設について、市では県から無償譲渡を受けることになって、今年の3月31日までに譲渡される予定です。
 市は今後、耐震診断を行い、市役所の会議室や倉庫として活用していきたいという考えです。
 
(3)現在、吉羽浄水場に置かれている上下水道部を、鷲宮総合支所内に移転させる方針が明らかにされました。
 各浄水場の職員体制や事務を統合して人件費と委託費を削減するためよ、このまま事務室として使うには建物の耐震化やバリアフリーもしなくてはならないので、そうした費用を節約するために、上下水道部の組織全体を現在の鷲宮総合支所に移転するという計画です。
 移転後は建物は、耐震化工事を行った上で、浄水場の管理棟として使用する計画だそうです。

(4)外国語指導助手(ALT)を、派遣から直接雇用に切り替える方針が明らかにされました。

(5)自治基本条例の今後のスケジュールが明らかになりました。

(6)障害者自立支援給付費の詐取事件の荒井容疑者逮捕、破産手続きの見通しが明らかにされました。


【11月市議会】 TPP参加反対の意見書は継続審査
『声と眼』411号 2011/1/21

 共産党が「TPP交渉への参加方針撤回を求める意見書」を提案しましたが、最終日に“継続審査”となりました。
2月定例会までの間に環境建設水道常任委員会で、採択にすべきか不採択にすべきかを検討することになります。

 飛翔の岸議員が、『TPP問題は大切なので、農業政策や産業政策についての議論を深める必要がある』として継続審議にする動議を提案したのですが、実情は飛翔の中の意見がまとまらなくて、苦しまぎれに先送りしたということのようです。
しかし委員会で簡単に結論が出せる問題とも思われません。
会派の中で賛成・反対に分かれてしまったから、結論を棚上げにして議会の採決も先送りというのは無責任です。

★継続審査となった「TPP交渉反対の意見書」、審査を担当する環境建設水道委員会では、これから勉強会で検討するらしいが、2月議会までに結論が出せるのだろうか。★


【11月市議会】 「警察署の管轄変更」の意見書は時期尚早だ
『声と眼』411号 2011/1/17

 飛翔が「久喜市の警察行政の一元化を求める意見書」を提案。
政策会議と無会派の田村議員が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

久喜・菖蒲・鷲宮地区の管轄はもともと久喜警察署ですが、栗橋地区は合併前から幸手警察署の管轄になっています。
意見書は、管轄が分かれていると「警察署関連事業が煩雑」であり、市の行政区域と一致が望ましいので、栗橋地区の管轄を久喜警察署に変更してほしいというものです。
しかし防犯対策や交通安全対策などはどちらかの警察署と協議すればよく、管轄が分かれていても市民生活にとっての不都合はありません。
栗橋地区のほとんどは幸手警察署の方が近いため、久喜警察に変更されては困るという意見もあります。

県内には他にも警察の管轄が分かれる市も多く、合併のたびに警察の管轄を変更するというのも非効率です。
基本的には栗橋地区の住民の意見を尊重すべきであり、一部の議員の判断だけで管轄変更を進めるのは時期尚早ではないでしょうか。


【11月市議会】 稲の高温障害で農家を支援
『声と眼』410号 2011/1/5

 猛暑による高温障害で、埼玉県農業のコシヒカリに次ぐ主力品種である「彩のかがやき」に白未熟粒が大量に出て品質が低下し、多くが「規格外」になってしまいました。
このままでは販路が絶たれて農家の収入が大幅減となるため、埼玉県や久喜市を含む各市町村が農家の支援対策を講じています。

具体的には、
◆埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づいて特別災害に指定し、農家に補助金を支出(久喜市内で1990万円)、
◆県内のJA、スーパー、小売店などと協力して特別販売を実施、
◆市の職員や教職員に呼びかけて「彩のかがやき」の特別販売を実施(久喜市内で2205s)、
◆学校給食の米飯給食への購入、今年10月まで全量を規格外の「彩のかがやき」を使用する(久喜市内の出荷総量の13%、102トン)、市立保育園の給食にも使用するなどです。

 11月市議会に共産党が「『彩のかがやき等』品質不良に対する農家支援を求める意見書」を埼玉県知事あてに提出するよう提案しました。
しかし“すでに県は対策を講じている”という反論が出て、最終日に急遽、あて先が農林水産大臣に変更されました。
県と国では役割が違うので、内容も書き換えなければおかしいのですが、そのまま賛成多数で可決されました。
実際には県も国も取るべき対策は取っているので、すでに実施済みの対策を形だけ要求してみせるやり方は、『我が党がやった』と宣伝するためのパフォーマンスではないかという批判を免れません

★『農家支援』に反対する人がいるわけはないが、すでに実施済みのものを意見書で出すのはスジが通らない。政策会議の新井・猪股、無会派の田村の3人が、この意見書に反対した。★


質問時間の短縮は何のため?
『声と眼』408号 2010/11/23

 11月9日の代表者会議で、一般質問の時間制限についての協議が行われました。

 本来は1人の質問時間40分(答弁を含まず)で決まっていましたが、6月議会前に飛翔と公明党から「1人30分」への短縮案が出されました。
一般質問は1日に7〜8人ずつで4日間をあてていますが、「質問と答弁合わせて1人平均1時間かかるだろうから、40分のままでは日程通りに終わらなくなる恐れがある」という理由です。
話し合いの結果、とりあえず「35分で試行」することになりました。
6月議会では28人、9月には29人が質問しましたが、8日間の内、終了が午後5時を過ぎたのが3日間、最長が5時9分、最も早かったのは3時15分でした。

 また9月議会では7名が30分〜35分の制限枠いっぱいまで質問しました。
時間制限を40分に戻してこの内の何人かが5分ずつ長くなったとしても、実質的には4日間の合計で1時間くらいの増ですむものと思われます。
試行の結果からは、時間制限を40分に戻しても5時前後には終わるだろうと予測できます。
しかし飛翔などはあくまでも時間短縮を主張し、改めて「35分」を提案してきました。
結局、11月議会でもう一度「35分」、2月議会で「40分」でさらに試行を継続し、その結果を見て協議することになりました。

 議会は“早く終わらせることがいいこと”とは限りません。“効率的な審議”を優先しすぎると、単純に聞くだけの質問やおざなり答弁、議会のセレモニー化が進むことなってしまいます。
むしろさまざまな観点から多くの議員が発言し、一般質問や議案質疑で執行部との政策的な議論を深め、審議を尽くすために十分な審議時間を確保するべきです。
時間短縮を主張する人たちは、5時を過ぎてはいけないかのように言うのですが、審議で必要ならば時間の延長や一般質問の日程を増やすことも検討してもいいのではないでしょうか。
(たとえば春日部市議会の一般質問は5日間です)。


9月定例市議会
「消費税引き上げ反対の意見書」は否決

『声と眼』407号 2010/11/10

 9月議会で共産党が「消費税引き上げに反対する意見書」を提案しましたが、賛成は共産党と猪股の5人だけで否決されてしまいました。

 今年夏の参院選では消費税引き上げ問題が争点になって、共産党の他に「みんなの党」も消費税増税反対の急先鋒に立っていました。
久喜市議会で唯一みんなの党公認の鈴木(精)議員が、この意見書に賛成するかどうか注目されましたが、結局、自分が所属する会派の多数意見に従って、「消費税引き上げ反対の意見書」に反対しました(つまり引き上げ賛成?)。
普通は政党公認の議員は、自分の党の公約に沿った行動を取ると思うのですが、必ずしもそうとは限らないで、会派の方を優先させることもあるということ?


一般質問の平均時間は、質問だけで21分、質問・答弁の合計48分
2010/7/10

 旧久喜市議会では、一般質問は[質問時間40分、回数制限なし]で行っていましたが、合併後の市議会で6月議会前に、飛翔と公明党が「時間が足りなくなる恐れがあるので、時間制限を短縮すべきだ」と言い出して、やむをえず6月・9月議会で[質問時間の制限35分]で試行することになりました。

 時間短縮を主張した人たちは、「1人40分の質問時間では、4日間で終わらない、毎日夜までやることになる」と言っていたのですが、実際には、2日目だけが午後5時に閉会しましたが、他の3日間は3時〜4時には終了しました。

 また、議会事務局で質問者全員の質問時間を計測しましたが、質問者28人の中で、最短の人は質問時間5分(質問と答弁を会わせて17分)、最長は質問時間35分(質問と答弁の合計99分)で、28人の平均は質問時間21分(質問と答弁の合計48分)でした。

平均
1日目
6月16日
質問者名
質問だけの時間
質問・答弁の合計時間
田村
15分
31分

17分
41分
富澤
16分
44分
杉野
27分
57分
石川
25分
57分
盛永
13分
25分
内田
9分
19分
18分
39分
2日目
6月17日
石田
35
69分
渡辺
27分
65分
木村
35分
99分
松村
21分
55分
斉藤
17分
38分
宮崎
8分
26分
上條
5分
17分
21分
53分
3日目
6月18日
猪股
35分
98分
春山
35分
68分
矢崎
30分
53分
園部
17分
39分
大鹿
15分
32分
戸ヶ崎
11分
26分
岡崎
18分
38分
23分
51分
4日目
6月21日
鈴木
10分
30分
鈴木
35分
87分
田島
14分
27分
梅田
14分
46分
足立
25分
51分
大谷
22分
38分
井上
25分
55分
21分
48分

 合併前の旧久喜市議会の計測も明らかになっています。
 平成21年6月、9月、11月議会。3回の定例議会で、質問者の合計はのべ59人でした。 

最短の人 最長の人 平均
質問だけの時間 4分 40分 25分
質問と答弁の合計時間 11分 125分 56分

自治基本条例審議会など設置へ
『声と眼』400号 2010/7/1

 6月定例市議会に、自治基本条例策定審議会、総合振興計画審議会、都市計画マスタープラン策定委員会などを設置する条例が提案されました。
いずれも公募や市民団体の代表者などから委員を選任し、8月ごろから新久喜市の基本的な計画策定作業を進めることになります。

 また循環バスなどの公共交通の充実について検討する公共交通検討委員会、済生会病院や新総合病院を含めた医療機関のネットワーク構築をめざして医療体制等推進協議会、食育推進会議などの設置条例も提案されました。

【新たに設置される審議会等】
自治基本条例策定審議会 20人 公募
市内各種団体を代表する者
学識経験を有する者
新市基本計画推進協議会 13人 公募
地域を代表する者
市民活動団体を代表する者
学識経験を有する者
総合振興計画審議会 20人 公募
執行機関の委員(教育委員会、農業委員会)
市内の公共的団体の役職員
学識経験を有する者
公共交通検討委員会 15人 公募
市内の公共的団体の役職員
学識経験を有する者
特別職報酬等審議会 10人 公募
市の区域内の公共的団体の代表者
学識経験を有する者
市立小中学校学区等審議会 20人 公募
児童生徒の保護者
市立小中学校長
学識経験を有する者
幼児教育研究協議会 15人 公募
公立市立の幼稚園に通園する陽治の保護者
公立市立の保育所に通所する陽治の保護者
認定子ども園に通園する幼児の保護者
私立幼稚園関係者
私立保育所関係者
認定子ども園関係者
公立幼稚園関係者
公立保育所関係者
小学校長
学識経験を有する者
医療体制等推進協議会 16人 公募
学識経験を有する者
関係医療機関の医師
幸手保健所の職員
健康づくり推進会議 20人 公募
健康づくりに関する関係団体に属する者
学識経験を有する者
食育推進会議 20人 公募
教育・保育に関する機関または関係団体に属する者
社会福祉・保健・医療に関する機関または関係団体に属する者
農業者または農業に関する団体に属する者
食品の製造、加工、流通、販売、食事の提供を行う事業者またはその組織する団体に属する者
食育の推進に関する活動にたずさわるボランティア団体に属する者及び消費者団体に属する者
学識経験を有する者
都市計画マスタープラン策定委員会 20人 公募
執行機関の委員(教育委員会、農業委員会)
市内の公共的団体の役職員
学識経験を有する者



一般質問の時間がまた短縮された
『声と眼』400号 2010/6/25

 5月に開かれた代表者会議で一般質問の時間短縮が提案され、6月と9月議会で質問時間35分で試行して、その後に改めて検討することになりました。
旧久喜市議会では質問時間は40分(答弁時間は含まず)でしたが、会派・飛翔が『4日間の一般質問の日程でとうてい終わらない』として30分に制限するように主張、公明党も賛成しました。
政策会議と共産党が『40分での試行』を求めましたが、『35分』で決められてしまいました。

 しかし実際には一般質問を行ったのは34名中28名で、5〜10分で終わった人もいました。
その結果、2日目だけは5時までかかりましたが、他の日は午後3時〜4時で終了しました。
35分まで使ったのは4〜5人でしたから、40分に戻してもまったく差し支えないと思われます。


6月議会に43議案が提案されました
2010/6/3

 6月3日、新久喜市の初めての定例市議会が開会されました。
 合併後、4月末の選挙までは市長も議会も不在だったので、人件費など最低限の「暫定予算」を組んできましたが、一般会計予算他、9つの特別会計予算、20本の条例などが提案されました。

 主な条例は
 名誉市民の選任、称号の授与に関する条例
 自治基本条例制定審議会条例
 新市基本計画推進審議会条例
 総合振興計画審議会条例
 公共交通検討委員会条例…循環バスの充実について検討・協議します
 職員の育児休業に関する条例…両親がともに育児休業を取得できるようになります
 特別職報酬等審議会条例
 ボートピア環境整備基金条例…ボートピアの売り上げから市に交付される「環境整備協力費」を基金に積み立てて、地域の環境整備に使用する予定です
 小中学校学区等審議会条例
 幼児教育研究協議会場例
 医療体制等推進会議条例
 食育推進会議条例

副市長を選任できず

 6月3日、市長から、監査委員、公平委員、人権擁護委員などの人事に関わる追加議案が提出されました。
 議会から選出される監査委員は、最大会派から盛永議員(菖蒲地区)が選任されました。

 5月臨時議会で「副市長の定数を1名とする条例」が可決されているので、この条例に基づいて今議会で「副市長の選任」が提案されるはずでしたが予定されていましたが、見送られました。
 議会の一部から人事についての“横やり”が入っていて、市長が人選を進められないというウワサが伝わっていますが、人事が市長の専権事項であって、議会はそれに賛成するか反対するかしかありません。
 もしも少しでも人事に対する“介入”と疑われるような動きがあるとしたら許されることではありません。


新たな議会構成が決まりました
2010/5/18

 5月18日、臨時議会が開かれて、議長選挙が行われました。

 議長に栗橋地区の山田議員、副議長に久喜の鈴木議員

 正副議長は、いずれも投票で選出されました。
 無会派の田村議員がだれに投票するのか注目されていましたが、同じ栗橋地区出身で人物もよく知っているということで、議長は山田議員に、一方で、副議長は第2会派=政策会議の富澤議員に投票したそうです。

議長選挙
山田達雄(飛翔) 18票 飛翔17人+無会派の田村   
石川忠義(政策会議) 7票 政策会議7人
戸ヶ崎博(公明党) 5票 公明党5人
木村奉憲(共産党) 4票 共産党4人

副議長選挙
鈴木松蔵(飛翔) 17票 飛翔17人
富澤孝至(政策会議) 8票 政策会議7人+無会派の田村
足立清(公明党) 5票 公明党5人
石田利春(共産党) 4票 共産党4人

代表者会議と委員会の構成
委員長  ●副委員長
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
代表者会議 石川 上条 並木 盛永 岸 戸ヶ崎 木村
議会運営委員会(9人) 石川 春山 上条 ●並木 梅田 盛永 岸 足立 杉野
総務財政市民委員会(9人) 新井 内田 井上 上条 鈴木 松村 山田 ●矢崎 石田
環境建設水道委員会(8人) 園部 石川 宮崎 ●鎌田 田島 大鹿 岡崎 杉野
福祉健康委員会 (9人) 富澤 ●並木 梅田 鈴木 盛永 足立 斉藤 渡辺 田村
文教委員会 (8人) ●春山 猪股 柿沼 大谷 青木 岸 戸ヶ崎 木村
予算委員会(16人) 園部 富澤 内田 梅田 ●鈴木 田島 鈴木 宮崎
 大鹿 岸 鎌田
矢崎 戸ヶ崎 渡辺 杉野 田村
決算委員会(16人) 春山 猪股 石川 新井 ●青木 井上 大谷 上条 並木
 柿沼 青木 松村
岡崎 斉藤 足立 石田 木村

 各委員会の正副委員長などのほとんどの役職は、事前の予想通りに、議会の半数を占める巨大会派“飛翔”の中で分け合いました。
 福祉健康委員会と決算委員会の委員長は、飛翔だけでは委員会の過半数に至らなかったため、公明党を委員長につけることで調整が行われていたようです。
 (文教委員会の副委員長に春山議員が選任されたのは、どうも多数会派のダンドリが失敗して“手違い”によるもののようです)。

 また、旧久喜市議会では最近10年以上、議長と副議長、議運の委員長と副委員長は別々の会派から選出されることが多かったのですが、今回はこれらも飛翔が1会派で独占しました。

一部事務組合議会議員
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
久喜宮代衛生組合議会議員(9人) 猪股 内田 梅田 上条 鈴木 大鹿 鎌田 戸ヶ崎 木村
久喜地区消防組合議会議員(9人) 園部 石川 鈴木 並木 田島 青木 岸 岡崎 杉野
広域利根斎場組合議会議員(10人) 春山 新井 井上 大谷 盛永 松村 山田 斉藤 渡辺 田村
利根川栗橋流域水防組合(6人) 石川 梅田 柿沼 宮崎 矢崎 石田
北本地区衛生組合(3人) 富澤 青木 鎌田

【この他の主な議会の役職】
政策会議 飛翔 公明党 共産党 無会派
監査委員 盛永
農業委員 内田 盛永 大谷 大鹿
民生委員推薦会委員 梅田 足立
都市計画審議会委員 鈴木 鎌田 渡辺
社会福祉協議会理事 並木
社会福祉協議会評議員 園部
シルバー人材センター理事 春山
青少年問題協議会委員 戸ヶ崎
青少年育成市民会議理事 大谷

本会議場の議席
執行部席   議長席  
市長 演壇
  (共産党)
上條 大谷 井上 梅田 質問者演壇 杉野 木村 石田 渡辺
柿沼 盛永 鈴木 田島 並木 鈴木 矢崎 斉藤 (無) 田村 富澤 春山 園部
鎌田 山田 大鹿 宮崎 青木 松村 戸ヶ崎 足立 岡崎 内田 新井 石川 猪股
(飛  翔) (公明党) (政策会議)
傍聴席

各会派の構成と、議員の地区別
◎代表 ○副代表 ◆幹事長
久喜地区 菖蒲地区 栗橋地区 鷲宮地区
政策会議 7名 ◎石川忠義
 猪股和雄
 春山千明
 新井勝行
 内田正
 園部茂雄
○富澤孝至
飛翔 17名 ◎岸輝美
 松村茂夫
 鈴木松蔵(自民党)
 鈴木精一(みんなの党)
 井上忠昭(民主党)
 宮崎利造
○盛永圭子
 青木信男
 鎌田忠保
○並木隆一
 大鹿良夫
 山田達雄
 柿沼繁男
○上條哲弘
 梅田修一
 田島行雄
 大谷和子
公明党 5名 ◎戸ヶ崎博
○岡崎克巳
 斉藤広子
 矢崎康 ◆足立清
共産党 4名 ◎木村奉憲
 渡辺昌代
○石田利春 ◇杉野 修
無会派 1名 田村栄子



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