いのまた和雄
トップページへ
『声と眼』
のページへ
『声と眼』
総目次へ
市民活動
のページへ
メッセージ
のページ

財政の記事  1999〜2008
財政の記事  2009〜2017 

トップページへ




【2月市議会】 「公共施設個別施設計画」に反対しました
2024/3/24

 市議会2月定例会議は、3月22日、議案の討論・採決を行って閉会しました。
 私は、2024年度一般会計予算と公共施設個別施設計画の2議案に、反対討論を行いました。
 「公共施設個別施設計画」に対する反対討論の全文を掲載します。

【反対討論】 議案第96号 公共施設個別施設計画

市民の政治を進める会 猪股和雄

久喜市で発明した「あるべき値」なる珍理論

 まず「あるべき値」とは何か。
久喜市はこの新しい用語の理論でもって、すべての公共施設を削減すると規定した。
私も3年前にこの「あるべき値」という用語が出てきたとき、これはそれなりの意義のあることが、概念だろうと思って、いっしょうけんめい勉強しようとしたのだが、いくら調べても、地方自治や財政学の本にこんな概念は出てこない、全国の他の自治体でも、こんな用語は使っていない。
率直に財政課長に教えてもらおうと思って聞いたら、この「あるべき値」という概念自体、久喜市で発明した語だと言われて、ガックリときた。
つまり、久喜市のアセットがすべての基準にしている「あるべき値」というのは、全国の自治体にも地方財政の学会にも通用する用語でも概念でもない。

 久喜市のアセット担当部署が勝手に作って久喜市だけに通用する、自分達だけで決めて金科玉条にした、それで久喜市の全部の部署が縛られている、単なる呪文だったのです。

ごみ処理施設や余熱利用施設は「あるべき値」の対象外?

 おかしな点はたくさんある。
 まずすべての公共施設を対象にすると規定していながら、新ごみ処理施設はなぜアセットの公共施設個別施設計画の対象に入れないのか。
教育環境の分科会で聞いたところ、道路や公園などのインフラはこの個別施設計画の対象ではないのだという。
ではごみ処理施設は道路や公園と同じインフラなのか。
インフラの定義を聞いても答えられない。あたりまえです。インフラにもいくつかの定義があるであって、学校施設を社会的インフラと定義することもできる。

 つまり、久喜市では、ごみ処理施設は削減できないことがわかっているから、勝手なご都合主義で、インフラだと言って、個別施設計画からはずしたのです。

 じゃあ、ごみ処理施設の中に作る、環境教育や見学コースは本来はごみ処理施設になくてはならない設備ではないのだから、個別施設計画の対象にしなければならないはずだが、これもごみ処理施設に付帯する施設だから入れなかったのだという。
これも恣意的な選別の判断です。

 ごみ処理施設の余熱利用施設の中で、勤労福祉センターや温浴施設は500平方で、産業系施設に分類されているという説明だった。
一方で老人福祉センタ-や温浴施設は福祉施設に分類されている。

 一つの余熱利用施設を、どうして、福祉とスポーツと勤労産業系施設とに分けて「あるべき値」をだすのか、出せるのか。
もっとも福祉施設としての「あるべき値」は結局出せない。

 一方で、勤労福祉センター機能の産業系施設は「あるべき値ゼロ」とされているのに、なぜ、余熱利用施設の中に、産業系施設の勤労福祉機能を新築するのか。
言ってることわかりますか。
なぜ、「あるべき値ゼロ」の施設をこれから作るんですか。
何回も質問した結果、やっと最後にアセットマネジメント推進課長が言った答えは、「余熱利用施設、勤労福祉センター機能や温浴施設は政策的に必要だから作るんだ」ということでした。

政策的に必要なら、「必要な施設」なんだ

 その通りです。
あるべき値ゼロの施設でも、市民にとって必要なら作るんです。あるべき値なんて関係ないんです。

 また余熱利用施設の中に、高齢者福祉施設として、温浴施設、老人福祉センター機能を新築することになっているが、これは「あるべき値」は施策との調整が未設定だと書いてある。
なぜ「あるべき値」が設定できないんだという説明もない。ご都合主義なんです。

 「あるべき値」は、国の基準がある施設についてはその最低のレベルを持ってくる、他の自治体にもある施設の一部については、同規模市の平均値よりも低い数値を、久喜市のあるべき値とするんだと書いてある。

 ということはどうなるか。

久喜市の公共施設は、同規模市で比較すると、他市の平均よりも狭くて貧弱なものしか残りませんよ。
久喜市の施設面での市民サービスは、どんどん削減していって、他市よりも低いレベルのものにしますよと言うことを、市民にも、他市にも宣言するわけです。

 普通の市は、市民サービスは施設面を含めて他市よりもいいものを作ろうとしているのに、久喜市の施設サービスは他市よりも悪いです、それでも久喜市を選んでくださいと言えますか。

 それから、久喜市と同規模市にとっては、保育所や幼稚園、障害者福祉施設、市民農園や産業系施設は、 久喜市と同じに、久喜市で言うところの「あるべき値」はゼロだと言うことになる。
保育所や幼稚園、障害者福祉施設や産業系施設入らない施設だと言われたら、どこの市も怒るでしょうね。
普通の市は、保育園も幼稚園も、障害者施設も、市民のニーズがある、必要だから作ってきたのに、それをいらない施設だ、あるべきでない施設だという、久喜市という市は一体何を考えているんだって言うでしょうね。

 久喜市のアセット担当課は市の職員に対してはどういう説明しているのでしょうか。
保育園、幼稚園、障害者施設は「あるべき値ゼロ」で、もともと久喜市にとって必要のない施設なんだ、あるべきでない施設なんだから、なくして当然だというのか。
職員は久喜市にとって必要のない、あるべきでない行政をやっているんだと言いますか。

 しかし実際には、施設を設置するかどうか、拡大するか、削減するかは、あるべき値には関係なく、政策判断によって決まる。だから、保育園はあるべき値ゼロだけど2園残す、幼稚園は今後検討という結論は正しい。

 障害者施設も、あるべき値はゼロだけれど、将来検討すると言うことになる。

 「あるべき値」の論理は、この意味でも支離滅裂です。

 図書館と郷土資料館はどうか。
図書館は現在の4館で3660uあるのを、4館体制のままで「あるべき値」は2400uだから、3分の1削減するという考え方だ。
久喜市がいかに図書館行政を軽視しているかがわかります。

 郷土資料館も、現在でさえ、収納庫も展示室もいっぱいなのに、減らすというのでは、郷土資料館の政策的意味をまったく無視しているとしかいいようがない。

学校の統廃合はあるべき値ではなく、適正規模・適正配置の基準がある

 学校の個別施設計画はめちゃくちゃでデタラメです。
 小学校の「あるべき値」は、1期終了時点と4期終了時点が同じで、2期と4期の終了時点がそれよりも大きい。

 中学校の「あるべき値」は1期から4期まで変わらない。
 いろいろと理屈は書いてあるけれども、誰も理解できない。
 これは地元住民の意向を無視しては統廃合ができないから、そもそも「あるべき値」の設定自体ができないから、こんなことを平気で明記する。
 小中学校の統廃合は、個別施設計画など関係なくて、別に「適正規模、適正配置の基本方針」があって、小学校は12〜18クラス、中学校は9〜18クラスとしている。基準は決まっていても、実際には、地元や地域性を配慮しなければならないから、学校統廃合は機械的にはいかない。
「あるべき値」はそもそも適用できるはずはない。これもアセットの担当課はわかっているから、決められない。
 いずれにしろ、「あるべき値」なんていう基準自体が、ご都合主義なんです。

「あるべき値」なんて、他市には通用しない

 だから、職員の皆さん、この久喜市が作り出した「あるべき値」という概念が、なぜ他に拡がらないかを考えた方がいい。
この概念は学問的批判に耐えられる概念、理論ではありません。
したがって、久喜市のアセットが、この「あるべき値」を基準にするのも、もうやめた方がいい。

 施設を削減するかどうか、拡大するのか、増やすのか、その基準は「あるべき値」なんていうデタラメな概念でなく、市民にとって必要かどうか、それが財政的に持ちこたえられるかどうか、それが基準でなければならない。

 久喜市のアセットマネジメントの基準としての「あるべき値」のデタラメさ、それを基準とした個別施設計画のでたらめ、こんなものは認められません。

【2月市議会】  新年度の一般会計予算に反対しました
2024/3/23

 市議会2月定例会議は、3月22日、議案の討論・採決を行って閉会しました。
 私は、2024年度一般会計予算と公共施設個別施設計画の2議案に、反対討論を行いました。
 一般会計予算反対討論の全文を掲載します。

【反対討論】 議案第73号 2024年度一般会計予算

市民の政治を進める会 猪股和雄

 2024年度久喜市一般会計予算に反対します。
 どうしても本予算に賛成できない、反対しなければならない理由を、2点にしぼって述べます。

久喜市は公共施設の維持補修改修をサボってきた

 これまで久喜市では、小中学校校舎をはじめとする公共施設の維持管理をできるだけ行わない、老朽化した校舎の改修をどんなに要求しても、本町小学校や久喜中学校など、長年雨漏りが続いていても、すぐには対応しないで、大規模改修でいっぺんに改修する方が財政的に効率が良いという理由で、先送りしてきた。

 学校施設について言えば、本来なら教育部、教育委員会が最優先で予算を獲得しなければならないはずなのに、財政部から認めてもらえないからといって、予算要求すらしないでいたのが長く続きました。

 雨漏りだけではない、外壁の落下もそうです。もう子どもたちの命、安全に関わる問題にまでなって、議会でも再三にわたって問題を取り上げ、マスコミなどでも取り上げられるに及んで、ようやく大規模改修とは切り離して、雨漏りと外壁の改修を行わざるを得なくなり、昨年からやっと改修予算を付けてきた。

 ところがそうした、久喜市の間違った財政運営のツケが24年度予算に一挙に噴き出して、学校と総合体育館、維持管理費と大規模改修費を合わせて、35億円以上の予算を計上せざるを得なくなったが、これらは予防保全ではなくて、事後保全です。

基金条例の趣旨に反して、赤字穴埋めのため基金食い潰し
財政調整基金、減債基金はほぼゼロに

 そして、財政状況が急速に悪化しているにもかかわらず、新規事業の予算はこれまでどおりの大盤振る舞いで、それらの財源不足を穴埋めするためだとして、財政調整基金基金を30億、減債基金、アセットメネジメント基金を合わせて、60億円もの基金を一片に取り崩してあてることになった。

 しかしこれらの財源として基金を大幅に取り崩してあてるのは、財政運営としては間違っています。

 財調基金条例 第5条には、基金をどのような場合に取り崩すことができるかを規定しています。

 今年度の財源不足は、財政調整基金第5条に規定された、経済事情の著しい変動や、災害による財源不足を埋めるためでもない、また、緊急に必要になった土木建設事業ではない、これまで継続的にやっておかなければならなかった維持補修改修費を先送りしてきたものだから、緊急に必要になったわけではない。

 つまり財調基金条例で想定していた処分の目的とは、明らかに違った目的のための取り崩しだ。

 減債基金条例はどうか。
 第5条で、処分することができる場合が規定してあるけれど、そこには「経済事情の変動等により財源が不足する場合に、市債の償還にあてる場合」と書かれているのに、今回の取り崩しはそうではなくて、一般的な償還金だ。
 「繰り上げ償還の財源」にも当てはまらないから、これは減債基金条例違反の可能性が大きい。

 アセット基金条例では、第1条と5条で、公共建築物の維持更新及び統廃合に要する経費に充てるため、久喜市アセットマネジメント基金を設置する」と書いてある。

 ところが、新年度のアセット基金の取り崩しの目的は、更新や統廃合ではなく、総合体育館と小中学校の、維持管理と大規模改修費、あおば幼稚園としずか館の取り壊し費用に充てるために、取り崩すことにした。
 これも、アセット基金条例で予定していた趣旨、そもそも想定された目的とは明らかに異なる目的の取り崩しです。

 つまり新年度予算における、財調、減債基金、アセット基金の取り崩しは、過去の公共施設の維持管理をサボってきた、そのツケの穴埋めに使っていて、久喜市の財政運営の将来に生きない使い方と言わざるを得ない。

 いわば、家計で言えば、豪華な高級車を買うために金を使いすぎて、家の雨漏りを改修する金がなくなってしまったので、老後の生活や子どもの教育資金に充てるために貯めてきた貯金を取り崩してあてることにしたようなものだ。

 その結果、来年度以降は、もう取り崩す貯金はない、久喜市の財政をどうするつもりですか。

 しかも、これまで予防保全の考え方を取らずに、公共施設の老朽化を放置してきた。今後は反省して「予防保全」に転換するのかと思ったら、久喜市の財政当局はそうではないんですね。
 小中学校校舎の屋上防水劣化の改修を求めても、来年から2〜3年で計画的にやるとは約束しない、教育部長はなるべく早くやると言うが、総合政策部長は「屋上防水劣化は20年ごとの中規模改修や大規模改修でやる」という。
これではまたまた、「予防保全」の考え方は取りませんと言っているわけだ。これでは久喜市の公共施設維持管理方針は替わらない、また同じことの繰り返しです。

(2)豪華な余熱利用施設と公園もムダ遣いが過ぎる

 第2の反対理由は、財政が逼迫しているにもかかわらず、既定方針通りに豪華な余熱利用施設の建設を強行することは容認できません。
今後20年間で、新ごみ処理施設に440億円、余熱利用施設と公園に130億円を支出する、その両方の施設がそれぞれ豪華だと言うだけではなくて、重複する施設、市民にとって必要かどうか疑問符が付く施設が多く、市民の理解を得られない。
少なくとも、財政調整基金がゼロになってしまった久喜市にとって、身の丈に合った施設とは言えない。
本来ならこうした財政状況になることは、遅くとも昨年からわかっていたのだから、こんな税金のムダ遣いは見直すべきでした。

久喜市行政の政策形成の仕組みはすべて後ろ向き

 もう一つ、久喜市の政策形成、政策決定の仕組みについて、指摘しておく。
 がん患者のためのアピアランスケアの政策として、昨年からウイッグの助成制度を開始した。私は乳房補整下着などに、助成を拡大するよう求めてきたが、健康子ども未来部も市長も、やらないという。
 ところが、昨年すでに7市町がウイッグと補整下着等の助成制度を作っている。そして新年度には、埼玉県がウイッグと補正下着の助成制度をスタートします。
 健康子ども未来部と保健センターは、県が新たな政策制度を作ろうとしている、その情報を得ていなかったのですか。県が始めるなら、それに乗っかって、アピアランスケアの制度を拡大しますか。
 久喜市はせっかく新しい事業を始めたのに、最低限の制度でよしとするのはなぜでしょう。
市長は少しでも他市よりも進んだ制度を作ろうと思わないのでしょうか。健康子ども未来部と保健センターは現場からよりよい制度を提案しようという姿勢を持たないのでしょうか。
政策形成が後ろ向きすぎる、久喜市の行政体質を改めていただきたいことを、申し上げておく。

 一般会計予算に反対したのは、市民の政治を進める会、共産党、無会派の貴志議員と宮崎議員の7名(共産党の石田議員は病気欠席)
 賛成は、みらいの会と公明党、無会派の瀬田議員の16名

 市長が「イケイケドンドン」で、新規事業を何の反省もなく大盤振る舞い、基金をほとんど食い潰してしまって、多数の議員はそれに批判もなく追随するだけ、市の将来にどう責任を負うのだろう。
 この人たちは、久喜市の将来の財政運営をどう考えているのだろう。

【2月市議会】  公共施設は最低限必要なだけでいいの?
『声と眼』667号 2024/3/8

2月市議会に提案された「公共施設個別施設計画」は、市が保有している公共施設を縮小・統廃合していこうという計画です。
市は「久喜市が将来の人口減などを前提として、最低限必要な施設総量」を《あるべき値》と名付けて、「公共施設を減らしていく目安」とすると言っています。
これは財政課が創造した造語で、国の面積基準などがある施設についてはその最低水準の数値、基準がないものは同規模市の公共施設の平均〜最小ランクの間の数値を、法定外の施設については市が任意に《あるべき値》を定めています。
いかにも客観的根拠があるように見せかけて、実は公共施設を大幅に減らしていくために、将来の久喜市の施設の必要量を意図的に低く設定しています。

 新ごみ処理施設や余熱利用施設、本多静六記念公園、東鷲宮駅前立体通路などの豪華な施設には財政を溢れるほどつぎ込んでおいて、市民生活に密着した地域の施設はどんどん潰していく…、今後ますます高齢化が進んでいく中で、住みやすいまちづくりとはほど遠いと言わざるを得ません。

 これまで長い期間をかけて、市民のニーズに応えて公共施設の整備を進めてきました。しかし梅田市長は、最低限必要な水準だけを確保して、公共施設の大幅削減に転換する方針です。
「公共施設個別施設計画」で今後廃止とされた施設は次の通りです。

◆菖蒲・鷲宮・栗橋の保健センターは5年後までに廃止して中央保健センター1か所に統合。
◆菖蒲・鷲宮の温水プール、菖蒲老人福祉センター・鷲宮福祉センターも5年後までに廃止。
◆東町集会所・本町集会所・青葉地域交流センターは5年後までに廃止、その後、太田集会所、中央コミセン、栗原記念館も廃止へ。
◆鷲宮体育センターと栗橋B&G海洋センターは14年後までに廃止。
◆鷲宮児童館も14年後までに廃止して、現在の市役所本庁舎に移転。
◆菖蒲文化会館と栗橋文化会館も廃止して、「久喜文化ホール」(現在の総合文化会館を更新)1か所に統合する。

 この計画では、障害者福祉施設と幼稚園・保育園、集会所、市営住宅は《あるべき値ゼロ》と書かれています。これらの施設は久喜市には不必要な施設ということでしょうか。
計画ではさくら保育園、すみれ保育園は民間譲渡、障害者施設(いちょうの木・けやきの木・くりの木・ゆうあい・あゆみの郷)と幼稚園については『方向性について検討』とされました。
これらの施設は地域に残すべきです。

★公共施設の《あるべき値》とやらを調べてみたら、久喜市の財政課が作り出した用語だった。
全国の自治体にも学界にも通用しない基準を恣意的に決めて、公共施設を潰す根拠にしようというのか。★た。★

【2月市議会】  2024年度一般会計予算に対する議案質疑
2024/2/29

(1)p60 基金繰入金
 当初予算での財源不足を補うために、基金の多くを取り崩すこととしたが、財政調整基金の事実上ほとんどを取り崩し、減債基金をゼロとするのは、久喜市の中長期的な財政運営の基盤を掘り崩すことになる。
しかも財源不足の最大の原因となったのは公共施設の維持管理補修改修費であり、本来なら継続して保全が図られてこなければならなかった事業であった。
 これらの事業と、さらには小中学校の屋上劣化の改修も、「予防保全」の考え方に立って、早急に進めていかなければならないとすれば、基金の取り崩しでなく、新規事業の先送りや支出の節減で財源を確保するべきであったと考えるが、いかがか。

(2)p130 交通対策費 交通安全施設費
 市内の道路で、横断歩道、中央線、側方線などの交通安全施設の路面標示が摩滅してほとんど消えてしまって、見えなくなっている地域が多い。
たとえば、青毛地区ピースロード、青葉けやき通りなどで、最近、一部が補修されたが、全面改修にはほど遠い状況である。
ア 「交通安全施設管理事業」を23年度は前年比2.2倍の7291万円としたが、24年度は5676万円と1600万円も減額となっている。
路面標示の補修費はどれくらいを確保したか。
イ 地区あるいは路線ごと、交通安全施設の路面表示が消えてしまっていて補修が必要な箇所は、現在、どのくらいあると把握しているか。
 その内、新年度の改修の計画と見通しを示されたい。

(3)p90 人事管理事業(職員の男女共同参画)
 市の男性職員の育児休業、出産補助休暇、育児参加休暇の取得は、2022年度までで人数ではほぼ100%になってきた。
23年度の実績を踏まえて、新年度の見込み、取り組み方針を明らかにされたい。
 取得日数には大きな差があり、取得率は大幅にアップできるか。
できないとしたらどこに問題があると考えていて、どのように改善を図っていくか。
 育児休業の取得率はほぼ100%にまで達成したが、昨年度の実績から見ると取得日数は1日だけという職員もいるようだ。
1人1人の取得日数の拡大が課題であると考えるが、いかがか。

(4)p90 人事管理事業(障害者雇用)
 障害者の市職員への雇用促進、昨年の採用試験の実績を踏まえて、新年度の方針を問う
ア 2023年7月の障害者雇用は、職員数1138人に対して、障害者実人数23人、換算で37人、3.25%であった。
障害者雇用数は3年間増えていない。
新年度当初の見込みはどうなるか。
 2024年4月時点での、障害者雇用率の現状(部局別、職員数・障害者実人数と率、換算人数と率、身体障害者、知的障害者、精神障害者の内訳)はどうなるか。
明らかにされたい。
イ 法の趣旨に沿って、知的障害者、精神障害者の雇用拡大について、新年度の就労環境と受入体制は、どのように改善されるか。
ウ 知的障害者および精神障害者雇用を拡大するために、当事者と仕事とのマッチング、職場における相談体制やジョブコーチ制度が必要である。
この間、配慮すべき事項について、具体的にどのように検討してきて、どのように改善されるか。

(5)p132 デマンド交通運行事業
 2021年11月に、地域公共交通会議で市内循環バス、デマンド交通(くきまる)の利用料負担を300円から500円に値上げが決定された。
その後、2年間、据え置かれているが、この値上げの方針は撤回されたのか。
 昨年、令和5年度は行わない。今後経済状況が好転し、市民生活が安定した状況になりましたら、その時点で運賃改定の実施時期等を判断していくという答弁があったが、2年も据え置いてきたのだから、改めて公共交通会議に諮るのか。
それとも値上げは決定しているのだから、時期を見て市長の判断だけで値上げするのか。

(6)p134 久喜マラソン大会事業
 市長が施政方針で「久喜マラソン大会の充実」を語っているが、実際には23年度も参加者が募集の半数くらいにとどまっている。
こうした実情を踏まえて、どのように充実するのか。
「久喜マラソン大会の充実」のための課題をどのようにとらえているか、明らかにされたい。

(7)p211 AYA世代のがん患者に対する支援
ア 市長は施政方針で「がん患者の医療用ウイッグに対する助成金交付事業を引き続き実施していく」と述べたが、AYA世代のがん患者に対する支援のために、福祉用具のレンタルや購入に対する女性、介護支援の制度が必要だが、どのような支援の枠組みを作る方針か。
イ 特に、AYA世代のがん患者が治療と就労・社会参加を両立させるために、医療用ウイッグに加えて、補整下着等の補助制度を創設するべきだが、いかがか。

(8)p162 要援護者見守り支援事業(昨年の2月市議会の答弁を踏まえて)
ア 要援護者見守り支援事業登録者(2023年3月時点で2895人)について、個別避難計画の策定を進めていくという答弁があったが、この1年間でどれくらい策定が進んだか。
イ 個別支援プランまたは個別避難計画を作成した内、「避難場所」として福祉避難所を明記しているのは何人になったか。
ウ 風水害69人、地震110人の登録者は第一次的に、福祉避難所の避難する、それを受け入れるという考え方で良いか。
 それ以外の方は、まずは一般の指定避難所または拠点避難所に避難して、その中から必要のある方が二次的に福祉避難所に行くという考え方か。
エ 昨年も(先日の市長答弁も)、拠点避難所を開設した後に速やかに福祉避難所を2か所程度開設すると言われていたが、
@2か所とはどこか、
Aなぜ2か所だけなのか、
B2か所で何人程度受け入れ可能か、
C31か所の福祉避難所の内、当初からの開設をもっと増やしていくべきだが、方針を問う。
オ 「障害者のための防災の手引き」では、一般の指定避難所に避難してから、希望を聞いて福祉避難所に移送することが前提になっていて、障害者や要援護者の避難の実態に合わないことは明らかである。
 昨年、部長が、新年度中に見直していくという答弁をしていたが、どのように見直し作業を進めたか。
障害者施策推進協議会等での協議も必要だが、「改訂版」はいつ頃までに策定する計画か。

(9)p.200 児童福祉費 児童福祉施設費
ア.新年度4月時点における、いわゆる「待機児童」の見通しを明らかにされたい。
 新規入園申込者数、申請取り下げ者数、新規入園決定者数と、入所保留者数、その年齢内訳を明らかにしてください。
 厚労省の基準による入所保留者数とその年齢別内訳を明らかにされたい。
 その他に、厚労省の基準に含まれない、入所を希望しながら入れなかった、実質的な待機児童の人数、希望が合わなかった、求職活動をしてないとみなされたなどの、理由別の内訳人数を明らかにしてください。
イ.毎年年度途中で待機児童が増えていくが、新年度の見通しはいかがか。
ウ.今後の、入所保留者を出さない、年度途中でも希望者全入への取り組み方針と見通しを説明されたい。

【2月市議会】  公共施設の長期計画に対する議案質疑
2024/2/27

 久喜市の「公共施設個別施設計画」の一部改訂案が提案されました。
 市役所本庁舎の増築(新庁舎)など、公共施設の長期計画で、今後50年間の統廃合や更新の計画が盛り込まれています。
 公共施設の活用や市民サービスの視点ではなく、公共施設の統廃合を進めることによって、財政的な節減をいかに進めるかという視点が中心になっています。
 公共施設の維持管理に関する基本的な問題や市民サービスの観点から、質疑を通告しました。
--------------------------------------

(1)第4章で、「あるべき値」の考え方を位置づけている。
「あるべき値」とは「将来的な人口減少や構成の変化を踏まえた上で、本市が行政運営を継続する上での最低限必要となる施設総量を意味し、今後35年間の計画期期間内において総量削減を推進していく上での目安に位置づけられるもの」としている。
ア 「最低限必要となる施設総量」を、「あるべき値」で、「施設削減の目安」と位置づけたのはなぜか。
イ 「最低限必要な施設の総量」は、「久喜市にあるべき公共施設の量」ではなくて、「行政サービスの最低水準を確保する施設の量」であると言うほかないが、いかがか。
ウ 少子高齢化がいっそう進むことが避けられない中で、市民サービスの向上、住みやすいまちづくりを進めていくために、多くの自治体の議会も行政も、最低限必要な水準をいかに上回って充実させるかを目指して取り組んできた。
久喜市の行政は、久喜市の公共施設は、最低限必要な水準を確保できればそれでいいと考えているのか。
エ 公共施設について最低のサービス水準を確保することをめざすということは、公共施設のサービス水準が他市に比較して低くていいということになるが、見解を問う。
オ 久喜市は他市のサービス水準よりも低いサービス水準をめざすということを、市民と全国に宣言するのか。
カ 久喜市行政が目指すべき公共施設の水準は、「最低限必要な施設総量」よりも充実した施設量を設定して、それを「あるべき値」と位置づけるべきではないか。」

(2)p71 5−4 福祉施設 ふれあいセンター久喜
 1998年に建築後40〜50年間で「更新」、久喜東複合施設として新築(統合)する計画である。
市役所本庁舎が建築後50年以降も「複合拠点施設」として継続して活用する計画なのに、なぜふれあいセンターを40〜50年間で更新(新築)しなければならないか。
 行政窓口、福祉機能、児童センター、中央図書館、コミセン機能を有する「東複合施設」が必要と考えるのであれば、ふれあいセンターと重複する機能を除いた「複合施設」を別に建築するべきではないか。

(3)p71 5−4 福祉施設 健康福祉センターくりむ
 2025年度以降に大規模改修工事を実施する計画であり、大規模改修後、少なくとも数10年間は活用できると考えられる。
にもかかわらず、今から10〜20年後に廃止・除却するという計画では税金のムダ遣いであり、変更するべきだが、いかがか。

(4)p71 5−4 福祉施設 障害者施設
 現在は「地域に1箇所を目安」で、今から15年後以降に「方向性について検討」としている。
ア そもそもこれまで地域に1か所を目安に計画を立てて配置してきたのではなく、当事者と保護者、地域の必要に迫られて増やしてきたのであって、認識が間違っていると言わざるを得ないがいかがか。
イ 「方向性について検討」とは、「何を検討」するのか。
「地域に1か所の目安」を検討するという意味か、「統合や大規模化」を検討するのか、「公設民営」の設置・運営方式を検討するのか、何が検討課題であると考えているのか。
 何の方向性をどのように検討するのかの中身と、なぜそれらの検討が必要と考えるのかを説明されたい。
ウ 個別施設計画のこれまでの経過からして、当事者や関係者の意向に反して、「廃止や統合、民間化の方向性」を検討すると受け止めざるをえないがいかがか。
 旧計画で民間化を打ち出したが、当事者や保護者らからは「地域に配置」「比較的小規模の施設」「公設民営」の必要性が強調されていた。
市長と行政もそれら当事者の趣旨を理解したものと考えていたが、理解していなかったのか。
それを蒸し返して、改めて配置や規模、設置と運営形態を検討しようというのか。
エ 「方向性について検討」するとしても、建物の更新時期が近づいてから検討するのではなく、今から、保護者らと協議して「検討」するべきであるが、いかがか。
オ 今回の改定案を策定するに当たって、当事者家族や障害者施策推進協議会の意見を聞いたか。
障害者施策の専門審議機関に諮問するなど、意見を聞くべきであるが、いかがか。

(5)p69 5−3 医療・保健施設 保健センター
 5年後までに現中央保健センター1か所に統合集約し、15年後までに現市役所本庁舎を転用して保健子育て支援施設に移転させる計画である。
これまで保健師は妊産婦乳幼児全戸訪問など、地域密着の活動をして市民の信頼を得てきた。
中央1か所に集約するということは、地域に根ざした保健師の活動が変質することになるが、いかがか。

(6)p62〜 5−1 行政系施設
 旧計画にあった「栗橋市民プラザ(2024年 新築)」を削除して、「栗橋行政センター」を15年以内に新築するとしている。
栗橋総合支所の状態やこれまでの経過を踏まえれば、早期に場所を検討・決定して、「第1期中に新築」の計画とするべきではないか。

(7)p95〜 5−12 市民文化系施設  鷲宮東コミセンさくら
 「第1期中に機能・建物の方向性について検討する」とあるのは、旧計画や原案にあったように、機能を桜田複合施設に全面的に移行して廃止するために、地元住民の理解を得るという意味か。
 地域住民の要望や、議会での「存続を求める請願の趣旨採択」を踏まえれば、当然に今後、中長期にわたって存続させるべきであるが、いかがか。

(8)p95 5−12 市民文化系施設 集会所等
ア 東町集会所、本町集会所、地域交流センターは第1期(〜2029年)に除却(廃止)、太田集会所は第2期(〜2038)、栗原記念館、はなみずき会館もその後に除却(廃止)の案となっているが、地域住民や利用者の意見を聞かないで進める方針か。
 地域住民や利用者の意見を聞く考えがあるとしたら、どのように聞いていくか。
イ 案では「機能を○○に集約し、建物は除却」という計画で、地域に密着した比較的小規模な集会施設を廃止して近隣の比較的大規模な施設に統合する方向性が明確である。
特に高齢化が進む中で、身近な地域での生活に密着した小規模な施設の役割をどう考えるか。
ウ 比較的活発に利用されている施設が多いが、活用状況をどう認識しているか。地域住民に活用されていても、市の維持管理や財政の都合から、公共施設を減らし削減率を高める方針を優先する考えか。

(9)p95 5−12 市民文化系施設
 個別施設の状態等(p22)で劣化度調査が行われているが、それが個別施設の維持管理方針に反映されていないように受け止めざるを得ない。
たとえば青葉コミセンは屋上劣化度が「D」、構造部・外壁・内部が「C」で、学校等を除けば最悪の状態である。
第6章 施設分類別保全計画では、2027・28年に「長寿命化改修」の計画となっているが、予防的維持管理の考え方に立って、少なくとも屋上劣化については直ちに改修すべきであるが、いかがか。

【2月市議会】  公共施設の長期配置計画が提案された
『声と眼』666号 2024/2/22

 市議会に『市公共施設個別施設計画』の改訂案が提出されました。
これは市の公共施設181か所の維持管理や更新、長期的な配置計画を定めたものです。
第一次計画は2021年に策定されましたが、実質的に市の財政部門(アセットメネジメント推進課)主導で作られました。
市民サービスや活用状況を無視して、市役所庁舎の移転、障害者施設や地域の集会施設の民間譲渡などを一方的に定めた計画に対し、市民の批判が強く反故同然の扱いになっていました。

その反省に立って、市議会で「議会に提出して議会の審議と議決を必要とする」ことを決定しました。
市議会では特別委員会を設置して審議することになっています。

【2月市議会】  1年で60億円もの基金を食い潰し!?
『声と眼』666号 2024/2/17

 24年度の維持補修・改修の財源は、国の補助金約4億円、市債8億円の他、市の基金を取り崩してあてる計画です。
その結果、市の基金総額は24年度末に約20億円にまで落ち込む見通しになりました。

各基金の状況
24年度末
見込み
23年度末
見込み
増減額 増減率
財政調整基金 7億0421万 34億5154万 ▲27億4732万 ▲79.6
減債基金 8億1453万 ▲8億1453万 ▲100.0
アネットマネジメント基金 6247万 16億6194万 ▲15億9947万 ▲96.2
その他の基金 12億7070万 21億1461万 ▲8億4391万 ▲39.9
基金合計 20億3739万 80億4262万 ▲60億0523万 ▲74.7

 財政調整基金は不測の災害などに備えて積み立てておくもので、久喜市の適正規模は33億円とされています。
市はそのほとんどを取り崩すことにしていますが、24年度末の残高見込みわずか7億円では緊急時に対応できません。
また減債基金は将来の市債の償還資金ですから、公共施設の維持補修費の財源が不足するからといって安易に取り崩してはいけません。
減債基金がゼロでは長期的な市債償還計画が成り立ちません。
またアセットマネジメント基金は公共施設の更新計画に沿って計画的に支出すべきで、単年度の維持補修費に使うのは目的が違います。

 公共施設の維持補修や改修のための財源が不足するなら、不急の新規建設事業などを繰り延べして歳出を削減するしかありません。
長期的な財政運営にあてるために積み立ててきた基金を取り崩してしまえば、久喜市の将来の財政運営が危うくなります。

【2月市議会】 一般会計 維持補修・改修費が急膨張
『声と眼』666号 2024/2/16

 24年度一般会計予算は前年度比で85億円、16%もの大幅な増額で、過去最大の609億円に膨らみました。
新ごみ処理施設や本多静六記念公園・余熱利用施設の建設に加え、小中学校等の公共施設の維持管理・改修費が大きく膨張したことによるものです。

 小中学校校舎の破損や雨漏り、防火設備の故障、総合体育館の雨漏りなどを何年にもわたって放置してきた結果、これ以上先送りできない待ったなしの状況に追い込まれました。
23年度にも公共施設の老朽化対策で補正予算で5億円を追加しましたが、24年度当初予算ではさらに37億円を計上することになりました。

◇小学校校舎の外壁や防火シャッター等の改修 18億6898万円
◇中学校(同)11億7273万円
◇栗橋西中学校大規模改修 3億1353万円
◇鷲宮西中学校・鷲宮小学校・上内小学校(現在は休校中)を統合して「鷲宮西小中学校」を26年に開校する計画で、校舎増築工事 15億5571万円、学童保育施設整備工事7632万円
◇中学校10校の体育館にエアコン設置 24年度は設計4620万円【設置は25年度】
◇総合体育館大規模改修 5億3707万円
◇総合運動公園にスケートボード場と3×3バスケットコート建設の設計 5861万円
◇本多静六記念公園・余熱利用施設一体整備 24年度の委託料 1億1513万円【建設と24年間の運営・維持管理費 130億7342万円】
◇新ごみ処理施設整備事業 24年度は 2億8181万円【建設費と20年間の運転費用の総額 422億円】
◇南栗橋8丁目地区公園整備 1億1445万円
◇高柳地区産業団地整備工事 3億8189万円

久喜市一般会計当初予算額の推移
2019年度    511億6000万円
2020年度   541億8200万円
2021年度   513億0000万円
 2022年度   499億7900万円
2023年度    524億6400万円
 2024年度  609億6800万円

 2020年度に全額国庫補助による幼稚園・保育園の無償化や学校給食センター建設などの大型事業が集中して一般会計予算が大きく拡大しました。
その後も国からコロナ対策や全国民への給付金、困窮対策の給付金がつぎ込まれて財政の肥大化が続いています。

★公共施設の老朽化対策を放置して、豪華なごみ処理施設や公園、余熱利用施設等に過大な投資をしてきた結果が、維持補修費の急増だと言う他ない。
行き当たりばったりの財政運営で久喜市はどうなる。★

2024年度一般会計予算と前年度比較(単位:千円)

歳入 2024年度 2023年度 増減額 増減率
1 市税 235億2094万5 235億3120万3 ▲1025万8 0.0%
2 地方譲与税 4億4833万9 4億3993万7 840万2 1.9%
3 利子割交付金 800万0 1300万0 ▲500万0 ▲ 38.5%
4 配当割交付金 1億1300万0 9000万0 2300万0 25.6%
5 株式等譲渡所得割交付金 9300万0 6600万0 2700万0 40.9%
6 法人事業税交付金 2億5400万0 2億6900万0 ▲1500万0 ▲ 5.6%
7 地方消費税交付金 35億2000万0 32億0000万0 3億2000万0 10.0%
8 環境性能割交付金 7500万0 7800万0 ▲300万0 ▲ 3.8%
9 地方特例交付金 1億7095万5 1億5500万0 1595万5 10.3%
10 地方交付税 57億2200万0 48億7000万0 8億5200万0 17.5%
11 交通安全対策特別交付金 1978万2 2065万0 ▲86万8 ▲ 4.2%
12 分担金及び負担金 2億2485万0 2億3384万9 ▲899万9 ▲ 3.8%
13 使用料及び手数料 3億1058万4 2億7730万3 3328万1 12.0%
14 国庫支出金 99億1033万4 86億5597万1 12億5436万3 14.5%
15 県支出金 43億0770万9 39億5849万1 3億4921万8 8.8%
16 財産収入 2303万7 2087万6 216万1 10.4%
17 寄附金 1億0763万5 2261万1 8502万4 376.0%
18 繰入金 69億3570万0 24億1466万1 45億2103万9 187.2%
19 繰越金 7億0000万0 4億0000万0 3億0000万0 75.0%
20 諸収入 13億6473万0 11億8874万8 1億7598万2 14.8%
21 市債 31億3840万0 25億5870万0 5億7970万0 22.7%
合  計 609億6800万0 524億6400万0 85億0400万0 16.2%
歳出 2024年度 2023年度 増減額 増減率
1 議会費 3億5662万7 3億4838万7 824万0 2.4%
2 総務費 73億6371万4 59億0193万6 14億6177万8 24.8%
3 民生費 254億2706万2 227億0131万0 27億2575万2 12.0%
4 衛生費 53億3586万4 64億5980万0 ▲11億2393万6 ▲ 17.4%
5 労働費 1492万3 1386万9 105万4 7.6%
6 農林水産業費 7億8211万7 7億7629万6 582万1 0.7%
7 商工費 2億5431万6 2億5098万0 333万6 1.3%
8 土木費 50億6217万5 49億9785万7 6431万8 1.3%
9 消防費 22億1168万2 20億9241万3 1億1926万9 5.7%
10 教育費 96億7921万8 46億7708万8 50億0213万0 106.9%
11 災害復旧費 4 4 0 0.0%
12 公債費 41億3666万3 39億9830万1 1億3836万2 3.5%
13 諸支出金 1億4363万5 1億4575万9 ▲212万4 ▲ 1.5%
14 予備費 2億0000万0 1億0000万0 1億0000万0 100.0%
合  計 609億6800万0 524億6400万0 85億0400万0 16.2%

【11月市議会】 鷲宮東コミセン廃止に反対の請願
『声と眼』662号 2023/12/7

  市は東鷲宮駅東口に建設中のヤオコーの2階の一部を賃借して「桜田複合施設」を開設する計画です。
賃借料は年間5500万円と言われているので20年間で11億円、駅前から豪華な屋根とエスカレーター付き歩道橋も5億円で建設中です。
住民票などの行政窓口とコミュニティセンター、民間の有料屋内子ども遊び場を置く計画で、完成後は現在の鷲宮東コミュニティセンターさくらは「廃止」と言っています。

 しかし新施設は現在の「さくら」よりも市民活動スペースが狭く使いにくくなることは明らかで、住民から現在のコミセンを廃止しないでほしいという意見が上がっていました。
これらの声を受けて地元の桜田地区と東鷲宮地区のコミュニティ協議会から「鷲宮東コミセンさくらの存続を求める」請願書が提出されました。
市議会では12月13日の総務財政市民委員会で審議され、最終日の本会議で採決が行われます。

公共施設を一方的に廃止の計画

 市では現在、「公共施設個別施設計画」を策定しています。昨年の市長選挙の前には、市役所を鷲宮地区(?)に移転新築、障害者施設の民間譲渡、集会所の地元譲渡などの計画を作ったものの、市民の強い反対で撤回していました。
今度はその改訂版です。
本来はそれぞれの施設の性格や目的、市民サービスの確保などの観点から判断するべきなのに、前計画と同様に運営費や維持管理費の節減だけを目的に、公共施設をどんどん減らしていく計画になっています。来年の2月市議会に提案される見通しです。

【現在までにわかっている計画の内容】
◆6年後までに廃止…市民プール、菖蒲・鷲宮の温水プール、東町集会所・本町集会所・青葉地域交流センター など
◆7〜15年後までに廃止…4つの保健センター、鷲宮体育センター、栗橋B&G海洋センター、鷲宮児童館、菖蒲文化会館、栗橋文化会館、太田集会所、中央コミセン・鷲宮中央コミセン、彩嘉園 など
◆15年後までに民間譲渡…さくら保育園、すみれ保育園


【11月市議会】 久喜市の機構「改革」(3)
市の行政組織が肥大化していないか
『声と眼』662号 2023/12/2

 組織機構の再編成の結果、現在の「11部・3総合支所・57課・173係」から、来年度には「13部・61課・170係」の体制になります。
一方、管理職の人数は2019年に一般職の常勤職員数773人で課長以上98人(課長補佐以上190人)でしたが、2023年には一般職の常勤職員数833人の内、課長以上109人(課長補佐以上215人)に増えています。

 行政組織は市民の目線に立って、どの部署がどんな行政事務を担当しているのか、市民が市役所で何かを相談したいと思ったときにどこに行けばいいのかをわかりやすい組織でなければなりません。
最近の久喜市の組織機構再編成はどうでしょうか。


【11月市議会】 久喜市の機構「改革」(2)
保健センター・建設・教育部門も再編成
『声と眼』662号 2023/12/1

 今年4月に昨年までの健康子ども未来部が、【健康スポーツ部】【子ども未来部】に分割されました。
来年度は、保健指導や検診の業務を一括して担当する【地域保健課】を新設して、中央保健センターと栗橋保健センターに分けて配置します。
菖蒲と鷲宮の保健センターは建物だけは残しますが、検診などに使う以外は無人となります。
一方、母子保健の業務は地域保健課でなく、こども未来部に新設する【こども家庭保健課〈こども家庭センター〉】で担当します。
高齢者や成人保健は健康スポーツ部、母子保健はこども未来部と分離して、一元的な保健行政が維持できるのか、またそれぞれ保健師を確保できるのでしょうか。

 市民部に【交通住宅課】を新設して、これまでの交通企画課と、建設部都市整備課で担当していた市営住宅や空き家対策を統合します。
しかしこの2つの行政事務にどういう関係性があるのか…。

 建設部を分割し、【まちづくり推進部】を新設して都市計画課・都市整備課・産業拠点整備推進課・公園緑地課・建築審査課を置きます。
青葉公園や総合運動公園、清久公園などの運動施設は公園緑地課ではなくて健康スポーツ部のスポーツ振興課の担当なので、市民からはよくわかりにくいと言われます。
教育部の教育総務課と学務課を再編成します。
これまで教育総務課で行っていた学校統廃合の推進や学校施設の管理を【学校施設課】に移行し、学務課で担っていた学校運営などのソフト面の管理を【(新)教育総務課】が担当することになります。
学校施設の老朽化でさまざまな問題が噴出している今、なぜ教育部の組織を変更するのか、学校施設維持管理の責任の所在があいまいにならないか危惧されます。

★これまで保健センターは4地区に分かれていて、地元の妊婦さんや新生児の家を一軒一軒訪問するなど、地域密着で市民の健康を守ってきた。
4月から2か所に集約してだいじょうぶか。★


【11月市議会】 来年4月、久喜市の機構「改革」(1)
『声と眼』662号 2023/11/30

 11月市議会に新年度からの市の組織・機構改革が提案されました。
最近数年間で部・課の新設や大きな再編成が続いていますが、それが行政サービスの向上に繋がっているかどうかを検証する必要があります。

 今回のいちばんの目玉は【市長公室】の新設です。
今年4月に財政部を市の中枢機関としての【総合政策部】に再編成しましたが、今度の市長公室は市長直属の“部”になります。

菖蒲・栗橋・鷲宮の総合支所を廃止して、【行政センター】に格下げとなります。
合併当初の総合支所は市民課窓口や各地区の環境経済、福祉も担当していましたが、次第に機能が縮小されてきました。
各地区行政センターは市民部の下に置かれて、総務人権係・地域振興係・市民係、社会福祉課の各地区福祉係を置きます。
住民票等の手続きはできるようですが、ますます権限が小さく…。

 市役所庁舎などの施設を管理する管財課はもともとは財政部に置かれていて、【アセットマネジメント推進課】に名前を変えて公共施設の管理と長期計画を担当していました。
そこから今年は公共施設の管理事務だけを切り離して、総務部庶務課の管財係になりました。
来年度には総務部に【管財課】が復活します。度重なる組織いじりで、老朽化して故障が相次いでいる公共施設の維持管理の対策や予算措置の権限を明確にするべきではないでしょうか。


【一般質問】 相次ぐ公共施設の故障、維持補修は
2023年9月市議会 『声と眼』659号 2023/10/11

 久喜市の多くの公共施設で老朽化による施設や設備の故障や雨漏りが発生していて、何年間も放置されてきました。
実態調査と補修の促進を求めました。

 市役所本庁舎など11施設で排水設備の故障が発生していました。
市役所、中央コミセン、栗橋くりむ、太田小、菖蒲小、菖蒲東小、栗橋南小、鷲宮小は今年度中、桜田小は来年度に修繕完了の見通しが明らかにされました。
三箇小と栗橋東中は『現在は流れているので修繕はせず経過を観察する』としていますが、原因を調査して故障する前に修繕するべきです。

 14施設でエアコンが故障していましたが、市役所、花みずき会館、菖蒲文化会館アミーゴ、栗橋くりむ、偕楽荘、鷲宮温水プール、菖蒲支所、栗橋くぷる、学校給食センターなどは今年度に修繕し、来年度に栗橋イリス、市民農園久喜、栗橋中央コミセンの修繕を予定しています。
この内、菖蒲アミーゴは2017年からエアコンが故障したまま放置されていました。
「故障するまで放っておく、故障してもすぐには修繕しないで先送りする」という、これまでの公共施設管理のやり方を改めて、「予防保全」に転換するよう求めました。

 総合体育館第1体育館は2006年から、第2体育館では1999年から雨漏りが発生していました。
市は議会には雨漏りしていることは報告せずに、応急的な補修でしのいできましたが、いっこうに解消できませんでした。
ようやく本格的な修繕を行うことになって、22年度に1265万円で大規模改修の設計が終わりましたが、工事は24年度にずれ込む見込みです。

 総合体育館の他、市役所本庁舎、労働会館、あやめ会館、栗橋くりむ、栗橋B&Gセンター、鷲宮体育センター、栗橋中央コミセン、中央幼稚園、中央図書館など10施設で雨漏りが発生していることが明らかになっています。
栗橋くりむと中央幼稚園は今年度に修繕する予定ですが、その他の施設は雨漏りの原因の調査もできていません。雨漏りはこれ以上の放置は許されません。
今年度中に調査に入るよう求めたのに対し、市は『調査ができるように進めていきたいと思います』と答弁しました。

 また、すべての老朽施設の点検を行うように求めましたが、市は『すべての施設の定期的な点検を実施できるよう検討している』と答弁しています。

 いずれも“直ちに調査に入る”“総点検する”と明言しなかったのは、やる気がある? ない?


【9月市議会】 2023年度一般会計決算認定に反対の討論をしました
2023/9/30

 8月28日、9月定例会議の最終日で、議案に対する討論で、猪股は昨年度の一般会計決算認定と今年度の一般会計補正予算に対して反対の討論を行いました。

【反対討論】 議案第13号 2023年度一般会計決算認定に対する反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 決算認定議案については、政策の評価や行政執行上のいくつかの課題を指摘するとともに、財政運営が適正だったか否かという観点で判断していきたい。

(1)障害者の別枠採用を継続してきたが、昨年度は実雇用率はアップしたものの、雇用数は23人で変わっていない。
 職員採用試験で、身体障害者2名、精神障害者3名、知的障害者1名の応募があったが、結果的に採用はゼロだった。
 久喜市が障害者雇用の促進に積極的で、別枠採用も行っていることから、毎年一定数の障害者の応募があるが、しかし実際にはゼロ採用が続いている。
 障害者の別枠採用で募集しているのに、選考の際に実際には職種、職場での合理的配慮、短時間勤務、ジョブコーチなどの対策を講じることなく、面接で振るい落として、適任者がいなかったということを続けていれば、久喜市の障害者雇用の姿勢それ自体に疑念を抱かれることになる。
 今後、職場における必要で合理的な配慮を、具体的に検討して、募集要項に反映させることや、実際の応募者に対して、具体的にどのような合理的配慮が必要かという検討を行った上での先行をしていかなければならない。

(2)職員の時間外勤務は全体的に減少傾向にあり、平準化されてきたと評価できる。
 部署によって、また季節的に繁忙時期が入ることはやむを得ない面があるが、一部の部署において、月100時間を超える時間外勤務が10数人から20人近くあって、最長が188時間、185時間となっていることも明らかにされた。
 コロナ禍など、個別の事情があるが、結果的に多くの職員が、過労死ラインの時間外勤務をしていたわけで、即刻、人事管理、時間外勤務の管理の、是正の措置を取るべきである。

(3)男性職員の育児休暇、出産補助休暇取得が、大きく改善してきたことは評価できる。
 しかしたとえば、男性の育児参加休暇を取得した職員は増えたものの、取得日数が少ないという実体がある。特に、職場環境や仕事の都合で育児休業が取得できないなどということがあってはならないのであって、さらに改善すべきである。

(4)昨年度に生活保護の新規申請者と継続の世帯1612世帯の内、714世帯に1415件の扶養総会を行った。その回答は507件で、回答が北中でも約200件はいっさいの支援ができないという回答であり、支援金を送ってきているのはわずか4件だった。
 残りの300件は精神的支援のみ可能と言うことであるが、その精神的支援に実効性があるのかどうか疑問である。内容を確認した上で、不必要なそして生活保護世帯に圧迫感・負担感を与えるだけの扶養紹介、具体的な支援が期待できないような場合は扶養照会自体を止めるべきです。

(5)市の公共施設の電力購入については、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題である。
 であれば、電力調達に関わる環境配慮基準自体を見直して、再生可能エネルギーの比率の高い電力事業者が、久喜市の公共施設の電力入札に参入しやすくして、久喜市の公共施設で使用する電力の内の再生可能エネルギーの割合を引き上げていく必要がある。
 まずは、所沢市のような、独自の「環境影響評価項目の評価基準」を設定していくべきである。
市長が2050年ゼロカーボンを宣言した今こそ、政策的に積極的に再生可能エネルギーの調達を増やしていくべきである。

維持補修費を節減してきたツケとしての公共施設の故障・破損の噴出

(6)財政運営については、まず、財政調整基金積立額は22年度末も、大幅に減少するという昨年度時点での見通しとは違って、43億円と増額となった。
 23年度末の積立額がどうなるかは、結果を見ることとするが、例年の年度末の不用額の整理や取り崩し額の戻し入れによって40億円の水準を確保するのではないかと思われる。
 標準財政規模の10%程度が適正規模とされているが、久喜市は13.4%となっている。
 これは、公共施設の維持管理費などの、本来必要な所に財政を使わないで、不要不急の事業に財源を振り向けたり、基金への積立を自己目的化すれば、市民サービスや公共施設の水準はますます下がっていかざるを得ない。
 実際、22年度決算は、歳出の性質別内訳の年間の維持補修費が3億8169万円、構成比で0.7%へと大きく膨らんだが、それでも昨年度末から今年度において、公共施設や学校などの施設の老朽化による故障や破損、不具合が相次いで露呈された。
 建築基準法12条点検によって指摘された是正措置が手つかずで、事実上放置されてきたことも明らかになった。
 維持補修費は、合併以来ほぼ3億円〜4億円、0.6%以上を維持してきていたが、2017年に突然1億5000万円0.3%に半減されて、それ以来低く据え置かれてきた。
 公共施設の老朽化による不具合や故障が噴出したのは、その結果であったと言わざるを得ない。22年度には、0.7%へと倍増となったが、それはこれまでの必要な維持補修費を減らしてきたツケがまわってきたに過ぎないと言える。
 これまでは「予防保全型維持管理」が単なるタテマエとしてしか語られれてこなかったわけで、今や久喜市の公共施設の維持管理のあり方がいかに貧弱であったか、本末転倒していたか、その結果として、学校や公共施設が安全で安心して利用できる市民サービスの水準を確保できていなかったことが、市民にも全国にも露呈された。
 学校や公共施設を雨漏りがしない、エアコンが故障して閉館になったりしない、トイレがあたりまえに使えるというのは最低限の市民サービスである。これらができていなかったということは、久喜市の財政運営の失敗であり、アセットメネジメンとの失敗である。

 給食センターのエアコンの凍結故障は、人災の疑いが強い。
 そもそもメーカーからは凍結防止対策として、ダンパーや不凍液などの設備機器の対策の他、「温水循環運転」が提案されていたのに、12月〜1月の寒波が予想されたのに、これを無視して水の循環運転だけで済まそうとした、その結果の破損、故障であって、金をかけないでかえって市に大損害を与えてしまった。
 こうした財政運営によって、給食センターのエアコンを含めて、公共施設の故障や破損を招いてきたことを見れば、昨年度の決算認定は不認定とせざるを得ない。

【一般質問】 エレベーターの地震対策を求める
2023年9月 『声と眼』658号 2023/9/21

  09年以降に設置されたエレベータは、震度4以上で自動的に最寄り階に停止して扉が開く安全装置が設置されています。
しかしそれ以前のエレベータは設置が義務付けられていないため、大地震では途中で止まって閉じ込められるおそれがあります。
久喜市では古いエレベータが20基あって、今年度中に鷲宮支所と中央図書館、鷲宮図書館、来年度に総合体育館のエレベータを改修する予定ですが、残りのふれあいセンター、栗橋駅自由通路2基、小中学校13校には安全装置が設置されていません。
これらのエレベータも早急に改修するよう求めました。

 また、安全装置が設置されていても、強い揺れでガイドレールから外れたりして安全装置が機能しないケースもあると言われています。
エレベータ内に閉じ込められた場合は救出に数時間かかると想定されます。
こうした「万一の場合」に備えて、エレベータ内に「防災備蓄ボックス」を設置するよう提言しました。
備蓄ボックスは飲料水や非常食、簡易トイレ、懐中電灯などが入っていて1個2〜3万円です。
市は『他市の状況を調査する』と答えましたが、市民の安全のために安い買い物ではないでしょうか。


【9月市議会】 今度は総合体育館の雨漏りも
『声と眼』656号 2023/8/29

 久喜市の公共施設で、トイレ排水やエアコンの故障、雨漏りなどが次々に明らかになっています。

 排水設備の故障は11施設にのぼっています。
市役所本庁舎の他、中央コミセン(旧公民館)、健康福祉センターくりむ、太田小、菖蒲小、菖蒲東小、栗橋南小、鷲宮小は今年度、桜田小は来年に修繕を行うことになりました。
三箇小や栗橋東中は予定が立っていません。

 エアコンが故障しているのは14施設です。
2017年から故障が放置されてきた菖蒲文化会館アミーゴ、健康福祉センターくりむ(故障は18年から)、花みずき会館(21年から)、偕楽荘、鷲宮温水プール、菖蒲総合支所など10施設は今年度に修繕することになりましたが、栗橋文化会館イリス、市民農園久喜、栗橋中央コミセンの3施設は来年度になる予定です。
公共施設の維持補修費を削減して、何年も放置してきたツケが一挙に噴き出しています。

 市は6月市議会最終日に追加の補正予算を計上して、本庁舎や各総合支所の排水管の調査、小中学校の外壁調査と改修工事の設計を進めています。
この際、すべての老朽化した公共施設の排水管やエアコンの総点検を行うべきではないでしょうか。

 また市民からの情報も寄せられています。総合運動公園の第1体育館・第2体育館で数年前から雨漏りが続いていたことがわかりました。
市では昨年の予算で大規模改修の設計費3220万円を計上しましたが、議会には雨漏りしていることは報告されませんでした。改修工事は来年度にずれ込む見込みです。
他にもまだ明らかにされていない雨漏りや故障箇所があるかも知れません。


【9月市議会】 来年4月からの機構改革案を発表
『声と眼』656号 2023/8/28

 来年度の市の機構改革案が発表されました。

(1)市長直属の「市長公室」を新設して秘書課、危機管理課、シティセールス課を置くとしています。
これまでの総合政策部や総務部があるのに、新たに部長級の組織を新設する必要があるのかどうか、疑問があります。
(2)これまで独立していた3か所の総合支所を格下げして、市民部の下に3地区の「行政センター」を置きます。
税金や福祉などの市民の窓口事務は各行政センターでこれまでと同様にできると説明していますが、支所の権限や地域の窓口が次第に縮小されていくのは否定できません。
(3)保健センター業務の統合を進めて、菖蒲と鷲宮の保健センターは検診会場としてだけ使われることになります。


【9月市議会】 2022年度決算、コロナ禍で財政拡大、基金も増額
『声と眼』656号 2023/8/27

  2022年度一般会計決算は当初予算よりも歳入が11%増、歳出が6%増となりました。
コロナ禍で生活困難に陥った市民や子育て世帯、ひとり親世帯への緊急支援、子育て給付金や定額給付金、新型コロナワクチン接種などの費用の拡大によるものです。
それらの財源は、主に国からの地方交付税(18億円増)や国庫補助金など(30億円増)でまかなわれました。

 市の貯金である財政調整基金は、2021年度末残高約41億円から43億円に増えました。
これまで市は22年度末に37億円に減り、その後も大幅に減り続けると言ってきましたが、実際には40億円程度を維持できると思われます。
久喜市の財政規模では33億円程度が「適正規模」とされていますが、大きく上回っています。この他にも、アセットマネジメント基金が13億円(5億円増)など、基金総額では100億円を超えました。

 公共施設の維持補修費などを削減して、必要な事業を先送りしながら貯金を膨らませるのは、財政支出の考え方が間違っていると言わざるを得ません。

久喜市の2022年度一般会計決算(単位:千円)
歳入 当初予算額  決算額 当初予算比
増減率
市税 224億4295万 233億2590万 +3.9%
地方譲与税 4億3694万 4億4382万 +1.6%
利子割交付金 1500万 833万 ▲44.5%
配当割交付金 9000万 1億1981万 +33.1%
株式等譲渡所得割交付金 6600万 9323万 +41.3%
法人事業税交付金 1億7400万 2億8102万 +61.5%
地方消費税交付金 30億0000万 35億2093万 +17.4%
環境性能割交付金 7400万 7595万 +2.6%
地方特例交付金 1億4100万 1億7081万 +28.2%
地方交付税 36億7000万 54億9992万 +49.9%
交通安全対策特別交付金 2116万 1838万 ▲13.1%
分担金及び負担金 2億1783万 2億0516万 ▲5.8%
使用料及び手数料 2億7281万 3億0249万 +10.9%
国庫支出金 87億5654万 117億6334万 +34.3%
県支出金 38億5619万 37億7291万 ▲2.2%
財産収入 1920万 1億3967万 +627.41%
寄附金 2501万 5928万 +137.4%
繰入金 16億3093万 10億5953万 ▲35.1%
繰越金 4億0000万 13億8821万 +247.1%
諸収入 11億7245万 11億1524万 ▲4.9%
市債 34億9700万 19億7791万 ▲43.4%
合   計 499億7900万 553億5181万 +10.8%
歳出
議会費 3億5795万 3億3993万 ▲5.0%
総務費 57億9687万 56億5701万 ▲2.4%
民生費 222億5308万 239億3493万 +7.6%
衛生費 48億0757万 55億6435万 +15.7%
労働費 1265万 1282万 +1.3%
農林水産業費 7億0936万 6億7200万 ▲5.3%
商工費 2億5959万 3億2035万 +23.4%
土木費 41億1924万 41億9015万 +1.7%
消防費 21億9302万 21億6268万 ▲1.4%
教育費 48億8352万 52億0002万 +6.5%
公債費 43億2589万 42億3271万 ▲2.2%
諸支出金 1億6105万 6億5124万 +304.4%
合   計 499億7900万 529億3818万 +5.9%

歳入歳出差引額 24億1362万円
 継続費等を除く実質の差引額 18億3149万円
 1/2を財政調整基金積立て 9億1575万円
   2022年度一般会計への繰越金 9億1575万円
財政調整基金 2022年度末残高 43億0886万円

久喜市の公共施設老朽化が放置されていた問題
新聞各紙、TVでも放映された

『声と眼』655号 2023/8/3

  久喜市の公共施設の老朽化や維持管理の不全で、故障や破損が放置されてきた問題が、マスコミでも大きく取り上げられています。
読売、朝日、毎日、埼玉新聞などの各紙の他、7月6日にはテレビ朝日・グッドモーニング、またフジテレビ・めざまし8でも全国放送されました。
テレビ画面には市役所本庁舎のトイレの故障、久喜中の教室等の雨漏り、久喜東中の外壁モルタルの落下、久喜駅西口デッキのコンクリート片の落下などの悲惨な現状が映し出されました。
BS-TBSからも取材が入っていて今後放送されるようです。

 他市でも公共施設の老朽化問題はありますが、少なくとも3年以上も前から10校もの小中学校で雨漏りが続いていたり、多くの公共施設のエアコンが何年間も故障したまま修理されないなどというのは聞いたことがありません。
市は公共施設の維持管理ができていない現状を『恥ずかしい』と思うべきです。

 秋から来年度の予算編成作業が始まります。
市はこれまで削減してきた維持補修費を大幅に増額して、雨漏りや設備の故障を早急に解消させる責任を負っています。
子どもたちと市民の安全を最優先に、この異常事態を一刻も早く正常化すべきです。


【一般質問】 公共施設の維持補修が不適切だった
予防保全型維持委管理に転換すべき

2023年6月市議会 『声と眼』653号 2023/7/12

 久喜市で公共施設の設備故障や破損が相次いでいます。
市役所トイレは40年以上も点検もしてこなかった結果、排水管が詰まって3月から使用不能、花みずき会館や栗橋健康福祉センターくりむのエアコン、中央コミセン(旧公民館)のトイレは2年前から故障、菖蒲文化会館アミーゴのエアコンは6年前から故障しています。
久喜駅西口デッキは30年以上も点検してこなかった結果、3月にコンクリートが落下しました。
久喜市は公共施設の維持管理や点検に金をかけないで、故障するまで放置し、故障・破損してもすぐには修理にかからずに放置してきました。

 合併当時は決算総額の1%程度の3億円以上を維持補修費に充てていたのに、梅田市長になった5年前から維持補修費を1億5000万円(0.3%)に半減させました。
維持補修費の割合は県内40市中で下から10番目です。
公共施設の施設設備の維持管理は「予防保全型維持管理」を基本にするよう提言し、市長も『これまで事後保全が中心だったが、今後は予防保全を中心とした維持管理をしていきたい』と答弁しました。

 これらの他にも10施設以上でエアコンが故障したままになっていることがわかりました。
花みずき会館やくりむ、アミーゴのように故障しても修理せずに数年以上放置されてきた施設もあります。
故障したらすぐに修理に取りかかるべきなのに、市は“利用状況などから緊急性が低い”と判断した施設は先送りして修理せず、『計画的に修繕を実施してきた』と説明しています。
しかし小さな不具合の段階で修理しないで、完全に故障するまで放置すればかえって修理費が高くつく場合もあります。
維持管理と修繕の考え方を抜本的に改めるように求めました。

 建築後35年以上の老朽化した施設の排水管やエアコンを総点検するよう求めましたが、市はすぐに総点検にかかる考えはないようです。
これではまた施設や設備の故障・破損が繰り返されるばかりです。まず老朽施設の総点検をどのように進めるかという計画を作るよう求めましたが、ようやく『来年度予算に間に合うように計画を作れるように努力していく』と答弁しました。


【6月市議会】 追加議案、学校の外壁改修設計と調査の
補正予算に対する賛成討論

2023/7/7

 7月6日、6月定例会議の最終日でした。議案に対する討論で、猪股は2件の補正予算に対して賛成討論を行いました。

【賛成討論】 議案第11号 一般会計補正予算(第3号)

 (1)本庁舎のトイレ排水管の調査は、東側トイレについては、排水管の内部の検査をするまでもなく、老朽化が進んでいると見なして、現在の西側トイレ改修完了後、引き続いて、排水管を庁舎の外側へ切り回して設置するよう、提案しておく、

(2)市内には、各小中学校から教育委員会に出されている修繕要望によると、9校で雨漏りが起きている。
 今回の補正予算、小中学校12校の外壁開封工事の設計および外壁調査については、雨漏り対策ではなく、外壁の維持管理、保守点検と、落下防止のための工事設計が主目的である。
 一部、外壁亀裂からの雨漏りの場合には、その対策にもなると説明された、
 しかし、久喜市内の小中学校校舎にとっての最優先すべき課題は、外壁の安全対策と同時に、雨漏り対策である。
 早急に、雨漏りしている小中学校について、屋上防水の改修を計画し、今年度ないし来年度には設計費を計上して、雨漏り防止のための工事を計画されたい。
 特に、久喜中学校については、教育委員会として、9月の補正予算に設計費、来年度予算で雨漏り改修工事を実施したいとの考えが示されたので、市長は予算措置をして、速やかに工事を実施するよう求める。
 その他の8校についても、早期に設計、改修工事を実施するよう求める。
(3)公共施設の維持管理について、久喜市はこれまで、主に、事後補修の手法で対応してきた。
 久喜駅西口デッキについても、「職員が通ったときに目視で確認してきた」というように、安全性や耐久性についての点検もおざなりで、エアコンなどが故障するまで放っておく、故障しても放っておく、数か月や数年放置されてきた施設も多い。
 こうしたこれまでの維持管理の考え方を抜本的に改め、予防保全型維持管理に切り替えるよう求める。

【くき市議会だより】 猪股の一般質問の原稿
2023/7/4

 久喜市議会では『議会だより』の記事は、各会派から選任している広報委員会が編集しています。
 一般質問の記事は、質問した議員が自分で書いて提出します。
 私は今回、6項目の質問の中から、公共施設の維持補修費の現状についてただしたものを記事にしました。
各議員の原稿は22文字×30行以内に制限されていますので、質問・答弁のエッセンスだけを掲載せざるを得ません。
 【久喜市議会のホームページ中継録画へのリンク】
6番目 猪股の「再生」をクリックしてください

公共施設の維持管理を“予防保全型”に転換を求める

質問
 公共施設の設備故障や破損が相次いでいる。
市役所トイレ、花みずき会館のエアコン、菖蒲文化会館アミーゴのエアコン、栗橋健康福祉センターくりむのエアコン、中央コミセン(旧公民館)のトイレ、西口デッキの破損など。
久喜市は維持管理に金をかけないで、故障するまで放置してきた。合併当時は決算総額の1%程度の3億円以上を維持補修費に充てていたのに、梅田市長の5年前から維持補修費を0.3%の1億5000万円と半減させた。
維持補修費の割合は県内40市中で下から10番目である。
公共施設の施設設備の維持管理は、「予防保全型維持管理」を基本にすべきである。

市長の答弁
これまで事後保全が中心だったが、今後は予防保全を中心とした維持管理をしていきたい。

質問
 故障しても修理せずに数年以上も放置してきた施設もある。すぐに修理に取りかかるべきだ。

部長の答弁
利用状況などから計画的に修繕を実施し、緊急性が低いと判断したものは修理しなかった。

猪股の要望
 故障しても修理予算を付けずに、どうしようもなくなるまで先送りする、それが現在の状態だ。こんなやり方は抜本的に改めていただきたい。

質問
 建築後35年以上の施設の排水やエアコンを総点検すべきでないか。点検の計画を作るべきだ。

部長答弁
来年度予算に間に合うように計画を作れるように努力していく。

その他の質問
◆ファミリーシップ制度、届け出制、自治体間連携の導入。
◆水泳授業にジェンダーレス水着の導入。
◆公共施設に太陽光発電設備の設置促進。
◆市道の交通安全の路面標示の補修。
◆ゼロカーボンシティへ、気候市民会議の開催を。

久喜市の10年間の決算を調べてみると
維持補修費が半減されていることがわかった
『声と眼』652号 2023/6/9

エンゼル公園の遊具破損 修理に1年

 エンゼル公園の大型遊具が破損して一部が使用禁止になっています。
昨年から壊れていて、やっと6月に修理を委託しましたが、完了は来年になる見込みです。
なぜすぐに修理するというあたりまえの対応が取れないのでしょうか。

 最近になって久喜市の公共施設の故障・破損が多発しています。
前号で市役所本庁舎トイレ、西口ペデストリアンデッキの破損、花みずき会館のエアコン、中央コミセン(公民館)の男性用トイレの故障について書きました。
その他にも健康福祉センター(栗橋くりむ)のエアコンが昨年から不調でしたが、ついに全館のエアコンが故障しました。
菖蒲文化会館アミーゴのエアコンは数年前から一部が故障したままです。

 市は公共施設の維持管理に金をかけずに、故障しても修理を先送りしてきました。
施設を適切に維持管理するのは市の最低限の責任です。施設や設備が故障したら直ちに予算を確保して改修すべきです。

維持補修費が大幅に減額されてきた

 市の毎年の一般会計決算で維持補修費の推移を調べてみると、10年間で大幅に減額されてきたことがわかりました。
維持補修費
(単位 千円)
決算額に
占める割合
2010 3億3291万7 0.8%
2011 3億2187万3 0.7%
2012 4億3724万6 1.0%
2013 3億4708万1 0.8%
2014 3億4311万6 0.7%
2015 2億6472万9 0.5%
2016 3億4753万3 0.7%
2017 2億9233万6 0.6%
2018 1億5597万8 0.3%
2019 1億5142万9 0.3%
2020 2億2160万9 0.3%
2021 2億5326万9 0.4%

 2021年度の維持補修費は、10年度(合併の年)比で24%減、最大だった12年から1億8400万円(42%)もの減です。
特に2018年に梅田市長になってから極端に減額されていて、その前の4年間に比べて2分の1程度に切り詰められました。
これではとうてい公共施設の適正な維持管理を行うことはできません。

★市はすぐに「予算がない」と言い訳しますが、本来は義務的経費と維持管理費を確保した上で新規事業を行うべきで、久喜市は予算の使い方、優先順位を間違っていると言うしかありません。★

財政調整基金積立額 県内40市の比較
『声と眼』651号 2023/5/20

 2021年度末の県内40市の財政調整基金額が公表されました【下表】。

 財政調整基金は、不測の事態で財源不足が生じたときのために積み立てておく、特に目的を定めない市の貯金です。
久喜市の財政規模では33億円程度が「適正規模」とされています。
18年度にはこれを大きく上回る50億円以上にも膨らみましたが、コロナ禍で緊急生活支援などに取り崩した結果、21年度末の積立額は41億円余となりました。
県内40市中では15番目、市民1人あたり3万円近い貯金があることになります。
その後、今年5月の財政調整基金積立額は43億円を超える規模にまで増えてきています。
その他に、ごみ処理施設整備基金に13億円、アセットマネジメント基金に13億6300万円などの積立金もあります。
市民サービスを抑制することによって、目的のない基金を過大に積み立てておくのではなく、子育て支援などの政策を積極的に進めた上で、事業目的を明確にした基金を確保していくべきです。

人口 財政調整基金 人口1人あたり 基金総額 人口1人あたり
  順位   順位   順位   順位  
さいたま市 133万9 1 302億8792万 31 2万2606 1 566億0797万 29 4万2251
川口市 59万1 2 145億4818万 27 2万4585 2 436万6811万 15 7万3796
深谷市 14万0 3 133億1793万 1 9万5035 4 236億4683万 3 16万8740
熊谷市 19万2 4 117億5879万 2 6万1208 3 237億6003万 5 12万3678
越谷市 34万0 5 86億5583万 25 2万5404 12 120億5986万 36 3万5394
草加市 24万9 6 82億8066万 14 3万3226 10 127億9409万 25 5万1337
所沢市 34万2 7 81億9110万 29 2万3921 8 138億2375万 33 4万0371
新座市 16万5 8 75億2167万 4 4万5420 20 77億3811万 27 4万6727
戸田市 14万1 9 62億7174万 5 4万4202 7 143億7777万 7 10万1332
狭山市 14万8 10 51億6679万 13 3万4873 14 100億6757万 16 6万7951
春日部市 22万8 11 51億3614万 32 2万2503 11 125億1219万 23 5万4820
本庄市 7万8 12 45億4247万 3 5万8007 6 160億3465万 2 20万4763
富士見市 11万2 13 44億7187万 10 3万9715 21 74億8253万 17 6万6452
坂戸市 9万9 14 41億9283万 7 4万2040 27 54億5887万 24 5万4734
久喜市 14万9 15 41億6861万 20 2万7975 16 83億8513万 22 5万6271
上尾市 22万8 16 40億0630万 27 1万7560 15 93億3968万 32 4万0938
入間市 14万4 17 38億8598万 22 2万6955 29 52億6517万 35 3万6522
三郷市 14万1 18 38億3799万 21 2万7041 26 54億7463万 34 3万8572
川越市 35万4 19 37億4910万 40 1万0566 18 78億1918万 40 2万2036
ふじみ野市 11万3 20 36億6844万 15 3万2410 5 181億1585万 4 16万0053
八潮市 9万3 21 32億5551万 12 3万4912 17 80億3906万 11 8万6212
志木市 7万5 22 31億6070万 8 4万1980 25 55億8909万 14 7万4234
鴻巣市 11万6 23 30億9944万 23 2万6567 13 102億9350万 9 8万8232
蕨市 7万3 24 29億6688万 9 4万0138 19 77億4102万 6 10万4727
加須市 11万0 25 27億2702万 28 2万4580 23 65億1490万 19 5万8722
朝霞市 14万2 26 27億0007万 36 1万8965 35 34億2864万 39 2万4082
秩父市 5万7 27 24億8703万 6 4万2994 9 136億7191万 1 23万6350
東松山市 9万2 28 23億7262万 24 2万5757 29 46億9940万 26 5万1017
北本市 6万4 29 20億6066万 16 3万1703 24 57億3333万 10 8万8206
吉川市 7万1 30 20億3849万 19 2万8381 36 32億8065万 28 4万5675
和光市 8万3 31 18億5421万 33 2万2141 38 25億9893万 38 3万1034
羽生市 5万2 32 18億5019万 11 3万5244 32 44億4083万 12 8万4593
行田市 7万7 33 18億1283万 30 2万3488 22 68億5789万 8 8万8854
蓮田市 6万1 34 17億8066万 18 2万9076 34 34億7516万 20 5万6745
鶴ヶ島市 7万0 35 17億5923万 26 2万4996 30 45億9667万 19 6万5313
日高市 5万3 36 16億5491万 17 3万0694 33 40億4335万 13 7万4995
飯能市 7万9 37 13億8818万 38 1万7424 31 44億9189万 21 5万6381
桶川市 7万4 38 11億0584万 39 1万4901 37 30億7445万 31 4万1428
白岡市 5万2 39 10億6736万 35 2万0305 39 22億1561万 30 4万2149
幸手市 4万9 40 10億3863万 34 2万1125 40 16億4839万 37 3万3528
平均 49億4602万 2万8857 105億2167万 6万1389

【5月市議会】 市役所トイレ修理に9か月 9485万円
『声と眼』651号 2023/5/18

 3月10日に市役所のトイレが故障して、ほとんどのトイレが使用不能になりました。
全館で3か所しか使えないので、仮設トイレを設置・増設してしのいでいます。
職員は水分摂取を控えながら仕事をしている有様で、市民にも迷惑をかけています。
市長は予備費を使ってでも緊急工事を行うべきだったのに、決断できずに2か月間も放置されてきました。

 15日の招集会議に一般会計補正予算が提案され、ようやく修理工事費8000万円、仮設トイレ借り上げ料1485万円が計上されました。
市の説明によると、故障の原因は1階の排水管に鉄サビが詰まり、汚水が通気管に逆流して管の接合部分から漏れ出したというもので、接合部が腐食していたこともわかりました。
市役所は1980年に建築されて、2015年に耐震補強改修やトイレの洋式化などを行いました。
しかし排水管などの付属設備は、臭気などの衛生管理以外は43年間、点検も維持管理もまったく行われていませんでした。

 今後、6月から排水管の全面交換を進める計画で、下層階から工事に取りかかる予定です。
市では各階の工事に2か月を要するので、全館のトイレ修理が完了するのは来年1月以降になると言っています。
私は、(1)工事計画を見直し、複数の業者に委託して全館同時に工事を進め、短期間に修理を完了させるよう求めるとともに、
(2)他の公共施設の排水設備についても一斉点検して更新を進めるよう提言しました。

公共施設の維持管理はどうなっている

 市はことあるごとに公共施設のアセットマネジメントが重要だと言ってきました。
しかし実際には市の公共施設の点検、維持管理やメンテナンスには極力財政を使わないですませてきました。
その結果、あちこちで公共施設の不具合が表面化してきています。
久喜駅西口ではデッキを支えていたコンクリートが破損して通行止めになり、その後もデッキの鉄サビが車両に落下しました。
中央コミセン(公民館)でもトイレの一部が故障で使用禁止になっています。はなみずき会館のエアコンは1年間も故障したままで、今年7〜9月まで休館とされてしまいました。

 このままでは市民の安全にも関わります。「予防保全型維持管理」の考え方に立って、市の公共施設の総点検と、小さな異常の段階で発見して維持管理・メンテナンスを進めるべきではないでしょうか。

【5月市議会】 緊急事態!! 市役所トイレ故障どうする
『声と眼』650号 2023/5/2

 市役所本庁舎のトイレが3月に故障して、1〜5階までのほとんどのトイレが使用不能の状態です。
駐車場に仮設トイレを増設してしのいでいますが、市民や職員に不便を強いています。
15日に開かれる予定の市議会に、修理のための補正予算が提案される見通しであることがわかりました。
今のところ、応急補修なのか、抜本的な修理を行うのか、工事期間や使用再開のメドは明らかにされていません(5月1日現在)。

 久喜駅西口デッキのクッキープラザとの接合部分が、3月に破損したまま通行止めになっています。
こちらも補修の計画は明らかにされていません。

 はなみずき会館も昨年からエアコンが故障したままです。
今年7〜9月を休館にして修理する予定ですが、なぜ暑くなる前に修理できないのでしょうか。

 久喜市では公共施設の維持管理に金をかけないできたツケがあちこちで噴出しています。
公共施設を総点検し、市民のために必要であれば予備費を使ってでも緊急補修を進めるべきではないでしょうか。

★久喜市は本庁舎トイレ故障の現状や修理の方針について市民にまったく説明しようとしていない。
経過や見通しを明らかにするべきではないか。
水洗・エアコン付きの仮設トイレを増設したからいいという問題ではないだろう。★

【2月市議会】 2023年度当初予算に反対討論をしました
2023/3/21

 3月20日、定例市議会の最終日の本会議で、議案に対する討論・採決が行われました。
 私は一般会計予算に対する修正案を提案しましたが、賛成小数で否決されました。
 一般会計予算案原案に対する採決で、反対討論を行いました。

【反対討論】 議案第109号 一般会計予算
フルマラソン大会の準備経費は削除すべきである

市民の政治を進める会 猪股和雄

 2023年度久喜市一般会計予算に反対します。

(1) 反対しなければならない理由を、1点にしぼって述べます。
 総務費、フルマラソン大会事業として774万4千円が計上されている。
 まず今年度にフルマラソンのコース調査事業に取り組んだが、費用支援を呼びかけたクラウドファンディングは、全国で協力者わずか5人で、完全な失敗に終わった。

 進めたい議員からは、これを全国のランナーに周知できなかったためだとムキになって訴えていたが、市民や全国のランナーの皆さんに拡がらなかった、関心がまったく持たれなかったことが明らかになったのであって、関心も支持も集められなかったことを率直に認めなければならない。

 2024年度にフルマラソン大会を開催するために、コーズ図の作成や警備計画等の準備事業を進める、市長は2月13日の施政方針演説で、「マラソン大会の開催へ向けて、コースの設計等の準備を進めていく」と述べていた。
 しかし2週間後の26日には、各会派の代表質問に対して、市長は「開催時期を見極める」「プレイベントを行っていく」と答弁した。

 一般質問に対しても、2024年度のフルマラソン大会の開催は見送る、替わりにプレイベントを実施したいらしい方針が明らかになった。

 新年度予算に、2024年度にフルマラソン大会を実施する準備経費774万円を計上した。
 しかし、前提となる24年度のフルマラソン大会はなくなって、いつやるかわからない、やるかどうか、できるかどうかもわからない。
 であれば、24年度にフルマラソン大会を実施するための準備経費として計上された774万円は使えないことになる。

 いつやるかわからない、やるかどうかも解らない大会の準備だけを、新年度に進めておくというのは予算の趣旨と目的が違う。

 当然ながら、フルマラソンのための準備経費を、プレイベントの準備に流用することもできない。
したがって、774万円のフルマラソン大会開催準備の予算は、市長自身が削除を明言すべきもので、提案前に、あるいは提案後でもいい、予算を修正すべきであった。

 ところが、市長が、修正の手続きも取らない、議会に対して削除を表明もしないのであれば、フルマラソンの準備経費としての774万円については、これを削除する、あるいは否決するのが、議会の責任である。

(2) 反対理由とは別に、2つの大きな疑問点を指摘しておく。
 第1は、ごみ処理施設の建設が新年度から始まる、その初年度経費に対して、宮代町の負担金が、予算編成の過程では1億1907万円を計上しておきながら、議会への説明の直前に、全額が削除された。

 説明を聞くと、合意前の数字を誤って計上してしまって、訂正したというような、事務的ミスではない。

 23年度事業費の13億9759万円、国庫補助対象となる8億5000万円に対する負担金、財源が確定していないと言うにとどまらない。
 2027年度に稼働するその施設の、276億円の建設費用に対する宮代町の負担割合が合意できていない、ということは、これだけ大きな事業の財源が確定していない、財源を市民に説明できないということだ。

 事業費を予算計上していながら、財源が確定していないというのは、予算編成の常識に照らしてあり得ないことと言わざるを得ない。

 宮代町との協議経過については、支障があるという理由で内容は明らかにされないままだが、委員会審議で、事実上何も決まっていないことが明らかになった。

 宮代町との負担按分の割合について、たとえば処理量割なのか、均等割を求めるのか、いつの段階の割合かといった計算ルールの協議も進んでいない。
 負担按分の対象となる事業費が、ごみ処理施設の工事費なのか、余熱利用施設や公園の建設費も対象にするのか、ごみ処理施設の内の過剰な賑わい施設の費用も、宮代町に負担してもらえるのか、何を負担按分するのかも、合意していない。

 久喜市は余熱利用施設や公園の費用も協議のテーブルに載せたと説明しているが、宮代町は、それらを按分協議の対象にすることに合意していないことも明らかになった。

 一方的に、宮代町に過大な負担按分を求めても、宮代町にそれだけの財政負担力があるのかもわからないから、新ごみ処理施設の建設費の負担がどうなるのか、わからないということだ。

 これはごみ処理施設の建設だけでなく、20年間の運転経費を含めて、422億円の財源がいまだに確定していないということであって、久喜市に大きな損害をもたらす怖れがあることを指摘しておく。

 第2には、東鷲宮駅東口駅前広場から、商業施設をつなぐ、大型歩道橋の必要性に対して大きな疑義がある。

 まず、今後新設される商業施設と東鷲宮コミセンなどの複合施設に行くために、歩道橋を必要とする市民がどれほどいるか、ニーズ調査も行われていない。

 特に東鷲宮駅西側地区の住民が駅地下道を通って歩道橋を使うと期待しているようだが、そのほとんどが車で行くことになる。
複合施設にキッズランドを作るので、市外からも多くの子ども連れの集客ができると言っているが、小山駅前の施設とは規模がかなり違うようで、そういう二番煎じの施設がどうなるか。

 3億7000万円もの市民の税金を投じるのであれば、新たな商業施設がどのくらいの商圏を対象とし、この規模のキッズランドがどれくらいの集客力を持つのか、市外から電車で来る人がどれくらい見込めるのか、ニーズ調査、集客力の調査くらいはすべきではないか。

 そうした調査も行わずに、屋根付き大型歩道橋ありきの計画は、公共事業の進め方として間違っていると言わざるを得ない。

 フルマラソン事業にしても、新ごみ処理施設と関連施設にしても、東鷲宮駅前の大型歩道橋にしても、市民への説明責任が、決定的にかけている。
 これは久喜市政の根本的欠陥になるかも知れない、将来に禍根を残すかも知れないことを、警告しておく。

市公共施設統廃合などの計画見直し
『声と眼』647号 2023/2/25

 市長は昨年の市長選挙で、市役所の新築移転や公共施設の大規模な統廃合計画の見直しを公約していました。
2月に開かれた公共施設個別施設計画検討委員会で「公共施設適正配置の見直し」の案が提示されました。

【市役所庁舎】2030年以降に現在の本庁舎を増築して、市内各所に分散している市役所機能を集約して移転する。
【保健センター】旧市町ごとの4か所の保健センターを現在の「中央保健センター」1か所に統合する。
他の3か所の建物は検診等の場所として「当面の間」は残す。
2030年以降に市役所新庁舎(増築)が完成して移転したら、現在の市役所の建物を保健センターに転用し、4か所の保健センターを廃止する。
【ファミリーサポートセンター】現在市内4か所あるのを、6年後までに1か所に統合し、その後、現在の市役所本庁舎に移転する。
【公民館】公民館はすべて4月から「コミュニティセンター」に転用して、公民館としては廃止する。
【総合文化会館】15年後までに「文化ホール」を新築して、総合文化会館、菖蒲アミーゴ、栗橋イリスも廃止・統合。
中央コミセン(現在の中央公民館)も廃止して統合する。
【青葉コミュニティセンター】(現在の青葉公民館)老朽建物を更新しないでこのまま使い続け、25年後以降に廃止。
地域交流センターは6年後までに廃止。
【福祉センター】菖蒲老人福祉センター、鷲宮福祉センターはごみ処理施設に併設の温浴施設ができたら廃止。
【地域の集会所】東町集会所、本町集会所は6年後までに廃止。
太田集会所は15年後までに廃止。
その後、栗原記念館、花みずき会館も廃止。

地域住民や利用者の意見を聞かないで、行政の都合だけで統合や廃止を一方的に提案して強行しようとするのは、久喜市政の最大の欠陥です。
少子高齢化社会では、大規模施設への統合ではなく、逆に地域密着の施設が必要ではないでしょうか。


【2月市議会】 2023年度一般会計予算額と前年度比
『声と眼』646号 2023/2/19

 市は2月定例会議の1週間前に議会再開を告示して、新年度一般会計予算案を発表し、議会運営委員会で説明しました。
 ところがその2日後の8日になって、予算の一部の金額に誤りがあったとして、「修正」されました。
 下の表の赤字部分が当初の発表された予算額、その下が「修正」後の予算額です。

 「分担金及び負担金」の金額が、新ごみ処理施設建設費に係る宮代町からの負担金で、協議途中で決定していない金額を「見切り発車」で計上してしまったため、その分を全額削除し、不足分を「繰入金」の項目で、財政調整基金から繰り入れて総額を維持したというものです。
【参照⇒予算額の修正へのリンク】

 久喜市は予算編成過程を公表しています。
 市のホームページに、各部の要求額、財政課による査定額、市長による最終査定額を掲載して、途中経過がわかるようにしているのですが、市長の最終査定額の金額が、修正後の金額に差し替えられていました。
 本当は、市長査定の段階では、負担金額の誤りはわかっていなかったのですから、当初の発表の金額になっていましたが、まるで最初から正しい金額で査定したかのように金額を差し替えるのは、誤りを今年隠蔽することになるのではないでしょうか。
 査定額は査定したときの金額をありのままに掲載して、それと別に「修正」を掲載するべきではなかったでしょうか。
【市のホームページ 予算査定過程の公表ページへのリンク】

2023年度
予算額
2022度
予算額
比較 
増減額 増減率
市税 235億3120万3 224億4294万6 10億8825万7 4.8%
地方譲与税 4億3993万7 4億3693万7 300万0 0.7%
利子割交付金 1300万0 1500万0 ▲200万0 ▲ 13.3%
配当割交付金 9000万0 9000万0 0 0.0%
株式等譲渡所得割交付金 6600万0 6600万0 0 0.0%
法人事業税交付金 2億6900万0 1億7400万0 9500万0 54.6%
地方消費税交付金 32億0000万0 30億0000万0 2億0000万0 6.7%
環境性能割交付金 7800万0 7400万0 400万0 5.4%
地方特例交付金 1億5500万0 1億4100万0 1400万0 9.9%
地方交付税 48億7000万0 36億7000万0 12億0000万0 32.7%
交通安全対策特別交付金 2065万0 2115万8 ▲50万8 ▲ 2.4%
分担金及び負担金 3億5292万4
2億3384万9
2億1783万0 1億3509万4
1601万9
62.0%
7.4%
使用料及び手数料 2億7730万3 2億7281万1 449万2 1.6%
国庫支出金 86億5597万1 87億5654万0 ▲1億0056万9 ▲ 1.1%
県支出金 39億5849万1 38億5619万0 1億0230万1 2.7%
財産収入 2087万6 1920万3 167万3 8.7%
寄附金 2261万1 2501万1 ▲240万0 ▲ 9.6%
繰入金 22億9558万6
24億1466万1
16億3092万9 6億6465万7
7億8378万2
40.8%
48.1%
繰越金 4億0000万0 4億0000万0 0 0.0%
諸収入 11億8874万8 11億7244万5 1630万3 1.4%
市債 25億5870万0 34億9700万0 ▲9億3830万0 ▲ 26.8%
合計 524億6400万0 499億7900万0 24億8500万0 5.0%
2023年度
予算額
2022度
予算額
比較
増減額 増減率
議会費 3億4838万7 3億5794万7 ▲956万0 ▲ 2.7%
総務費 59億0193万6 57億9607万6 1億0586万0 1.8%
民生費 227億0131万0 222億5308万4 4億4822万6 2.0%
衛生費 64億5980万0 48億0756万9 16億5223万1 34.4%
労働費 1386万9 1265万2 121万7 9.6%
農林水産業費 7億7629万6 7億0935万8 6693万8 9.4%
商工費 2億5098万0 2億5958万7 ▲860万7 ▲ 3.3%
土木費 49億9785万7 41億1924万0 8億7861万7 21.3%
消防費 20億9241万3 21億9301万5 ▲1億00602 ▲ 4.6%
教育費 46億7708万8 48億8352万3 ▲2億0643万5 ▲ 4.2%
災害復旧費 4 4 0 0.0%
公債費 39億9830万1 43億2589万4 ▲3億2759万3 ▲ 7.6%
諸支出金 1億4575万9 1億6105万1 ▲1529万2 ▲ 9.5%
予備費 1億0000万0 1億0000万0 0 0.0%
合計 524億6400万0 499億7900万0 24億8500万0 5.0%

久喜市一般会計予算額の推移
 2018年度   499億1300万円  
 2019年度   511億6000万円 
 2020年度   541億8200万円  
 2021年度   513億0000万円  
 2022年度   499億7900万円  
 2023年度   524億6400万円  

 2020年度に予算規模が大きく膨らんだのは、幼稚園・保育園の無償化に対する国庫補助金、コロナ禍対策、学校給食センター建設や小中学校の大規模改修などの大型事業が集中したためです。
その後もコロナ禍以前よりもむしろ財政規模は拡大しています。


【2月市議会】 市の貯金=財政調整基金額は適正か
『声と眼』646号 2023/2/10

 財政調整基金は2020年度にコロナ対策の財源に充てるために16億円を取り崩しましたが、その後も再び増え続け、22年度末には43億888万円が積み立てられています。
さらに近年は財政調整基金以外にも、ごみ処理施設整備基金やアセットマネジメント基金などへの積立金が増えていて、基金総額は過去最大の90億9598万円まで膨らんでいます。

財政調整基金 その他基金 基金合計
2019年度末 48億7367万 27億5083万 76億2450万
2020年度末 39億9539万 30億2889万 70億2428万
2021年度末 41億6862万 42億1652万 83億8514万
2022年度末 43億0888万 47億8711万 90億9598万
2023年度末 28億8035万 44億6581万 73億4616万

市の説明によると、財政調整基金は今後は減っていって、23年度末には28億8035万円まで落ち込むと言っていますが、この見通しは信用できません。
実は市は昨年3月の時点では「22年度末には財政調整基金は37億円まで減る」と説明していたのですが、1年経過してみるとそれより6億円も多い43億円になっていました。
市は財政の見通しを実際よりもことさらに厳しく言うのが常ですから、今度も市の説明とは違って、来年3月時点では40億円程度を維持し、さらに他の基金も増えていくだろうと予測されます。

 財政調整基金は、災害などで財源不足が生じたときに取り崩すために積み立てておく貯金です。
久喜市の財政規模では適正規模は33億円程度とされていて、現在の43億円の積立額は過大です。
使い途の決まっていない基金を貯め込むのではなく、子育て支援など市民サービス向上のために支出すべきです。


【11月市議会】 市の組織機構改革がわかりにくい
『声と眼』643号 2022/12/16

 11月市議会に来年4月からの市の機構改革が提案されました。

(1)総務部と財政部⇒総合政策部と総務部に再編、
(2)健康・子ども未来部⇒健康スポーツ部と子ども未来部に分割、
(3)国民健康保険課を市民部⇒健康スポーツ課へ移管、
(4)公民館を廃止し、コミュニティセンターに変更して市民部へ移管する、などです。

 しかし今回の機構改革は1年だけでは終わらず、市は2024年度にも引き続いて機構改革を行う考えです。
(5)市長直属の市長公室(室長は部長待遇)を新設、
(6)建設部⇒建設部とまちづくり推進部に分割、
(7)総務部の人権推進課⇒市民部へ移管、
(8)市民部の交通企画課⇒まちづくり推進部の「係」に移管、
(9)教育部の幼稚園⇒子ども未来部に移管、
(10)菖蒲・鷲宮の保健センターを無人化、
(11)保健センターの母子保健係⇒子ども未来部に移管、
(12)各総合支所(部長待遇)⇒市民部の各行政センターに格下げします。
また今回の機構改革にともなって執務・会議スペースが不足するので、駐車場に会議室棟を新築します。

 市ではこれまでも生涯スポーツ行政を教育部から切り離して市長部局に移管するなどの再編や、教育部など設置場所の移転を繰り返してきました。
最終的にどのような組織のあり方をめざすのか、市民からは非常にわかりにくくなっています。
小刻みな変更でなくまとめて抜本的な再編成を行う方が望ましいのではないでしょうか。
また市役所が狭くて各地区に分散している現状を解消するためには、本庁舎の増築の見通しを早急に明らかにするべきです。


【9月市議会】 2021年度決算に賛成討論を行いました
2022/10/8

 9月30日の最終日、議案の採決にあたって、 2021年度一般会計決算に対して、人権の観点から4件、環境行政の観点から1件の要望を付して、賛成討論を行いました。
[【⇒全議案の採決結果はこちら】

【賛成討論】 議案第47号 2021年度一般会計決算認定

市民の政治を進める会 猪股和雄

 これまで毎年の決算認定議案については、政策の評価や行政執行上のさまざまな問題点は指摘しつつも、予算で掲げた政策課題の執行という点で判断してまいりました。
 今回、そうした観点から、おおむね予算計画に沿った行政執行がなされたものと判断して、賛成します。

(1)障害者の別枠採用を継続してきたが、昨年度は実雇用率はアップしたものの、雇用数は23人で変わっていない。
 職員採用試験で、身体障害者1名、精神障害者6名、知的障害者1名の応募があったが、結果的に採用はゼロだった。
 職員募集にあたって、身体障害者、知的障害者、精神障害者に対して、職種、職場での合理的配慮、短時間勤務、ジョブコーチなどの対策を、あらかじめ想定しておかなければならない。
 今後、職場における必要で合理的な配慮を、具体的に検討して、障害者採用を進めていくよう求める。

(2)職員の時間外勤務は全体的に減少傾向にあり、平準化されてきたと評価できる。
 部署によって、また季節的に繁忙時期が入ることはやむを得ない面がある。
 特にコロナ禍で担当課や職員を支援に派遣した部署において、長時間の時間外勤務が発生したことは、事実としては理解できるが、コロナ禍だから仕方がないというような理由付けをして容認されるべきものではない。
 具体的に時間外勤務の実態を明らかにしていただいたが、月に224時間、210時間、196時間、159時間というような多くの職員が、過労死ラインの時間外勤務をしていたことが明らかになった。
 即刻、人事管理、時間外勤務の管理の、是正の措置を取るべきである。

(3)男性職員の育児休暇、出産補助休暇取得が、大きく改善してきたことは評価できる。
 しかしたとえば、男性の育児参加休暇を取得した職員は増えたものの、取得日数が少ないという実体がある。特に、職場環境や仕事の都合で育児休業が取得できないなどということがあってはならないのであって、さらに改善を求める。

(4)昨年度に生活保護を申請した252件の「扶養義務者」を調査して、その内の129件の親族317人に対して扶養照会を行った。回答があったのは204件だが、実際にはほとんど生活支援には結びつかなかった。
 生活保護を受けている1357世帯全体で、扶養義務者から支援金を送ってもらっているのはわずか8件(月3000円〜2万円)に過ぎない。 
 つまりこれは、扶養照会と扶養義務者からの支援がほとんど機能していないことを示している。
 逆に親族に知られたくないという心理から、生活保護の申請をあきらめさせる圧力になってしまっている。
 扶養照会に対する親族からの心理的圧力が、生活保護を受けることを避けさせたことが推測される。
 厚労省も、親族間の関係が断絶していたり、関係が悪い、入院や施設入所している場合などは扶養照会をしなくてよいとしています。申請者の事情を聞いて、具体的な支援が期待できないような場合は扶養照会自体を止めるべきです。

(5)市の公共施設の電力購入については、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題である。
電力調達に関わる環境配慮基準の配点を見直して、再生可能エネルギーの比率の高い電力事業者が、もっと公共施設の電力入札に参入しやすくする必要がある。
 毎年、求めてきているが、久喜市として方針転換がいまだになされないでいることは残念である。
市長が2050年ゼロカーボンを宣言した今こそ、政策的に積極的に再生可能エネルギーの調達を増やしていくよう求める。

【9月市議会】 2021年度決算、コロナ対策で大幅増に
『声と眼』637号 2022/9/21

   2021年度一般会計決算は当初予算よりも大きく膨らみました。
これはコロナ禍で、失業や収入減で生活困難に陥った市民やひとり親などの低所得世帯への緊急支援、子育て給付金や定額給付金、感染予防の資機材、ワクチン接種などに対応した費用の拡大によるものです。
それらの財源は、基本的に国の交付金の他、市の財政調整基金の取り崩しでまかなわれました。

久喜市の2021年度一般会計決算(単位:千円)
歳入 当初予算額  決算額 当初予算比
増減率
市税 219億2371万 229億1637万 +4.5%
地方譲与税 4億4322万 4億4629万 +0.7%
利子割交付金 1400万 1354万 ▲3.3%
配当割交付金 9000万 1億3245万 +47.2%
株式等譲渡所得割交付金 4200万 1億5703万 +273.9%
法人事業税交付金 8800万 2億6657万 +203.0%
地方消費税交付金 30億0000万 33億9242万 +13.1%
環境性能割交付金 6500万 5923万 ▲8.9%
地方特例交付金 1億8500万 3億0077万 +62.6%
地方交付税 36億9000万 53億9595万 +46.2%
交通安全対策特別交付金 2050万 2148万 +4.8%
分担金及び負担金 2億3092万 2億0189万 ▲12.6%
使用料及び手数料 2億9094万 2億8994万 ▲0.3%
国庫支出金 82億6098万 134億1274万 +62.4%
県支出金 38億0580万 36億4177万 ▲4.3%
財産収入 2016万 4679万 +132.1%
寄附金 1141万 2368万 +107.5%
繰入金 16億7892万 10億1463万 ▲39.6%
繰越金 4億0000万 14億0618万 +251.5%
諸収入 11億9016万 12億2987万 +3.3%
市債 58億4930万 64億1162万 +9.6%
合   計 513億0000万 607億8118万 +18.5%
歳出
議会費 3億5584万 3億4566万 ▲2.9%
総務費 51億7501万 50億5958万 ▲2.2%
民生費 221億7302万 253億6790万 +14.4%
衛生費 41億8463万 51億4126万 +22.9%
労働費 1237万 1182万 ▲4.4%
農林水産業費 6億9040万 6億9299万 +0.4%
商工費 2億5247万 5億1577万 +104.3%
土木費 45億6454万 47億2744万 +3.6%
消防費 21億9952万 21億8877万 ▲1.4%
教育費 71億8327万 87億5575万 +21.9%
公債費 42億4124万 41億8941万 ▲1.2%
諸支出金 1億6769万 12億9202万 +13.6%
合   計 513億0000万 582億8838万 +13.6%

歳入歳出差引額 24億9280万円
 継続費等を除く実質の差引額 22億0919万円
 1/2を財政調整基金積立て 11億0459万円
   2022年度一般会計への繰越金 11億0459万円

【6月市議会】 降雹(ひよう)被害に対する見舞金457万円
『声と眼』634号 2022/7/14

 6月3日の降雹で農家50戸に梨や野菜など11.18ヘクタール、7314万円の被害(6月10日現在)が発生しました。
市は果樹農家5万円などの見舞金を支給するため、補正予算で457万円を計上しました。
財源はクラウドファンディング型ふるさと納税で寄付金を募ります。
当初、市外の方からの寄付だけを想定していましたが、市民からの寄付も受け付けることになりました(いずれも税額控除の対象になります)。
 市は最初、見舞金をクラウドファンディング型ふるさと納税で寄付を集めて、これに充てようと考えました。
 他市でこの方式での寄付募集が成功して数百万円3を集めたという成功例もあって、議員からの提案もあったのですが、久喜市では残念ながら、目標額200万円に対して、26万円(7月14日現在)しか集まっていません。
 他市に比べて呼びかけが遅かったことや、その呼びかけページに“被害額”も載っていなくて、訴求力が弱いと言わざるを得ません。
 また、ふるさと納税のシステムを使うのであれば、基本的には市外在住者への呼びかけであり、市内在住者(市民)に対しては寄付のお願いはしないことになります。
 これはおかしいのではないでしょうか。
 市民からの寄付でも、2000円を除いた部分は市民性控除の対象になるのですから、最初から、市の内外を問わず、寄付の呼びかけをするべきでした。
 議案質疑で、私の指摘に対して、市民の方からの寄付もお願いするという答弁がありました。
 しかし市のホームページには、いまだに市民への呼びかけはまったく掲載されていません。
 久喜市は、いったん市外在住者へのクラウドファンディング型ふるさと納税で募集を始めたから、途中から、市民にも呼びかけるという軌道修正はできないのでしょうか。

【一般質問】 民有地を借地して市道に使ってる?
2022年6月会議 『声と眼』634号 2022/7/10

  鷲宮地区で、農地を借地して舗装し、市道として使っているケースがあることがわかりました。
しかも別の民家の生け垣が市道部分に張りだして道路機能を損なっているなど、市の道路管理の問題も明らかになっています。
いったいなぜこんなことになっているのか、引き続き調査します。

 この問題は、市民(当該借地の地主当事者)から、「40年間もこんなおかしな行政が続いている」という訴えを受けたことが発端でした。
 5月に道路河川課や建設管理課に、経過を問い合わせたておいたのですが、一向に回答が来ませんでした。
 私は、市が本気で調査する気がないのではないかと思ったので、一般質問で取り上げることにしました。
 どうも、私が質問通告を出してから急に動き出したらしく、市ではその後に地主の家を訪問したり、測量も行ったようです。
 市道を拡幅する必要があれば、本来は用地測量を行って買収して拡幅・舗装するのがあたりまえなのに、借地のままで舗装して「市道」として使っているというのもおかしな話です。
 しかも一方の側は明らかに、官民の境界を越えて樹木が拡がって、通行幅が狭くなっているのに、そちらは放置しておくというのは、なぜなのか。
 行政対応が理解できないので、引き続き、調査したいと思います。

【一般質問】 市庁舎の増築と保健センター等の統合
2022年6月会議 『声と眼』634号 2022/7/9

 市長は昨年、市役所を移転して保健センターなどを統合して「新総合複合施設」を作る計画を打ち出しましたが、市長選挙直前に撤回しました。

 それでは今後の市役所庁舎の構想はどうなるのでしょうか。
新たな庁舎の構想は、
◆現在の市役所庁舎を増築し、市内各所に分散している行政機能を統合する、
◆新庁舎に、保健センターや子育て支援施設を併設するという構想のようです。
市では今後、市アセットマネジメント推進本部などで検討して具体化していく方針です。

★市長は、現在の市役所を増築・拡張して、まわりに保健センターや子育て支援施設などを併設するという。
しかし現在は市内4か所の保健センターを、なぜ1か所だけにしてしまうのか、その理由がどうしても理解できない。★

【代表質問】 本庁舎増築と保健センターなどを統合
2022年6月会議 『声と眼』633号 2022/6/21

 6月16日、市議会の代表質問で、市長の選挙公約と所信表明に対する疑問をただしました。

 市長は選挙公約で、「市役所の移転はしない」と約束しました。
その場合、現庁舎が狭いことや各部の分散を解消するための市役所本庁舎の建設や保健センターの統合計画をどうするのでしょうか。
市長は、現庁舎を増築して各地区に分散しているすべての部署を統合し、市内4か所の保健センターなどをまとめて市役所に併設する方針を明らかにしました。

 保健センターは1か所に集約する一方で、当分の間は各地区の建物だけは残して検診などに使う計画です。
現在、保健師は各地区のセンターを拠点に家庭訪問などを行っています。
地域への配置がなくなれば、そうした地域密着の事業も後退していくのではないでしょうか。
市内4地区の子育て支援やファミリーサポートセンターも将来的に1か所に統合する方向ですが、地区ごとの市民サービスの弱体化が心配されます。

【6月市議会】 市長の所信表明と会派代表質問
『声と眼』632号 2022/6/5

 市議会6月定例会議は6日から7月7日まで開かれています。
初日に市長の「所信表明」演説、16日に各会派の代表質問が行われます。

 梅田市長が選挙直前に市役所の移転や「新総合複合施設」の建設を撤回し、公共施設の縮小再編をめざした個別施設計画の見直しを表明しましたが、それらの公約がどうなるのかが注目されます。
(1)狭隘化して市内各所に分散配置されている行政機能を、現在の市庁舎を中心にしてどのように統合整備を進めるのか、
(2)市内4か所の保健センターの統廃合を推し進めるのか、
(3)済生会栗橋病院跡地への秋谷病院の移転や、理科大跡地への「看護学校誘致」の協議はどのように進んでいるのか、
(4)久喜駅周辺開発整備や(仮称)久喜東スマートインターチェンジの実現可能性、
(5)市長が新たに公約した多くの公共事業・施設の整備計画の進め方などが、議論の焦点になると思われます。

【2月市議会】 2022年度当初予算に反対討論をしました
2022/3/2

 2月定例市議会の最終日、議案に対する討論・採決が行われました。

【反対討論】 議案第7号 一般会計予算
公共施設個別施設計画の全面撤回、学校校舎の大規模改修を

市民の政治を進める会 猪股和雄

 2022年度久喜市一般会計予算に反対します。
 2つの反対理由と、一つの大きな疑問点を指摘します。

1.第1の反対理由は、公共施設個別施設計画そのものです。
昨年、梅田市長は公共施設の大規模な統廃合による縮小計画としての個別施設計画を策定して、強行しようとしてきた。

 特に、市役所本庁舎の移転新築と保健センター等との複合施設、障害者通所施設の民間譲渡都市としてのサービスの廃止、集会所等の地元譲渡に対しては、当事者や各関係者から強い反対の越が湧き上がり、市長は、今議会の代表質問でそれらの計画の「撤回」を余儀なくされた。

 この間の経過で最大の問題は、いずれの計画にしても、公共施設の縮小と統廃合、維持管理費の削減を目的として、事務的機械的に進めようとしたことです。

 それらの施策を実施した場合に、直接間接に影響を受ける市民がいるんだということに配慮せずに、したがって当事者や関係者の意見を聞かないで、机上の計画で策定した。

 だから市長は、それらの計画をどうしても進めるんだという責任感も持たなかったし、市民の反発が大きいと判断すると、突然に取りやめを表明して、なかったことにしてしまった。
そんなに簡単に、代替案も示さずに引っ込められるんだったら、なぜ、あんなに強硬に推進しようとしたのか。

 そして撤回した理由を、これ以上の混乱を続けるのは本意ではないと言われたが、そもそも、これらの計画自体が誤りだったから撤回せざるを得なかった、真摯に認めるべきでしょう。

 しかも、市長は、これらの計画の撤回を、昨年暮れまでに決断していた、
1月4日には各部長に方針変更を伝えたと言っています。

しかし暮れの12月21日には障害者施設の保護者に対する説明会があり、1月になってから、6日には障害者施策推進協議会が開かれた。
その場で、担当部長や課長は何と説明したか。

 障害者施設の指定管理は3年間と短縮したが、民間譲渡はあくまで進める、3年を待たずに来年には譲渡するかも知れないと、保護者や委員たちに説明しているんですよ。

 担当部署の職員たちは正直に市長の命令に従って既定方針をあくまで進めると説明し、推進協議会の委員たちからは、慎重に考えてほしいという要望がたくさん出された。
保護者たちにはやっぱりわかってくれないんだと失望させた。
 しかし市長は、実はその時点ではもう撤回を決めていて、職員たちも方針変更を知っていたのに、そんなことはおくびにも出さずに、あくまでも民間譲渡を進めるんだと説明した。
職員には嘘の説明をさせた。保護者、障害者施策推進協議会の委員さんたちに、何と言って弁解するんですか。市長はあまりにも誠意がない。

 市民に対しても、当事者に対しても、議会に対しても、そして職員に対しても、信なくば立たず、ですよ。

 新総合複合施設は撤回されたにもかかわらず、予算にはそのまま残っていて、新総合複合施設整備検討委員会、新総合複合施設基本構想基本計画策定のための、コンサルタントの委託料1000万円も計上されている。

 昨年中にこれらの計画撤回を決めて、1月4日には各部長に指示したのなら、せめて、市長としての最大限の誠意を示して、当初予算の組み替えか、補正予算1号を編成する余裕はあったのだから、これらの事業の削除をするべきであった。

ところが、市長が実際に取った行動は、予算にはそのまま残しておいて、施政方針演説でも、個別施設計画の見直しくらいのあいまいな表現にとどめておいて、代表質問の答弁ではじめて撤回を表明するというのは、市政の最高責任者としての市長は、あまりにも誠意がなさ過ぎるのではないですか。

 他にも個別施設計画では、たとえば1年後には公民館機能を廃止して、コミュニティセンターにするという計画だけれど、教育環境委員会で確認したところ、そんなことはこれまで教育委員会の会議ではまったく検討も協議もされていない、教育振興基本計画の2022年度実施計画を見ても、「公民館事業の充実、公民館活動の充実」とは書かれているが、公民館機能の廃止とコミセン化を進めるとか、検討するとさえ書かれていない。

それで1年後には、公民館の廃止を強行するつもりですか、そんな乱暴な行政運営は許されない。

 他にも、公立保育園の一律の廃止計画も撤回された。
これらの見直しによって、すでに「公共施設個別施設計画」はすべて骨抜きになっている。
公共施設の削減目標や適正化、「あるべき値」は、目標達成の中心をなす核心部分が完全になくなったわけだし、削減効果の検証は、計画が出発した段階で完全に狂ってしまった。

 であれば、あらためて、市長は、公共施設個別施設計画そのものをすべて撤回するべきでしょう。
その上で、関係者や市民の意見をていねいに聞きながら、白紙から全面的にやり直すことを表明するべきです。

そして、公共施設個別施設計画の策定に費用を費やしてきた、これまでの3000万円は、そのすべてがムダ金であった、市民の税金のムダ使いであったことを、市長は市民に謝罪し、責任を取るべきです。

2.小中学校校舎の老朽化が進んでいるのに、緊急に必要な雨漏り対策や、大規模改修の見通しが明らかにされないのは、とうてい容認できない。

 1月までに各学校からあげられた修繕要望124か所の内で、雨漏りの修繕を上げてきた学校が10校で、雨漏り箇所は数10か所に及びます。
これは昨年突然に雨漏りが始まったわけではなくて、永年放置されてきた。
雨漏りを放置しておけば、校舎の劣化、老朽化は加速度的に進みます。
現に、本町小学校は20か所も雨漏りが発生しているにもかかわらず、当初予算での対応はまたも先送りされた。
委員会等で強く要求した結果、2021年度予算の中での流用や補正予算で少し対応してはいるけれど22年度当初予算でも大規模改修は計画されなかった。

 教育委員会では学校統廃合の中で、必要があれば改修していくという方針ですが、これから本町小と北小の統廃合を検討して、結論が出るまでに最短で2年か、3年か。

仮に北小に統合することになれば、新校舎の建設が必要になるかもしれない。
本町小の子どもたちはあと数年間は、雨漏りの校舎でガマンさせられることになる。
「子育てするなら久喜市で」と言われて、久喜市に来た人は、雨漏りの校舎で勉強させられる子どもの姿に、びっくりするでしょうね。

 本町小も、その他の小中学校も、雨漏り対策は最優先の課題です。
統廃合とは切り離して、緊急に、雨漏り箇所の調査、設計に取りかかって、新年度内には改修に取りかかって、対応しなければなりません。
当初予算には計上されていないので、直ちに補正予算で対応するべきです。

 市長には当事者として、あの劣悪な環境の中にいる子どもたちの気持ちに寄り添う姿勢が見られない、教育部も無責任だが、第一義的には、予算を最優先で配分すべき、市長の責任です。

3.次に、理科大跡地の売却あるいは譲渡方針は、大いに疑問がある。

 この後、全員協議会が予定されていて、何らかの説明があるものと思いますが、今のところ、私たちにも市民にも、何らの説明も報告もありませんから、現在の私たちの認識で、述べておきます。

 理科大跡地を市が寄付されてからの5年間に、市がこの土地に関して支出した費用は、2020年までの5年間の管理費用を含めて、5億6152万円だそうです。
それに加えて、昨年度の管理費用は予算で1600万円、新年度当初予算にももう2度と使うことはないはずの理科大跡地管理費用として、さらに2800万円が計上されている。

 前市長の下での、測量設計、校舎の解体や改修工事は、当時は明確な跡地活用計画に基づいての支出だったが、その後、梅田市長が見直しを打ち出して、教育部の右往左往と移転費用、民間活力の導入を期待しての民間事業者意向調査は結局は完全なムダ金だった。
そして空家・廃虚になってからの管理費用、老朽化して使い物にならなくなったわけですから、一部校舎の取り壊しや改修費用も、結果的にムダ金だったことになった。

 新たに、民間の専修学校に払い下げるあるいは譲渡する方針で、話し合いが続いていると言われるけれど、本当にそれがうまくいくのかどうか、私たちには見通しも示されていない。

 まさかとは思いますが、校舎の解体費用を市が負担して、もらっていただくなんてことにならなければいいと、心配しています。
 民間の専修学校が入ったとしても、結局は理科大が撤退した、その二の舞にならなければいいのですが、市長は、議会と市民に説明責任を果たすべきです。 

【2月市議会】 「新総合複合施設計画」は取りやめ
『声と眼』626号 2022/2/12

 市長は昨年3月に、市の公共施設の大幅な統廃合を進める「公共施設個別施設計画」を公表しました。
その中心は、市役所を移転して保健センター等と統合して新総合複合施設を新築、障害者施設を民間譲渡して市の障害者サービスの廃止、地域の集会所等の地元譲渡を進めるというものでした。
これには多くの市民や議員からも強い反発の声が湧き上がり、4月の市長選挙の一大争点となっていました。

 2月6日には市長の施政方針演説に対する各会派の代表質問で、政策の会、共産党、市民の政治を進める会から『新総合複合施設計画などの撤回』を求める意見が相次ぎました。
これに対して市長はあっさりと『新総合複合施設、障害者施設と集会所等の民間譲渡計画を取りやめ』を表明しました。

現庁舎は残すが、『別施設』も検討?

 もっとも、市長の発言を精査すると、市役所の移転新築などを本当に撤回したものかどうか、いまだに疑念が残っています。

 市長は『新総合複合施設については新設を取りやめ、現在の本庁舎を引き続き使用することを基本にする』『現在の庁舎が狭い、各部の分散やワンストップサービス等の課題を解決するための施設整備を検討する』と述べました。
市長は耐震改修してまもない現庁舎は残すが、別の施設整備も検討するというのです。現在の庁舎の近接地に補完的な庁舎を建てるのか、別の場所にもっと大きな庁舎を建てるつもりなのか、市長の真意は不明です。

唐突に 「民間施設との複合の検討」

 市長は市役所新庁舎と保健センター等との新総合複合施設の計画は取りやめを表明しましたが、今度は『複合施設の整備にあたり、民間活力の導入』と言い出しました。
市内4か所の保健センターや子育て支援施設の統合を進めていく方針で、それと民間活力の導入はどう関係してくるのでしょうか。
昨年の「新総合複合施設」は議会でも審議したこともない計画でした。
今度も唐突に、民間施設との複合(?)を打ち出すのは、市民や議会を無視した乱暴なやり方です。
市長は何をやりたいのでしょうか。

障害者施設の民間譲渡も取りやめ

 市長は、『障害者施設については、民間譲渡を取りやめ、指定管理による運営を継続する。今後、施設の老朽化による更新の時期に、集約化等を検討していく』と表明しました。
民間譲渡は取りやめて、市の施設としては残すけれど、老朽化した施設を『集約化』するというのは、廃止や統廃合をするという意味です。

 現在の久喜市の5つの施設は、障害者らが地域で生きていくための生活介護や就労支援の大切な居場所です。
すでに建設後40年近く建っている施設もあり、まもなく更新時期を迎えます。老朽化した障害者施設を統廃合するというのでは、障害当事者や保護者らはいつ廃止されるかを心配しながら過ごさなければなりません。
障害者施設を大規模施設に集約していくのではなく、地域に根ざした小規模な施設を分散型で配置していくべきです。

市長の政治責任はどうなる!?

 昨年3月に「個別施設計画」を策定するまでに調査費など3年間で3000万円以上をかけ、昨年12月には新総合複合施設の基本計画策定を進めるためにコンサルタントと2365万円で契約を締結しています。
これらは税金のムダ使いとなりました。
この1年間、障害者施設の民間譲渡を強行しようとして、障害者や保護者らを不安に陥れてきたことについても、梅田市長はまず当事者のみなさんに謝罪すべきです。

 突然の方針転換は、市民の反発の大きさに驚いて、選挙の争点からはずそうと狙ったものでしょうが、市長の政治責任が問われています。

★4年前の市長選でも、学校給食センターや理科大跡地の活用計画の見直しを公約したが、結局は元通り。
調査費用や事業費が膨らんで市に大きな損害を与えた。
また同じことを繰り返すのか。★

【2月市議会】 新庁舎建設など「見直し」を示唆??
『声と眼』625号 2022/1/26

 市長は「公共施設個別施設計画」で、市役所の移転新築と保健センターの統合、障害者施設や集会施設の民間譲渡などを進める計画です。
これは市議会での審議もなく、当事者の意見も聞かずに一方的に決めたもので、市民の反発も大きく、市長選の争点となりつつあります。

 そんな中で市長が、市議会初日の施政方針演説で、『公共施設個別施設計画の柔軟な見直しを図っていく』と表明しました。

 『各種施設の譲渡や、本庁舎機能を有する新総合複合施設の建設については、関係者の皆さまを初め、多くの方からさまざまなご意見をいただいており、さらなる慎重な検討を要するものと判断いたしました』と述べました。
 さらに、『これらの施設以外についても、新たに有益な事業提案をいただいており、こうしたさまざまなご意見に対して真摯に向き合うとともに、・・・公共施設個別施設計画の柔軟な見直しを図ってまいります』とも付け加えています。

 もっとも、「多くの方からさまざまなご意見」とか「新たに有益な事業提案」が何を意味するのかはまったく不明です。
 また市長が何をどのように「さらなる慎重な検討」をしていくのか、「柔軟な見直し」の言葉が何を意味するのかはまったくわかりません。
 ただ空疎な言葉だけが踊っているという感は否めません。

 それでも市長がこういうことを言い始めたのは、市民の批判を受けて争点はずしを狙ったものでしょうが、はたして市長の真意はどこにあるのでしょうか。

★4年前の市長選で、梅田市長は、新学校給食センターの建設を『一度立ち止まって再検討したい』と公約しました。
しかし立ち止まっただけで、選挙が終わったら元のまま復活させた前歴があります。★

【11月市議会】 交通安全路面表示の補修、計画的促進を求める
2021/12/25

 12月24日、市議会最終日、一般会計補正予算に賛成討論をしました。

【賛成討論】 議案第89号 一般会計補正予算(9号)

市民の政治を進める会 猪股和雄

 1点だけ、交通安全施設管理事業、交通安全施設補修工事の事業費について問題を指摘し、要望します。

 市内の通学路の交通安全施設で、路面標示が消えてしまっている場所が、市内のたくさんあります。
市民からも多くの要望が出ているが、今回の補正予算で、その内4校の通学路だけ、補修を行う予算が付いた。

 一般質問で、特に表示の摩滅の激しい青葉5丁目、青葉小の通学路でもありますが、補修をお願いしたが、市内に路面標示の補修が必要な箇所を全部補修したら3億円かかるので、計画的に進めていくと答弁があった。

 路面標示の消滅は、昨年いっぺんに進んだわけではなくて、たくさんの補修が必要な箇所があるのに、永年にわたって補修をしてこなかった、まさに「計画的に補修してこなかった」その結果、3億円分もたまってしまったということです。

 補修のための予算も削減してきた、そのツケが貯まってきたと言うことです。

 ここでまた、いっぺんにはできないと理由を付けて、先送りすれば、後でさらに大きなツケが貯まることになりますし、交通安全施設の欠陥が原因で事故が起こってからでは遅いのです。

 まさに緊急に補修が必要な箇所について、たとえ何千万円かかっても、補修する、その後で、緊急性の判断、順位を付けて、早急に補修を進めるよう要望します。

 間もなく予算編成が行われて、2月定例会で、新年度予算審議が行われる。しっかりとした補修計画が示されることを願っています。

市議会 新庁舎問題の対策委員会を設置
『声と眼』620号 2021/11/3

 市長は、市役所新庁舎の建設と合わせて、保健センターや子育て支援施設等を1か所に統合する方針を公表しました。
「公共施設個別施設計画」に盛り込んで、8年後までには実現させる考えです。
10月には「新総合複合施設検討委員会」を設置し、区長会の代表などの委員を任命して具体化に取りかかりました。

 第1回検討委員会では、委員からこの計画は決定しているのか、新庁舎と保健センターなどの統合は合意しているのかなどの質問が出されました。
市は「決定である」「(計画に)市議会の議決は必要ない」「市民の反対は想定していない」などと説明しました。
しかし巨額の税金を使う新庁舎・複合施設の構想を、市長の考えだけで「決定」して、一方的に推進するのでは市民の理解が得られません。

 市は新施設建設に約82億円、さらに現在の市役所や保健センターの取り壊しに3億円かかると試算しています。
この中には、別の場所に新たに広大な土地を購入する費用などは含まれていません。

 市議会ではこれまでに、「公共施設個別施設計画」も、新庁舎の建設についても合意したことはありません。
市長の打ち出した新庁舎複合施設の構想には多くの疑問が指摘されています。
◆市内4か所の保健センターや子育て支援施設の統廃合は、市民サービスの低下になる怖れがあります。
◆市役所は2015年に大規模な耐震改修を行って、まだ数十年の耐用年数があるのに、取り壊すというのは税金のムダ遣いではないでしょうか。
◆新庁舎が必要であれば、現在の市役所の近くに建設して、第2庁舎として活用する方法もあります。

 市議会は「新総合複合施設対策委員会」を設置し、市議会の立場から調査と議員間の議論と協議を進めることになりました。

【9月市議会】 プレミアム商品券の発行 見直しを
『声と眼』619号 2021/10/10

 久喜市は毎年、商業者等の応援を目的にプレミアム付き商品券を発行しています。
プレミアム分は税金で負担していますが、合併10周年プレミアム商品券を購入できたのは1万1434人だけ、昨年のコロナ禍対策の商品券は6544人に過ぎませんでした。
結果的に、お金に余裕がある一部の市民だけが得をする仕組みで、生活困窮や低所得者で家計に余裕がなくて購入できない人には、まったく恩恵がありませんでした。

 県内で、ふじみ野市、戸田市、新座市、蕨市など多くの市で、地元商店などで使える2000円〜5000円の商品券を全市民一律に配布して、消費喚起と生活支援の両立を図っています。
今後は久喜市でもプレミアム商品券の販売でなく、全市民に一律の商品券(3000円など)配布を検討するよう求めました。

【9月市議会】 プレミアム付き商品券発行の見直しを求める
2021/10/5

 今回の議会には、一般会計補正予算が3つ提出され、いずれも全会一致で可決されました。
(1) 補正予算第7号は、コロナ感染者で自宅療養の市民に生活支援物資を届けるための予算で、緊急性があるため、初日に提出されて、その日のうちに質疑を行って採決しました。
(2) 第6号は、7月に発行したプレミアム付き商品券の落選者を救済するための追加発行、学童保育所への無線LAN設置、避難所への災害用トイレの整備、東鷲宮駅東口トイレの設置、スマートインターチェンジ整備検討等の予算です。
(3) 第8号は、コロナの外出自粛で影響を受けた商工業者のための支援金です。

 私は、第6号補正予算に対して、プレミアム付き商品券発行の方法を見直すよう求めて、討論を行いました。

【議案第75号】 2021年度一般会計補正予算(6号)賛成討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 今回の補正予算に計上された、プレミアム商品券追加発行は、前回の落選者への救済措置であり、賛成するが、今後、プレミアム商品券の発行については、発想の転換、見直しを求める。

 このプレミアム商品券は、購入する側から見ると、コロナ禍で生活困窮に陥ったり、低所得者の支援ではなくて、結果的には生活や家計に余裕がある市民が購入して、ますます得をする仕組みになっている。

 合併10周年プレミアむ付き商品券は購入者は市民の15分の1の1万1434人だけ、昨年度の商店街支援の商品券は6544人だけが購入することができた。

 主たる目的が商店街支援だからと言う理屈は成り立つが、今後、いわば税金を使って、生活に余裕がある一部市民に分配するようなプレムアム付き商品券発行事業の見直しを進めていただきたい。

 たとえば、全市民に、地元商店だけで使える一律3000円の商品券を配分することにすれば、生活困窮者を含めた市民全体への支援にも結びつく。

 県内でも、多くの市町で、プレミアム商品券でなく、全市民一律の商品券やクーポン券の配布を行ってきている。

 委員会審査で、久喜市ブランド推進課の答弁は、一律の商品券の配分は、他市では利用率が低いと言われたが、当然、税金からの配布を使うか否かは、市民1人1人の意思に任せられるのであって、たとえば、一律3000円の商品券を15万市民に配布して4億5000万円、使用率50%なら地元商工業者に2億円以上が還元されることになる。

 困窮者支援にも、地元商工業者支援にも、両者にとって有効ではないか
今後、見直しを進めるよう要望して賛成する。
 9月30日、定例会最終日の本会議で、昨年度の一般w会計決算認定の議案に対して、賛成の討論をしました。

【9月市議会】 2020年度一般会計決算に賛成討論しました
2021/10/1

 9月30日、定例会最終日の本会議で、昨年度の一般w会計決算認定の議案に対して、賛成の討論をしました。
 市の貯金である財政調整基金の過大な積立ての是正、市職員への障害者雇用の拡充、公共施設への再生可能エネルギーの導入などを求めました。

【賛成討論】 議案第65号 2020年度一般会計決算認定

市民の政治を進める会 猪股和雄

 これまで毎年の決算認定議案については、政策の評価や行政執行上のさまざまな問題点は指摘しつつも、予算で掲げた政策課題の執行という点で判断してまいりました。

 昨年の9月市議会で、2019年度の決算審査においては、理科大跡地の活用計画の右往左往、梅田市長の選挙公約で見直しをしたという経過があったとはいえ、結果的に税金の無駄遣いをしてしまったこを指摘して反対をしました。

 それが尾を引いて、教育委員会が鷲宮支所へ移転して、理科大跡地は建物ごと売却するに至ったわけですが、2020年度決算の問題とまでは言えないので、決算認定については賛成します。

 ただし、今後、市長の方針通り、地下埋設物の調査もしないまま、理科大跡地の民間売却が推進できるのか否か、市にとって損害を与えることにならないか否か、慎重に検討すべきであり、今後の経緯を注視する必要があることは、指摘しておきます。

(1)久喜市の財政調整基金の積立金残高が、2020年度末の残高は39億9600万円となった。
前年度末の積立残高46億円に対して、当初予算で19億円を取り崩しを計上したが、これは財源不足を補うという理由で形式的に取り崩したものであって、実際には年度内に繰り戻すことを前提にしていた。
結果的にはコロナ対策で15億円を取り崩したものの、実質収支の2分の1の繰り入れや年度末でのいわば余剰金の繰り入れによって7億円のマイナスですんだ。

 3月に策定された中期財政計画では、21年度末の残高は36億円と減額していくとしているが、実際には41億円、あるいはそれ以上に積み戻されるであろうと推定されている。
財政調整基金は災害などでの財源不足に備えるとされているが、実際にはコロナ禍でさえ、久喜市の財政規模での適正額である標準財政規模の10%、31億を大きく上回る財調基金を維持できている。

 3月という、決算の見通しがほぼ明らかとなった時期に策定した中期財政計画が、わずか半年後に実態と乖離しているということは、財政計画の信頼性を疑わせます。
今後の財政計画の策定方法を見直すべきです。

 財政調整基金の積立額、市民1人あたりの積立額は、県内11位前後に位置していて、比較的裕福な自治体と言える。
積立額は適正額を維持することは必要ですが、必要以上の積み立てはやめて、市民サービスにあてるべきであると指摘しておく。

 ごみ処理施設、アセットマネジメント対策など、個別事業の財源については、別途、目的別の基金を確保していくべきである。

(2)障害者の別枠採用を継続して、実雇用数、雇用率ともアップして、障害者雇用率が2.99%を達成していることを評価する。

 精神障害者や学習障害の方の応募が拡大し、実際に身体障害者以外への採用が進んでいると答弁されたことについて、評価する。

 今後、精神障害者、さらに知的障害者の雇用拡大、短時間勤務やジョブコーチの配置など、職場での必要な合理的配慮を進めるよう求める。

(3)職員の時間外勤務の実態は、昨年度よりも改善されたことは評価する。しかし、時間外勤務が年間400時間を超える職員や、1か月の時間外勤務最大139時間に達する部署があったことも明らかとなった。
これはある意味では、業務量の見積もりと人事配置の乖離があったことを意味する。課内、部署間のアンバランス、季節的な落差もいまだに大きい。
人事管理行政をより適正化すべきである。

(4)男性職員の育児休業等の状態が改善されつつあることを評価する。育児参加休暇を取得しない職員がいまだに4割近くもいる。育児休業を取得した男性職員の取得率は90%を超えたが、対象者74人中、取得0日の職員が6人、10日以下の職員が2人など、久喜市役所の男性職員のイクメンが極めて消極的だということも明らかとなった。
まだまだ久喜市役所で、男性の育児休業が取得しやすくなっていない、業務分担の配慮、業務上の応援体制の整備が進んでいないという状況を抜本的に改善していく必要がある。
そのために、市長をはじめとしたイクボスの姿勢が問われる。

(5)市の公共施設の電力購入については、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題である。
電力調達に関わる環境配慮基準の配点を見直して、再生可能エネルギーの比率の高い電力事業者が、もっと公共施設の電力入札に参入しやすくする必要がある。
市長が2050年ゼロカーボンを宣言した今こそ、政策的に積極的に再生可能エネルギーの調達を増やしていくよう求める。

【9月市議会】 財政調整基金の積立額は過大では?
『声と眼』618号 2021/9/23

 2020年度の一般会計決算審査で、市の貯金である財政調整基金の過大な積立を指摘し、是正を求めました。
久喜市の適正規模は31億円程度ですが、2018年度には50億円を超えました。
昨年度にコロナ対策で15億円を取り崩したものの、再び積み戻して年度末には41億円にのぼる見込みです。
市民1人あたりの基金残高は県内11位の3万円に達しています。
必要な積立ならごみ処理施設整備基金のように目的を明確にすべきです。
使い途の目的もない過大な積立てはやめて市民サービスに使うよう求めました。

【9月市議会】 2020年度決算、コロナ対策で大幅増に
『声と眼』617号 2021/9/5

  2020年度一般会計は、当初予算の541億円に対して、歳入は710億円、歳出は686億円に大きく膨らみました。
増額の大部分は新型コロナウイルス感染症対策の事業で、全国民に一律10万円の定額給付金152億円、ひとり親家庭や子育て世帯、困窮世帯に対する給付金4億円、プレミアム付き商品券や保健衛生対策に充当した「新型コロナ感染症対策地方創生臨時交付金」10億円、小中学校のICT・オンライン学習環境整備に10億円などです。
これらの財源のほとんどは国庫補助金で、当初の14億円から193億円に増額となりました。
久喜市の2020年度一般会計決算(単位:千円)
歳入 決算額 当初予算額 当初予算比
増減率
市税 231億3401万 230億6946万 ▲2.8%
地方譲与税 4億3928万 4億5222万 ▲2.9%
利子割交付金 1649万 1400万 +17.8%
配当割交付金 8712万 9500万 ▲8.3%
株式等譲渡所得割交付金 1億0416万 8000万 +30.2%
法人事業税交付金 1億4278万 1億5700万 ▲9.1%
地方消費税交付金 31億2107万 26億0000万 +20.0%
環境性能割交付金 6164万 6500万 ▲5.2%
地方特例交付金 1億8694万 1億5800万 +18.3%
地方交付税 39億0328万 42億4296万 ▲8.0%
交通安全対策特別交付金 2331万 2115万 +10.2%
分担金及び負担金 2億3487万 2億8397万 ▲17.3%
使用料及び手数料 2億818万 2億9855万 ▲5.6%
国庫支出金 362億6471万 8億91917万 +194.5%
県支出金 37億8634万 38億2694万 ▲1.1%
財産収入 2186万 1746万 +25.2%
寄附金 3237万 1161万 +178.8%
繰入金 20億7922万 23億0504万 ▲9.8%
繰越金 13億6113万 4億0000万 +240.3%
諸収入 10億4696万 12億0781万 ▲13.3%
市債 47億3640万 59億5660万 ▲20.5%
710億6580万 541億8200万 +31.2%
歳出
議会費 3億4942万 3億5268万 ▲0.9%
総務費 203億7028万 52億9700万 +284.6%
民生費 222億2810万 228億9955万 ▲2.9%
衛生費 42億2303万 42億3036万 ▲0.2%
労働費 1148万 1243万 ▲7.7%
農林水産業費 7億8610万 8億4387万 ▲6.8%
商工費 5億2323万 2億7707万 +88.8%
土木費 54億0288万 53億9219万 +0.23%
消防費 22億7598万 23億0799万 ▲1.4%
教育費 76億0866万 79億8158万 ▲4.7%
災害復旧費 0 4 ▲100.0%
公債費 42億0294万 42億2824万 ▲0.6%
諸支出金 6億6140万 2億5898万 +155.43%
686億4351万 541億8200万 +26.7%

公共施設統廃合と大規模ハコモノ施設
『声と眼』615号 2021/8/1

 『広報くき』6月号に、「公共施設個別施設計画」の記事が掲載されました。
効率的財政運営のために公共施設の適正配置を進めるという計画です。

 要するに公共施設の統廃合ですが、各公共施設がどうなるのか、市民生活への影響など、『広報くき』に書かれなかった「個別施設計画」の具体的な内容とは−、

(1)本町集会所、東町集会所、太田集会所、栗原記念会館、はなみずき会館、野久喜集会所、パークタウン集会所などの集会施設は、“地元”に「譲渡」する計画です。
しかし町内会などで維持管理費や将来の建て替え費用を負担するのは不可能ですから、これは事実上、地域の集会所の廃止計画です。

(2)いちょうの木、けやきの木、くりの木、ゆう・あい、あゆみの郷などの障害者施設を、財政削減のために民間に「譲渡」して、重度障害者の生活介護などの障害者福祉サービスを廃止する計画です。
これは地域で生きてきた障害者の切り捨てに他なりません。

(3)中央幼稚園、さくら保育園、すみれ保育園などを廃止、または民間へ「譲渡」としています。
これは待機児童解消に明らかに逆行します。

(4)市役所庁舎だけは例外で、新たに土地を購入して新築移転する計画です。
しかも現在は市内4か所にある保健センターや子育て支援施設などを廃止・統合して市庁舎に併設するとしています。
要するに、新庁舎を中心とした大規模ハコモノ施設を作るという構想ですが、これで市民の理解は得られますか。

★公共施設縮小削減の例外として、新庁舎併設の大規模ハコモノ施設を、市長は「新総合複合施設」と名付けて、8月に整備検討委員会を設置する。
市長選前に既成事実化を進める考えか。★

久喜市の公共施設個別施設計画とは何か
2021/7/11

 久喜市は、公共施設の「アセットマネジメント」を進めてきた。
 そのために、まず2017年に「公共施設白書」をまとめ、2021年3月に「公共施設個別施設計画」を策定した。

 合併前の1市3町で、高度成長期、財政も人口も右肩上がりだった時代、市民ニーズに応えてサービスを拡充していく過程で、多くの公共施設を建設してきた。
 しかし今、いずれの施設も建設から30〜40年を経過し、今後いっせいに大規模改修や建て替えの時期を迎えることになる。
 そこでこれらの公共施設をいかに計画的に維持管理、改修、建て替えしていくか、その具体的な計画を定める、これが「大義名分」である。

 『広報くき』6月号に「公共施設個別施設計画〜公共施設の未来を考える〜」が特集され、なぜこの計画が必要かを解説している。
 しかしこの特集は、総論しか書かないで、それぞれの公共施設を具体的にどのように維持管理、統廃合、更新、建て替えしていくかは、いっさい触れていない。
 知りたい人はQRコードから、市民が自分で見るようにと書いているのだが、実際に見る人は少ないだろうし、全部で144ページもある膨大で複雑な計画を、読んだだけでは理解するのは容易ではない計画である。
 これは具体的な各論の計画を市民に知らせてしまうと、必ず反対の声が起こることがわかっているので、わざと書かなかったんだろうと考える他ない。

要するに、公共施設削減と市民サービス縮小の計画に他ならない

 しかし昨年から進められてきた「個別施設計画」は、要するに財政節減を第一義的な目的とし、いかに公共施設を削減し、市民サービスを縮小していくかの計画に出していると言って過言ではない。

 以下に、久喜市のアセットメネジメンと計画であるところの「公共施設個別施設計画」の具体的計画を抽出してみよう。

新庁舎に併設した大規模ハコモノだけは例外か?

(1)まず、多くの公共施設を削減し統廃合する一方で、市役所新庁舎だけは例外とされている。
 他のハコモノといっしょに大規模公共施設「新総合複合施設」を、2027・2028年に新築することを明記した。
 現在の行政施設は、本庁舎(旧久喜市役所)、第2庁舎(建設部)、環境経済部(菖蒲支所内)、教育委員会および上下水道部(鷲宮支所内)、各総合支所(旧町役場)に分かれている。
 合併協定では、新市役所は久喜(市役所)に置くことが決まっていたが、手狭なことを理由に、実態としては分庁舎方式になっているのを、全部の機能を統合して大規模な『新庁舎』を新築するという。
 建築費用は78億4510万円となっているが、用地買収費を含むのか、また基本設計さえできていないのに、なぜそんな費用が算定できるのか、この数字は信用できない。
 現在の市役所の取り壊し費用は2億3960万円と書かれているが、この数字も信用できない。
 個別施設計画には明確に書かないでぼかしているのだが、市長は、現在の市役所とは別の場所に、まったく新規に土地を買収して大規模な本庁舎を建てるつもりらしい。

(2)その新庁舎には、保健・子育て複合施設・保健センターを統合した大規模施設を併設する。
 新庁舎に統合する公共施設は、具体的には、現在の市内4か所の保健センター、鷲宮児童館、4か所のファミリーサポートセンター、久喜地区・鷲宮地区子育て支援センターが明記されていて、大規模なハコモノを新築することになる。
 したがって、現在の4か所の保健センターや、喜地区と鷲宮地区の子育て支援センターは、新庁舎新築に合わせて廃止される。
 さらに、菖蒲地区・栗橋地区の子育て支援センターも、いずれ廃止する計画である。

 保健・子育て支援施設(保健センター)新築費用は3億4110万円、保健・子育て支援施設(子育て支援)新築費用3億4110万円と明記されているが、これらの数字も信用できない。

(3)本町集会所、東町集会所、太田集会所、栗原記念会館、はなみずき会館、野久喜集会所、パークタウンの4か所の集会所、その他の多くの地域の集会施設を、地域の町内会などに「譲渡」して、市は管理しないこととしている。
 もしも地域の町内会などで引き取らない場合は、廃止するというのだが、地域の自治会や町内会で、長期的な維持管理費用を負担するのは困難だから、これは事実上の集会施設廃止計画である。

(4)障害者施設(いちょうの木、けやきの木、くりの木、ゆう・あい、あゆみの郷)を2022年度に、さらにのぞみ園を2025年に民間事業者に譲渡して、重度障害者の生活介護や就労支援など、市としての障害者福祉サービスは廃止すると明記している。
 これは、これまで民間事業者ではできないからこそ、重度障害者が地域で生きられるように行政が受け皿として責任を果たしてきた、重度障害者の切り捨てという以外にない。 

(5)中央幼稚園、さくら保育園、すみれ保育園は廃止、または民間へ「譲渡」としているが、これは「待機児童」をなくすことに逆行するのではないか。

(6)栗橋総合支所は廃止して、「栗橋市民プラザ」(行政サービスセンター、図書室、コミュニティセンターの機能を有する)を新築すると書かれている。
 市民プラザは、要するに「出張所」と思われる。

【2月市議会】 新庁舎を中心とした大規模公共施設!?
『声と眼』608号 2021/3/25

 個別施設計画の目玉は市役所新庁舎を中心とした大規模公共施設です。
各地区の総合支所は事実上廃止し、各部の行政組織を1か所にまとめて、29年までに「新庁舎を建設する」と明記されました。
この新庁舎に、市内4か所の保健センターを統合するとともに子育て支援機能も併設する計画です。
現本庁舎は「移転」、理科大跡地は民間「譲渡」して、新たな場所に土地を購入して建設する計画のようです。

 市議会に、新総合複合施設検討委員会を設置する条例が提出されて可決されました。
「新総合複合施設」というのは新庁舎を中心とした大規模公共施設のことらしいのですが、定義が書かれていません。
施設の内容や場所を恣意的に決められる仕組みです。

【2月市議会】 新総合複合施設整備検討委員会に反対しました
2021/3/20

 3月17日、2月定例市議会で議案の討論・採決が行われました。
 梅田市長は、みずからの公約にはなかった「市役所新庁舎の建設」をぶち上げ、それに子育て支援施設、さらに合併依頼、市内4か所に設置されている保健センターを1か所に集約して併設したいと言い出しました。

 条例の条文では「新総合複合施設」と言っていますが、その内容はオブラートにくるまれて、不透明なままです。
 このような姑息なやり方は理解できないので、討論で明確に批判して反対しました。

  【反対討論】 議案第17号 新総合複合施設整備検討委員会条例に反対

市民の政治を進める会 猪股和雄

1.この条例で規定している「新総合複合施設」とは何か、この検討委員会は、いったいどのような施設について検討するのか、条例中にその定義がないということは、この条例は欠陥条例と言って言いすぎではない。
 久喜市の行政で、「新総合複合施設」なる用語が出てきたのは、この条例案が最初です。
 条例を制定して、新しい用語を規定しながら、その明確な定義もない、おおよその定義すらもないということは、行政のその場の判断で、恣意的な解釈ができるような、条例の作りになっているということです。
 公共施設個別施設計画においても「新総合複合施設」なる施設は書かれていない。市役所新庁舎と子育て支援施設、市内4か所にある保健センターを集約して併設するという計画が書かれていて、これが「新総合複合施設」なんだろうかと推測させるようになっているが、明確に規定されてはいない。

 委員会の審議の中で、新総合複合施設は、個別施設計画に基づいて、保健センターと子育て支援機能と行政施設の集約統合した施設であると言われた。
 ところがその後の審議では、「新総合複合センター」は、子育て支援施設と保健センターの併設であって、バックヤードとして行政機能がある、つまり新庁舎はバックヤードなんだという説明に軌道修正が図られた。これはなぜか。
 個別施設計画では、本庁舎機能を集約した新庁舎を建設するということと、保健センターと子育て支援施設を併設した新庁舎を建設すると書かれている。
委員会での当局の説明とは逆です。
保健センターと子育て支援施設に本庁舎機能を併設するのではないのです。

 そして、それにさらに他の施設を加えることはありえるが、これを削るのはだめだという。
 すでに委員会での説明からして、行政の恣意的な解釈が始まっているのは、新庁舎建設をオブラートに包んでいるつもりでしょうか。
 議会と市民をごまかしてはいけない。
正々堂々と、新庁舎を中心にして、他の施設を併設するのだとなぜ言わないのか。
 恣意的な解釈が行われるような条例条文、すでに制定前から恣意的な解釈とあいまいな説明で切り抜けようとする、そんな条例を作ってはいけない。

2.委員会で、新市基本計画期間内の事業として、合併協定に反することはできなのではないかという議論もあった。
そうであれば、各総合支所も明確に合併協定書に明記されているのであって、これを集約して新庁舎を建設することにも疑義が出てくることを申し上げておく。

【2月市議会】 2021年度一般会計予算に反対しました
2021/3/19

 3月17日、2月定例市議会で議案の討論・採決が行われました。
 私は2021年度一般会計予算に反対の討論を行いました。
 2月定例市議会は、当初の予定では、3月17日が最終日となっていましたが、3月30日まで会期延長が決まりました。
 この日に、国の3次補正に対応する、市の2020年度一般会計補正予算と、新年度の一般会計補正予算(第1号)が提出されました。
 新年度の補正予算には、コロナワクチン接種の費用と、公共施設のトイレ改修、プレミアム商品券発行事業などが計上され、30日に質疑、討論、採決が行われることになります。

  【反対討論】 議案9号 2021年度一般会計予算に反対

市民の政治を進める会 猪股和雄

 2021年度久喜市一般会計予算に反対します。
 3つの反対理由と、一つの製作についての危惧を述べます。

1.
 第1の反対理由は、巨大学校給食センターの稼働です。
 私たちは、そもそも自校調理方式が望ましい、各地区の老朽化した給食センターや、民間給食センターへの委託を見直して、自校調理方式に順次切り替えていくべきだと提言してきました。
 自校調理方式を求める市民1万人の請願署名も提出しましたが、残念ながら、1万2000食という全国的にも大規模な給食センターの建設が強行されました。
 それと同時に、久喜地区で守ってきた強化磁器食器はすべて廃棄され、プラスチックPEN食器に変更されることになりました。
これは食育の観点から見れば、人類と日本人の食の伝統に反します。
 一つ一つの副食の調理終了後、2時間以内の喫食が保障されなければなりません。これからさらに研究、あるいは努力するという答弁ですが、これは行政の責任ととらえるべきです。
 食材の地産地消は、現在でも久喜地区で久喜市内産30%近くを達成できているのですから、当然、地産地消率はこれ以上をめざすべきです。
 アレルギー対応給食は、現在よりは改善される、初年度には乳と卵の除去食、2年目からは代替食の実施が予定されています。
アレルギー対応マニュアルによると、除去食は乳と卵を両方とも除いた副食を予定しているようですが、本来は、それに加えて乳だけを除いた副食、卵だけを除いた副食も提供するべきです。
そうでないと、たとえば乳だけを食べられない子どもにも、乳と卵の両方を除いた副食しか提供されません。
将来、対応するアレルゲンを増やしていったときに、それぞれ個別のアレルゲンを除いた副食を提供するのがあたりまえですから、当初から、それをめざすべきです。

2.
 第2の反対理由は、新年度予算において、新ごみ処理施設で、プラスチック全量焼却を前提とした計画策定が進められていることです。
 プラスチック廃棄物は、国のプラ資源循環戦略やプラ資源循環促進法にそって、全量資源化をめざすべきです。
少なくとも、久喜宮代衛生組合です依存してきたプラ資源分別回収あるいは容器包装プラ分別回収、資源化を後退させることは、社会的責任としてまた未来への責任としてに許されません。
これまで容器包装プラスチックの資源化で、少なくとも35%は再商品化できているのに、それも含めて焼却することは、全世界と日本でも進めてきたプラ資源循環の真っ向否定です。
 しかも、プラを燃やすことによって、燃やさない場合よりも大幅にCO2を排出することになることは、執行部も認めているのであって、市長が2050年ゼロカーボンシティをめざすと宣言されたことにも反します。
 いずれにしろ、国のプラ資源循環促進法によって、プラ廃棄物は今後急減していきます。
大きな焼却炉を建設して発電しようとしても、10年後には燃やすものがない、2炉の内の1炉が年間の半分くらいは遊休化するなどということになってはなりません。
急減することがわかっているプラは焼却の計画から外して、炉はできるだけ小さな炉にするべきです。

3.
 公共施設個別施設計画では、理科大跡地を新年度中に「譲渡」売却する方針です。
これは地元と周辺の住民のみなさん、元地権者の皆さんへの背信行為であり、許されません。
住民の理解を最優先にして利用方法を検討すべきです。
 しかも、譲渡とか売却といっても、校舎の取り壊し費用を差し引いて、有償で譲渡することも予想されます。
議会にも、市民にもいまだにその試算すら明らかにされていないことは不可解です。

4.
 
個別施設計画の障害者施設の政策に、大きな危惧があります。
 いちょうの木やけやきの木の障害者施設は、個別施設計画では、来年には「民間譲渡」と書かれています。単なる維持管理費用の縮減の観点から、そのような計画にさせられてしまった。
 しかしこれらの施設が、なぜ市で公設で作られ、市が指定管理者として運営費を支出してきたか、なぜ民間の就労支援ではダメなのか、就労支援でははじき出される障害者たちがいるんだという現実を見据えなければなりません。
障害者を1人でもはじき出す結果になってはいけません。
障害者施設を公設で作った、その原点に立ち返るべきです。
 新年度中に協議や進むことになりますが、当事者や保護者の皆さんの意向を最大限尊重するべきです。

【2月市議会】  鷲宮支所 生涯学習施設と教育委員会を移転
『声と眼』606号 2021/2/26

 鷲宮総合支所2・3階に教育委員会事務局を移転し、5階に生涯学習センターを開設します。
建物の改修整備工事 6930万円 駐車場整備工事 2063万円

【2月市議会】公共施設の集約・統合ありき 効率最優先?
『声と眼』606号 2021/2/21

 梅田市長が、市役所新庁舎の建設を打ち出しました。
2029年度を目標とし、保健センターや子育て支援施設、ファミリーサポートセンターなどを集約して併設する考えです。
現在は各地区に配置されている保健センターなどを統合し、しかも新庁舎の1か所にまとめて併設でいいのか、市民サービスのためには分散配置した方がいいのではないかという意見もあります。

 市長は新年度に《新総合複合施設整備検討委員会》を設置して推進する方針ですが、財政効率最優先の施設の集約・統合ありきでいいのか、市民の意見を聞きながら慎重に検討するべきではないでしょうか。

【2月市議会】 2021年度一般会計予算と前年比
『声と眼』606号 2021/2/19  

歳入 2021年度 2020年度 増減  増減率
市税 219億2370万5 230億6946万4 ▲ 11億4575万9 ▲0.05
地方譲与税 4億4322万2 4億5222万2 ▲ 900万0 ▲2%
利子割交付金 1400万0 1400万0 0 0.0%
配当割交付金 9000万0 9500万0 ▲ 500万0 ▲5.3%
株式等譲渡所得割交付金 4200万0 8000万0 ▲ 3800万0 ▲47.5%
法人事業税交付金 8800万0 1億5700万0 ▲ 6900万0 ▲43.9%
地方消費税交付金 30億0000万0 26億0000万0 4億0000万0 15.4%
環境性能割交付金 6500万0 6500万0 0 0.0%
地方特例交付金 1億8500万0 1億5800万0 2700万0 17.1%
地方交付税 36億9000万0 42億4296万6 ▲ 5億5296万6 ▲13%
交通安全対策特別交付金 2050万2 2115万8 ▲ 65万6 ▲3.1%
分担金及び負担金 2億3091万5 2億8397万8 ▲ 5306万3 ▲18.7%
使用料及び手数料 2億9093万8 2億9855万8 ▲ 762万0 ▲2.6%
国庫支出金 82億6097万6 8億91917万3 ▲ 6億5819万7 ▲7.4%
県支出金 38億0580万1 38億2694万9 ▲ 2114万8 ▲0.6%
財産収入 2015万7 1746万3 269万4 15.4%
寄附金 1141万2 1161万1 ▲ 19万9 ▲1.7%
繰入金 16億7891万5 23億0504万2 ▲ 6億2612万7 ▲27.2%
繰越金 4億0000万0 4億0000万0 0 0.0%
諸収入 11億9015万7 12億0781万6 ▲ 1765万9 ▲1.5%
市債 58億4930万0 59億5660万0 ▲ 1億0730万0 ▲1.8%
513億0000万0 541億8200万0 ▲ 28億8200万0 ▲5.3%
歳出
議会費 3億5583万7 3億5268万3 315万4 0.9%
総務費 51億7501万4 52億9700万0 ▲ 1億2198万6 ▲2.3%
民生費 221億7301万8 228億9955万2 ▲ 7億2653万4 ▲3.2%
衛生費 41億8462万5 42億3036万5 ▲ 4574万0 ▲1.1%
労働費 1237万2 1243万9 ▲ 6万7 ▲0.5%
農林水産業費 6億9039万8 8億4387万9 ▲ 1億5348万1 ▲18.2%
商工費 2億5247万4 2億7707万2 ▲ 2459万8 ▲8.9%
土木費 45億6453万8 53億9219万2 ▲ 8億2765万4 ▲15.3%
消防費 21億9951万7 23億0799万3 ▲ 1億0847万6 ▲4.7%
教育費 71億8326万9 79億8158万8 ▲ 7億9831万9 ▲10%
災害復旧費 4 4 0 0.0%
公債費 42億4124万1 42億2824万4 1299万7 0.3%
諸支出金 1億6769万3 2億5898万9 ▲ 9129万6 ▲35.3%
予備費 1億0000万0 1億0000万0 0 0.0%
513億0000万0 541億8200万0 ▲ 28億8200万0 ▲5.3%

【2月市議会】公共施設の統廃合や民間譲渡?
『声と眼』606号 2021/2/18

 市は現在、公共施設個別施設計画の策定を進めています。
大小182のすべての公共施設の今後35年間の維持管理や更新、統廃合などの方針を決めるものです。

 内容は、
◇市立中央幼稚園の廃止、来年に募集停止して栗橋幼稚園と統合していく、
◇市立保育園6園は将来すべて“民間譲渡”する、
◇障害者施設(いちょうの木、けやきの木、くりの木、ゆう・あい、あゆみの郷)は来年に“民間譲渡”、市立のぞみ園は5年後に民間譲渡、偕楽荘も5年後に民間譲渡する、
◇各地区のファミリーサポートセンターは施設の集約・複合化する、
◇市民プール、菖蒲・鷲宮の温水プール、B&G海洋センターは廃止、
◇各地区の集会所は来年に“民間譲渡”する、◇公民館はすべてコミュニティセンターに転用し、公民館事業は廃止など、いずれも前のめりの計画が並んでいます。

市民サービスや生活に大きな影響を与える内容が多いのに、唐突に政策の変更や廃止などを「決定」して既成事実化してしまうのは、たいへん乱暴なやり方です。
市議会でも、また当事者や地域でもほとんど議論もされていない状態で、一方的に市民に押しつけるのは認められません。
多くの施設が“民間譲渡”とされていますが、どのような条件で、どこ(事業者)に譲渡するのか、譲渡した後の施設や事業の運営はどうなるのかもわからない、説明されないのでは判断しようがありません。
これで市民の理解が得られると考えているのでしょうか。

【9月市議会】一般会計決算と補正予算に反対しました
『声と眼』599号 2020/10/16

 9月30日の本会議で議案の採決が行われ、市民の政治を進める会は2019年度一般会計決算、今年度一般会計補正予算、個人番号利用条例の改正(マイナンバーカードの利用事業を拡大)に反対しました。

理科大跡地活用見直しは失敗に終わった

 理科大跡地の活用方針は紆余曲折をたどって、いまだに見通しが立っていません。当初、前市長が市民参加で生涯学習や子育て支援の拠点にする計画を策定しました。
梅田市長はこれを見直して専門学校や市民レストラン、インキュベーションセンターなど民間収益事業の導入を打ち出し、昨年度には一部校舎の改修を進めようとしました。
議会が計画に疑義があることからストップをかけたため、市長はコンサルタントに事業の実現可能性の調査を委託していました。
2月に提出された調査報告書では、民間の収益事業の導入は困難という結論で、進出を希望する事業者もいませんでした。
結局、この間の調査検討の労力も費用もすべてムダ遣いだったことになります。

 しかも校舎や施設は2年間、事実上の空き家状態になっていたため老朽化がいっそう進みました。
これから改修費用をかけたとしても利用は困難で、警備費などの管理費が年間6700万円もかかっており、もはや取り壊さざるを得ない状態です。
市長は理科大跡地校舎を公共施設には使わない考えを明らかにし、生涯学習センターと教育委員会は、来年度に鷲宮支所を改修して移転させる予定です。

 こうした理科大跡地の活用見直しの調査費用も、3億円とも言われる校舎取り壊し費用なども、本来なら必要のなかったムダな支出と言わざるをえません。

 また今年度一般会計補正予算には鷲宮支所の改修工事を行うための設計費用が計上されていますが、これも当初の計画で進めていれば必要なかった支出です。
理科大跡地校舎活用計画の二転三転による財政のムダ遣いは認められません。

【9月市議会】 2019年度一般会計決算認定に反対しました
2020/10/3

  【反対討論】 議案58号 2019年度一般会計決算に反対

市民の政治を進める会 猪股和雄

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。
 したがって、これまで毎年の決算認定議案については、政策の評価や行政執行上のさまざまな問題点は指摘しつつも、予算で掲げた政策課題の執行という点で判断してまいりました。

 しかし2019年度一般会計決算については、反対せざるを得ない。反対理由はただ一点です。
 行政執行過程において、理科大跡地活用計画の右往左往、そして、活用可能性の民間委託調査が、まったくのムダに終わってしまったこと、そして今後、中長期的に、さらに大きなムダにつながっていく危険性をはらんでいて、その展望も示されないでいることを、容認できません。
 東京理科大跡地の活用については、前市長が市民参加の手続きを踏まえて、生涯学習センターと子育て支援センターという計画を策定し、一部の実行に移った段階で市長交代となった。
 梅田市長は、民間活力の導入を柱とした計画の大幅な見直しを打ち出して、一昨年に、保健センターの統合移転、休日夜間急患診療所の移転、子ども図書室、市民レストランや専門学校、インキュベーションセンターなどの新たな活用計画を説明されたが、それらは市民の理解が得られないばかりか、議会でも多くの疑義が示されるなど、実現性自体が危ぶまれるものであった。
 市長は一部校舎の改修や教育委員会の移転を強行しようとしたのでしたが、補正予算の修正案が可決されるなどして、計画は頓挫しました。

 その後、市長はあくまでも、ご自分の計画・構想の実現性を調査するため、コンサルタントに調査委託しましたが、今年2月に提出された報告書はまったく実現性がないという結論でした。
 結果的に、市長がこの2年間をかけて進めようとして、進めてきた理科大跡地活用の構想はことごとく失敗した、ということは、結果的に、この調査委託そのものが、全くのムダ金の支出であったと言わざるを得ないのです。
 しかし、委託料280万円が無駄だったというだけにとどまりません。
 前市長が、市民参加を経て策定した計画、これも問題点ははらんでいましたが、今年には改修が進捗して新たな活用がスタートしていたはずだった。
 梅田市長の構想でも2023年には新たな姿へと生まれ変わっていたはずでしたが、結局何も生み出すことはできなかった。
 特に、市の重要な政策展開の場となるはずだった、子育て支援センター構想は、雲散霧消してしまっています。
 そして、2年間、事実上、空き家となっていた間に老朽化が急激に進んで、結局はもうこれから改修しても使えない状態になってしまって、取り壊さざるを得ないことになった。
 2年前までの計画策定に費やした、職員の労力と、市民参加とをムダにし、これからまだ使えたであろう理科大校舎を使えない状態にしてしまって、その残存価値もムダにした。
 そして、理科大校舎は今後の施設管理費がさらにムダになってしまうので、早期に取り壊さなければなりませんが、3億円とも言われる取り壊し費用も、市民から見ればムダなお金です。
 教育委員会は一昨年に理科大跡地に移転して、今度はまたまた鷲宮支所に移転させる、これもあらたなムダです。
これらのことごとくは使わなくてもいい金だったかも知れないし、今後も中長期的に使わなくていいはずだったお金を、費やしていくことになる危険がある。
 そもそも理科大跡地は、市民なかんずく周辺住民の協力で提供され、理科大移転に伴って寄付された、市民の財産であって、市民の意向を考えれば、安易に手放すことなどできるはずもありません。
 市長は理科大跡地の新たな活用計画、将来構想を、市民に提示する責任があることだけは申し上げておく。

(1)
久喜市の財政調整基金の積立金残高が、2019年度末の残高は46億7428万円でした。中期財政計画では給食センターやごみ処理施設の整備などの支出や生活保護費、少子化対策費の増加などにより、減っていくと書かれている。特に今年度はコロナ対策費の拡大などの支出増要因もあるが、結果的には今年度末40億前後は確保できるものと見込まれる。
 財政調整基金の積立額、市民1人あたりの積立額は、県内9位前後に位置していて、比較的裕福な自治体と評価されている。財調基金の目標額としては標準財政規模の1割程度という基準が示されているが、計画的に維持していくべきである。
 ごみ処理施設、アセットマネジメント対策など、個別事業の財源については、別途、目的別の基金を確保していくべきである。
(2)
障害者の別枠採用を継続して、実雇用数、雇用率ともアップして、障害者雇用率が3%超となっていることを評価する。
 精神障害者や学習障害の方の応募が拡大し、実際に身体障害者以外への採用が進んでいると答弁されたことについて、評価する。
 今後、知的障害者、精神障害者の採用、短時間勤務、職場での必要な合理的配慮を進めるべきである。
(3)
職員の時間外勤務の実態は、昨年度よりも改善されたことは評価する。しかし、時間外勤務が年間700時間を超える職員や、時期的に1か月に100時間を大きく超える職員がいることが明らかになった。課内、部署間のアンバランス、季節的な落差もいまだに大きい。人事管理行政をより適正化すべきである。
(4)
男性職員の育児休業等の状態が改善されつつあることを評価する。育児参加休暇を取得した職員は59%、育児休業は取得率55%であるが、それでもまだ低い。
 職員アンケートでも、男性の育児休暇が取得しやすくなったとは思わないの回答が45%もある。業務分担の配慮、業務上の応援態勢の整備が進んでいないという回答が75%もあった。課題は明らかであって、改善すべきである。
(5)
市の公共施設の電力購入については、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題である。昨年度と同じ課題として、契約期間3年間の間に、グリーン電力の比率が高い事業者を評価するシステムを検討されたい。
(6)
公共施設の自動販売機の脱プラスチック、脱ペットボトルを、一歩進められたことは評価する
(7)
学校給食の地産地消が進みました。久喜市産の食材は22%、県内産の食材は30%を超えたことを評価する。

財政調整基金積立額(2018年度末)県内40市の比較
『声と眼』597号 2020/9/8

 順位は財政調整基金積立額の順、右の○数字は人口 1人あたりの金額順。久喜市はいずれも県内9位。
人口 財政調整基金 1人あたり・順位
1 さいたま市 131万7 227億6863万 1万7 31
2 川口市 59万4 144億8667万 2万4 15
3 深谷市 14万1 122億6860万 8万6 1
4 熊谷市 19万4 94億6764万 4万8 3
5 所沢市 34万1 65億1540万 1万9 22
6 戸田市 14万2 62億5018万 4万3 5
7 越谷市 34万6 62億2963万 1万7 28
8 草加市 25万1 51億1834万 2万0 20
9 久喜市 15万0 50億2409万 3万3 9
10 坂戸市 10万0 46億8713万 4万6 4
11 狭山市 14万8 45億5007万 3万0 11
12 本庄市 7万6 42億2310万 5万4 2
13 春日部市 22万9 42億0736万 1万8 26
14 ふじみ野市 11万2 39億4295万 3万4 8
15 川越市 35万4 39億0728万 1万1 40
16 上尾市 22万6 39億0344万 1万7 32
17 富士見市 11万0 33億6897万 3万0 12
18 志木市 7万5 27億2674万 3万6 7
19 加須市 11万0 26億4564万 2万3 16
20 三郷市 14万2 26億3357万 1万8 24
21 朝霞市 14万3 25億7546万 1万7 29
22 鴻巣市 11万7 25億7445万 2万2 17
23 蕨市 7万5 24億8019万 3万3 10
24 新座市 16万4 22億6673万 1万3 38
25 入間市 14万6 22億5690万 1万5 37
26 秩父市 5万9 21億8782万 3万6 6
27 八潮市 9万3 19億0935万 2万0 19
28 蓮田市 6万1 18億6382万 3万0 13
29 行田市 7万8 16億5658万 2万1 18
30 東松山市 9万2 14億8805万 1万6 35
31 日高市 5万4 14億4495万 2万6 14
32 桶川市 7万4 13億9935万 1万8 23
33 和光市 8万4 13億7205万 1万6 34
34 鶴ヶ島市 7万0 12億9248万 1万8 25
35 吉川市 7万2 12億7609万 1万7 30
36 飯能市 7万9 12億3959万 1万5 36
37 北本市 6万5 11億8210万 1万8 27
38 羽生市 5万3 10億5449万 1万9 21
39 白岡市 5万2 8億5815万 1万6 33
40 幸手市 5万0 6億2214万 1万2 39

★財政調整基金は目的を定めない市の貯金。
久喜市ではこの他に、ごみ処理施設整備基金13億円、市民の森整備基金4億円等々、特定目的の基金もあり、20年度当初の基金総額は76億円。★

【9月市議会】 2019年度決算 地方交付税、市税収入などが増収
『声と眼』597号 2020/9/6

 9月定例市議会に、昨年度の一般会計決算が提案されました。
歳入508億6957万円、歳出487億8326万円で、収支差し引き残額は14億5036万円にのぼりました。
昨年の当初予算編成時には、財源不足が生じるおそれがあるとして、財政調整基金を大幅に取り崩して約21億円もの繰り入れを見込んでいました。
しかし実際には市税や地方交付税交付金などの増収で、歳入総額は当初予算より3億円減だったものの前年度比では24億円(5%)増でした。
一方で歳出は各項目で予算額を下回り、歳出総額は当初予算比24億円もの減額となりました。

 この結果、財政調整基金の昨年度中の取り崩しは約8億5000万円ですみ、積み増しもあったので19年度末の基金積立残額は46億7428万円になりました。
今年度はコロナ対策の緊急財源として大幅な取り崩しを行っているので、9月現在の財政調整基金残額は34億円になっています。
今後、国の臨時交付金を充当したり積立額を増額して、年度末には40億円以上の財政調整基金残額を維持するとみられます。

久喜市の2019年度一般会計決算(単位:千円)
歳入
決算額 当初予算額 当初予算比
増減率
市税 232億1266万9 228億6150万5 1.5%
地方譲与税 4億3566万0 3億9600万0 10.0%
利子割交付金 1569万1 3100万0 ▲ 40.4%
配当割交付金 1億0230万2 1億0500万0 ▲ 2.6%
株式等譲渡所得割交付金 6176万0 1億1400万0 ▲ 45.8%
地方消費税交付金 25億6310万0 26億8200万0 ▲4.4%
自動車取得税交付金 9809万3 8850万0 10.8%
環境性能割交付金 2969万3 3200万0 7.2%
地方特例交付金 3億2242万8 1億2700万0 153.9%
地方交付税 48億5572万4 43億1808万3 12.5%
交通安全対策特別交付金 2104万5 2210万9 ▲ 4.8%
分担金及び負担金 3億6835万6 4億7006万7 ▲ 21.6%
使用料及び手数料 3億1261万3 3億3127万0 ▲ 5.6%
国庫支出金 82億4564万8 81億0435万9 1.7%
県支出金 35億4552万4 34億2357万9 3.8%
財産収入 3647万5 1668万0 118.6%
寄附金 999万3 1211万1 ▲ 17.5%
繰入金 18億3563万2 32億9645万7 ▲ 44.3%
繰越金 8億4923万6 4億0000万0 112.3%
諸収入 12億5317万3 11億4008万0 ▲2.7%
市債 26億9474万7 31億8820万0 9.9%
508億6956万5 511億6000万0 ▲0.6%
歳出
議会費 3億5318万2 3億5881万8 ▲1.6%
総務費 50億4474万5 52億7135万4 ▲4.3%
民生費 209億9419万4 214億9100万4 ▲2.3%
衛生費 38億5464万6 40億4056万1 ▲4.6%
労働費 3823万4 1344万7 184.2%
農林水産業費 7億1227万0 7億1428万3 ▲0.3%
商工費 5億8250万8 4億9780万9 17.0%
土木費 46億4422万4 61億1129万2 ▲24.0%
消防費 27億1050万6 26億7580万7 1.3%
教育費 45億0833万7 44億8228万9 0.6%
災害復旧費 0 4
公債費 46億8529万8 47億2941万2 ▲0.9%
諸支出金 6億5510万8 6億7392万0 ▲2.8%
予備費 0 1億0000万0
487億8325万7 511億6000万0 ▲0.6%

2019年度の市長交際費は少し減った
2020/5/17

 2019年度の市長交際費支出は119万9550円で、18年度から9万円(7%)の削減でとなりました。
 支出額は県内7位、人口では11番目ですから、人口比で考えるともう少し減らしてもいいのではないでしょうか。
 2年前までは支出額は県内2〜3位で、120万都市のさいたま市よりも多かったのですが、議会でも再三にわたって削減するよう求めてきて、ようやく削減が進んできました。
 会合等に出席した場合に祝金は支出しない、飲食付きの会合で市長があいさつだけで退席する場合には事前に飲食の準備を辞退する、弔事に際して交際費から香典と生花を出す範囲を狭めたなどの改善が進められました。

 市長交際費を最も厳密に支出しているのは所沢市(人口34万人)で、市内の各種団体の会合に祝い金は出さない、飲食が伴う場合には市長が自己負担する、葬式等の慶弔費も公費からは支出していません。
 草加市(人口28万人)、上尾市(22万人)なども、交際費支出はできるだけ削減して、その成果がはっきり現れています。
2019年度 2018年度 前年比増減 人口
1 川口市 【非公表】 3,921,900 @ ? 603,838
2 熊谷市 1,642,050 1,586,200 B 55,850 197,731
3 さいたま市 1,362,600 1,514,900 C ▲ 152,300 1,302,256
4 加須市 1,319,140 1,271,604 H 47,536 113,321
5 春日部市 1,313,602 1,643,820 A ▲ 330,218 234,598
6 新座市 *1,271,200 1,298,200 F ▲ 27,000 165,336
7 久喜市 1,199,550 1,289,850 G ▲ 90,300 153,709
8 入間市 1,160,070 1,203,100 J ▲ 43,030 148,442
9 本庄市 1,113,617 1,241,434 I ▲ 127,817 78,297
10 鴻巣市 *1,045,000 1,133,674 M ▲ 88,674 118,745
11 越谷市 1,013,060 1,310,320 D ▲ 297,260 342,945
12 幸手市 998,146 1,300,320 E ▲ 302,174 51,338
13 桶川市 922,542 851,896 70,646 75,408
14 深谷市 918,240 884,220 S 34,020 143,675
15 秩父市 902,267 896,532 R 5,735 62,895
16 戸田市 893,376 1,171,938 L ▲ 278,562 139,616
17 蕨市 849,238 940,084 N ▲ 90,846 75,261
18 川越市 834,000 903,858 P ▲ 69,858 353,115
19 狭山市 809,984 757,784 52,200 151,661
20 朝霞市 797,170 816,560 ▲ 19,390 140,004
21 富士見市 795,727 810,885 ▲ 15,158 111,167
22 羽生市 786,400 813,700 ▲ 27,300 55,112
23 ふじみ野市 747,286 699,686 47,600 114,292
24 志木市 743,940 591,860 152,080 76,303
25 日高市 743,120 800,760 ▲ 57,640 56,066
26 白岡市 741,000 615,200 125,800 52,495
27 三郷市 726,500 903,340 Q ▲ 176,840 141,827
28 上尾市 723,700 1,202,464 K ▲ 478,764 228,519
29 蓮田市 703,960 676,160 27,800 61,961
30 東松山市 696,289 912,143 O ▲ 215,854 90,290
31 北本市 695,276 683,937 11,339 66,668
32 草加市 685,900 815,816 ▲ 129,916 248,488
33 和光市 661,900 625,300 36,600 82,785
34 坂戸市 661,256 689,938 ▲ 28,682 101,226
35 八潮市 651,240 715,600 ▲ 64,360 90,876
36 飯能市 590,434 733,256 ▲ 142,822 79,708
37 鶴ヶ島市 496,000 497,600 ▲ 1,600 70,144
38 吉川市 439,419 659,262 ▲ 219,843 72,891
39 行田市 398,166 626,794 ▲ 228,628 81,424
40 所沢市 221,820 146,234 75,586 344,320
※この表は、秘書課に調査してもらった県内比較を元にして、猪股が作成しました。
 川口市は、県内で飛び抜けて市長交際費の支出が大きいのですが、交際費の支出内訳を公表していません。
*新座市は現在のところ、12月分までしか公表されていないので、昨年1〜12月分の支出額を掲載しました。
*鴻巣市は今年1月分までしか公表されていないので、昨年2月〜今年1月分の支出額を掲載しました。
※久喜市の毎月の支出の細かい内容は、市のホームページに掲載されています。

【2月市議会】 一般会計補正予算に賛成討論をしました
2020/3/18

  2月定例市議会の最終日、本会議で一般会計補正予算、2項目の要望をして賛成討論をしました。

  【賛成討論】 議案第1号 一般会計補正予算(第8号)

市民の政治を進める会 猪股和雄

1.理科大跡地の利用計画の策定については、いまだに計画も、その前段階の案すらも明らかにされていない。
理科大跡地の活用については、市長就任後、失われた2年間と言ってもいい。
 今年度事業で、東京理科大学跡地利用検討事業が終了したが、成果物がいまだに示されないのはなぜか。
早急に好評、公開するとともに、その調査を踏まえて、市の活用方針を早急に策定するべきである。
市の計画案を早急に明らかにし、市民参加で決定していくよう求める。
 もしもこれからさらに新年度の1年をかけて決めていくと言うとしたら、それは単に先送りにしかならない。
このままでは、その校舎自体の老朽化が進むだけです。
 見直しを掲げるならば、小手先の見直しでなく、たとえば昨年も述べましたが、跡地校舎を全部取り壊して、新庁舎跡地として活用するなど、計画を一から作り直すべきではないでしょうか。

2.新エネルギー導入事業は、昨年の当初予算1500万円を320万円も削減した。
交付件数も昨年の374件から320件に落ち込んでいる。
市民が事業者と4月以降に契約したものについて、申請が5月から12月までの一括受付、交付件数は決まって折らず、抽選であたった場合にも、交付は3月に実績報告書を提出した後になるというのでは、使いにくい仕組みになっていないか。
むしろ、市民のニーズを喚起して積極的に新エネルギーを促進するよう求める。

【2月市議会】 2020年度一般会計予算に賛成討論をしました
2020/3/17

  2月定例市議会の最終日、本会議で新年度予算に、8項目の要望をして賛成討論をしました。

  【賛成討論】 議案第9号 2020年度一般会計予算 賛成

市民の政治を進める会 猪股和雄

1.梅田市長は今年1期目の2年目の折り返し点を迎えます。
 市長は当選後にみずからの公約を整理した9項目の「まちのつくり方改革」にもとづいて予算編成を進めてきている。
しかしその前提として、市長選挙において「久喜市をもっとよくする会」の名前で約束した55項目の公約がある。
この各地域別に細かく約束した公約の進捗状況、これまでの経過とあと2年間でどこまで実現できるのか、中長期的に進めていくべき項目は何なのか、残念ながら現在までのところ、あいまいにされています。
市民の前に明らかにするべきです。

2.済生会栗橋病院の移転が正式に決まって、このままでは南栗橋地域に、何も残らないことになりかねない。
済生会かあるいは他の医療機関に働きかけて新たな診療所を作るのか、そのためには、久喜市が財政的な保障もしなければならないことも明らかです。
いつまでもあいまいにしたまま、先送りしないで、これも久喜市の方針を新年度早期に出すべきである。

3.気候危機・地球温暖化対策を急がなければならない。
久喜市はこれまで公共施設の屋根などに太陽光発電を設置し、売電も進めてきた。
市民の家庭での太陽光発電システム設置に対する補助制度も拡充してきた。
しかし新年度の新エネルギー導入事業が前年度実績に合わせる形で減額とされてしまったのは極めて遺憾である。
むしろ大幅に増額して、市民のニーズを喚起していくべきです。
 それとともに、久喜市における温室効果ガス排出削減の取り組みを大幅に促進していかなければならない。
環境基本計画改訂版区域施策篇では、2030年までに温室効果ガス28%削減を掲げている。
これを大幅に前倒しあるいは拡大して、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする取り組みが求められている。
久喜市率先実行計画と環境基本計画を見直して、新たな温室効果ガス排出削減の目標設定と取り組みを進めるよう求める。

4.市の職員採用で障害者雇用の促進についてです。
一昨年までは事実上、身体障害者、肢体不自由者に限られていたが、知的障害者や精神障害者にも門戸を開いたと考えている。
しかし実際には、知的障害者や精神障害者が採用試験に応募してきて積極的に採用するところまではいっていない。
知的障害者、精神障害者を市の職員としてどう受け入れていくのか、一緒に働いてもらうのか、具体的な職種の開発やジョブコーチの問題などを検討していくよう求める。

5.災害時に、一般の避難所に避難することができない、あるいは困難な重度障害者などの要援護者の避難を保証しなければならない。
災害時に障害者が、障害の故に自宅に取り残されるような事態を生み出してはなりません。
一般の指定避難所の開設と同時に、福祉避難所を早期開設していかなければならない。
また要援護者個別支援プランに、あらかじめその要援護者が避難する福祉避難所を記載しておくべきである。防災計画の見直しを求める。

6.市の男性職員の育児休業、介護休暇の取得が少しずつ進んでいる状況が明らかになった。
しかし実際の育児休業取得はほとんどが数日から1週間程度にとどまっていると推測される。
民間企業の調査では半数以上の企業で、男性職員の育児休業取得機関が1か月以下にとどまっている実態があるが、久喜市は民間企業の平均をも大幅に下回っている。
むしろ積極的に、育児休業取得を進めていくべきである。

7.久喜市の合計特殊出生率は2017年1.17で、全国、埼玉県を下回っている。
子育て支援の充実を大幅に進めなければならないことは今さら言うまでもない。
 特に、保育所の入所保留者数、つまり待機児童は新年度164人で、昨年度の136人よりも増加する見込みである。
国の新たな政策としての幼児教育無償化という社会情勢の変化をも踏まえて、待機児童の解消が急務である。市長が進めるあおば保育園の民間移行や栗橋地区での民間保育園の公募が、新年度にできるのかどうか。
昨年に引き続いて頓挫するようであれば、保育所充実へ向けた政策の見直しも迫られてくる。
次年度へ向けて、待機児童ゼロの道筋を示していただきたい。

8.最後に、現在、新型コロナウイルス感染症対策で、小中学校のいっせい休校や図書館の閲覧禁止、卒業式や入学式を始め、あらゆる場面でのイベントの中止や自粛、公共施設での市民活動の自粛も広がっています。
 しかしこれをこのまま漫然と続けていくならば、経済活動も社会活動も縮小していきます。
特に問題なのは、子どもたちの居場所がなくなっていきます。
 感染症の発生状況に注意しながら、社会活動、子どもたちの教育の活動を再開させていかなければなりません。
 そもそも島根県や太田市などでは学校のいっせい休校措置を執りませんでしたし、つくば市では休校だけれど子どもたちには学校を居場所として広く提供する、学校給食も提供するなどの措置を執ってきました。
昨日からは静岡県や富山県で学校を再開しました。
学校の教室や校庭、図書館などを、子どもたちの居場所に開放する動きも広がっています。
 久喜市も、新年度において、まずは学校の再開など、子どもたちの居場所を確保する取り組みを行うよう求めます。
ただこれは新年度を待たずに実施できることですので、今週から、あるいは来週からでも、学校の再開、部活の再開を検討していただきたいことを付け加えます。

【2月市議会】 聖火リレー、久喜市の負担は3649万円
2020/3/14  

  2月定例市議会で新年度予算審議が行われています。
 3月10日には予算決算常任委員会教育環境分科会が開かれて、一般会計のオリンピック関連予算を取り上げました。

 2020年度久喜市一般会計予算に、「オリンピック・パラリンピック気運醸成事業」という項目があります。 
 これは、7月8日に久喜市内の鷲宮神社〜加須市へ向けて2kmを走る予定になっている“聖火リレー”の関連経費です。
 最も大きな支出項目は、「聖火リレー県負担金」1260万円で、交通整理や沿道警備のために、整理員(警備員?)250名以上を配置するので、その負担金だと説明されています。
 その人件費単価が1人4万5461円だと説明されて、議員のみんなもびっくり!
 いくら何でも経費がかかりすぎませんか?

 次に大きな支出は、沿道および周辺の交通規制のために、交通規制の予告看板設置と撤去、コースと観客席を分けるコーンの設置と撤去などの支出1229万円となっています。(ちなみに、20数qの久喜マラソンの支出1025万円と比べても、この経費は多すぎませんか)。

 オリンピック終了後に「聖火リレーが走ったというレガシー」を残すために、記念碑の銘板を設置する工事費330万円も計上されました。
 その他に、職員の人件費や消耗品費などに629万円などが計上されています。
 久喜市の聖火リレーに関わる経費の合計が、3649万円にものぼることが明らかになりました。

小学生の観戦チケット購入費1171万円も

 聖火リレーの経費とは別に、オリンピック競技を市内の小中学生が観戦するためのチケット購入費用1171万円も計上されました。
 これは「学校連携観戦プログラム」として、小中高生を中心に、学校と連携してチケットを購入してもらうというものです。
 久喜市では、1枚2020円のチケットを全小中学生1万1000人分の申し込みをしましたが、今のところ2200枚程度しか割り当てがなく、どのように配分するかはまだ決定していません。

 私がまだ小学生だった56年前のオリンピックの時に、予選などの売れ行きの低い競技のチケットを売れ残り防止のために、小中学生への割り当てが行われたことがあって、くじ引きで配られたことを思い出しました。

【一般質問】 市役所の電話交換業務一本化すべき
2020年2月市議会 『声と眼』587号 2020/3/11  

 久喜市役所の各部署は本庁舎、第2庁舎(建設部)、環境経済部(菖蒲)、上下水道部(鷲宮)、その他にも栗橋支所などに分散化が進んでいます。
市民が各部署に電話する際には、担当の課がある庁舎に直接電話するか、市役所本庁舎に電話して担当の課や係につないでもらいます。
問題は出先の庁舎の場合です。
たとえば公害の苦情で市役所に電話して、菖蒲庁舎にある環境課に直接つないでくれればいいのですが、菖蒲庁舎の交換が出たらもう一度説明しなければなりません。
これでは市民には二度手間です。また毎年のように機構改革があって、担当課が変わったり部署の移転もありますから、市民には各部署がどこの庁舎に置かれているか全部はわかりません。

 そこで市役所の代表電話【?0480-22-1111】にかければ、出先も含めて全部の部署に直接つないでもらえるシステムに改善するよう提案しました。
現在でも本庁舎から出先の各部署には直通電話でつながるのですから、本庁舎の代表電話で電話交換を一本化することもできるはずです。
これに対して、財政部長が『一本化はできない。
システムの更新に7000万円かかる。本庁舎にシステムと交換手を置くスペースがない』と答弁しました。
しかし更新費用は見積もりを取ったわけではなく、そもそも電話交換業務は本庁舎内に置く必要もありません。
市民の利便性向上のために必要性や費用の検討を行うべきではないでしょうか。

【2月市議会】 2020年度一般会計予算と前年比
『声と眼』586号 2020/2/21  

歳入 (単位:千円)
2020年度 2019年度 増減 増減率
市税 230億6946万4 228億6150万5 2億0795万9 0.91%
地方譲与税 4億5222万2 3億9600万0 5622万2 14.20%
利子割交付金 1400万0 3100万0 ▲ 1700万0 ▲ 54.84%
配当割交付金 9500万0 1億0500万0 ▲ 1000万0 ▲ 9.52%
株式等譲渡所得割交付金 8000万0 1億1400万0 ▲ 3400万0 ▲ 29.82%
法人事業税交付金 1億5700万0 0 1億5700万0
地方消費税交付金 26億0000万0 26億8200万0 ▲ 8200万0 ▲ 3.06%
環境性能割交付金 6500万0 3200万0 3300万0 103.13%
地方特例交付金 1億5800万0 1億2700万0 3100万0 24.41%
地方交付税 42億4296万6 43億1808万3 ▲ 7511万7 ▲ 1.74%
交通安全対策特別交付金 2115万8 2210万9 ▲ 95万1 ▲ 4.30%
分担金及び負担金 2億8397万8 4億7006万7 ▲1億8608万9 ▲ 39.59%
使用料及び手数料 2億9855万8 3億3127万0 ▲ 3271万2 ▲ 9.87%
国庫支出金 89億1917万3 81億0435万9 8億1481万4 10.05%
県支出金 38億2694万9 34億2357万9 4億0337万0 11.78%
財産収入 1746万3 1668万0 78万3 4.69%
寄附金 1161万1 1211万1 ▲ 50万0 ▲ 4.13%
繰入金 23億0504万2 32億9645万7 ▲9億9141万5 ▲ 30.08%
繰越金 4億00000 4億0000万0 0 0.00%
諸収入 1億207816 11億4008万0 6773万6 5.94%
市債 59億56600 31億8820万0 27億6840万0 86.83%
自動車取得税交付金 0 8850万0 ▲ 8850万0
541億8200万0 511億6000万0 30億2200万0 5.91%
歳出
議会費 3億5268万3 3億5881万8 ▲ 613万5 ▲ 1.71%
総務費 52億9700万0 52億7135万4 2564万6 0.49%
民生費 228億9955万2 214億9100万4 14億0854万8 6.55%
衛生費 42億3036万5 40億4056万1 1億8980万4 4.70%
労働費 1243万9 1344万7 ▲ 100万8 ▲ 7.50%
農林水産業費 8億4387万9 7億1428万3 1億2959万6 18.14%
商工費 2億7707万2 4億9780万9 ▲2億2073万7 ▲ 44.34%
土木費 53億9219万2 61億1129万2 ▲7億1910万0 ▲ 11.77%
消防費 23億0799万3 26億7580万7 ▲3億6781万4 ▲ 13.75%
教育費 79億8158万8 44億8228万9 34億9929万9 78.07%
災害復旧費 4 4 0 0.00%
公債費 42億2824万4 47億2941万2 ▲5億0116万8 ▲ 10.60%
諸支出金 2億5898万9 6億7392万0 ▲4億1493万1 ▲ 61.57%
予備費 1億0000万0 1億0000万0 0 0.00%
541億8200万0 511億6000万0 30億2200万0 5.91%

★老朽化した公共施設の維持更新や統廃合を進める財源にあてるため、新規に「アセットマネジメント基金」の設置が提案された。
目的を明確にして必要な額を積み立てていくべきだろう。★

【一般質問】 プレミアム付き商品券の評価を問う
2019年11月市議会 『声と眼』584号 2020/1/5
  10月からの消費税増税に合わせて、国主導と久喜市独自の2種類のプレミアム商品券が発売されましたが、いずれも売れ行きはきわめて低調でした。

 (1)国による、低所得者支援と景気の下支えを目的とした商品券は10月末日までの販売実績は6638万円で、発売枠5億3600万円の内わずか12.4%でした。
約2万3000人の対象者の内、購入申し込みをしたのは5分の1の約5200人にすぎず、その人たちの平均購入額は約1万2700円でした。
買いたくても、2万円の購入枠の半額くらいしか買う余裕がなかったことになります。
低所得者支援と言いながら、本当に必要な人が恩恵を受けることができない、完全な失敗でした。

 (2)久喜市独自のプレミアム商品券は1人5万円を限度に5億円分を発行しましたが、当初の購入者は7101人、販売額は約3億円で6割しか売れませんでした。
再販売でも売れ残り、やっと3回目で完売できました。
2回目以降はほとんど同じ人が買ったと考えられるので、結局、市の税金から出したプレミアム分(1億2500万円)を、1万人に満たない一部の市民(家族2人分ずつ買っていれば5000世帯)にばらまいたことになります。
消費拡大にも景気対策にもつながらない、税金の無駄遣いでした。


【11月市議会】 長期的な公共施設管理計画を策定
『声と眼』583号 2019/12/20

 久喜市は道路や上下水道などのインフラ資産の他、174か所の公共建築物を保有しています。
多くの施設が老朽化していて、人口減少へ向かう中で、公共建築物の維持管理や改修・更新費用の抑制、施設の統廃合も課題になってきています。
市では2016年に「公共施設総合管理計画」を策定し、今後40年間で更新費用を20%削減する目標を掲げました。
これに基づいて施設ごとの「個別施設計画」を作る方針でしたが、いまだに具体的なたたき台も原案もまとまっていません。

 11月市議会に、公共施設個別施設計画検討委員会を設置する条例が提出されました。
委員の一部を公募し、検討委員会を来年7月ごろに立ち上げて、来年度中に6回の検討委員会で「個別施設計画」をまとめる予定です。
しかし実際には、施設の統廃合や改修計画の策定には各団体や地域の利害関係もからんできます。
本会議で、これまでに市の各部署で所管する施設の個別計画をどのように検討してきたのかを質問しましたが、市はすべてこれから検討委員会で協議していく考えです。
こんなやり方で、短期間で実効性のある個別計画が作れるのかはなはだ疑問です。
原案の検討段階から公開し、市民の理解を得ながら進めていくよう求めました。

【11月市議会】 公共施設個別施設計画検討委員会設置条例に賛成討論
2019/12/20

 12月19日、11月定例市議会の最終日に、議案の討論・採決が行われました。
 私は、公共施設個別施設計画検討委員会を設置する条例に、賛成討論を行いました。

【賛成討論】 公共施設個別施設計画検討委員会設置に賛成の討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 久喜市は道路や上下水道などのインフラ資産の他、174か所の公共建築物を保有しています。
 多くの施設が老朽化していて、人口減少へ向かう中で、当然ながら、公共建築物の維持管理や改修・更新費用の抑制と施設の統廃合を進めていかなければなりません。
 市では2016年に「公共施設総合管理計画」を策定し、今後40年間で更新費用を20%削減する目標を掲げています。これに基づいて施設ごとの「個別施設計画」を作る方針でしたが、いまだに具体的な検討は進んでいないというのは。ある意味で驚きであり、あまりにも対応が遅いと言わざるを得ません。

 今回の条例で、公共施設個別施設計画検討委員会を設置するのですが、実際の設置は来年の7月で、それ以降に検討を始めて、6回の会議で、来年度内に個別施設計画を策定するというのは、あまりにも拙速、ある意味ではおざなりな進め方になるのではないかという危惧があります。
 議案質疑で、これまでに市の各部署で所管する施設の個別施設計画の検討をどのように進めてきたのかを聞きましたが、市はすべて検討委員会で協議していく考えのようです。
 まだ各部署で、個別施設計画の原案やたたき台も作られていない、検討もされていないらしい、それなのに、短期間で実効性のある個別計画が策定できるのかどうか、疑問です。
 今後、単に事務局でまとめた原案を承認するだけといった、形式的な検討委員会になってはなりません。

 実際に公共施設の個別施設を策定していく過程では、その統廃合等、団体や地域の利害関係もからんでくると思われます。
 ある意味では、各部署、担当課で、一方的に役所のペースで個別施設計画の原案をまとめてしまうのではなく、たたき台を作ったら、地域や団体、議会も含めた真摯な議論を行い、その上で全市的な合意を形成していかなければなりません。
 そのためには、個別施設計画の検討経過をきちんと公開・公表しながら、市民の理解を得ながら議論を進めていくよう求めます。

プレミアム商品券が大幅に売れ残った
『声と眼』581号 2019/11/12

 消費税対策や景気刺激を目的に、10月1日から鳴り物入りで売り出した2つの「プレミアム付き商品券」が大幅に売れ残ってしまっています。

◆子育て家庭や低所得世帯を対象に“消費税増税の痛みを緩和するため”と称して、1世帯の購入限度額2万円(額面2万5000円)で、5億5800万円(額面6億9750万円)の商品券を発行しました。
プレミアム分は全額が国の補助金ですが、これまでの販売額は20%を大きく下回り、対象者2万7000人に対して購入者は5000人以下です。
商品券を買う余裕もない低所得者にとっては、ほとんどメリットがないというのが実感です。

◆久喜市で独自に発行したプレミアム商品券も4割にあたる約2億円が売れ残っています。
こちらは1人5万円(額面6万2500円)を限度に5億円(額面6億2500万円)分を発行しましたが、およそ6000人の市民が3億円程度を購入したにとどまりました。

 両方のプレミアム商品券を合わせても購入者数は1万2000人程度にすぎず、税金を一部の市民にばらまいたという結果に終わりそうです。
しかも購入した市民がプレミアム商品券を使って普段以上の大きな買い物をしたとは考えられませんから、景気刺激策としてもまったく効果はなかったと言うしかありません。

★市独自で発行したプレミアム商品券の売れ残り分を、月から再販売する予定だが、お金に余裕のある人が1回目に続いて再度購入するだけではないか。
これでは税金の無駄遣いの繰り返しだ。★

【9月市議会】 2018年度一般会計決算に賛成討論をしました
2019/10/2

 9月定例市議会は、10月2日に閉会し、市長が提案した全議案が可決されました。
 私は2018年度一般会計決算に賛成討論を行いました。

【賛成討論】 議案第78号 2018年度一般会計決算認定

市民の政治を進める会 猪股和雄

 決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。
 市長選挙で、梅田新市長が誕生して、ごみ処理施設の建設計画、学校給食センターの建設計画は、その公約に基づいて、見直しが進められた。
 結果的には、基本的にはすべて田中前市長の計画に戻ってしまった。
給食センター建設計画は根本的な見直しはできなかった、ごみ処理施設は見直しに意味があったのかどうか、今のところは評価できない。
計画の遅れ自体ははなはだ残念であったけれど、独自性を出そうとしたことは一応評価したい。
 その見直しの経過と結論については、問題もあったけれど、計画にもとづいた予算執行自体にはおおむね評価するものであり、賛成します。
 久喜市政の課題および具体的な政策目標について、7点を上げておきます。

(1)久喜市の財政調整基金の積立金残高が、2017年度 平成29年度末53億5675万円で、2018年度末 30年度には40億1471万円にまで減少すると言っていたけれど、結果的には50億を超える財調基金が積み立てられている。
 今年度末の基金残高は中期財政計画では30億とされているが、実際には18年度末と同水準の50億を超える水準となるであろう。
 28年度末の県内の水準では積立額、市民1人あたりの積立額も県内6位である。
 他市では特定目的の基金を含めた基金総額が久喜市よりも大きい市も多い。
 久喜市は県内14位です。
久喜市の場合は、目的のない、無計画な財調基金への積立が問題であると考えます。
 将来の財源不足への対応、地方交付税の合併算定替えがなくなることへの備え、等々の一般的な将来の財政不安に備えると言うだけでは、財調基金の大幅な積立の理由は説明できない。
 財政の余剰金を積み立てた、単なる市の貯金と言うしかない。
 財調の基準を明確にし、もしも必要と考えるなら、特定目的の基金を作って積み立てる、合理的な基金運営と財政運営を求める。

(2)障害者の別枠採用を継続して、障害者雇用率が3%超となっていることを評価する。
 久喜市の障害者雇用の課題は、四肢障害者以外の身体障害者、知的障害者、精神障害者について、採用が進まないことであった。
 今年度に、募集対象を「障害者」とし、「身体障害者の枠をなくし、自力での通勤、補助なしでの勤務などの欠格条項の削除の方針が示された。
 今後、知的障害者、精神障害者の採用、短時間勤務、職場での必要な合理的配慮を進めるように求める。

(3)職員の時間外勤務の実態は、昨年度よりも改善されたことは評価する。しかし、時間外勤務が年間800時間を超える職員や、時期的に1か月に100時間を超える職員がいることが明らかになった。
いまだに月80時間を超える時間外勤務がのべ15人もいたり、課内、部署間のアンバランス、季節的な落差も大きい。人事管理行政の適正化を求める。

(4)男性職員の育児休業等の状態が改善されつつあることを評価するが、育児参加休暇は、該当職員の30%が取得し、1人あたり4日間にすぎない。
 育児休業は16人の内の7人が取得したものの、平均取得日数は7日間に過ぎない、取得できない理由として、「業務上の理由」が上げられていること自体が問題である。
少なくとも、業務上の理由、職場のまわりの見方で取れないということは完全になくしていかなければならない。

(5)市の公共施設の電力購入契約を新電力に切り替え、またほとんどすべての公共施設の電力契約を入札で実施したことを評価する。
 昨年、電力購入に係る環境配慮方針を策定したが、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題である。
昨年度と同じ課題として、契約期間3年間の間に、グリーン電力の比率が高い事業者を評価するシステムを検討されたい。

(6)公共施設の自動販売機の脱プラスチック、脱ペットボトル、行政全般における脱プラスチック、会議等における脱ペットボトルを推進するよう求める。

(7)学校給食センター化が強引に推し進めたことはまったく評価できない。
 しかしその中でも、今後、調理終了後2時間以内、いやできるだけ短い時間内での給食の実施、食材の地産地消をいっそう積極的に進めるよう強く求める。
 学校給食食材の地産地消は、2018年度すでに17%を達成した。昨年すでに市長から、20%以上をめざす考え方が示されているが、より高い目標を立てるべきである。

【9月市議会】  市職員の“働き方改革”はどうなっている
『声と眼』578号 2019/9/27

 市の一般会計決算審査で、“働き方改革”に逆行するような市職員の時間外勤務が問題になりました。

◆時間外勤務が最長の職員は年間702時間(月平均60時間)に達しています。
◆月ごとの時間外勤務の最長は174時間で、月80時間を超えた職員がのべ15名もいました。
これは久喜市役所で“過労死ライン”にも達するような時間外勤務が行われていたことになります。
◆職員間や部署間のアンバランスも大きく、ある課では所属職員の平均が年間230時間なのに、特定の職員が617時間も時間外勤務をしていました。
◆全職員の年間時間外勤務は平均156時間でしたが、5つの課ではその2倍を超えていて、最長の課は平均405時間でした。
◆時季的な落差も大きく、繁忙期には所属する職員の平均時間外勤務が月136時間にも達した課もありました。
臨時職員の配置や課を超えた応援態勢などの対応が必要ですが機能していません。

 こうした時間外勤務の実態は、“働き方改革”が拡がっているのに、業務分担や人事管理に問題があると言わざるを得ません。
ややもすると職員個人の能力や適性の問題として片付ける傾向も見られますが、市全体でさらに改善を徹底していくべきです。

★市職員の時間外勤務の最高である年間702時間、月174時間を、『民間に比べればいい方だ。公務員は甘えている』という見方もあるのは事実だ。
しかし日本社会全体の働き方が問われているのでは?★

【9月市議会】 2018年度決算 市税収入などが増収
『声と眼』577号 2019/9/10

 9月定例市議会は3日に開会され、昨年度の一般会計決算など42議案が提案されました。
2018年度決算は歳入484億4530万円、歳出が469億919万円で、継続費などの繰り越し分を除く収支差し引き残額は13億7374万円にのぼりました。
昨年の当初予算編成時の説明では財源不足が生じるおそれがあるとして、財政調整基金から20億円の繰り入れを見込んでいました。
しかし実際には、市税や地方交付税交付金、地方消費税などが大幅な増収となり、一方で歳出は各項目とも当初予算額を大きく下回りました。

 この結果、財政調整基金の取り崩しを大幅に減額して、18年度末の基金積立残額は50億2410万円になりました。
19年度末も50億円以上を維持する見通しです。

久喜市の2018年度一般会計決算
歳 入
決算額 当初予算額 当初予算比
増減率
市税 229億7043万 222億0180万 +3.5%
地方譲与税 4億3340万 4億3400万 ▲0.1%
利子割交付金 3041万 2300万 +32.2%
配当割交付金 8437万 8000万 +5.5%
株式等譲渡所得割交付金 7744万 4800万 +61.3%
地方消費税交付金 26億6260万 23億1900万 +14.8%
自動車取得税交付金 1億8511万 1億5300万 +21.0%
地方特例交付金 1億2172万 1億0400万 +17.0%
地方交付税 45億8551万 43億8000万 +4.7%
交通安全対策特別交付金 2177万 2310万 ▲5.8%
分担金及び負担金 4億3852万 4億2392万 +3.4%
使用料及び手数料 3億2100万 3億1349万 +2.4%
国庫支出金 70億4810万 71億2517万 ▲1.1%
県支出金 31億0397万 30億8712万 +0.5%
財産収入 3273万 1334万 +145.4%
寄附金 1996万 1210万 +65.0%
繰入金 13億6301万 28億1060万 +7.9%
繰越金 8億3206万 4億0000万 +108.0%
諸収入 12億6431万 11億7132万 +7.9
市債 28億4886万 47億9000万 ▲40.5%
合計 484億4530万 499億1300 ▲2.9%
歳 出
議会費 3億4434万 3億5908万 ▲4.1%
総務費 50億9333万 56億0864万 ▲9.2%
民生費 204億4450万 206億1516万 ▲0.8%
衛生費 37億9187万 40億5290万 ▲6.4%
労働費 1232万 億1316万 ▲6.5%
農林水産業費 7億3728万 9億1657万 ▲19.6%
商工費 3億2559万 3億6074万 ▲9.7%
土木費 43億5774万 50億0666万 ▲13.0%
消防費 26億5727万 27億4152万 ▲3.1%
教育費 43億7253万 53億0529万 ▲17.6%
災害復旧費 0
公債費 46億5849万 47億0988万 ▲1.1
諸支出金 1億1394万 1億2336万 ▲7.6%
予備費 0 1億0000万
合計 469億0919万 499億1300万 ▲6.0

久喜市のふるさと納税収支は“赤字”
『声と眼』577号 2019/9/8

 久喜市のふるさと納税(寄付金)は、2015年度をピークに減ってきていましたが、18年度は前年度から倍増の619件、734万円になりました[A]。
久喜のふるさと納税を扱うサイトを増やしてネット上の露出が増えたためと見られます。
ただ、寄付額の51.9%(371万円)は代行業者の手数料等に支払われていて、市の収入は353万円に過ぎませんでした。

 一方で、市民が他市のふるさと納税に寄付して、久喜市の市民税を控除されている金額は1億2912万円(3150人)にものぼっています[B]。
久喜市はふるさと納税制度による収支で1億円以上も赤字を出している計算になります。

 久喜市への寄付 久喜市から市外への寄付
[A] 寄付金額 [B] 市民税の控除額
2018 619件 734万0955円 3159人 1億2912万円
2017 245件 344万5000円 2433人 9261万円
2016 287件 382万1000円 1407人 5475万円
2015 656件 670万2000円 494人 1160万円

 久喜市にふるさと納税をしてくれている人は、「久喜を応援しよう」という気持ちを持ってくれている人々だと考えられます。
だとすれば今後は、単に返礼品目当ての1回限りの寄付を増やすだけでなく、寄付してくれた人たちと継続的なつながりを作っていくべきです。
久喜市の人口が減っていく中で、全国の久喜市応援団を増やしていくことが地域の活性化に役立っていくのではないでしょうか。

 多くの自治体でふるさと納税の寄付者に対して毎年広報紙や観光案内を送っています。
こうした取り組みに加えて、私は寄付をしてくれた方々に《特別住民票》を発行して、継続的なつながりを作って、提灯祭りや久喜マラソンの観覧券や招待券を送ることなどを提案しています。

【9月市議会】 公務員の非常勤職員制度の大改革
『声と眼』576号 2019/8/20

 久喜市では保育園や保健センター、市民課などを中心に、フルタイム、パート合わせて約400人の非常勤職員が働いていて、臨時職員なしでは市の業務がまわりません。
仕事の内容は常勤職員と同じでも、事務職員の給与は最低賃金ぎりぎりで、通勤手当、期末手当、有給休暇などの雇用条件も大きな格差があります。
雇用は基本的に1年単位で、昇給もありませんでした。

 国の制度改正にともなって、久喜市でもようやく来年度から「会計年度任用職員制度」を創設して、非常勤職員の労働条件の改善が進められることになりました。
一般職に準じた給与表の号級を設け、経験加算による昇給や退職手当も支給することになりました。定期検診や人事評価の対象にもなります。

 また現在は市の「特別職の非常勤職員」として報酬を支給されている区長や交通指導員は、来年度から特別職の職員ではなくなり、「市政への協力者」という位置づけに変わります。

久喜市の貯金は多すぎないか !?
『声と眼』576号 2019/8/16

 久喜市の2018年度末の財政調整基金は50億2410万円に上ることが明らかになりました。
県内各市の積立額は、2017年度末までの決算が集計(右表)されています。40市中で久喜市は多い方から6番目、人口1人あたりの積立額も約3万5400円でやはり6位に位置しています。
「財政調整基金」は、自治体が財源に余裕がある年に積み立てて、財源不足が生じた際に取り崩して使う、特に目的を定めない貯金です。

 通常は標準財政規模の1割程度が適正とされていて、久喜市は約30億円ですが、実際には適正規模を大きく超える50億円前後で推移しています。
以前は市も『1割程度が目標』としていましたが、最近では『多いほどいい』と言うようになりました。
下表で明らかなように、毎年の年度当初には『年度中に15〜20億円を取り崩して年度末には大幅な減額となる見込み』と説明するのですが、実際に年度末の決算ではかえって積立額が増えるか、ほとんど減っていません。
今年度も『年度内に17億円を取り崩し、年度末残高見込み額は32億4000万円になる』と言っていますが、実際にはほとんど減らないだろうと思われます。

 市はこれほど多額の基金積立額を維持し続ける理由として、地方債の償還や大規模な公共事業が予定されているので財源が必要になると説明しています。
しかしそれらに備えるためには、財政調整基金とは別に減債基金、新ごみ処理施設建設や本多静六記念市民の森緑の公園整備など特定目的の基金も積み立ててきていて、基金総額は80億円にも上ります。
財政調整基金のこれ以上の積み立ては必要ありませんから、積極的に市民サービスの向上のための財政支出を進めるべきです。

久喜市の財政調整基金積立額の増減
「減額見込み」 実際の増減額 年度末残高
2012年度 +9億9700万  45億3921万
2013年度 ▲16億4131万 +8億4050万 53億7971万
2014年度 ▲15億8098万 +1億0675万 54億8646万
2015年度 ▲19億0428万 +2401万 55億1047万
2016年度 ▲15億6212万 +3億1139万 58億2186万
2017年度 ▲16億1427万 ▲4億6511万 53億5675万
2018年度 ▲21億9683万 ▲3億3265万 50億2410万
2019年度 ▲17億8333万  今年度の残高見込額
32億4077万

 久喜市の財政健全度の指標はいずれも県内平均を上回っています。◇経常収支比率 92.4%(低い方がいいとされる。県内平均は93.1%)◇義務的経費比率 46.4%(低い方がいいとされる。県内平均は51.2%)◇財政力指数 0.87(大きいほど財源に余裕があるとされる。県内平均は0.78)

財政調整基金積立額ランキング
県内40市の2017年度会計決算から
財政調整基金 1人あたり 減債基金 特定目的基金 基金合計
1 さいたま市 189億9119万 1万5 75億8156万 197億6543万 463億3818万
2 川口市 154億6959万 2万6 51億7801万 301億9545万 508億4305万
3 深谷市 118億0415万 8万3 16億6939万 80億6393万 215億3747万
4 熊谷市 73億6876万 3万8 3億4833万 116億7193万 193億8902万
5 草加市 55億3692万 2万2 0 78億4484万 133億8176万
6 久喜市 53億5675万 3万5 1億2956万 27億9334万 82億7965万
7 戸田市 49億1147万 3万5 0 55億3800万 104億4947万
8 本庄市 42億2946万 5万5 30億0830万 58億4439万 130億8215万
9 春日部市 42億0722万 1万8 1億0523万 69億6723万 112億7968万
10 狭山市 41億8066万 2万8 0 36億0651万 77億8717万
11 川越市 40億9546万 1万2 3億0002万 29億5693万 73億5241万
12 所沢市 40億8569万 1万2 0 45億5510万 86億4079万
13 坂戸市 40億2950万 4万0 1億0221万 12億5708万 53億8879万
14 越谷市 40億2663万 1万2 0 34億0714万 74億3377万
15 上尾市 39億0100万 1万7 0 29億8544万 68億8643万
16 ふじみ野市 33億6192万 3万0 24億5463万 49億1665万 107億3320万
17 富士見市 30億4328万 2万8 0 17億6963万 48億1291万
18 志木市 25億6638万 3万4 0 25億4517万 51億1154万
19 鴻巣市 25億0777万 2万1 15億5710万 52億1054万 92億7541万
20 入間市 25億0662万 1万7 0 4億4902万 29億5564万
21 新座市 23億4862万 1万4 0 10億8924万 34億3786万
22 朝霞市 22億3568万 1万6 0 3億3397万 25億6965万
23 加須市 22億3154万 2万0 8億8193万 66億9790万 98億1138万
24 秩父市 21億6345万 3万6 34億2181万 77億0936万 132億9462万
25 三郷市 21億3274万 1万5 2億2210万 7億8797万 31億4282万
26 蕨市 19億1574万 2万6 0 29億4406万 48億5980万
27 行田市 18億5564万 2万3 1億4941万 37億6663万 57億7168万
28 蓮田市 16億6376万 2万7 309万 16億2382万 32億9066万
29 東松山市 16億2842万 1万8 2億1630万 17億2035万 35億6507万
30 日高市 15億2943万 2万8 1億9361万 12億9168万 30億1472万
31 吉川市 13億0547万 1万8 0 9億5915万 22億6462万
32 鶴ヶ島市 13億0180万 1万9 0 16億4711万 29億4891万
33 八潮市 11億4588万 1万2 1億2205万 25億3600万 38億0392万
34 桶川市 11億3151万 1万5 0 17億3123万 28億6274万
35 幸手市 11億0270万 2万2 3億7802万 6億2275万 21億0347万
36 和光市 10億8149万 1万3 0 7億7514万 18億5663万
37 飯能市 10億3295万 1万3 7億8739万 32億0321万 50億2355万
38 白岡市 10億0990万 1万9 4750万 億90972万 19億6713万
39 北本市 10億0581万 1万5 7億0903万 13億5335万 30億6818万
40 羽生市 7億5344万 1万4 2593万 19億2119万 27億0056万

 2018年度末の決算および財政調整基金積立額は9月に明らかになるが、40市全体の集計は来年にならないと公表されない。
したがって現在までに公表されている2017年度末の集計で比較した。

【6月市議会】 震災復興の合併推進債延長に便乗!?
『声と眼』574号 2019/7/11

 合併時に策定された新市基本計画を10年間延長する議案に反対しました。
市は、都市計画道路や学校給食センターの建設費に合併推進債を使いたいので期間延長が必要と説明しています。
合併推進債の発行期間を延長できるとする特例法は、本来は東日本大震災の復興事業の促進が目的です。
しかし久喜市で合併推進債を充てる予定の事業は震災復興とはまったく関係なく、また震災の影響で事業が遅れたわけでもありません。
国の財政支援をあてにして、復興支援に便乗した合併推進債の特例を使うべきではありません。

【6月市議会】 一般会計補正予算に反対討論をしました
2019/6/29

 6月定例市議会は、6月28日に閉会し、市長が提案した全議案が可決されました。
 私は2019年度一般会計予算に反対討論を行いました。

【反対討論】 議案第42号 2019年度一般会計補正予算

市民の政治を進める会 猪股和雄

 一般会計補正予算 第2号に反対します。
 反対理由の1、
 学校給食センター整備事業 4億7945万円と、継続費46億6022万円です。
 市長は、昨年の市長選挙で、前市長の巨大学校給食センター建設計画に対して、一度立ち止まって考えると公約して、当選しました。
 一度立ち止まって考えるという公約自体はかろうじて守られましたが、市民の皆さんの、センター建設計画自体を見直してくれるのではないか、久喜と鷲宮は仕方がないとしても、菖蒲の中規模給食センターは残してくれるのではないか、あるいは百歩譲っても栗橋の自校方式の給食だけでも残してくれるのではないか、などの期待は、泡と消えました。

 そして前市長の計画通りの、巨大給食センター建設計画がそのまま復活しました。これは公約違反とまで言うつもりはありませんが、市民の期待を裏切るものです。

 選対方式の学校給食で、それぞれの食材の調理終了から給食開始までの2時間が守られる補償はありません。
つまり2時間以内を守ろうとすれば、配送時間の問題ではなく、すべての食材の火入れを10時半以降にしなければなりませんが、今のところ約束されてはいません。

 アレルギー対応についても、当面は卵と乳の2品目についてだけ除去食を実施して、1年後に代替食という計画が明らかにされていますが、その保障もないばかりか、2品目以外は語られていない、ということは、当面は2品目以外はアレルギー対応をする予定はないということです。

 こうした給食の計画を前提として、巨大学校給食センターの建設を挙行することは認められません。

 反対理由の2、
今回の低所得者や子育て家庭支援を掲げたプレミアム商品券は、消費税増税と引き替え、もっと言えば、消費税増税分のほんの一部をもうしわけ程度に低所得者や子育て世帯にばらまくに他なりません。

 しかも、総費税増税は今後半永久的に生活を圧迫するのに、プレミアム分はわずか5000円です。これでは5000円あげるから、消費税増税に文句を言うなと言っているに等しい。

 ましてや、このわずか5000円の恩恵を受けるのは、久喜市民15万人の内の2万7900人だけです。このプレミアム商品券は、まやかしのアメに過ぎません。
 以上2点について、反対します。

【一般質問】 市長交際費削減の効果、さらに見直しを
『声と眼』573号 2019/6/24

 2018年度の市長交際費支出は128万9850円(県内8位)で、17年度の159万7600円(同3位)から約30万円節減されました。
節減額は県内最大で、支出方法の見直しも進められました。
総務部長が答弁で、会合等に出席した場合に祝金は支出しない、飲食付きの会合で市長があいさつだけで退席する場合には事前に飲食の準備を辞退する、弔事に際して交際費から香典と生花を出す範囲を狭めた、児童生徒らの表敬訪問に対するお祝い(図書券等)の額の見直しなどで支出を削減してきたと説明しました。

 市長交際費をどのように使うかは、市長の政治姿勢が如実に表れます。
私は、会合やイベントでの飲食のお付き合いは市長が自己負担するのが適当ではないか、公職者の弔事に生花と香典の両方を公費から出すのが適当か(香典の方は市長の私費で負担しては?)、児童生徒の表敬訪問(大会等の参加報告)へのお祝いなどは市長交際費でなく教育委員会の顕彰で負担するべきではないかなどについて検討するよう提言しています。
久喜市秘書課の集計です。
5月16日の記事での私の集計と差し替えます。
2018年度 前年比増減 2017年度 人口
1 川口市 【非公表】 4,403,800 600,050
2 春日部市 1,643,820 336,780 1,307,040 235,716
3 熊谷市 1,586,200 ▲ 188,200 1,774,400 198,852
4 さいたま市 1,514,900 12,746 1,502,154 1,292,016
5 越谷市 1,310,320 ▲ 16,404 1,326,724 340,862
6 幸手市 1,300,320 150,750 1,149,570 11 51,939
7 新座市 1,298,200 ▲ 37,244 1,335,444 165,486
8 久喜市 1,289,850 ▲ 307,750 1,597,600 154,116
9 加須市 1,271,604 ▲ 57,096 1,328,700 113,754
10 本庄市 1,241,434 261,354 980,080 14 78,707
11 入間市 1,203,100 ▲ 32,830 1,235,930 10 148,723
12 上尾市 1,202,464 ▲ 154,136 1,356,600 228,480
13 戸田市 1,171,938 62,777 1,109,161 13 138,738
14 鴻巣市 1,133,674 ▲ 13,966 1,147,640 12 119,029
15 蕨市 940,084 52,904 887,180 20 74,576
16 東松山市 912,143 ▲ 30,749 942,892 15 90,188
17 川越市 903,858 166,268 737,590 352,433
18 三郷市 903,340 35,640 867,700 140,100
19 秩父市 896,532 ▲ 27,024 923,556 18 63,720
20 深谷市 884,220 24,440 859,780 144,375
21 桶川市 851,896 13,396 838,500 75,234
22 朝霞市 816,560 41,260 775,300 138,442
23 草加市 815,816 133,216 682,600 247,991
24 羽生市 813,700 ▲ 92,900 906,600 19 55,243
25 富士見市 810,885 21,183 789,702 110,886
26 日高市 800,760 ▲ 138,706 939,466 O 56,340
27 狭山市 757,784 ▲ 103,600 861,384 152,487
28 飯能市 733,256 ▲ 49,022 782,278 80,070
29 八潮市 715,600 25,000 690,600 88,908
30 ふじみ野市 699,686 ▲ 107,200 806,886 114,058
31 坂戸市 689,938 ▲ 233,950 923,888 P 101,364
32 北本市 683,937 33,279 650,658 67,084
33 行田市 626,794 ▲ 103,648 730,442 82,051
34 蓮田市 676,160 ▲ 95,900 772,060 62,227
35 吉川市 659,262 133,842 525,420 72,382
36 和光市 625,300 ▲ 83,350 708,650 81,724
37 白岡市 615,200 ▲ 19,860 635,060 52,539
38 志木市 591,860 ▲ 82,065 673,925 76,056
39 鶴ヶ島市 497,600 68,600 429,000 70,050
40 所沢市 146,234 ▲ 9,126 155,360 343,965

 以前は、さいたま市よりも交際費支出額が多い年度もありましたが、昨年後半くらいから見直しの効果が現れてきました。
今年度も4・5月の2か月間の支出は約22万円で、昨年よりもすでに5万円減っていますから、このまま推移すれば今年度の支出額はさらに削減できると推測できます。

【6月市議会】 増税と引き替えのプレミアム商品券
『声と眼』573号 2019/6/23

 6月市議会に、市の一般会計補正予算が提案されました。
政府は10月からの消費税増税に合わせて低所得世帯や子育て家庭を対象としてプレミアム付き商品券を発行する計画です。
経費は増税による税収の一部から、全国で約1800億円をあてることになっています。

 久喜市の補正予算には、プレミアム商品券発行経費2億6364万円が計上されました。
プレミアム分1億3950万円と商品券印刷や対象者への通知、販売手続きの経費など全額が国の補助金です。
対象者は住民税非課税の方と2016年4月2日以降に生まれた子どものいる方で、市内で合計2万7900人と見込んでいます。
購入限度額は2万円(額面2万5000円)で、額面総額は6億9750万円にのぼります。
今後、対象の子どものいる家庭には9月以降に引換券が、低所得者世帯には7月ごろに申請書が送られてきます。

 商品券を使用できる期間は10月から来年3月までですが、対象者に完全に周知させることができるかどうかが課題です。
プレミアム付き商品券発行の目的は、消費税増税が低所得者や子育て世代の生活に与える痛みを緩和することと、地域経済の消費の落ち込みを下支えするためと説明されています。
しかし子育て家庭の支援と言いながら恩恵は一部に限定され、低所得者の中でも生活保護世帯などは対象外で、不公平感は否めません。
やっぱり増税と引き替えの税金バラマキ以外の何ものでもありません。

久喜のプレミアム商品券は1万人だけ?

 これとは別に久喜市では“合併10周年記念事業”として、全市民を対象にしたプレミアム付き商品券が発行されます。
今年度当初予算にプレミアム分1億2500万円と発行経費2000万円が計上されていて、全額が市民の税金から支出されます。
国の商品券と同時に発行されますが、こちらの購入限度額は1人5万円(額面6万2500円)と高く設定されています。

 1世帯で何人でも申し込むことができて抽選制ですが、みんなが限度額まで申し込んだ場合には、1万人しか購入できません。
運良く当選した一部の市民だけがプレミアム分を儲けることができるわけで、税金の使い途としては甚だしく不公平です。

★久喜の商品券が全市民を対象にするのであれば、世帯単位にして購入限度額を1万円以下にすれば、約6万世帯の久喜市で希望する全世帯が恩恵を受けられるようにできるのですが。★

市長交際費の見直しは少し進んだ
『声と眼』571号 2019/5/16

 2017年度まで久喜市の市長交際費の支出額は県内3位で、何度も削減を求めてきました。
梅田市長のもとで昨年前半の支出額はむしろ増えてしまいましたが、9月議会と2月議会でも見直しを求めた結果、ようやく支出の削減が徐々に進んできました。

◆久喜市秘書課の集計は、6月24日の記事(表)に差し替えました。

 市のホームページで1年間の市長交際費支出の集計が公表され、久喜市の2018年度の支出合計は約129万円(前年比30万円減)で、県内順位も17年度の県内3位から8位に下がったことがわかりました。]とはいえ、人口1人あたりの支出額で比較するといまだに県内3位の上位にあります。

 県内各市でも交際費の見直しを進めており、18年度には約6割の市で支出を削減しました。
さいたま市や坂戸市などでは公職者の香典は交際費からはほとんど支出していません。
所沢市では会合等で市長があいさつだけで退席する場合は飲食は辞退し、飲食が出る場合は市長が自費で負担するなどの改革で、支出を大幅に削減しています。

 久喜で支出が多いのは、イベントのお祝い金や会費(飲食代)、学校の部活や小中学生やスポーツ団体が市長を表敬訪問した際に渡す「お祝い」、公職者の香典や生花代、お見舞いなどです。
これらははたして市長交際費で負担するべきものなのかどうか、検討が必要です。

 各市のホームページから集計しましたが、各市とも昨年度決算がまだ確定していないので、支出金額は変わる可能性があります。
【非公表】川口市は県内で唯一、交際費支出の内容を公表していません。
【未集計】新座市は3月分の支出額がいまだに公表されていない(5月16日現在)ので、年間支出合計が集計できません。

【2月市議会】 財政調整基金積立額は県内6位
『声と眼』570号 2019/4/30

 久喜市の貯金である財政調整基金は、2018年度末で50億円以上が積み立てられています。
下表の【見込額】は毎年の予算編成時点における年度末残高の見通しです。財政当局は毎年、『来年は減る減る』と言い続けてきました。
昨年3月には『2018年度末に財政調整基金が31億に減る』と説明していましたが、実際には今年3月で50億円を超えています。
今はまた『来年3月には34億円になる見込み』と言っていますが、実際にはどうなるでしょうか。
   財政調整基金【見込額】年度末積立額  基金総額 
2010年3月末   19億1182万   31億1121万  
〈合併した当時の財政調整基金は19億円だった〉  
 16年度末  【39億4850万】 58億2294万    87億8957万 
17年度末 【42億0867万】  53億5673万   82億5277万 
 18年度末 【31億5990万  50億9726万   79億3131万 
19年度末 【34億0112万】

 久喜市の財政調整基金50億円は、県内40市中の多い方から6番目です。
人口1人あたりの積立額は3万円超で、これも県内6位の多さです。

 当局は“これまでは合併特例が適用されて地方交付税が維持されてきた。
今後は交付金額が減少していくのでそれに備えて基金を積み立てている”と説明しています。
しかしそれを口実にして、必要な市民サービスを抑制するとしたら本末転倒です。

 さらに今後予定している公共事業のためには目的ごとに基金を積み立てています。
市民の森整備基金4億円、ごみ処理施設整備基金13億円など、基金総額は約80億円にのぼります。
「財政が厳しい」というのは市民の要求を抑えるための言い訳にすぎません。

【2月市議会】 新年度一般会計予算に反対
…給食センター、ごみ処理広域化、理科大跡地活用計画…

『声と眼』568号 2019/3/29

 3月18日に定例市議会が閉会し、市長が提案した全議案が可決されました。
私は2019年度一般会計予算に反対しました。
以下は私の反対討論の概要です。
 (1)梅田市長は大規模学校給食センターの建設計画の見直しを公約していました。
しかし前市長の計画を復活させただけで、今年度に1年遅れで着工することになったのは容認できません。
アレルギー対応は乳と卵だけで、あまりにも消極的です。
食器もプラスチックへの転換をやめて、強化磁器食器を採用するべきです。
さいたま市や蓮田市などの県内の優れた自校調理方式の給食を研究し、再度、学校給食のあり方を根本から見直すよう求めます。

 (2)市長はごみ処理の広域化を打ち出して、結局は元の計画に戻ったものの、着工は大幅に遅れてしまいました。
昨年中に着手する予定だったごみ処理施設整備基本計画の策定や環境アセスメントも、新年度予算に計上できませんでした。
ある意味で、市民生活の最も基本的なインフラであるごみ処理行政に取り返しのつかない危機をもたらしかねません。
市長のこれまでの説明からは、危機意識が感じられません。

 (3)東京理科大跡地活用計画の見直しを打ち出しましたが、これまでの市民参加を踏まえた計画を超えるものはできていません。
活用計画が遅れれば、理科大跡地校舎の老朽化がどんどん進んでいきます。
小手先の見直しでなく、たとえば跡地校舎を全部取り壊して、市役所新庁舎を建設するなど、計画を一から作り直すことも検討してはいかがでしょうか。

【2月市議会】 一般会計予算に反対討論をしました
2019/3/19

 2月定例市議会は、3月18日に閉会し、市長が提案した全議案が可決されました。
 共産党が予算に修正案を出しましたが、すべて質疑も討論もなく否決されました。
 私は2019年度一般会計予算に反対討論を行いました。

【反対討論】 議案第7号 2019年度一般会計予算

市民の政治を進める会 猪股和雄

 新年度の一般会計予算に反対します。

 私の最大の反対理由は、大規模学校給食センターの建設は容認できない、これに尽きます。
 梅田市長は、市長選挙で、前市長の巨大学校給食センター建設計画に対して、「一度立ち止まって考える」と公約し、実際、松本市や袋井市の給食センターを視察するなど、真摯に検討する姿勢を見せていました。
しかしさいたま市や、近隣の蓮田、白岡、幸手市などの自校調理方式の学校給食を研究することはせず、結果的には、前市長のセンター化ありきの学校給食方針を踏襲し、1万2000食の巨大学校給食センター計画を、半年遅れでそのまま復活させたに終わりました。
 これは政策転換を期待した市民の声に反するものです。
 新年度予算には、学校給食センター整備工事修正設計業務委託事業費として、47万円が計上されているに過ぎませんが、これは単に事業が間に合わなかったために当初予算に計上できなかったに過ぎず、2019年度に建設事業に着手することを前提としています。
これは認められません。
 アレルギー対応給食については、前市長の計画もそのまま引き継いで、乳と卵のアレルギー対応給食であけで、それ以外のアレルギー物質については先送りし、1年目は除去食で、2年目からは代替食で提供するとしています。
しかし松本市などの先進市の取り組みに学ぶのであれば、初年度から、もっとアレルギー物質の対象を広げた上で、一部でも代替食の提供もできるはずです。
また強化磁器食器についても、袋井市は「食器の重さは食の重さ」として強化磁器食器を採用していますが、これには何も学んでこなかったのでしょうか。
結局は、前市長の計画をそのまま踏襲する学校給食政策は認められません。
 むしろ、せっかく半年、1年、遅らせたのであれば、効率化最優先の学校給食でなく、新年度において、理想的な給食方式である自校調理方式を残してほしいという市民の意見に耳を傾け、新たな検討を行うべきであったと考えます。

 2つ目は、ごみ処理施設の建設計画の広域化をめざして、結果的に半年間を空費して、その結果、建設計画を1年以上も遅らせてしまったことも指摘せざるを得ません。
 本来なら、2018年度からごみ処理施設整備基本計画の策定、生活環境アセスメントに着手していなければならなかったのに、新年度当初予算にも、それらの事業を盛り込むことができなかった。
これはある意味で、市民生活の最も基本的なインフラである、久喜市のごみ処理行政に、取り返しのつかない危機をもたらしかねません。
 市長のこれまでの説明と釈明からは、その根本的な危機意識が感じられず、容認できません。

 3つ目は、東京理科大跡地活用計画の見直しについてです。
 前市長の活用計画は、曲がりなりにも市民の意見を広く聴取した上で、策定したものでしたが、それに対して、新市長は市長選挙において「もっと良くする」という梅田市長なりの問題意識を提起して見直しを進めています。
しかし今までのところ、前市長の市民参加で検討を進めてきた計画を超えるものを作ることはできていません。
 このまま理科大跡地校舎活用計画の策定自体から遅らせていくだけでは、その校舎自体の老朽化が進むだけです。
見直しを掲げるならば、小手先の見直しでなく、たとえば跡地校舎を全部取り壊して、市役所新庁舎用地として活用するなど、計画を一から作り直すべきではないでしょうか。

 これらの久喜市の基本的な市政運営と予算編成に関わる問題を指摘し、予算に反対します。

【一般質問】 市長交際費の見直し・削減は進んだか
『声と眼』567号 2019/3/6

  久喜市の市長交際費は、2017年度1年間の支出額が159万7600円で県内3位でした。
ここ数年、県内の多くの市で支出基準を見直して削減してきましたが、久喜市では今年度も12月までで100万円を超え、公表していない川口市を除いて県内1位になっています。

 私が9月議会の一般質問で交際費支出の見直しを求めた際には、総務部長が「可能な限り削減に努めていく」「市民感覚と乖離が生じないよう、適正な執行に心がけていく」と答弁していました。
しかしその後も目に見えた“削減”の効果は上がっていないため、2月議会で、具体的にどのように見直しをしてきたかをただしました。
答弁によると、「市長が市内のイベントなどに出席して、あいさつだけで退席するケースでは会費や慶祝費を支出しない」などの見直しを行い、昨年10月以降の4か月間の支出額は前年に比べてマイナス48.2%、約30万円を削減してきているそうです。

 確かに直近の集計では、今年1月末までの支出額は115万350円で、昨年同時期の134万5900円と比較すると約15%減になりました。
今後は少しずつ下がっていくとみられるものの、それでも県内2〜3位に位置しています。
新年度当初予算にも市長交際費200万円が計上されていますが、大幅に削減すべきです。

【2月市議会】 市職員が収賄容疑で逮捕 不祥事続く
『声と眼』567号 2019/3/4

 市の上下水道部で、資材廃棄処分業務の委託先の選定にからんで、2月25日に市上下水道部課長補佐と市内の廃棄物処理を請け負う業者が贈収賄容疑で逮捕されました。
直接の逮捕容疑は2016年のものですが、その他にも癒着や不正がなかったのか、警察の捜査が続いているとみられます。
市でも調査を進めており、市議会でも事実関係の究明と市の組織的な責任の所在を追及するとともに、再発防止策の確立について審議していかなければなりません。

 昨年から、市の職員が盗撮やわいせつ物陳列で逮捕されるなど、不祥事が続いています。
規範意識の欠如、無気力や無関心が蔓延しているようです。
長期政権のよどみが一気に噴き出しているのではないでしょうか。

公共用地などで 埋設廃棄物が次々に

 昨年、鷲宮の旧農業センター跡地が民間開発事業者に売却された後で産業廃棄物が見つかり、7320万円もの損害賠償が請求されました。
それとは別に、上清久の養護老人ホーム偕楽荘の排水管修繕工事現場、さらに栗橋地区の区画整理地内でも管理地内に産業廃棄物が埋まっていたことがわかりました。

 かつての高度経済成長期に、公共事業や開発などで発生した廃棄物を、あちこちの田畑や遊休地に廃棄してそのまま埋設されてきたことがわかっています。
そうした土地を市や町が公共用地として買収してしまったようで、そんな疑いのある場所は他にもあると話す人もいます。
市有地の処分に際しては、土地の経緯や埋設物をしっかり調査しないと、かえって市に損害をもたらすことになりかねません。

久喜総合運動公園の南側の小高い山は、30年以上前に農地を不法に埋め立ててできた産業廃棄物の山で、何が埋まっているかわかりません。昨年、市農業委員会が所有者に「原状回復命令」を出しましたが、逆に同命令の取り消し訴訟が起こされ、裁判になっています。
 これまでフタをされて隠されていた問題が、市長の交代を機にぞろぞろ表に出てきているようです。

【2月市議会】 遊休地売却、埋設ごみで損害賠償
『声と眼』566号 2019/2/17

 市は昨年9月に鷲宮の旧農業センター跡地4664uを民間開発業者に売却しました。
土地建物の評価額は6770万円でしたが、建物は業者側が撤去工事を行うことになったので、工事費用5230万円を差し引いて、売却金額は1540万円でした。
ところが業者が工事を進めると、地中から大量のコンクリート片などの産業廃棄物が見つかりました。
開発業者側から市に対して、埋設ごみの撤去費用について損害賠償が請求されたため、市が賠償金7320万円を支払うことになりました。
開会中の市議会に、業者との「和解」の議案と賠償金支払いが計上された補正予算案が提出されました。
24日の本会議に追加議案として上程され、審議されることになります。

 市の公共施設の地下になぜ多量の産業廃棄物が埋まっていたのか、いつ頃、だれが廃棄したのか、当局はわからないと言っていますが、過去の経過と責任を明らかにさせる必要があります。
また旧農業センターを1980年に建設した時にそれらの埋設物が見つからなかったというのもおかしな話です。

 今回の事件では、市が遊休土地に埋設ごみがあったのにそれを見逃して、安易に売却してしまったために、かえって市に大損害を与えてしまいました。
もし事前にきちんと調査できていれば、売却しないで埋設物を埋め戻して公園などに利用することで、市民の税金をムダ遣いしなくてすんだとも考えられます。

新年度予算、おもな新規事業と問題点
『声と眼』566号 2019/2/15

◇合併10周年記念式典やイベントなどの経費1400万円 ◇成人歯科検診事業 433万円
◇私立保育所施設整備費補助金 5億843万円(青葉、東鷲宮地区を予定)◇ふれあいセンター久喜の雨漏り補修工事 1億165万円
◇市内に産婦人科医院を誘致するための補助金6000万円。同じような補助制度を作っている市もありますが、成果は上がっていません。
◇保育士人材確保を進めるために、保育士就労支援の補助金制度。
 1人10万円で50人分を対象としていますが、実際の効果がどれくらい期待できるかは未知数です。
◇理科大校舎跡地活用計画の策定のために、貸事務所などの民間ニーズがあるかどうかを調査する経費 297万円。
 計画の見直しで、理科大校舎改修と活用はすべて先送りされ、宙に浮いたままです。
◇学校給食費補助事業…小中学生が3人以上いる保護者に対して3人目以降の給食費を補助。所得制限はなし、300人弱で1400万円。
3人目以降の子どもだけが対象で、1人が卒業してしまうと補助はなくなります。
子育て支援が目的なら、市内の小中学生約1万人の給食費(小学校4150円、中学校4960円)をすべて無償にした方が効果的ではないでしょうか。
◇久喜駅東口地域の土地利用計画の検討をコンサルに委託 999万円。
すでに住宅地化している地区の土地利用をどう見直すのか、明確な方向性も示さずに、約1000万円も使って何を“検討”するのでしょうか。
◇電気自動車の購入に補助金(1台5万円)50万円。市は太陽光発電システムや蓄電池の設置に対して新エネルギー導入補助金1500万円を予算化しています。
 私はこの制度を電気自動車にも拡大するように提案してきましたが、別の制度として実現されました。
 それにしても対象者がわずか10人だけとは!?

学校のトイレや老朽校舎改修を急げ

 三箇小学校のトイレ改修設計費 385万円、太東中学校の校舎・トイレ大規模改修工事設計費 2198万円が計上されました。
 着工は翌年度の予定ですが、前倒しして年度内に工事も実施すべきです。
 学校トイレ洋式化の年次計画の策定も求めています。

液状化対策事業で予算額が膨らむ

 一般会計予算総額は前年度から約12億円(2.5%)増ですが、そのほとんどは東日本大震災による南栗橋地区の液状化対策工事などの費用です。
 財源は国からの復興特別交付金をいったん復興基金に積み立ててから、ほぼ全額の 10億円を取り崩します。

新生児聴覚検査助成は1月に先行実施

 久喜市で1年間に生まれる約1000人の新生児全員を対象に、出生後に実施する聴覚検査の費用を助成します。
 補助上限額は1人5000円で、予算額 500万円。
 2年前から一般質問で助成制度創設を提案してきました。
 すでに今年1月から先行してスタートしています。

★新聞折り込みのミニコミ紙に「久喜駅東口再開発へ」との見出し。
東地域の土地利用を検討はするが、東口再開発の予定はない。
「東停車場線年度整備完了」というのも、開通はまだまだ先の話だ。★

補正予算に対する修正案を可決
『声と眼』564号 2019/1/17

 11月定例市議会に、保育所や認定こども園の運営費補助金などの一般会計補正予算が提出されました。
しかしこの補正予算に、理科大跡地活用計画の全面見直しが盛り込まれていたため、議会から批判が集中し、最終日の12月21日に「補正予算修正案」が提出されました。
予算項目の修正は次の3点です。

(1)市長が、旧理科大校舎の改修事業の中止と工事予算の全額カットを提案しましたが、削除された工事費を復活させます。
(2)昨年4月に理科大跡地に移転したばかりの教育委員会と、新年度に設置する予定の「健康・こども未来部」を鷲宮総合支所に移転させる方針を打ち出しました。
補正予算に計上された移転準備費用を削除します。
(3)4月に「2市1町花火大会」を開催する準備経費が計上されましたが、これを削除します。合併10周年を、幸手市橋上駅舎完成・五霞町130年と合同で祝賀するという意味不明の花火大会です。

 採決の結果、19名の賛成で修正案が可決されました。
他に5名は修正案にも原案にも反対、原案賛成の立場から修正に反対したのは2名だけでした。

 梅田市長は理科大跡地の活用計画を全面的に見直し、11月に「主な施設配置案」を発表しました(『声と眼』562号に掲載)。
新施設のオープンは2023年とされていますが、財政計画などの詳しい説明はありません。
議会に一方的に発表しただけで、市民への説明も議論もしないで、これまで進めてきた改修計画をいきなり全面的に破棄してしまうのはきわめて乱暴なやり方と言わざるを得ません。

市が売却した土地から産廃が出てきた
『声と眼』564号 2019/1/11

 市が9月に鷲宮の旧農業センター跡地と建物を民間業者に、土地建物の評価額6770万円から建築物撤去費用5230万円を差し引いた1540万円で売却しました。
その後、産業廃棄物等が埋まっているのが見つかり、埋設物撤去費用(2700万円程度か?)を市が賠償せざるを得ない事態に陥っています。
市は財政に寄与するために遊休土地の処分を進めていますが、安易な売却の結果、かえって“赤字”になってしまいました。

★以前にも市有地から埋設ごみが発見されたことがあった。
昔は荒地や遊休土地に勝手にごみが投棄されたケースがけっこうあったらしい。
市の遊休地も調査した上でなければ、安易に処分もできない。★

【11月市議会】 一般会計補正予算の「修正案」に賛成しました
2018/12/23

 11月21日、定例市議会の最終日に、新政久喜から、「一般会計補正予算に対する修正案」が提出されました。
 修正案の内容は次の3点です。
(1)市長提出の原案で、今年4月に理科大跡地校舎に移転したばかりの教育部を来年にはまた鷲宮総合支所に移転させ、さらに来年度に機構改革で「健康・こども未来部」を新設して、これも鷲宮支所に置くという、大幅な移転計画の予算が計上された。
 これを削除する。
(2)理科大跡地校舎の改修計画が進められてきたが、原案で、理科大跡地校舎活用計画を全面的に見直すために、今年度の改修工事の予算を全額削除することにしていた。
 改修工事の全面削除を認めない(減算で削除された改修工事費を、復活させる)。
(3)補正予算原案で、4月に久喜市合併10周年祝賀、幸手市橋上駅舎完成・さくらサミット祝賀、五霞町130年祝賀と共同で、「2市1町花火大会」を開催するための準備の予算が計上されたが、これを削除する。
 私は、今回の補正予算原案には反対の立場でしたが、「修正案」によって、その問題点の多くが解消されると考えて、修正案に賛成しました。 

各会派で、賛否が分かれました

【賛成】 市民の政治を進める会の猪股・川辺、無会派の田村、公明党、新政の11名
【反対】 市民の政治を進める会の田中、共産党、新政の新井、川内
 修正案が可決された後、「修正部分を除く原案」についての採決が行われ、反対は共産党、市民の政治を進める会の田中の5名で、賛成多数で可決されました。

 猪股和雄の修正案に対する賛成討論で述べた「賛成理由」は以下の通りです。

【賛成討論】 議案第91号 一般会計補正予算の「修正案」

猪股和雄

1.市長提出の原案で、組織機構改革に伴う、教育部と健康・こども未来部の移転事業3554万円、および、今年度に予定していた旧理科大跡地改修事業の中止、改修工事費4億円の全面的な削除が計上された。

2.これらは、前市長の下で計画された、理科大跡地活用計画の実施を、全面的に見直して、まったく新たな活用計画を、これから作成していこうとするものである。
 その一方で、今年の4月に理科大跡地に移転したばかりの教育部をたった1年で、鷲宮総合支所の建物に移転させる方針を打ち出した。

3.しかし、理科大跡地の新たな活用計画については、11月20日に全協で「案」が説明されただけで、それ自体不確定要素もある。
 民間の貸し出し部分については、明確なニーズが存在するのかどうか、見通しも示されていない。
 この不明確な状況で、来年度以降、この案のままで、基本設計、詳細設計、改修工事を行っていっていいのか。
5年後の供用開始まで、5年間も空き家のままにしておくのか。
それで効率的な活用と言えるのか、はなはだ疑問である。

4.言えることは、理科大跡地の活用計画、機構改革も含めて、長期的な有効なビジョンが示されていないこと、そのための議論が尽くされていないということである。
 そのような状態で、このまま市長が全協で提案した理科大の新しい改修計画を、このまま実施に移していってしまうのは大いに疑問である。
これはいわば、市長の独断による見切り発車ではないか。
 これこそいったん立ち止まり、市民と議会とを含めて議論を起こしていき、市民的合意を生み出す努力していくべきではないか。

 したがって、今回の補正予算の修正案に賛成する。
 市長には真摯に議論に立ち向かうよう、政治姿勢を改めるよう求めたい。

【11月市議会】 市立図書館の管理運営を指定管理委託
2018/12/22

 11月21日、定例市議会の最終日に、議案の討論・採決が行われました。
 私は市は市立図書館の運営を、現在の直営から民間の指定管理者を定めて委託する議案に賛成討論を行いました。

【賛成討論】 議案第98号 市立図書館の指定管理者の指定に賛成

猪股和雄

1.指定管理の目的は市民サービスの向上です。経費の削減が目的であってはなりません。結果として経費が低く抑制されることもありうるとしても、それはサービスの向上をした上でなければなりません。
 現に、委員会審議で、指定管理者の選定経過で、指定管理料の金額は、次点事業者の方が安かったけれど、そちらではなくて、今回の「株式会社 図書館流通センター」の方を選定したことが明らかにされた。
図書館協議会の審議過程でも、『直営であっても指定管理であっても、利用者の利便性を考慮し現行のシステムを使用することを前提とすれば、コスト増減に関する問題は発せしない』と述べているのであって、民間のノウハウを活用して、サービスの向上を第一義的にめざすべきである。

2.ただし、指定管理者を指定しても、図書館の管理運営は、事業者におまかせではならない。
あくまでも市立の公共図書館という位置づけは変わらないのであって、久喜市教育委員会が責任を持つ体制を確立していかなければならない。
 その意味で、一つには、これまでの図書館協議会は図書館長の諮問機関であったが、新たに設置される図書館運営審議会は教育委員会の直接の諮問機関と位置づけているのであって、いわばレベルが上がった。
であれば、図書館運営審議会が指定管理者による図書館の管理運営を把握し、その意見を踏まえて、教育委員会が指定管理者による図書館運営を基本的にコントロールできる体制を作っていくことが、今後の課題となる。

3.そのためには、委員会で強く要望しておいたように、図書館運営審議会の場に、指定管理者の出席を求め、意見もしくは説明を聞き、必要な資料の提出を求めることができると審議会条例5条に規定しているけれど、指定管理者が出席することを基本とするべきである。
審議会の場に、生涯学習課の職員が出席するだけでは、図書館運営の現場の説明ができないのであって、当然、現場の説明を行うためには、原則として審議会には常時、指定管理者が出席するよう、求めるべきである。
委員会で、「極力指定管理者も出席する方向で、審議会の申し合わせ事項あるいは運営要領で対応していく」と答弁していますので、必ず実施していただきたい。

4.指定管理者と市教育委員会・生涯学習課の協議、連携の場は、館長会議、サービス会議、担当者会があって、これらの会議に、教育委員会では図書館係長が出席する考えでいたようである。
しかし実際にはこれらの場が、教育委員会から指定管理者への指示、指導、監督の場になるのであって、当然、行政権限、決定権限を持った管理職が出席しているべきである。
そうでなければ指定管理者との対等な関係は築けない。
委員会で教育部長が「課長の出席も含めて、改めて良く検討する」と述べているので、必ず実行していただきたい。

5.市の直接運営であれば、当然に、毎年の事業計画や予算は、議会で審議される。
指定管理だから、図書館運営について、議会の審議の対象外とはならないのであって、2月議会の予算審議、また、9月の決算審査において、必要な事業計画と予算、決算と事業報告がなされるようにするべきである。

6.指定管理事業者に対し、サービス向上の目標と計画を立てて推進するように求めていただきたい。
たとえば、入館者数、1人あたりの貸出冊数、自主事業の実施など、これまでの直営に対し、目の見える成果を達成できるように求めるべきである。

7.指定管理事業者の職員雇用数は、4館で45人、その内の29名、64%が司書という計画である。
窓口担当者は中央図書館で2人から最大5人とされているが、少なくともその内の半数以上は司書となるような配置を求める。
 他の3館では1人だけという時間帯もある。
窓口対応の充実と、少なくとも司書が常時1人以上は配置されるように、求めていただきたい。
 繰り返しになるが、現在の市の直営と同じ水準を求めるのでは意味がないのであって、より高い水準を求めてこそ、指定管理の意味がある。
 以上、要望する。 

【11月市議会】  「合併10周年記念花火大会」って?
『声と眼』563号 2018/12/15

 一般会計補正予算で、合併10周年記念事業として、「2市1町祝賀花火大会」を開催するための予算が計上されました。
議員の誰もが、『エッ!? なんで2市1町なの?』と寝耳に水の話です。

 当局の説明によると、久喜市の10周年、幸手市の幸手駅橋上化完成・さくらサミット開催記念、五霞町130年記念の合同祝賀の花火大会を4月3日に開くというのです。
会場は久喜市栗橋・幸手市・五霞町に接している行幸(みゆき)湖(こ)(権現堂公園の北側)だそうです。
隣接市町のお互いに関連のない祝賀行事を、共同で実施することに何の意味があるのでしょうか。

 市長は花火大会をスタートイベントとして、合併記念事業を1年間に渡って続けるというのですが、具体的な中身はまったく明らかになっていません。

 こんな思いつきの花火大会に税金をいくら使うつもりでしょう。


市の機構改革、部署の分散配置が進む
『声と眼』562号 2018/11/30

 来年4月からの市行政の機構改革が発表されました。
(1)いちばん大きな変更は、「健康・こども未来部」の新設です。
これまでの健康増進部に属していた健康医療課と保健センター、福祉部だった保育課と子育て支援課(子ども未来課に名称変更)を健康・こども未来部に移行します。
(2)国民健康保険課はこれまでは健康増進部でしたが、市民部に移行します。
また市民部に、循環バスやデマンド交通など交通政策全般を管轄する交通企画課を新設します。
(3)各総合支所では従来、道路や環境などの身近な相談ができないという不満が出ていましたが、住民生活全般を担当する地域振興係を新設します。

 機構改革と同時に、新しい健康・子ども未来部は鷲宮支所に移転し、本庁舎から児童福祉行政の担当課がなくなります。
久喜市ではこれまでも各部を分散配置してきて、環境経済部が菖蒲支所、建設部が北青柳の第2庁舎、上下水道部は鷲宮支所、教育委員会は理科大跡地(4月から鷲宮支所)に置かれています。
来年度から本庁舎に残るのは総務部門(総務・財政・市民部)と福祉部だけになります。
現在でも庁議(部長級以上)や行政の横断的な会議の時には、担当者が書類を抱えて本庁舎まで集まってきますが、スタッフ全員を引き連れてくるわけにもいきません。
その結果、部を超えた情報共有や政策連携、行政の一体性に弊害が出ているのではないでしょうか。
議会で、担当者が来ていないとか、書類を持ってきてないので答弁できないというケースもありました。

 生活に身近な課が本庁と支所に分かれている結果、手続きや申請書類の提出、受け付けだけなら各支所でもできますが、相談や政策判断が必要な場合には1か所で用事が済まないこともあります。

 久喜市と同時期に合併した加須市はすぐに新庁舎を建設し、春日部市も本庁舎の建設計画が進んでいます。
人口15万の久喜市で各部署をばらばらに分散したままでいいのかどうか、利便性や効率の観点からも検討の時期に来ているのではないでしょうか。


【一般質問】 市長交際費の大幅節減を求める
2018年9月議会 『声と眼』559号 2018/10/8

 久喜市の市長交際費支出額は3年連続で県内3位で、昨年度は人口120万人のさいたま市よりも多くなっています。
梅田市長当選後の5、6月は昨年よりもさらに支出が増えており、このままでは交際費支出の増大に歯止めがかかりません。
これまで、市長あてに案内状が来たものにはほとんどすべて出席して、途中であいさつだけして帰る場合でも儀礼的に会費や祝金を置いてくるのが慣例になっています。
これらの支出の他にも、小中学生が市長の表敬訪問に来た時の図書カードの贈呈、公職者や家族の香典の支出なども見直すよう求めました。

 総務部長が、「今後はあいさつだけで退席する場合には食事や土産は辞退する」「市長交際費は社会通念上妥当と認められる範囲内で、必要最小限の額を支出するものであり、市民感覚と乖離が生じないよう、適正に執行していく」と答弁しました。
今後の支出状況を厳しくチェックしていく必要があります。

 ※8月末の支出合計は昨年比4万円増の69万円!

市長交際費 毎月の支出額
2018年度 2017年度
4月 102,000 145,900
5月 173,000 145,500
6月 88,000 56,500
7月 192,000 195,700
8月 141,400 103,200
4〜8月合計 696,400 646,800
9月 57,500
10月 68,850
11月 88,500
12月 172,400
1月 311,850
2月 157,500
3月 94,200
1年間の合計 1,597,600

【9月市議会】 一般会計補正予算に賛成しました
要望…ごみ処理施設の広域化の検討は慎重に
あおば保育園は子ども第一に改築を進めて欲しい

2018/10/4

 9月28日、議案の討論・採決で、市長提出の全議案が可決されました。
 今年度の一般会計補正予算に賛成討論を行いました。
 梅田市長は就任以来、田中前市長の進めてきた政策や計画の見直しを矢継ぎ早に打ち出してきました。
 最大の懸案であった巨大学校給食センターの建設は、1年遅れで、田中市長の計画が完全復活させてしまいました。
 一方で、理科大跡地校舎の活用は生涯学習センターの移転計画をストップし、子育て支援センターやシルバー人材センター事務所の移転も含めて見直しを進めています。
 補正予算で、新ごみ処理施設の建設計画、あおば保育園の改築移転の推進のための設計費などを削除、全面的な見直しを進めるとしています。
 しかし、それらの見直しの内容や方向性、進行状況がいっこうに明らかにされていないことなどで、市民には見えないところで検討が進められることになってしまっています。
 市長が替わったのですから、前市長の計画や政策の見直しを打ち出したのは当然のことですが、市民に見えるところでオープンに進める必要があるのではないでしょうか。

【賛成討論】 議案第73号 2018年度一般会計補正予算に賛成

猪股和雄

 一般会計補正予算第3号において、新生児聴覚検査事業が新規事業として盛り込まれて、1月から開始されること、部活動指導員の配置を単独事業として実施すること、小中学校のブロック塀の撤去、フェンスの設置工事を進めるための補正予算を計上したことを評価する。

 一方で、いくつかの疑義があることを指摘しておく。
(1)ごみ処理施設整備事業で、幸手市および杉戸町から「広域化に係る協議の依頼」があったことを理由として、急遽、広域化検討業務を行うために、コンサルへの委託料280万円を計上した。これにより、ごみ処理施設の整備は数か月遅れ、もしも広域化を推進するという方針が出れば、これまでの整備計画で2023年度の目標から完成がさらに2年間遅れることになる。

 久喜市において、これまで2年以上をかけて検討してきた新ごみ処理施設は、久喜市が責任を持って建設するものであり、過去の久喜宮代衛生組合の歴史的経緯から、宮代町のごみを委託を受けて処理する方針で進められてきた。これでさえ、すでに建設から50年を経過しようとしている久喜宮代清掃センターの焼却炉を維持していく上では、もう限界に近いと説明されてきた。

 それに対して、新ごみ処理施設の建設を2年間も先送りすることは、果たして焼却炉が維持できるかどうか、きわめて大きな不安を抱え込むことになりかねない。
 梅田市長は、両市町の首長から、広域化の協議の依頼があったと説明してきたが、しかし、事実は、梅田市長自身が広域化を進めたいために、両市町から文書での申し入れを働きかけたことが、明らかになってきた。
 少なくとも梅田市長は、議会と市民に対して、事実関係を説明する責任がある。
 その上で、梅田市長が広域化を進めたいのだとしたら、あらためて、新ごみ処理施設の建設を2年間遅らせてまでも、広域化が必要なのかどうかを、久喜市行政と市議会とで、検討することから始めなければならない。

 「広域化ありき」ではなく、これからでも、広域化の検討を、行政内部で進めて、決まってから公表するというやり方ではなく、広域化のメリット、デメリット、そして、現在の久喜宮代衛生組合でのごみ処理施設の現状を含めて、オープンに検討を進めるよう要望する。

(2)今回の補正予算で、あおば保育園の移転改修を1年間先送りすることとされた。
 しかし、あおば保育園の老朽化の実態からして、今年度における移転改修は緊急の課題と考えられてきた。梅田市長の説明では、近隣の私立保育園・幼稚園の定員の問題を絡めて検討していく方針のようだが、その内容はいまだに明らかにされていない。

 最も配慮されなければならないのは、保護者と子どもたちの状態である。そして、久喜市において現に待機児童が数十名、実質的には「隠れ」も含めると100名以上の待機児童が出ている現状からして、あおば保育園の老朽園舎の改修移転と、民間施設の経営という問題をからめて、いっしょくたにして検討するという姿勢は大いに疑問であり、子どもたちと保護者を第1に考えて、早急に改築移転を進めるよう要望する。

 それとともに、地域交流センターと、青葉公民館の改修も先送りすることなく、地域住民の意見を聞きながら、進めるよう要望する。

【9月市議会】 昨年の一般会計決算に賛成しました
財政調整基金積み立て、環境行政などで要望

2018/9/29

 9月28日、定例市議会の最終日に、全部の議案の討論・採決が行われました。
 私は、2017年度久喜市一般会計決算認定について、賛成討論を行いました。
 昨年度1年間の財政運営は、予算編成方針通りに実施されたことをおおむね評価しました。
 しかしその一方で、財政調整基金残高が県内でも最上位に位置していることや、職員の時間外勤務の実態がやや改善は見られるものの依然として劣悪な状態にあること、さらに地球温暖化対策の政策について、いくつかの注文や要望を行いました。

【賛成討論】 議案第63号 2017年度一般会計決算認定に賛成

猪股和雄

  決算審査は、昨年の2月定例市議会において審査され決定した予算が、適正に執行されたか、所期の行政目的にそった成果をあげられたかという観点から評価を行うものです。
 施政方針にもとづいた予算執行自体にはおおむね評価するものであり、賛成します。

(1)久喜市の財政調整基金の積立金残高が、2016年度 平成28年度末58億2000万円と過去最大となって、29年度末は53億5675万円とようやく若干の減少に転じました。
 今年度末の基金残高は40億1471万円になると説明されているが、毎年の取り崩しを減額しての積み戻しなどの経過からして、私は、今年度もほぼ同程度の基金残高を維持できると見ています。
 2017年度の財政調整基金比率は17程度と想定されるが、相変わらず県内の極めて高い水準にあることは間違いない。
 今後、地方交付税の合併算定替えが減少していくのに備えることや、公共事業の財源が必要と説明されているが、ごみ処理施設や公園整備などの目的別基金を含めて基金総額が100億円を超えている状態は、市民から理解されにくい。
適正な基準に沿って必要な限りでの基金積み立てを行っていくべきです。
一部には、公共事業の市債の発行を抑制して一般財源を充てるという考え方もありますが、市債は単なる財源不足分の借金でなく、世代間の負担の公平を図るという目的も踏まえ、一般財源、補助金、市債の均衡を維持するべきです。

(2)障害者の別枠採用を継続して、障害者雇用率が3%超となっていることを評価します。
 久喜市の障害者雇用の課題は、四肢障害者以外の身体障害者、知的障害者、精神障害者について、採用が進まないことです。
 今後、知的障害者・精神障害者の職域拡大、短時間勤務、臨時職員としての就労の場の確保について、現実的な検討を進めるべきです。
久喜市では、障害者別枠採用試験の応募条件として、活字試験に対応できること、自力通勤できること、介助者を必要としないという条件を付けていますが、実施的に、障害者の採用以前に、応募自体をはばむ壁になっています。
さいたま市は昨年から、自力通勤と介助者の条件を撤廃しました。
障害者雇用の先進市である久喜市も一歩前進させるよう求めます。

(3)職員の時間外勤務の実態は、昨年度よりも改善されたことは評価します。
しかし、時間外勤務が年間800時間を超える職員や、時期的に1か月に100時間を超える職員がいることが明らかになりました。
最高は1か月に220時間であり、これが黙過されているとしたら、当該部署の管理職と庶務・人事担当課の怠慢といわれてもやむを得ない。
また部署間のアンバランスも大きいことが明らかになっています。
さらに大幅に、積極的に改善するよう求めます。

(4)昨年9月に、久喜市の管理職が「イクボス宣言」を行い、男性職員の育児休業等の状態が改善されつつあることを評価しますが、まだまだ絶対数が少ないことは否めません。
進まない理由として、家庭の事情、本人の考え方、給料が減る、と説明されたが、それではいつまで経っても変わりません。
職員の「自由意志」ではあるが、人事政策として、積極的「奨励と推進」を求めます。

(5)市の公共施設の電力購入契約を新電力に切り替え、また今年度にはほとんどすべての公共施設の電力契約を入札で実施したことを評価します。
 3月には、電力購入に係る環境配慮方針を策定しましたが、再生可能エネルギーにより発電されたいわゆるグリーン電力の購入割合を増やしていくことが課題です。
契約期間3年間の間に、グリーン電力の比率が高い事業者を評価するシステムを検討してください。

(6)学校給食センター化については、私たちが求めてきた自校調理方式への転換、計画的移行はついに具体的に検討することなく、センター化方針を強引に推し進めたことはまったく評価できない。
しかし今後、調理終了後2時間以内、いやできるだけ短い時間内での給食の実施、食材の地産地消をいっそう積極的に進めるよう強く求めます。
 地産地消が大幅に進められない理由として、栗橋地区などでは野菜の生産農家自体が少ないと言ってきたが、これは言い訳にすぎません。
地産地消は、久喜市内の食材を使うのであって、たとえば、久喜地区や菖蒲地区の野菜を栗橋や鷲宮の給食に使えばいいだけのことです。
議会で、その場限りの、できない理由を並べ立てて言いつくろうのではなくて、どうやったら地産地消が進められるかを検討していただきたい。
当面、環境基本計画の改訂版で、目標数値20%を、市長が言明したが、もっと大幅な数値をめざしていただきたいことを要望します。

市長交際費 県内3位、なぜこんなに多い?
『声と眼』556号 2018/8/16

 2017年度の久喜市の市長交際費支出は、総額で159万7600円にのぼりました。
さいたま市など多くの市が交際費支出の節減を進めている中で、県内40市の中で一昨年と同じ多い方から3番目でした。

 久喜市の交際費支出基準では、市民団体の会合やイベントに出席する場合、会費の定めがあってもなくても、飲食があってもなくても「会費」や「祝金」の支出対象になっています。
これまで、会合の途中に顔を出してあいさつだけするのにも、儀礼的にお金を置いてくるのが慣例になっていました。
たとえば今年1月には新年会だけで56回も出席していて、最高では1日に7つもの新年会をはしごしてすべてに会費を置いてきています。
また、中学生が部活の大会に出て市長に表敬訪問に来た際にも、交際費から祝金や図書券を渡していますが、これは交際費から出すべきものかどうか疑問です。
告別式などでは公職者の本人やその配偶者(一部は子や実・義父母まで対象)、非常勤特別職の審議会などの“元”委員にまで、交際費から香典を出しています。

 以前は、市の職員や家族の香典までも市長交際費をあてていました。
これについては私が9年前に議会で『部課長は部下や同僚の香典は自分で出しているのだから、市長も同じにすべきでは』と提言して、ようやく交際費からの支出をやめたということもありました。

 4月に梅田新市長が就任して以降は、5月の市長交際費支出は17万3000円、6月は8万8000円でした。
昨年は5月14万5500円、6月5万6500円でしたから、支出額はむしろ増えています。

 他市では支出の見直しが進んでいます。
たとえば、会合などに出席しても、飲食を伴う場合だけ会費相当額を支出することにして、飲食がない場合には交際費は支出しない、あいさつだけで退席する予定であれば市長の分の飲食の用意は辞退して会費も出さないなどです。
さらには実際に飲食する会合の会費は市長が自己負担することにした市もあります。

交際費支出基準の見直し、節減を求める

 梅田新市長はこれから、前市長の交際費の使い方を踏襲するのでしょうか、基準を見直して支出の節減を進めていくのでしょうか。
市長が替わったので、今年度は昨年までよりも多くの団体から会合等の案内状が来ていて、新市長はできるだけ出席しているようです。
しかし会合に出たらそのすべてに、税金から交際費を支出する必要があるのかは疑問です。
交際費の支出方法には、市長の政治姿勢が如実に表れます。
今後も注目していきます。

人口
(単位/千人)
2017年度
(円)
18年5月
(円)
18年6月
(円)
川口市 58万8 (16) 4,384,200  
熊谷市 19万7 1,774,400 148,500 109,000
久喜市 15万4 1,597,600 173,000 88,000
さいたま市 129万3 1,502,154 100,600 43,500
上尾市 22万6 1,348,100 211,500 81,000
加須市 11万1 1,328,700 226,800 112,200
越谷市 34万3 1,326,724 154,400 102,400
春日部市 23万1 1,307,040 239,500 130,500
新座市 16万4 1,266,000 (17) 160,000 (17) 104,000
入間市 14万7 1,235,930 170,080 151,600
幸手市 5万1 1,149,570 113,000 97,000
鴻巣市 11万8 1,147,640 125,400 (17) 69,700
本庄市 7万7 977,630 148,400 114,240
東松山市 9万2 948,160 103,496 78,284
坂戸市 10万2 923,888 68,000 50,000
秩父市 6万1 923,556 60,000 70,000
羽生市 5万4 906,600 103,000 82,000
戸田市 14万1 (16) 905,014 109,188 81,827
蕨 市 7万4 887,180 71,800 75,560
日高市 5万6 863,660 60,000 135,400
狭山市 15万0 861,384 114,384 58,200
深谷市 14万2 859,780 71,920 44,740
三郷市 14万0 852,700 98,000 52,500
桶川市 7万4 836,500 28,000 102,000
ふじみ野市 11万2 806,886 47,000 46,400
富士見市 10万9 789,702 46,000 66,682
飯能市 8万0 782,278 75,762 63,052
朝霞市 14万0 775,300 91,200 49,160
草加市 25万0 746,700 (17) 99,000 (17) 44,000
蓮田市 6万2 743,860 51,000 54,000
川越市 35万4 737,590 137,798 27,700
行田市 8万0 730,442 98,800 34,000
和光市 8万3 708,650 (17) 72,000 (17) 64,000
八潮市 9万1 690,600 81,000 37,200
志木市 7万5 673,925 53,360 57,000
北本市 6万6 650,658 56,776 18,700
白岡市 5万2 635,060 72,000 71,000
吉川市 7万1 525,420 100,320 47,660
鶴ヶ島市 7万0 429,000 62,000 17,000
所沢市 34万1 155,360 14,320 20,000


★川口市だけが市のホームページで市長交際費の状況を公表していない。
戸田市は昨年度の支出を載せていない。
いくつかの市では、今年度分の支出がいまだに掲載されていない。
なぜ?★

【参照⇒交際費の公表の仕方に、市長の政治姿勢が現れる?へのリンク】


久喜市へのふるさと納税が減り続けているのはなぜ?
2018/6/26

 2017年度1年間の、久喜市へのふるさと納税の実績は昨年よりも更に減って、344万円にとどまりました。
 予算編成では1000万円を見込んでいますが、目標にはほど遠い状況が続いています。
 344万円の寄付金の内、212万円は「返礼品」と事業を全面的に委託しているコンサルタントの事務費や手数料に消えてしまうため、市の収入には127万円しか入りません。

ふるさと納税寄附状況の実績
  2017年度  2016年度 2015年度
 寄付件数
(件)
 寄付金額
(円)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
寄付件数
(件)
寄付金額
(円)
4月  9 100,000  18 180,000 11 110,000
5月  11 120,000  12 130,000 75 770,000
6月  10 120,000  14 140,000 66 660,000
7月  18 230,000  21 220,000 59 605,000
8月  37 460,000  25 250,000 30 301,000
9月  12 130,000  25 250,000 121 1,212,000
10月  19 220,000  19 200,000 50 500,000
11月  37 550,000  26 260,000 55 561,000
12月  34 460,000  59 991,000 56 570,000
1月  46 815,000  50 830,000 95 1,012,000
2月  4 50,000  8 110,000 15 150,000
3月  8 190,000  10 260,000 10 101,000
合計  245 3,445,000  287 3,821,000 656 6,702,000

返礼品は米と梨が人気ですが(申込数)

1 蜂蜜 33
2 草加割れ煎餅 26
3 チーズケーキ・どら焼きセット 18
4 冷凍総菜セット 16
5 つむぎうどん 13
6 梨カレー 14
7 寒梅吟醸酒詰め合わせ 12
8 ミルキークイーン 11
9 プレミアムアイス 10
10 手作りジャムセット 8
以下省略
84
   57
  久喜マラソン出走権

 返礼品は、コシヒカリ、彩のかがやき、キヌヒカリなどの米、幸水や豊水などの梨が多いのですが、これらを目当てに寄付金が殺到するまでの人気には至っていません。
 近隣自治体では、加須市1000万円、幸手市1000万円、白岡市9000万円、宮代町1億1000万円で、その多くはリピーターと新規の寄付者で、多くは年々増加しています。久喜市のふるさと納税がなぜ増えないのか、久喜市の返礼品が魅力がないのか、久喜市が人々の関心を集めないのか、市の担当課ではまったく分析ができていないようです。

 一方で、久喜市民で約2000人が全国各地の自治体にふるさと納税をしていて、総額では2億円にのぼります。
 その市民税の控除額は、2016年度で5447万円、2017年度は9261万円に達していて、ふるさと納税による久喜市の財政の収支は大幅なマイナスとなっています。

ふるさと納税の位置づけから見直すべき

 寄付者が激減しているとはいえ、それでも久喜市にふるさと納税をしてくれている人は、単に返礼品目当ての寄付ではなくて、久喜市に何らかのつながりがあって、「久喜市を応援しよう」という気持ちを持ってくれている人々です。
 だとすれば、久喜市のふるさと納税の取り組みを根本から見直す必要があります。
 私は2月議会で、寄付者の大幅増が見込めないとすれば、その位置づけを見直していくよう提案しました。
 それは、単に返礼品目当てに一過性の寄付を増やすことをめざすのでなく、久喜市に積極的な応援をしてくれる人と位置づけて、その人々と継続的なつながりを作っていくことの方が、長い目で見て、久喜市の活性化に役立っていくのではないでしょうか。
 たとえば、多くの市ではふるさと納税の応募者に対して継続的に年1回ずつ広報紙や観光案内を送っていますし、福島県飯舘村や四国のある村では、寄付者に【特別住民票】を発行して村との絆を持ち続ける取り組みを始めました。
 久喜市も寄付をしてくれた方々に「特別住民票」を発行して、継続的なつながりを持つようにして、提灯祭りや久喜マラソンの観覧券や招待券を送ったらいかがでしょうか。
 寄付者に久喜市の応援団になってもらうというアイデアを提案したのですが、残念ながら、久喜市の行政はそういうアイデアには関心がないようです。



【2月市議会】 久喜市の新年度予算 おもな新規事業
『声と眼』545号 2018/1/26

◇青葉団地内の空き店舗を改修して地域交流センターを移転 3533万
◇あおば保育園を地域交流センター跡地に移転改築するための設計費 2994万
◇あおばっこ学童クラブを青葉小に移転へ空き教室改修 2億359万
◇桜田小学校学童クラブ施設整備2億7808万
◇待機児童解消のために私立保育所施設整備費補助 2億9508万、小規模保育改修費補助 3300万
◇不妊検査・治療費助成 902万
◇障害者のための防災マニュアル作成 140万
◇ふれあいセンター雨漏り対策工事 470万
◇久喜東中プール改修 1291万
◇久喜地区デマンドタクシー実証実験(高齢者・障害者等にタクシー料金半額助成)2210万
◇南2・3丁目に“ゾーン30”を整備 350万 ◇江面農村センター雨漏り対策 2500万
◇ごみ処理施設整備基本計画の策定と生活環境影響調査 5895万
◇し尿処理施設整備基本計画策定 974万

旧理科大校舎改修、給食センター建築も

 旧理科大の特別教室棟改修工事費 4億2072万円。来年4月に生涯学習センターを開設します。
◆現在、旧理科大校舎に教育委員会(教育部)が仮移転していますが、さらに本部・教室棟の改修を進め、2020年に教育センター、児童館子育て支援センター、こども図書館を開設する予定です。
これらの改修工事に約9億円を予定していて、2016〜20年度までの改修費用総額は16億1409万円にのぼる見込みです。

 理科大跡地の東側部分に、学校給食センターを建設する工事費9億3599万円が計上されました。
2018〜19年度の2年間で35億円を予定しています。

久喜市の2018年度一般会計予算 (単位:千円)
歳 入
2018年度 2017年度 増減
市税 222億0180万3 220億1827万3 1億8353万0 0.8%
地方譲与税 4億3400万0 4億3300万0 100万0 0.2%
利子割交付金 2300万0 2200万0 100万0 4.5%
配当割交付金 8000万0 1億2000万0 ▲4000万0 ▲33.3%
株式等譲渡所得割交付金 4800万0 1億2300万0 ▲7500万0 ▲61.0%
地方消費税交付金 23億1900万0 22億9700万0 2200万0 1.0%
自動車取得税交付金 1億5300万0 1億2700万0 2600万0 20.5%
地方特例交付金 1億0400万0 9900万0 500万0 5.1%
地方交付税 43億8000万0 41億8000万0 2億0000万0 4.8%
交通安全対策特別交付金 2310万3 2384万3 ▲74万0 ▲3.1%
分担金及び負担金 4億2392万5 4億3707万4 ▲1314万9 ▲3.0%
使用料及び手数料 3億1349万2 3億2128万4 ▲779万2 ▲2.4%
国庫支出金 71億2517万5 66億3765万2 4億8752万3 7.3%
県支出金 30億8712万5 28億7156万5 2億1556万0 7.5%
財産収入 1334万9 1327万8 7万1 0.5%
寄附金 1210万1 1210万2 ▲1 0.0%
繰入金 28億1060万2 30億6910万2 ▲2億5850万0 ▲8.4%
繰越金 4億0000万0 4億0000万0 万0 0.0%
諸収入 11億7132万5 11億6432万7 699万8 0.6%
市債 47億9000万0 47億8050万0 950万0 0.2%
499億13000 491億5000万0 7億6300万0 1.6%
歳 出
議会費 3億5908万2 3億5795万3 112万9 0.3%
総務費 56億0864万0 57億4313万9 ▲1億3449万9 ▲2.3%
民生費 206億1516万4 188億2412万0 17億9104万4 9.5%
衛生費 40億5290万8 42億4764万4 ▲1億9473万6 ▲4.6%
労働費 億1316万5 億1251万4 65万1 5.2%
農林水産業費 9億1657万4 7億2362万5 1億9294万9 26.7%
商工費 3億6074万3 4億7140万7 ▲1億1066万4 ▲23.5%
土木費 50億0666万2 60億8558万7 ▲10億7892万5 ▲17.7%
消防費 27億4152万5 28億6126万1 ▲1億1973万6 ▲4.2%
教育費 53億0529万1 44億2768万5 8億7760万6 19.8%
災害復旧費 4 4 0 0.0%
公債費 47億0988万1 51億7380万2 ▲4億6392万1 ▲9.0%
諸支出金 1億2336万1 1億2125万9 210万2 1.7%
予備費 1億0000万0 1億0000万0 0 0.0%
499億1300万0 491億5000万0 7億6300万0 1.6%