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【2月市議会】 余熱利用施設と公園に130億円
『声と眼』668号 2024/3/26

 市は新ごみ処理施設の隣接地に、「余熱利用施設・本多静六記念公園」を一体的に整備して、2027年に同時にオープンさせる計画です。
温水プール、温浴施設(大浴場・露天風呂・サウナ)、ホール、レストラン、トレーニングルーム、ランニング/ウオーキングコース、健康遊具、バーベキュー広場、遊びの丘、森や噴水・池を配し、ごみ処理施設の屋上庭園へつながるコースは「天空へ続く道」だそうです。
ランニングコース、集会や研修施設は3施設それぞれに設置する計画で、本当にこんなに豪華な施設が必要なのか疑問です。

 2月市議会に、余熱利用施設と公園の建設費83億円と20年間の運営費用47億円の一括委託契約が提案され、賛成多数で可決されてしまいました。
新ごみ処理施設(建設と20年間の運転費用合計は422億円)と、余熱利用施設・公園を合わせた建設と20年間の運営費用総額は550億円にものぼり、久喜市は今後毎年25億円もの負担をしていかなければなりません。

 新年度予算で小中学校校舎や公共施設の維持補修・改修費35億円の財源を取り崩したため、財政調整基金はわずか240万円しか残っていません。
アセットマネジメント基金など基金積立金総額は80億円から20億円にまで急減してしまいました。
これほどの財政危機を招いた市当局の責任は重大です。しかしどんなに財政が厳しくても、福祉の予算や学校校舎の雨漏りなどの維持補修費は絶対に削れません。
市長はいったんすべての新規事業をストップして、不用不急の事業の見直しから始めなければなりません。


【2月市議会】 圏央道のスマートインターチェンジ整備
久喜市の負担は31億円!?
2024/3/12

   3月6日、市議会圏央道対策特別委員会が開かれて、仮称・久喜東スマートインターチェンジの進捗状況の報告がありました。
 市ではこれまで、『2024年度に国交省で「事業採択」されることを目指す』と言ってきましたが、結局「不可能」な情勢であることがわかりました。
 市が設置を目指しているのは、久喜駅東側の《古利根川水処理センター(下水処理場)》の東側、葛西用水と中落とし堀の合流地点付近です。
 久喜駅東口から大通りを延伸して葛西用水を渡って杉戸町方面へ抜ける計画で、圏央道の高架から接続道路を整備するとしています。
 2022年の時点では東京方面だけのハーフインターの構想でしたが、その後、フルインターチェンジ規格に変更しました。
 ハーフ規格の場合は、高架の接続部分から下の市道まですべての工事費数十億円が久喜市の財政負担となりますが、フル規格なら高架下の料金所から市道までだけを市で負担すればいいので、7000万円〜1億円の負担で済むという目論見でした。

 ところが、国は高架の本線からフル規格でのインターチェンジ建設は、工事費が巨額にのぼるので、そもそも国交省で事業採択される見通しはほとんどないことがわかりました。
 そこで、国の愛生負担を抑制するためには、市が負担するしかないのですが、その場合、フルインターの規格では総工事費は118億円で、国の支出が60億円余、市の負担が半分近いの52億円にのぼります。
 スマートインターチェンジでの整備で、国の基準では40億円以下でないと採択とはならないと言われているので、これでもとうてい無理な話です。
 そこで市は、「将来フル規格にすることを前提として、当面は東京方面だけに出入りできるハーフ規格」で整備する方針を目指すと、方針転換を図っています。
 もっとも、「フル規格を前提としたハーフ規格での整備」でも、総工事費が66億円、久喜市の負担は31億円にのぼります。
 国も採択することはないでしょうし、久喜市もそんな膨大な負担をする財政的余裕はありません。

 市は、最初は議会に対して1億円以下の負担でできるのだからと言って説明しておいて、今になって「市の負担は30億円でできる」と言い出したのは容認できません。
 市長は選挙公約に掲げて最初は安くできるように見せかけておいて、いったん走り出したら、たとえ市の財政負担がいくら膨らもうと、止まることは絶対にない姿勢でしょうか。
 フルマラソン大会と同じように、実現性のない公約にしがみついて、人件費と事業費を無駄遣いするのはやめた方がいいのではないでしょうか。

 市は幸手市や杉戸町、宮代町と共同で推進のための「設置促進協議会」を13日に発足するとしていますが、実現性が不明なのに、宮代町や杉戸町が建設費を財政負担してくれるのでしょうか。
 幸手インターチェンジが近くにあるのですから、葛西用水などの側道に橋を架けるだけで、便利に幸手インターに行けることになります。
 市民の利便性はそれで十分ではないでしょうか。


【2月市議会】 余熱利用施設と豪華な公園の契約議案130億円
設計・建設費83億円、20年間の管理運営費47億円
2024/3/11

  新ごみ処理施設は2027年度に稼働する予定で建設工事が始まっています。
 市は隣接地に、余熱利用施設と本多静六記念公園を建設する計画で、ごみ処理施設と同時オープンの予定です。
 2月市議会に、余熱利用施設・本多静六記念公園一体整備事業の契約が提案されました。
 設計と工事、完成後20年間の管理運営の費用の総額は130億734万円で、戸田建設を中心にした共同企業体に一括して委託します。
 委託料の内訳は、設計・建設費が83億1152万円、20年間の維持管理運営費用が47億6190万円です。

 この余熱利用施設と公園の委託事業は、昨年2月に事業実施方針が公表されてから、4月に入札公告で、設計・整備工事・運営の一括提案書の募集が行われ、8月までに4つの企業グループから参加の表明がありました。
 しかし9月の締め切りまでに「提案書」の提出があったのは1グループだけで、結局、戸田建設を中心としたこの1グループの提案が「最優秀提案者」として採用することが決定し、11月末に落札者が決定しました。

 今後、25年度半ばまでに一体整備事業の設計を終え、その後、工事に入ります。
 新ごみ処理施設も、施設の半分を山で覆ったり、屋上庭園、光る煙突、ランニングコースを配置するなどで全国にあまり例を見ない贅沢な施設で、入札に参加した3グループの中で最高に贅沢な設備を提案した事業者が落札しました。
 工事費も実質的に最高額で、建設費総額276億円、20年間の運転費用と合わせて422億円にまで膨らみ、市民の批判を浴びています。

 今度はその隣接地の余熱利用施設に、温水プール、温浴施設(大浴場・露天風呂・サウナ)、コミュニティホール、レストラン、トレーニングルームなどを整備する計画です。
 公園も、エントランス、ランニングコースとウオーキングコースを別に設置、健康遊具、バーベキュー広場、子ども向けの遊びの丘、森や噴水・池、こちらにもまたセミナールームを設けるなど、贅沢豪華な公園です。
 ランニングコースはごみ処理施設、余熱利用施設、公園に配置され、集会や研修、セミナーのための施設も3施設それぞれに別々に設置するなど、本当にこんな豪華な施設が必要なのでしょうか。
 新年度には市の財政調整基金や減債基金が実質的にゼロになるなど、市の財政が逼迫しているのに、これからこんな予算の使い方をして、将来の市民サービスが維持できるのか、市民から批判が出るのは必至です。 
【ブログ 「変」だ】 余熱利用施設と本多静六記念公園の構想図】


市長は市議会で「原稿を読みあげるだけ」か
梅田市長の暴言に、謝罪・取り消しを求める動議を出した
『声と眼』667号 2024/3/7

 市長が公約に掲げていた「フルマラソン大会」は実現性がまったくないことが明らかになって、1月にようやく撤回されました。
今議会でも代表質問や一般質問で多くの議員が取り上げましたが、2月29日の一般質問で市長のトンデモ発言が飛び出しました。
宮崎議員が『断念したフルマラソンの総括をしなければならない』として梅田市長の見解を求めたのに対して、市長は部長に答弁させて知らん顔を決め込みました。
宮崎議員が『市長に答弁を求めます』と食い下がると、市長は『(原稿を)読み上げるだけだ』『読み上げる役割が変わるだけだ』と暴言を吐きながら、しぶしぶ答弁に立ちました。

 本来、議会は議員も市長ら執行部も、自分の言葉で議論する場であって、単なる原稿(台本)を読み上げる場所ではありません。
そこで私は、『市長が原稿を読み上げるだけだと言ったのは議会軽視であり、市民の期待も裏切るものである。市長は反省し謝罪して発言を撤回するよう求める』動議を発議し、全会一致で可決されました。
その後、市長が発言を取り消して、『混乱を招き失礼した』と謝罪しました。

 市長は議会で答弁を求められても、部長に答弁させてすませてしまうことがよくあります。
しかし事務的な説明ならいざ知らず、政治姿勢や施政方針に関わる問題などは、政治家なら自分で答弁するべきです。


マラソンコース案「非公開処分」を取り消し
『声と眼』655号 2024/2/2

 市長が強引に進めようとしたフルマラソン大会はようやく「中止」が決まりましたが、コースなどの検討過程も市民の知る権利を無視したものでした。

 2022年度にコース案の検討を民間委託し、3月には検討結果が市に提出されていたのですが、コース案の地図は市民に対して「秘密」扱いで公表されませんでした。
本来、市が税金を使って調査して作成した文書ですから、市民に公開するのがあたりまえです。
そこで私は「コース案」を情報公開請求しましたが、4月にほとんど真っ黒に墨塗りされた図面が交付されました。
次の手段として、昨年6月に市の第三者機関である情報公開審査会に、フルマラソンコース案の全面公開を求めて「異議申し立ての審査請求書」を提出しました。
その後、市から弁明書が届き、私から再度の反論書を提出して、10月には申立人として審査会に出席して意見陳述を行いました。

 市はフルマラソンコース案を公開しない理由を、
(1)検討過程の情報が明らかになると、沿線住民から交通規制に対して反対運動が起こるかも知れない、
(2)市の自由な発想や創意工夫ができなくなって、能率的な事業遂行が損なわれる、
(3検討過程で市民の意見を聞く必要はなく、決まってから市民の理解を得ていけば良い、というのです。
しかし検討過程の情報が漏れると反対運動が起こって市の事業遂行に支障が出るなどというのはとんでもないこじつけです。
むしろ市民の意見を聞きながらコース案も含めてマラソン大会のあり方を検討していくべきで、市民には決まってから知らせればいいというのは、市民参加の市政とはほど遠いと言わざるを得ません。

 情報公開審査会は6回の審査を重ね、12月27日に『コース案を非公開とした行政処分を取り消し、公開すべきである』とする答申が提出されました。
審査会では『コース案を公開して市民から多くの意見が寄せられても、それによって市の能率的な事業遂行を阻害するとは認められない』として、市が非公開とした理由を全面的に却下しました。

 この答申を受けて1月24日に梅田市長がコース案を非公開とした行政処分を取り消し、市からマラソンコース案の地図がやっと公開されました。

 市がいったん非公開とした行政処分を、審査会に異議申し立てして全面的に覆して公開させたのは、久喜市の情報公開の歴史で初めてです。
政策検討の過程は市民には秘密に進めて、行政だけの判断で決定して、市民には決まってから知らせればいいという市政の体質を変えさせていく第一歩です。

 しかしそれでも大きな疑問が残りました。昨年12月に審査会が『公開』の答申を出したのに、市長が『非公開処分の取り消し』を決定したのは1月24日でした。
すぐに公開すべきだったのに、1か月近くも遅らせたのです。この間、何らかの法的措置を取って公開しないですませる方法を探っていたか、あるいは何らかの理由からどうしてもコース案を知られたくなかったので、時間かせぎをしていたとも考えられます。
実際、公開されたコース案の地図は、税金を使って作成したにしては、警察からも問題点を指摘されるなどして使い物にならないものでした。

参照⇒【「変」だ】久喜フルマラソンの「幻に終わったコース案」へのリンク


ようやくフルマラソン断念に追い込んだ
『声と眼』655号 2024/1/31

 29日に開かれた市議会全員協議会で、市長が『来年度フルマラソン大会の中止』を表明しました。
2年前の市長選でフルマラソンを公約に掲げて、コース案の検討に着手、25年度にプレイベントの開催を打ち出してきましたが、市民の反対の声が次第に強まっていました。
警察との協議では、国道や主要県道を長時間ストップするため迂回路の確保や警備員の増員を求められ、当初1億円余と見込んでいた経費が大幅に膨らむ見通しになっていました。
市議会では市民の政治を進める会や共産党、無会派議員からも『税金のムダ遣いは許されない』と再三にわたって中止を求め続け、さらにプロランナー川内優輝氏から反対表明も飛び出して、ようやく梅田市長の独りよがりのフルマラソンを断念に追い込むことができました。

 これまでフルマラソンの準備のために、市職員の人件費を除いて、22年度44万円、23年度にはプレイベント準備経費774万円を計上してきました。
これからかかった経費の精算を行うことになります。

 市長は苦渋の決断で『現在計画してきたフルマラソンは実施しない』と表明したものの、その後で、『(別の形で)スポーツイベントを実施したい』と述べました。
これが何を意味するのかわかっていません。
フルマラソンはやめるけれど、現在の久喜マラソンの継続に加えて、さらに別の形のマラソン大会を作る考えではないかという観測も出ています。
市長のメンツのために行政をこれ以上混乱させるべきではありません。

 他方、3月に開催する久喜マラソンは5000人の定員に対して応募は3280人にとどまり、このままでは昨年度に続いて市民の税金から補助金の追加支出が避けられません。

これまでやってきたイベントだからといって漫然と続けるのでなく、現行の久喜マラソンについても目的や理念、開催方法も見直して立て直していくべきではないでしょうか。

★梅田市長のフルマラソン実現を後押ししていた市長与党の議員たち。
市長が断念を表明した今になって、『実は私たちも難しいと思っていた』とSNSに書き込んだ人もいる。
要するに何でも市長の言う通りってことだ。★


【9月市議会】 一般会計補正予算に反対の討論をしました
2023/9/30

 8月28日、9月定例会議の最終日で、議案に対する討論で、一般会計補正予算に対して反対の討論を行いました。

【反対討論】 議案第22号 一般会計補正予算に対する反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 反対する項目はただ1点だけ、東鷲宮駅東口の「立体通路等」のエスカレーターの設置費9420万円です。

 反対理由は、「立体通路自体が必要ない」の一言に尽きます。
 東鷲宮東口駅前に、商業施設ヤオコーが出店する、その2階に、地下通路から上がってきてさらに2階へ上がる、エレベーターを設置して、駅前道路を、またいでつなぐという計画です。
 市の利用人数見込みによると、駅広場側から桜田複合施設へ上がる、その方向だけの利用者が、1日1600人、その内の公共施設利用者はわずか100人で、通勤者は駅から降りてきて商業施設の東側近隣の住宅へ帰宅するために利用する人が900人、商業施設利用者が600人と見込まれています。
 この見込み人数自体がきわめて課題である。
 夜間に帰宅する人が道を渡るためだけにわざわざ立体通路のエスカレーターをのぼって、商業施設のエスカレーターか階段を下りるなどという人がどれだけいるか、
 駅の西側から徒歩で来て、あるいは駅から電車で来て商業施設に行くために、立体通路を上る人が600人もいるという計算には無理があります。
 そして、複合施設側から商業施設を通らずに立体通路で駅方面に帰る人や、商業施設の東から利用する人は全く想定されていないということは、市ですら、朝は使う人はいないだろうと考えているということです。
 そのために、立体通路に5億円もかけるなどというムダ遣いが、市民の理解を得られるはずはありません。

 そもそも、商業施設が30年間の定期借地契約で、その後はわからないということは、市が設置する立体通路も30年間で想定せざるを得ないわけで、将来見通しも立てずに、今だけ豪華にあればいいと言う、全く場当たり的な公共施設計画です。
 30年後には、おそらくは市長も、ここにいる部長たちも、議員のほとんどもいなくなっているわけで、将来へ向けて、あまりにも無責任な計画です。

(1)建築基準法12条点検による是正措置の修繕等
・鷲宮総合支所庁舎外壁修繕工事の設計 847万円
・くりはしコミセン 調理室レンジフードの交換工事 44万円
・児童センター外壁修繕 貯水槽架台修繕 33万円
・鷲宮児童館外壁修繕
・久喜中学校 屋上防水の設計 241万円 → 工事は来年度夏休み
・久喜中 空調設備設置工事の設計 198万円 → 工事は5月までに完了
・鷲宮中学校空調設備等設置工事の設計 198万円 → 5月までに完了
・中央幼稚園 屋上房水改修工事 当初予算1036万円+672万円 シート全面張り替え

【9月市議会】 東鷲宮駅東口に豪華歩道橋 必要ですか
『声と眼』658号 2023/9/22

 市は東鷲宮駅東口に「桜田複合施設」を設置する計画です。
イオンが撤退した跡地にヤオコーがスーパーを建設中で、その2階部分を賃借して住民票などの行政窓口とコミュニティセンター、子ども遊び場(運営は民間委託、有料)を整備する予定です。

 東鷲宮駅東口広場から複合施設へつなぐ屋根付き歩道橋も着工されました。
エレベータ・エスカレータ(上りだけ)付き、建設費5億円で、市は歩道橋を渡る見込み人数を1日1600人と発表しました。
内訳はヤオコー買物客600人、通勤通学900人に対して、公共施設利用者はわずか100人だそうです。
これではまるでヤオコー買物客のために5億円もの税金を使うことになります。
しかも駅前の道路は信号も歩道もあって車の通行量も少ないので、道を渡るためだけにわざわざ歩道橋に上がる通勤者や買物客がそんなにたくさんいるとは考えられません。
完成後には閑散とした豪華歩道橋が残るだけではないでしょうか。

賃借料30年で16億+歩道橋5億円

 市は駅前の複合施設が完成すれば、現在の鷲宮東コミセン(さくら)は廃止する予定です。
しかしヤオコーの建設用地は30年の定期借地契約なので、その後も公共施設を継続して維持できるかは決まっていません。
市の賃借料は年5500万円とされていて30年で16億円を超えます。
歩道橋と合わせて20億円もの税金を費やすよりも、鷲宮東コミセンを改修して行政窓口を併設した方がいいのではないでしょうか。

マラソンコース案非公開 異議申し立てしました
『声と眼』657号 2023/9/9

 市は2024年のフルマラソン大会実施を目指して、昨年度予算でコース案の検討を委託しました。
私は委託業者から提出されたフルマラソンコース案を公開請求しましたが、4月にほとんど真っ黒に墨塗りされた図面が交付されました。
市が税金を使って調査して作られた書類ですから、本来は市民に公開するのが当然で、「秘密」にするなんてとうてい容認できません。
そこで私は6月に情報公開審査会に「異議申し立ての審査請求書」を提出しました。
8月に市から『弁明書』が提出され、それに対してさらに『反論書』を提出しました。
今後、10月に情報公開審査会で審査が行われます。

 市は『弁明書』で非公開とした理由を次のように書いています。

 『現状として市が意志決定を行う前の検討資料であり、未確定な情報となる。コースが確定していない中で本情報を公開することは、あたかもコースが決定したかのような印象を市民等に与え、コース沿道の市民や企業等の混乱を招くおそれがある。
また、未確定の状態であるにも関わらず、苦情や反対運動に繋がった場合、警察署等との協議の機会が不当に損なわれるおそれが生じることとなる。』
『市が意志決定を行う前の未確定情報であり、このような試行錯誤段階のものを公表した場合、交通規制によって見込まれる影響に対する意見が多く寄せられることが想定され、市がランナーにとって魅力あるコースを設定するための自由な発想や創意工夫の機会が不当に妨げられ、能率的な遂行を不当に阻害するおそれが生じることとなる。』
『コース決定については、沿道の市民や企業等に説明し理解をいただいた上で決定するものではなく、警察等の関係機関との調整により決定したコースについて、関係者等に丁寧に説明し理解を得ていくものである』。

 そもそも業者から提示されたコース案は2案あるのですから、そのまま公開しても、『確定したもの』と誤認されるはずはありません。
むしろ『案』の段階で公表して、関心のある市民やランナー当事者の意見を聞いて、よりよいコースを検討していくべきではないでしょうか。
今回の『弁明書』では、コースは市民等に説明し理解をいただいた上で決定するものではなく、決定した後で説明して理解を得ていくものだと断言しています。
これでは行政が決定してしまえばその後は説得して押し通すだけということになり、市民参加の市政とは無縁です。
また決定前に市民に公表すると、行政執行が『不当に妨げられ』『不当に阻害される』かのようにも言っています。
案の段階で市民に漏れると『混乱』を招いたり、『苦情や反対運動に繋が』るなどと決めつけるのは、久喜市行政が市民を信用しないということです。
これまでの久喜市政は多くの政策を決定していく過程で、市民参加の審議会やパブリックコメントで市民の意見を反映する仕組みを作ってきました。
これに対して、「市の政策や方針は市民の意見などは聞かずに決めてしまった方がいい、決定してから市民に知らせればいい」というのが、今の久喜市政のホンネでしょうか。

【9月市議会】  「道の駅 久喜」直売所は4年後に
『声と眼』657号 2023/9/8

 8月23日の市議会全員協議会で、「道の駅 久喜」の基本構想が発表されました。
現在のJA菖蒲グリーンセンターの周辺に、休憩施設やトイレの他、フードコート、農産物直売所、広場とイベントスペース、サイクリング施設等を設ける計画です。

 これまで議会では、近くの圏央道菖蒲パーキングエリアと連結して整備してはどうかというアイデアもありましたが、基本構想ではグリーンセンターの拡張・大規模化にとどまりそうです。
今後、施設の設計などを進めて2026年から着工し、農産物直売所・フードコートは27年に先行して開業する計画です。
その他の関連施設は30年度までの整備をめざします。

 「サイクリング施設」は、県などが整備している見沼代用水のサイクリングロードと連携して、シャワーやロッカールームなどを設ける構想です。
「道の駅久喜」の予定地は見沼代用水から1.5q以上離れていますから、それを結ぶ自転車道の整備も必要になってくるのではないでしょうか。
ニーズ調査を行った上で構想を作っていく必要があります。

東鷲宮駅前に賃借で「複合施設」
『声と眼』657号 2023/9/7

 東鷲宮駅東口のイオン跡地に、ヤオコーが新たな商業施設を建設中です。
2階の一部を市が賃借して「桜田複合施設」を設置し、住民票などの行政窓口、コミュニティセンター、子育て支援施設を置く計画です。
市が支払う年間賃借料の“目安”は5500万円と言われていますが、まだ決まっていません。
賃借料も決まっていないのに工事が始まって既成事実化が進んでいます。

 「子育て支援施設」は子どもの屋内有料遊び場のことで、民間委託で運営します。
コミュニティセンターは900u程度で、この施設が完成した後に現在の東鷲宮コミュニティセンター(さくら)は廃止することになっています。
集会施設としては大幅に狭くなってしまうので、疑問の声が出ています。

 東鷲宮駅東口広場からこの複合施設に直結する屋根付き立体通路を作ることになっています。
9月市議会で、エレベーターに加えてエスカレーターも設置するための補正予算9420万円が計上されました。
設計費、建設費を合わせて全部で5億円以上の事業費を予定しています。
市民からはこんな豪華な立体通路は必要ないという声が出ています。
東鷲宮駅前の市道は交通量も少なく信号と横断歩道があり、複合施設の中にもエレベーターやエスカレーターがあります。
買い物や公共施設に駅を通っていく人は少なくて、多くは車や自転車で行くのでこの歩道橋を使う人はあまりいないのではないでしょうか。

フルマラソンコース案は秘密 なぜ?
『声と眼』651号 2023/5/23

 市は2022年度予算で、フルマラソンコースの調査検討を業者に44万円で委託していました。
3月15日に調査結果が出たので、さっそく市に情報公開請求しましたが、「部分公開」と言いながらほとんど真っ黒に墨塗りされたのり弁状態のコース図面が公開されました。
交付された文書の「公開することができない理由」欄には何も書かれていませんでした。


 市民の税金を使って委託したフルマラソンのコース調査の結果を、市民に公開できないというのはとうてい理解できません。
23年度一般会計当初予算で、フルマラソンの準備経費として774万円が計上されています。
コース案や実現可能性について市民にまったく説明せず、秘密裏にフルマラソン大会開催の準備を進めていこうというのでしょうか。

 フルマラソンコース案は2案が提出されたようです。
第1案は久喜-菖蒲-鷲宮地区のコースで、フルマラソン(参加費1万3000円)、ハーフ(7500円)、10q(4500円)、親子(2500円)となっています。
ハーフ以下は市民マラソンと重複しているのに参加費が高く、これで人が集まるのでしょうか。
第2案は菖蒲地区の周回コースですが、参加費を安くしても参加者が集まらないという見込みです。開催費用は1億円と算定されています。
すでに久喜市民マラソンがあるのに、無理してフルマラソンをやる意味はありません。

★2月議会で、フルマラソンの準備費用の予算に対してある議員は『市長がやりたいって言うんだから、1億円ですむんならやらせてやればいい』『市長に反対して恨まれることはない』と言ったそうな。
正論が通らない議会だ、★

フルマラソンコース案は「非公開」
2023/4/20

  市は2022年度予算で44万円をかけて、フルマラソンコースの調査・検討を業者に委託していました。
 3月15日に調査結果が提出されたので、さっそく市に情報公開請求したところ、「一部公開」として、真っ黒に墨塗りされた『のり弁』状態のコース図面が公開されました。
 市民の税金を使って委託したフルマラソンのコース調査の結果が、市民に公開することができないというのはとうてい理解できません。
 2023年度一般会計当初予算で、フルマラソンの「準備経費のための予算774万円」を計上されています。
 コース案や実現可能性については市民に秘密にしたまま、こっそりとフルマラソン大会開催の準備を進めてしまおうというのでしょうか。

 久喜フルマラソンコース案は2案が提出されました。
【コース案(1)】
 久喜地区を中心に菖蒲地区にわたるコースになっています。(黒塗りされた地図の部分から推測しました)
 フルマラソンのみ陸連公認で、ハーフマラソン、10qコース、親子ランのコースを取るとしています。
 マラソン大会開催費用は1億994万円、7000人が参加すると見込んで、参加費7600万円と見積もっています。

【コース案(2)】
 菖蒲地区の周回コースで、図面を見たという人の話によると2周することになっていると言われます。
 フルマラソン、ハーフマラソンとも公認は取れないで、10q、親子ランを合わせても1000人余の参加にとどまると予想しています。
 開催費用は7062万円で、その内参加費は770万円と見込んでいます。

 コース図面は黒塗りにされたため、正確にはわかりませんが、この調査によると、 【コース案(2)】の菖蒲地区でのフルマラソンは陸連公認は取れず、ほとんど実現性はないと判断されます。
 【コース案(1)】の久喜〜菖蒲地区をまたぐコースは、公認は取れる可能性があるとされていますが、参加者7000人というのは皮算用に過ぎません。
 市長は久喜市でフルマラソンを実施する大義名分として、「世界遺産 見沼用水を記念して久喜市をPRする」と言っていますが、このコース案では「見沼用水」の印象は薄くなります。
 しかも、ハーフや親子ランは、現在も行われている「久喜マラソン」と重なってしまうので、1年の1シーズンに同じようなマラソン大会を重複して開催する意義はありません。

【2月市議会】 フルマラソン予算削除の修正案は否決
『声と眼』649号 2023/4/3

 2024年度に「久喜市でフルマラソン大会」開催をめざして、新年度予算に774万円の準備費用が計上されました。
「久喜市のPRが目的」と言いますが、億単位の費用がかかると言われるフルマラソンを、久喜市で税金を使ってやる意義はありません。
しかもオリンピック後は全国的にマラソン人気が低迷していると言われていて、昨年実施したコース調査のためのクラウドファンディングは全国からの寄付がわずか5人で7万円!?
 今年3月の久喜市民マラソンも予定の半分の3000人の参加にとどまりました。
フルマラソン大会は白紙から見直すべきです。
税金のムダ遣いには市民の理解も得られません。

 市長は市議会で『時期を見極める(24年度開催は見送る)』『代わりにプレイベント(ハーフマラソン)を実施する』と述べました。
市民マラソンを3月に開催する上に、同じシーズンにもう一つのハーフマラソンを菖蒲地区で行うというのです。
久喜市で2つのハーフマラソンも必要ありません。

 3月20日の本会議に、猪股・川辺・田村議員で一般会計予算に対する修正案(フルマラソン準備経費774万円を削除)を提出しました。
カゲでは“市長が止めるって言えばいいんだけど”なんて語る議員もいたのですが、採決では賛成少数で否決されました。
議員は市長への忖(そん)度(たく)をやめて、もっと市民の声を聞くべきです。

【修正案に賛成 8名】 市民の政治を進める会、共産党、無会派、新しい風の貴志・宮崎
【修正案に 反対 18名】 みらい、あさかぜ、公明党、新しい風の春山・瀬田

【2月市議会】 市長はなぜ、そんなに、「フルマラソン」をやりたいのか
2023/3/9

  久喜市の新年度予算に、2024年にフルマラソン大会を開催するための準備経費として774万円が計上されました。
 新年度に、民間事業者に委託して、コース図の作成や警備計画の策定などを進める予定です。
 しかし、3月26日に実施する第8回久喜マラソン大会の応募は6000人に対して半分にとどまっていて、久喜市で税金を使ってまで、フルマラソンを主宰する意義があるのか疑問の声が高まっています。

 議会でフルマラソンの中止や見直しを求める質問が相次いだため、市長は「開催時期を見極める」と述べて、24年度の開催はむずかしいという判断を表明せざるを得ませんでした。
 しかし市長はフルマラソン大会を、開催年度を先送りしてでもあくまでも実施する姿勢を崩していません。
 予算に計上した774万円を使って、あくまでも開催準備を進める方針です。

 コース図や警備計画だけは先に作っておきたいというのは、市著の面目を保っておきたいということでしょうか。
 開催を先送りして、いつ実施できるかも見通しもなしに、準備だけを進めるというのは、税金のムダ遣いと言わざるを得ません。

 市長はさらに、24年度のフルマラソン大会の開催を見送る代わりに、「プレイベント」を実施したいと言い出しました。
 「プレイベント」はフルマラソンのPRや、コロナ禍でどのくらい集まるか参加状況を見たい、スポンサー企業を募集するなどの効果を狙いたいようです。
 久喜マラソンと同じハーフマラソンをやりたいらしいのですが、『1年間にハーフマラソンを2回もやるって本気?』『本当に税金を使ってやる意味があるの?』、疑問の声がますます拡がっています。

 私は、市議会最終日に、「フルマラソン準備のための774万円の予算」を削除する、一般会計予算の「修正案を提案する準備を進めています。

市民マラソンの税金支出は2倍に膨らんだ

 市民マラソンは昨年の当初予算で849万円でしたが、参加者が募集の半分で参加費収入が少なかったため、市で経費を補填するため補正予算で791万円が計上されました。
 久喜マラソン大会開催のための市の支出は1641万円にも膨らみました。

【2月市議会】余熱利用・本多静六記念市民の森公園施設どうなる?
『声と眼』647号 2023/3/1

 市は新ごみ処理施設に隣接して、「本多静六記念市民の森・緑の公園および余熱利用施設」を一体的に整備する計画です。
これらの施設の設計と建設、運営を総合的に民間事業者に委託する方針で、2月に「実施方針」が公表されました。
今後、参加を希望する事業者からの提案を募集(プロポーザル方式)します。2023年度中に事業者を決定し、25年に着工、27年に供用開始の予定です。

 「市民の森・緑の公園基本計画」は2017年に策定され、23年には完成の計画でした。
当時もコンサルタントに委託し、2年をかけて市民参加の検討委員会で具体的な計画が決定されましたが、市長交代に伴って全面的見直しとなりました。
当時の計画【図1】は撤回され、新たに事業者から計画案を募集して審査することになります。

 新たに整備する施設【図2】は今のところ大まかなイメージ図だけしか公表されていません。

 (1)余熱利用施設…プール(25mプール、流水プール、スライダー、幼児用プール等)、大浴場・サウナと広間、トレーニングルームとフィットネススタジオ、カルチャー施設(会議室やカラオケ)、レストランまたはカフェ、
(2)公園…ウォーキング・ランニングコース、芝生広場、大型複合遊具・幼児用遊具・健康遊具、BBQ、水遊び場、本多静六記念の森、調整池などを整備するとしています。
設計はこれからですが、これらの建設費と完成後20年間の運営費総額は130億8993万円にものぼる見込みです。

 同じ27年度に稼働予定の新ごみ処理施設の総費用が20年間で422億円ですから、これらが市の財政を圧迫する怖れがあります。
またスーパー銭湯などが民間で整備されてきているのに対抗して経営が成り立つのでしょうか。
余熱利用施設や公園は民間事業者の運営ですが、結局は市の負担となってきます。

【2月市議会】2023年度予算案 東鷲宮駅前の立体通路に4億円も?!
『声と眼』646号 2023/2/12

 東鷲宮駅東口に民間商業施設が建設される予定です。
駅前広場から道路を渡るための立体通路を建設する工事費3億7000万円が計上されました。
交通量も多くなくて歩道も信号機もある、必要もない立体通路に、設計費と合わせて4億円ものムダ遣いです。

総合運動公園にスケートボード場など

 総合運動公園は市民プールを取り壊し、スケートボード場や3×3バスケットボールコートなどを整備する計画で、設計費1185万円が計上されました。
建設工事は24・25年を予定しています。

【2月市議会】「久喜市でフルマラソン」は中止すべき
『声と眼』646号 2023/2/11

 市長は2024年にフルマラソンの実現を打ち出し、昨年、44万円で民間業者にコース調査業務を委託しました。
菖蒲地区周辺で42.195kmを確保するために、職員が試験的に設定したコース案は見沼用水の土手や農道を行ったり来たりで曲がり角がやたらと多く、住宅地の生活道路を2周したりのおかしなコース。
資金の一部をまかなうためにクラウドファンディングを募集したものの目標額の100万円に対してわずか7万円しか集まらず、完全な失敗に終わりました。

 それでも市長はあくまでも準備を進める考えで、新年度予算に準備費用として774万円を計上しました。
市長は日本陸連公認にしたいと言っていますが、今後、いったいいくら税金をつぎ込むつもりでしょうか。
市長の応援団と見られていた市内のマラソンランナー氏も、フルマラソンをやる理由が市長の選挙公約だからというのでは『全く魅力を感じない』とツイートしています。

 市の予算は市長のお小遣いではありません。市長の“趣味”に市民の税金を使うべきではありません。

★市長は市民不在の公約に固執せず、市民の関心も期待もないフルマラソンはいさぎよく中止するべきです。
一方、市議会の市長与党の皆さんは、このまま黙って従っていくつもりでしょうか。★

総合運動公園整備計画案はどうなる
『声と眼』645号 2023/1/28

 市は総合運動公園整備基本計画案を公表しました。

【第1期 2024〜25年度】市民プールを取り壊し、スケートボード場、3×3バスケットコートを設置。

【第2期 2026年度〜】市民グラウンドを観客席付きの陸上競技場として整備。周囲に1周1400mのランニングコースを配置する。

【第3期 2029年度以降】第2体育館を取り壊し、武道場(柔・剣・弓道)を建設。

 市では2月10日までパブリックコメントを募集していますが、その後、計画内容についてスポーツ推進審議会に諮問する予定はないようです。
市民の意見を募集はするが「ただ聞くだけ」? 議会にも「報告だけ」ですませる考えでしょうか。
今のところカンジンの財政計画も明らかにされていません。

【参照⇒ブログに大まかな図面を掲載しておいた】

★総合運動公園整備計画案は、市役所や各公共施設で閲覧できる他、市のホームページにアップされている。
『広報くき』1月号に「意見募集」の記事は載っているが、はたして何人が計画図面を目にできるだろうか。★

【11月市議会】4月から公民館を廃止⇒コミセンに
『声と眼』644号 2023/1/11

 公民館をすべて廃止してコミュニティセンターにする条例改正が提出され、賛成多数で可決されてしまいました。

 一昨年、市長が「公共施設個別施設計画」で大規模な統廃合・民間化計画を打ち出しました。
市民と議会からは反対の声が強く、本庁舎の新築移転や、障害者施設と集会所の民間化などは市長選挙前に撤回されました。
今年あらためて個別施設計画の見直しを検討することになっていますが、「公民館廃止・コミセン化」だけが先行して強行されました。

 各地域の公民館の事業は地区ごとの市民で作る運営協議会などが協働して進めてきました。
教育委員会ではこれまでの事業は継続するとしていますが、公民館という施設も組織もなくなっては、いつまで続けられるか、保障はありません。

 公民館の利用は市内の生涯学習団体が登録して予約申請しています。
市はコミセンになればもっと枠を拡げて、市外の団体や個人・企業などだれでも使えるようにすると説明しています。
しかしこれまでも地区や曜日・時間帯によって申請が集中して予約できないこともありましたから、単純に利用枠を拡げたらかえって市民が利用しにくくなってしまいます。
利用を市外の企業などにまで拡大するのなら、まず市内の生涯学習団体を優先して予約を受け付けるなどの仕組みが必要です。
またこれまで使用料を払わないで無断キャンセルするケースが頻発していて、利用の妨げになっています。
事前に使用料を徴収したり、無断キャンセルに対するペナルティの仕組みも検討すべきです。
委員会でこうした対策についてただしましたが、市は今のところ何の改善策も検討していないことが明らかになりました。

 本会議の採決で反対したのは市民の政治を進める会と共産党だけでした。
実はカゲでは「反対」と言う議員もいたのですが、結局はみんな賛成に回ってしまったのはなぜ?

【11月市議会】公民館を廃止して、コミセンにする条例改正に反対しました2022/12/24

 市長は、11月市議会に、公民館をすべて廃止して、コミセンにするという条例改正を提案し、最終日の本会議で賛成多数で可決されました。
 昨年、市長が一方的に打ち出した「公共施設個別施設計画」という名の、実は公共施設の大規模な統廃合計画は、市議会で大きな問題になり、今年度に見直しが進められているのですが、この「公民館廃止、コミセン化」だけは強行されてしまいました。
 地域に根ざして活動してきた公民館を廃止することに対しては、多くの社会教育・生涯学習団体が反対していました。
 またコミセンにして市民にとってはかえって使い勝手が悪くなることが懸念されています。

 本会議の採決では、私たち・市民の政治を進める会と共産党だけの反対でした。
 実は市長「与党」を名乗る人たちの多くも、陰に回ると「反対」を口にしているのですが、本会議の場では「賛成」票を投じてしまうのは、市長が怖いから? それともどっちでもいいと思っている?

 【議案82号】 コミセン条例の改正に対する反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 公民館を廃止し、コミュニティセンターとする政策変更です。
 公民館事業はこれまで通りに90事業を進めていくとしていますが、それではなぜコミセンに変更しなければならないのか、市民には理解されません。

 唯一、それらしい理由として、市内外の個人や企業など、利用できる幅を拡大するというのが改正のタテマエです。
 しかし、その理由通りに機能すれば問題ないのですが、かえって、市民にとって不便な結果が予想されます。
 これまででも公民館によって地域によって予約が集中して、市民活動の場が十分に確保できない事態が出ているのに、ますます予約が取りにくくなる、活動の場が確保できなくなる怖れがあります。

 対策として、一つには、無断キャンセル対策が必要です。
 たとえば、罰則や、無断キャンセルの際には使用料を前もって徴収するなどの仕組みを作って、無断キャンセルをなくすためのシステムが必要ですが、今のところ、有効な対策が検討されているとは考えられません。

 また、個人でも登録して予約できると言うことは、一つの事業を行うのに、参加する同じ団体の個人個人が別々の名前で予約できると言うことになります。
 申請の際に催しの内容を確認するから同じ団体ならわかるという答弁もありましたが、現在の予約システムでは、会議、研修などの区分けがあるだけですから、同じイベントであるかどうかは確認できません。
 結局、何らの対策も決まっていないと言うことになります。

 市民が市民活動の場であるコミセンを予約しにくくなるのを防止し、使いやすくするための改善対策が何も考えられていない状態では、市民への迷惑が拡大するだけですので、反対します。

【11月市議会】 フルマラソンをやるって 本気ですか?
『声と眼』643号 2022/12/14


 市は当初予算でフルマラソンのコース検討費用279万円を計上し、11月に民間業者に委託して調査業務を進めています。
その内の一部資金を寄付金でまかなおうとして、ふるさと納税のクラウドファンディングで寄付を募集しましたが、目標100万円に対して集まった寄付金は7万円にすぎませんでした。
市民からも全国のマラソンファンからもまったく関心を持たれず、寄付者はわずか5人で、完全な失敗に終わりました。
市長は2024年度にフルマラソンを実施する計画を掲げていますが、このまま突っ走るつもりでしょうか。
コースは菖蒲地区の見沼代用水周辺(土手?)に設定すると言われていますが、今のところどんなコース設定になるのか、折り返しか周回かなどもまったく明らかにされていません。

 市は毎年3月ごろに市民マラソン大会(ハーフや3qコースなど)を開催してきました。
18年度の市の支出は781万円で、その後は中止やオンライン開催になています。
今年度は開催予定で849万円が計上しています。
これがフルマラソンとなると、いくらかかるのでしょうか。
今のところ、久喜でフルマラソンを行う目的、開催経費や参加者の人数規模、市民へのメリットなどは何も明らかにされていません。

★菖蒲地区の「豊かな田園風景の中を走る」と言えば聞こえはいいが、ほとんどの道路に歩道もなく、応援する場所もない。
6時間以上も通行止めにできるコースが取れるのか。★

【11月市議会】 総合振興計画、環境基本計画など
市の長期基本計画5件が上程された

『声と眼』642号 2022/12/1

★11月定例市議会に、10年間の久喜市の基本計画となる「総合振興計画」「地域福祉計画」「環境基本計画」「都市計画マスタープラン」「教育振興基本計画」が提案された。
こんなにたくさんの各分野の基本計画だが、審議時間は本会議で議案質疑1日、各委員会で1日だけだ。
果たしてどれだけ中身を深めることができるか、各議員の質疑にも注目!★

 久喜市議会では、これらの市の基本計画を「議会の議決事項」に指定しているので、議会の審議を経なければならないのです。
 この他に、「ごみ処理基本計画」も議会の議決事項になっています。
【参照】⇒ 議会の議決事項の拡大の議案を議員提案 2008/12/9

久喜市議会の議決すべき事件を定める条例

平成24年2月14日
条例第2号

(目的)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づき久喜市議会の議決すべき事件を定めることにより、市政に対する議会の監視機能の充実を図り、もって市民の視点に立った透明性の高い行政執行の推進に資することを目的とする。

(議会の議決すべき事件)
第2条 法第96条第2項の規定により久喜市議会が議決すべき事件は、次に掲げるものとする。
(1) 次に掲げるものの策定、変更又は廃止
ア 久喜市総合振興計画前期基本計画及び後期基本計画
イ 久喜市公共施設等総合管理計画に基づく久喜市公共施設個別施設計画
ウ 久喜市環境基本条例(平成24年条例第35号)第9条の規定により策定する久喜市環境基本計画
エ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第6条第1項の規定により策定する久喜市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画
オ 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第107条の規定により策定する久喜市地域福祉総合計画
カ 都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2第1項の規定により定める久喜市都市計画マスタープラン
キ 教育基本法(平成18年法律第120号)第17条第2項の規定により策定する久喜市教育振興基本計画

(2) 姉妹都市又は友好都市の提携又は廃止

附 則
この条例は、平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成24年12月4日条例第41号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成28年7月7日条例第34号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和4年7月8日条例第25号)
この条例は、公布の日から施行する。

久喜市の人口「50年後に10万人」?
『声と眼』641号 2022/11/12

 11月定例市議会に「第2次久喜市総合振興計画・基本計画」が提案される予定です。
これは2032年を目標年次とした久喜市の将来像と10年間の行政の取り組みを定める計画で、「基本計画」は前半5年間の中期計画です。

 総合振興計画の基礎となる「人口ビジョン」も公表されました。
日本は人口減少時代に入っていますから、久喜市も例外ではありません。
久喜市の人口の将来推計は、
【A 推計人口】現状のまま推移した場合は2020年の15万582人から、30年には14万1334人(▲6.1%)、50年後の2070年には7万8590人(▲47.8%)へと大幅に減少すると見込んでいます。
転出入では転入超過で推移すると見通しているものの、合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数)が“1.133”ときわめて低く推移(R2年埼玉県1.27、全国1.33)すると分析しています。

 これに対し、【B 将来展望】では2030年に14万2920人(▲5.1%)、2070年には10万711人(▲33.1%)で「現状のまま推移」のケースよりも減少幅が大幅に縮小するという見通しを掲げています。
全年代で転入が大幅に増加すると想定し、さらに合計特殊出生率を2060年には“1.8”まで上昇すると見込んでいます。
しかしこの出生率はまったく現実的ではない上、転出よりも転入増が続くという見込みも楽観的すぎるのではないでしょうか。
人口推計を過大に見積もった場合、将来の学校や保育園の配置、長期的なごみ処理計画、ひいては税や財政計画などにも大きな影響が出てくるおそれがあります。

 人口の減少を少しでも抑制するためには、安心して子どもを産み育てられるような子育て支援政策を作っていかなければなりません。

 【A】推計人口 20年比 【B】将来展望 20年比
2020年 15万0582人 15万0582人  
2030年 14万1334人 ▲6.1% 14万2920人 ▲5.1%
2040年 12万6798人 ▲15.8% 13万1895人 ▲12.4%
2050年 11万1230人 ▲26.1% 12万1239人 ▲19.5%
2060年 9万5116人 ▲36.8% 11万0768人 ▲26.4%
2070年 7万8590人 ▲47.8% 10万0711人 ▲33.1%


【9月市議会】 理科大跡地の無償譲渡に反対討論をしました
2022/10/10

 9月30日の最終日、議案の採決にあたって、理科大跡地の無償譲渡の議案に、反対の討論を行いました。
【⇒全議案の採決結果はこちら】

【議案第70号】 理科大跡地の無償譲渡  反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

(1)市長は当初、理科大跡地に民間事業者を入れて活性化する考えを表明し、その後、民間事業者への「売却」を想定していた。
 結局、今回、看護学校誘致のために無償譲渡となった。

 理科大跡地の土地・建物の鑑定評価額は1億4000万円とされているが、建物が老朽化していて大規模な改修が必要なことや、市が看護学校を誘致するために無償譲渡にしたと説明されている。
 しかし「無償譲渡」でいいのか、売却した上で、誘致のための補助金を交付するという方法もある。

 「譲渡に関する協議書」によると、土地と建物を来年3月までに引き渡し、看護学校開校後10年間は事業を継続する。市は10年経過後は土地などの返還に関わる請求権を喪失するとされている。
しかしその後も経営が継続するかどうかの保障はない。
 かつて理科大が移転する際に半分の土地を流通センターに売却されてしまった、大きな失敗を経験している。
 10年後以降でも、たとえば経営状況が変わって経営が継続できない場合などには、市に土地を返還させる規定を設けておくべきである。
 いずれにしろ、市民に説明して理解を得られるような方法を採るべきである。
ただ単に「無償譲渡」で、将来の見通しも保障も規定されていないのでは、市民の理解が得られないので、反対する。

【9月市議会】 一般会計補正予算に反対討論をしました
2022/10/9

 9月30日の最終日、議案の採決にあたって、一般会計補正予算に、反対の討論を行いました。
 この補正予算には、来年度から子ども医療費の無料化を18歳まで拡大するためのシステム改修費用や、「公的病院等」(新久喜総合病院)に対する補助金なども含まれているのですが、私は、
(1)東鷲宮駅東口への立体通路の設計費5000万円
(2)子どもにマイナンバーカードの作成を拡げるための「説明会」等の開催等の補正予算に反対しました。
【⇒全議案の採決結果はこちら】

【議案第56号】 2022年度一般会計補正予算(6号)反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

  反対する予算の第1は、東鷲宮駅東口の「立体通路等」の整備のための設計5461万円です。
 反対理由は、「必要ない」の一言に尽きます。
 東鷲宮駅の、ダイエー、そしてイオンが撤退した後の東口駅前に、公共施設を併設した2階建ての商業施設を建設する、その2階部分に、地下通路から上がってきてさらに2階へ上がる、エレベーターを設置して、駅前道路(市道鷲宮76号線「かつら通り」)を、またいでつなぐという計画です。
(1)久喜駅のように橋上駅から地上へ降りずに、ビルの2階へつなぐのであれば、利用価値はあるかも知れませんが、そうではなくて、地下道から上がってきたところから、2階へ上がるための立体通路はまったく意味がない。久喜駅や栗橋駅から、わざわざ電車を使って東鷲宮の施設へ行く人は少ないと思われるので、地下道から2階へ上げる通路を、一体誰が通るのかということになる。
(2)また、東鷲宮駅の西側の住民は、ほとんど車か自転車で行くことになるから、この立体通路を渡ることはないのではないでしょうか。
(3)76号線の東側の住民は、もともとこの立体通路を渡る必要はまったくない。
(4)そうすると、東鷲宮駅の東側の住民で、この立体通路を使うのは、駅前通り76号線と線路に挟まれた桜田1丁目、駅から100m〜200mの住民だけではないでしょうか。
その中でも多くの住民は自転車で行くでしょうから、立体通路には上がらずに、かつら通りを渡っていくでしょう。
(5)さて、そうすると、この立体通路は、3億円とか4億円とか言われているけれども、何のために設置するのか、設置してもだれも渡る人がいないというのは目に見えている。
(6)補正予算に計上した5461万円の内、設計費は4156万円だという。立体通路の建設費のおおよその見積もりが3億円か4億円として、この設計費は過大ではないか。
 そして、立体通路の必要性自体が疑われるとすると、測量費182万、地質調査1122万円も不要な支出というコトンある。
(7)もう一つ、問題がある。市長は昨年、公共施設個別施設計画で、桜田複合施設の構想を掲げたけれど、市役所本庁舎や各総合支所の位置づけ、桜田複合施設も含めて見直しを進めることになっている。
 にもかかわらず、桜田複合施設の構想は撤回して、商業施設の2階にテナントとして入ることだけは、市民にも、これから設置される公共施設の検討の場にもはからずに決めてしまう、それは独善的に過ぎます。

 反対する予算の第2は、マイナンバーカードの普及促進費用です。
 特に今回、小学校で、出前講座を行って、小学生をターゲットにして関心を持たせて、親といっしょに来させてカードを作らせるというやり方だそうですが、これは邪道です。
 こどもの場合、マイナンバーカードを作るメリットも必要もほとんどないのであって、作ってもこどもが本人証明のために持ち歩く必要もない。必要ないものを作らせるのは、個人情報保護の上でも危険が増すばかりです。
 こどものカードを作るかどうかは、保護者が第一義的に責任を持って決めることであって、こどもの気を引いて作らせるように仕向けるのは、たいへん不健全なやり方です。こども同士でも、作った子、作らない子の間に、軋轢を生みかねません。やるべきではありません。

【9月市議会】 東鷲宮駅東口に立体通路が必要か
『声と眼』637号 2022/9/10

 東鷲宮駅東口のイオンが撤退して、新たな商業施設の建設が予定されています。
市は2階部分に公共施設を併設したい考えで、東口駅前から2階建ての施設に入れる立体通路を建設する案が出ています。
9月市議会の補正予算に、「立体通路の設計費5500万円」が計上されました。
通常、公共施設の設計費は建設費の5%とされているので、駅前道路をまたぐだけの“歩道橋”に10億円もの建設費をかけるつもりでしょうか。
明らかに過大見積もりと思われます。

 久喜駅のような橋上駅と商業ビルをつなぐデッキを建設するならともかく、東鷲宮駅東口は地下から上がる構造で、通りは車の通行量もそれほど多くなくて横断歩道も信号もあります。
駅前ロータリーもないのに、そもそも立体通路やデッキは必要ありません。
税金のムダ遣いは止めるべきです。

 市長はこれまで、桜田コミュニティセンターを子育て支援などの複合施設に建て替える計画を明らかにしていました。
今年度、市内の公共施設計画の見直しを進めることになっていますが、東鷲宮駅前の商業施設に新たな公共施設の併設を決めたのなら桜田複合施設の構想は断念したのでしょうか。

★東鷲宮駅東口に、広場の上を渡る立体通路が本当に必要なのか。
必要性の疑われる立体通路に億円もかけるのはどんでもない税金のムダ遣いです。★

【9月市議会】 江面2小跡地は500万円で売却
『声と眼』637号 2022/9/6

 江面1小と2小の統合で廃校になった江面第2小学校跡地の売却が決まりました。

 売却先は、久喜市周辺でデイサービスやショートステイなどの介護支援サーイスを展開している[株式会社シーキューブクリエイト(C CubeCreate)]という介護事業者です。
江面2小跡地の校舎などを使って介護保険事業や介護サービスセンター事業を行っていくとされています。

 土地と建物(校舎・体育館・プールも含む)の鑑定評価額は6114万円ですが、大幅に減額して500万円で売却する契約です。
介護事業を行っていくための校舎改修費用などを勘案して減額したと思われますが、改修計画や事業の内容など、減額の根拠と理由の説明が必要です。
また、理科大跡地と同様に「10年間は医療介護事業を行い、第三者への所有権の移転などはできない」ことになっています。
しかし10年経過後はどうなるのか、将来、使用目的が変わった場合には市に返還させる規定が必要ではないかなど、議会で確認しなければなりません。

 なお、売却後においても体育館を選挙投票所として使うことや、地域住民の活動の場として活用すること、災害避難所として使うことなどを、事業者側が認めることも、契約書に明記されました。

【9月市議会】 理科大跡地を無償譲渡 看護学校に
『声と眼』637号 2022/9/4

  9月定例市議会が開かれています。
補正予算の他、新ごみ処理施設の建設・運営の契約、東京理科大跡地を無償譲渡する契約、江面2小跡地を減額譲渡する契約などが提案されました。

 理科大跡地は3万2180uの土地と旧校舎等の建物3棟を、「公益社団法人 地域医療振興協会」に無償で譲渡するという契約です。
同法人がさいたま市内で経営している看護専門学校(2012年開校、1学年40名・3学年)を2025年に久喜市に移転する計画です。

 市長は4年前、理科大跡地に民間事業者を入れて活性化する考えを表明しました。
しかし調査で実現可能性がないことがわかり、売却の方針に転換していました。

 理科大跡地の土地・建物の鑑定評価額は1億4000万円とされていますが、建物が老朽化していて大規模な改修が必要なことや、市が看護学校を誘致するために無償譲渡にしたと説明されています。
「無償」でいいのかどうかが問題になりそうです。
また、「譲渡に関する協議書」によると、土地と建物を来年3月までに引き渡し、看護学校開校後10年間は事業を継続し、市は10年経過後は土地などの返還に関わる請求権を喪失するとされています。
しかしその後も経営が継続するかどうかの保障はありません。
かつて理科大が移転する際に半分の土地を流通センターに売却されてしまった失敗を繰り返さないために、10年後以降でも状況が変わった場合には、市に土地を返還させる規定にするべきではないでしょうか。

 さいたま市の看護学校の近隣に設置されている学生寮も久喜市に移転するのか、久喜市の南埼玉郡市医師会立の看護学校とどのように連携するのかなどはまだ説明されていません。

「市民の森・緑の公園」計画を変更
『声と眼』635号 2022/8/1

 久喜市は新ごみ処理施設と「本多静六記念市民の森・緑の公園」を、久喜菖蒲工業団地南側の菖蒲・三箇地区に建設する計画を進めてきました。
両施設とも市長の交代にともなって計画の大幅な見直しが行われ、建設時期も大幅に遅れています。

 7月に、市民の森・緑の公園を新ごみ処理施設の余熱利用施設と一体で整備する事業計画が発表されました。
これから事業者選定を進めて25年度に着工し、27年度完成をめざすとしています。

 これまでは2017年度に策定された「本多静六記念市民の森・緑の公園整備方針」で、公園のコンセプトを“郷土の森・健康の森・彩りの森・散策の森”など本多静六博士の公園哲学と理念を活かした“市民の森づくり”を中心テーマに据えていました。
23年度から段階的に整備を進めて32年に供用開始し、その後数十年をかけて森づくりを進める計画でした。

 新たに発表された事業計画では公園の性格が大きく変わり、新ごみ処理施設に付随する余熱利用施設(温水プールや温浴施設、トレーニングルーム、レストランや貸し館)、運動やBBQなどのレクリエーション機能を中心にした公園になりそうです。
大きくずれ込んでいた新ごみ処理施設の建設が、来年度に着工して27年度完成の予定でほぼ確定したため、公園もこれと同時に完成・供用開始する計画です。

【一般質問】 トイレトレーラーの導入を提案
2022年6月会議 『声と眼』634号 2022/7/8

 自治体でトイレトレーラーを購入して災害時に避難所に設置したり、被災自治体に派遣しようという自治体が拡がっています。
イベントなどでも活用できます。
県内では越谷市が第1号で、久喜市でも導入するよう提案しました。
導入した多くの自治体では、2000万円の費用の7割は国の交付税をあて、残りの500〜600万円をクラウドファンディングでまかなっています。
久喜市も早く手を挙げるよう提案しましたが、部長の答弁はまたしても『調査研究していく』でした。

【代表質問】 久喜駅東口大通りの整備はどうなる
2022年6月会議 『声と眼』633号 2022/6/22

 6月16日、市議会の代表質問で、市長の選挙公約と所信表明に対する疑問をただしました。

 久喜駅東口大通りが3月にいちょう通りの先まで“開通”されましたが、600m先で事実上の行き止まり状態です。
間違えて進入してUターンして戻ってくる車もあります。
市では沿線の農地や県の下水処理場に入っていけるように開通させたというのですが、市立図書館通りや青葉けやき通りに接続する道路が完成する予定の6年後までは現状のままです。
奥の方に農道の細い抜け道はありますが、たくさんの車が入り込むのを心配する声も聞かれます。

 道路脇には市が「商業施設計画地」の看板を立てました。現在は進出を希望する企業からの相談に応じている段階です。
東口大通りが完全開通する前でも開業する方向ですが、時期は未定です。

 また市は圏央道の久喜東スマートインターチェンジ(上り方面だけ)を設置して接続したい考えですが、国交省の事業としての採択には至っていません。
市では2024年に事業化の採択を受けることをめざしています。

【2月市議会】 市内循環バス料金値上げ方針を、市民に知らせない秘密主義
2022/2/17

 昨年11月に開かれた地域公共交通会議で、市内循環バスとデマンド交通の「料金値上げ」が決定されています。
 市内循環バスは現行100円⇒改訂後200円に値上げ、デマンド交通(くきまる)は現行300円⇒改訂後500円に値上げするというものですが、いつから値上げを実施するかは、「コロナ禍の状況を見ながら判断する」ことになっています。
 市民には「値上げが決まっている」という事実さえ知らせないでおいて、市長が判断すればいつでも値上げできるというのでは、市民を無視したやり方と言わざるを得ません。
 16日に開かれた市議会本会議で、市が値上げする方針を決定した事実を、市民にきちんと知らせるべきではないか、また値上げ時期についてただしました。
 市では、「2022年度中は値上げを実施する考えはない」「市民に知らせる必要はない」「今後、値上げの内容について改めて審議してもらうこともある」と答弁しました。
 都合の悪いことは、市民にはなるべく知らせないでおいて、値上げするときに知らせればいいというのでは、秘密主義であり、市民主権の原則に反します。  

【2月市議会】 新年度予算 気になる目玉事業 
久喜駅周辺開発やスマートインター調査費
『声と眼』626号 2022/2/10

 久喜駅周辺まちづくりの「基本計画」策定に709万円が計上されました。
東口・西口周辺の住民や商業者の理解が大前提で、9月に説明会を1回開催しましたが、具体的な協議には入れていません。

 市は圏央道の宮代町との境界付近に、スマートインターチェンジを、「ハーフ」規格(入口・出口とも東京方面だけ)の規格で構想しています。
数年後の事業採択を目指して、国やNEXCOとの協議に必要な資料作成のためのコンサル委託料 2141万円を計上しました。
市長はたいへん積極的ですが、近隣に東北道・久喜インターや圏央道・幸手インターがあるのに本当に必要なのか、ハーフ規格では市民の利便性向上になるのか、巨額に上る地元負担や実現性など、慎重に検討しなければなりません。
一方で、圏央道の側道が、河川に橋がなくて行き止まりになっているのをつなげる方が先ではないかという声もあります。

久喜でフルマラソン開催を検討する?

 市長は久喜市でフルマラソンの実施を目指してコース設定などを調査するコンサルタント委託料 297万円を計上しました。
税金を使っての費用対効果やそもそもの実現可能性、市民の理解がカギですが…。

市内循環バスなどの料金値上げを決定
『声と眼』623号 2021/12/9

 11月5日に開かれた市地域公共交通会議で、市内循環バスとデマンド交通の「料金値上げ」が決定されました。
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(1)市内循環バスは現行100円⇒改訂後200円に値上げ、
(2)デマンド交通(くきまる)は現行300円⇒改訂後500円に値上げ、
(3)「小学生は半額」を新設。
その他の減免制度…循環バスは障害者無料、デマンド交通は80歳以上の高齢者、障害者と介助者半額などは変わりません。
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 【地域公共交通会議に提出された「値上げ案」】
 【小学生の割引案】

  値上げの理由は消費税増税と燃料費や車両費、人件費などが上がっているためと説明されています。
しかし公共交通の役割を考えたときに、循環バス料金は2倍、デマンド交通で67%もの大幅値上げに市民の理解が得られるでしょうか。

 値上げの実施時期は未定で、「市民生活への影響に考慮し、コロナの状況を見るなどして、市が判断する」としています。
すぐには実施しないけれど、市長の判断でいつでも値上げできるということです。

 しかし今のところ、これらの料金値上げについて、『広報くき』でもホームページでも、市民にはまったく知らされていません。
料金値上げの内容は、市のホームページで審議会等の開催経過から公共交通会議の会議録をたどっていかないと出てきませんから、普通の市民は見ることができません。
市は「料金値上げ」について市民には知らせないでおいて、来年の市長選挙が終わってから「決定事項」として発表し、実施するつもりでしょうか。

 「市民生活への影響に考慮」するのであれば、料金値上げもコロナ禍がおさまった後で検討すればよかったはずです。
コロナ禍で市政も市民生活も混乱している最中に、「値上げ」をこっそりと決めてしまって、実施時期は市長のフリーハンドというのでは、市民への説明責任は果たせません。

【一般質問】 理科大跡地の地下埋設物を調査すべき
2021年6月市議会 『声と眼』613号 2021/6/28

 市長は上清久地内の理科大跡地を建物ごと民間に売却する考えで、今年度中に公募する予定です。

 これまで市有地を民間に売却した後に地下からアスベストが見つかって、市が処理費用を負担させられたこともあります。
理科大跡地も30年前の埋め立ての際にどんな工事がされたかわかっていません。
跡地を売却する前に、市で地下埋設物の調査を行うよう求めましたが、市は調査する考えはないと答弁しました。

★一昨年も、理科大跡地に隣接する偕楽荘の工事現場から産業廃棄物が見つかって撤去しました。
古い公共施設の地下から数十年前の産業廃棄物が出て来ることもあります。
理科大跡地も市で調査すべきです。★

「理科大跡地 公共施設には使わない」
『声と眼』595号 2020/8/1

 市は東京理科大跡地校舎の活用計画について検討してきましたが、7月になって、『公共施設には使わない』方針を決定し発表しました。

前市長が策定した生涯学習センター・子育て支援センターとして整備するという計画に対して、梅田市長が専門学校や市民レストランなどの収益事業を公約して全面的見直しを打ち出しました。
しかし一昨年11月議会では、市長が計画を強引に進めようとしたのに対して修正案が可決されたため、市長は民間収益事業の実現可能性調査をコンサルタントに委託しました。
2月に出された調査報告によると、民間収益事業は困難、企業参画意向調査も否定的で、梅田市長の民間活用方針は断念に追い込まれていました。

 校舎そのものの老朽化も進んでいて、当初計画していた生涯学習センターなどへの活用もむずかしいという結論です。
これまで老朽校舎の維持管理に年間6300万円もかけながら検討に時間を空費して、今や使い途のない“負の遺産”と化しています。
2年前に市民アンケートなどを踏まえて策定された理科大跡地活用計画は、すべて「白紙」に戻ってしまい、今後、建物の取り壊しや、跡地の活用方針を早急に検討していかなければなりません。

鷲宮支所は生涯学習センターに?

 現在、理科大跡地校舎には市教育委員会(教育部)を置いていますが、来年度に鷲宮支所の2・3階に移転させる予定です。
また校舎の一部に設置する計画だった《生涯学習センター》も、鷲宮支所の4・5階に開設する方針も明らかにされました。

将来は鷲宮支所の建物全体を生涯学習センターにしていく考えです。
その際には、現在は鷲宮支所の2階に置かれている上下水道部と来年に移転する教育部はさらに他へ移動することになります。

市長が唐突に「新庁舎建設」に言及

 市内の多くの公共施設が老朽化しており、人口減も避けられませんから、長期的に公共施設の統廃合は必須の課題です。
市では現在すべての公共施設の再配置計画の策定に取りかかっています。これらの問題を、久喜市の市役所本庁舎や各総合支所、その他の公共施設すべてを含めた統廃合、行政機能の集約化とからめて検討していく方針です。

 6月議会の理科大跡地に関する答弁の中で、市長が唐突に『10年後までに市役所新庁舎の建設』を表明しました。
現在、本庁舎が狭く各部が市内各所に分散配置されていて機能的に問題が指摘されていて、新庁舎の整備は長期的な重要課題であることは間違いありません。
しかし新庁舎の建設についてはこれまで議会での議論も不十分で市民のコンセンサスもなく、市の基本計画でも検討されたことはありません。市長選挙でもまったく触れていないのに、他の質問のついでにいきなり持ち出すやり方はフェアではありません。
今後、市民意識調査などをふまえて慎重に検討を進めるべきではないでしょうか。

理科大跡地の活用、調査結果を公表
『声と眼』591号 2020/5/21

 東京理科大跡地校舎は、田中前市長のもとで生涯学習センター・子育て支援センターなどの複合施設として2020年にオープンする計画でした。
これに対して梅田市長が、活用計画の全面的見直しを打ち出しました。
市長の考え方は、民間活力の導入を柱として、市内4地区の保健センターの統合移転、子育て支援センター、生涯学習支援センターなどを組み合わせるというもの。
特に、専門学校への貸し出し、起業・創業を目指す事業者へのオフィス貸し出し(インキュベーションセンター)、市民レストランなどの収益事業を目玉としていました。
議会などからは懐疑的な意見が強く出されましたが、市長は昨年、民間コンサルタントに280万円で事業の実現可能性についての調査検討を委託していました。

 2月末に提出された調査報告書では、民間事業者の導入は「利用ニーズが低い」「現実的な施設利用とは考えづらい」「導入は困難」などと否定的な評価がほとんどです。
12事業者に対する参画意向調査では「参画したい」事業者はゼロ。
「条件次第では参画したい」という事業者もありましたが、これは事実上「施設利用料の減免・行政からの補助」など収益性を無視すれば可能性があるかも知れないということです。
結局、「民間の出店者確保は困難」「民間施設での独立採算は難しい」というのが結論です。

 この間、理科大旧校舎の老朽化がいっそう進んでしまっています。
現在の施設が使えるのかを含めて、今後の活用計画策定について、早急に方針を示すべきです。

【2月市議会】 久喜駅周辺整備の公約はどうなる
『声と眼』586号 2020/2/21

◆梅田市長の公約だった久喜駅西口周辺の再開発やバスターミナル整備などの検討をコンサルタントに委託する費用1150万円を計上。
◆東鷲宮駅東西連絡地下通路のバリアフリー化事業、西口にエレベータやエスカレーター設置 6億4152万円。
◆危険な空き家等の対策計画策定事業 633万円。
◆久喜駅東口大通りの延伸部分の路盤整備に 1億552万円。
しかし青葉けやき通りに接続して通行できるのはまだまだ先の予定です。
◆青毛下早見線を北に延伸して東鷲宮方面と接続する計画で、設計委託費1692万円が計上されました。

台風19号、久喜市で避難勧告、約9000人が避難
『声と眼』580号 2019/10/29

 久喜市は、10月12日午後2時に台風19号の災害対策本部を設置しました。
市議会は2時半に災害対策委員会を設置し、議長や議会事務局を通じて、市の災害対策や被害情報を議員全体で共有することができました。

【久喜市の災害対応のおもな経過】
◇10月12日 14:00 市職員に「警戒体制第2配備」(職員動員1/2)を発令。市内4か所に自主避難施設を開設し、一部の市民が避難を開始。
◇15:50 荒川が《洪水警戒レベル3》で菖蒲地区に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令。小中学校など8か所に自主避難施設を開設。
◇13日 1:00 利根川が《洪水警戒レベル3》に達したため、栗橋・鷲宮・久喜地区に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令。栗橋地区では防災無線と広報車で放送。市内の全小中学校に「避難所開設」を決定。
◇2:00 利根川が氾濫危険水位《警戒レベル4》に達し、市内全域に「避難勧告」を発令。防災無線および広報車で放送。
◇2:30 市職員に「非常体制第1配備」(職員動員約2/3)を発令。
◇6:30利根川の栗橋観測所の水位9.15m
◇10:55 利根川で氾濫危険水位8.90mを下回ったため、市内全域の避難勧告を解除。
◇14:15 「非常体制第1配備」を解除、14:30 市議会災害対策委員会設置を解除。

【台風19号による市内の被害状況…10月23日集計】
●人的被害 なし
●床上浸水 5件…上内、鷲宮5丁目、栗橋東2丁目、西大輪
●床下浸水 5件…久喜北2丁目、鷲宮5丁目、古久喜 
●風害による家屋被害 3件…葛梅3丁目、菖蒲町小林、久喜北2丁目
●市道の通行止め…久喜地区 13か所、菖蒲地区 6か所、栗橋地区 11か所、鷲宮地区 21か所
●公園の倒木 4か所(鷲宮、菖蒲)
●公共施設の雨漏り…栗橋駅自由通路、農村センター、農業者トレーニングセンター、緑風館、本庁舎、栗原記念館
●総合文化会館玄関付近の天井パネルの脱落
●カーブミラーの転倒。
この他、
●農作物の被害…六万部・所久喜でそばの倒伏、菖蒲地区でいちご苗の浸水、除堀・菖蒲町などで稲の冠水、きゅうりハウスの冠水など。

避難情報を早く提供できなかったか

 今回の災害対応でいくつかの課題が浮かび上がってきています。
(1)自主避難場所の開設を市のホームページに掲載したが、もっと積極的に知らせるべきではなかったか。
(2)午前2時に避難勧告が発令されたが、防災無線は聞こえず広報車でやっと知ることができた。
しかも土砂降りで避難できる状態ではなかったと言う市民も多い。
早期に避難の呼びかけができなかったか。
(3)避難所で2階以上の開放の判断や、仕切りのダンボールなど物資の配布が適切に行われたか。
(4)ペットの受け入れ体制、等々。
ー 今後の検証が必要です。

各避難所ごとの避難者数(人)
12日 13日
15:00 18:00 21:00 0:00 6:00
久喜地区  
江面第1小学校 70
江面第2小学校 7 7 14
清久小学校 15
本町小学校 131
青葉小学校 61
青毛小学校 4 15 30 30 362
久喜東小学校 150
久喜北小学校 1 18 20 10 122
太田小学校 7 13 15 13 462
久喜小学校 5 8 8 129
久喜中学校 74
久喜南中学校 23
久喜東中学校 319
太東中学校 25
菖蒲地区  
菖蒲南中学校 0 6 6 24 0
菖蒲東小学校 0 24 31 31 44
菖蒲小学校 0 18 24 24 35
小林小学校 0 10 15 15 18
三箇小学校 0 11 11 11 27
栢間小学校 0 21 25 23 20
菖蒲中学校 0 12 18 18 11
栗橋地区  
栗橋小学校 6 47 47 49 1,688
栗橋西小学校 8 31 36 42 749
栗橋南小学校 1,375
栗橋東中学校 687
栗橋西中学校 400
鷲宮地区  
鷲宮小学校 2 15 17 20 268
鷲宮中学校 2 10 14 16 402
桜田小学校 290
上内小学校 35
砂原小学校 200
東鷲宮小学校 324
鷲宮東中学校 90
鷲宮西中学校 76
自主避難施設  
東公民館 12 15 15 12 42
鷲宮東コミセン 6 13 29 24 30
菖蒲総合支所 7 30 38 28 41
栗橋コミセン 4 4 4 1 −−
鷲宮総合支所 8
総合体育館 160
栗橋北彩高校  
ふれあいセンター 2
合計 318 410 406 8,979
内、子ども 44 55 59  

★加須市では「翌早朝に利根川が氾濫する怖れのある水位に達する見込み」と判断した時点で、事前に「避難勧告・避難指示の予告」を流している。
こういう判断も必要ではなかったか。★

【6月市議会】 栢間地区活性化の請願は趣旨採択
『声と眼』575号 2019/7/28

 6月市議会に、菖蒲地区の住民有志から『菖蒲町栢間地区の町づくり活性化について』の請願が提出されました。
請願書は、
(1)菖蒲町栢間地区はかつて土地改良事業が行われて、農地法により新たな開発は規制されている
(2)農業者の高齢化や後継者不足によって遊休農地が増えてきており、少子化で人口減少も進んでいる
(3)隣接する桶川市東部地区では圏央道インターチェンジ付近の区画整理や開発が進んでいくと見込まれる
(4)栢間地区の活性化を図るために、開発規制の緩和、土地区画整理事業、ニューシャトル(埼玉新都市交通)の延伸によって商業や工業、住宅開発を推進するよう求めるというものです。

 しかし現実には農業地域や市街化調整区域では開発は事実上不可能ですし、この地区を開発しても人口が増えるとは限りません。
現在は伊奈町まで来ているニューシャトルも桶川や菖蒲地区まで延伸する具体的な計画はありません。
したがってこの請願の項目はいずれもきわめて実現性に乏しいと言わざるを得ません。
委員会審議では、「地元の栢間地区の皆さんの抱える高齢化や地域の住民の減少、少子化、農業の後継者不足、地域環境の荒廃などの困難は理解できる」「しかし農地法の緩和や都市計画の見直しなどは高いハードルがある」「多岐にわたる高度な内容であり、十分な検証・検討をしなければならない」などの理由で、「趣旨採択」とされました。

 趣旨採択とは『請願者の気持ちはわかるが、実現はムリ』という意味で、よくわからない結論です。

★議会運営の通説では、『困難あるいは不可能な請願は不採択とすべき』とされています。請願者の顔を立てるだけの趣旨採択というのは、本来は禁じ手なのですが…。★


【6月市議会】 新市基本計画の期間延長の議案に反対討論をしました
2019/6/29

 6月定例市議会は、6月28日に閉会し、市長が提案した全議案が可決されました。
 私は2019年度一般会計予算と、新市基本計画の変更の議案に反対討論を行いました。

【反対討論】 議案第50号 新市基本計画の変更の議案

市民の政治を進める会 猪股和雄

 2010年の合併時に策定された「新市基本計画」は、今年が最終年度になります。
この間、国では2011年の東日本大震災の被災自治体が復興事業に進めるために、合併推進債の発行期間を10年間延長できるとする特例法が制定されました。

 久喜市は大震災で、南栗橋地区で液状化被害が発生したため“被災地”と認定されました。

 今回、この特例法の規定を使って、合併推進際を使いたい、そのために新市基本計画の期間を10年間延長する議案を提案しました。
それによって、これまで着工できていなかった事業にも合併推進債を活用することができるようになると説明しています。

 都市計画道路の工事(栗橋〜東鷲宮間、東鷲宮〜久喜間)が遅れているので整備を進める、さらに、今年度に着工予定の学校給食センター建設にも合併推進債を使う方針です。

 しかしもともとこれらの道路は震災からの復興のために必要な事業と位置づけられていたわけではなく、ましてや大震災の影響で事業が遅れたわけでもありません。
したがって震災復興を理由として新市基本計画を延長して合併推進債の対象とするのはスジが違います。
また給食センターの着工が遅れたのは、前市長の計画に対して梅田市長が『一度立ち止まって考える』という公約にしたがって見直しを行った(結局は前市長の計画を踏襲する結果に終わった)ためでした。
震災からの復興を促進するために合併推進債の期間延長を認めるという特例に便乗して、震災復興とは関係ない事業の財源を確保しようというのは、法の趣旨を逸脱しているという批判は免れません。

【6月市議会】 新市基本計画の期間を10年延長
『声と眼』573号 2019/6/21

 2010年の合併時に10年間の「新市基本計画」が策定され、今年が最終年度になります。
この間、国では2011年の東日本大震災の被災自治体が復興事業に進めるために、合併推進債の発行期間を10年間延長できるとする特例法が制定されました。

 久喜市は大震災で、南栗橋地区で液状化被害が発生したため“被災地”と認定されています。
そこで市は6月市議会に、この特例法の規定を使って、新市基本計画の期間を10年間延長する議案を提案しました。
それによって、これまで着工できていなかった事業にも合併推進債を活用することができるようになると説明しています。
(1)都市計画道路の工事(栗橋〜東鷲宮間、東鷲宮〜久喜間)が遅れているので整備を進める、
(2)さらに、今年度に着工予定の学校給食センター建設にも合併推進債を使う方針です。

 しかしもともとこれらの道路は震災からの復興のために必要な事業と位置づけられていたわけではなく、ましてや大震災の影響で事業が遅れたわけでもありません。
したがって震災復興を理由として新市基本計画を延長して合併推進債の対象とするのはスジが違います。
また給食センターの着工が遅れたのは、前市長の計画に対して梅田市長が『一度立ち止まって考える』という公約にしたがって見直しを行った(結局は前市長の計画を踏襲する結果に終わった)ためでした。
震災からの復興を促進するために合併推進債の期間延長を認めるという特例に便乗して、震災復興とは関係ない事業の財源を確保しようというのは、法の趣旨を逸脱しているという批判は免れません。


市議会で降(こう)雹(ひよう)被害対策の要望書
『声と眼』571号 2019/5/15

 5月4日夕方に久喜市内の江面地区や菖蒲地区の広範囲に雹(ひよう)が降りました。
特産の梨栽培農家では摘果作業を進めている時期で、防雹ネットなどの対策も不十分だったため、大きな被害が発生しました。
被害金額は総額で4300万円にのぼると見込まれます。

 13日に市議会各会派代表者の連名で、「梨の降雹被害に対する対策を求める要望書」を市長に手渡しました。
要望書は、
『(1)梨被害の早急かつ詳細な実態把握、
(2)被害実態に合わせた救済策の実施、
(3)農業団体等との早急な協議の実施、
(4)埼玉県の防雹ネット設置助成制度の拡大について、県に要望すること』を求めています。

 今回の降雹被害は大規模連休中でしたが、それでも発生の翌日には農協や県農林部の担当者らが現地に入って実態把握を行っています。
しかし久喜市農業振興課が被害を受けた現地の確認や被害状況の把握に動き出したのは連休明けからで、8日にやっと議員に「被害面積 久喜地区約5.0ha、菖蒲地区約3.0ha、被害戸数については確認中」という報告メールが届きました。
たとえ休暇中であっても、災害時には機動的な対応が必要ではないでしょうか。


【一般質問】 自転車が車道を安全に走れるために
2019年2月市議会 『声と眼』569号 2019/4/10

 2017年に自転車活用推進法が制定され、県内各市でも自転車活用計画や自転車ネットワーク計画の策定に取り組んでいます。
2年前の私の一般質問に、久喜市も計画策定を進めると答弁していましたが、実際には進展がありませんでした。
今回あらためて積極的な取り組みを求めました。

 市内では県道の2路線に自転車レーンが設置されています。私は幅員が広い市道にも自転車レーンを設置するよう求めてきました。
建設部長の答弁で、久喜駅東口大通りの延長部分、宮代〜青葉に通じる新設道路などに自転車レーンの設置を検討していることが明らかにされました。

 道交法で自転車は「軽車両」ですから車道通行が原則です。歩道を通行できるのは子どもと70歳以上の高齢者、障害者だけです。
また「自転車通行可」の標識のある歩道や、車道が危険な場合には左側の歩道を徐行で通行して良いことになっていますが、これは例外規定です。
自転車と歩行者の事故も問題になっていたり、歩道が狭くて自転車通行が危険な場合もあります。
自転車が車道をより安全に走れるために、市道に自転車レーンの設置を進めるように求めました。


理科大跡地の活用計画を全面的見直し
『声と眼』562号 2018/11/29

 理科大跡地には今年4月に教育委員会事務局が入り、今後、生涯学習センター・子育て支援センターとして活用する計画で、校舎改修を進めてきました。
これに対し、梅田新市長は『多額の費用がかかる』との理由から全面的な見直しを打ち出しました。

 11月に発表された新たな活用計画では、
◆まず来年4月から教育委員会を鷲宮総合支所に再度移転させる
◆設計と改修の後に、市内4地区の保健センターを統合して移転、検診棟を新設
◆ファミリーサポートセンター、学童保育運営協議会、シルバー人材センターも移転する
◆旧大学図書館を、子ども図書室を併設した子ども広場とする
◆校舎棟1階に、子育て世代包括支援センターを設置し、休日夜間急患診療所を移転、小児休日夜間急患診療所を新設する
◆2階を生涯学習センターとして、高齢者大学・市民大学の研修室や大講義室、ダンススタジオ、音楽スタジオを配置
◆3階の各部屋は民間の貸しオフィス
◆旧学生食堂やロビーを、市民レストラン、市民ラウンジとして活用する
◆生涯学習センターを予定していた旧特別教室棟は専門学校などに貸し出すとしています。
見直しに伴い、今年度一般会計予算に計上していた理科大校舎改修費4億円のほぼ全額を削除する補正予算案が、11月定例市議会に提出されました。

 来年度に設計を発注して、建物の改修には2021年度くらいから着工し、保健センターなど新たな施設の供用開始は2023年4月になる見通しです。
一部の施設を民間企業に貸し出すといっても、はたして需要があるのかは不明です。
市の費用負担の圧縮をはかると言っていますが、新たな活用計画の実現にどれくらいの費用がかかるのか、今のところは詳細はいっさい示されていません。


【11月市議会】 久喜市の5か年計画に疑問あり
『声と眼』544号 2018/1/4

 11月定例市議会で、久喜市の2つの基本計画が可決されました。
2013年に策定された10年間の総合振興計画の後半の施策をまとめた「後期基本計画」と、教育行政についての「教育振興基本計画」です。
ほとんどの政策内容は、現在の久喜市政の延長・継続で2018〜22年の5年間の施策を記載したものです。

 審議ではそれぞれの政策の達成度を評価する成果指標(目標値)が問題になりましたが、当局が数値の根拠を説明できないものが多くありました。
たとえば学校給食で久喜地区の地元産食材利用率の目標値が現状より低く設定されていたり、その他にも現実とかけ離れた目標や、社会情勢が変化したのに旧来の数値をそのまま踏襲しているものもありました。
この基本計画の施策や目標が十分に精査されたものなのか、お役所的作文にすぎないのではないか、久喜市行政の取り組み姿勢に大きな疑問を感じたので、これらの基本計画に反対の討論をしました。

 この2つの計画に、巨大学校給食センター建設の方針も明記されましたが、センター化の強行、既成事実化は認められません。
あらためて学校給食の理想である自校調理方式への転換を求めました。

【一般質問】 自転車レーンの計画推進を求める
猪股の一般質問 『声と眼』543号 2017/12/23

 今年、自転車活用推進法が施行されました。
私たちは日常的に自動車に大きく依存していますが、環境に優しい自転車の活用を進めるために、自治体で自転車活用推進計画を策定し、自転車ネットワークを形成していくことになっています。
県内ではすでにさいたま市、春日部市、上尾市など6市で「自転車ネットワーク計画」が策定されました。
久喜市ではこれまで国交省の調査に対し、「策定は考えていない」と回答していて、理由は「公共交通中心のまちづくりを進めるため」というのですが、この考え方は間違いです。
自転車活用推進法でも他市でも公共交通と自転車活用の連携を進めることが重要とされています。

 埼玉県で、久喜駅西口大通りや幸手県道の青葉地区に自転車レーンを設置しました。
市街地の主要な市道で、歩行者と自転車の通行を分離して歩行者の安全を確保するとともに、安全な自転車レーンの整備を合わせて進めていくことが課題です。
市は今後、自転車ネットワーク計画の策定、自転車レーンの設置について検討していくと答弁しました。

【11月市議会】 久喜市総合振興計画基本構想・後期基本計画に反対討論
2017/12/21

 20日に定例市議会本会議が開かれて、議案の討論・採決が行われました。
 総合振興計画基本構想は2013年から2022年を目標年次とする、久喜市行政の最も基本的な長期計画です。後期基本計画は、2018年からの後半の計画です。
 前期計画の実施による成果や課題を踏まえて、一部必要な施策は修正し、また新たな計画を盛り込んで策定されました。
 しかし、そうして策定された計画には大きな問題点が含まれていると判断し、反対討論を行いました。

【参照⇒11月市議会の全議案と各会派の賛否へのリンク】

  【反対討論】 議案第83号 総合振興計画基本構想・後期基本計画

猪股和雄

 市長はいつも、「審査の過程で頂戴致しましたご意見等については、十分検討して、今後の市政運営に反映させていきたい」という決まり文句というか常套句を言われるが、本当に市長さん、審査の過程を会議録を読んでいただきたい。
どういう審査が行われたかを、市長さん自身が知らずに、部下に「今後に反映しろ」と言っても、実のないものに終わってしまう。

 私は今回の審査で、全体的に、各政策の成果指標、みんなでめざす目標値の設定の仕方についてただしていきました。
成果指標は、各課の立てた政策の柱がどのように実現したか、前進したかを確認するためのものです。それぞれの政策で、その成果指標と目標値が果たして適切なものであるのか、その指標で本当に政策の前進が点検できるのか、その指標自体が適切なものかどうかを確認する必要があると考えるからです。

 残念ながら、多くの成果指標、目標値が、単に前期計画を踏襲したに過ぎなかったり、政策が変わっているのに成果指標は前期計画のままだったり、その目標値をきちんと説明できなかったり、甚だしくは目標値に根拠はないと言いきられてしまったりしたものもありました。

 これは久喜市の総合振興計画の信頼性そのものを失わせ、言いすぎかなと思いながら極論すれば、この総合振興計画は、お役人の単なる作文ではないかという疑いすら起こさせます。

 いくつか、例としてあげておきます。
 大綱2 自然とふれあえる環境に優しいまち 自然環境の保全創造 水質基準の数値は実はアメの後だったり一時的な要因で上下する当てにならない数値であることがわかった。
 快適な生活環境の創造 公害苦情件数の現状の数値の増減と目標数値の乖離、これも当てにならない数値であると言うしかない。

 ここで政策的課題について、2点、指摘しておく。
 生ごみ資源化、減容堆肥化政策はいったん集結するのだけれど、その後、バイオガス化などによる資源化を進めなければならないのだが、明確な方針を示すべきです。
 公共施設の電力購入で、再生可能エネルギーの導入を促進するのは正しい政策の方向性なのだが、環境配慮契約法に基づくグリーン電気入札要綱を計画に明記すべきです。

 地球環境問題への対応 成果指標に太陽光発電システムの出力を成果指標の目標値にしているのだが、これはすでに久喜市で政策の拡大発展があったので、新たな成果指標を設定すべきなのに、前期の指標をそのまま引き継いでいるのは、安易すぎると言うしかない。

 大綱6 地域の産業が元気で 環境保全型農業の推進、特別栽培野菜の拡大については、学校給食の地産地消と連携して地元農産物、特に特栽野菜の育成、拡大が課題になっているはずで、そのためにも教育委員会と連携してJA南彩やみずほに申し入れも行っているとされている。
しかしそうした連携や特別栽培農産物の拡大が、ここの農業政策の中に一言も書かれていないのはどうしたわけか。それこそ成果指標、目標値を掲げるべきではなかったか。

 工業の振興の成果指標、目標値の設定の仕方については、残念ながら「具体的な根拠はないけれども、前期の目標をそのまま載せた」と答弁された。

 就業支援の充実の項でも、就業人口の現状値が前期計画を上回っているのに、後期の目標は現状よりも下回るという数値は理解できない。

 ハローワークの市内就業率や雇用相談理湯生者数の目標値についても説明できなかったり、ここでも「根拠はない」という説明があった。
 きちんと煮詰めないままで目標値を掲げているものが多いようだ。
それらの中にはどう考えても、この数値は間違いではないかというものもあったと思う。

 本当はもう一度、この総合振興計画基本構想、後期計画、特に成果指標の設定については、全面的に見直す必要があるのではないか。
どうしてもこのまま修正も訂正もせずに通すという姿勢は理解できないので、反対せざるを得ないが、可決したとしても、その実施の過程で、常に見直しの作業を進めるべきであることを指摘しておく。

 もう一つの、そして最大の反対の理由は、学校給食のセンター化の強行です。
 昨日、菖蒲給食センターで、調理員の検診で、1人の調理員ににノロウイルスが発見されただけで、7校すべての給食を、年内いっぱい停止せざるを得ない事態が発生した。
 まさに、センター方式の最大の特徴である大量一括調理方式による最大のデメリットとしての、リスクの集中、影響の拡大が大きく及ぶことの表れと言わざるを得ない。
 改めて、学校給食のセンター化方針を見直し、強行しないで、自校調理方式について検討するべきです。

【9月市議会】 久喜地区でもデマンド交通を導入する?
『声と眼』537号 2017/9/11

 現在、久喜地区では市内循環バスが7路線、菖蒲地区、栗橋・鷲宮地区でそれぞれデマンドバス・タクシーが2台ずつ運行しています。
デマンド交通は市民が誰でも登録できて1回300円、乗り合い制です。
市では久喜地区でもデマンドタクシーを導入する方針で、1月から1年間の実証実験を行うために、補正予算に年度内の費用680万円を計上しました。

 普通、デマンド交通とは予約制の乗り合いバスやタクシーのことを言います。
今回、市が行うデマンドタクシー実証実験は、高齢者・障害者・介護保険や難病の認定者だけを対象として、各タクシー会社1台ずつに限定して、個別に電話で予約して単独で利用し、料金の半額(1500円まで)を市が補助するというものです。
しかしこれでは高齢者などに運賃の半額を補助する、福祉タクシー制度と変わりません。

 市は1年間かけて何を“実証”し、その後にどのようなデマンド交通をやろうとしているのでしょうか。
もしかしたら実証実験後に、現在の2地区で運行しているデマンド交通も対象者を高齢者や障害者などに狭めて、300円の料金も引き上げようという狙いなのか、また久喜地区の循環バスを縮小・廃止して福祉タクシーに置き換えようとしているのかなど、“実証実験”の意図を明確にさせていく必要があります。

★久喜地区でもデマンドバスを走らせてほしいという要望が強いのは確かだが、なぜこの時期に「福祉タクシー」補助制度の実証実験なのか。
来年4月の市長選へのパフォーマンスではないかとの憶測もある。★


【9月市議会】 理科大跡地、物流施設への侵入道路計画
2016/12/9

 理科大跡地の6割部分がレッドウッドグループに売却され、巨大物流施設の建設に伴い、上清久の県道川越栗橋線(東北自動車道の東側)から物流施設への進入道路が建設されることになりました。《下の記事の図面を参照ください。》
 新しい道路は車道幅員9m、延長距離約100mですが、この周辺は大雨が降るとすぐに道路や田畑に冠水してしまう地域です。
 そこで理科大敷地内にも調整池が設けられているのですが、この道路の南側にも遊水池を設置します。
 またこの道路のすぐ北側には、養護老人ホーム偕楽荘があります。
 つまりお年寄りの方々の生活の場である偕楽荘の南側、陽の当たる方を、流通センターへの配送トラックが24時間、365日、ひっきりなしに通過することになるのです。
 市によると、事業者の見積もりでは1日150〜230台が通ると言うことですが、果たしてそれだけですむものかどうか、実際には数百台にも及ぶのではないかと心配されています。

 この辺は地盤が歩く、今月18日に地元住民に対する説明会を行い、地盤調査、地質ようさなどを経て、来年2月くらいから事業者が工事を実施する計画です。
 この道路は、物流施設の建設工事への工事用道路として使われ、その後、市に寄附されることになっています。
 物流施設の工事は16か月くらいかかると見込まれています。


【9月市議会】 理科大跡地の活用計画を公表
『声と眼』522号 2016/12/4

 11月21日に市議会全員協議会が開かれ、理科大跡地の活用計画(案)が公表されました。
今春から市民のアイデアを募集し、8月に活用計画原案を作成して市民の意見を募集していました。
39団体・個人から108件の意見が提出されましたが、結果的に最終計画に反映したのは、公共交通などの交通利便性について今後検討する 施設改修の財政計画を明らかにする、の2件にとどまりました。

教育委員会、子育て支援センターなど


【A棟】解体、
【B棟】1F/西児童館・子育て支援センター、2F/教育委員会事務局、3F/教育センター、
【C棟】1F/ラウンジ、2・3F/教育ホール・視聴覚ホール、
【D棟】教育委員会事務局、
【E棟】1・2F/こども図書館、
【F棟】1F/市民ギャラリー・多目的ホール・シルバー人材センター、2F/厚生室、
【特別教室棟】1〜3F/生涯学習センター

改修費約9億円、2019年完成

 来年度から改修工事に着工し、まず1年後に教育委員会事務局を移転、最終的に全体の改修工事が完成して、子育て支援センターやこども図書館が設置されて利用が開始されるのは4年後の予定です。

 改修工事の総額は、現在のところ概算で8億8092万円にのぼる見込みです。

[設計費・工事費(監理費含む)は万円未満四捨五入]

【第1期工事=C・D・F棟改修】
 2016年度に設計→17年度に改修工事を実施→18年1月に教育委員会事務局を移転、供用開始
 設計費593万円、工事費1億1905万円

【第2期工事=A棟解体および外構工事】
 2016・17年度に設計→17年度に工事を実施
◆A棟解体工事…設計費383万円、工事費8463万円
◆外構工事(駐車場整備など)測量費224万円、設計費192万円、工事費7956万円

【第3期工事=特別教室棟・B・C・D・E・F棟改修】
◆特別教室棟改修…2017年度に設計→18年度に工事
2019年度に生涯学習センターとして供用開始 設計費801万円、工事費1億5413万円
◆B・C・D・E・F棟改修…2017・18年度に設計→18・19年度に工事→20年度に子育て支援センターとして供用開始 設計費1835万円、工事費4億328万円


巨大物流センターで環境はどうなる?

 一方、理科大から流通企業(レッドウッドグループ)に売却された6割部分・約8万平方kmには、巨大物流施設が建設される計画です。
事業者側は今年3月には[延床面積約14万5000m2、各階約3万5000m2のランプウエイ方式の物流施設を建設。2018年半ばの完成をめざす]という計画を公表していました。

 これに対して市では周辺環境を悪化させないために、「地区計画」を定めて規制をかける方針で協議を続けてきましたが、結果的にはほぼ計画通りの物流センターの建設を容認することになりました。
建設規模は[延床面積約15万5600m2、建築面積3万9900m2、4階建て、高さ31m]とされています。
市では建物の北側斜線の規制の他、多量降雨時の周辺の冠水を防止するために調整池を掘り下げて現在の1.6倍程度の容量を確保させたなどとしています。

 進入路は、養護老人ホーム偕楽荘のすぐ南側に、車道幅員9m(両側歩道)、延長100mの道路が新設されます。
ここを24時間365日、トラックが走る!?



★「地区計画」は、年内に地域の説明会、1月に市民への縦覧と意見の提出、3月には決定の方針。その後、物流センター事業者の開発許可手続きを経て、1年後くらいには完成の見込みです。★


理科大跡地の活用へ、校舎改修費用は約9億円
2016/11/23

 11月21日に市議会全員協議会が開かれ、理科大跡地の活用計画(案)が公表されました。
【久喜市のホームページ・東京理科大学跡地の活用計画へのリンク】
 5月に市の活用計画原案を作成して、市民のパブリックコメントを募集していました。
39団体・個人から108件の意見が提出されましたが、結果的に、最終計画に反映したのは、以下の2件にとどまりました。
 ・交通利便性について、今後検討する
 ・校舎の改修などの財政計画を明らかにする

最終的に改修工事が完成して、子育て支援センターやこども図書館の設置が完了するのは3年後の2019年の予定です。

 【工事予定】
概算工事費は、万円未満は四捨五入
     概算工事額  
第1期工事(C・D・F棟改修)教育委員会事務局棟

設計 593万 2016年度
工事 1億1309万 2017年度 
監理 597万
第2期工事(A棟解体)
設計 383万 2016・17年度
工事 8410万 2017年度年度 
監理 54万
第2期工事(外構工事)駐車場整備など

測量 224万 2016年度
設計 192万 2016・17年度
工事 7742万 2017年度年度 
監理 213万
第3期工事(特別教室棟改修)生涯学習センター棟

設計 801万 2017年度年度
工事 1億4679万 2018年度年度 
監理 734万
第3期工事(B棟改修)子育て支援センター・こども図書館

設計 1835万 2017・18年度
工事 3億8776万 2018・19年度 
監理 1551万
合計 8億8092万  


理科大からの「教育振興基金」の使途
2016/9/15

 8月に、理科大からの寄付金1億円を「東京理科大教育振興基金」に積み立てた記事を書きました。
 その中で、「理科大の跡地利用のための校舎改修費用ですべてなくなってしまいそうです」と書いたのですが、ちょっと誤解を与える書き方になってしまったので、訂正しておきます。

 9月議会の質疑に対して、市は1億円の基金は、「図書購入費に充てる」方針で10年くらいで取り崩していく考えであることを明らかにしました。
 市内の小中学校の図書室、市立図書館の図書購入、理科大跡地に開設する予定の子ども図書館の図書を購入する計画です。

 ただ、理科大の校舎を無償譲渡してもらったものの、結局は金をかけて大改修しなければ活用できないので、これから2年間くらいの管理費と改修費を合わせれば2億円以上に上ることになってしまうだろうと推測されています。
 とすると、「1億円」の寄付金は校舎改修の1年目の工事でなくなってしまう計算です。
 理科大との話し合いの最中には、校舎にちょっと手を入れて、10月くらいには供用開始できると見込んでいたのですが、久喜市としては大きな計算違い・見込み違いとなってしまったわけです。
 理科大は撤退するにあたって校舎解体費用もかけずにすんだわけですから、久喜市としては1億円の寄付金をもらうよりも、校舎の改修費を出してもらった方がよかったのではないかとも思えてくるではありませんか。

理科大からの1億円の寄付金を「教育振興基金」に積み立て
2016/8/31

  東京理科大は跡地の6割をすでに物流企業に売却し、流通センターの建設を進める計画が明らかになっています。
 市がこの開発を認めるのと引き替えに、理科大は残りの4割部分を市に無償譲渡するとともに、「教育行政のための事業の資金に充てるため」1億円を寄付しました。
 市はこの1億円の全額を教育振興基金に積み立てるため、9月市議会に「東京理科大学教育振興基金条例」を提案しました。
 積み立てる額は「東京理科大からの寄付金の額」としていますので、寄付金1億円がすべてということになります。
 市は1億円および運用益金を計上するとしていますが、低金利時代でほとんど収益は期待できませんので、基金自体をを取り崩して教育行政の事業に使うことになります。
 実際には、理科大の跡地利用のための校舎改修費用ですべてなくなってしまいそうです。
 今年度の理科大跡地管理費は3461万円、9月議会の補正予算に第1期工事の設計費592万円、来年度予算で予定している工事費は9000万円と見積もられています。
 2期工事、3期工事の費用はまだ算定されていません。

理科大跡地利用方針案が公表された
『声と眼』516号 2016/8/22

 8月18日、市議会の議員全員協議会に理科大跡地の活用方針案が公表されました。
理科大が全面撤退して大学校舎を含む4割部分が久喜市に無償譲渡されたのに伴い、その跡地活用方法について2月から市民アイデアを募集するとともに市で検討を進めてきました。
9月から約1か月間のパブリックコメント(市民の意見募集)を経て決定する予定です。

 全体的には本部建物・図書館・校舎の5棟を「子育て教育センター」として活用する計画です。
現在は菖蒲総合支所に置いている教育委員会を全面移転、他に乳幼児から学齢期の発達相談や子育て相談、適応指導教室などの総合教育センター、西児童館と子育て支援センターの複合施設、こども図書館、多目的ホール・市民ギャラリー、教育ホール・視聴覚ホールを設置します。
他に3階建ての特別教室棟を高齢者大学や市民大学、会議室・研修室を一般にも貸し出す生涯学習センターとして活用します。

 当初は今年の10月から一部の利用を開始する予定でしたが、施設の大幅な改修を行った上で、来年12月頃から順次供用を開始していく予定です。

 [第1期工事]今年9月議会の補正予算で改修設計費(9000万円程度の見込み)を提案、可決した後、2017年度当初予算で改修工事を実施、来年12月に教育委員会の移転へ
 [第2期工事]一部校舎の解体と400台分の駐車場等の整備
 [第3期工事]特別教室棟と5棟の改修工事を行い、2019年に教育センター、その他の施設は2020年に供用開始の予定

★理科大が物流業者に売却した残りの6割部分について、市は開発を規制して地域の生活環境を守るための「地区計画」の策定に向けて事業者との協議を行っているが、いまだに合意に至っていない。★

理科大跡地の開発で周辺環境はどうなる?
『声と眼』512号 2016/6/13

  東京理科大は久喜キャンパス跡地の6割分(約8万u)を物流企業に売却する計画です。
久喜市は残り4割分(約5万u)を市に無償譲渡するのと引き替えに、その売却と開発を容認する方針です。
4割部分の土地と校舎は6月中には譲渡される見込みです。
施設の活用方法は検討中ですが、市長は「教育センター」機能を中心に複合的施設とする方針を固めたと言われ、秋には一部供用開始の予定です。

 残りの6割部分の開発に対して、久喜市では理科大と協議して、道路・調整池や雨水対策・建物の配置や規模・用途・高さ・緑化などについて一定の強制力を持った「地区計画」を定め、地域の住環境を悪化させないように規制をかけていく方針を明らかにしてきました。
しかし実際には、インターネット上ではすでに、理科大跡地への巨大物流施設「レッドウッド久喜デストリビューションセンター」の建設計画が先行して公表されてしまっています。
それによると、施設の延床面積約14万u(各階3万5000u×4階?)、「ランプウエイ方式のマルチテナント型の物流施設」とされ、2017年春に着工、18年半ばの完成をめざすとしています。
3月に地権者(理科大)と土地売買契約を締結したとも書かれています。
【参照⇒レッドウッド/埼玉県久喜市に大型物流施設を開発へのリンク】

 市と理科大との協議や地区計画も決まっていない段階で、一方的に施設の建設計画が発表されるのは順番が違います。
市がこれに抗議したのに対し、物流企業の社長が市長に謝罪したとも議会に報告されました。
このような状態で、開発から周辺環境を守っていくことなどできるのでしょうか。

 (仮称)菖蒲運動公園の整備計画の概要
2016/1/3

 12月に開かれた市議会建設水道委員会に、仮称・菖蒲運動公園の整備計画の概要と市民からのパブリックコメントの結果が公表されました。
 旧菖蒲高校が廃校(蓮田高校と統合)になった後の跡地を、昨年、県から購入し、今後、運動公園を整備する計画です。
 久喜市内には、久喜地区に総合運動公園、栗橋地区の南栗橋スポーツ広場とB&G海洋センター、鷲宮には鷲宮運動広場、菖蒲地区の上大崎運動公園など、各地区にスポーツ施設が整備されています。
 合併前の各市町ごとに同様な公共施設が整備されていて、市内にさらにスポーツ施設を増やす必要があるのかどうか、疑問の声もありました。
しかし菖蒲地区住民からは合併前から、菖蒲高校跡地の活用の要望が出されていたこともあって、これに応える形になりました。

【基本方針】
(1)健康増進:市民の健康増進に寄与するスポーツの場となる公園
(2)コミュニティ形成:地域の体育祭などの行事やイベントに活用できる公園
(3)防災:災害発生時における避難場所として活用できる公園
【これまでの経緯】
 平成26年 4月  埼玉県と土地売買契約締結
 平成26年11月  解体工事着手
 平成27年 5月  解体工事完了
 平成27年 8月  整備計画案のパブリック・コメント実施
 平成28年 1月  整備工事着手(予定)
【全体の概要】
 クリックで大きく

場所  久喜市菖蒲町菖蒲地内
面積  約4.1ha(41、155平方メートル)
主な施設
メイングラウンド(陸上競技、サッカーなど)
多目的グラウンド(ソフトボール、グラウンドゴルフなど)
広場(複合遊具を有する子供広場、多目的広場、バーベキュー広場など)
管理棟(管理室、会議室、更衣室、トイレ、用具収納施設など)
園路(ジョギング・ウォーキング、健康遊具、照明、トイレなど)
駐車場(約160台駐車)
駐輪場(約70台)

【今後のスケジュール】
・平成27年度は駐車場、バーベキュー広場、子供広場の整備を実施いたします。
・社会資本整備総合交付金を活用し、早期に完成できるよう事業を推進してまいります。

 【11月市議会】 久喜市総合振興計画の改定に反対討論を行いました
2015/12/28

 定例市議会は12月24日に議案の討論・採決を行って閉会しました。
 私は、一般会計補正予算、久喜市総合振興計画の改定、新政久喜と公明党の議員提案による市長の専決事項の指定の追加、公明党の提案によるブラッドパッチ療法の推進に関わる意見書の4議案に反対の討論をしました。

 総合振興計画は、理科大が撤退して跡地の一部を物流企業に売却するために、理科大側の要求に応じて用途の指定を「産業系ゾーン」に変更するものです。
 理科大の利益、転売先の物流企業の利益の便宜を図るために、市の総合振興計画を変更するのはスジが通りません。
 市民の政治を進める会の猪股、川辺、無会派の田中、共産党の4名が反対しました。
 新政久喜の荒井、岸、春山が賛成討論、さらに同じ内容の都市計画マスタープランの改定では宮崎議員が賛成討論、地元の清久地区区長会の連名による用途指定反対の請願には成田議員が反対討論を行いました。
 いずれの討論も、市の「跡地の一部の物流企業への売却、そのための用途の変更はやむをえない」という説明をそのまま全面的に丸呑みにして、「それが最善の選択だ」と強弁するものでした。

 【参照 ⇒ 11月市議会のすべての議案と議員の賛否へのリンクはこちら】


【反対討論】 (議案第114号) 総合振興計画の改定に反対します

猪股和雄

 東京理科大跡地の一部を産業系ゾーンに変更することに反対する。
 第1に、理科大がその土地を物流企業に売却したい、その売却先企業の開発を支援するために、市で時間をかけて手続きを踏み、市民参加のもので策定された総合振興計画の土地利用計画を変更するのは認められない。

 第2に、20年前の理科大誘致の際に、理科大は土地購入費に30億円を充てたとされていることは、これまでの議会での当局に説明でも再三確認されています。
その他には、造成費に14億円、建物建設費として61億円、外構等建設費で8億円とされています。

 理科大は久喜キャンパス全体の簿価を82億円としているそうですが、一般論として、簿価と時価は違いますし、土地代そのものは20年前の購入時よりは大幅に下落していると見られていますから、土地の用途指定を変更しないで、すなわち住居系としたままで他への売却をさせずに、その全体を久喜市が購入するという選択肢もあったはずです。
そうした具体的な交渉はなかったとされていますので、久喜市がその選択肢を取らなかった理由も明らかではありません。

 第3に、理科大は市に4割部分を無償譲渡して、6割部分を売却する計画ですが、産業系ゾーンに変更することによって、土地代は簿価どころか、大きく跳ね上がるというのが一般的な見方です。
とすると、今回の土地利用計画の変更は、理科大に利益をもたらすための変更ということになり、市民の理解が得られません。

 第4に、市は当該の土地について、地区計画で利用形態や形状を規制していくという考えを明らかにしていますが、本当に物流企業が来るのか、その他の企業が来るのか、どのような施設によって利用がされるのかまでは規制できませんから、周辺住民の不安に答えることにはなりません。

 第5に、土地の用途の変更についての、周辺住民の理解が得られていません。地元区長の皆さんと区長会の連盟の反対の請願が出されています。
もちろん、地域住民には賛成・反対の多くの考え方があるのは当然ですが、全体としては反対の意志であると理解するしかありません。
何よりも住民の意思を尊重して、時間をかけて判断するべきです。
既成事実を作ってしまえば、住民は従うしかないというのは、住民自治に反します。

【11月市議会】 市の総合振興計画・都市計画改定の議案が提案された
『声と眼』502号 2015/12/6

 東京理科大が来年3月に全面移転することに伴って、11月定例議会に、市の総合振興計画と都市計画マスタープランの改定が提案されました。

(1)これまでの総合振興計画の理科大との交流・連携の記載を削除します。
(2)理科大が久喜市に跡地の4割と1億円の寄附をする引き替えに、土地の残りの6割部分を物流企業に売却しその開発を認めるよう求めています。市はこの条件を受け入れて総合振興計画とマスタープランの土地利用構想、地区整備構想などを見直し、理科大跡地の一部を「産業系ゾーン」に変更することが提案されました。
(3)久喜駅東口から圏央道側道方面へつなぐ都市計画道路を整備するために用地買収が進んでいますが、吉羽地区・下水処理場周辺を産業系ゾーンに変更します。
(4)現在3か所のごみ焼却施設を1か所に統合して、菖蒲町台地区(久喜菖蒲工業団地と清久工業団地の間)に、新たなごみ処理施設を建設し、周辺に市民の森・緑の公園を整備する計画で、マスタープランをこれまでの田園地区から「公園緑地」に変更します。
(5)モラージュ菖蒲隣接地にバスターミナルを整備する計画でマスタープランの該当地区を「交通結節点」に指定します。

 都市計画マスタープランの変更は11月17日に開かれた都市計画審議会に諮問され、ほとんど議論もないままに即日「賛成」の答申がされました。

 しかし、(2)の理科大跡地の一部を「産業系ゾーン」に変更して物流企業の開発を進めることに対しては、地元区長会の連名で反対の請願も出されています。
これまでの住宅地区(教育施設)に限定した都市計画を、理科大の言うがままに用途変更を認めてしまっていいのか、土地が売却された後にどのような施設ができるのか、周辺の環境や交通への悪影響はないのかなどの疑問が残されたままです。

総合振興計画改定の議案へのリンク
都市計画マスタープラン改定の議案へのリンク

★総合振興計画の改定は14日の総務財政市民委員会で、都市計画マスタープランの改定と理科大跡地の用途変更に反対する請願は16日の建設上下水道委員会で審議されます。★
総合振興計画の改定案

理科大跡地の一部
吉羽地区      
都市計画マスタープランの改定案

新しいごみ処理施設の位置
菖蒲地区の交通結節点  

地元から、理科大跡地の開発反対の請願
『声と眼』501号 2015/11/21

 理科大跡地の用途変更に反対する請願が地元の清久区長会の区長の連名で提出されました。理科大から物流企業への土地売却と開発に反対し、土地利用計画の変更を認めないよう求めています。
紹介議員として、猪股・川辺・田中・渡辺議員が署名しました。

 【請願事項】東京理科大久喜キャンパス撤退跡地の他の用途変更を行なわないこと。即ち現行の久喜都市計画マスタープランの土地利用計画に則った土地利用を堅持して頂きたい。

【趣旨】東京理科大学久喜キャンパスを誘致するにあたり、当該地は市街化調整地域かつ農業振興地域内にあり、市街化を促進する恐れがない土地として、都市計画法及び農業基本法に基づき、市街化調整地域内での学校教育法第一条に規定する大学設置の認可をされた経緯があります。そして久喜市が大学用地費用を提供し、周辺地を文教地区としてその大学敷地は「学校用地」として堅持するものとして、市及び市議会は行ってきたものであり、当区長会もこれを支持するものです。
 久喜市、東京理科大及び地域住民は、平成5年4月の大学開校前後から、相互の発展を目指して互いに協調を図って今日に至りました。
 しかしながら誠に残念なことに平成27年5月に大学機能の移転・撤退の方針が伝えられ、その跡地の帰属及び使用方法がクローズアップされる事態になりました。
 市街化調整地域(市街化を抑制すべき地域)での大学施設移転後の跡地は、同校の当初目的を達したものとみなし、原状に回復されるのが原則だと考えられますが、それが無理であるならばその使用方法については、現行の久喜市都市計画マスタープランに沿った土地利用をして頂きたく、少なくとも地区内及び周辺地域の環境保全に反するような施設(例えば流通業務施設など)の建設を安易に認めるべきではないと考えます。一旦、久喜市が用地を買い取り環境の維持及び高等教育機関の存続方向など、上記趣旨に沿った土地利用を十分に検討頂くことも大切であると考えられます。いやしくも安易かつ性急に他の目的に使用しないで頂きたいと考え、本請願に至りました。
 平成27年10月15日

請願者 清久地区区長会会長 真田忠雄、他13名(区長)


★11月17日、都市計画審議会に、「都市計画マスタープラン」の理科大跡地の土地利用を「産業系ゾーン」に変更する諮問が行われ、即日、「賛成」の答申。
地元の多数の反対意見に、慎重審議が必要ではなかったか。★

久喜市が理科大跡地の用途変更を認める
2015/10/3

  29日に、市議会全員協議会が開かれて、市長から東京理科大との間に土地等の譲渡および寄付金に関する「覚書」を締結したことが明らかにされました。
 その概要は以下の通りです。(原文の「甲」は久喜市、「乙」は理科大と読み替えて記します。

(1)「東京理科大学経営学部久喜キャンパス移転後の跡地に係る覚書」
 第1条(目的)この覚書は、跡地について、平成27年6月18日付け東理法総第23号東京理科大学理事長通知に基づき、現在までに久喜市及び理科大が合意している基本的方向性を文書にて確認することにより、今後も引き続き久喜市と理科大の信頼と協力のもと、取組を進めていくために定めるものである。
 第2条(土地・建物の譲渡)理科大は、久喜市が行う跡地の久喜市総合振興計画及び久喜市都市計画マスタープランにおける土地利用構想の産業系への変更を条件に、別紙のとおり跡地の土地及び建物の一部を久喜市へ無償で譲渡する。
 2 理科大は、前項に基づき、平成28年4月1日以降、同年7月1日までに久喜市へ所有権を移転するものとする。
(以下、略)

(2)「寄付に関する覚書」
 第1条(寄付)理科大は、久喜市の教育行政の推進に資することを目的に、久喜市へ1億円を寄付するものとする。
 第2条(寄付の時期)理科大は、平成27年9月24日付けの「東京理科大学経営学部久喜キャンパス移転後の跡地に係る覚書」第2条の規定に基づく所有権移転後、速やかに前条の額を久喜市へ寄付するものとする。
(以下、略)

 締結日はいずれも、平成27年9月24日となっています。

【参照】 ⇒理科大覚書、総合進行計画図・マスタープラン計画図の変更 PDF

 理科大の地域は、これまで久喜市では市の最も基本的な最上位の計画である「総合振興計画基本構想」「前期基本計画」、「都市計画マスタープラン」で、「住居系ゾーン」と位置づけてきました。
 理科大は大学跡地の4割を久喜市に譲渡して、残りの6割を「物流企業」に売却しようとしていますが、住居系ゾーンのままでは企業立地による開発が認められないため、久喜市の基本計画等でこの地域を産業系ゾーンに変更するよう要求してきていました。
 市では今後、理科大側の求めに応じて、総合振興計画基本構想・前期基本計画、都市計画マスタープランの位置づけを産業系ゾーン変更の手続きを進めることにしています。
 10月中旬に、土地の用途変更について「パブリックコメント」を実施して市民の意見を募集し、11月には都市計画審議会に諮問して、その答申に基づいて氏の方針を決定、市議会11月定例会に、「総合振興計画基本構想・前期基本計画」「都市計画マスタープラン」の改正を議案として提案する予定です。

土地と建物の譲渡や寄付金と引き替えに、売却を認めていいのか

 しかしこれまで住居系ゾーンに位置づけて、教育目的に利用するとしてきた地域に、理科大の都合による移転、土地売却を容認し、物流企業の立地を認めていいのか、周辺環境が激変することになりますが、住民の理解は得られるのでしょうか。
 今のところ、地元の清久区長会では反対の声が強いようですが、ていねいに地域の声を聞く必要があります。
 また、これまでの理科大との協議では「物流企業への売却」ということで、議会にも説明されてきていましたが、今回、「覚書」では「産業系への変更」とされています。
 これでは物流企業以外にも、商業施設や工場などの立地も可能になってしまうおそれがあります。
 今後の理科大の考え方次第で、何が立つのかわからないというフリーハンドを認めてしまっていいのか、どうやって歯止めをかけるのでしょうか。

理科大が土地の4割と校舎を久喜市に無償譲渡する意向
2015/6/3

  6月1日に、副市長から理科大移転問題について、協議経過の説明がありました。

 理科大は2012年6月に、いったんは経営学部の1年生だけを残して、2年生以上は移転させることを決定していましたが、昨年7月の理事会では、この規定方針を覆して久喜キャンパスの全面撤退を正式決定しました。
 久喜市は当初の計画通りに1年生だけは久喜キャンパスに残すよう要求していますが、すでに来年度の学生募集も取りやめており、3月には全面的に移転する計画です。
 跡地については、理科大は久喜キャンパスの土地をすべて流通系企業に売却する計画を明らかにし、久喜市に対して、現在は「教育目的」に限定されている土地の用途を外すように求めてきました。
 現在の用途指定のままでは、土地が第三者に売却されても、物流事業も住宅も建築できません。

 久喜市としては、土地の用途変更は認めず、理科大を残すことが困難でも、土地を他の教育機関に譲渡することなどで、引き続き「教育目的」に供するよう求めて、理科大との話し合いを進めてきましたが、副市長の話によると、最近になって、土地の40%と校舎等の大半を久喜市に無償譲渡するという申し出があったとのことです。
 理科大としては久喜キャンパスの資産の半分を市に譲渡することを条件に、残りの60%の土地を流通系企業に売却できるよう、久喜市の用途指定の変更を求めています。

 久喜市行政はこれを「理科大側からの最大限の配慮として受け止め、市議会の理解が得られるならこの話を進めていきたい」という考えです。
 その場合、用途指定の変更は、11月議会に、久喜市総合振興計画および都市計画マスタープランの改正を提案し、物流事業の開発を認めていきたいとしています。

 しかし本来なら、20年前に理科大を誘致した際に、市から理科大に30億円の補助金と周辺整備に10億円の税金を投入しています。
 理科大が大学側の都合によって撤退するのなら、土地と建物のすべてを久喜市に寄付するのが道理ではないでしょうか。
 土地の4割と建物の大半を久喜市に無償譲渡するというのは、これまでの計画からすれば前進とは評価されますが、残りの6割の土地を物流企業に売却してしまうというのは、市民感情からしてどうでしょうか。
 市議会は代表者会議の場で昨年から対応を協議し、今年に入って市長に申し入れも行ってきていますから、あらためて代表者会議などで意見交換を行った上で、対応を検討していく必要があります。 

  現在の理科大久喜キャンパスの内、中央北側の正門から右側半分の土地と校舎(赤枠)A棟、B棟、C棟、D棟、E棟(図書館)、F棟、特別教室棟(右下)を久喜市に譲渡するとしている。
 左側半分(グラウンド、テニスコート、野球場(調整池)と体育館は売却する計画。



理科大移転の対応方針で、市長に申し入れ
2015/4/5

 3月31日、市議会の各会派の代表者で、田中市長に理科大問題についての申し入れを行いました。
 当日の議会側からの出席者は、井上議長、富沢副議長、新政の岸議員、公明党の岡崎議員、共産党の杉野議員、市民の政治を進める会の猪股です。(他に議会事務局長も同席)。

 東京理科大学は、2018年4月には久喜キャンパスを全面撤退する方針をすでに決定してしまっています。
 これまで久喜市は、理科大の移転方針表明を受けて、「せめて1・2年生だけは久喜キャンパスに残してほしい」と要望してきましたが、理科大学側は一度は「1年生だけを残す」と回答していたものの、昨年には理事会で全面撤退を正式決定してしまいました。

 理科大は1995年に久喜キャンパスに経営学部を開設したのですが、当時、久喜市は理科大誘致運動を行い、1991年から95年度までに30億円の補助金を交付し、その他に道路や下水道などの周辺整備費として9億2300万円を支出しています。
 また当時、理科大の用地については教育目的として用途が指定されており、原則として、それ以外の目的には利用できません。

 理科大としては、移転後の跡地を流通系の企業に売却したい考えで、久喜市に対して用途指定の変更を求めてきていますが、久喜市および市議会としては現在までのところ、それは絶対に認められないという立場です。

 そこで、理科大移転問題について、市議会としてどう対応するべきか、1月から代表者会議で協議をしてきたのですが、以下の点について各会派の認識が一致しています。

 理科大の理事会で移転を正式決定してしまった段階では、移転そのものを阻止することは困難であるが、跡地の流通系企業への売却は認められない、街頭の土地の教育目的という用途の変更は認められない。

 3月31日の市議会会派代表者と田中市長との会談において、市議会からは田中市長に対して、今後もこれらの基本原則を守って理科大側との協議に当たるように求めました。
 市議会は直接に理科大との協議の場に出るわけにはいきませんが、この問題については、市長の原則的対応をバックアップし、支えるという立場であることは言うまでもありません。

 田中市長からは、理科大移転後の跡地利用問題について、遅くとも新年度中には結論を出していかなければならないとの認識が示されたのですが、それ以上の具体的な方向性は明らかにされませんでした。


 なお、市議会としてさらに(代表者会議の協議で文書で確認しているわけではありませんが)、土地を理科大が保有し続けるにしても、他の団体に所有権が移るにしても、最低でも、跡地を教育目的に活用していくべきであるという認識も一致しています。

 その場合、(ア)理科大が教育目的に活用する、(イ)教育目的に活用することを前提として、理科大から他の団体に売却する、(ウ)久喜市が土地を取得して教育目的に活用する、などのケースが考えられます。

【参照】⇒議会は静観してるだけではすまない 2014/11/14
【参照】⇒久喜市から理科大への回答 2014/11/10
【参照】⇒理科大からの要望書 2014/7/21


六間道路の歩道の改修・整備を
2015年 2月議会、いのまたの一般質問 『声と眼』489号 2015/3/27

 久喜市道1号線(通称、六間道路)は、旧久喜市で最も早い時期に整備された道路で、ほとんど全区間で歩道も設置されています。
しかし数十年前に整備された歩道はたいへんひどい状態で、特にJR線路西側の中央2・3丁目、南1・5丁目の区間は狭くてガタガタ。
電柱などもあって、車いすでは通れないばかりか、子どもと手をつないでも歩けない、ベビーカーも通れない、人とすれ違いもできません。
六間道路の劣悪で危険な歩道は全面的に拡幅・改修が必要で、早急に整備計画を立てるべきです。

 県道春日部久喜線にオーバーブリッジができて、六間道路の車の通行量は大幅に減っています。
そこで私は、道路全体の幅員はそのままで車道部分を狭くし、歩道を拡幅して整備するように提案しました。

久喜市の農政についての調査・提言
『声と眼』486号 2015/1/26


 1月19日に市議会教育環境委員会で、久喜市の農政の現状について所管事務調査を来ないました。
久喜市では昨年「農業基本条例」を制定し、『農業を本市の基幹産業として育む』としています。
しかし実態はそれとはほど遠く、農家戸数、農業就業者数、経営耕地面積はいずれも大きく減少を続けています。
下表は10年間の推移と増減です。

  2000年 2005年 2010年 10年間の増減 
農家戸数(戸)   3532 3319 3048 ▲13.3% 
販売農家(戸) 3821 2394 2020 ▲47.1%
自給的農家(戸) 711 925 1028 +44.5%
就業者数(人) 4725 4092 3049 ▲35.5%
男(人) 1931 1807 1426 ▲26.1%
女(人) 2794 2285 1623 ▲42.0%
15〜64歳(人) 2060 1550 1010 ▲51.0%
65歳以上(人) 2665 2542 2039 ▲33.5%
経営面積(ha) 3053 2513 2349 ▲23.1%
田(ha) 2315 1983 1828 ▲21.0%
畑(ha) 581 415 431 ▲25.8%
樹園地(ha) 158 115 90 ▲43.0%

 10年間の増減では、農家戸数は13%減にとどまっているものの、経営体としての販売農家は半分近くまで減り、ほとんどが自給的農業になっています。
男女、年齢層を問わず就業者数は急減し、同時に高齢化も進んでいて、このままではじり貧です。
特に梨の栽培面積の減少は著しいものがあります。
 農産物別では、今のところ梨、いちごの栽培面積は県内上位にありますが、先行きは不透明です。

  梨  イチゴ  水稲 
 1位 久喜 105ha  吉見 17.0ha  加須 5020ha 
 2位 白岡  76ha 久喜  11.0ha 熊谷  2450ha
 3位 蓮田  63ha 加須  8.0ha 行田  2140ha
 4位 神川  56ha 本庄  7.8ha 久喜  2090ha
 5位 加須  47ha 川島  7.8ha 鴻巣  1960ha

久喜市の農業政策に何を求めるか

 久喜市内の農業活性化のためくには、農地の集約化、農業経営の大規模化、若い農業経営者や企業・法人の参入による農業経営の多様化が不可欠です。
一方で、市内では米や野菜の環境保全・資源循環型農業に多くの農業者が取り組んでいます。
私は、久喜市独自の認証制度やブランド化、市民への情報発信やふるさと納税制度と結びつけて全国への積極的な発信の取り組み、さらに各地域の遊休農地を市民貸し農園にして農業生産を広げていく、そのために地権者への助成制度の創設などを提案しました。