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「不戦・非武装の憲法を世界へ」
1999〜2021

統一協会から 市社協に「寄付金」
『声と眼』640号 2022/11/1

  9月30日に開かれた市議会全員協議会で、久喜市社会福祉協議会に「統一協会」からの寄付があったことが公表されました。
昨年4月と10月に5000円ずつ2回にわたって「寄付」があり、社協の領収書を発行していました。
寄付者名は「平和大使協議会埼玉県連合会久喜加須支部」の個人名になっていますが、実質的に統一協会からの寄付と言えます。

 市の社協は市長が会長ですから、市と一体の組織です。寄付金の金額は少額ですが、社協の領収書がこの団体の宣伝や正当性を証明するために使われたりする怖れがあります。

 全員協議会の場で、私は寄付金を返して社協の領収書を取り戻すように求めましたが、市長は『返還はしない。今後は寄付を受け取らない』と回答しました。
県内の他市の社協にも寄付が相次ぎ、市では事前に埼玉県社協と協議した結果、『返還する必要はない。今後は受け取らない』という共同歩調を取ることになったようです。
他市と合わせるだけでなく、久喜市としての毅然とした対応が必要です。

 この地域の国会議員では、三ツ林衆議院議員が統一協会の集会に参加していたことがわかっています。
また昨年、梅沢県議が「平和大使協議会東埼玉総支部久喜加須支部」の代表を務めていましたが、その後に代表を辞退したそうです。
梅沢県議は3年ほど前のクリスマス会に呼ばれたことがきっかけだったそうですが、何年にもわたって付き合いがあったのでしょうか。

★統一協会は自民党に深く食い込み、野党や地方議員にも触手を伸ばそうとしていたらしい。
久喜市議会で統一協会の政治的主張に同調したり、宣伝塔になったりした議員がいなかっただろうか。★


【11月市議会】 意見書に賛成討論
戦没者の遺骨を含む土砂を埋立てに使うな
2021/12/25

 12月24日の久喜市議会最終日、本会議で、「沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないこと等を求める意見書」が賛成多数で可決されました。
 賛成は、市民の政治を進める会、共産党、公明党、政策の会、無会派と、新政の4議員で22名、新政が半分に割れて、平澤、並木、鈴木、井上の4議員が反対に回りました。
 猪股の賛成討論です。

「沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を
埋立てに使用しないこと等を求める意見書」
に対する賛成討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

 『沖縄戦で亡くなった犠牲者の遺骨を含む土砂を、埋立て工事に使わないでください』というこの意見書、同様趣旨の意見書は、全国の自治体議会で意見書が続々と可決されています。

 全部が集約し切れていませんが、少なくとも、10月までに、沖縄県内25自治体をはじめ、全国で133議会以上で採択されていると伝えられています。

 埼玉県議会でも、政治的立場を超えて、10月に同様の意見書が採択され、国に提出されました。

 問題の発端は、沖縄・名護市辺野古で米軍基地建設で、軟弱地盤の埋立てに、沖縄本島南部の土砂を使うという計画が明らかになって、防衛省が昨年4月に沖縄県へ提出した設計変更申請書で、埋立て用土砂の採取候補地に、糸満市や八重瀬町などが追加されことです。

 この地域では、沖縄県民だけではなく、埼玉県民をはじめ、全国各地から送り込まれた多くの兵士、アメリカ軍兵士などが命を落としました。
今でも民間の遺骨収集が続けられており、鉄の暴風の下で粉砕されて、さらに戦後70年の風化で完全に土砂と一体となった遺骨が眠っていると言われます。

 私個人は、辺野古の新基地建設に反対する立場ですが、この意見書についてはその立場をいったん脇に置きます。

 辺野古の埋め立てに賛成、反対の立場を超えて、沖縄戦激戦地の戦没者の遺骨が混じった土砂を埋め立てに使うこと、それ自体が、戦没者への冒涜以外の何ものでもない、人道上の問題です。

 前者(平沢議員の反対討論)で言われましたが、人道上の問題を、辺野古基地の賛成反対の議論に結びつけるのは間違っています。

 死者の霊を大事にする日本人で、 この意見書に反対できる方がいるとはとうてい思えません。

 よって、この意見書に賛成します。

【11月市議会】 戦没者の遺骨を含む土砂を埋立てに使うな
『声と眼』622号 2021/11/29

 『沖縄戦で亡くなった犠牲者の遺骨を含む土砂を、埋立て工事に使うな』 全国の自治体議会で意見書が続々と可決されています。
沖縄・名護市辺野古で米軍基地建設を進める政府が、軟弱地盤の埋立てに、沖縄本島南部の土砂を使う計画が明らかになりました。
防衛省が昨年4月に沖縄県へ提出した設計変更申請書で、埋立て用土砂の採取候補地に、今も多くの遺骨が眠る糸満市や八重瀬町などが追加されました。
これは辺野古新基地の建設に対する賛否を超えて、戦没者への冒涜以外の何ものでもありません。

 11月29日に開会された久喜市議会定例会に、「沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないこと等を求める意見書」を提出しました。
提出者は、上條(政策の会)、岡崎(公明党)、杉野(共産党)、川辺(市民の政治を進める会)、田村(無会派)の5名の共同提案です。

沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を
埋立てに使用しないこと等を求める意見書

 先の戦争における沖縄戦では一般住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が行われ、多くの尊い命が失われた。
糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「平和の礎」には、国籍、軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられた24万1632名の氏名が刻銘されている。

 糸満市摩文仁を中心に広がる沖縄本島南部地域では、沖縄戦で亡くなった兵士や沖縄県民の遺骨が今なお残されており、戦後76年が経過した現在でも戦没者の遺骨収集が行われている。
先の戦争で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を埋立てに使用することは人道上許されるものではない。

 よって、国においては、戦没者の遺骨収集を着実に推進するため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂を埋立てに使用しないこと。

2 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律により、国が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
沖縄及び北方対策担当大臣あて 

沖縄・摩文仁の丘に拡がる「平和の礎(いしじ)」


【6月市議会】  「憲法に緊急事態条項を」意見書を否決
『声と眼』595号 2020/7/4

 6月市議会に新政久喜が「国会で憲法改正議論の推進を求める意見書」を提出しました。
提案した平澤議員は、コロナ感染症が拡大する中で、強制的にイベントを中止させたり店を休業させたりできなかったのは、憲法に「緊急事態条項」がないためで、『日本国憲法は欠陥憲法である』として、緊急事態条項を盛り込むために憲法を改正するよう主張しました。

 4月7日に発令された緊急事態宣言に、ほとんどの国民が自発的に協力してきました。
日本では国家が直接人権を制限する強制的権力を持つべきではありません。
新型コロナ感染症に便乗して憲法改正を叫ぶのはコロナ禍の政治利用に他なりません。
結局、新政の8名以外の全議員が反対して否決しました。


【6月市議会】 憲法に緊急事態条項を規定するという意見書に反対
2020/7/4

 定例議会最終日の7月2日、全議案の討論採決が行われました。
 私は、新政久喜が提案していた、エッセンシャルワーカーに対する敬意と感謝を表する決議、憲法に緊急事態条項を盛り込む改正論議の推進を求める意見書に、反対討論しました。
 いずれも、賛成は新政久喜の8名のみ、政策の会、公明党、共産党、市民の政治を進める会、無会派議員の全員の反対で否決されました。

 【決議第6号】 国会における憲法改正論議の推進を求める意見書に
対する反対討論

市民の政治を進める会 猪股和雄

(1)提案者が、憲法上に規定しようという緊急事態条項は、憲法を一時停止させて、基本的人権を制限する、国民に対する強権的な強制力をもって、個人の行動を制限し、従わせるものです。
 提案者は「公共の福祉」の名目をもって、基本的人権を制限してもよいというお考えのようですが、
 憲法97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と規定しています。
 提案者は、それを否定して、緊急事態条項を規定しようと言うのですが、それは、憲法自体が否定していることであって、憲法上、本来許されません。

(2)提案者は、今回のコロナ感染症対策として、緊急事態条項が必要であったと言っているのですが、現実には、日本では国家による強権的な人権規制を行わなくても、人々の自発的な協力によって、おおむね、自粛は守られました。
 守られないケースもありましたが、それは基本的には例外的なものであって、人々の自主的な協力を求め、それを広げていくことの方が、むしろ効果的であり、必要であろうと考えます。
 そのためには、自粛に対する補償、給付や助成を十分に行うことによって、自粛をより効果的なものにしていくことが大切です。
 提案者は、例外的に自粛要請に従わなかった人に対して、強制するために緊急事態条項が必要だというのですが、それをしても従わない人は出るのであって、100%従わせるというのは、どこかの独裁国家のようなやり方を彷彿とさせるやり方です。
 仮に、緊急事態条項を発動して、強制力を持ったとしても、命令に従わない人が出るケースはあり得るのであって、その場合、物理的に拘束してでも従わせることになるのでしょうか。
 日本では、そうしたやり方は必要でもなく、とるべきでもありません。

(3)自粛に対する補償が不十分であったという、同情すべき事情もあります。
 それを権力的な強制力で従わせればよいという発想はあまりにも安易です。
 新型コロナ感染症の危機に便乗して、憲法改正に結びつけるのは、あまりにも乱暴な議論です。
 よって、本意見書に反対します。

【9月市議会】 モリカケ疑惑の真相究明に反対って?
『声と眼』539号 2017/10/6

 9月市議会に「森友学園・加計学園疑惑の真相究明を求める意見書」を提出しましたが、反対多数で否決されました。
採決で、市民の政治を進める会3人と共産党4人が意見書案に賛成しましたが、新政(議長を除く14人)と公明党5人が反対しました。

 本会議では新政の平沢議員が、『国家戦略特区は文科省の岩盤規制を崩すものだ』『「文科省と内閣府との打ち合わせを記録した文章」は担当者のメモに過ぎない』『獣医学部の申請を永年繰り返してきた加計学園の新設は認められるべきだ』と獣医学部設置は正しいという主張を繰り返しました。
また、『なぜ安倍首相の関与を疑うのか』などと“疑惑”そのものを否定する立場も明らかにしました。

 森友・加計学園疑惑は、安倍首相自身や昭恵夫人、側近の政治家たちや官僚が、首相のお友だちの利益を代弁して国政をゆがめたという疑惑です。
しかも権力を使って圧力をかけ、あるいは忖(そん)度(たく)して国政を私物化したのではないかと疑われています。
当然、安倍首相がその疑惑に対して説明責任を負っています。
一連の文科省の文書や前川氏の証言等々から疑惑が存在することはだれもが認めるからこそ、安倍首相自身も『ていねいに説明する』と言わざるをえなかったのではないでしょうか

 この意見書は、国家戦略特区や規制緩和、獣医学部新設に賛成か反対かには関係ありません。
仮に目的が正しくても、政治家がお友だちの利益を優先させてはいけません。
まわりの側近政治家や官僚が首相のご意向を忖度して圧力をかけてはいけません。

 疑惑自体を否定する平沢議員ら新政や公明党の議員たち、あまりに市民感覚とかけ離れています。
国政で安倍政権与党なので、“疑惑”が見えなくなっているのか、あるいはあえて見ないようにしているのでしょうか。

★市民の政治を進める会は、猪股・川辺・田中の3人。
新政(人)は政府に対する意見書3議案にすべて反対したのだが、すでに全員、自民党に一体化してしまっているのか。★


【9月市議会】 森友・加計疑惑をうやむやにさせない
『声と眼』537号 2017/9/10

 国会は森友、加計問題に安倍首相や昭恵夫人自身が関わっているのではないかとの疑惑がますます深まっています。
しかし多くの官僚や政治家たちが記憶がない、記録もないとしらを切り続け、安倍首相の「ていねいな説明」の言葉とは裏腹に、疑惑の解明もまったく進まないまま、逃げ切りをはかっています。このまま闇に葬ることは許されません。
−9月4日から市議会定例会が開かれています。私は「森友・加計疑惑の真相究明を求める意見書」を提出しました。

★「森友・加計疑惑の真相究明を求める意見書」は最終日の日に質疑、討論、採決が行われる。
久喜市議会の議員たちが、この疑惑究明にどのような態度を示すのかが問題だ。★

森友学園、加計学園疑惑の真相究明を求める意見書

猪股和雄

 学校法人加計学園の愛媛県今治市での獣医学部開設をめぐり、国家戦略特区が恣意的に利用されたのではないかという疑惑は、国民の政治に対する大きな不信を招いている。
加計学園が経営する岡山理科大学が来年4月に開設を計画している獣医学部は、安倍政権が規制緩和を大義名分に推進している「国家戦略特区」で今治市に設けられることになる。
加計学園はこれまで何度も獣医学部の開設を計画してきたが、文部科学省、農林水産省、日本獣医師会などが同意に至らなかった。
ところが今治市が国家戦略特区に指定されたことを受けて、加計学園の獣医学部新設が認められることとなった。

 文部科学省と内閣府との打ち合わせを記録したとされる文書には、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと、安倍首相の関与を疑わせる文言が盛り込まれている。
さらにこうしたやりとりがあったとみられる直後に、文部科学省は「1校に限り」設置を認める方針を打ち出している。
これらの経緯は、安倍首相の何らかの関与があったのではないか、内閣府や文部科学省が首相の意向を忖度して設置を進めたのではないかとの疑念が生じるのは当然である。

 政府はそれらの文書の内容そのものを否定しているが、文書には作成時期や打合せに参加した関係者名を明記したものもあり、文部科学省前事務次官の前川喜平氏もこれらを認めた上で、「行政がゆがめられた」と発言している。

 しかもこの間、加計学園の理事で内閣官房参与を兼ねていた木曽功氏が昨年8月下旬、文部科学省の前川喜平事務次官(当時)を訪問し、国家戦略特区として獣医学部の設置を早く進めてほしいと求めていたこと、和泉洋人首相補佐官も前川氏に手続きを進めるよう要請していたことも明らかになっている。
これらは、内閣府、木曽功内閣官房参与、和泉洋人首相補佐官という3ルートから文部科学省に働きかけがあったことをうかがわせる。

 加計学園の理事長は、安倍晋三首相の“腹心の友”と言われ、また安倍首相の妻・昭恵氏は加計学園の系列保育施設で名誉園長を務めている。
一方で、森友学園疑惑においても、昭恵氏が名誉校長を務めていた小学校の開設のために国有地の格安払下げや認可が進められてきた。
首相夫妻と親しい人物が理事長を務める学校法人が、そのゆえに政府から特別な扱いを受けることができるとすれば、国政が私物化され、行政がゆがめられたことになり、事態は重大である。

 森友学園疑惑についてもいまだに疑惑は解明されていない。
4月に実施された世論調査(時事通信)では、学校法人森友学園への国有地売却問題をめぐる安倍首相らの説明に対して、「納得していない」が68.3%を占めている。
今回の加計学園疑惑とともに、森友学園に関わる疑惑の真相究明は、政治に対する国民の信頼を回復するためにも急務である。

 よって、政府及び国会は、安倍昭恵氏や文部科学省前事務次官の前川喜平氏、和泉洋人首相補佐官など関係者の国会招致を行うなど、一連の疑惑に対する真相解明に積極的に取り組むよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣あて

【9月市議会】 沖縄・ヘリパッド基地建設強行に反対する意見書は否決された
2016/9/30

9月議会に、共産党から『沖縄・米軍北部訓練場ヘリパッド建設強硬に反対する意見書』が提出されました。
猪股と川辺議員が賛成討論を行いましたが、申請と公明党の反対で否決されました。

沖縄・ヘリパッド基地建設強行に反対する意見書に対する賛成討論

市民の政治を進める会  猪股和雄

 沖縄防衛局は、N1ヘリパッド基地建設が予定されている東村高江にて、機動隊による制圧体制のもと、大型工事車両を米軍北部訓練場のメインゲートに搬入しました。また県道を封鎖するため、たった140人の村に500〜1000名規模の機動隊を投入し、高江ヘリパッドを7月22日着工しました。

 非暴力で抵抗を表現する市民を強権的、暴力的に規制し、負傷者も出ています。
政府・防衛省の強権と機動隊による市民への暴力は絶対に容認できません。
 
 また、周辺に広がるやんばるの森は、希少生物が生息する繊細で豊かな生態系を有しています。
政府は、国際的にも希少とされ高くその価値を認められ、国が保全を求められているこの森を自ら破壊しようとしています。
工事用大型車両用に森を切り開いて道路を作り、ヘリパッドが完成すればオスプレイが年間4000回以上の訓練をおこなうことになり、生態系や人々の暮らしへの影響は深刻です。
安倍政権は、沖縄の人々の平和で安静な暮らしと民意を土足で踏みにじり、米国に追従して周辺諸国との緊張を増幅させる道をひたすら突き進もうとしているという以外にありません。

 沖縄県と沖縄を差別し、沖縄の人々に対して、米軍基地の重圧をいっそう拡大し、ていく安倍政権の暴挙に強く抗議するととともに、政府に対し、参院選沖縄選挙区で明確に示された民意に反するヘリパッド基地建設を中止すること、沖縄県の意志を尊重して辺野古移設計画を中止・撤回することをも強く求めます。
 海兵隊の速やかな撤退と、沖縄の米軍基地の無条件返還について、米国と協議していくべきです。

【2月市議会】 憲法改正推進の意見書に賛成多数
『声と眼』508号 2016/3/25

 「国会における憲法改正議論の推進を求める意見書」を鈴木・並木・平沢・成田議員が提案、春山・貴志議員が賛成討論を行い、新政の14名(議長除く)の賛成で可決されました。
反対の立場から猪股・杉野議員が質疑と討論、戸ヶ崎議員も「憲法審査会の議論が先ではないか」と質疑しました。採決で市民の政治・共産・公明など12名が反対しました。
意見書には、家族、教育、環境、大規模災害や緊急事態に新たな対応が必要と書かれています。
しかしこれらは現行憲法の規定で対応できるものばかりですから、彼らのいちばんの目的が、自民党改憲草案にある「国防軍」の明文規定など9条改正にあることは明らかです。
こうした改憲論に、新政久喜で疑問を呈する人は1人もいないのでしょうか。


【2月市議会】 憲法改正の促進を求める意見書に反対しました
2016/3/20

 2月定例市議会最終日の3月18日、新政久喜が提出した「国会における憲法論議の推進と国民的議論の喚起を求める意見書」が,賛成多数で可決された。
 意見書の提案者は、鈴木、並木、平沢、成田議員、新政久喜からの賛成討論に立ったのは春山、貴志議員、新政久喜の14名(議長を除く)全員が賛成しました。
 反対の立場から、質疑をしたのは、猪股、杉野、戸ヶ崎議員、反対討論は猪股、杉野議員で、市民の政治を進める会、公明党、共産党、無会派の田中議員が反対しました。
 賛成14名、反対は12名でした。

【意見1号 憲法改正論議の促進を求める意見書に対する反対討論】

市民の政治を進める会  猪股和雄

 提案者の意図が、日本国憲法の全面的改正、それは2012(平成24)年に発表された自民党憲法改正草案の方向での改正にあることは明白です。
 そもそも憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと、またはやるべきことについて国民が定めた決まりです。
ところが提案者の説明からも伺い知れる改正の論点や、自民党の憲法観は、国家や公共を優先させて、国民をそれに従わせ、規制するという意図が透けて見えるものになっていると言わざるを得ない。

 今後の国政選挙で改憲勢力で国会両議院の3分の2を占めて、実際には、できるところからやることになるのでしょうが、いずれ自民党の案に基づく憲法改正を進めようという、そのための憲法論議の推進、そのための国民的議論の喚起につながるものである、この意見書に反対します。

 なお、意見書の提出先として内閣を明記したことについては、憲法改正の国民的議論の喚起を、内閣にも行っていただきたいという答弁があった。
 議員の中から、内閣が改正案を作ってもいいんだという声があがったが、いささか無責任な発言です。
 理論上はそうした見解があるとしても、少なくとも国会において、これまでに進んできた憲法改正の手続きに関する議論は、内閣が改正案を作って提案するということは想定していないし、この意見書の提案者も、内閣が改正案を作ることを求めて宛先に含めたわけではない。
 とすれば、憲法改正の手続きは、国会が発議するのであって、内閣ではない。
現在はその前段として憲法審査会で審査しているのであって、その改正案ができたとして、その論議を内閣が国民的論議を呼びかけるのは国会への介入にもなりかねない。
この宛先は間違いであり、削除するべきです。

【11月市議会】 地方自治の尊重を求める意見書を提出
『声と眼』502号 2015/12/4

 11月定例市議会に、沖縄・辺野古新基地建設に反対する意見書案を、猪股・杉野・田中の共同提案で提出しました。最終日の24日に審議、採決されます。

提出者  久喜市議会議員
猪股 和雄
杉野  修
田中  勝


地方自治を尊重し、辺野古新基地の建設を強行しないよう求める意見書

 日本全土の0.6%の面積しかない沖縄に、在日米軍の専用施設の74%が集中しています。
度重なる米軍機の墜落や米兵による女性に対する暴行事件など、沖縄県民はこの米軍基地に苦しめられ続けてきました。
第二次世界大戦末期における沖縄戦による民間人の多大な犠牲、さらに戦争終結後も1972年の本土復帰まで27年間、米軍の軍政下に置かれてきたことを考え合わせれば、これ以上の犠牲を沖縄県民に押しつけることは許されません。

 日本政府は現在、沖縄県民の願いである普天間基地の返還と引き替えに、名護市・辺野古に新基地建設を決め、その建設を強行しようとしています。

 しかし、米軍普天間飛行場の移設先を名護市辺野古にすることを明記した日米合意に対し、これまでにすでに沖縄県議会、那覇市議会、名護市議会において、その見直しを求める意見書が採択されており、名護市長選挙や昨年11月の沖縄県知事選挙、衆議院議員総選挙においても、沖縄県民から、はっきりとした新基地建設反対の民意が示されていることはもはや明白です。

 沖縄の米軍基地は、もともと沖縄県民の意志を無視して一方的に土地を取り上げて建設され、米軍の世界戦略の一環として維持されてきたものです。
特に、人口密集地域に隣接して「世界一危険な基地」といわれる普天間基地は、沖縄県民の安全とその意志を尊重して即時無条件に廃止・返還されるべきであり、名護市・辺野古への新たな基地建設と引き替えにされるべきものではありません。

 沖縄県民の意志を踏みにじって辺野古基地建設を強行することは、地方自治の本旨に背くものと言わざるを得ません。
戦後一貫して過重な基地負担を強いられてきた沖縄県民に思いをはせるとき、沖縄に新基地建設は認めないという繰り返し示された県民の意志を第一義的に尊重すべきことは当然と言うべきです。

 よって、政府に対し、地方自治を尊重し、辺野古新基地の建設を強行しないことを求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

久喜市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣
特命担当大臣(沖縄・北方領土担当)

【9月市議会】 安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書は否決
新政久喜からも4名が賛成

2015/9/13

 9月11日の本会議で、「安保関連法案の慎重な取り扱いを求める意見書」の質疑、討論、採決が行われました。
 市民の政治を進める会の猪股、共産党の杉野、無会派の田中の3名の共同提案で提案したものです。
 国会情勢が緊迫し、来週にも参議院で強行採決を行われるかも知れないという中で、その前に審議してほしいと申し出て、この日に“先議”されました。

 質疑は新政久喜の園部議員1人だけで、「杉野・田中議員が6月議会に「戦争法制定に反対する意見書の提案者になっていたのに、今回は慎重審議というのは「道義的に反故があるのではないか。
また慎重審議を求める意見書を6月議会に出すべきだったのではないか」というものでした。
(質疑通告書には「反故がある」と書かれていましたが、おそらく「齟齬がある」の誤りでしょう)。
 6月議会に「反対」の意見書を出して、今回は「慎重審議を求める」意見書を出したことがどうして「道義的に反故がある」のか、よくわかりません。
 どうも園部市議は“6月に反対と言ったのに、今回は反対を引っ込めたのはおかしい”と言いたいらしいのです。

 田中議員が「6月も今回も、「反対」の意見はまったく変わっていません」と答えた後で、私が、次のように答えました。

  私たちは、6月議会の時点でも、現在の時点でも、安保法案に対する評価はまったく変わっていません。
 しかし、安保法案は衆議院で強行採決され、現在は参議院で審議が行われていますが、審議を通じて、法案の説明に矛盾や食い違いが生じたり、ますます問題点が明らかになっていて、国民の理解も深まっていません。
 にもかかわらず、参議院では来週には採決をするという日程が浮上しており、いわゆる強行採決になるのではないかという危惧が出てきています。
 この法案を、採決を強行して成立させてしまうことには国民の理解は得られないでしょう。
 したがって、現在の国会状況に対して、意見書を出すとすれば、せめて採決を強行しないで、さらに「慎重審議を求める」ことになります。
 この意見書はそのような趣旨で、久喜市議会の皆さんの同意を求めるものです。

 園部市議は2回目の「再質疑」に登壇したのですが、質疑でなく演説が始まってしまいました。
 安保法案の正当性をとうとうと述べ、反対派を非難してみせた後で、「審議時間は衆議院で100時間を超え、参議院でも100時間近くになっているので、もう十分審議してきた」と、参議院での強行採決を促すような主張をした後、突然、「この意見を述べて、終わります」と言って自席へ帰ってしまいました。

 その後の討論では、鈴木・園部の2名が意見書に反対の討論、共産党の渡辺、市民の政治の川辺の2名が賛成討論を行いました。
 最後に立った春山議員は「意見書の提案者とは立場は違いますが、慎重審議を求めることについては賛成します」と、賛成討論を行ったのには、議場が一瞬ざわめきました。
 採決は、賛成11名、反対15名で、意見書案は否決されましたが、新政久喜15名の中にも、法案自体には賛成だけれども、強行採決はするべきでないと考える議員はいたということです。

 【賛成=慎重審議すべきという立場】 市民の政治/猪股、川辺 共産党/杉野、石田、渡辺、平間 無会派/田中 新政久喜/春山、大谷、富沢、山田
 【反対=安保法案賛成・慎重審議は必要ないという立場】 新政久喜/岸、鈴木、柿沼、並木、宮崎、園部、成田、平沢、新井、貴志 公明党/岡崎、戸ヶ崎、矢崎、斉藤、丹野

安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書を提出
2015/8/29

 定例市議会は9月1日に開会されます。
 市民の政治を進める会と共産党で協議して、安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書を提案することで一致し、27日に下記の意見書案を提出しました。

 通常の意見書の審議は、議案質疑の日の本会議で提案し、最終日に審議、採決が行われますが、それでは国会の日程に間に合わないおそれがあります。

 そこで25日に開かれた議会運営委員会で、他の議案に先立って審議・採決を行う「先議」を求めた結果、開会日初日の1日に本会議で提案説明を行い、11日の本会議で、議案質疑終了後に、意見書の審議を行うことになりました。 

 6月議会には「戦争法案の制定に反対する意見書」を提出、新政久喜と公明党が全員反対で否決されましたが、今回は「慎重審議を求める」内容で、各議員の対応が注目されます。

 提出議員は、共産党の杉野、無会派の田中、市民の政治を進める会の猪股の共同提案です。

提出者  久喜市議会議員
杉野  修
猪股 和雄
田中  勝


安全保障関連法案の慎重な取り扱いを求める意見書

 去る5月15日、内閣から集団的自衛権の行使を容認する内容を含んだ安全保障関連法案が国会に提出され、衆議院で可決されて、現在、参議院で審議中です。

 この法案は、国家安全保障上の課題に対処し、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守るといった責務を果たすべく、政府内で検討が重ねられてきたとされています。

 しかし、現在、その法案を審議している国会内のみならず、国民の間でも安全保障問題について多くの議論と意見が交わされ、法案の評価もさまざまで、多くの国民もさらに十分な説明を求めています。

 よって、国においては、安全保障法案の審議にあたり、国民に焦慮や不安の念を抱かせることにないよう、また、日本国民の将来にとって最善の選択が導かれるよう、いっそうの慎重かつ十分な審議を尽くすよう求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

久喜市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
外務大臣
防衛大臣

【6月市議会】 「戦争法」制定に反対する意見書に、賛成討論をしました
2015/6/30

 6月30日、市議会最終日に、議案の討論・採決が行われました。
 私は、「戦争法」の制定に反対する意見書に賛成討論を行いました。
 私の他に賛成討論をしたのは、共産党の石田議員。
 意見書に反対の討論をしたのは、新政久喜の園部議員でした。
 採決の結果、意見書に賛成は、市民の政治を進める会、共産党、無会派の田中議員の7名でした。
 意見書に反対(つまり、戦争法に賛成)の態度を表明したのは、公明党と新政久喜の15名で、反対多数で意見書は否決されました。
 新政久喜の所属議員15名(議長を除く)は、全員が自民党員ではなくて、選挙の時にはみんなの党や無所属の人もいたはずです。
 しかし久喜市議会の新政久喜の皆さんは、政治的には全員が自民党と一体で、安倍首相の集団的自衛権の行使を容認することを表明したことになります。

【猪股の賛成討論の全文】
これは原稿です。実際の本会議の発言とは一部の「てにおは」など違っている場合があります。

「戦争法」制定に反対しましょう

猪股和雄

1.国会で審議されている安保関連法制は、言葉の上だけで「安全」「平和」を謳いながら、事実上、いかにして自衛隊の武力を使うか、軍事力をどのような場合には使ってよいか。どのような場合には戦争を行ってよいかという、戦争を遂行するための「戦争法」と言わざるを得ません。
 「存立危機事態」、「重要影響事態」等々、定義自体があいまいで国民には理解されがたい言葉によって、実際には政府の判断でいくらでも「事態」なるものを拡大解釈していける規定です。

2.戦後70年間、日本国憲法に基づいた日本の外交政策そのものが、日本の最良の安全保障政策でした。

3.軍事力の行使、つまり戦争によって平和を作り出すことができないことは明らかです。
 世界一の強力な軍隊と核を持つあのアメリカですら、自国民へのテロを防げなかったではないですか。
 また、イラクやアフガニスタンの戦争から、いまだに手を引けないでいるではないですか。これは、どんなに強大な軍事力をもってしても、それで国際紛争を解決することはできないということを意味しています。

 先の、意見書に反対の討論をした議員は「集団的自衛権を抑止力だと言われた。
 もしも絶対的な安全保障を、軍事力によって確保するべきだというのであれば、それは日本がはてしない軍拡競争にのめりこんで、核抑止力を持つべきだということにまで発展してしまいます。
 そもそも、世界政治において、抑止力論はすでに破綻した論理です。

4.議案審議で質問に立った議員は、中国や北朝鮮によって今にも戦争が起こるかのような危機を煽っていましたが、そういう戦争を煽って軍備増強を進めようというような宣伝扇動はやめた方がよい。
 安全保障にとって最も必要なのは、戦争をしない、戦争をさせない外交努力です。
 戦争というのは、国際的な外交的な問題を、軍事力によって解決しようとする行為なのですから、軍事力を行使させない外交こそが最善の安全保障ということになります。
 このあたりまえのことを、戦後70年間の日本は実現してきました。
 この法案に賛成という方々は、今後の日本は、軍備増強によって平和を維持していくというのですか。本当にできると思いますか。

5.この戦争法には、多くの野党と、ほとんどの憲法学者と、どの世論調査によっても過半数の国民と、そして歴代の自民党幹部の皆さんが、こぞって憲法違反と断じていて、反対を表明しています。
 県内でも、鴻巣市議会と北本市議会、さいたま市議会も、全会一致で慎重審議を求める意見書を可決しました。宮代町議会は反対の意見書を可決しました。

 この戦争法を、ここにいらっしゃる久喜市議会議員の皆さんは、皆さんが与党の党員ではないと承知していますが、また与党の党員であったとしても、本当に、この法案が憲法違反ではない、場合によっては外国において戦争を行っていくんだと、この戦争法に賛成するのですか。
 みなさんは、本当に、歴代の自民党政権の中でも最も強硬な、そして最も危険な、安倍首相に付き従っていくのですか。
 この議会中継を見ている市民に、皆さんの支持者に対して、久喜市議会は戦争法に賛成の議員が多数だと宣言して、市民に対して、それで説明が付くのですか。
 ぜひいっしょに、戦争法に反対しましょう。

 「戦争法」制定に反対する意見書を提出しました
2015/6/6

 6月4日に開会した定例市議会に、「戦争法」制定に反対する意見書を提出しました。
1週間前の議会運営委員会で、市民の政治を進める会、共産党が同趣旨の意見書案を提出する意向を示していましたが、話し合いで一本化しました。

 提出者は、市民の政治を進める会の川辺議員、共産党の杉野議員、無会派の田中議員の共同提案です。

提出者  久喜市議会議員
杉野  修
川辺 美信
田中  勝


 「戦争法」制定に反対する意見書(案)

 政府は第189回通常国会に、「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」の2法案を提出した。
国際平和支援法案は、多国籍軍等の戦争を自衛隊が随時支援できるようにするための恒久法であり、平和安全法制整備法案は集団的自衛権の行使を可能とするための自衛隊法改正案など10法案を一括したものである。

 いずれも自衛隊の武力行使の条件を整備し、これまで自国防衛以外の目的に行使できなかった自衛隊の武力を、米国等の求めに応じて自由に行使できるようにするものである。
戦争を放棄し、戦力の不保持を定めた憲法に反することは明らかであり、戦争を準備するための「戦争法案」と言うべきものである。

 その内容は、第1に、イラク戦争など米国などが起こした戦争の「戦闘地域」まで自衛隊が行って「後方支援」を行うこと、
第2に、PKO法改正で形式上「停戦合意」がなされていても戦乱が続く地域で、自衛隊が武器を使った「任務遂行活動」や「治安維持活動」を行うこと、
第3に、日本がどの国からも攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を行使して米国の戦争に参戦する危険があること、などであり、これまで歴代政府が憲法9条の下では「できない」としていた解釈を変え、海外での戦争に踏み出すことになるもので、事実上現行憲法を壊すものである。

 政府は長年にわたって「憲法第9条下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべき」として、集団的自衛権の行使や他国軍の武力行使との一体化を憲法違反としてきた。
今回の2法案は、平和憲法下のわが国の基本政策を転換し、戦争を放棄した平和国家日本のあり方を根本から変えるものであり、とうてい認めることはできない。

 国家間の紛争を戦争にしないために、徹底した平和的な外交戦略が今ほど求められているときはない。
よって以下のことを強く求めるものである。

 1、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を速やかに撤回し、2法案の制定を断念すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

2015年 月 日

久喜市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 あて
内閣官房長官
外務大臣
防衛大臣

【6月定例市議会】
集団的自衛権行使の閣議決定反対の意見書は圧倒的少数で否決された

2014/7/8

 6月定例市議会に、共産党から「集団的自衛権の行使容認の解釈改憲に反対する意見書」が提案されました。
 最終日の7月8日に、質疑、討論、採決が行われました。
 質疑では、新政久喜の春山、石川議員が、「国際状況に応じて憲法の解釈変更をするのは当然である」「集団的自衛権の行使は必要」などの立場から、提案者の共産党議員と議論が繰り広げられました。

 討論では、春山議員が「これまで平和が守られてきたのは自衛隊や日米安保の力によってである。集団的自衛権は日本の国民を守る抑止力だから必要である」、石川議員が「共産党の意見書は閣議決定前の段階で書かれており、閣議決定したのだから文章を書き直すべきだ」、公明党の岡崎議員は「閣議決定はこれまでの憲法解釈を変更していない。集団的自衛権を認めたわけではない」などと述べて、意見書に反対しました。

 集団的自衛権行使に反対する立場からは、市民の政治の猪股、川辺(社民党)、共産党の渡辺議員が、意見書に賛成の討論を行いました。

 採決では、市民の政治と共産党、無会派の田中議員の7名が意見書に賛成したものの、新政と公明の23名が反対して否決されました。 
【猪股の賛成討論の全文】
これは原稿です。実際の本会議の発言とは一部の「てにおは」など違っている場合があります。

「意見第3号 集団的自衛権の行使容認の解釈改憲に反対する意見書」に対する賛成討論

猪股和雄

「解釈改憲」=憲法9条の効力停止は許されない

 7月1日、安倍政権は集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定し、歴代政権が「現行憲法の下では集団的自衛権の行使は認められない」としてきた憲法解釈を180度転倒させました。

 これまで、1972年政府見解「集団的自衛権と憲法との関係」において、「わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られ」るから、「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」とする、それは明快なものでした。

 ところが今回の閣議決定は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し」、これにより「我が国の存立が脅かされ、(云々)、明白な危険がある場合」には、「集団的自衛権を行使することは、憲法上許される」と、文章を都合の良いように切り貼りして論理を転倒させ、結論をそっくり入れ替えてしまいました。これは、安倍首相の念願であった憲法9条の効力を停止し廃棄することそれ自体を狙った詭弁以外の何ものでもありません。

安倍首相の詭弁、ごまかし、ウソ

 国会における多数議席を確保しさえすれば、正々堂々と憲法改正手続きをとらずしても、時の権力者の解釈で憲法の規定を事実上変更できるとするならば、それはもはや法治主義の民主主義国家の体をなさない。立憲主義に基づく内閣の自己否定でさえあります。

 実際、安倍首相自身は少なくとも一昨年までは、正面から「憲法改正」をめざし、それによって集団的自衛権の行使や集団安保への参加を実現しようとしていた。現行の憲法9条のもとでは集団的自衛権は認められないと考えていたからこそ、憲法改正をめざしたのでした。
国会や政府与党、私たち地方議会議員も含めて、政治の世界に身を置く者で、現行憲法の下で集団的自衛権を行使できるなどという暴論は事実上ありませんでした。

 しかし、正攻法では憲法改正はできないと判断した安倍首相は、憲法改正をいったん断念し、解釈改憲によって憲法の規定を実質的に変質させる方針に転じました。
憲法に合わないから、憲法の方の解釈そのものを変更して、合うようにしてしまおうということに他なりません。
今年2月、「最高責任者は私だ」と開き直り、憲法解釈をすら首相の権限で変更できると強弁したのは、首相が憲法の一部停止を強行することもできるといういわば“クーデター宣言”に等しいものです。

 そしてほんの一部を除いて、ほとんどすべての与党国会議員は、権力者としての安倍首相に右へならえとばかりになだれを打ち、国会における暴走への歯止めはなくなってしまいました。
今や、与党政治家、地方議会の議員たちも含めて、安倍首相が決めたのだからすべて正しいとばかりに、現行憲法9条の下で集団的自衛権を行使できるという考え方に転換するのに何の抵抗もないようです。
今や、“お上(おかみ)”の決めたことに右へならえ、上へならえ、大政翼賛状況もきわまったというべきです。

自衛隊にも米軍といっしょに武器を持って戦わせたいのか?

 安倍首相は、集団的自衛権を使って、いったい何をしようとしているのか、何ができるのか。

 私は、安倍首相がわざわざ日本を「海外で戦争する国」にしようとして、あるいは海外で戦争をしたくて、またアジア諸国に君臨したくて、今回の閣議決定をしたとは考えません。
それは安倍首相にはそれほどの覚悟も、戦争へのリアリティも持たないと考えるからです。

 しかし、朝鮮有事や尖閣諸島で紛争が激化した時に、「いつでも軍事力を使える国」にしようとしていることは明らかです。
安倍首相は、事実上、朝鮮半島有事の際に、日本人母子が米軍艦船で避難するのを自衛艦が護衛する、あたかもこれが集団的自衛権の行使であるかのように感情的に訴えてみせました。
しかしこんなケースは実際にはあり得ないことは明らかで、本当は日本人が乗っていようが乗っていまいが、日米一体的な軍事行動を取らざるを得ない、当然、相手側からも日米一体の軍事行動とみなされることになります。

戦争に巻き込まれることはいっそうなくなるという詭弁

 安倍首相は記者会見で、「今回の閣議決定で、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなる」とも強弁しました。
しかし軍事力強化による抑止力論は20世紀的軍事論であって、軍事的抑止力によって本格的戦争ばかりか地域的衝突も防げないことはすでに20世紀に証明されています。

いつでも武力行使できる自衛隊は、戦争を抑止できるか

 たとえば尖閣諸島で、普通の軍隊としての海上自衛隊が前面に出れば、相手側も中国海軍が前面に出てくることになります。
現在はお互いにぎりぎりのところで緊張をこれ以上は高めないという抑制が働いていますが、軍隊同士が対峙し合った時に、むしろ突発的な軍事的紛争に発展する危険性は飛躍的に増すことになります。
またたとえば、日本周辺で、あるいは日本の領海外、公海や外国領土領海においてでも、何らかの地域紛争が起こった場合に、それを、「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」と、安倍首相が、あるいは時の政府が、いかようにでも拡大解釈して判断しさえすれば、集団的自衛権を使って、いつでも武力行使をできることになったのです。
たとえば、アメリカが対テロ戦争だとして軍事行動を起こして、日本の参戦を求めた場合、安倍首相が「明白な危険」なるものを拡大解釈して、アメリカとの集団的自衛権を宣言した日本として、米軍と一体的な武力行使に踏み切るのもまた容易な話しであります。

 かつて、「満蒙は日本の生命線」と主張して日中戦争、太平洋戦争に突き進み、歯止めなく、戦線を拡大していきました。
今は「マラッカ海峡やホルムズ海峡は日本の生命線」と言われていて、ここで紛争が起これば「日本の存立が脅かされる明白な危険がある」として、米軍とともに集団的自衛権を行使するのでしょうか。

「やむをえない自衛」「必要最小限度」の欺瞞

 要するに、安倍首相の発する「明白な危険」「最小限度の実力」「現行の憲法解釈の基本は変えていない」「憲法の規範性を変更するものではない」「戦争に巻き込まれる恐れはいっそうなくなる」等々の断片的な文言は、いずれも今回の閣議決定への批判を避けたいがための、その場限りで口先だけの弁解や、無内容ないいわけに過ぎず、まるで信用できないのです。

 朝鮮有事や尖閣諸島の紛争に関して言えば、それらの地域における衝突をいかに避けるか、避けるために日本が何をするのか、絶対に戦争を避けなければならない、安倍首相には、そのために日本がどのような役割を果たせるのかという発想はまるでないようです。

 憲法9条は二度と戦争を起こさない、「不戦の宣言」をもって“抑止力”としようとするものでしたが、その憲法9条を効力停止させ、集団的自衛権の行使を可能にして、それが“抑止力”となることは絶対にありません。

 なお一つ、付け加えておけば、一部には今回の閣議決定で憲法解釈の変更はしていない、集団的自衛権を認めたわけではないと強弁する人たちがいます。

 しかし閣議決定の文面の中に、この武力行使は「国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合がある」とも書かれているのであって、日本国内でだけ「これは個別的自衛権だ。集団的自衛権の行使ではない」と言っても通用しません。
 安倍首相は今回の閣議決定で、まさに集団的自衛権の行使を認めたのです。

 改めて、日本国憲法9条を実質的に破棄する、今回の集団的自衛権の行使容認の閣議決定に反対し、撤回するべきであると申し上げ、本意見書に対する賛成討論とします。 

特定秘密保護法案は廃案にすべきだ
『声と眼』465号 2013/12/28

 安倍政権は、外交、防衛、テロ対策などの4分野について「秘匿の必要性が特に高い情報」の漏洩を処罰すること等を内容とする秘密保護法の制定を強引に推し進めています。
26日には衆議院特別委員会での強行採決で衆議院本会議を通過させ、わずか10日後の12月6日の会期末までに参議院でも採決に持ち込んで成立させようとしています。

 国民主権の下では本来、すべての国家情報は国民の財産であり「知る権利」の対象です。
人権保障の観点からするものや外交交渉の過程などを除いて基本的に国民に対する秘密はありません。
防衛やテロ対策などで例外的に「国家秘密」がありえたとしても、秘密の必要がなくなった時点で国民に公開されるのが当然です。
国家公務員法等の現行規定で対応できるのであって、新たな法律は必要ありません。

国民に知られたくない情報って?

 この法案では「特定秘密」を、「我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがある」という曖昧な定義で規定し、内容は行政機関の長が指定します。
たとえば当局がテロ対策上必要と規定すれば、原発の安全性や放射能の情報など、国民に知らせたくない情報を政権が恣意的に隠匿することができ、市民が放射能に関する情報から今よりもなおいっそう遠ざけられることにもなりかねません。
むしろ、時の政府が国民に知られては困る情報を秘密に指定して、国民を欺くことも可能とする法律と言えます。

 また取材活動等について「犯罪行為や犯罪に至らないまでも社会通念上是認できない行為」を処罰対象としています。
その基準はあいまいで、国民の知る権利を実現しようとするジャーナリズムや市民運動に対して、行政機関や捜査当局の恣意的な判断によって取り締まりの対象とされる恐れがあります。
しかも、何が秘密かを明らかにしないまま罰することができるというのは法治主義にも反します。

 秘密の範囲が広範・不明確で、秘密指定を拡大できること、秘密指定の妥当性をチェックする機関がなく、恣意的に秘密指定ができること、指定の有効期間5年は自由に延長できて、最長30年どころか60年という半永久的に秘密指定が可能であり、それすらも例外があること、さらには行政の判断で国会に対しても秘密の提出を拒むことができ、事実上、国会審議をも超越するなど、戦前の治安維持法にも似た欠陥法制と言って過言ではありません。

 この法案には、与党議員の中にさえ反対や慎重論があると言われますが、巨大与党の自民、公明両党は国会における数の力で突き進んでいます。
みんなの党や維新も党内の異論を封殺して、安倍政権にすり寄っています。
しかし、国民や報道機関、ジャーナリズムの圧倒的な反対の声を無視するべきではありません。
特定秘密保護法案は廃案にすべきです。

秘密保護法の議論から逃げるのか?

 久喜市議会定例会は11月28日に開会され、同日、共産党が「秘密保護法反対」の意見書案を提出しました。
国会や内閣総理大臣に対して「特定秘密保護法を制定しないよう求める」というものです。
市議会では通常、意見書等の取り扱いは12月11日の本会議に上程されて、最終日の24日に審議されます。

 しかし国会は12月6日が会期末ですから、その後の市議会での審議は意味がなくなって、意見書案は取り下げざるを得なくなります。
そこで共産党は21日の議会運営委員会で、国会会期末の前に、市議会本会議で議題として取り扱ってほしいと求めました。
本来なら市議会は、この意見書案の内容や時間的制約からして、賛否は別としても、6日までの間に開かれる本会議にかけるべきです。

この日程の変更について、政策会議と市民の政治を進める会が賛成しましたが、飛翔と公明党が反対し、通常の議案と同様の扱いとされてしまいました。
 飛翔と公明党は、公開の場で秘密保護法の是非について議論をするのが後ろめたいので、市議会での意見書の審議を避けたいらしい。

「人間尊重・平和都市宣言」を可決
『声と眼』448号 2013/1/24

 12月市議会で久喜市「人間尊重・平和都市」宣言が可決されました。
最初に原案を審議した総務委員会で、飛翔の議員から宣言案の文章に対して「説得力も品格もない」などと厳しい指摘があって、いったんは継続審査とすることに決まりました。
ところが議会最終日の24日になって市長が原案の訂正を申し出て、一転して全員賛成に変わりました。
実際には接続詞を一つ変更しただけで、文章はほとんど変わらないのですが、原案にクレームを付けた議員と、提案した市長の両方のメンツを立てた苦肉の策ということのようです。
 新しい宣言で、合併前の菖蒲町非核・平和都市宣言、鷲宮町人権尊重・平和都市宣言にあった「非核」や「人権」の語句ははずされました。

市議会議場に日の丸掲揚をする請願に反対しました
2012/9/29

 9月28日、9月定例議会の最終日に「議場に国旗を掲揚することを求める請願」の審議、討論、採決が行われました。
 採決では、猪股と共産党の4人だけが反対しましたが、賛成多数で可決されました。
私はなぜ、日の丸掲揚に反対したか、猪股の反対討論を、そのまま掲載します。

【請願4号 久喜市議会議場に国旗を掲揚することについての請願に反対する討論】

1.昨年の久喜市議会活性化検討委員会にも同様の提案がなされ、協議されたが、合意されませんでした。
 検討委員会に提案したということは、議会のルールは議員と会派の合意によって決定していくという基本的な約束ごとを認めた上で、提案されたものであり、話し合いの上で採用しなかったものでした。
それをいかに市民からの請願とはいえ、多数決によって押し付けようというのは、過去の経過と基本ルールを無視したものです。

2.議会内の運営ルールは基本的に議会内の話し合いによって決定していくのがスジです。
 市民の請願署名という形をとっているものの、その実は議員の家族らの署名によって、議会外の圧力という形式で、議会の基本的ルールを決定するというのは、今後に悪弊を遺すこととなります。
 また議会がみずからの運営に主体性を持っていないことを、みずから吐露し、外部の圧力で事を運ぶことになるのは、みっともない恥ずかしいことであると言わざるを得ません。

3.本文中、「自国の国旗に敬意と誇りを持つことはすでに世界の常識であり、国民として当然の義務」であると書いているが、この論理には大いに疑問があります。

 どんな国家でも、国旗に対する敬意と誇りが義務として課される、ましてや敬意を払わないと判断されたら罰則を持って報いが来るという国家は、まるで、世界の一部に今なお残るどこやらの全体主義の国家を彷彿とさせるではありませんか。

 国旗であれ国歌であれ、日の丸であれ君が代であれ、敬意と誇り持つか否かは、個人の内心の問題であり、それを義務であるというのは間違いです。

4.国旗国歌法は1999年に成立したのだが、原案では、「3条 国民は国旗及び国家を尊重しなければならない」となっていた。
 結局、国会審議の中で、3条の国旗を尊重するという規程自体が削除されて成立した。
 国会審議では、「国民に尊重の義務を課すものではない」という答弁もあった。

 当時の官房長官だった野中広務は「3条は火種になる、政争の具にすべきではないと思ったからはずした」と述べている。
「尊重義務などを書けば、罰則がなくても『義務を守らないのはけしからん』などと言い出す人がいるかもしれない。そうした余地はない方がいい」「君が代を歌わないととやかく言われたり、国旗に敬礼しなければいけなかったりする社会は窮屈だ。歌いたくなければ歌わずにすむ社会が私はいい」という証言もある。

 つまり国旗国歌法は、尊重の字句をあえてはずしたのであるが、それを今さら、義務であるかのように言い出すのは、成立の過程と、当時それを推進した人々の真意にも反するものだ。

5.敬意と誇りは、けっして義務という、本人の意志に関係なくまさに義務的に強制されて、産まれるものではなく、誇るにたる国であり、敬意を払うにたる国であれば、自然に醸成されるものである。

 国や郷土に対する愛もそうですが、もしも誇れない部分があるとしたら、それを愛するにたる国家にしようと正そうとする努力も含めて、国に対する愛なのだと信ずる。
そうした国家観のもとに、私は、国旗に敬意と誇りを持つか否か、持てるか否かを、みずから決める。
したがって、目の前に常に日の丸があって、目を開けばそれが飛び込んで来るという環境を作られても、強制されて、敬意と誇りを持つことはあり得ない。

 いつもそこに日の丸があって、常に見させておけば敬意を払うようになるだろうと期待しているんだとしたら、まるでそれば洗脳じゃないですか。

6.したがって、日の丸を国旗として敬意を払うのが国民の義務であるかのように位置付けて、それを強制するのが当然であるとする、そのために日の丸を議場に掲揚するという、本請願に反対します。

新久喜市の“平和都市宣言”をの制定をどう進めていくか
2011/9/14

 9月議会に、「都市宣言検討委員会条例」が提案されています。
 合併前は4市町それぞれの「平和」に関する都市宣言は、久喜市人間尊重平和都市宣言、菖蒲町非核平和都市宣言、栗橋町平和都市宣言、鷲宮町人権尊重平和都市宣言が制定されていましたが、合併と同時にすべて失効となり、改めて制定することになっていました。
 検討委員会は委員10人で構成(公募4人、市内の団体から選出4人、学者などの学識経験者2人)し、市長の諮問に応じ、必要な調査と審議を行うとされています。

 9日の議案質疑でその内容と審議の進め方について詳しくただしたところ、市では検討委員会で「都市宣言」の内容と文案まで作成してもらう予定です。
 私は、これから未来へ向かって半永久的に続いていく都市宣言ですから、市民意識を把握するために幅広くアンケート調査を行って、さらに検討委員会の正式メンバー以外にも関心のある市民に呼びかけてワークショップを開くなどして、より市民意識を反映したものにしていくよう求めました。
 行政当局としては今のところ、アンケートは考えていない、進め方は委員会で決めていってもらうと答弁しましたが、少数の委員と事務局の行政だけで作成してしまうような狭いやり方でなく、もっと幅広い市民に呼びかけるべきではないでしょうか。

 今後、10月に委員の公募を行い、年内に4会くらいの審議を行い、4月以降に文案を作成した段階で市民の意見を募集して、来年9月の議会に提案して制定していく予定です。


永住外国人に地方参政権を付与することに反対の意見書が可決
2010/3/5

 2月定例市議会に、「永住外国人に地方参政権を付与することに反対する意見書」が提案されました。

 かつては自民党も参政権付与を積極的に推進する立場に立っていたのですが、政権交代後に現実味を帯びてきたトタンに、民主党政権を妨害するために「反対」の運動を始めました。
 各地の地方議会に、「反対」の意見書を組織的に提出して、自民党や保守系会派の数の力で、以前の「賛成」の意見書をひっくり返してきています。

 しかし、以前は自分たち自身が賛成の立場だったのですから、今度の反対の理屈はスジが通らず、その論理はメチャクチャなものです。
 要するに「何が何でも反対」というような代物と言わざるを得ません。す。

 久喜市議会ではこの意見書に反対(永住外国人への地方参政権付与に賛成の立場)したのは、共産党、公明党と、大地の猪股、矢野、川辺の8名で、その他の議員の「賛成多数」によって可決されてしまいました。

 

【猪股和雄の反対討論】

 「永住外国人に地方参政権を付与することに反対する意見書」に反対します。

 その理由は、この意見書がまったく論拠のないものであるからです。
 意見書は「永住外国人に地方参政権を付与することについて、憲法に抵触する」と述べていますが、1995年の最高裁判決によってもはや、憲法に抵触しないことは、日本におけるいわば憲法裁判所としての最高裁判所が判例として確定しています。

 それは、「永住者等…について、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体…に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する…ことは、憲法上禁止」されていないとしています。
これはおそらくは意見書の提出者もご存じの通り、いわゆる「権利許容説」に立っています。

 この判決を評価したくない立場の人は、これが判決の中では「傍論」であるとことさらに強調してみせるのですが、それは判決というものに対する理解不足からくるものと言わざるをえません。
裁判所の判決文は「判決」と「判決理由」に分かれます。判決を直接に導く理由を便宜的に「主文」という言い方をすることがありますが、そもそも判決理由の中で主文と傍論という区別はなく、両方合わせて判決理由です。

 95年判決は、訴えが「外国人の参政権を認めないのは違憲である」という訴えでしたから、それに対しては選挙権がないからといって違憲ではないとしたのであって、しかし逆に、選挙権を付与しても憲法違反にはならないと判断し、憲法上のその位置付けを明確にしたのです。
 したがって、憲法を最高法規とする日本の法制度を尊重するという立場に立つならば、当然に地方参政権は認められうるのであって、いまだに憲法に抵触すると言いつのることは、日本国憲法を最高法規とする法体系を認めないことに等しくなります。

 また意見書は、「地方の意志を汲み上げる工程を踏まずに進めようとしている」と述べていますが、これまでの自治体の意思の表明である意見書では、47都道府県の内の76.6%、市・区レベルで見ると、806中510自治体、63.3%が参政権付与の意見書を可決しています。
今、国政の与野党が交代した後になって、自民党が多数を占める地方自治体議会において参政権付与に反対する意見書が可決される例が出てきているのですが、多くは議会の構成が変わっていないのに、かつては賛成の立場を闡明にした同じ議員たちが今度は反対を表明するというのは、おかしなことです。
国会における力関係が変わったから、あるいは政権との政策に反対するためにといって、かつていったん賛成どころか推進する立場だった政策に反対してみせるのは、外国人参政権の問題を政争の具に使うに他なりません。
全国の自治体議会の多数の意志はすでに「参政権付与すべき」という意見書が過半数に達したことによって示されたというべきです。

 この意見書が永住外国人の地方参政権の付与に反対する論拠は、以上述べたことだけですでに崩れているのですが、憲法第15条「公務員を選定、罷免することは、国民固有の権利」というときの、「固有」の概念についてふれておけば、大辞林で「固有」とは第一義的に「本来備わっていること」であって、国民が本来持っている権利、不可侵の権利という意味であって、国民だけが持っている排他的な権利という意味ではありません。
実際、憲法15条の「固有」の外務省の公訳である「inalienable rights」は「譲渡できない,奪うことができない」権利という意味であって、「国民だけの」、Japanese onlyの 権利という意味ではありません。したがって「固有の権利」という条文をもって、日本国民だけが持っている権利で、外国人には与えられないと解釈するのはムリというものです。

 ある一定の地域の政治はその地域に住む住民の意思によって決定されるべきであって、それが本来の住民自治の理念であると考えます。
国家の法に服して、納税の義務、勤労の義務を果たしている住民が、その地域の政治に参加する権利を有するのはむしろ当然と言うべきであって、現に、地方自治法の議員定数基準の人口には外国人登録人口も含んでいます。

 国籍が外国人だからと言ってそれを制限しないで、何らかの形で地方参政権を認める問のは、OECD30か国の中でも大多数になっています。

 したがって永住外国人の地方参政権は、憲法上の疑義もないのであって、認められるべきと考えます。

 よって、本意見書に反対します。

民主党の井上議員が、民主党の政策に反対!?

 国会で永住外国人に地方参政権を付与する法律は、民主党の党としての「基本政策」に明記されている政策であり、当然、民主党が積極的に推進する立場に立っています。

 久喜市議会の採決では、井上議員がこの意見書に「賛成」したことに、多くの議員がビックリしました。
 井上議員は久喜市議会で唯一の民主党議員ですが、民主党の方針に反対する立場を明らかにしたわけです。

 4月末に行われる市議選では、井上議員は民主党公認で立候補することになっていますが、必ずしも民主党の政策に従う立場ではないようです。


自公政権を終わらせるために
『声と眼』366号 2008/11/6

 今度の衆議院の解散・総選挙は、自公政権の終わりを告げる選挙になるだろう。
麻生首相は景気を口実に先延ばししているが、本当は国民の信もなく、怖くて解散を打てないというだけのことだ。
“選挙向けの顔”にと麻生をかついだ自民党の領袖たちや公明党も、これほど決断力のない人だとは思わなかったのではないか。

 高齢者差別の後期高齢者医療制度、産科や小児科医師の不足、医療崩壊の崩壊、障害者の自立を阻む“障害者自立支援法”、深まるばかりの格差社会、働く場がない、働いても食えない貧困の現実、消えた年金、存続自体が危ぶまれる年金制度。財政破綻を目の前にしながら、今なお自公は選挙目当てのばらまき政策を続けようとしている。

 先行きの見えない政治、自公政権を終わらせなければ、この国の政治も社会も国民生活も破綻してしまうだろう。
今、この政権を終わらせることに、すべての政治の力を集中させるべきである。

 久喜市や春日部を含む埼玉13区で予想されるおもな候補者は、自民党の土屋品子、社民党の日森文壽、民主党の森岡洋一郎の3人である。
ーこれまでは土屋が、親父の七光りをバックに、ほとんどの市町長の推薦や議員の支援を得て圧倒的な地盤を誇ってきた。
日森は小選挙区では勝てないが、一定の票を得て北関東比例区で復活当選を果たしてきた。
一方、民主党は33歳の新人の擁立で、小選挙区での当選の可能性が出てきた。

 この埼玉13区で自民党の強固な“指定席”を突き崩すことができれば、それは全国的な自民党の基盤を堀り崩すことになるだろう。私はそのためにこそ、民主党の森岡洋一郎氏を支援したい。

 私自身の基本的な政治的立場、特に憲法9条に関する姿勢は、ちょっと違ったりするけれど、それでも今回は、自公政権を終わらせることを最優先して、私は民主党を応援する。


★この日本の政治で、一度は政権交代をさせる必要がある。今度の総選挙こそ、その時だと思う。★


私が「君が代」を歌わない理由
『声と眼』348号 2007/12/26

 地元の小学校や中学校の卒業式、入学式などに来賓として招かれて出席していますが、私は式の冒頭、「国歌斉唱」のときに座っています。
「君が代」の歌詞は“天皇の治世が永遠に続くように”という意味ですから、国民主権に反しますので、私はそれを素直に歌うことはできません。
教師に対しても「職務命令」と処分で脅して歌わせるとすれば、特定の思想を強制しているわけで、人権問題だと思っています。


 東京都などでは「君が代」で起立しない教師に対して、処分が乱発されている現実もあります。
よく、『アメリカの学校では国歌はあたりまえ』と言われますが、『個人の意思で歌わないのも自由』と聞いたことがありますし、歌わないと処分されるなんてことがあるのでしょうか。


 式では、司会者が「開式の言葉」で起立させて、そのまま着席させずに「国歌斉唱」と続きますが、私はその時に着席します。
今でも保護者席ではたまに着席する人もいるようです。


 ところで、学区が違うので最近まで知らなかったのですが、今では共産党の議員も「国歌斉唱」で起立していると知ってたいへん驚きました。
久喜市内の小中学校の卒業式、入学式で、日本共産党の2人の議員ともしっかりと立っているのだそうです。
教師もみんなが自分の意思で進んで立っているわけではなくて、職務命令であきらめ気分で仕方なく立っている人もいるでしょうし、保護者でも立ちたくない人もいると思いますが、議員までが、政治信条に反しても起立しているのを見てどう感じるでしょうか。
もはやあの党でも「時代の流れ」「政治の流れ」には抵抗できないということでしょうか。


 私は“君が代”にはどうしても反発があります。ましてや権力によって「愛国心」を押し付けられたり、強制されて歌いたくありませんから、その意思を形で表すために着席します。
行動で示すことに意味があると考えています。


市民の常識、市議会の良識が勝ったが、
公明党と無会派3名は「非核」の意見書に反対、鈴木氏は日本核武装論!?

『声と眼』348号 2007/12/26

大地 新政議員団 公明党 共産党 改進 無会派
可決 「非核日本宣言」を求める意見書 × ×

 共産党が提出した「非核日本宣言」を求める意見書は『日本政府が核兵器の廃絶、非核三原則を改めて宣言し、非核日本宣言を求める』というもので、大地、新政議員団、改進の15人が賛成して可決しました。
これは議会の良識を示したと言えるでしょう。
−公明党と無会派の松村氏ら6人は反対。
角田氏はわざわざ反対討論に立ち『すでに日本は非核三原則を決議しているから、改めて宣言する必要はない』と変な理屈…。

★「非核日本宣言」を求める意見書に、鈴木松蔵氏が反対討論で『外国の核兵器攻撃から日本を守るためには非核三原則を考え直すべき』と、日本核武装論を展開した。★


「テロ特措法の延長に反対する意見書」は否決
2007/10/8

大地 新政議員団 公明党 共産党 改進 無会派
否決 テロ特措法の延長に反対する × × ×

 鈴木松蔵議員1人だけが、この意見書に「反対」の立場から質疑して、「反対討論」も行った。

なお、「テロ特措法の延長に反対する意見書」の採決直前に、改進の岸と井上がそそくさと本会議場から「退場」してしまった。
 久喜市議会でただ1人、民主党を名乗る井上がなぜ「棄権」なのか?
 −だから民主党はわかりにくいって言われたり、自民党からも甘く見られるんじゃないの!?


「テロ対策特別措置法」の延長に反対する意見書を提出しました
2007/9/12

 9月定例会に、大地で「『テロ対策特別措置法』の延長に反対する意見書」を提出しました。
 提出議員は川辺美信議員、石川議員と共産党の渡辺議員も賛成者に署名しました。
 28日の最終日の本会議で審議、採決されますが、採択されるかどうか、微妙な状況です。

議第12号議案                   

提出者 久喜市議会議員
川 辺 美 信

賛成者 久喜市議会議員
渡 辺 昌 代
石 川 忠 義

 

「テロ対策特別措置法」の延長に反対する意見書

 9月に召集が予定されている臨時国会において政府は、今年の11月に期限切れとなるいわゆる「テロ対策特別措置法」を延長するための改正案を国会に提出しようとしています。
 この法律は2001年に成立しましたが、当時よりアメリカの報復戦争への加担であり、自衛隊の海外派兵、集団的自衝権の行使を禁じている憲法に違反するとの指摘がなされています。
 本法律は成立以来、3回にわたって延長されてきましたが、その活動内容が軍事機密の名のもとに国民に明らかにされることなく、すでにこれまでに220億円が投じられてきたといわれています。
 また、この間の周辺諸国の実態を考えるならば、テロ対策としての本法律は、とても成果を上げているとはいえません。
 よって政府に対し、次期臨時国会において本法律の延長を断念するように求めるものです。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。                           

 久 喜 市 議 会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣   あて

アメリカ議会下院で採択された
「従軍慰安婦」問題での決議(全文)

2007/8/3

アメリカ下院で、7月30日、日本政府に明確な謝罪を求める決議が可決されました。
私たちは、抜粋や概要でなく、全文を読んでみるべきでしょう。
以下は、日本語訳の全文です。

 1930年代から第2次世界大戦を通じたアジアおよび太平洋諸島の植民地支配と戦時占領の期間、日本政府が公式に、その帝国軍隊に対する性的強制労働を唯一の目的として若い女性の獲得を委託し、これらの人々は「イアンフ」あるいは「comfort women」として世界に知られるようになったのであり、

 日本政府による強制的な軍の売春である「慰安婦」制度は、20世紀における最大の人身取引事件の一つであり、身体損傷や死、自殺をもたらした集団強姦、強制中絶、屈辱、性的暴力など、その残酷さと規模において未曽有のものとみなされ、

 日本の学校で使用されるいくつかの新しい教科書は、「慰安婦」の悲劇や第二次世界大戦における他の日本の戦争犯罪を軽視しようとしており、

 日本の官民の関係者は最近、彼女たちの苦難に対して政府の真剣な謝罪と反省を表明した1993年の河野洋平内閣官房長官の「慰安婦」に関する声明を薄め、あるいは無効にしようとする願望を示しており、

 日本政府は、1921年の「婦人及び児童の売買禁止に関する国際条約」に署名し、武力紛争が女性に与える特別の影響を認識した2000年の「女性と平和・安全保障に関する国連安全保障理事会決議1325」を支持しているのであり、

 下院は、人間の安全保障、人権、民主主義的価値および法の支配を促進する日本の努力と、安保理決議1325の支持者となっていることを称賛し、

 米日同盟はアジア・太平洋地域における米国の安全保障利益の礎であり、地域の安定と繁栄の基礎であり、

 冷戦後の戦略環境における変化にもかかわらず、米日同盟は、アジア・太平洋地域において、政治・経済的な自由の保持と促進、人権と民主的制度への支援、両国民と国際社会の繁栄の確保をはじめとした、共通の死活的に重要な利益と価値に立脚し続けており、

 下院は、1995年の日本における民間の「アジア女性基金」の設立に結びついた日本の官民の関係者の懸命の努力と思いやりを称賛し、

 「アジア女性基金」は日本国民からの「償い」を慰安婦に提供するために570万ドルを集め、さらに、

 「慰安婦」の虐待および被害の償いのための計画と事業の実施を目的とし、政府が主導し、資金の大部分を政府が提供した民間基金である「アジア女性基金」の任務は2007年3月31日に終了し、基金はこの日付で解散されることになっている。

 このため、以下が下院の意思であることを決議する。

 日本政府は、

 (1)1930年代から第二次世界大戦中を通じたアジアおよび太平洋諸島の植民地支配と戦時占領の期間、日本帝国軍隊が若い女性を「慰安婦」として世界に知られる性的奴隷となるよう強制したことを、明瞭であいまいさのないやり方で、公式に認め、謝罪し、歴史的責任を受け入れるべきである。

 (2)日本国首相が公的な資格での公的な声明として、このような謝罪をするなら、誠実さと、これまでの声明〔注=河野談話のこと〕の地位をめぐって繰り返されてきた疑問を解くことに貢献するだろう。

 (3)日本帝国軍のための「慰安婦」の性奴隷化や人身取引などはなかったといういかなる主張に対しても、明確に公式に反ばくすべきである。そして、

 (4)「慰安婦」に関する国際社会の提案に従うとともに、この恐るべき犯罪について現在と将来の世代を教育すべきである。

ある軍国教師の日記−民衆が戦争を支えた
2007年3月25日出版 2200円 高文研
“銃後の日本”−人口5000人の一田舎町の久喜町で、人々の暮らしと思いはどうだったか。人々はいかにしてあの戦争にのめり込んでいったか。
日々の暮らしの中で、自ら積極的に戦争協力に参加し、いかに“あの戦争”を支えたか。

 浅見真吉先生は戦前、戦後を通して50有余年、久喜高等女学校(久喜高校)の国語教師として教鞭を執った。先生が昭和2年から書き綴った日記から、日本が対中国全面戦争に突入した廬溝橋事件から敗戦までの8年間の記述を読み解く。
−南京陥落祝賀提灯行列、日米開戦の感激、出征兵士の見送り、戦時下の女学生たち、工場と化した学校。戦時下の物価高や暮らしの不自由の中でも、教師という地方の一知識人としての聖戦完遂の覚悟。
−戦争末期には大本営発表に対する疑念、戦死者の帰還、空襲警報で御真影を護って右往左往、玉音放送に呆然。そして、「負けても静かな方がいい」と語る隣のおばさん。−これは町の人々、教師と生徒、家族、戦争と民衆のドキュメンタリーである。

 編者の津田道夫は浅見先生の三男。久喜市本町在住。評論家、障害者の教育権を実現する会。
九条の会・久喜の共同代表を務めています。

★浅見真吉先生は昭和40年代まで久喜高校の教壇に立っておられたそうだ。先生を慕う教え子は今でも市内にたくさんいらっしゃるという。★


クラスター爆弾禁止条約の促進に関する意見書が、全会一致、可決されました
2007/6/28

 6月定例市議会に、クラスター爆弾の禁止条約促進の意見書を提案しました。
 提出者は、猪股、賛成議員として名前をつらねているのは、大地の川辺、矢野、共産党の渡辺、新政議員団の荒井、改進の岸の各議員です。
市議会最終日の本会議で、全会一致で可決されました。

提出者 猪股和雄
賛成者 岸 輝美
      渡辺昌代
      荒井良和
矢野裕美
      川辺美信

クラスター爆弾禁止条約促進を求める意見書

 2006年2月にノルウェー・オスロで開かれたクラスター爆弾禁止条約を進める第1回会議は、46カ国が08年度までの条約作成づくりで合意しました(オスロ宣言)。日本政府は会議に参加したものの、態度を「留保」しています。
 広範囲を同時に攻撃するクラスター爆弾は、一般市民を無差別に殺傷し、不発弾率が高いことから、紛争後においても対人地雷と同様に市民や特に子どもに大きな被害をもたらします。クラスター爆弾の不発弾による被害は、確定できたものだけでも死傷者1万3000人、その内、民間人が98%、特に児童が4分の1を占めます。世界中で75カ国が保有するとされ、これまでイラクやレバノン、ラオスなど少なくとも25カ国・地域で、子爆弾の数は4億発以上が使用され、その内2000万〜1億3000万発の子爆弾が不発弾として残ると推定されています。
 クラスター爆弾は世界中でこれまでに特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)においてもクラスター爆弾についても協議していくことが決まっていますが、全会一致が原則であることから、実行可能な規制を実施することは困難とされています。
 5月にはクラスター爆弾禁止条約の策定を進める有志国とNGOによる第2回会議がペルー・リマで開かれ、条約案の協議が行われています。議長国が提案する条約案によると、クラスター爆弾の使用、開発、成算、貯蔵、移転を禁止し、加盟国は保有する爆弾を条約発効から6年以内にすべて禁止するとされています。
 日本は世界の平和と軍縮を推進する立場から、クラスター爆弾禁止条約に賛成する立場を明確にして条約の策定協議に加わり、クラスター爆弾の全面禁止に向けて積極的な役割を果たすよう求めます。
 また、日本の自衛隊もクラスター爆弾を保有していますが、国内で使用した場合、不発弾などによって日本国民が大きな被害を受けることになるのであって、日本が率先してクラスター爆弾の廃棄を進めるよう求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣

私は「新教育基本法」に反対し続けます
2007/1/8

 昨年12月、自民党と公明党の強行採決で、とうとう教育基本法が「改正」されてしまいました。
 特に私が、「きたないやり方、いやらしいなあ」と思うのは第2条です。

 今までの条文は「教育の方針」として、以下のように簡潔明快に述べていました。

1947年教育基本法
第2条(教育の方針)

 教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。

 新法ではこれを「教育の目標」に変更し、「教育は、…次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする」としました。そして、K幅広い知識と教養、真理を求める態度、豊かな情操と道徳心、健やかな身体を養う、K個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性、自主及び自律の精神、職業及び生活との関連を重視、勤労を重んずる態度、K正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力、公共の精神、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度、K生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うなどなど、たくさんの徳目を掲げました。しかし政府の本当の狙いが次の条文にあることは確かです。それは「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」−つまり愛国心教育です。

2006年新教育基本法
第2条(教育の目標)

教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
1 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
2 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
3 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

 今の政府与党が望む意味での「愛国心を持て」と教え込み、子どもたちの心を為政者のモノサシで計るのでしょうか。壇上の日の丸を見上げながら直立不動で「君が代」を歌うことが愛国心だと強制するのでしょうか。疑問を持つ子どもは「愛国心がない」とレッテルを貼るのでしょうか。
 しかし為政者に唯々諾々と従う、権力にとって都合のよい人間づくりの教育がまかり通るようになれば、その国は滅びます(戦前の日本のように−)。

★「新教育基本法」によって人の内心の自由を縛ろうとする教育が進められることに対して、私はそれに抵抗し反対し続けます。★

「新・教育基本法」の全文
1947年教育基本法との新旧対照表

「国民投票法」を改憲の歯止めとして積極的に活用すべき
私は基本的に「国民投票法」に賛成です

2006/12/20

猪股和雄

1.「憲法改悪阻止」の歯止めとしての国民投票

 私の立場は「憲法改正」に反対であり、「第九条」を始めとする日本国憲法を子どもたちや孫たちに残していかなければならないと考えている。
 そしてそのために、「憲法改正手続き法としての国民投票法」を作るべきだという見解に立つ。
現在、国会で、自・公案、民主党案がそれぞれ提出されているが、その審議の中で、憲法改「正」に対する国民の正当な意志表明を公正に反映できるような、国民投票のルールを合意によって作っておくべきだと考える。
 まず議論の前提として、日本国憲法96条に「憲法改正手続きとしての国民投票」が定められている以上、その国民投票自体の手続きとルールを事前に定めておくべきであると思う。
実際に自民党などが改憲を発議しようとしたときになってから、恣意的な手続き運用や一方的な解釈によって不公平・不公正な国民投票を強行したりすることを許さないためにも、今の段階で国民投票についての議論を深め、少なくとも公正・公平な国民投票を保証されるような手続き・ルールを定め、国民の共通理解を形成しておくべきだと考えるからである。
 改憲反対運動の中に、「たとえ現在の自公案や民主党案の問題点が改善されたとしても、国民投票法は改憲手続き法だから容認できない。
どんな内容でも、国民投票法そのものが必要ない」という主張があるが、憲法第96条に基づく国民投票自体を否定し、96条の「憲法改正」条項自体を否定するのだろうか。
より公正な国民投票法の「改善」自体も否定するのだろうか。
憲法改悪は絶対に容認できないとしても、96条は厳然として存在する。
であれば、改憲は国民投票によって決するという規定をもっと積極的に活用すべきではないのか。
96条は「改憲推進の手続き」であると同時に、「改憲に対する歯止め」でもあって、私たちはその後者としての役割を最大限生かして「9条破壊」を阻止するためにこそ、公正・公平な国民投票手続き・ルールを作ることに全力を注ぐべきではないか。
 それに、憲法にその規定があるのに、改憲手続き自体を否定し、国民投票法も必要ないという主張が国民に受け入れられるものだろうか。
当然ながら、国民投票によって改憲案を葬るべきであって、改憲を阻止するために国民投票自体を認めない、あるいは先送りさせるという論理は国民にはきわめてわかりにくいし、実際の運動としては成り立たない。
 それに、今の国会勢力分野からすれば自公案、民主党案、あるいはその協議によって「国民投票法」が成立することは目に見えているのであって、だからこそ今、より適正な、より公平・公正な国民投票法を作る家庭に積極的に参加すべきでないか。
実際に国民投票法が成立したときに、『改憲手続き法だから従わない』『不公平な手続き法だから認めない』などというわけにはいかないのだから。

2.私たちは合併住民投票を経験した−地方自治における究極の民主主義の実験−

 1996年の巻町以降、私たちは、全国各地の自治体で様々な政策決定に関わる住民投票を経験してきた。
原発、ごみ処分場、米軍基地、最近最も多いのはいうまでもなく「市町村合併」である。以前であれば住民投票で住民の意思を問うこともなく、議会の多数決で決定してしまったのだろうが、今は究極の民主主義としての住民投票によって主権者の意思確認を行い、事実上、有権者の意志に決定を委ねるという直接民主主義手続きが広がり定着してきた。
合併に関わる住民投票でいえば、これは確かに、合併実現のための手続きの一環であったが、しかし合併反対運動の中で『合併推進手続き条例だから住民投票に反対』などという批判はなかったと思う。
投票資格者の年齢、投票率による成立要件などは自治体によって異なるが、住民投票で有権者の多数が「合併に賛成、あるいは反対」の意志が示されればそれを受け入れるというルールが確立してきたと言える。
 そして多くの場合、投票運動は自由であったが、事実上は“合併推進・賛成派”に圧倒的意有利なものであった。
行政の広報、合併協議会のニュース、合併説明会、全世帯にきれいなパンフレットが配布され、これらはすべて税金で、“合併賛成”の一方的な宣伝で埋め尽くされていた。
さらに投票運動でも、市長与党、議会の多数派を握る賛成派は豊富な資金で「賛成」のチラシをまち中にあふれさせ、町内会や市民団体を締め付けた。
一見、合併反対派は圧倒的少数派であるかに見えたが、それでも草の根的な運動で、行政ぐるみ、業界ぐるみ、まちぐるみの賛成運動に対抗し、多くの自治体で「反対」が多数を占めることに成功したのである。
 議会での力関係からすれば圧倒的に少数派であって私たちが、草の根の運動によって議会の多数派を打ち負かしたのである。
私たちは、住民意思の確認方法として積極的に住民投票運動を展開し、住民の多数意志がどこにあるかをはっきりと示したのである。
住民投票は地方自治における究極の民主主義であった。
 同様に私たちは、国民の多数を結集し国民の意思を確認する民主主義の手続きとして、よりまっとうな国民投票法を積極的に要求し生かしていくべきではないだろうか。

3.「国民投票法案の問題点」を検討してみよう

 次に、現在、国会に提出され、審議されている「国民投票法案」については、稿を改めて検討してみることにする。


九条の会・久喜が、市民祭りで「九条改正」のシール投票
2006/10/20

 10月15日に市民祭りが開かれ、九条の会・久喜も参加。出店を出して、風船やパンフレットを配布したり、九条の会のシンボル入りのバッジを販売しました。
 また、「憲法第九条の改正に、賛成、反対」のシール投票を実施しました。
投票総数は209名、九条改正に「賛成」が15票、「反対」が194票で、この日の久喜市民の投票結果は、当然のことながら、九条改悪反対が圧倒的な多数となりました。


北朝鮮の核実験に抗議します
『声と眼』322号 2006/10/12

 10月9日、北朝鮮は国際社会の反対を無視して核実験を強行しました。
これは北東アジアの平和に対する重大な脅威であり、朝鮮半島の非核化を求める日本国民と国際世論への挑戦でもあります。
「核」をパワーゲームのを外交カードとしてもてあそぶ危険なやり方は絶対に容認できません。
−−たとえ背景に、金正日政権崩壊をねらったアメリカの圧力があるとしても、
北朝鮮は金正日独裁体制と人民への圧迫、「瀬戸際外交」によってみずから孤立化の道を歩んでいるといえるでしょう。
 北朝鮮は1992年の南北非核化共同宣言、2002年の日朝平壌宣言を順守して「核」を放棄し、無条件で6か国協議に復帰するべきです。

 一方で、自民党・安倍政権の中には、北朝鮮への米軍の攻撃を念頭においた集団的安全保障への参加や「ミサイル基地への先制攻撃」などの危険な考えが存在するのも確かです。
もしもアメリカがイラクに対して行ったような軍事行動に踏みきり、そして日本が北朝鮮攻撃に参加するとすれば、
それは金正日政権崩壊と引き替えに日本国民と韓国、朝鮮半島の数百万人の犠牲をもたらす第2次朝鮮戦争への突入であり、最悪の結果を引き起こすことになるでしょう。

 私たちはあくまでも国連を通じた国際社会の一致した対応と、経済制裁や国際世論における非軍事的手段による圧力で、
北朝鮮・金正日政権の政策変更を迫っていかなければなりません。
−−他に選択肢はありません。

★アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエルに次いで、北朝鮮は9番目の核保有国となる。「核実験」が本当に成功したのなら…★


「ヤスクニ史観」の何が問題か

「あの戦争」とは何か
また「追いつめられて、やむにやまれず戦った戦争」だったか
2006/9/3

 「日本が無謀な戦争に突入していったのはなぜか」という問いがあり、それに対する回答として、「欧米列強に追いつめられて、日本は『あの戦争』に進んでいかざるを得なかった」という言い方がされる。
 この言い方は、「東京裁判」を否定したい立場の人々から、特に最近、多く聞かれるようになった。
 「戦争を肯定するわけではない」といいながら、しかしその実は、戦争を「悪い戦争」と「やむを得なかった戦争」とに分け、
「あの戦争」を、後者に区分けしようとするのである。

 しかしそもそも、『あの戦争』とは何をさすのか。
 戦後の日本人にとって、『あの戦争』という場合、それは往々にして、日米戦争・太平洋戦争だけを指すことが多いのは事実である。
 これを靖国神社史観では、「昭和10年代、アメリカの干渉や経済制裁を受けて孤立した日本にとって、大東亜戦争は避けられないものとなった」と説明する。

 しかし、太平洋戦争には、当然ながら、その前段があった。
 江華島事件・日朝修好条規(1875)による朝鮮侵略の始まり、
日清戦争(1894年・明27)、台湾併合(1895)、朝鮮保護条約による朝鮮総督府の設置(1905)、日韓併合(1910)による朝鮮の完全植民地化、
日露戦争(1904)、
 柳条湖事件を契機とした満州事変(1931)、に始まる「15年戦争」、
 盧溝橋事件 (1937)に始まる日中戦争(支那事変・日華事変)に始まる日中戦争、
 そして、真珠湾攻撃に始まる太平洋戦争(1941)があった。

 アメリカとの戦争以前に、日本が朝鮮、中国などのアジア大陸を侵略していった歴史がある。
それは朝鮮から見れば、1875年以来、70年間、日本による侵略と支配が続いていたわけだし、
中国から見れば、日清戦争も日露戦争も、中国民衆の土地で大日本帝国が繰り広げた戦争であり、
1895年には台湾が植民地化され、1931年の満州事変以降は直接に中国大陸が日本による侵略にさらされていったのだ。

 戦後の日本人が太平洋戦争をさして「あの戦争」というのは、アジア各地の戦場で、またソ連の侵攻や大陸からの引き上げで日本人が『ひどい目』にあった、空襲や広島、長崎で、沖縄で、多くの被害を出したという、被害者としての記憶によるのだが、
朝鮮、中国、アジア諸国の人々にとっては「あの戦争」は15年、あるいは70年間の戦争であった。
 大日本帝国が大陸における利権獲得、植民地化を進めていった、その利権を守るためと、
いやそれ以上に、アジア全体を日本の植民地化することを狙って、最終的にアメリカと衝突したのに他ならない。

 「日本があの戦争に突き進まざるを得なかった」という言い方をする場合、戦後の日本人は、「あの戦争」を太平洋戦争に限定してとらえているわけだ。
 しかし、こうした見方が、アジアに対する日本の侵略の歴史をまったく顧みることなく、
ということは、アジア民衆に対して日本が加害者であり続けたという歴史を顧みることなく、
日本対欧米列強という視点からしかモノを見ていないことに気付かされる。
 戦後の日本人は、日本に侵略され続け、支配され、殺され続けたアジアの人々に対する視点を忘れ去ってしまっているようでさえある。

 少なくとも、朝鮮の植民地化や中国大陸侵略の戦争は、日本が「追いつめられて」「やむにやまれず」侵略していったのではない。
それは大日本帝国が大陸における勢力範囲の拡大と利権を求めて、明治以降、国策として、積極的に侵略していったのであって、
1941年から始まる日米戦争・太平洋戦争は、その帰結であったにすぎない。

 日本が「追いつめられて」「やむにやまれず」、あの戦争に突入していった、「避けられない戦争であった」という言い方は、
日本が加害者として殺し、奪っていったアジアの民衆に対してあまりにも無責任な言い訳と言うしかない。

「九条の会・久喜」 第2回総会を開きました
2006/8/12

 8月6日、「九条の会・久喜」第2回総会が、ふれあいセンターで開かれ、50名が参加しました。
この日は、昨年8月6日に設立総会を開いてから、ちょうど1年目。
ヒロシマ原爆から61年目です。

 経過報告、事業計画、会計決算と予算などを承認。
会員はこれまでに139名になっていることも報告されました。
さらに、この日の総会の場でも、新たに3名が入会しました。

 猪股は、昨年の総会では世話人を辞退していましたが、この日、世話人に加わることになりました。


 総会の後、「憲法を守る運動は一人でもできる」と題して記念講演が行なわれました。
お話は、コスタリカの法律を学ぶ学生、ロベルト・サモラさん。
 コスタリカは、【軍隊を捨てた国】として知られています。

 サモラさんは、コスタリカ政府が、アメリカのイラク戦争に支持を表明したときに、
「外国の戦争支援は憲法違反」と司法に訴えました。
コスタリカの憲法裁判所は、「政府のイラク戦争支持は憲法違反」との判決を下し、
コスタリカはついに、アメリカの“有志連合”から脱退しました。

 ロベルトさんは、今、日本各地を講演して回っています。
 不戦・非武装の日本国憲法の理念を再確認して、憲法を活かすため、
 そして、コスタリカなど、戦争放棄の憲法や政策を持つ国々の理念をいっそう広げるためです。

 非武装国家・コスタリカの憲法第12条は、
◆恒久的制度としての軍隊(常備軍)を廃止する。
◆公共秩序の監視と維持のための必要な警察力は保持する
◆大陸間協定によりもしくは国防のためにのみ、軍隊を組織することができる
と規定しています。

右がサモラさん。
左は通訳を務めた富山栄子さん

久喜市のホームページで、「空襲警報」が鳴り出す!!
2006/8/12

 久喜市のホームページに、下記の記事が掲載されました。
「いったい、これは何だろう…」と思ってクリックしてみたら、iいきなり「空襲警報」が鳴り出すではありませんか。
これは、「戦争前夜」をあおっている?? または悪い冗談でしょうか。
 「戦争開始の音を、市民に周知しておく」ことにどのような意味があるのでしょうか。

 または、「今すぐにでも、北朝鮮からミサイル攻撃があるかも知れない」と、危機感をあおる久喜市長の本音は、いったいどこにあるのでしょうか。

 仮に、本当に「武力攻撃事態」が起こったとして、久喜市はいきなり、警報サイレンを鳴らすつもりでしょうか。
 田中市長は、いったい、どのような「事態」が起こったのかも知らせずに、空襲警報をいきなり鳴らすつもりでしょうか。
 いや、それ以前の、素朴な疑問ですが、何の前触れもなく、いきなり日本に=私たちの頭上に、ミサイルが飛来するということがありうると思っているのですか。
 本当に北朝鮮がミサイルを発射するとして、その兆候をまったく把握できずに、いきなりミサイルが飛来するということがありうるのですか。
自衛隊と日米安保とは、そんなお粗末なものなのですか。

 もう一つ。
 先日の北朝鮮の「ミサイル実験」?は、確かに国際的な関係を無視した無法なもので、容認することはできません。
 あえて近隣諸国、特にアメリカや日本政府に対して危険な挑発を繰り返し、外向的な圧力?に、武力を利用してみせる、彼らのやり方は最大限の非難をされるべきです。
 さてそこで、久喜市当局は今後、あのような事態の時にも、「空襲警報」を鳴らすのでしょうか。
 いやあれは、「武力攻撃事態」ではなかったから、空襲警報までは必要ありませんか?

国民保護に係る警報のサイレン音について

  武力攻撃から国民の生命、身体又は財産を保護するため緊急の必要があるときには、市防災行政無線を通じ国民保護に係る警報のサイレン音を流します。

サイレン音を再生する(WAVファイル/3,618KB)


【扇動者】
 毛虫を落とすのだと言って、隣近所の果物の木を揺すってまわる政治屋

A.ビアス 「悪魔の辞典」
筒井康隆訳による
(講談社)


久喜市のホームページ 「国民保護に係る警報のサイレン音について」のお知らせへのリンク
他の市町のホームページで、これほど露骨に「戦争の危機」をあおったり、空襲警報まで載せているのを見たことがありません。
どなたか、そんな例を知っていたら教えてください。
それとも、田中市長は、久喜市のホームページを見習って、これから全国に広がっていくことを期待しているのでしょうか。

「教育基本法」を見たことありますか
『声と眼』318号 2006/8/7

 164国会で、教育基本法「改正」法案は継続審議となりました。自民党と公明党は、9月29日に臨時国会を召集し、教育基本法を最重要法案として可決させる方針です。
 「教育基本法」の「前文」と第1条、第2条です。−自・公が何を変えようとしているのか。
似たような文言を使いながら、そのニュアンスは微妙に異なって……。比べながら読んでみませんか。

 

教 育 基 本 法  (全11条)

 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

第一条(教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に 満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。

第二条(教育の方針) 教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的 を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即 し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。




★現行の第5条を全部削除し、替わりに、「改正案」の第2条第3項に「男女の平等」の一句を挿入

第五条(男女共学) 男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、 教育上男女の共学は、認められなければならない。
 

自民・公明による「改正案」 (全18条)

 我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
 我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
 ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。

第一章 教育の目的及び理念
第一条(教育の目的) 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

第二条(教育の目標) 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われる ものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

「戦時」における国民保護とは何か
「国民保護に関する久喜市計画(原案)」についての一般質問

6月定例市議会 猪股和雄の一般質問  『声と眼』318号 2006/7/24

 “武力攻撃事態”における『国民保護計画』の策定が全国で進められています。これは事実上、国内での地上戦を想定し、戦時における国民の避難や対処方針を定めるもの。
−久喜市では4月に、市役所職員や自衛隊、警察、消防組合、東電などの公共的企業など34名で『国民保護協議会』が設置され、『計画』を審議しています。
すでに『国民保護に関する久喜市計画(原案)』が公表されました。
−『計画原案』は久喜の地域において市街戦などの戦闘状態が起こることを想定していて、戦争が避けられないものであるかのような前提で書かれているようです。文章などはほぼ埼玉県計画をなぞったものです。

 最大の問題点は、住民の避難誘導、救援、武力攻撃災害の応急の復旧などについて、「自衛隊の部隊等の派遣要請を行う」「自衛隊の部隊長に対し、避難誘導を行うよう要請する」などと明記されていることです。
−本来、戦争=戦闘状態に陥った中でも、軍隊=戦闘部隊と市民とを厳格に区別しなければなりません。これはジュネーブ議定書など戦時国際法の最低限のルールであり常識です。
非戦闘員である市民の避難誘導を軍隊が行えば、市民は軍隊もろとも攻撃目標となるのであって、市民の避難誘導は非武装の自治体行政当局や赤十字などの“文民保護組織”が担わなければなりません。
その意味で久喜市の『計画(原案)』は軍隊と民間との役割を混同し、かえって市民を戦闘に巻き込む危険性をはらんでいます。
 市当局は「ジュネーブ議定書については、国会で判断する問題。国会で、国民保護法に自衛隊の派遣を入れた。国民保護法の規定に基づいて市の計画を作っている。市民保護のために自衛隊に支援要請する」などと答弁。戦時国際法の軍民分離原則についてはあまりにも無頓着…。
“考慮する必要はない”という考えのようです。

国際武力紛争の犠牲者の保護に関し、1949年8月12日のジュネーブ諸条約に追加される議定書
〈第一議定書〉
いわゆる「第一追加議定書」

議定書T 全文へのリンク
日本赤十字社のホームページ
国際人道法の解説
第4編 文民たる住民
第1部 敵対行為の影響による一般的保護
第1章 基本原則及び適用範囲


第48条(基本原則)
 紛争当事国は、文民たる住民及び民用物に対する尊重及び保護を確保するため、文民たる住民と戦闘員とを、また、民用物と軍事的目標を区別しなければならず、従ってまた、その軍事行動を軍事目標に対してのみむけなければならない。

第51条(文民たる住民の保護)
1 文民たる住民の保護及び個々の文民は、軍事行動から生ずる危険に対して一般的保護を享有する。この保護に効果を与えるため、他の適用範囲な国際法の規則に追加される次の規則を、すべての場合において、遵守しなければならない。
2 文民たる住民全体及び個々の文民を、攻撃の対象としてはならない。文民たる住民の間に恐怖を広めることをその主たる目的とする暴力行為による威嚇は禁止する。
3 文民は、敵対行為に直接参加しない限り、かつ、その期間中は、この部により与えられる保護を享有する。
【4〜8 省略】

第4章 予防措置

第57条〈攻撃の際の予防)
【省略】

第58条(攻撃の影響に対する予防措置)
 紛争当事国は、可能な限り最大値まで、次の措置をとらなければならない。
(a) 第4条約第49条を害することなく、自国の支配のしたにある文民たる住民、個々の文民及び民用物を軍事目標の直近地域から移動させるように努めること。
(b) 人口周密の地域の内部又はその附近に軍事目標を設置することを避けること。
(c) 自国の支配の下にある文民たる住民、個々の文民及び民用物を、軍事行動から生ずる危険に対して保護をするため、必要な他の予防措置をとること。


【2月定例市議会】
武力攻撃事態と国民保護計画

『声と眼』311号 2006/4/13

 日本が“どこかの国や組織”から攻撃を受けた場合に備えて、事前に各市町村の「国民保護計画」を策定しておくため、「久喜市国民保護協議会」を設置する条例が可決されました。
 国民保護協議会の委員には自衛隊員も加わることになっていますが、自衛隊=軍事組織の意見を聞きながら、市民の「保護計画」を作るとすれば、軍事優先の計画になるのは必然です。
 私は、武力衝突を前提とし、しかも軍事優先・軍民一体の「国民保護」という考え方に基づく「国民保護協議会条例」に反対しました。

軍事優先は許されない

@「武力攻撃事態」への対処は、▼侵害排除と、▼避難誘導を主とした国民保護の2つがありますが、自治体の任務は侵害排除ではなく、文字通り住民の生命、財産の保護を最優先させることであるべきです。自治体の役割は侵害排除行為=戦闘行為への協力ではありません。たとえば作戦行動のために住民を一定地域から排除・非難させるような、軍事行為への従属は許されません。

Aしかし日本では、第2次世界大戦においても、「国民総動員」などの言葉が端的に表したように、軍事行動と市民生活を一体化させ、戦闘員と非戦闘員の区別なく、国民すべてが軍事作戦に積極的に協力するのが当然であるかのような考え方がま
かり通ってきました。ー現代でも「戦争が起これば、すべての国民が愛国心を発揮し協力するのがあたりまえ」という風潮が強まっています。戦争への非協力や「戦争反対」を言うことが「非国民」であるかのような言い方もされています。

Bこうした考え方に基づいて、“武力攻撃事態”において侵害排除行為と国民保護とを一体化させるとすれば、それは国民全体を、政府の行為としての戦争に巻き込み、市民の生命を危険に陥れることとなります。ー侵害排除行為と国民保護とは厳格に区別されなければなりません。

自衛隊は住民避難には使えない

C国民保護を目的とした場合でも、住民の避難に自衛隊が携わったり軍用車両を利用すれば、国際法上は軍事目標とみなされて攻撃の対象となる恐れが生じます。戦時国際法では、軍用車両に赤十字マークを付けることも禁止されており、住民の避難や救援活動は非軍事組織である文民保護組織によらなければならないと定められています。これが平時における自衛隊の災害派遣との大きな違いです。戦時においては自衛隊の「国民保護派遣」はできないのです。
D国民保護協議会に、久喜でも自衛隊員が委員に入ることになっていますが、これは国民保護を軍事行動に一本化し、軍事行動を優先させる恐れが生じます。国民保護計画の策定に自衛隊員を参加させることも間違いです。この体制で「国民保護計画」を作るとすれば、それは軍事行動に市民を協力させる計画づくりに他なりません。
E国民保護法やこの国民保護協議会条例は、国内での地上戦を想定したものですが、ある日突然、国内に武装攻撃部隊が出現するなどという、ありえない事態を前提することもナンセンスです。
 本当の意味で国民の生命を守るためには、本来、武力紛争や衝突が起こらないように、外交や政治の努力を行うのであって、軍事行動を前提として、法や条例、制度、保護計画なるものを作ること自体、考え方が転倒していると言わざるを得ません。

★戦闘行為と住民避難を一体化し、作戦行動を優先して事実上戦闘に住民を強制的に協力させ、あるいは住民を盾にして巻き込んでいったのが、あの沖縄戦でした。★


国民保護法の自治体での運用、
国際人道法との関連についての、日本赤十字社の担当者の見解

2006/4/6

 新潟の国民保護に関する県民電子会議室というところで、「国民保護法」についての活発な議論が展開されています。
 3月には、日本赤十字社の有事関連法、国際人道法等の担当者からの、きわめて興味深い投稿がありました。
 該当の投稿の公開が許可されましたので、転載させていただきます。
 読んでいただければわかると思いますので、余計な解説は付けません。
 なお、3月22日の久喜市議会最終日の「国民保護協議会条例」に、猪股が反対討論をしましたが、実は、その中にも、この方の投稿の内容の一部を拝借しています。
 ぜひ、「国民保護法」、「地方自治体における国民保護協議会のあり方」に関する、専門家の立場からの見解の原文をご覧ください。

国際人道法の的確な確保と自衛隊の協力の懸念について

自衛隊の住民避難等への協力と人道法の的確な確保につき、気になる点をご指摘させていただきます。

○ 自衛隊の住民避難等への協力の懸念点

 仄聞しますところ、自衛隊に住民等の避難への協力を求める動きが自治体を中心に見られるとのことですが、こうした考え方は国際人道法(IHL)の基本原則に反する疑いがあります。
 IHLの基本原則は、軍人・軍事物と文民・民用物を明確に区別し、文民・民用物を軍事目標への攻撃の巻き添えから防ぐことがあります。したがって、軍の輸送車輌等で文民を避難させることは軍事目標への攻撃の巻き添えになる危険があります。これが平時の自衛隊の災害派遣と大きな違いです。
 したがって住民の避難、消防、応急手当等は,、非軍事組織である文民保護組織(Civil Defense)の役割であることがジュネーブ諸条約第一追加議定書に明記さています。
 国民保護派遣に自衛隊の「国民保護派遣」が規定されたのは、平時の災害派遣の延長線上の発想から、自治体が強く要望したために盛り込まれたようですが、本規定は、元来、住民を逆に攻撃の巻き添えにしかねない危険性を秘めています。さらに、この場合、IHLの規定から文民を輸送する軍用車輌に赤十字マークや文民保護マークをつけて保護することは禁じられています。
 戦時には軍と民を厳密に区別することが大原則で、軍隊の戦時の役割は、侵害排除にあり、文民の保護を求めるのは、戦時国際法の原則に逸脱するものです。
 IHLでは、軍の要員が文民保護組織に配属されることを認めていますが、その場合は恒久的に配属されるのが条件です。このような要員を自衛隊が戦時に配置できる余裕はないと思われますし、その場合でも軍の車輌等は使用できないでしょう。
 仮に自衛隊に文民の避難等に協力する状況があるとすれば、それは武力紛争の開始の前後が考えられ、実際に紛争が起きた後での協力は、IHLの原則に反し、文民が攻撃の対象になりかねない危険なものとなるとかんが得られます。
文民の避難誘導などの文民保護は、文民保護組織(消防、警察、自治体職員等が中心に構成される)によるべきであり、この分野への自衛隊の介入は、住民を攻撃の付随的損害から防止する『予防的措置」(第一追加議定書57条)を講ずる締約国の追加議定書上の責務に反することになりかねないと思われます。
 この危険性につき、以前、防衛庁にも指摘したことがありますが、「世論におされて」受け入れざるを得なかったのが現実のようです。
 自衛隊による住民保護を念頭に置かれている自治体の関係者の方々には、是非、この点の配慮をお願いしたいと思います。

○IHLの的確な確保と「予防的措置」について

今回、政府が加入したジュネーブ諸条約の追加議定書は、締約国が、住民を攻撃の被害から守るために攻撃する側とともに、攻撃される側にも予防的措置を構ずべきことを要請しています。
 この視点から今後問題になるのが、住宅地、民用施設などの密集地に所在する軍事施設(軍事目標を構成する)です。市谷の防衛庁の近傍にはホテル、学校、商店、マンションなどが密集していますし、自衛隊施設に隣接して住民の居住地域が密集している現状が随所に見られます。これは明らかにIHLの原則に反するといえますが、戦後、60年、戦争をすることが理論上ありえなかった日本の現実、及び、国土の狭隘さなどから、IHLの視点を担保することなく現実の施設建設が先行してしまったためと思われます。
 「予防的措置」は、締約国の努力義務の性格もあり、直ちに違法行為とはいいにくい面もありますが、今後は、人道法の精神、原則に抵触するこうした現実を徐々に改善することが、議定書加入国となった日本に求められると思われます。

2月定例市議会、「国民保護協議会条例」に対する、いのまた和雄の反対討論
2006/3/29

 3月22日、市議会定例会最終日、「国民保護協議会条例」に対して、反対討論を行いました。
 「武力攻撃事態」なるものに対して、事前に「国民保護計画」なるものを策定しておくため、市町が会長となって、国民保護協議会を設置するそうです。委員には自衛隊員が入ることになっています。
 軍事専門家というか、自衛隊員という軍人の意見を入れて、「保護計画」を作るとすれば、軍事が優先されることになるのは必然です。
 この条例案に、反対は、猪股と共産党の3人だけ。議長を除いて他の20名は全員「賛成」というわけで、すでに久喜市議会では、翼賛体制、国民総動員態勢が作られてしまっているようです。

「国民保護協議会条例」について、反対します。
(1)国民保護法に基づいて、国民保護とは言いながら、事実上は、自衛隊・自衛軍の軍事行動に国民を協力させるための体制を作るための「国民保護」協議会であると言わざるをえません。

(2)本来、「武力攻撃事態」への対処は、侵害排除と避難誘導を主とした国民保護の2つがあります。
 自治体の役割は言うまでもなく、住民の生命、財産の保護を、そのすべてに優先させるべきです。
 侵害排除、つまり、戦闘行為への協力はもとより、戦闘行為をやりやすくさせるための、たとえば、陣地の構築のために住民を一定地域から排除・非難させるようなことは、自治体の任務ではありません。自治体の任務は第一義的に、侵害排除でなく、文字通り国民保護を優先させなければなりません。

(3)しかし、日本においては、前の戦争においても、「国民総動員」とか「一億玉砕」などと言う言葉が端的に表しているように、軍事行動と市民生活を一体化させ、国民すべてが軍事行動に協力し参加する、戦闘員と非戦闘員とを区別しない、区別できないことが当然であるかのような考え方がまかり通ってきました。
 現代においても、「戦争が起これば、すべての国民が協力するのが当然であるという思想がまかり通っています。
 協力しない、或いは戦時においても「戦争反対」を主張することが「非国民」であるとするような考え方、言い方がなされます。

(4)こうした考え方に基づいて、武力攻撃事態とされる事態において、侵害排除行為と国民保護とを一体化させるようなことがなされれば、それは国民全体を、政府の行為としての戦闘行動に巻き込み、国民の生命を危険に陥れることとなるのであって、これらを厳格に区別することが絶対的な前提条件です。
条例の議案審議において、当局も、市の任務は住民保護にあることを表明されたが、実際の事態において、住民を戦闘行動に巻き込むようなことがあってはならない、このことをまず明確にすべきです。

(5)さらに、国民保護を目的として、住民を避難させる場合、その避難に自衛隊という軍隊が携わったり、軍用車両を利用することは、軍事目標とみなされて、攻撃の対象となる恐れが生じます。
 これが平時における、自衛隊の災害派遣と、大きく異なるとことです。
 したがって、住民の避難、救援活動は、非軍事組織である文民保護組織によらなければならないことは、戦時国際法にも定められており、その意味では自衛隊の「国民保護派遣」自体が間違いであるということになります。

(6)したがって、国民保護協議会に、久喜でも自衛隊員を委員として選任することになっておりますが、自衛隊員を参加させることは、住民非難、国民保護を、軍事行動に一体化することになるばかりか、軍事行動を優先させる恐れも生じるのであって、自衛隊員を参加させるべきではありません。

(7)いずれにしても、国民保護法及び、この国民保護協議会条例そのものが、国内における地上戦、市街戦を想定したものです。
しかしある日突然、東京湾に侵略軍隊やテロ集団が出現するなどと言うことはあり得ないことであって、そうしたありえない自体を想定して、対処法策を検討することはナンセンスです。
 国民を本当に守るためには、本来、戦争の起こる以前に、外交努力によって戦争を避けるべきであって、軍事行動を前提として、法や条例、制度、保護計画なるものを作ること自体がナンセンスと言わざるを得ません。

「九条の会・久喜」のシンボルマーク

★この絵は、市内の美術家の方が作成してくださいました。「九条の会・久喜」のシンボルマークです。★

「自民党新憲法案」を読んでみる
『声と眼』302号 2005/11/14

 10月28日、自民党が「新憲法草案」なるものを発表しました。今回の主要な「改正」点は、『前文』他6項目。−憲法改正論者たちのホンネはいったいどこにあるのでしょうか。
 天皇を元首にし、愛国心や国防を国民の義務として明記し、基本的人権の本格的な制限や、政府批判のマスコミや市民運動に対する規制強化など、彼らが本当にやりたいことは先送りにして、とりあえず今回の「改正」で次の2点だけはどうしても変えておきたいようです。
(1)不戦・非武装の「9条」に「自衛軍」を明記、
(2)96条の「憲法改正手続き」を緩和する。
 つまり、改正手続きさえ簡単にしておけば、あとの改正は容易になりますから、残りの問題はだんだんと改正していこうということでしょう。
 ただ、以下の4点については、今回、いっしょに「改正」しておこうということのようです。
◆日本国憲法の基本理念を述べている『前文』は、9条改正と矛盾するので全面削除。−替わりに天皇制の尊重、愛国心と国防の強調、さらに日本が海外で軍事行動することも容認します。
◆12条に「国民の責務および義務」を設け、国家優先、国益優先で、公の秩序のために基本的人権の制限もあるとします。…「沖縄の米軍基地の移設反対運動などは認めない」ということ。自衛軍の戦闘行為や戦争に関して、ジャーナリズムや反戦運動、市民運動も規制されることになります。
◆20条の政教分離を緩和して、社会的儀礼や習俗的行為に参加することは容認。…つまり首相の靖国神社参拝を「合憲」にすることが目的でしょう。
◆76条で「軍事裁判所」を設置します。……要するに「軍法会議」で、軍隊内部の規律や軍人の行為は、警察や一般の裁判所の干渉を受けない、治外法権ということです。


【日本国憲法】

第二章 戦争の放棄

(戦争放棄、軍備及び交戦権否認)
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


【自民党新憲法草案】

第二章 安全保障
 (平和主義)
 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 (自衛軍)
 第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。

 2 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

 3 自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

 4 前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。


 (裁判所と司法権)
 第七十六条
 3 軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設置する。 【新設】


久喜の歴史教科書の採択きまる
『声と眼』299号 2005/9/26

 2006年度から使用される中学校教科書の採択が終わりました。
久喜市は春日部市などとともに広域の「埼玉県第10採択地区」で共通の教科書を使っています。
久喜市教育委員会は7月11日にこの広域地区で使用する教科書の候補を選定。各地区の教育委員会が推薦した教科書の中から、25日に採択地区協議会で一本にしぼり、26日に開かれた久喜市教育委員会で正式に来年度に使う教科書が決定されました。−全国的には、4年前に続いて今年も、『新しい歴史教科書をつくる会』が実質的に編集した歴史・公民教科書(扶桑社版)の採択が問題となりましたが、久喜地区ではこの教科書は“候補”にも上らず、ほぼ“常識的な教科書”に落ちついたと言えます。

“偏向教科書”は全国的にも惨敗

 この扶桑社版教科書は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と書き、大日本帝国による中国大陸やアジア侵略を「自衛のための戦争」「アジア解放の戦争」として正当化、歴史的事実である南京大虐殺や強制連行、日本軍「慰安婦」を否定、国家と天皇中心の皇国史観に立った教科書です。今どきこんな教科書が検定を通ったこと自体、憲法改「正」、アメリカとともに戦争する国家へと突き進む日本の政治社会状況の反映といえます。−しかもこの教科書を強引に採択させるために、検定・採択制度の変更、国会議員や地方議員を使って各地の教育委員会への圧力、検定途中の教科書を不正に流出させての事前宣伝、他社の教科書への誹謗・攻撃など、猛烈な採択運動を繰り広げました。
 しかし、あまりに右翼的・政治的に偏向したこの「つくる会」の教科書は、全国の中学校で、歴史0.5%以下、公民0.2%以下と、ほとんど採用されませんでした。−それでも公立中学校では、杉並区(歴史)と栃木県大田原市(歴史・公民)の2地区、東京都の中高一貫校(歴史)とろう・養護学校(歴史・公民)、愛媛県の中高一貫校(歴史)とろう・養護学校(歴史)と滋賀県の中高一貫校3校中の1校(歴史)で採択されました。また、一部の私立中学校(学校数の1%強、生徒数の0.1%)でも採択されました。これらの5地区の教育委員会は、明らかに子どもたちの教育よりも政治的思惑を優先したといえます。


武力攻撃事態に対する、『国民保護計画』とは何か
虹と緑・政策研究会

2005/9/4

 9月3日、新潟市内で「虹と緑の政策情報センター 政策研究集会が開かれました。
 第1テーマは『国民保護計画作成と地方自治体』。ーー弁護士の松山秀樹氏の講演と質疑が行われました。

 03年6月に「有事3法」が成立、04年6月に「国民保護法」を含む7法案が成立させられ、04年9月には「国民保護法」が施行されています。

「国民保護」計画は、日本への武力侵攻、日本国内での地上戦を前提としている

 これは、日本国内での地上戦を前提とした“武力攻撃事態”や、どこかの国家によるテロなどの“緊急対処事態”という、本来あってはならない状況を想定して、それにどう対処するか、その計画を作っておいて、国民の協力を求めていくという法律です。

 しかしそもそも、日本国内での地上戦を想定するということはどういうことなのでしょうか。
 政府の言う「着上陸侵攻」、つまりどこかの海岸線からの上陸、それに引き続く局地戦、あるいはどこかの国家が日本に全面的な侵攻をしてきて、日本国土が戦場になる。
それとも、都市にミサイルが撃ち込まれたり、爆撃が行われるという“事態”を、政府は想定しているのでしょうか。
 いったいどこの国が、何のために、日本国土に上陸侵攻したり、爆撃したりするというのでしょうか。上陸して、日本を占領するということがありうるのでしょうか。
 そうした事態が起こってしまえば、すでにその段階で、日本国民が犠牲になるということであり、60年前の沖縄地上戦が再現されるということです。
 そんな事態はあってはならないし、ありえないと思うのです。いや、そうした事態を起こさないことが外交政治というものではないでしょうか。
 “武力攻撃事態”や“緊急対処事態”を想定すること自体がナンセンスと、言わざるをえません。
 政府は、そうした事態を想定して、「国民を守る」のだと言います。

 今年(05年)3月には政府が、「国民保護計画」に関わる基本方針を策定し、都道府県国民保護協議会条例を制定、都道府県の国民保護計画モデル計画、06年3月までに市町村のモデル計画を策定するというスケジュールが立てられました。
 これに基づいて、06年3月には都道府県国民保護計画を策定、07年3月には市町村国民保護計画を作成するという流れで進んでいます。
 すでに、福井県、鳥取県で、「国民保護計画」が作成されました。

 国民保護法の基になっている武力攻撃事態対処法7条では、自治体は「住民の生命、身体及び財産の保護に関して、国の方針に基づく措置の実施その他適切な役割を担うことを基本とする」と規定されていて、そのための計画を作成することになります。
 つまり地方自治体の役割は、侵攻への対策ではなく、住民の保護にあります。
 しかし実際に、武力攻撃事態や緊急対処事態に対する国民保護計画ではどうなるでしょうか。

「住民の生命・財産・人権」と軍事作戦と、どちらが優先されるか

@「事態」に対処するという名目で、国による一定の意図を持って、国民生活や思想、表現、国民の行動への統制が行われる危険性。『戦争だから制限もやむを得ない』、あるいは、『“敵”が攻めてくるかもしれないから、「戦争反対」などと言うのは反日的で、利敵行為だ』と…。  
A国民の保護、避難誘導よりも、軍事優先、「事態」に対処するための「作戦」が優先される危険性、避難経路の確保よりも、軍事物資の輸送や軍隊の作戦行動経路を優先的に確保されることは、当然予想されることです。迎撃陣地を作るために、住民は立ち入り禁止、「避難」させられる…。
B政府が「国民保護」のモデル計画を作り、全国の自治体一律の「国民保護計画」を作成する必要があるのか。
 たとえば、基地も軍需産業もない、農業と住宅地域である久喜市のような自治体において、「国民保護計画」を作成し、市民を統制し、非難をさせる、そのための訓練を行わせる必要があるのか。
 国民保護指針では「大都市の場合は近くの建物に避難する」とありますが、“敵国の軍隊が侵攻”してきたときに、こんなばかげた避難指示を出すというのでしょうか。自治体は、住民に対して、そのようなばかげた避難訓練をさせるのでしょうか。
C当然のことながら、「自然災害」と「武力攻撃災害」はまったく異なります。
 自然災害は、台風や水害、地震に対して、一定地域の住民の生命、身体、財産の保護が最優先となり、人権に対する制限の意図は働く余地はありません。
 一方、武力攻撃災害は、攻撃に対する反撃と表裏一体のものとならざるを得ず、したがって、人権に対する制限が当然伴います。身体や財産の自由の抑制もあり得ます。戦争遂行には、思想信条への統制や表現の自由、知る権利の制限などの人権侵害が、“当然のこと”として行われることになります。
 それをごっちゃにして議論することは誤りです。
D基本的人権は、たとえ、武力攻撃事態への対処、武力攻撃災害への対処の中でも、守られなければなりません。
 特に、「武力攻撃事態」の中で、情報を軍だけが握り、政府や自治体の行政、政治がそれに追随するというような状況が当然予想されます。
 作戦行動に支障があるかもしれないから、報道規制はあたりまえ。国民や市民に必要な情報を知らせず、隠して、あるいは情報操作して、行動を指示し命令する。こんなことは絶対に許されません。
Eそういう、国民・住民の生命や人権を優先した「国民保護計画」というものがありうるのか否か。
 『非常事態であれば、制限もやむを得ない』という考え方を容認するのか、私たちは「国民保護」の中身を厳しく見つめていかなければなりません。


「九条の会・久喜」設立総会が開かれました
2005/8/12

8月7日、ふれあいセンター久喜で、「九条の会・久喜」設立総会が開かれました。
 総会当日の参加者は約90名。
呼びかけ人を代表して、津田道夫さんのあいさつ、事務局長の渋谷さんの経過報告、進藤敬子さんがアピールを提案し、今日から、「九条の会・久喜」として、『九条を守り、生かし、世界に輝かせていく』ために、地域において活動していくことを確認しました。
 その後、早乙女勝元氏が「いまこそ日本国憲法第九条を!−−コスタリカに『初心』を学ぶ」と題して講演しました。

 これまで、7月24日現在で「九条の会・久喜」の賛同者は222名に達しており、今後改めて入会者を募っていくことになります
「九条の会・久喜」 申し合わせ事項

1.この会を「九条の会・久喜」と称する。
2.戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認の日本国憲法第9条を守り、生かし、世界に輝かせるために、必要な活動を行う。
3.この会は、2004年6月に公表された「九条の会アピール」(井上ひさし、他8名)に賛同し、久喜市内に在住、在勤、在学する者は、誰でも入会することができる。
4.運営経費は、当分の間、入会金(1口500円/減免も可)および寄付金でまかなう。
5.総会を年1回、および必要に応じて開催する。
6.会に、世話人会、および会計監査をおく。世話人会の中で、事務局および会計を分担する。
7.世話人会を毎月定期的に開催し、会員は誰でも参加し意見を述べることができる。
8.会員名簿は、世話人で管理し、会の活動以外には使用しない。

当面の活動方針について

1.「九条の会・久喜」普及のための講演会・イベント等を実施します。
2.定期的な憲法学習会を開催します。
3.久喜駅頭等において、街頭宣伝活動を行います。
4.ニュースレターの適宜発行を行います。
5.世話人会、事務局会議を適宜開催します。
6.その他


「九条の会・久喜」が発足します
『声と眼』296号 2005/7/25

井上ひさしさん等9名の呼びかけに応えて、今、全国で続々と、『九条の会』が作られています。久喜でも政党や党派・政治的立場を超え、市民運動など個人の立場で準備会を発足、話し合いを進めてきましたが、8月に発足の総会を開くことになりました。
−−ぜひご参加ください。

8月7日(日)午後2時開会・設立総会
記念講演/早乙女勝元さん
いまこそ日本国憲法第九条を!
−−コスタリカに『初心』を学ぶ−−
会場/ふれあいセンター久喜 3階  (参加費500円)



靖国神社、「従軍慰安婦」、そして…

新潟市議会議員  中山 均氏の一般質問の一節へのリンク
2005年6月21日


日本は「普通の国」ではあり得ない

下の2つの発言は、津田道夫著「南京大虐殺と日本人の精神構造」(社会評論社刊)に掲載されている。

韓国  盧泰愚大統領
1990年5月 初来日、日本の国会での演説

「去る時代のしこりが両国関係発展の障害となっているのです。」

「小学校に入ったばかりの韓国の児童が、学校で日本式の名前ではなく自分の名前を使ったり、母親から教わった自国の言葉を使ったりしては先生から鞭打たれなければならなかった痛みをみなさまは理解できないと思われます。」


シンガポール上級相 リー・クアンユー (初代首相)
1994年12月

「もしあの戦争が解放戦争であったのならば、日本の軍隊がシンガポールに入ってきた時、われわれは解放され、自由になっていたはずです。しかし、私の体験は違っていた。3年半の間、われわれは支配され、残酷に扱われ、圧政に苦しめられた。アジア解放の戦争だった、ということには同意できません。」

「細川首相に始まって村山首相も、(日本の過去の間違いについて)あいまいではなかった。羽田首相もかなり明確だった。が、彼らは日本の指導部の一部しか代表していない。指導部の主流は自民党にあり、彼らはいまだにあいまいです。
 このあいまいさが残る限り、いつの日か、日本は再軍備し、かつての道を歩き出すのではないか、という恐れは残ります。」

「日本は、普通の「普通の国」(オーディナリー・ノーマル・カントリー)ではありません。非常に特別です。それを忘れない方がいい。」

運動のこれまでと、これからと
ーー3年間の一応のまとめーー

有事法制に反対する久喜市民の会

 市民の会の皆さん、私たちは去る05年5月29日、第4回総会を開きました。
 久喜市民の会の3年間、私たちがどんな活動をしてきたのかは別紙「有事法制に反対する久喜市民の会・活動報告」にまとめてあります。これは第4回総会へのご出席の皆さんにお配りしたものですが、第1回から第3回までの総会期間ごとにまとめてあります。(つまり、暦のうえでの年度ごとということではないということです)。
 有事立法も、多くの人びとの反対にもかかわらず、法制化(国会決議)されましたが、法律が出来たことと、それを実際に発動させないこととは別です。これからの運動は、それを発動させない方向で継続されなければならぬと存じます。
 しかし、ここで私たちは、運動の一つの区切りとして「市民の会」としてはこれを解散し、運動の新しい質を求めて継続的な運動を更に大きな規模で展開して行きたいと話し合いました。私たちの願いにもかかわらず、有事法制三法(03年5月)と有事法制七法(04年6月)とつづけて成立させられた訳ですが、しかし、それにもかかわらず、私たちはこの3年間の運動が決して無駄であったとは考えません。
 この間、私たちは多くのことを学びましたし、何よりも集会や街頭宣伝を継続してきました。そして継続こそは一つの力であるとの確信に達しました。その力は次の運動への通産として当然引き継がれると考えます。
 そこで新しい情勢に面して「九条の会・久喜」(仮称)へと運動を発展させるべく、市民の会としてはここで終止符を打とうということになった次第です。イラク戦争反対、自衛隊のイラクからの撤兵要求などなどは、運動課題として当然引き継がれます。会員の皆さんにおかれましては、同封の提案「『有事法制に反対する久喜市民の会』から『九条の会・久喜』(仮称・案)へ」を御参考に、ぜひとも新しい運動への御参加(可能なら準備過程からの御参加)を呼びかける次第です。
 第4回総会の結論を了とせられ、今後ともよろしくお願い致します。

05年5月30日

代表  津田道夫


「九条の会・久喜」を作ろう
『声と眼』293号 2005/6/13

“憲法9条を守り、生かし、世界に輝かせよう”。
 昨年、井上ひさし、大江健三郎、三木睦子さんらが呼びかけて以降、全国各地で「九条の会」が作られてきています(埼玉県内でも40〜50か所)。
 久喜でも4月から準備会を開いて話し合いを積み重ね、賛同者は党派・組織を超えてすでに100人に達しました。
 これまでの準備会で以下のような“申し合わせ事項”を確認しています。
▼発足は8月上旬、
▼会員は、趣旨に賛同し、久喜市内に在住、在勤、在学する人は誰でも入れる、
▼会員名簿は九条の会の活動以外には使用しない、
▼賛同費は入会するときに 1 口500円とする、
▼会に、代表・世話人会をおき、世話人会の中で事務局や会計を分担する、
▼役員はこれからの準備会で話し合います。
 この会は、思想や政治的立場を超え、「九条」の一点だけで結び合うものです。そして、“日本の平和を守るために憲法を守ろう”というにとどまらず、『不戦・非武装を明記した九条を世界各国に広げよう』という運動です。会員は組織や団体にとらわれず、個人の意志で加入します。


「有事法制に反対する久喜市民の会」から、「九条の会・久喜」へ
 市民の会総会で「解散」を決議

2005/5/31

 5月29日、有事法制に反対する久喜市民の会の第4回総会が、開かれました。
 2002年に発足してから、毎月第2水曜日の夕方に、喜駅西口アピール行動、「STOP! 有事法制」、後には「まもろう! 憲法第9じょう」野チラシ配布、機関紙の発行など、3年間の行動を積み重ね、市民にアピールし続けることによって、私たちの意志を顕在化させてきました。それと同時に、今のマスコミに取り上げられない、少数意見が久喜の地域においても存在しているということを示してきました。
 確かに、政府与党とは違った、平和を求め、憲法9条を守り、生かし、世界に輝かせたい、理想を追求する私たちの存在と、そうした行動を表に表すことこそが、現代世界にとって必要なのだということを、明らかにしてきたと思います。
 今、有事法制に反対する久喜市民の会は、自ら解散し、「九条の会」に向けて、発展的解消をしていくことを決めました。
 そして今こそ、政治的決戦の焦点となっている、「9条」をまもるか否かを課題として、「九条の会・久喜」を作ろう、そのために、市民の会会員は自ら積極的かつ主体的に、九条の会の発足に関わっていくことを確認しました。
 以下に、市民の会3年間の歩みを整理しました。
 こうした活動を踏まえて、私たちは、九条の会・久喜の発足へ向けて、行動します。

 すでに、九条の会・久喜の賛同人に、100名を超える人々が、参加の意思を明らかにしてきています。
 九条の会・久喜は、8月7日(日)午後に、発足集会を開く予定です。

有事法制に反対する久喜市民の会・3年間の行動の記録

(2002,5〜2003,4)
*4月26日  有事3法案が154国会に上程、審議入り
 6月18日 「有事立法に反対する久喜市民の会」設立準備会
 5月24日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 6月26日 「有事立法に反対する久喜市民の会」発足会(中央公民館)
 6月 6日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 6月 8日 「有事立法反対のつどい―音楽&学習会」(久喜総合文化会館展示室)
 6月13日 久喜市長への要請(要望書提出)
 6月16日 「“STOP! 有事法制”6・16全国大集会 」(代々木公園)に参加
 6月22日 事務局会議
 6月25日 ニュース1号発行
 7月16日 公開打ち合わせ会議(文化会館)
 7月19日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜 久喜駅東口
*7月31日 154国会閉会、有事3法案継続審議著なる
 8月 4日 学習会「有事法制ってなあに?」(講師:佐々木新一弁護士)
 8月13日 事務局会議
 8月15日 ニュース2号発行
 9月 8日 靖国見学ツアー
 9月16日 第1回総会「みんなで語ろう!今後に向けて」(ふれあいセンター)
10月 1日 ニュース3号発行
10月 8日 事務局会議
11月 5日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
         事務局会議
11月23日 憲法講演会「有事法制か、不戦非武装の憲法か」(講師:伊藤成彦さん)
12月 1日 「STOP!有事法制12・1大集会」(代々木公園)に参加
12月14日 事務局会議
12月16日 ニュース4号発行
12月22日 学習会「教育基本法『改正』は私たちをどこへ連れて行くか」(講師:津田道夫さん)
 1月11日 事務局会議
 1月12日 平和コンサート「きたがわてつ・憲法を歌う」(文化会館)を実行委員会形式で開催
 1月21日 ニュース5号発行
 2月 8日 事務局会議
*2月15日  世界規模での反戦行動が行われる
 2月16日 「STOP WAR! 有事法制・教育基本法改悪にNO! 2・16埼玉集会」に実行委員として協力
 2月27日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 3月 4日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 3月 8日 「“WORLD PEACE NOW”on 3/8集会」(日比谷公園)に参加
 3月15日 事務局会議
*3月20日 アメリカがイラク攻撃を開始
*3月20日   中教審が「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」を答申
 3月21日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 3月21日 「イラク戦争反対!有事法制反対!集会」(日比谷)に参加
 4月12日 事務局会議
 4月15日 ニュース6号発行
 4月26日 事務局会議
(2003,5〜2004,5)
 5月 6日 国会要請(埼玉県他団体と「有志法制に反対を!」と議員回りを行う)
 5月11日 第2年度総会(太田集会所)
 5月13日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
*5月15日  有事三法案が衆議院を通過
 6月17日 「STOP!有事法制 さいたま緊急集会&デモ」に参加(大宮)
 6月23日 「5・23STOP 有事法制」の全国集会参加(明治公園)
 6月 5日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
*6月 6日  有事三法が参議院で可決成立
 6月10日 「6・10有事法制反対全国集会」参加(日比谷)
 6月22日 事務局会議
 6月27日 市議会傍聴(有志)
 7月 6日 事務局会議
 7月10日 ニュース7号発行
 7月17日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 8月 3日 「広島長崎絵画展」歌と構成劇&映画会(協力・有志)
 8月 5日 事務局会議
 8月17日 「イラク現地報告会・憲法学習会」(講師:相澤恭行さん、久喜中央公民館)
 9月13日 事務局会議
 9月15日 ニュース8号発行
 9月28日 臨時総会(中央公民館)「人類道徳の勝利『敗北』をこえてー有事立法に反対する久喜市民の会のこれから」(津田代表)
10月18日 事務局会議
10月25日 靖国ツアー第2弾
11月15日 事務局会議
11月18日 ニュース9号発行
12月 4日 「イラクへの自衛隊派遣の中止を求める意見書」の久喜市議会での可決(猪股・木村)
         市議会傍聴(代表外4名)
12月 9日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
12月21日 第1回ビデオ上映会 *天皇の名のもとに − 南京大虐殺の真実
              *Wednesday Report(東史郎裁判関係)
12月23日 「子どもはお国のためにあるんじゃない 教育基本法改悪反対12・23全国集会」に参加(日比谷公会堂)
 1月11日 事務局会議
 1月15日 ニュース10号発行
 1月17日 「自衛隊のイラク派遣に反対する埼玉行動」に参加(浦和)
 1月25日 第2回ビデオ上映会 *南京"The Batte of China"
*Directed by Frank Capra
 2月10日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 2月14日 事務局会議
 2月15日 「子どもはお国のためにあるんじゃないー教育基本法改悪反対2・15集会」大内裕和さん講演
(蓮田・久喜・加須地区実行委員会、賛同団体として参加)
 2月29日 第3回ビデオ上映会 
*戯映画 南京1937、製作John Woo
 3月10日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 3月13日 事務局会議
 3月15日 ニュース11号発行
 3月20日 「3・20ワールド・ピース・ナウ、地球一周反戦行動」に参加(日比谷野外音楽堂)
 3月28日 第4回ビデオ上映会 *黒い太陽七三一 − 石井細菌部隊 − 
 4月10日 緊急街頭署名行動、(邦人解放・自衛隊イラク撤退を求める署名171筆,小泉首相に送付)
 4月14日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 4月17日 事務局会議
 4月18日 第5回ビデオ上映会 *フィルムは見ていた −検証・南京大虐殺−
*見殺しにされた米軍兵士 −米国が隠すイラク戦争「死の兵器」
 4月30日 ニュース12号発行
 5月 3日 「憲法集会」(日比谷野外音楽堂)に参加
 5月12日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 6月15日 事務局会議
 6月23日 第3年度総会、記念講演「『非戦の国』か『戦争国家』か」(梅田正己さん)
 6月29日 「子どもはお国のためにあるんじゃないー教育基本法改悪反対5・29加須集会」高橋哲哉さん講演 
(蓮田・久喜・加須地区実行委員会、賛同団体として参加)
(2004,6〜2005,5)
 6月 9日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 6月12日 事務局会議
*6月14日 有事関連7法案と3条約が国会を通過
 6月23日 ニュース13号発行
 7月14日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 7月17日 事務局会議
 8月14日 事務局会議
 8月17日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 8月31日 ニュース14号発行
 9月 8日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
 9月11日 「子どもはお国のためにあるんじゃないー教育基本法改悪反対9・11集会」三宅晶子さん講演 
(蓮田・久喜・加須地区実行委員会、賛同団体として参加)
 9月18日 事務局会議
10月 6日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
10月10日 靖国ツアー第3弾
10月16日 事務局会議
10月25日 「教育基本法の早期改正を求める意見書」(埼玉県議会)に対する抗議文を県議会議長に提出
10月30日 ニュース15号を提出
11月 6日 「教育基本法改悪反対!11・6全国集会」(日比谷公園)に参加
11月10日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
11月13日 事務局会議
11月21日 憲法講演会「憲法、有事法制と地方自治」(講師:白川真澄さん)
*11月21日   サンチャゴで小泉首相、胡主席と会談。「中国側の要求には適切に対処する」と発言。
12月 1日 久喜市議会で「教育基本法見直し問題で慎重な議論を求める意見書」を提出(提出者:猪股議員、賛成者:木村議員)
12月 8日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜
12月11日 事務局会議
「高橋史郎氏を埼玉県教育委員に任命することに反対」の要請書を上田知事に提出
12月12日 「教育基本法改悪をゆるさない12・12埼玉のつどい」(さいたま市民会館うらわ)に賛同団体として参加
12月15日 「高橋史朗教育委員任命反対」の緊急に久喜駅西口広場でアピール行動
12月16日 「高橋史朗教育委員任命反対」の緊急に久喜駅西口広場でアピール行動
12月20日 「高橋史朗教育委員任命阻止!県庁包囲デモ」に参加
 1月 8日 事務局会議
 1月12日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜(ニュース16号配布)
 1月17日 ニュース17号発行(この号より「まもろう!憲法9条」に変更)
 2月 9日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜(ニュース18号配布)
 2月12日 事務局会議
 3月 9日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜(ニュース19号配布)
 3月12日 事務局会議
*3月16日 島根県議会が、「竹島の日」を制定する条例を議決
 3月20日 「いまこそ平和を守るとき国際共同行動3・20集会」(日比谷)参加
*4月5日  教科書検定結果わかる。「つくる会」の教科書が検定通過。中国は抗議。 
 4月10日 事務局会議(「有事法制に反対する久喜市民の会」から「九条の会・久喜」への発展について討議)   
 4月13日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜(ニュース20号配布)
 4月15日 ニュース21号発行
*4月中旬  中国各地で、反日デモ。
 4月17日 「教育基本法改悪をゆるさない4・17埼玉のつどい」(蕨市民会館)に参加
(4月23日  「九条の会・久喜」第1回設立準備会)
*4月29日 町村外相が「台湾は日米安保条約の対象」と明言。
 5月11日 久喜駅西口広場でアピール行動pm6:00〜(ニュース22号配布)
 5月14日 事務局会議
*5月16日 小泉首相、靖国問題で「他国が干渉すべきでない」と発言。
(5月21日  「九条の会・久喜」第2回設立準備会)
*5月23日 中国の呉儀副首相、小泉首相との会議をキャンセルし、帰国。 
5月29日 有事法制に反対する久喜市民の会 第4回総会   解散を決定    

天皇を頂点とした身分制的権威主義
“藍綬褒章”受諾を拒否しました

2005/5/23

【『声と眼』291号の記事に加筆したものです。】
猪股和雄

 3月2日、久喜市から「県市町村課(内閣府賞勲局)から、猪股議員に藍綬褒章の受賞の“内示”があった」と伝えられた。
 勲章・褒章は、天皇の名において“国家に対する功労者”を表彰する、つまり天皇が臣下に対し下し賜るご褒美である。戦前の軍人への金鵄勲章(戦後は廃止)、最高位は菊花賞(中曽根氏の大勲位菊花大綬章が有名)、男性のみを対象とした旭日章、女性だけの宝冠章、瑞宝章(それぞれ勲一等〜八等)などの勲章と、褒章には紅綬褒章(人命救助)、緑綬褒章(社会奉仕活動、黄綬褒章(その道一筋)、紫綬褒章(学術・芸術)、紺綬褒章(公共に高額の寄付者)、藍綬褒章があり、毎年春秋2回(4月29日、11月3日)に授与されている。戦後は、文化勲章を除いて廃止されていたが、1964年に生存者叙勲が復活。これまで勲章は40万人、褒章受章者は?万人…。最上位の叙勲者は天皇が直接に授与、下位になると内閣総理大臣や各大臣が伝達、褒章は都道府県知事から伝達され、その後、日を改めて天皇陛下に配偶者同伴で拝謁を許されることになる。こうした序列にも権威主義と人間を格付けする思想が露わではないか。

“受諾の意志”を事前に確認!?

 今回、久喜市の情報公開・個人情報保護制度を使って調べてみた。
 勲章・褒章受章者の選考は、内閣府賞勲局で、各省庁が推薦した受賞対象者名簿に基づいて、1年前から始まる。……昨年5月に、埼玉県から久喜市に『藍綬褒章潜在候補者に関する調査』の照会文書が来て、“地方自治功労者”として議員在職25年以上の基準に該当する“候補者”の名簿を提出。7月2日、埼玉県市町村課から『平成17年春の褒章候補者猪股和雄氏に係る審査書類の提出について』という書類が久喜市に届いた。この中に“受章の意志”を確認する項目がある。つまり受章が決まった場合に受けることを事前に確認した上で、“ありがたくお受けします”と返事した人=欲しいと言った人だけに授与する仕組みである。これなどは、与えてやるぞと決まった後で、対象者に“いらない”と言われたのでは天皇のメンツを潰すことになって畏れ多い。だから事前に確認して、畏まって受けると返事した人だけに下されるというわけだ。(県からの文書にはご丁寧にも『あくまで潜在候補者調査としての意思の確認であり、受章の期待を持たせないように留意してください』という“注意事項”もあった)。……世間に表彰状は多々あろうが、事前にほしいかどうかを聞いてから授与するものが他にあるのかどうか、私は知らない。
 同日、議会事務局職員から「猪股議員が藍綬褒章の候補者になっている。受章が決まった場合に受けますか?」と問い合わせがあったが、私は「決まりもしない内に、決まったら受けるかどうかを確かめるなんて失礼ではないか。『そんな話には答えない』と埼玉県に返事してください」と返答した。
 私はこの段階ではまだ“候補者”として残ったようで、その後、7月に『褒章候補者猪股和雄に係る審査書類』(経歴、功績、刑罰等調書、戸籍抄本などの個人情報)、9月に『受章候補者に係る内申書類』(功績調書、履歴書等)が、当事者の私にはいっさい知らせずに県に提出されたようである。
 そして3月2日、埼玉県から久喜市に、『平成17年度春の褒章の内示について』というFAXが届き、“受諾の意志”と、5月6日の伝達式、27日の天皇拝謁の出欠を、明日までに回答せよというのである。(ここにも、『今回は内示ですので発令日(4月29日)まで、本人及び栄典担当者以外には内密にしてください』との注意書きがあった)。……こうした手続きや通知が、FAXによってやりとりされているのも驚きである。何でも文書主義のお役所にして、畏れ多い問題だからできるだけ文書を残さないでおくという“配慮”からだろうか。

 私はこの段階で「褒賞は受けません」と返事した。
 なぜって? 私は天皇の臣下ではないので、天皇から褒章をもらういわれはないこと。勲章制度そのものが、君主と臣下という天皇を頂点とした身分制度の現れであり、天皇から勲章を頂くことをありがたく畏れ多いことであるとする思想は、その身分制の残滓に他ならないと思う。したがって私はいっさいの身分制的権威を認めない立場から、勲章・褒章を拒否する。
 人間は、勲章などによって評価されるのでなく、何を為したかが大切なはずではないか。


秩父事件の足跡をたどる旅
2005/4/17

1884年(明治17年)11月1日、秩父困民党3000名が旧吉田町・椋神社に終結、蜂起した。
大宮郷に「革命政府」を名乗り、東京へ進軍しようとして、憲兵隊と軍の攻撃の前に11月4日に敗北、敗走の末、9日に壊滅。


 4月16日、秩父事件フィールドワーク「秩父自由困民党の史跡を訪ねる」旅に行ってきました。
参加したのは、久喜、幸手、宮代、杉戸などから約30名。
 秩父事件120周年記念映画「草の乱」を、久喜で上映しようという取り組みを続けていて、「事件」の舞台をたどり、実際に自分たちの足で歩き、目で見てこようという企画。
 朝8時出発、久喜に帰り着いたのは夜の7時過ぎという厳しい行程でしたが、事件の背景、困民党軍の進軍と敗走の道筋をたどりました。
 そして事件の主舞台となった旧吉田町行政が現代において、歴史を正しく検証し、「事件」をどう扱っているかも見てきました。


蜂起の結集地・椋神社の境内

秩父市街を見下ろす音楽寺。ここから大宮郷に攻め込んだ
秩父困民党無名戦士の墓

われら
秩父困民党
暴徒と呼ばれ
暴動といわれることを
拒否しない


困民党総裁・田代栄助(死刑)の墓

会計長・井上伝蔵の墓
(死刑判決を受けたが逃亡、35年後に北海道で死亡)


「まもろう! 憲法9条」22号に掲載しました
2005/4/13

私たちをどこへ連れていこうというのか
〜自民党新憲法試案の要綱を読む〜

2005/4/13

 今、「憲法改正」はどんなところに来ているか、ご存じでしょうか。
 自民党は、昨年11月に「憲法改正草案大綱(たたき台)」なるものを作成し、今年の4月には、自民党新憲法起草委員会の中に設置された10の小委員会が、「新憲法試案の要綱」をまとめました。4月末には「憲法改正試案」が策定される予定です。
 私たち国民の思い……“なぜ憲法を変えるのか”、“なぜ今、変えなければならないのか”という率直な疑問とは無関係に、憲法改「正」はもはや既定路線として既成事実が積み重ねられ、自民党の憲法改「正」作業は、いよいよ条文作りに入るところまで来ています。そこにあるのは、国民とかけ離れた、『自民党=改憲勢力の論理』だけです。

『自衛軍』、そして『非常事態』

焦点の9条はどうなるでしょう。
 自民党試案の要綱によると、現在の憲法9条に対して、第1項は尊重するといいながら、そこに『積極的に国際社会の平和に向けて努力するという趣旨』を盛り込み、『自衛のために自衛軍を保持する』、さらに『自衛軍は、国際の平和と安定に寄与する』と明記します。つまり、日本が名実ともに『軍』を持ち、『国際の平和のために』海外派兵して、積極的に戦争することを宣言するのです。しかも、軍事裁判所や非常事態を『検討事項』にあげていて、“戦時”には通常の司法とは別の『軍事裁判』で裁くこと、非常事態宣言もありうるという……。まるで日本に、どこかの軍事国家を再現するようではありませんか。

『国防の責務』って?

 憲法起草委員会の国民の権利・義務小委員会は、『国民が国づくりに参加する中で、責任をみずから進んで分担する』という『国民の責務』という規定を作りました。その第1が『国防の責務』です。
 これが何を意味するか。……たとえば、ときの政府権力が外国の戦争に参加し、また戦争を始めようとしたとき、民主主義のもとでは当然、賛否両論が起こります。ところが『国防の責務』の規定は、「政府の戦争政策に反対」の意見や平和運動に立ち上がった人々に対して、『国民の責務を果たさない“非国民”』と非難する根拠とされることになるのは明らかです。私たちは60年前の国家権力が、“国民の意思”を一つの方向へ強制して破滅へ突き進んだ経験を持っています。……“国民の義務ではない、責務だ”というあいまいな概念で国民をしばり、しかもその上に、現行憲法の基本的人権についても、『公益』や『公の秩序』によって制限するとまで打ち出しているのです。
 こうした新たな『国民の責務』だとか、基本的人権を制限する規定を押し出しながら、他方で、『国民の知る権利』『個人情報を守る権利』『環境権』などの新しい権利を規定するといわれてみても、それらが、9条改「正」を通すための付け足しでしかないこと、あまりにもミエミエではないですか。


「まもろう! 憲法9条」21号に掲載しました
2005/4/11

「有事法制に反対する久喜市民の会」から「九条の会・久喜」(仮称・案)へ
2005/4/11

 2002年5月、私たちは「戦争に参加させられる・有事立法に反対する久喜市民の会」を作りました。その年、国会に提出・成立させられた“有事関連三法”、つまり武力攻撃事態法、自衛隊法改正、安全保障会議設置法は、日本を「平和国家」から「戦争国家」へ作り変えるものでした。アメリカが世界各地どこででも戦争を始めた場合、“後方支援”という形で自衛隊が協力し、地方自治体や企業、民間団体、私たち日本国民が戦争への協力を事実上強制させられ、戦争体制に組み込まれることになることは明らかです。
 「有事立法に反対する久喜市民の会」は、久喜における初めての超党派的な市民運動と言えるでしょう。それは、政党・党派を超え、思想信条の違いを超え、組織や団体の枠を超えて、『戦争をする国・日本』に反対し、子どもたちの生命を守り、平和の内に暮らしたいという一点で結びついたのです。地域から、対等の市民1人1人がみずから声をあげ、結びあい、広げていきました。−−私たちは有事立法が成立させられた後も、『有事法制を発動させない』ための運動、アメリカによるイラク侵略戦争と、自衛隊のイラク派兵反対の運動にも取り組んできました。−−話し合い、学び合い、行動することを大切にし、3年間ずっと継続してきた月1回の久喜駅西口での訴えとチラシ配布、憲法を学ぶ会や教育基本法の勉強会・講演会、歴史に学ぶ戦争ビデオを見る会、靖国神社見学ツアー、さいたま市や東京で開かれたたくさんの集会にも、久喜市民の会として参加してきました。
 しかし今、日本の政治は、憲法改「正」を現実の政治日程に載せるまでに、危険な方向に急速に走り始めています。日の丸・君が代の強制、歴史改竄教科書の検定通過、今年か来年には教育基本法の改「正」案が国会に上程されようとしています。そして、国会の憲法調査会の報告書、自民党の憲法改「正」素案の策定−−。
 こうした歴史の転換点にあって、昨年6月、井上ひさし、大江健三郎、小田実、澤地久枝、梅原猛、奥平康弘、加藤周一、鶴見俊輔、三木睦子氏らによって「九条の会」が呼びかけられました。これに呼応する動きは瞬く間に全国に広がり、各地で草の根からの市民の手で「九条の会」が作られています。立場や意見に違いはあっても、『九条はいっしょ』と確認しあい、みんなが『九条を守るという一点だけでつながろう』としているのです。
 私たちも、今、『九条を守る』、この一点で結び合いたいと思います。
 私たちの暮らす久喜市で、私たちの手で「九条の会」を作りましょう。
 私たちがこの3年間、「有事法制に反対する久喜市民の会」で培ってきた、政党・党派や組織・団体を超えた市民運動の広がりとたくさんの行動の経験を活かし、さらにそれを広げながら、「九条の会・久喜」に発展させていこうではありませんか。  (文責・猪股)

【呼びかけ】 「九条の会」をつくりませんか
2005/2/15

 「戦争に参加させられる・有事法制に反対する久喜市民の会」は、3年前の結成からずっと、毎月1回、久喜駅前での宣伝活動を続けてきました。
 2月9日、恒例の水曜日夕方、久喜駅西口アピールで、「守ろう・憲法第9条 19号」を配布。その中で、以下の呼びかけを行いました。
今のところ、5月頃には発足できないだろうか、と議論しています。

久喜で「九条の会」を作りませんか

 平和を求める世界の市民と手をつなぐために、憲法九条を激動する世界に輝かせたい。
 「九条の会」は、2004年6月、作家の井上ひさし、大江健三郎、小田実、澤地久枝、梅原猛(哲学者)、奥平康弘(憲法研究者)、加藤周一(評論家)、鶴見俊輔(哲学者)、三木睦子(三木元首相夫人)ら、日本の良心を代表する9名の方々が呼びかけて発足しました。
 今、憲法が危ない。−−“憲法改正”がおおっぴらに語られています。もう近い内に、国会に“憲法改正案”が提出されて、国民投票で決まってしまいそうな雰囲気さえ感じられます。
 しかし、他のことで意見が違っても、『憲法九条はいっしょだ』という思いは、みんな同じです。私たち一人一人が、『九条』を自分のものとしてとらえ直し、自分や子どもたち、孫たち、日本と世界の宝として守り育て、活かしていきたいと思います。
 そのために、『九条を守るという一点だけでつながろう』−−『九条の会』はそんな目的で呼びかけられました。そして、全国各地に広がっています。
 埼玉でもすでに、「越谷九条の会」、「九条の会・さいたま」が発足しています。
 思想や政党・党派、団体や肩書きにとらわれず、一人一人が個人の立場で参加して対等の関係で結び合う、「九条の会」を久喜で作りませんか。
 憲法第九条を守るために、一人一人が自分の場所で、できることをしていきましょう。

久喜の成人式、意外と静かでした
『声と眼』285号 2005/2/7

 1月10日、久喜総合文化会館で成人式が行われました。今年の新成人は男性458人、女性424人で合計902人。出席者は670人でした。
 会場入口には、酒の会場持ち込み禁止、酔っぱらってる人も入場禁止と書かれていて、会場は意外と静かでしたが、私語やケイタイメールを打ったり、式の最中にも会場内で写真を取り合ったりしていて、市長や来賓の話など、ほとんどだれも聞いていない(?)ように見えました。
 開会前の実行委員の自己紹介で、1人目が「君が代の伴奏をします。皆さん、歌ってください」、2人目が「君が代の指揮をします。ご協力ください」、3人目も「前の2人が伴奏と指揮をするので、皆さんご協力ください」と、しつこいくらいに念を押していたのが印象的でした。−司会者の「国歌斉唱。皆さん、ご起立ください」の声に、ほとんどの人が起立。会場の中にちらほらと数人が座っていました。演壇上では、私と共産党の木村議員の2人が着席のままでした。−歌声はほとんど聞き取れませんでしたが、それにしても皆さん、ずいぶん素直に立つんだなあと感じました。
 それと、演壇上の市長はじめ教育委員会の人たちや来賓が、会場の方(つまり参加者の方)でなくて、正面に掲げられた「日の丸」の方に、わざわざ向き直って歌っています。また、あいさつに立った人たちが、会場の参加者に礼をする前に、いちいち「日の丸」に向かって頭を下げていたのも、“この式典を天皇と国家に捧げる”という意味を持っているということでしょうか。

私は「君が代」を歌いません

 ある政党議員団のホームページで、私への直接の批判が掲載されました。

(参加者の新成人たちが私語がひどくうるさかった)……
もっとひどいのは、式の始めに国歌斉唱を行ったが、壇上の来賓の議員2人、猪股議員と共産党の木村議員が立たなかったことである。
……(略)……議員は法律を決める役割を担っている。その法律を決める役の者が、法律を守らなくて良しとするものなのか。

 論点は2つ。−第1には「君が代」を歌わなかったのはけしからんということであり、第2には、議員は法律を守るべきだということです。

「国旗・国歌法」って知ってますか

 『国旗及び国歌に関する法律』は1999年に制定されました。『第1条 国旗は、日章旗とする』、『第2条 国歌は、君が代とする』と定めた、2条だけからなる法律です。
 この国旗国歌法制定の際に国会でも、法律の条文の中に、国旗・国歌を尊重する規定を盛り込むかどうかの議論がありましたが、結局、思想信条の自由を侵しかねない、“尊重する義務”は規定しない、国民にそのような義務を課さないことになりました。したがって私たち国民は、みずからの信条に基づいて、「日の丸」や「君が代」を尊重しなければならない義務は負わされていません。(たとえば戦前のように、天皇を敬う“義務”や、学校行事などで教育勅語を校長が奉読するときに、頭を垂れて不動の姿勢で聞いていなくてはならない“義務”もないのです)。
 「国旗・国歌法」によって、「君が代」を法律で“義務的に”尊重しなければならないわけではなく、歌うかどうかも、個人の心の中の問題です。このことは、法や条例に携わる議員であればわからぬはずはありません。“君が代を歌わないことが法律を守らないことになる”などというのは、とんでもないカン違いでしょう。
 にもかかわらず、成人式のはじめに、実行委員8人の内の3人までもが、わざわざ、「君が代斉唱に協力してください」と求めたのは、これまでになかったことでした。いよいよ私たち1人1人に、“君が代を歌う”ことを迫り、事実上の強制になりつつあるようです。
 これは人間の“内心の自由”“信条”に関わる問題です。−「君が代」は、『君』、つまり天皇とその治世を讃える歌であるわけですが、ということは、過去から今の日本にまで残存する身分制度の残滓に他なりません。私は天皇の権威をも含めて、いっさいの身分的権威を認めない立場から、君が代を歌いません。ましてや、強制されて歌うなんて、まっぴらごめんと言うしかありません。

★どうしてもわからないのです。政府や一部の政党、久喜市当局と教育委員会、式典主催者たちは、参加者に「君が代」を歌わせることに、なぜ、あんなにこだわるのでしょうか。★


「自衛隊のイラク撤退を求める意見書」は否決
1年前に「自衛隊派遣反対」意見書を全会一致で可決したのに…

2004/12/22

 11月議会の最終日(12月21日)、「イラクに駐留する自衛隊の即時撤退を求める意見書」を共産党が提出しましたが、賛成少数で否決されました。
 賛成は大地(石川・猪股)、共産党、みらいの井上議員の6名。反対は新政議員団、公明党、市政会、みらいの後上、鈴木議員でした。
 昨年12月議会で、「戦闘の続くイラクへの自衛隊派遣の中止と国連中心の平和的な復興支援を求める意見書」を全会一致で可決しているのですが、当時は賛成した議員たちが、今回は反対に回ったのは、“状況の変化”ということでしょうか。あるいは現状追認ということでしょうか。
 なお、この意見書案について、後上議員が質問に立ち、「即時撤退」でなく、「早期」に変更できないか、と質問していました。
 普通は、意見書案の提出前に、各会派で文言の調整をしており、その段階で言うのならわかりますが、正式に提出された後で文章や趣旨を変更することはできません。そんなことは当然わかっているはずなのに、わざわざ質問した意図はいったいどこにあるのでしょうか。『早期撤退を求める意見書』に変更すれば賛成したとでも言い訳するつもりでしょうか。


上田清司・埼玉県知事から返信メールが来ました
重大な論理のすり替えをしている知事の真意を問いたい

2004/12/15

上田埼玉県知事による高橋史朗氏の教育委員任命を阻止するネットワークへのリンク

 12月9日、県教育委員会委員に、高橋史朗・「つくる会」前副会長を任命しようとしていることについて、私は猪股個人として、「任命しないよう求めるメール」(下記)を送りました。
 12月15日、「返信メール」が届きました。その全文を掲載します。
 多くの人々や団体が、知事あてに、同様のメールやFAXを送っていますから、おそらくは、同じ内容の「返事」「回答」を送ってきているものと考えられます。
 私への「回答」を読んでみて、上田知事が、問題の所在について、重大な論理のすり替えを行っていることは明らかです。

 知事の「返事」は、私たちの事実に基づく懸念と危惧に対して、「誤解と偏見に基づくご意見と推察」し、「高橋史朗先生を「新しい歴史教科書をつくる会」の前役員という色メガネだけで、著作物をよく読んでおられずに批判されているのではないでしょうか」と言います。
 私たちが、高橋氏の思想や経歴自体を批判しているかのように、「誤読」して反論しているのは、上田知事の方です。

 私もそうですが、高橋氏を教育委員に任命することに反対している多くの人々が問題にしているのは、高橋氏の思想についてではありません。思想や考え方や行動、経歴等々について、「私たちと意見が違うから、教育委員にするな」と言っているのではないのです。
 私は知事あてのメールに次のように書きました。
「個人の歴史観および扶桑社板教科書の内容やわが国の歴史記述についての評価は、 もちろんさまざまな立場や考え方があって当然といわなければなりません。
 しかし、こうした高橋氏の政治的活動歴、また特定の教科書作成に関わってきたと いう事実は、教育委員としての職責を遂行する上で、その「中立・公正」性につい て、県民の間に大きな疑念をもたらしかねません。ましてや、来年度は中学校教科書 採択が行われる年です。今この時期において高橋氏を県教育委員に任命することが、 県立諸学校、ひいては、県内の中学校における、特定の教科書の採択について政治的 影響を及ぼすことが懸念されます。」
 
高橋氏は、扶桑社発行の「特定の教科書」を作るに際して中心になった人であり、その監修者です。つまり、「特定の教科書」の編集・発行に直接に関わった人物を、県立諸学校の教科書を選択し、採択を行う、そうした立場に据えていいのか、というのが最大の問題なのです。
 その教科書採択が、まさに、来年、実施されます。今、この時期に、そのような立場の人物を教育委員に据えることが、政治的な意味合いを持たないと言えるでしょうか。
 来年度の教科書採択に、何らかの影響を及ぼさないと言えるでしょうか。あるいは、政治的な思惑を完全に否定できるでしょうか。

 知事は、高橋氏の教育委員任命問題を、思想の違い、立場の違い、「誤解と偏見に基づくご意見」として決めつけて片付けようとしているようです。
 もっとわかりやすく言いましょう。「特定の教科書」の作成・編集に携わった人物を、教科書選択の場に加えようという、知事の真意はいったいどこにあるのでしょうか。

 メールを拝見いたしました。
 いただいたメールの内容については、誤解と偏見に基づくご意見と推察され、私としては、極めて残念であります。
 高橋史朗先生を「新しい歴史教科書をつくる会」の前役員という色メガネだけで、著作物をよく読んでおられずに批判されているのではないでしょうか。このことに対し、私は、憤るよりも、むしろ大変悲しく思っています。
 高橋先生は、昭和59年、政府の臨時教育審議会の専門委員を34歳の若さで務められ、その後も当時の文部省の国際学校研究委員会委員、神奈川県の学校不適応(登校拒否)対策研究協議会専門部会長、当時の自治省の青少年健全育成調査研究委員会座長、さらに松下政経塾の入塾審査員や講師など数多くの役職を歴任されています。
 そして、単なる理論だけの研究者としてではなく、実践する研究者として全国の教育現場を歩かれています。
そこで、多くの不登校児に関わったり、全国で学級崩壊に悩む数多くの先生方の相談に応じてきました。
 これまでも各地で講演していますが、「体験学習」や「感性教育」を強調されており、その学識と実践活動は群を抜いております。また、「親が親として成長する」ことの重要性を説き、平成14年日本PTA全国研究大会埼玉大会でも基調講演をされ、多くの参加者に感動を与えるなど大変信頼の厚い方です。
 奥様の実家が秩父市にあり本県とも関係が深く、秩父市の商工会、青年会議所などからも最大に敬愛されている人間性豊かな識者です。
 埼玉県議会への提案はこれからですが、先生の著作をよくお読みになってから、再度ご批判をいただきたいと存じます。             

埼玉県知事 上田清司


埼玉県教育委員に高橋史朗・「つくる会」前副会長を任命しないことを求めます
上田清司・埼玉県知事に「要望書」を送りました。

2004/12/9

 12月7日、埼玉新聞1面トップニュースで、上田清司・埼玉県知事が、埼玉県教育委員会委員に、「新しい歴史教科書をつくる会」前副会長の高橋史朗・明星大学教授に就任要請したことが報道されました。
http://www.saitama-np.co.jp/news12/07/06p.htm

 このような記事が地方紙とはいえ1面トップに載り、また各紙の全国版にも掲載されたということ自体、この問題の異常さが現れています。
 この高橋史朗という人物の経歴については、各新聞記事のリンクをご覧になってほしいのですが、 上田知事が、明らかに政治的狙いをもって、この人事を出してきたことは言うまでもないでしょう。
来年度は、中学校の教科書採択の年です。埼玉では、盲・ろう・養護学校の他、中高一貫校・伊奈学園中学校の教科書採択が、埼玉県教育委員会の「権限」になっています。
 東京都の中高一貫校に続いて、埼玉でも、ということでしょう。
 前に「つくる会」の教科書を評価してみせた、上田知事のもくろみが次第に明らかになりつつあります。
県議会自民党は「大いに評価」し、大賛成の意向だそうです。

朝日新聞 12月7日
http://www.asahi.com/national/update/1206/024.html
埼玉新聞12月8日の続報
http://www.saitama-np.co.jp/news12/08/08p.htm

 私も、個人として、上田知事に対して、下記の「要望書」をメールで送信しました。

埼玉県知事  上田清司様

埼玉県教育委員に高橋史朗・「つくる会」前副会長を任命しないことを求めます

 12月7日の新聞各紙において、知事が県教育委員に「新しい歴史教科書をつくる 会」の前副会長・高橋史朗氏に就任を要請していること、20日の県議会最終日に教 育委員の任命について議会の同意を求める議案を提案することが、いっせいに報道さ れました。
 高橋氏はこれまで「新しい歴史教科書をつくる会」の中心メンバーとして、副会長 まで務められ、特定の出版者の歴史教科書作成に直接に関わってきた人物です。  個人の歴史観および扶桑社板教科書の内容やわが国の歴史記述についての評価は、 もちろんさまざまな立場や考え方があって当然といわなければなりません。
 しかし、こうした高橋氏の政治的活動歴、また特定の教科書作成に関わってきたと いう事実は、教育委員としての職責を遂行する上で、その「中立・公正」性につい て、県民の間に大きな疑念をもたらしかねません。ましてや、来年度は中学校教科書 採択が行われる年です。今この時期において高橋氏を県教育委員に任命することが、 県立諸学校、ひいては、県内の中学校における、特定の教科書の採択について政治的 影響を及ぼすことが懸念されます。
 また、「子どもの権利条約」、「男女共同参画基本法」などに対する同氏の政治的 言動からして、これからの埼玉県の教育にきわめて政治的な影響と混乱を持ち込むこ とになるのではないかと危惧されています。
 「つくる会」の幹部を務めた人物が都道府県教育委員会委員に就任した例はないと されています。また、知事が教育員の就任を要請した後になって、同氏が「つくる 会」副会長を辞任し、さらに「つくる会」を脱会したとのことですが、これまでの政 治的言動を訂正したわけではなく、むしろそうした政治的活動歴が教育委員としての 職責にふさわしくないことをみずから明らかにしたものと言わざるを得ません。
 よって、知事は県議会に、「新しい歴史教科書をつくる会」の前副会長・高橋史朗 氏を埼玉県教育委員会委員に任命することについて議会の同意を求める議案の提出を 中止するよう、強く求めます。

2005年12月9日

久喜市議会議員 猪股和雄


埼玉県議会で、教育基本法改正の意見書を自民党が単独強行可決
『声と眼』279号 2004/10/25

 10月13日、県議会で自民が「教育基本法の早期改正を求める意見書」を単独提案、強行可決しました。最終日に緊急提案というのもルール無視。小泉内閣は、来年の国会で「教育基本法改正=改悪」をする予定で、県議会など各地の地方議会で「意見書」を積み上げ、既成事実化を狙っていることは明らかです。
 自民党はこの意見書の中で、「青少年犯罪、学級崩壊やいじめ、不登校、学力の低下」など、「教育の再建」「青少年の健全育成」「日本国民の在り方はいかにあるべきか」「新たな時代の教育の方向性」を示し、「伝統・文化の尊重と国を愛する心の育成」「道徳・宗教的情操のかん養」を図るために教育基本法の改正を主張しています。しかし自民党のいう「教育の危機的状況」は、金とモノ優先、強い者が勝つ、現代日本の競争社会が作り出した、大人社会の反映に他なりません。「日の丸・君が代」「管理教育」の強化、上には逆らえない教育現場、もの言えぬ先生たち、お仕着せの「愛国心」で、子どもたちの心まで支配しようとする、今の教育のあり方の方が問題です。
 愛国心教育や徳目・宗教的情操(?)を、子どもたちに強制して植え付けることができるでしょうか。子どもたちの心の自由を奪うことが許されるでしょうか。教育の抱える問題を解決していくためにこそ、教育基本法の精神を教育現場に活かしていかなければなりません。
 昭和22年、日本国憲法を教育に活かすために制定された教育基本法。−憲法改正を叫ぶ人々にとって、教育基本法はジャマモノです。教育基本法の改正=改悪をした上で、憲法改正=改悪になだれ込む、というシナリオ−−。

教育基本法」を読んだことがありますか?

★入学式や卒業式、学校行事や行政のあらゆる儀式で「日の丸・君が代」の強制があたりまえのようになっています。「愛国心」は強制できるものですか。★
★教育基本法の全文を見たことがありますか? 一度読んでみてください。まったく古くなってもいません。これのどこを変える必要がありますか。★


イラクで拘束、解放された郡山さん、渡辺さん、安田さんの
5/20帰国報告集会に参加してきました

『声と眼』269号  2004/5/31
 中野ZEROホールで開かれた帰国報告集会は、300人の会場に900人があふれるという予想以上の大きな集会になった。

 午後6時20分頃、中野駅に着くと、、右翼の街宣車が出迎えてくれた。
 「ウオーッ、ウオーッ」とただ大きな声が響いているだけで、何を言っているかはさっぱりわからないのですが、この集会に対する妨害行動であることは確かだ。
機動隊が会場方面への道をふさいで、これを阻止してくれたのは、何とも皮肉。

 6時半に会場に着くと、もうすでに小ホールは満員。
 安田さんのお話が先に終わった段階で、参加者を演壇壇上に上げて、やっと空席を作り、私たちも会場に入れた。
 それでも入りきれずに、ロビーで、ビデオ映像で見ていた人や、それも見られなかった人もいたようだ。
 私は、壇の上に座り込んで、いわば特等席でお話を聞くことができた。

 安田さんが先に報告をし、ピースボートの吉岡さん(事件発生直後、カタールへ飛んでアルジャジーラ・テレビに出て、現地の人々に直接、解放を訴えた人)のお話。
 井上ひさしさんが「自己責任」について、スピーチ。「自己責任」とは本来、「神への責任」「社会への責任」に対していう言葉であり、『自己の立てた志を果たすこと』であると。「その意味で、3人、いや5名の被拘束者たちは、まさに自己責任を果たしたのだ」とも。……納得がいった。

 郡山さん、渡辺さんの報告。コーディネータは広河隆一氏。
 郡山さんがイラクへ行ったのは、「見たい」「知りたい」「伝えなければ」というフォトジャーナリストとしての思いから。
 多くの日本やアメリカなどの大マスコミが、軍隊の武力を背負って、また金を出して警備会社の武装したガードマンを雇って取材活動をしている。日本のマスコミ記者たちも同じで、とうとう「危険だ」ということで、自衛隊の車両で国外に避難してしまった。
 フリーの立場から、事実を見極めることこそが大切。
 武器を持った人道支援なんてあるのか。武器を下げて、「支援しますよ」と言ったって、その武器がいつだれに向けられるのか、わからない、その中で信頼関係ができるのか。武器を持っての信頼関係はできない。

 渡辺さんは言う。
 同じように拘束された人々がたくさんいる。同じ時期に、イタリア人が殺された。彼は武器を隠し持っていた。その武器が何に使われようとしていたのかを、イラクの人は知っている。自分たちは武器を持っていなかった。そして、自分たちの立場を表明することができた。だから殺されなかった。

 郡山さん−−「解放後、日本大使館と日本の警察の事情聴取、実は「取り調べ」がいちばんきつかった。彼らは、自作自演というある結論を持って、同じことを何度も聞いてくる」。「こういう場合の常識である、精神科医などの立ち会いもなかった」。
 高遠さんはいちばん精神的にまいっていたときに、同じことを何度も何度も聞かれ、捕まっているときの状況を何度も言わされて、思い出させられて、フラッシュバックを起こしてしまったと思われる。いまだに、人といっしょの時はまだいいが、ひとりでいると、不安になるのだという。
 郡山さんは、あくまでも日本人の目で、フリーの立場から事実を伝えるために、早くイラクへ行きたいという。
 渡辺さんは、パスポートをレジスタンスに「預けたまま返してもらっていない。今、パスポートの紛失ということで、再発行を外務省に求めているが、なかなか出そうとしないので、困っている」。「さっき、明日には出せると連絡が入ったが…」。−−またイラクへ行くということだろう。

 会場に来ていた、イタリアのジャーナリストから、「日本ではなぜあなた方がバッシングを受けるのか」と質問した。
 郡山さんは、「一つは、自分たちができないことをやろうとした人間に対するねたみでしょう。もう一つは、レジスタンスの自衛隊撤退の要求を家族が言ったことで、政治的発言ととらえられて、それを、バッシングに利用した人たちがいた」。
 −−それはまさに、政府とは異なる立場に立つ人々、違う方法でイラクの民衆への支援をする人々をたたいておこうという、政府や大マスコミの側の政治的行為としてのバッシングに他ならない。

 郡山さんも、渡辺さんも、日本政府やマスコミに対して謝ってはいない、これからも謝るつもりはない、と言いきる。
 会場から、共感の大きな拍手が起きた。

湾岸戦争の時も、イラク戦争の最中も、イラクの人々が、他国の人を誘拐するなどということはしなかった。
それが今、なぜ頻発しているのか。
イラクの人々をレジスタンスに立ち上がらせ、誘拐などという方法までとらせてしまっているのはなぜなのか。
それこそが、私たちが考えなければならないことであり、そこまで追い込んだ原因の一端を、我々の日本政府が担っているのだということを自覚しなければならない。
それが私たちにとっての、「自己責任」のとりかたではないか。


「有事法制に反対する久喜市民の会」の総会
憲法を学ぶ会・講演会「『非戦の国』か、『戦争国家』か」

2004/5/23

 5月23日、「戦争に参加させられる・有事法制に反対する久喜市民の会」の総会が開かれました。
 会員が約20名、市外などからも10名が参加し、活動報告、会計報告については型通りに承認。
会の名称を、これまでの「有事立法に反対する」から「有事法制に反対する」に変更、津田代表、進藤事務局長、事務局次長に渋谷・栗原氏、その他、事務局として、木村、猪股ら、5名を承認しました。

 その後、高文研代表の梅田正己氏から、「『非戦の国』か、『戦争国家』か」と題して、記念講演をしていただきました。
 今や、有事法制では、自衛隊が、陸上自衛隊は都市型戦闘訓練を進め(つまりは北朝鮮? 中国? が攻めてきた場合に備えての市街戦による日本防衛)、日本本土を戦場としての地上戦を前提とした「本土防衛体制」が可能な戦力を確立しています。
 しかし同時に、海上自衛隊や航空自衛隊はもはや、世界中へ部隊展開できるだけの実力を備えていて、アメリカの補助・下請け軍隊として、“活躍”できるだけの軍事力と、米日共同訓練・軍事演習も実施してきているという事実。
 「専守防衛」から、海外でアメリカ軍とともに戦う「海外展開軍」へと、その質を変えてきている事実。
 その意味で、今、課題になっているのは、自衛隊法第3条「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし」の条文の改正であること。
 したがって、憲法改正問題では、
@第9条第2項の削除、さらに、自衛隊を軍隊として保持することを明記し、
Aアメリカ軍と一体の戦争行動を行っていくためには、集団的自衛権の容認
が、狙いであること。
 つまり、日本にとっては唯一の軍事同盟国であるアメリカの戦争に、いつでも参加していける、軍事的、法的条件の確立を、政治的戦略目標としているが目的であることが、明らかにされました。

 それは、日米がいっしょに(アメリカから見れば日本という子分をうまく利用して)世界支配していく体制を確立することであり、日本にとっては、日本が名実ともに軍事国家化・軍事大国化し、そのことによって“政治大国”として世界から認知されていくこと。
 アメリカ企業とともに、日本の企業もグローバル化し、世界中に展開しています。それら企業の権益を守ること。

 そうした世界戦略のもとに、憲法改“正”も位置づけられる、……納得できました。

 しかしそのために、日本の政治は急速に「国家主義的」、「全体主義的」傾向を強めています。今の政府方針に反対する市民を「反日分子」呼ばわりし、「非常時に国家に協力する義務」を憲法に盛り込もうとする、思想・良心の自由を行動に表す自由を否定しようとする政治家・政党……。日本という国は、本当に、個人よりも国家を上に置く、ファシズム国家へと向かっているようです。



イラク戦争の写真を掲載しているホームページへのリンク
2004/5/21
イラクから死体で帰還した米兵たちの写真

…思い出したことがある。
ベトナム戦争の時に、
米兵の死体を日本国内に空輸し、

きれいに洗い、もがれた手足を縫い合わせ、
それからアメリカ本国に「帰還」させていた。
それは、横田基地だったか、
王子の米軍野戦病院だったか。
学生のバイトとしては最高の金額をもらえたと、
友人が言っていた。

米占領軍によるイラク人虐待・拷問の写真
笑顔で虐待する兵士たちのおぞましい顔、姿
その1

「おぞましい」のは、その虐待映像が、ではない。
虐待している相手の「人間」を目の前に置いて、
にこにこと笑いながら記念写真(?)におさまっている、
兵士たちの卑しい表情が、「おぞましい」のだ。
人間はここまで卑しい笑顔を、人前に晒せるものなのか。

その2



イラクの武装抵抗勢力による
日本人3人+2人の拘束、人質事件、そして解放

あらためて、自衛隊はイラク撤退を
日本人の“人質”解放−−市民の力とイラク民衆の冷静な判断

『声と眼』267号  2004/4/16

@4月8日、イラク・ファルージャ近郊で、3人の日本人が拘束されました。武装グループは当初『自衛隊の撤退』を要求、その後、『3人がイラクの人々を助ける活動をしてきたことを理解し、解放する』との声明。−−ようやく15日になって3人の元気な姿を見ることができました。彼らを救ったのは、日本の市民レベルの「イラク戦争反対」「自衛隊撤退」を求める声の広がりと、武装抵抗勢力も含め、イラクの人々の冷静な判断でした。
 14日に拘束されたフリージャーナリストとNGO活動家も17日に解放されました。
A3人の家族らの必死の救出の訴えに対し、一部の政治家とマスコミは「危険を承知で行った。自業自得だ」などと決めつけました。家族に対しても「自作自演だ」「死んで当然」などの心ない言葉までが投げつけられました。−−自分は安全な場所にいて何もせず、他人に対して口汚い悪罵を浴びせるなどは人間として本当に恥ずかしい行為です。
B高遠さんは、イラクのストリートチルドレンを救う活動を続けてきました。今井さんは、米軍がばらまいた《劣化ウラン弾》の被曝で、小児白血病が発症している実態を日本に知らせようとし、元自衛官のフリージャーナリスト・郡山さんは、民衆と同じ目線でイラクの様子を知らせようとしました。3人は、“イラクの民衆とともにあって、同じ苦難を分かち合おう”として、確かに、危険を覚悟して、イラクに入りました。
、安田さんは、国家(軍)に守られた“従軍取材”ではなく、ジャーナリストとして戦争の実態をレポートする活動を続けてきましたし、渡辺さんはNGOの一員として、自衛隊“監視”活動をしてきました。
 そうした彼らを生命の危険に追い込んだのが、自衛隊派遣であったことは確かです。高遠さんは日本で、『自衛隊派遣の前からイラクで活動してきたが、派遣以後はイラクの人たちの視線が厳しくなった』と語っていました。−−自衛隊派遣以降、家族や家を失った子どもたち、女性たち、傷ついた人々のために、病院や学校や地域で行動してきた、多くの日本のNGOの人々が活動を中断して、イラクから避難せざるをえない状況に追い込まれています。
C“人道復興支援”で派遣された自衛隊はこれまで、サマワで数百人に水を供給し、病院に医療器具を寄贈して、数人の医務官が“医療指導”したりしているそうですが、その実状はたとえば、ある試算によると、

◆自衛隊は数百億円の費用で、給水能力1日80トン。派遣隊員の1割が給水事業にあたっている。
◆民間NGOが行ってきた給水活動の実績は、1日1000〜2000トン(費用は年間1億円のカンパ)、この場合、給水事業の従事者は雇用対策も兼ねて現地で採用しています。
 “人道復興支援”を言うなら、民間NGOが活動しやすい環境を作ることこそ急務のはずです。

イラク全土が戦闘地域−−あらためて、自衛隊はイラク撤退を訴える

D侵略・占領軍はイラクの人々への攻撃をますます激化させ、ファルージャでは1週間で800人もを殺しました(ほとんどが非戦闘員。200人は女性、100人が子供たちと…)。当然、反米・反占領・武装抵抗勢力の反撃も燃え広がっていきます。−−それでも小泉首相は『米軍の自制を求める』ことすらしません。
E3人の拘束事件発生直後、小泉首相はまったく躊躇せず即座に「自衛隊は撤退しない」と断言してみせた冷淡さ(“冷静”とは違う)、川口外相らの「テロの脅しに屈しない」などの言動で武装抵抗勢力を挑発もしました。−−アメリカへのメンツ、ブッシュへの忠誠を優先する…、《人の生命よりも国家の論理》 《有事に、国家=軍隊は国民の生命を守らない》です。
Fイラクの人々が見る眼は、自衛隊は占領軍指揮下の“日本軍”です。−−イラク全土は戦争状態に陥っていて、この間、自衛隊は外での活動ができずに宿営地にこもっていました。「非戦闘地域での人道復興支援」という前提と大義名分が崩れた以上、自衛隊は直ちに撤退すべきです。
 武装勢力の攻撃で自衛隊員が傷つき殺されるか、自衛隊がイラクの人々に銃を向け、イラク民衆を殺す前に!!

浅井久仁臣 「私の視点」…讀賣新聞さん、自己責任ですと?
http://www.asaikuniomi.com/
江川昭子 いわゆる「自己責任論」について
http://www.egawashoko.com/
「自作自演説」を検証するページ
http://www.geocities.jp/iraq_peace_maker/index.htm
l

【この機に日本政府は、『邦人保護』という名目で、日本人の退避勧告を強め、渡航禁止の法制化まで言い出しました。イラクから日本の市民やジャーナリストを追い出すことの狙いは何か。−−政府は、情報を、外務省や自衛隊などの政府機関だけからの“官製発表”だけに制限したいようです。しかし市民レベルでの監視や権力から離れたジャーナリストたちによる報道・レポートがなくなって、権力の側が情報を独占したとき、いかに容易に国民世論を誘導できるようになるか、私たちは60年前に経験しています。】


3・20ワールド・ピース・ナウ
地球一周反戦行動

日比谷野外音楽堂に3万

2004/3/22

 全国で数10万、ニュージーランド、オーストラリア、東京から、地球一周、全世界で1000万人がイラク戦争反対を訴えた。
 久喜市民の会も、朝10時半、久喜駅に集合して、雪が降り始めた中を日比谷へ。「障害者の教育権を実現する会」の仲間たち(市民の会の津田代表や私もその一員です)と合流しました。
 冷たい雨が降り続く中、会場は座ることもできず、コンディションは最悪でしたが、会場では、喜納昌吉さんが力いっぱいのライブ。会場に入りきれない人たちが、野外音楽堂の周りで小集会やパフォーマンスを繰り広げ、銀座通りを東京駅近くまで、ピースパレードしました。 
 

自衛隊はイラクの人々に銃を向けるな
『声と眼』263号 2004/2/9

 とうとう…………。
 自衛隊が、戦場・イラクへ派兵されました。
 空・陸の“先遣隊”に続いて、“陸海空本隊”派遣も、政府の説明責任も果たされぬまま。国会では自民党と公明党の与党単独、強行採決。
◆「国際貢献」の実態は、米英占領軍への協力・後方支援活動で、
◆先遣隊の「調査報告書」のメモが、実は事前に作られていた(らしい)、
◆自衛隊独自の活動ではなく、CPA=米英占領軍統治組織の指揮下に入る、
◆現地の人々は『占領軍の一員としての日本軍』という認識、
◆“日本軍への攻撃”があった場合、“テロ”と占領軍への抗議・抵抗運動の区別が付くのか、
◆自衛隊はイラクの人に銃を向けるのか、“反撃”で、イラクの人々を殺すのか、殺せるのですか?……。

★これまで民間NGOが、衛生医療や教育などの活動を続けてきたのに、なぜ今、自衛隊という軍隊なのか。
★自衛隊員に犠牲者が出たら、小泉首相は、“新たな英霊”として祀りあげ、さらに本格的な戦争参加へと突き進んでいくのか。“戦争への道”はこうして作られていく?
 すでに昨年、2人の外交官の死を、政府や一部マスコミは『犠牲をムダにするな』『これで引いたら無駄死にだ』と自衛隊派遣への世論誘導・扇動に利用したではありませんか。−2人の外交官が、外務省からCPA=米英占領軍当局に派遣され、占領軍の一員として行動していた事実を、日本国民はほとんど知らされず、あの時点でもう、情報操作が行われていたのでした。
 最近、マスコミではサマワの人々の“自衛隊歓迎・期待”の記事が急に増えています。お仕着せの迷彩服と鉄条網に守られて、お膳立てされた従軍取材の結果は、まるで戦前の“大本営発表”です。政府の一方的な説明、小泉首相は論理なき独断・断定だけ。この上、マスコミが政府に都合のよい情報しか流さないとしたら、……。

草の根反戦行動が続いてます
自衛隊派兵反対・イラクへ行くな

 1月17日には、浦和駅前で『イラクへ自衛隊を送るな!』反戦リレートークとデモ行進が行われました。県内の数10の市民団体や個人が呼びかけ合った、この日の行動には200〜300人が集まりました。「有事立法反対・久喜市民の会」からも5名が参加。私もリレートークで、『自衛隊のイラク派遣中止を求める意見書』が久喜市議会で全会一致で採択されたことを報告してきました。
 18日には朝霞基地前と渋谷。25日、日比谷野外音楽堂「ワールド・ピース・ナウ」には6000人。
 ……2月5日・防衛庁前、6日・中野、武蔵境、横浜、7日・国立、池袋、8日・北浦和、多摩、大阪、国分寺、10日・池袋、久喜でも………。

 そして、3月20日、世界同時行動へ−。


★「憲法を学ぶ会」主催・戦争と侵略を心に刻む・反戦ビデオを見る会『南京1937』、2月29日(日)14時〜、中央公民館視聴覚室。★


「自衛隊をイラクへ出すな」反戦デモ
2004/1/18

1月17日(土)、午後2時から浦和駅西口で、「自衛隊のイラク派兵反対集会」が開かれた。
 集会ではまずリレートーク。10数人が、イラク戦争反対、自衛隊はイラクへ行くな、という、それぞれの思いを語った。
 下の写真…私(猪股)は久喜市議会での「イラク派兵反対の意見書」の可決を報告。
 「有事立法に反対する久喜市民の会」の手作りの青いのぼり旗がひときわ、目立つ。久喜からは、6名が参加した。
 4時頃から、デモ行進。「自衛隊はイラクへ行くな」「イラクの人を殺すな」「米英はイラク空手を引け」「侵略戦争に手を貸すな」「戦争反対」「NO WAR」「STOP THE WAR」「自衛隊はイラクへ行くな」「イラクの人に銃を向けるな」「イラクの人を殺すな」…と、私たちは声を出し続けた。
 この日、埼玉県内から、約250〜300人の人々が、集まり、浦和の町を歩いた。

 全国各地で、17日、18日、来週も、「イラク戦争やめろ」「自衛隊はイラクへ行くな」の集会とデモ、人間の鎖、声が響き続けている。

自衛官の恋人からのメール
2004/1/11

●「自衛官の恋人から」
土曜日にイラク派兵反対のデモに参加してきました。
結婚を決め、一緒に暮らしている彼は、海上自衛官です。 同じ港からイラクに継続して船を送っていますので、いつ順番が回ってくるか不安です。
彼の「大規模なデモが起こって派兵が取りやめになってほしい」と言う願いに、私ができることはなんでもやろうと思い、デモに参加しました。
戦争に行きたいと思っている自衛官はいません。
彼は二度と戦争を起こさないために、約15年間自衛官としてがんばってきたのであって、人を殺すため、殺されるためではありません。
無駄な殺戮を起こさないため、抑止の仕事を続けてきたのです。それを誇りに思っています。
けれど、今、明らかに信念と反する任務を、命懸けでしてこいと、 圧力をかけられています。
もともと、憲法9条のもとで、戦争に行く可能性を考えた上で自衛官になった人などほとんどいないはずと思います。
戦地とは関係のない民間企業に就職したのに、会社の方針が勝手に替わり、それに従わざるを得ない状況に縛られている、そう考えてみて下さい。
心から派兵反対を願っているのは自衛官とその家族だということを忘れないでください。
みなさんの反戦・派兵反対の運動が、自衛官の苦悩の解決となることを願います。

戦闘の続くイラクへの自衛隊派遣の中止と国連中心の平和的な復興支援を求める意見書を可決
『声と眼』260号 2003/12/4

 12月4日、久喜市議会本会議で、「イラクへの自衛隊派遣の中止と国連中心の平和的な復興支援を求める意見書」を全会一致で可決しました。
 提出は、猪股(大地)、賛成議員は、後上(みらい)、岸(市政会)、木村(共産党)、角田(公明党)、鈴木(新政)で、全会派が名を連ねました。
 最初は意見書の可決が危ぶまれていましたが、新政議員団も『アメリカの言うなりの派遣は賛成できない』という主張で一致。原案に対して、「現時点では」「性急な」を挿入することで、全会派の合意が成立。また、年内にも自衛隊派兵が強行されるかもしれないという状況の中で、1日も早く久喜市議会の意志を政府に送ろうという点でも、各会派が一致。最終日を待たず、議案質疑が行われた4日に、予定を早めて上程、審議、採決することができました。
 政府は9日、自衛隊派兵の「基本計画」を閣議決定、発表しました。全国の自治体が一刻も早く、少しでも多く、「自衛隊の派遣反対」の意見書を政府に送って、国民の声で派遣中止に追い込むことができれば、と思います。
 全国各地で、市町村議会が開会中。−これまでに意見書が可決されたのは、北海道で赤平市など5市町、岩手県議会、福島・郡山市、茨城・藤代町、埼玉・熊谷市、東京・北区議会、京都・宇治市、園部町、兵庫・緑町、愛媛・菊間町、美荘町、新潟・新潟市、中条町、福岡・筑紫野市、佐賀・巌木町、沖縄・南風原町などで、さらに増加中です。

久喜市議会の意見書採択に関する「埼玉新聞」記事
http://www.saitama-np.co.jp/news12/06/05p.htm
http://www.saitama-np.co.jp/news12/06/20p.htm

戦闘の続くイラクへの自衛隊派遣の中止と
国連中心の平和的な復興支援を求める意見書

 政府は「イラク復興支援特別措置法」に基づき、年内にも自衛隊をイラクに派遣しようとしています。
米軍などによる占領状態が続くイラクは、今なお全土が戦争状態におかれています。ブッシュ大統領による5月の「戦闘終結宣言」以降も、イラク国内の武装勢力と米軍などとの間の戦闘行為が続いており、5月以降の武力攻撃は約1200件、開戦後の米軍などの死者は200人を超え、一方、イラク人の犠牲は、罪のない民間人を含めて1万数千人にのぼると言われています。
 このように事態のいっそうの混迷が深まる中で、日本政府は“イラクへの人道復興支援”として自衛隊を派遣しようとしていますが、現時点でのアメリカと米軍の要請による自衛隊派遣は、事実上の米軍への後方支援・兵站活動に他なりません。
今や、「イラクを戦闘地域と非戦闘地域に分ける」ことは不可能であり、自衛隊による米軍への後方支援活動自体が、イラクの武装勢力による攻撃対象となりかねません。自衛隊への襲撃で自衛隊員が殺されることも、またそれへの反撃・戦闘行為により、自衛隊がイラク人を殺すこともあってはなりません。
 よって政府は、イラク派遣基本計画を国会において慎重に審議し、性急な自衛隊のイラク派遣を中止し、国連を中心とした平和的なイラク復興支援体制を1日も早く確立するために努力するよう求めるものです。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

平成15年12月4日

内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
防衛庁長官あて

“STOP THE WAR ON IRAQ”
『声と眼』246号 2003/3/24

アメリカ・ブッシュ大統領はついに、イラクへの一方的な攻撃を開始してしまいました。戦争の20世紀から平和の21世紀への希望は、アフガン侵攻に続いてもろくも打ち砕かれました。
 しかし、1月18日、そして2月15日に世界中60か国、1200万人もの人々が“NO! WAR”と声をあげ、平和を求めた力。3月21日にも東京など全国各地、また世界各国で反戦集会やパレードが繰り広げられました。私たちはこうした民衆の力によってこそ、平和を取り戻すことができることを信じます。

市長が『戦争反対』を首相に要望。市議会は…

20日までに、県内で久喜、岩槻、川口市長ら10市長が首相に『戦争反対』の要望書を提出、26市町議会で平和決議や意見書が採択されています。
 久喜市議会でも20日、『アメリカのイラク攻撃は許さず、国連の枠組みの中での平和的解決を求める意見書』を出しましたが、反対多数で否決という驚くべき結論ー。意見書採決にあたって、猪股、渋谷、木下、石川の4人が賛成討論をし、“反対”の意見や討論はいっさいなかったにもかかわらず、否決!! 多くの市民が“戦争反対”の声をあげているのに、自分の意見をいっさい語らずに、戦争反対の意見書に“反対”するとは、あまりに無責任で、政治に関わる資格なしと言わざるをえません。

イラク攻撃反対の意見書に賛成した議員は9人 大地=猪股・石川、共産党=砂川・木村・木下、市政会=渋谷・岸・須藤、無会派=後上
イラク攻撃反対の意見書に反対した議員はこの人たち 公明党=角田・戸ヶ崎・岡崎・柿沼、新政議員団=町田・金沢・木村・川瀬・鈴木・小河原・新井・福垣・内田、新政会=原・岡崎



イラク現地報告会&憲法講演会を開きました
2003年8月17日

 8月17日、久喜市中央公民館で、「イラク現地報告会・憲法後援会」を開きました。
 イラク現地報告をしてくれたのは、相沢恭行さん。
 彼は、アメリカのイラク侵略戦争のまっただ中、3月22日、アメリカの攻撃開始直後に、「人間の盾」としてイラクに入国、バグダッドに入り、4月12日までイラクにとどまった。
 この間に、戦争の中の人々の生活、爆撃され、傷つけられる人々の側から見た戦争、傷つき死んでいく人々の姿、クラスター爆弾で傷ついた子どもたち、病院、子どものための墓場、殺された民衆の遺体回収を手伝ったこと、などなど。
 私たちが“報道”だけを通じて知りえた戦争の実態。しかも今回のイラク侵略戦争の報道は、圧倒的にアメリカ側からの報道で覆いつくされていたのだが、それを爆撃される下から見ていた人の話は、衝撃的だった。
 今の日本で、太平洋戦争を実際に体験し、その実状を覚えている人々はもう70歳前後、それ以上になっているわけで、私たちはもう、写真と文章でそれを知るしかない。
 ベトナム戦争は、それでもまだ、侵略される側、爆撃される側からの報道や写真もかなり豊富にあったような気がする。(岩波新書の「南ヴェトナム戦争従軍記」「続・南ヴェトナム戦争従軍記」、写真では石川文洋氏の写真集、沢田教一(1970年にプノンぺン郊外で銃弾に倒れた)のベトナムとカンボジア戦争の写真報道の数々、さらにはクメールルージュ支配下のカンボジアで1973年に消息を絶った一ノ瀬泰造氏の写真、多くの、“傷つけられ、殺される側”からの報道があって、私たちはそれなりに戦争の実相を知ることができた。しかし、今回のイラク侵略戦争では、民衆の側からの報道が圧倒的に少ないのだ。

 ここで、相沢さんの話を書くのはやめよう。ぜひ、以下のホームページを見ていただきたい。
 相沢さんや、他の、“人間の盾”として空爆下のイラクにいた人々の報告を実際に読んでいただきたい。

 

市民の会で、イラク攻撃反対の訴えを行いました
2003年2月27日

 2月27日、午後6時から、有事法制に反対する久喜市民の会の会員20名が、久喜駅西口で『イラク攻撃反対』のチラシ配布とマイクでの訴えを行いました。
アメリカによるイラクへの一方的な戦争、小泉首相の二枚舌外交、アメリカのイラク攻撃への支持など、危機感が強まる中で、寒風の中をいっしょうけんめいビラ配布。
高校生がよく受け取ってくれました。

― 石油のために、イラクの人を殺さないで! ―
STOP イラク攻撃
私たちはアメリカのイラク攻撃に強く反対します

皆さん、こんにちは!私たちは「有事立法に反対する久喜市民の会」です。
ブッシュ政権は、テロを支援したり、テロリストをかくまう国をも敵としてたたかうと宣言、その結果アフガン戦争が始まったのですが、成果がえられぬままに、今度はイラクに鉾先を向けてきています。昨秋あたりは、いまにもイラク攻撃が始まるかの気配もありましたが、フセインは、国連安保理決議1441を受け入れ(02・11月)、国連による査察を無条件に容認する姿勢を打ち出しました。この1月と2月、安保理は、国連監視検証委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)の報告を受けましたが、その報告では、イラクが大量破壊兵器を保有しているという疑いはあるものの、決定的証拠は見つかっておらず、査察を継続することで問題の平和的解決は可能だとしました。これに対してブッシュは、フセインが完全に武装解除しないなら、アメリカについてくる「連合」を率いて、彼を武装解除するという先制攻撃論の立場を崩していません。これは安保理の多数が査察継続と、問題の平和的解決を主張しているのと、際だった対照をなしています。
アメリカの武力行使戦略を、かく孤立に追い込んだ要因には、1月18日と2月15日、オーストラリア、ニュージーランド、日本(アジア大洋州)―中東、アフリカ―欧州―アメリカと、地球を一巡した全世界的な集会・デモの力があずかっていたといっていいでしょう。ブッシュといっしょに、対イラク攻撃を主張しているイギリスでは、ロンドンに200万が結集したといいますし、この人類史的大キャンペーンの終点であるサンフランシスコでは市民の三人に一人が反戦行動に参加したといいます。アメリカの進めようとするイラク攻撃が、本来の目的を離れた石油のための戦争に他ならぬことに、人びとはようやく気づきはじめたようです。
しかし、ブッシュ政権は、依然、空陸からする軍事攻撃の構えを崩すことなく、二月中には空母5隻をふくむ25万の兵力をイラク周辺に展開しようとしております。このアメリカのかたくなな構えを突き崩すために、私たち日本の民衆も、全世界の民衆といっしょに、反戦・平和のロンドを組む必要がありましょう。それこそが不戦=非武装の憲法を、今におき生かしていくゆえんともなるからです。
戦争や、それに伴う環境破壊や経済・社会の崩壊でもっとも苦しむのは、いつも罪のない普通の人々、特に子どもや女性、お年寄り、障がい者、マイノリティ、失業者などです。
 わたしたちはすべての命が等しく大切にされる平和な共生社会を求めるため、米国のイラク攻撃はもちろん、それに対する日本の加担にも反対します。
みなさん、この戦争を止められるかどうかは、今後の世界の民主主義のあり方に関わる重大な分岐点にもなります。一人ひとりが声をあげていきましょう!
No War、No War、No War・・・!
2003,2,27

戦争に参加させられる有事立法に反対する久喜市民の会



学習会
教育基本法「改正」は私たちをどこへつれて行くか
ーー教育勅語か教育基本法かーー
2002/12/22

12月21日、総合文化会館で、教育基本法と教育勅語の学習外が開かれました。

 文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会は、11月14日、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について」の「中間報告」を発表しました。
 「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」を目指し、公共心や道徳心、郷土や国を愛する心を基本理念に盛り込むことや、教員の使命感や費務、家庭の役割や責任を規定することを提言しています。
 そして、「見直し」の理由に、いじめ、不登校、学級崩壊など教育の「深刻な危機」「教育荒廃」や「時代・社会の変化」をあげています。
 子どもたちをめぐる状況、問題は、教育基本法にあるのでしょうか?
 なぜ今、「国を愛する心」「伝統の専重」「公共の精神、道徳心、規範意識」が、ことさら強調されるのでしょうか?
 また、教育基本法「改正」の動きは、有事法制関連3法案、個人情報保護法案、ひいては憲法「改正」の動きとどう結びつき、私たちをどこに連れて行こうとしているのでしょうか?

 当会代表の津田道夫さんが、戦前の天皇国家のための教育を規定していた教育勅語と、日本国憲法のもとでの教育基本法、「教育の憲法としての教育基本法」の意義、教育基本法の「改正」が何をねらっているのかを語ってくれました。
 約30名の参加者が、質問、感想、意見表明など、熱いやりとりも。
 これが「御真影」です。
 敗戦まで、全国どこの学校にも「奉安殿」なるものがあって、天皇夫婦の写真(左側がヒロヒトですね)と「教育勅語」が入っていて、子どもたちはその前で必ず最敬礼しなければならなかったんです。
みなさんは「最敬礼」ってわかりますか…。

伊藤成彦さんを講師に、憲法講演会を開きました
「有事法制か、不戦非武装の憲法か!」

2002/11/25

 11月23日(土)午後1時半から、久喜中央公民館視聴覚室で、憲法講演会を開催。約40名が参加し、日本国憲法の成り立ちと背景、その意味するところから、その現代的意義まで、内容の濃〜いお話を聞くことができました。
 特に、憲法は有事法制そのものを許していないこと、日朝国交正常化交渉との関連まで、お話は広がりました。

戦争協力強制法である有事立法
6月定例市議会 猪股和雄の一般質問  『声と眼』232号 2002/7/15

 自民、公明など与党3党は、有事法制3法案の今国会強行は断念したようですが、法案そのものは撤回せず、次期国会での可決をめざす構えです。
 市議会では私と共産党の木村議員が、有事法制に対する市長の見解をただしました。

 今回の有事法制法案=特に「武力攻撃事態法」で、@自衛隊がアメリカの戦争に協力していって攻撃を受けた場合に自衛隊が武力行使することになるが、憲法の禁じる集団的自衛権の行使にあたるのでないか、A武力攻撃事態の認定、対処基本方針を、国会の事後承認でよいとしているのは国会の権能とシビリアンコントロールの軽視でないか、B「武力攻撃事態」において、報道、通信、運輸等々の企業や公共的機関に戦争遂行への協力義務。さらに地方自治体に対しても戦争協力の「必要な措置」をとり、従わない場合には政府が「総合調整」や「指示」を行い、自治体の長や職員に罰則を課されることになるが、これらは憲法の「地方自治の本旨」に反するのではないか−。
 市長は、集団的自衛権やシビリアンコントロールの問題については「憲法に従い、国会の権能を果たせるよう十分審議してほしい」「政府による措置とか総合調整の中身についてはいまだ明らかにされていない」「内閣総理大臣から戦争遂行協力についての自治体への指示に対しては、市長としては住民の生命、財産、安全を第一義的に考えて判断する」「内閣総理大臣が直接に自治体に対して対処措置を実施させるというが、これは地方自治の本旨に反しないようにすべきである」などと、地方自治体の長として、市民の身体、生命、財産、安全を最優先に判断し、基本的に“地方自治の本旨”に基づいて行動すると答弁しました。
 また、この有事法制で、特に地方自治体に対する戦争協力の事実上の強制について、当事者である自治体に対して政府からは何の説明もないことも明らかにされました。政府は法が決まれば一方的に自治体に従わせると考えているようです。
 なお市長は答弁の最後に、「自然災害と異なって、人間が原因で“有事”となるとすれば、そうした事態を発生させないようにするべきである」という基本的認識とともに、「今回の法案では実際に自治体に関わってくる細かい点がいっさい明らかにされていない。基本的人権や地方自治の本旨、市長や知事の役割等、きちんと出してもらいたい」という見解も明らかにしました。


★有事法制3法案は、どうしても国内地上戦を想定して、国民を動員するための法律と読める。小泉首相と自衛隊は本気で「国内戦に備えよう」というのか。


有事立法に反対、市民の会が行動
『声と眼』231号 2002/6/24

 戦争準備法=自治体・国民・民間企業を戦争協力体制に動員する戦時立法=“アメリカの戦争”協力法。全国の反対運動の高まりで、ついに政府も今国会での強行採決を断念したとの報道…!?
 久喜市でも−《戦争に参加させられる・有事立法に反対する久喜市民の会》が発足。5月24日と6月6日に久喜駅前でのチラシ配布、22日に文化会館で『有事立法反対のつどい』を開きました。

田中市長に「要望書」を手渡して話し合い

 14日には、市民の会のメンバー8名が田中久喜市長に「要望書」を提出【写真】。市長は1つ1つの項目に対して「地方自治の本旨を最大限尊重し、市民の身体、生命、財産、安全を第一義的に優先して判断するのは当然だ」「(自治体が従わなかった場合、職員への)罰則がどうなるのか、危惧がある」「今後細かい法整備をしていって、私権も国家に包含されるとなると、ちょっと恐い気もする」「国会で慎重審議を求める立場だ」などの見解を表明。また「私としてはいかなる戦争に対しても協力するわけにはいかない」と、地方自治体の長としての基本姿勢を明言しました。

★市民の会には数名が参加。市民運動や、市議会議員も木村(共産)・渋谷(新社会)・猪股(無党派)など、党派を超えて結集しています。★


戦争に参加させられる・有事立法に反対する久喜市民の会で、田中久喜市長に「要望書」を提出
2002/6/14

 久喜市民の会のメンバー、津田代表、進藤事務局長、市議(猪股、木村ら共産党3名、渋谷)ら8名が、田中市長に「要望書」を提出。有事法制について、市長の見解を聞きました。

久 喜 市 長  田 中 暄 二 様

2002年6月13日
戦争に参加させられる・有事立法に反対する久喜市民の会
             代 表  津 田 道 夫

要 望 書

 貴職が日ごろ、市民生活の安定と向上に向け心を砕いておられることに、敬意を表します。
 私たちは、いま国会で審議されている武力攻撃事態法案、自衛隊法改正案、安全保障会議設置法改正案のいわゆる「有事法制3法案」に反対し、法案の撤回を求める草の根市民の声を結集して、「戦争に参加させられる・有事立法に反対する久喜市民の会」を結成しました。
 ご承知のように、政府のいう「武力攻撃事態」は、日本の国土への「武力攻撃」にとどまらず、アメリカが世界中で起こす戦争の「後方支援」と称して日本国軍隊=自衛隊を派遣し、これに「武力攻撃のおそれのある場合」また「予測される場合」には、内閣の決定によって「対処基本方針」を決定、発動するものであり、憲法の禁じる集団的自衛権、シビリアンコントロールに抵触する憲法違反の疑いのきわめて強い法案といわざるをえません。
 しかも、「武力攻撃事態」においては、「指定公共機関」、「地方公共団体」、さらには運輸、医療、建設などのあらゆる民間企業、国民に対しても戦争体制への協力が要請されることになります。
 とくに地方公共団体に対しては、「地方公共団体の責務」を定めて戦争協力を事実上強制し、政府が「必要な措置」を講じ、「指示」、「総合調整」を行うとされています。これは住民の生命、財産に対して第一義的に責任を有するのは地方自治体であることを定めた「地方自治の本旨」にも反します。
 つきましては有事法制法案に対し、久喜市長として、市民の生活と安全を守ることを最優先にした政治姿勢を堅持していただきたく、下記について要望いたします。

1.久喜市長としては、国権の発動としてのいかなる戦争に対しても協力しないことを表明して ください。
2.住民の生命、財産、福祉に対して責任を持つのは地方自治体であり、いかなる事態において も「地方自治の本旨」を尊重するべきであるとの立場を堅持してください。
3.「武力攻撃事態」に至った場合においても、政府からの「指示」、「総合調整」に対して、久 喜市長としては久喜市民の生命と財産、福祉を優先し、それを守ることを最大限の行動規範と してください。
4.いわゆる「有事法制3法案」については、政府から自治体への説明もほとんどなく、国会審 議を通じてもその内容はあいまいなままです。とくに「地方公共団体の責務」、政府による「必 要な措置」、「総合調整」、「指示」の内容と手続き等について、政府が地方自治体に対して早 急に説明すべきであるとの政治姿勢を表明してください。
5.多くの疑問点を持ち、なおかつ憲法違反の疑いの強い「有事法制3法案」について、慎重な 審議を求める立場に立ってください。

市長は「戦争協力はできない」。法案への危惧、慎重審議を求める立場を率直に表明。


 田中市長は、要望書の一つ一つの項目に対して、言葉を慎重に選びながらも、政治家としての自分の考えをみずからの言葉でていねいに述べてくれました。
 「2項、3項の、地方自治の本旨を最大限尊重することや、市民の身体、生命、財産、安全を守ることを第一義的に優先して判断するのは当然だ」「法案に関する政府からの説明もなく、新聞やわずかな書類で判断、推測せざるをえないでやっている。長の権限とか、知事と市長の役割とか、はっきりさせてほしいと思っている」「(自治体が従わなかった場合、職員への)罰則もあるというがどうなるのか、危惧がある」「これから2年間で法整備をしていくというが、細かい場面を法に書ききれるのか、私権も国家に包含されるとなると、ちょっと恐い気もしてくる」「5項の、国会で慎重審議を求める立場、当然そういう立場に立っている」などと見解を明らかにしてくれました。
 「1項については、私としてはいかなる戦争に対しても協力するわけにはいかない。ただ、見方の問題であるかもしれないが、市民の安全を守るのは長の責任である」と微妙な言い回し。それでも基本的には、地方自治体の長として、私たちの認識と変わらないと思いました。

◆2002/6/9
「有事法制反対のつどい」

6月8日、総合文化会館の広域文化展示室で「有事立法反対の集い」を開催。52名が参加しました。
左は講師の津田道夫氏の講演「有事立法は我々をどこに連れていくか」
右はジャスティスによる歌声。「野に咲く花は…」「イムジン河」「花」「風に吹かれて」懐かしい歌の数々…。
かつて、歌が力を持った時代があった。今、再び…。

メディア規制法案に反対意見書を提出
『声と眼』230号 2002/6/9

 今国会に自民・公明・保守3党の小泉内閣が提出した「個人情報保護」法案は、国民の個人情報の収集や目的外利用などについて、行政の行為には甘く、政・官・業の不法行為をチェックしようとするジャーナリズムの取材活動や市民運動に対して規制していこうとするものです。
 情報公開請求者の個人情報を収集して名簿を作成して内部で自由に閲覧していた防衛庁の不法行為−。行政も“軍隊”も、組織を守るために国民を管理しようとする姿を如実に現しています。
 逆に国民が、みずからの個人情報を守り、行政を監視するための法律が必要ー。私たちは、久喜市議会6月定例会に『個人情報保護法案の撤回を求める意見書』を提出しました。提出者は猪股(大地)、賛成署名議員は福垣(新政議員団)、木村(共産党)、渋谷(市政会)、後上(無会派)です。

個人情報保護法案の撤回を求める意見書

 現在、個人情報保護法案が国会で審議されている。 行政政府、地方公共団体、民間事業者を問わず、個人情報の保護および適正な取扱いの確保に関する法整備が急務であることはいうまでもなく、それは当該個人による個人情報のコントロール権を基本とし、基本的人権の擁護に資するために他ならない。
そもそも、今回提案された「個人情報の保護に関する法律案」は、1999年の住民基本台帳法改正に伴い、官民が保有する個人情報の保護の必要性が指摘され、個人データの流出防止を目的として法案整備が進められたものであるが、本来の目的と異なって、言論表現の自由という民主主義の基本理念に反する性格を強めている。
1.住民基本台帳法改正にあたって指摘された個人情報保護のためであれば個人情報保護法制の基本にすべき「自己情報コントロール権」の規定が不明確であり、国民の個人情報を保護することよりも、一元的に管理するものであり、しかも個人情報の利用目的の変更を容易に認め、行政機関相互の目的外利用を広範囲に認めているなどの点で、個人情報保護制度としては極めて不十分である。
2.「個人情報取扱事業者」に対する主務大臣の規制権限が強大で、公権力による民間、特にマスコミ、ジャーナリズムへの不当な介入を招くおそれがある。
3.報道に対する適用除外範囲規定があいまいな上に、報道取材の際にも、利用目的の明確化や「情報の適正な取得」、本人の関与と透明性などの基本原則を適用することによって取材・報道活動の萎縮、表現の自由を侵害するおそれが強い。特に昨今、頻発し国民の注視を浴びている政官業界にかかわる不正の告発などについてさえも、本人の同意がない情報収集や第三者への提供を禁止するなど、不正事件そのものの取材・報道自体をも困難にさせるおそれが強い。
 マスコミやジャーナリズムから、「メディア規制法案」と批判されるゆえんであり、国民の知る権利を脅かすものである。
 よって私たちは、政府に対し、報道・表現の自由を侵害し、政官業界などの不正の告発や暴露を阻害し、国民の知る権利を侵害する本法案を撤回するよう強く求める。その上で、自己情報コントロール権を明記して、真に個人情報を保護する新たな法制を整備するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

久喜市議会

内閣総理大臣・法務大臣あて


『有事法制法案の撤回を求める意見書』も
『声と眼』230号 2002/6/9

 共産党などといっしょに共同提案します。いずれの意見書も27日の本会議で審議、採決されます。


「有事立法に反対する久喜市民の会」が久喜駅西口で訴え
2002/5/24 

全国各地で「有事立法反対」の行動が展開された24日、夕方6時前から7時まで、20数名の市民が久喜駅西口でビラまきや署名活動を行った。
 議員は共産党の木村市議、市政会の渋谷市議(新社会党)、そして市民派無党派の私(猪股・虹と緑)、新婦人やその他の市民運動の人々など、参加者は多彩を極め、チラシは「市民の会」で作成した独自のものだが、署名は、共産党、新社会党、社民党のものなど、さまざま。
 久喜で、これだけ多くの幅広い人々が集まって、運動を繰り広げるのはおそらく初めてではないか。
『STOP!有事法制5/24全国大集会』に連帯します!
アメリカのために死ねますか?
子どもを戦場に送れますか?

NO!WAR
NO!有事法制

 皆さん、この4月小泉内閣が国会に提出した有事立法をこ存知でしようか?
 それは武力攻撃事態法案、自前隊法改正案、安全保障会議設置法案の3本柱から成っていますが、一言で言って日本を「平和国家」から「戦争国家」へ作り変えようとする悪報に他なりません。
 ここで言われる「武力攻撃事態」とは、単に日本の国土が侵されると言うにとどまらず、アメリカの後方支援と称してインド洋その他に派兵される艦船に対する攻撃や、直接の武力攻撃が予想される場合をも含んでいるのです。これに対してただ自衛隊が対応させられるだけでなく、国民一般が戦争への協力を要請させられ、地方自治体にもそれが強<求めろれようとしているのです。
 特に石油などの戦略物資の補給命令や医療・運輪・航空などの諸機関の協力が強制的に求められることになります。つまり、第2次大戦中の国家総動員のような形が求められることになりかねないのです。私たち日本人は不戦・非武装の憲法を作り、今日まで平和な生活を送ってきたのでした。それがここ2〜3年の雲行きを見ると、「戦争のできる国家」へと、日本を作りかえようとする動きが急速に認められようとしています。今度の有事3法案を通せばこの道行きを総仕上げするところともなりかねません。それは憲法改悪への道にまっすぐつながっているのです。
 私たちの日常ではこのようなことがはっきりとは見て取れない面もありますが、そこを突き詰めて皆さんといっしょに考えようと久喜市民の会を立ち上げる準備をしたところです。皆さん、この危険な法案をぜひとも度案に追い込むべく話し合い、協同し、どんな小さな動きでもいいから行動に立ち上がろうではありませんか。本5月24日には、東京その他で有事法制反対の大規模な集会やデモが行われております。私た当の本日の行動はそれに結びついたものでもあることを申し上げて、皆さんのこ理解を賜りたいと存じます。

2002年5月24日

「戦争に参加させられる、有事立法に反対する久喜市民の会」
代表/津田道夫(評論家) 連絡先/進藤(23)8368
呼びかけ人/浅見和子、猪股和雄、木村とものり、栗原規昭、鷺谷哲夫、桜井加寿子、渋谷晃次、進藤敬子、周防和子、周防幹雄、関口一夫、高田信雄、武井良一
◆同じ思いの久喜市民の方、ぜひ私たちとともに行動を起こしませんか?連絡、お待ちしております。(この会は、個人参加です)


私たちの暮らしに有事法制はいりません

有事法制に反対する地方自治体議員、共同アピール
2002/6/6

■ 有事法制は市民の生命・財産・権利を侵害します

 政府は今国会に有事関連3法案を提出しました。1999年には、米軍がアジアで介入戦争を始めたら、自衛隊が後方支援などで参戦するガイドラインを明記した周辺事態法が、すでに作られています。戦争のために私権を制限し、措置に従わなかった住民に罰則が課せられます。 
 今回の有事法制は、そうした戦時体制に国民を総動員するためのものであることを、政府自身が明言しています。

■ 地方自治体は首相の指示により自衛隊への協力を強制されます

有事法制が発動されると、国は市民生活や地方自治体にたいして、戦争への協力を強制することができます。首相は地方自治体などの公共機関に対し、自衛隊への協力など必要な措置を講じることができ、従わない時には、首相自らが代執行で、職員に業務命令を出すことができます。

物資の輸送や補給などの米軍への兵たん支援に、医師、看護婦、輸送通信従事者、土木建築労働者などを戦争を支える要員として強制的に動員する仕組みになっています。
 また、外国から侵略され国土が戦場になるかもしれないとの口実で国民の土地、家屋、財産の収用などを想定し、機密保護を理由に、言論や報道の自由が制限される危険もあります。

入港する艦船に非核証明を義務付ける条例など、独自の平和の取り組みを行っている自治体もありますが、有事においては国の言いなりになってしまいます。

■ 有事法制は憲法違反です

 政府は「憲法の範囲内で体制整備することは政府の責任」としていますが、憲法は戦争を禁止しているだけではなく、「何人も犯罪で処罰を受ける以外は苦役に服せられない」(18条)、「財産権を侵されない」(29条)、「自由を奪われない」(31条)としており、憲法が保障する基本的人権は「侵すことの出来ない永久の権利」(11条)と明示しています。  

戦争を行うことを前提とし、政府が勝手に決める「公共のため」という名目で基本的人権を制限する有事法制は、国の最高規範である憲法に違反していると言わざるをえません。

■ 有事法制はアメリカの世界戦略を支援する戦時立法です

 現実的にみて、日本が武力攻撃を受ける事態を、政府も具体的に提示していません。むしろ世界中に敵を作り、戦争を仕掛ける在日米軍基地を守るために有事法制が発動されたり、周辺事態法による日米共同の戦争協力の中で発動される可能性の方が高いのではないでしょうか。米軍の戦争のために市民の権利、財産を奪う憲法違反の戦時立法をつくる国など、世界のどこにもありません。

■ 有事法制で、むしろアジアの軍事的緊張が高まります

 また政府は「備えあれば憂いなし」とも述べていますが、最大の備えは憲法の平和主義の理念を実践にうつし、平和で平等な国際社会をつくるために努力することです。アジアでは、軍事力ではなく、話し合いで紛争を解決する平和の流れが大きくなっており、有事法制制定の口実は、まったく説得力を失っています。

■ 私たちは地方自治体から反対の声を挙げます

 すでに多くの議会や首長が疑問や憂慮の声を上げています。秋田県東成瀬村議会、岩手県北上市議会、東京都の小金井市議会や国立市議会でも有事法制に反対する意見書が採択されました。

私たちは市民の暮らしともっとも身近なところで活動する地方議員の立場から、地域から平和をつくりあげていくために、有事法制に反対します。

地方議員アピールの賛同議員は各方面ではたらきかけをしていただき、超党派354名が集まりました!
本日の発表後も、アピール賛同議員は受け付けています。

現時点で確認できた政党は、
 日本共産党       22名   社会民主党       15名
 民主党          4名   みどりの会議       1名
 自由民主党        1名   新社会党         1名
 市民ネットワーク北海道  7名   東京・生活者ネット    4名
 市民ネットワーク千葉   3名   市民ネット埼玉      2名
 神奈川ネットワーク運動  1名   市民の党         2名
 日本労働党        1名   その他ローカルパーティ  2名

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【●北海道(12名)】
大島 薫(北海道札幌市議) 小林 郁子(北海道札幌市議) 山口 たか(北海道札幌市議) 高橋 とおる(北海道函館市議) 阿部 義人(北海道函館市議) 竹花 郁子(北海道函館市議) 羽田 美智代(北海道石狩市議) 堀 弘子(北海道石狩市議) 本内義徳(北海道留萌市議) 樫見 由美子(北海道北広島市議) 山田 明美(北海道当別町議) 佐藤 頼浩(北海道長沼町議)

【●東北(10名)】
石田 寛(秋田県議) 草島 進一(山形県鶴岡市議) 鈴木 礼子(岩手県盛岡市議) 高田 一郎(岩手県一関市議) 佐藤 昭一(宮城県古川市議) 宮川 えみ子(福島県いわき市議) 古市 三久(福島県いわき市議) 浅田 正文(福島県都路村議) 駒崎 ゆき子(福島県郡山市議) 大竹 幸一(福島県田島町)

【●関東(168名)】
宇津 野洋一(群馬県議) 横尾 富安(群馬県高崎市議) 竹本 誠(群馬県高崎市議) 飯塚 俊彦(群馬県高崎市議) 原田 求(群馬県高崎市議) 中道 浪子(群馬県前橋市議) 笠原 寅一(群馬県前橋市議) 店橋 世津子(群馬県前橋市議) 小林 信(群馬県館林市議) 針谷 進(群馬県館林市議) 大川 芳男(群馬県館林市議) 桜井 ひろ江(群馬県安中市議) 泉部 敏雄(群馬県富岡市議) 吉田 耕作(群馬県富岡市議) 真下 淑恵(群馬県沼田市議) 砂賀 京子(群馬県群馬町議) 牛島 ちはる(群馬県箕郷町議) 塚越 米三(群馬県榛名町議) 金井 久男(群馬県松井田町議) 福田 惇(群馬県新町町議) 黒沢 功(群馬県吉井町議) 山田 邦彦(群馬県甘楽町議) 荻野武司(群馬県下仁田町議) 関口 敏明(群馬県大胡町議) 小林 久子(群馬県大胡町議) 牧山 明(群馬県長野原町議) 浅川 芳喜(群馬県南牧村議) 角田 喜和(群馬県赤城村議) 井上 団次(群馬県北橘村議) 金子 文彦(群馬県富士見村議) 近藤好枝(群馬県宮城村議) 青木 竹志(群馬県新里村議) 大山 智(群馬県黒保根村議) 金子 かずお(茨城県つくば市議) 野口 修(茨城県つくば市議) 披田 信一郎(茨城県龍ヶ崎市議) 石松 俊雄(茨城県友部町議) 相沢 一正(茨城県東海村議) 小泉眞理子(茨城県藤代町議) 清水 滋雄(埼玉県所沢市議) 森生 郁代(埼玉県所沢市議) 猪股 和雄(埼玉県久喜市議) 荻野 比登美(埼玉県和光市議) 須賀 郁子(埼玉県和光市議) 片山 いく子(埼玉県春日部市議) 青山 博明(埼玉県上福岡市議) 高橋 たみ子(埼玉県富士見市議) 天田 いづみ(埼玉県志木市議) 織野 美穂(埼玉県志木市議) 桜井 晴子(埼玉県志木市議) 水谷 利美(埼玉県志木市議) 宮崎 弘子(埼玉県鶴ヶ島市議) 榊原 京子(埼玉県坂戸市議) 白石 俊夫(埼玉県坂戸市議) 矢澤 江美子(埼玉県八潮市議) 村上 香代子(埼玉県三郷市議) 高橋 康博(埼玉県川越市議) 田辺 淳(埼玉県朝霞市議) 藤井 由美子(埼玉県朝霞市議) 大矢 道子(埼玉県新座市議) 星川 一恵(埼玉県新座市議) 加納 好子(埼玉県宮代町議) 渋谷 登美子(埼玉県嵐山町議) 村上 愛子(埼玉県吹上町議) 福士 敬子(東京都議) 小枝 すみ子(東京都千代田区議) 竹田 靖子(東京都千代田区議) 寺沢 文子(東京都千代田区議) 今村 まゆみ(東京都荒川区議) 斉藤 ゆうこ(東京都荒川区議) 瀬野 喜代(東京都荒川区議) 中村 まさ子(東京都江東区議) かとう 学(東京都江戸川区議) 佐藤 ありつね(東京都北区議) 福田 実(東京都北区議) 古沢くみ子(東京都北区議) 八百川 孝(東京都北区議) 遠藤 千代子(東京都板橋区議) 新保 れい子(東京都板橋区議) 田部 井稔夫(東京都墨田区議) 木村 民子(東京都文京区議) 村越 まり子(東京都文京区議) 船波 恵子(東京都品川区議) 東 敦子(東京都渋谷区議) 坂本 史子(東京都目黒区議) 佐藤 ひろこ(東京都中野区議) むとう 有子(東京都中野区議) 山口 菊子(東京都豊島区議) 木下 泰之(東京都世田谷区議) 羽田 圭二(東京都世田谷区議) 富沢 よし子(東京都杉並区議) 片野令子(東京都練馬区議) 清水 信之(東京都狛江市議) 山本 ひとみ(東京都武蔵野市議) 嶋崎 英治(東京都三鷹市議) 高井 章博(東京都三鷹市議) 野中 かず江(東京都三鷹市議) 漢人 明子(東京都小金井市議) 小山 みか(東京都小金井市議) 若竹 りょう子(東京都小金井市議) 藤村 忍(東京都小金井市議) 藤原 愛子(東京都稲城市議) 荒井 健(東京都稲城市議) 池田 はるお(東京都東久留米市議) 白石玲子(東京都東久留米市議) 住田 景子(東京都小平市議) 橋本 久雄(東京都小平市議) 三宮 克己(東京都府中市議) 村松 俊武(東京都国分寺市議) 池田 智恵子(東京都国立市議) 上村 和子(東京都国立市議) 榊原 茂子(東京都国立市議) 佐藤 節子(東京都国立市議) 重松 朋宏(東京都国立市議) 関口 博(東京都国立市議) 山本 春男(東京都国立市議) 五十嵐 けん(東京都立川市議) 大沢 豊(東京都立川市議) 佐瀬 昭二郎(東京都日野市議) 名取 みさこ(東京都日野市議) 土井節子(東京都西東京市議) 森 てるお(東京都西東京市議) 長野 美保子(東京都清瀬市議) 布施 哲也(東京都清瀬市議) 小倉 昌子(東京都東村山市議) 遠藤 洋一(東京都福生市議) 井上 睦子(東京都八王子市議) 門間 淑子(東京都羽村市議) 木下 克利(東京都青梅市議) 戸沢 ひろゆき(東京都あきる野市議) 雨宮 敬子(東京都日の出町議) 丸山 美子(東京都桧原村議) 竹内 悦子(千葉県千葉市議) 高野晴美(千葉県千葉市議) 田中 康子(千葉県千葉市議) 朝倉 幹晴(千葉県船橋市議) さとう ももよ(千葉県船橋市議) 中田 京(千葉県松戸市議) 吉野 信次(千葉県松戸市議) 空岡 信耶(千葉県浦安市議) 中村 春子(千葉県佐倉市議) 宮部 恵子(千葉県佐倉市議) 服部 かをる(千葉県佐倉市議) 日下部 信雄(千葉県流山市議) 岡田 幸子(千葉県市川市議) 吉川 ひろし(千葉県柏市議) 日向 ます子(千葉県木更津市議) 越智 邦子(千葉県野田市議) 津久井 清 (千葉県鎌ヶ谷市議) 足立満智子(千葉県成田市議) 福井 みち子(千葉県白井町議) 猪股 美恵(神奈川県川崎市議) 上田 祐子(神奈川県綾瀬市議) おかだ じん(神奈川県座間市議) 大蔵 律子(神奈川県平塚市議) 木村 栄子(神奈川県藤沢市議) 関根 久男(神奈川県藤沢市議) 高橋 八一(神奈川県藤沢市議) 古橋 宏造(神奈川県藤沢市議) 鐘ケ江 洋子(神奈川県茅ヶ崎市議) 高月 雅子(神奈川県茅ヶ崎市議) 中島 春子(神奈川県小田原市議) 湯川 素子(神奈川県南足柄市議) 奥津 光隆(神奈川県真鶴町議) 須山邦昭(山梨県塩山市議) 亀ケ川 正広(山梨県若草町議) 名取 純一(山梨県櫛形町議) 鈴木 徳平(山梨県白根町議)

【●中部・北陸(41名)】
北岡 逸人(新潟県柏崎市議) 佐藤 敏明(新潟県小千谷市議) 北野 進(石川県議) 水口 裕子(石川県内灘町議) 砂田 喜昭(富山県小矢部市議) 野入 美津恵(富山県大山町議) 佐藤 正雄(福井県議) 米村 輝子(福井県大野市議) 山崎 隆敏(福井県今立町議) 前田 ゆきこ(静岡県静岡市議) 鈴木 恵(静岡県浜松市議) 石丸美恵子(静岡県富士市議) 鈴木 敏和(静岡県富士市議) 高月 フミコ(静岡県沼津市議) 栗原 一郎(静岡県三島市議) 仁杉 秀夫(静岡県三島市議) 津田 恵子(静岡県島田市議) 大杉 幸好(静岡県磐田市議) 鈴木 清(静岡県細江町議) 大石 和央(静岡県榛原町議) 大塚 邦子(静岡県吉田町議) 伊壷 敏子(長野県飯田市議) 青木 豊一(長野県中野市議) 井出 節夫(長野県臼田町議) 山本 久子(長野県池田町議) 井川 のぶ子(長野県松川村議) 片桐 正勝(長野県中川村議) 平澤 和雄(長野県中川村議) 菊池 幸彦(長野県南牧村議) 種山 博茂(長野県美麻村議) 小川冨貴(岐阜県可児市議) 井上 あけみ(岐阜県多治見市議) 林 のぶとし(愛知県議) 牧野 勝子(愛知県西尾市議) 今井 美千代(愛知県大府市議) 山本 一昭(愛知県新城市議) ごとう 尚子(愛知県日進市議) 永井 初子(愛知県立田村議) 中村 進一(三重県議) 小井 道夫(三重県四日市議) 山川 和基(三重県紀勢町議)

【●関西(63名)】
砂川 次郎(滋賀県志賀町議) 松井 真理子(奈良県天理市議) 繁田 智子(奈良県平群町議) 坂口 友良(奈良県広陵町議) 宮崎 恒子(奈良県川西町議) 飛鳥井 けい子(京都府向日市議) 荒川 浩司(京都府福知山市議) 矢口 雅章(京都府城陽市議) 次田 のり子(京都府京田辺市議) 水谷 修(京都府宇治市議) 川端 和行(京都府綾部市議) 深山 国男(京都府加茂町議) 小沢 福子(大阪府議) 山中 きよ子(大阪府議) 増田 京子(大阪府箕面市議) 牧野 直子(大阪府箕面市議) 八幡 隆司(大阪府箕面市議) 桂 睦子(大阪府茨木市議) 山下 慶喜(大阪府茨木市議) 二木洋子(大阪府高槻市議) 上田 育子(大阪府和泉市議) 金児 和子(大阪府和泉市議) 小林 昌子(大阪府和泉市議) 吉本 ひろ子(大阪府寝屋川市議) 柏木 順子(大阪府八尾市議) 小川 たか子(大阪府堺市議) 中井 くによし(大阪府堺市議) 吉井玲子(大阪府堺市議) 吉年 千寿子(大阪府富田林市議) 一村 和幸(大阪府豊中市議) 松平 要(大阪府東大阪市議) 戸田 ひさよし(大阪府門真市議) 清水 勝(大阪府泉大津市議) 高橋 登(大阪府泉大津市議) 田中 一吉(大阪府泉大津市議) 栗原 俊子(大阪府交野市議) 中村 幸平(大阪府柏原市議) 大門 晶子(大阪府河南町議) 加藤 美恵子(大阪府島本町議) 澤嶋 真紀子(大阪府島本町議) 仲江 孝丸(和歌山県古座町議) 八木 修(兵庫県能勢町議) 北中 敏雄(兵庫県議) 恩田 さとし(兵庫県神戸市議) あわはら 富夫(兵庫県神戸市議) かのう 花枝(兵庫県神戸市議) 小林 るみ子(兵庫県神戸市議) 原 和美(兵庫県神戸市議) ますだ 伸二(兵庫県神戸市議) 酒井 一(兵庫県尼崎市議) 丸尾 牧(兵庫県尼崎市議) 森池豊武(兵庫県西宮市議) 伊藤 とも子(兵庫県芦屋市議) 中島 健一(兵庫県芦屋市議) 前田 辰一(兵庫県芦屋市議) 山田 みち子(兵庫県芦屋市議) 山口 みさえ(兵庫県芦屋市議) 永井 俊作(兵庫県明石市議) 塚本 善雄(兵庫県赤穂市議) 井奥 まさき(兵庫県高砂市議) 柏木 孝(兵庫県一宮町議) 竹中 史雄(兵庫県津名町議) 中谷 秀子(兵庫県淡路町議)

【●中国・四国(38名)】
横田えつ子(岡山県岡山市議) 竹永 光恵(岡山県岡山市議) 羽場 頼三郎(岡山県岡山市議) 末永 弘之(岡山県津山市議) 丸山 美砂子(岡山県八束村議) 原田 そよ(岡山県赤坂町議) 須増 伸子(岡山県早島町議) 赤岩 明(岡山県佐伯町議) 中川健作(鳥取県米子市議) 浦木 靖(鳥取県羽合町議) 織田 洋(鳥取県智頭町議) 角田 正紀(島根県松江市議) 西村 敏(島根県松江市議) 下迫 紀弘(島根県大田市議) 中尾 強(島根県安来市議) 赤木 たつお(広島県東広島市議) 河北 洋子(山口県柳井市議) 石井 亨(香川県議) 梶 正治(香川県議) 樫 昭二(香川県議) 渡辺 さと子(香川県議) 岩崎じゅん子(香川県高松市議) 亀割 浩三(香川県高松市議) 三木 まり(香川県丸亀市議) 石塚 祐子(香川県観音寺市議) 長谷 川義仁(香川県善通寺市) 川田 礼子(香川県さぬき市議) 黒石 美恵子(香川県庵治町議) 三野 ハル子(香川県牟礼町議) 藤田 雅久(香川県豊中町議) 村上 稔(徳島県徳島市議) 塀本 信之(徳島県徳島市議) 阿部 悦子(愛媛県議) 植田 勝博(愛媛県今治市議) 篠崎 英代(愛媛県松山市議) 岩崎 美枝子(愛媛県御荘町議) 真鍋 てるみ(愛媛県大西町議) 大石 真司(高知県高知市議)

【●九州・沖縄(22名)】
ぬま健司(福岡県古賀市議) せきおか俊実(福岡県大野城市議) 辻本美恵子(福岡県筑紫野市議) 増本 亨(佐賀県議) 山下 明子(佐賀県佐賀市議) 盛 泰子(佐賀県伊万里市議) 須貝るみ子(大分県中津市議) 中山田昭徳(大分県大田村議) 井原東洋一(長崎県長崎市議) 岩永賢一(長崎県諫早市議) 大我喜代志(長崎県多良見町議) 上野 美恵子(熊本県熊本市議) 神田公司(熊本県西合志町議) 川端忠義(熊本県一の宮町議) 満行潤一(宮崎県議) のぐち英一郎(鹿児島県鹿児島市議) 小川美沙子(鹿児島県鹿児島市議) 森山きよみ(鹿児島県鹿児島市議) 西薗典子(鹿児島県東市来町議) 続 博治(鹿児島県隼人町議) 高里鈴代(沖縄県那覇市議) 知花昌一(沖縄県読谷村議)


14日、久喜の成人式は意外と静か、と思ったら…
君が代拒否の来賓は4名、会場の中でも着席者がいた
2002/1/15

14日、久喜総合文化会館大ホールで成人式が行われた。
新成人987人の内、参加者は728人。
会場の中に入ったのは500〜600人くらいだった。
「式典」は短く、ということで、市長と議長、県議会議員のあいさつ、県知事のメッセージ、各中学の先生方からの一言、新成人代表からの「謝辞」で終わり。
来賓として出席したのは、市議会議員は19名。
『君が代』斉唱の時には、猪股、渋谷、共産党の木下、木村各氏が着席して斉唱を拒否。新成人の中にも何人か、座っている人が見られた。
それにしても、会場内はずっとざわざわしていて、ときどき、奇声を発する人はいたものの、ずいぶんと静かだなあ(今年の成人は元気がないのかなあ)」思って、あとで新成人の人に聞いたら、みんな声を出しておしゃべりする代わりに、メールでやりとりしていたんだとのこと。
なるほど。

 式が終わった後、文化会館前の広場では、暴走族の「卒業式」?らしいものが行われていた。
新成人の先輩に花束贈呈、その後で会館前の道路を爆音を立てて走り去っていった。


9月11日のテロ行為を非難し、アメリカ政府の報復戦争に反対する
『声と眼』217号 2001/10/9

 9月11日、ハイジャックされた民間航空機による一連のテロ行為は数千人の人々の命を奪い去った。この背景に世界の社会的不公正、アメリカの軍事戦略の問題と矛盾が存在しているのは事実だが、いかなる理由があろうと、自己の目的のために、人々の命を無差別に奪うという行為は絶対に許されない。テロ行為の首謀者および共犯者は“無差別大量殺人者”に他ならず、この犯罪行為に関わった者たちは、国際法・国内法に基づいて訴追、処罰されるべきである。

 一方で、暴力による復讐もまた許されない。国連憲章はすべての国際紛争を、まずは平和的手段で解決しなければならないと定めており、アメリカを始めとする国際社会は、今回の犯罪行為に対して厳格かつ冷静に対処する義務を負っている。
 国際法や国際条約、「航空機の不法な奪取の防止に関する条約」などの活用と法手続きによってこそ、テロ犯罪者たちを裁くべきである。また、集団殺害や戦争犯罪、人道に対する罪などを公正に裁くための「国際刑事裁判所についてのローマ条約」(1998年)を、アメリカおよび日本などの国々が早期に批准し、こうした犯罪行為に対処できる枠組みを作っていかなければならない。

 報復戦争の発動は、国際法と文明に対する破壊であり、新たな犠牲と憎しみの連鎖を再生産せざるをえない。日本政府がそのような軍事的暴力を支援することも、法的・道義的に許されない。すでに世界中の多くの市民が(アメリカ議会の中にも、犠牲者家族からも)、「テロにも報復にも反対」と声をあげ、行動を始めている。
 私は、アメリカとそれを支援する各国政府によるアフガニスタンおよびイスラム諸国民衆への報復攻撃と殺戮、日本政府の軍事支援、集団自衛権の容認などの超法規的解釈による自衛隊の派遣に反対する。


★今、あちこちの平和を求める集会で、ジョン・レノンの「All we are saying is give peace a chance」(平和を我らに)の歌声が。★


★小泉首相の靖国神社参拝に抗議します。非武装憲法をもつ日本に《靖国》はいらない

戦争犠牲者を差別する神=靖国
『声と眼』214号 2001/8/20

 小泉首相は国内外からの強い批判にもかかわらず、8月13日、靖国神社を参拝した。
 靖国神社は明治維新以来、“君のため”に死んだ人々を神として祀る。「神=英霊」と認定して霊爾簿に載せるか否かを判定するのは、戦前は国家(軍)、今は靖国という組織だ。戦犯であっても、“天皇のために亡くなった”と靖国の認めた者が「英霊」であって、明治維新期の「賊軍」や第二次大戦下の軍隊にあっても自殺者や「逃亡」とみなした人々は排除する。ましてや民間人や侵略した占領地で虐殺や戦闘の犠牲になったアジア民衆ははじめから眼中にない。
 このような靖国に参拝しながら『戦争犠牲者の方々すべてに対し、深い反省とともに、謹んで哀悼の意を捧げ』(首相の談話)ると言っても説得力はない。また小泉首相は『死ねばみな仏になる。A級戦犯だからと差別することはない』と言ったが、戦争犠牲者を「敵か味方か」で選別してきたのがまさに靖国神社だった。これほど差別的な神が他にあるか−。靖国は日本人を侵略戦争に駆り立てるために国=天皇のための死を美化し鼓舞し続け、今も、ある政治的意図をもった人々=政治勢力が靖国をもり立てようとしている。首相の参拝はこうした靖国のあり方を積極的に評価し、靖国の歴史的政治的意味を国内向けに利用しようとするものに他ならない。そうでなくてどうしてアジア諸国からの批判や摩擦を冒してまでも靖国にこだわるか。−靖国には遺骨も位牌もない。千鳥ケ淵戦没者墓苑やアーリントン墓地とはおのずから違う。
 参拝にあたっての「談話」は、侵略された国々の民衆に対する心からの謝罪もなく、戦争責任や靖国神社の意味については触れない。雄弁な首相が、官房長官らが政治的に作成した型通りの文章を「談話」として発表したということにもその誠意のなさが見える。−今こそ日本が侵略の歴史を真に謝罪し、アジア諸国(民)に対する歴史の清算をする時がきているのではないか。

 私は数年前、沖縄の「平和の礎」を訪れた。兵士も民間人も、沖縄出身者も日本人も中国人も朝鮮人も、またアメリカ人の兵士も捕虜も、戦争中に沖縄で亡くなったすべての人々、23万8161人の名が黒御影石に刻まれている。立ち並ぶ石の列の間を歩き続け、心が洗われるようだった。
 沖縄における慰霊のあり方である。


あぶない教科書を使わせない
『声と眼』213号 2001/8/1

 来年からの小中学校用教科書の採択作業が行われています。特に注目されるのが中学校歴史教科書−。復古的国粋主義的な扶桑社版『新しい歴史教科書』が検定に合格し、一部地域でこの教科書を強引に採択しようとする動きもあるため、全国で反発の声や反対運動が広がっています。
 埼玉県第10採択地区協議会(久喜市を含む)は7月18日に中学校教科書の採択を決定しました。これに先立つ10日には久喜市教育委員会定例会(公開)で別の(扶桑社版でない)教科書を推すことを決定、また他市町の教育委員会の動きを聞いたところ、扶桑社のものを推すところはなかった模様。−採択教科書の正式発表は8月中旬ですが、天皇中心主義・“大東亜戦争”を肯定的に評価・国のために死ぬことを賛美する歴史教科書を子どもたちに使わせようとするもくろみは埼玉では避けられたらしい?
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 栃木県や和歌山県の一部、東京都杉並区や国立市など、歴史改ざん派勢力の働きかけで『新しい歴史教科書』の採択が懸念されていた地域でも、扶桑社版以外の教科書に決定されたようです。


参院選に向けての私の思い  新社会党を応援したい
『声と眼』212号 2001/7/6

★12日から参議院議員選挙が始まる。★小泉首相のいう“構造改革”−。銀行や大企業の救済。リストラ、失業、生活悪化などは容認−。“痛み”の矛先は明らかに庶民に向いており、小泉内閣になって景気はいっそう悪化しつつある。★しかも9条改悪や靖国参拝発言、『国のために命を投げ出す』ことへの礼賛−。小泉は、中曽根元首相の“戦後政治の総決算”路線を受け継ぎ、その人気を盾に憲法改悪まで突っ走るのか。★今、日本政治右傾化の総仕上げに対して、『明確な対抗軸』を掲げた政治勢力が必要−。私は、平和=民主主義= 非武装憲法=人権という社会党の旗を引き継いだ新社会党を応援したい。

★新社会党は、比例区で矢田部理、小森龍邦、岡崎ひろみ、埼玉選挙区で村田文一が立候補している。★


教科書採択を圧力で歪めるな
9月定例市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』198号 2000/11/6

 5月に市の教育長あてに『国民の油断』という書籍が送り付けられ、5名の教育委員に配布されました。これは現行の中学歴史教科書を「自虐史観」などと誹謗中傷した本。来年の教科書改訂にあたって、全国の教育委員会に圧力をかけ、自分たちが作った歴史教科書を採択させようとして送ってきたものです。教科書採択を目的に、事前に図書・物品を寄贈したり、他社の教科書の誹謗中傷や批判も禁止されているにもかかわらず、堂々とこのような事前運動をしてまで教科書を政治的に歪めようとするのは許されません。
 教育長は答弁で、「単に送られてきたので、他の図書類と同様に配っただけ。目次をめくってみただけなので、感想はない。教科書は政治的な動きに左右されることなく、公正に採択されなければならない」という見解を表明しました。
 彼らの作った教科書は、神武東征やヤマトタケルの神話、教育勅語、15年戦争(日中・太平洋戦争)を『大東亜戦争』と記述して肯定、戦争の加害の記述はないなど、きわめて国家主義・日本民族優位・排外主義的なしろもの。子どもたちの教育の場にこんな教科書を持ち込もうとするのは、日本に天皇制絶対主義を再来させたいということでしょうか。


歴史教科書採択の事前運動?
『声と眼』192号 2000/8/7

ここ数年、「新しい歴史教科書をつくる会」などを中心に、教科書への激しい攻撃が続いています。特に《侵略戦争や南京大虐殺、“従軍慰安婦”の記述は自虐的》などとして、記述内容の変更を迫ったり、採択制度改悪と教科書を誹謗攻撃する地方議会での決議・請願・陳情なども活発。さらに“歴史改竄派”は、中学校の「歴史的分野」「公民的分野」で彼ら流の教科書を作り、2001年7月の教科書採択をめざしており、そのための事前運動も明らかになりました。
 5月ごろ、彼らの中心メンバーである西尾幹二・藤岡信勝が書いた『国民の油断』という本が久喜市の教育委員会あてに送り付けられ、教育長は6月の定例教育委員会の場で、市の教育委員5名に配布しました。これは現行の歴史教科書を攻撃した本。添付された手紙には『現行7社の中学校歴史教科書』が『自虐的』と中傷した後に、『あなた様は教科書採択の権限をお持ちになり」として、この本で勉強して、歴史教科書の採択においては、現場教師の意見に惑わされないで選べ、などと書かれています。
教科書は本来、商業主義や政治的な影響を排するために、事前運動的勧誘や書籍等の供与、他社の教科書の中傷誹謗が禁止されています。このような行為をあえて行ってまでも歴史教育を歪めようとするのか!


自治体の戦争協力の強制は許せない
「市民の安全が最優先」
『声と眼』1999/2/15 No.161

 政府が成立を急いでいる「周辺事態法」など日米安保新ガイドライン関連法案は、「我が国周辺の地域における我が国の平和および
安全に重要な影響を与える事態」(第1条)というあいまいな規定で、朝鮮半島から、中東まで(?)地域を限定せずに、日本が米軍の戦争に参加できることとする法律。
 第9条では「関係行政機関の長は…地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」「国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる」と規定し、地方自治体や民間に対しても、戦争の際の後方支援を行わせることになっています。にもかかわらず、具体的な「協力」の中身はいっさい明らかにされていません。事実上、政府の裁量で、法律によらないで事実上何でも命令できる仕組みです。
 しかも法律が成立していないのに、防衛庁は全国の自治体を「理解を求めて」回っており、久喜市にも『指針の実効性確保のための法整備について』という文書が防衛庁から送りつけられてきました。法律を先取りして地ならししておこうという狙いは明らかです。

私は一般質問で『自治体の「戦争協力」の内容をつかんでいるか、「協力要請」があった場合にどのように対応するか』ただしましたが、当局は『具体的内容は不明』といいながら、防衛庁に対して説明を求めようともしない、他人ごとのような姿勢。戦争支援が自治体に直接に関わってこようとしているのに、行政がこのような無関心・無責任な態度では市民の安全は守れません。
 2度3度と、市政の責任者である市長の見解を求めたところ、ようやく市長が『市民の安全と生活を守るのが市長の最大の責務であり、他よりも最優先して選択されるべきであり、そのような姿勢で対応していく』と答弁しました。【私はこの答弁を、「協力要請」があっても、自治体としては市民の安全を優先し、必ずしも全面協力はしない場合もある、と理解したいのですが、どうでしょうか。】


私は盗聴法に反対します
久喜市議会議員 猪股和雄
『声と眼』167号 1999/6/7

  6月1日、“盗聴捜査法”が自自公の多数で衆議院で可決されてしまいました。
 ◆盗聴捜査の対象は、銃器や薬物、組織的殺人などの重大犯罪とされているが、その準備的な行為に対しても盗聴できる。◆裁判所の捜査令状が必要だが、実際には令状は、捜査当局の判断(犯罪に関する通信が行われると疑う状況がある場合)にもとづいてほとんど出されてしまう。◆通信内容が犯罪に関係あるかどうかは聞いてみないとわからない(!)から、“予備的傍受”の名目ですべて盗聴する。実際には令状に記載されていない犯罪に関する通信も盗聴できる。◆立会人のNTT職員には途中でストップさせる権限はない!
 そしてこの盗聴の怖さは、“これから犯罪を犯すかもしれない人”とたまたま電話で話した場合、“犯罪にまったく無関係な電話”まで盗聴され録音されてしまうことです。その経過は事後にも通知されませんから、捜査当局が恣意的に、他の軽微な犯罪捜査や政治的な情報収集活動に利用することもできます。まさに『盗聴という手段には歯止めが利かない』(11月の反対集会で公明・浜四津氏の演説)のであって、民主主義社会では許されないもの。盗聴捜査そのものが国家による権力の乱用です。
 衆議院の採決では、自民党でも田中真紀子・栗本議員が抗議の退席。国会議員の半数近くが反対なのに、自自公路線による多数決の論理だけで強行されてしてしまいました。今後、参議院での審議とともに、全国の反対運動も広がっています。私たちが日常生活で電話をするたびに、“盗聴されているかも”と心配しなければならないような社会はまっぴらごめんです。

憲法第21条第2項
検閲はこれをしてはならない
通信の秘密はこれを侵してはならない

私は国旗・国歌法案に反対します
久喜市議会議員  いのまた和雄
『声と眼』1999/7/26 170

 卒業式などで壇上へ上るときに、誰もいない正面の日の丸に敬礼する人々がいるのはなぜか。昔、太陽⇒天照大神⇒天皇の象徴としてあがめ、今もそう考える人がいて、つられて多くの人は何となく日の丸に向かって頭を下げてしまうのだろうか。しかし私は、大日本帝国以来、天皇の稜威として侵略軍隊の先頭に掲げられた“軍旗”であった日の丸に敬意を払おうとは思わない。
 君が代が、明治期に皇国の歌として定められてから「君」が天皇を指すことは疑いもなく、今の政治家が勝手に解釈を変えることなどできるはずもない。この国を治める天皇(家)、そして天皇の治世の永遠なれと祈るこの歌を、私は歌わない。いつも君が代のときには座っている。他にも何人かが座ったままでいるのに気が付いて「ああやはり」と思ったことが何度かあった。
 この歌が好きだ、天皇を敬いたいという人と、逆にそう思わないという人がいてあたりまえ。しかしこの20年間、文部省は教育現場で強制を強めてきたし、公的行事でも有無をいわせず『ご起立ください』とやってきた。今、政府が、人々の多様な歴史観を無視して、国家や天皇に対するひとつの価値観を誘導しようとしていることは間違いない。しかも国民的な議論抜きで唐突に国旗・国歌法案を出してきた。“自自公の数の力で何でもできる、チャンス”とばかりに、周辺事態法・盗聴法・憲法調査会の設置・国民総背番号制等々、いっきょに押し通してしまおうとする政治手法はきわめて危険な道といわざるをえない。
 今、国民の価値観の統合よりも、人々の多様性をこそ大切にしたい。そもそも国旗・国歌の法制化の必要もない。人の心を縛ろうとする国旗・国歌法案に反対する。

国旗及び国歌に関する法律
(平成十一年八月十三日法律第百二十七号)

(国旗)
第一条  国旗は、日章旗とする。
2  日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。

(国歌)
第二条  国歌は、君が代とする。
2  君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。

   附 則


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から施行する。
(商船規則の廃止)
2  商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)は、廃止する。
(日章旗の制式の特例)
3  日章旗の制式については、当分の間、別記第一の規定にかかわらず、寸法の割合について縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる。
別記第一
 (第一条関係)
  日章旗の制式

   一 寸法の割合及び日章の位置
     縦 横の三分の二
     日章
     直径 縦の五分の三
     中心 旗の中心
   二 彩色
     地 白色
     日章 紅色

別記第二

 (第二条関係)
  君が代の歌詞及び楽曲
一 歌詞
    君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて こけのむすまで
二 楽曲 

学校儀式での「日の丸・君が代」の扱い
1999/11/2

11月1日、地元の「久喜市立青毛小学校」の開校20周年記念式典があって、私も出席した。
 日ごろ、卒業式とか入学式とかの儀式にはあまり参加したことはない。来賓がやたら多くて、あいさつやら、紹介やらに時間がかかって、主役の子供たちにとっては迷惑な話だと思っている。
 今度出席したのは、青毛小学校が、授業の開始や終了のチャイムをなくすなどユニークな取り組みをしてきているので、学校の雰囲気、子供たちの雰囲気(特にこうした儀式の中で)を見ておきたいと思ったこと、そして、「国旗・国歌」法が成立して、君が代・日の丸がどう扱われているか、見ておきたいと思ったこと、この2つが理由だった。
 第1については、子供たちのおとなしさ、行儀の良さに驚かされた。本来、「子供たちの自主性の尊重している」はずなのだが、雑音・雑談一つ聞こえないというのは、どういうわけなのだろう。来賓はこぞって「子供たちの礼儀正しさ」をほめていたが、かえって、子どもらしい元気良さ、はつらつさが感じられないと思ったのは、私だけだったか。

 日の丸・君が代は、予想通りだった。
 私は、君が代斉唱の時には着席したままでいようと思って座っていたが、開始早々に、「ご起立ください」「開式の辞」があって、そのまま、「国歌・君が代斉唱」ときた。
 「国歌斉唱。ご起立ください」では、立たない人がいると困ると思って、はじめから立たせておく作戦、というわけだ。
 私はそこで着席して、頬杖をついて会場のようすを見ていたが、立っている人の中にもやはり、とまどったふうな顔をしながら口を動かさずにいた少数の人を見つけてほっとした。
 もう一つ、あいさつで壇上へあがった人々がすべて、無人の壇上で、正面の日の丸に向かって「礼」をするのにも驚いた。
 少し前まではこれほどに統一されてはいなかったのではないか。何となく礼をする人もいれば、そのまま演壇へ歩いていってあいさつを始める人もいたのだが、今は、日の丸への敬礼があたりまえになってしまっているのだろうか。
 中には、壇へあがってから2〜3歩進んで、わざわざ日の丸の正面に向かって敬礼した御仁もいた。壇上には校旗が立ててあり、正面には右に日の丸、左に市旗が並んでいるのだが、この人々は、もちろん校旗に向かって礼はしない。市旗に対してでもなく、日の丸に向かって敬礼をするのだ。きっと、日の丸の後ろに、「ご真影」の幻でも見えているのに違いない。




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