日本国憲法
教育基本法(1947年)
新・教育基本法(2006年)
教育勅語(付・戦前の文部省による全文通釈、教育勅語の失効決議)
国旗・国歌法…「国旗国歌法」が、わずか2条しかないということを、知らない人が意外と多い。
皇室典範…今もこんな「法律」が生きているんです。
軍人勅諭(付・現代語訳)
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公布 昭和21年11月3日 日本国憲法 前文 前文 第1章 天皇 第2章 戦争放棄 第3章 国民の権利及び義務 第4章 国会 第5章 内閣 第6章 司法 第7章 財政 第8章 地方自治 第9章 改正 第10章 最高法規 第11章 補則 朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至ったことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第73条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。 御名御璽 昭和21年11月3日 |
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明治23年10月30日発布 教育ニ関シ下シ給ヘル勅語 朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ独リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン
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皇室典範 第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。 第二条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。 一 皇長子 二 皇長孫 三 その他の皇長子の子孫 四 皇次子及びその子孫 五 その他の皇子孫 六 皇兄弟及びその子孫 七 皇伯叔父及びその子孫 ○2 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。 ○3 前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。 第三条 皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、皇位継承の順序を変えることができる。 第四条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。 第二章 皇族 第五条 皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。 第六条 嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。 第七条 王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。 第八条 皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。 第九条 天皇及び皇族は、養子をすることができない。 第十条 立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。 第十一条 年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。 ○2 親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。 第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。 第十三条 皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。 第十四条 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。 ○2 前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。 ○3 第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。 ○4 第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した女子に、これを準用する。 第十五条 皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。 第三章 摂政 第十六条 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。 ○2 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。 第十七条 摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。 一 皇太子又は皇太孫 二 親王及び王 三 皇后 四 皇太后 五 太皇太后 六 内親王及び女王 ○2 前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。 第十八条 摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。 第十九条 摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。 第二十条 第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。 第二十一条 摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。 第四章 成年、敬称、即位の礼、大喪の礼、皇統譜及び陵墓 第二十二条 天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。 第二十三条 天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。 ○2 前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。 第二十四条 皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。 第二十五条 天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。 第二十六条 天皇及び皇族の身分に関する事項は、これを皇統譜に登録する。 第二十七条 天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。 第五章 皇室会議 第二十八条 皇室会議は、議員十人でこれを組織する。 ○2 議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。 ○3 議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。 第二十九条 内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。 第三十条 皇室会議に、予備議員十人を置く。 ○2 皇族及び最高裁判所の裁判官たる議員の予備議員については、第二十八条第三項の規定を準用する。 ○3 衆議院及び参議院の議長及び副議長たる議員の予備議員は、各々衆議院及び参議院の議員の互選による。 ○4 前二項の予備議員の員数は、各々その議員の員数と同数とし、その職務を行う順序は、互選の際、これを定める。 ○5 内閣総理大臣たる議員の予備議員は、内閣法 の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う者として指定された国務大臣を以て、これに充てる。 ○6 宮内庁の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する宮内庁の官吏を以て、これに充てる。 ○7 議員に事故のあるとき、又は議員が欠けたときは、その予備議員が、その職務を行う。 第三十一条 第二十八条及び前条において、衆議院の議長、副議長又は議員とあるのは、衆議院が解散されたときは、後任者の定まるまでは、各々解散の際衆議院の議長、副議長又は議員であつた者とする。 第三十二条 皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官たる議員及び予備議員の任期は、四年とする。 第三十三条 皇室会議は、議長が、これを招集する。 ○2 皇室会議は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、四人以上の議員の要求があるときは、これを招集することを要する。 第三十四条 皇室会議は、六人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。 第三十五条 皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。 ○2 前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。 第三十六条 議員は、自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。 第三十七条 皇室会議は、この法律及び他の法律に基く権限のみを行う。 附 則 ○1 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。 ○2 現在の皇族は、この法律による皇族とし、第六条の規定の適用については、これを嫡男系嫡出の者とする。 ○3 現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。 附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号) 抄 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 |
原文は句読点もありません(もちろん漢字と片仮名です)。
そのままではとても読めないので、ひらがな書きにし、漢字も適当にかなに直しました。
下に、現代語訳を付します。
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陸海軍軍人に賜はりたる勅諭 (明治15年1月4日) 我国の軍隊は、世々天皇の統率し給ふ所にぞある。昔神武天皇みづから大伴物部の兵どもを率ゐ、中つ国のまつろはぬものどもを討ち平げ給ひ、高御座(たかみくら)につかせられて、天下(あめのした)しろしめし給ひしより、二千五百余年を経ぬ。 此の間、世の様の移り換るにしたがいて兵制の沿革もまたしばしばなりき。 古は天皇みづから軍隊を率ゐ給ふ御制(おんおきて)にて、時ありては皇后皇太子の代わらせ給ふこともありつねど、おおよそ兵権を臣下に委ね給ふことはなかりき。 中つ世に至りて、文武の制度唐国風(からくにふり)に倣はせ給ひ、六衛府(ろくえふ)を置き、左右馬寮(さうめりゃう)を建て、防人など設けられしかば、兵制は整ひたれども、打続ける昇平(しょうへい)になれて、朝廷の政務もようやく文弱に流れければ、兵農おのづから二つに分れ、古の徴兵はいつともなく壮兵の姿に変り、遂に武士となり、兵馬の権は、ひたすらに其の武士どもの棟梁たる者に帰し、世の乱と共に政治の大権もまたその手に落ち、凡そ七百年の間、武家の政治とはなりぬ。世の様の移り換りて斯くなれるは、人の力もてひきかえすべきにあらづとはいひながら、且つは我が国体にもとり、且は我が祖宗の御制(おんおきて)に背き奉り、あさましき次第なりき。 くだりて弘化嘉詠永の頃より、徳川の幕府その政おとろへ、まつさえ外国の事ども起こりて、その侮りをも受けぬべき勢いに迫りければ、朕が皇祖仁孝天皇(おおじのみことにんこうてんのう)、皇孝孝明天皇(ちちのみことこうめいてんのう)、いたく宸襟を悩し給ひしこそ、かたじけなくも又かしこけれ。 然るに、朕いとけなしくして天津日嗣(あまつひつぎ)を受けし初め、征夷大将軍その政権を返上し、大名小名その版籍を奉還し、年を経ずして海内(かいだい)一統の世となり、古の制度に復しぬ。是れ文武の忠臣良弼(りょうひつ)ありて、朕を輔翼せる功績なり。 歴世祖宗の専ら蒼生を憐み給ひし御遺沢なりといえども、しかしながら我臣民の其の心み順逆の理を弁へ、大儀の重きを知れるが故にこそあれ。 されば此の時に於て、兵制をあらため我国の光を輝かさんと思ひ、此の十五年が程に、陸海軍の制をば、今の様に建て定めぬ。その兵馬の大権は、朕が統ぶる所なれば、其の司々をこそ臣下には任すなれ。 其の大綱は朕みずからこれをとり、あて臣下に委ぬべきものにあらず。 子々孫々に至るまで篤くこの旨を伝へ、天子は文武の大権を掌握するの儀を存して再び中世以降の如き失体なからんことを望むなり。朕は汝等軍人の大元帥なるぞ。 されば朕は汝等を股肱と頼み、汝等は朕を頭首と仰ぎてぞ、其の親しみは特に深かるべき。 朕が国家を保護して、上天(しょうてん)の恵に応じ祖宗の恩に報いまいらする事を得るも得ざるも、汝等軍人が其職を尽すと尽さざるとに由るぞかし。 我国の稜威振るはざることあらば、汝等能く朕と其の憂いを共にせよ。 我が武これ揚がりて其の栄を輝さば、朕汝等と其の誉をともにすべし。 汝等皆其の職を守り、朕と一心になりて力を国家の保護に尽さば、我国の蒼生は永く太平の福を受け、我国の威烈は大いに世界の光華となりぬべし。 朕斯くも深く汝等軍人に望むなれば、なお訓諭すべき事こそあれ。 いでや之を左に述べむ。 一 軍人は忠節を尽すを本分とすべし。 およそ生を我国にうくるもの、誰かは国に報ゆるの心なかるべき。 まして軍人たらん者は、此心の固からでは物の用に立ち得べしとも思はれず。 軍人にして報国の心堅固ならざるは、如何程技芸に熟し学術に長ずるも、なお寓人にひとしかるべし。 其隊伍も整い節制も正しくとも、忠節を存せざる軍隊は、事に臨みて烏合の衆に同じかるべし。 そもそも国家を保護し国権を維持するは兵力に在れば、兵力の消長はこれ国運の盛衰なることを弁へ、世論に惑わず政治に拘らず、只々一途に己が本分の忠節を守り、義は山獄よりも重く、死は鴻毛よりも軽しと覚悟せよ。 其の操を破りて不覚を取り、汚名を受くるなかれ。 一 軍人は礼儀を正しくすべし。 およそ軍人には、上元帥より下一卒に至るまで、其間には官職の階級ありて統属するのみならず、同列同級とても停年に新旧あらば、新任の者は旧任のものに服従すべきものぞ。 下級のものは上官の命を承ること、実は直に朕が命を承る義なりと心得よ。 己が隷属する所にあらずとも、上級の者は勿論、停年の己より旧きものに対しては、総て敬礼を尽すべし。 また上級の者は下級の者に向ひ、いささかも軽侮驕傲(けいぶきょうごう)の振舞あるべからず。 公務のために威厳を主とする時は格別なれども、其外は務めてねんごろに取扱ひ、慈愛を専一と心掛け、上下一致して王時に勤労せよ。 もし軍人たるものにして礼儀を紊り、上を敬はず下を恵まずして、一致の和諧を失ひたらんには、ただに軍隊の蠹毒(とどく)たるのみかは、国家の為にもゆるし難き罪人なるべし。 一 軍事は武勇をとうとぶべし。 夫れ武勇は、我国にては、古よりいとも貴べる所なれば、我国の臣民たらんもの、武勇なくては叶ふまじ。 まして軍人は戦いに臨み敵に当たるの職なれば、片時も武勇を忘れてよかるべきか。 さはあれ、武勇には大勇あり、小勇ありて同じからず。血気にはやり粗暴の振舞なとせんは武勇とは謂ひ難し軍人たらむものは常に能く義理を弁へ能く胆力を練り思慮を殫して事を謀るへし小敵たりとも侮らす大敵たりとも懼れす己か武職を尽さむこそ誠の大勇にはあれされは武勇を尚ふものは常々人に接るには温和を第一とし諸人の愛敬を得むと心掛けよ由なき勇を好みて猛威を振ひたらは果は世人も忌嫌ひて豺狼なとの如く思ひなむ心すへきことにこそ。 一、軍人は信義を重んすへし。 およそ信義を守ること常の道にはあれとわきて軍人は信義なくては一日も隊伍の中に交りてあらんこと難かるへし信とは己か言を践行ひ義とは己か分を尽すをいふなりされは信義を尽さむと思はヽ始より其事の成し得へきか得へからさるかを審に思考すへし朧気なる事を仮初に諾ひてよしなき関係を結ひ後に至りて信義を立てんとすれは進退谷りて身の措き所に苦むことあり悔ゆとも其詮なし始に能〃事の順逆を弁へ理非を考へ其言は所詮践むへからすと知り其義はとても守るへからすと悟りなは速に止るこそよけれ古より或は小節の信義を立てんとて大綱の順逆を誤り或は公道の理非に踏迷ひて私情の信義を守りあたら英雄豪傑ともか禍に遭ひ身を滅し屍の上の汚名を後世まて遺せること其例尠からぬものを深く警めてやはあるへき 一、軍人は質素を旨とすへし。 およそ質素を旨とせされは文弱に流れ軽薄に趨り驕奢華靡の風を好み遂には貧汚に陥りて志も無下に賤くなり節操も武勇も其甲斐なく世人に爪はしきせらるヽ迄に至りぬへし其身生涯の不幸なりといふも中〃愚なり此風一たひ軍人の間に起りては彼の伝染病の如く蔓延し士風も兵気も頓に衰へぬへきこと明なり朕深く之を懼れて曩に免黜条例を施行し略此事を誠め置きつれと猶も其悪習の出んことを憂ひて心安からねは故に又之を訓ふるそかし汝等軍人ゆめ此訓誡を等間にな思ひそ 右の五ケ条は軍人たらんもの暫も忽にすへからすさて之を行はんには一の誠心こそ大切なれ抑此五ケ条は我軍人の精神にして一の誠心は又五ケ 条の精神なり心誠ならされは如何なる嘉言も善行も皆うはへの装飾にて何の用にか立つへき心たに誠あれは何事も成るものそかし況してや此五 ケ条は天地の公道人倫の常経なり行ひ易く守り易し汝等軍人能く朕か訓に遵ひて此道を守り行ひ国に報ゆるの努を尽さは日本国の蒼生挙りて之 を悦ひなん朕一人の懌のみならんや 軍人勅諭(現代語訳) 我が国の軍隊は、代々天皇が統率してきた。昔、神武天皇が自ら兵を率いて統制に従わない者を討ち取り、天皇の地位につき、天下を開いてらか二千五百年が経った。 この間、世の中の移り変わりに従って、軍隊も移り変わった。昔は天皇自ら軍隊を率いたり、時には皇后、皇太子が代わることもあったが、兵を率いる権力を臣下に任せたことはなかった。 中世になって、文武の制度を中国風にならって、いろいろと改革し、軍隊の制度も整ったが、太平の世に慣れてしまったため、朝廷の政治が弱くなり、兵はいつしか武士となって、軍隊の権力も武士に移った。世の中の乱れとともに政治の権力もまた武士に移り、我が国体は我が天皇家代々の制度に反して浅ましい社会になった。 時代は下って、徳川幕府も衰え、外国の圧力が迫って来た頃、天皇である私の先祖の仁孝天皇や孝明天皇が心を痛めていた折、私は幼くして天津日嗣を受けたが、その時、征夷大将軍がその政権を返上し、大名小名もこぞって版籍を天皇家に返したので、まもなく昔の制度に復帰した。それも文武の忠臣たちが私を助けてくれた功績であった。 この時に、兵制を改めて、我が国の威光を輝かすために陸海軍の制度を現在のように定めたのである。 軍隊の大権は天皇である私がもつものであって、決して臣下に委ねるものではないことを子々孫々まで伝えるべきものである。そして、再び中世のような失態をすることがないように、望むものである。 天皇である私は、お前達軍人の大元帥である。 天皇である私はお前達を最も頼れる臣下だと思っている。お前達も天皇である私を頭首と仰いでほしい。天皇である私が国家を守り、我が天皇家の先祖の恩に報いることができるかどうかは、お前達軍人がその責任を果たすか果たさないかにかかっている。 我が国の天皇の威光が輝くのは、お前達が天皇である私と共に心を一つにして力を国家の守りに尽くすことによってもたらされるものである。そうすれば、我が国は、太平の幸福を受け、世界に光輝く国となろう。天皇である私は、このように深くお前達軍人に期待しているのだから、次に訓示を述べる。 一、軍人は忠節を尽くす事が本分である。 我が国で生を受けた者が、国に報いるという心がない軍人は何の役にもたたない。また、軍人が国に報いる心が強くなければ、たとえすぐれた技術や学問をもっていてもつまらない者であり、また、規律正しい軍隊であっても忠節がない軍隊は役にたたないくだらない者の集まりでしかない。もともと、国家を守り、維持するのは軍隊であって、軍隊の善し悪しが国の盛衰をも左右する。たとえ世論にまどわされる政治があったとしても、ただ本分の忠節を守り、忠義は山よりも重く、死は細い毛よりも軽いことを覚悟することである。 一、軍人は礼儀を正しくすべきである。 軍人は、上は元帥から下は一兵に至るまで階級がある。また、同じ階級でも、経験の古い者と新しい者がいる。下の者は上の者に、新しい者は古い者に、服従すべである。上の者の命令は、天皇である私の命令と同じものである、と心がけよ。 上の者は、下の者を軽く見たり侮ってはいけない。威厳をもつのは良いが、慈愛の心で接すべきである。軍人がこの礼儀を失しなった時、軍隊のみならず国家のためにも許されない罪人となる。 一、軍人は、武勇を尊ぶべきである。 武勇は日本古来のものであり、敵に向かっていくのが軍人であるから、当然武勇は大切である。武勇は大小があって同じではない。血気にはやるのは武勇とは言えない。義理をわきまえ、小さな敵を侮らす、大きな敵にも恐れることなく、自分の本分を尽くすことが誠の武勇である。武勇を尊ぶものは、温和を第一とし、人々の気持ちを得るようにすべである。 一、軍人は信義を重んじるべきである。 一般人でも、このことは大切だが、特に軍人はこれなくしてはとても軍人とはいえない。信義とは、信が言行一致をいい、義が自分の分をわきまえることである。できないことを安易に引き受けた後できなかったことなどは、信義に反することである。また、小さな信義を守るために大きな信義を失ったり、個人的な信義を得るために公の信義を失ってはならない。 一、軍人は質素を大切にすべきである。 質素を大切にしなければ、弱くなり、贅沢になり、心が貧しくなり、志もおろそかになり、武勇もなくなる。そして、ついには生涯を不幸にしてしまう。これが軍隊の中で蔓延すれば、軍隊は士気が上がらず衰えていくしかない。天皇である私はこのことを深く心配している。お前達軍人は、このことを決して忘れてはならない。 右の五カ条は、軍人となった時から決しておろそかにしてはならない。この五カ条は我が軍人の精神である。お前達軍人は、天皇である私の教えによく従って、国に報いるという務めを果たすことが、日本国の隆盛につながる。そうなることは天皇である私一人の喜びではないはずだ。 |
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1974年12月14日に、国際連合総会の第29回総会で採択された侵略の定義に関する決議である。 2013年4月23日の参院予算委におけいて、いわゆる「村山談話」に関して安倍晋三は、「侵略という定義は学会的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」と答弁した。 しかし、国連の場では、基本的な定義はすでに決議として成立している。 アメリカの国連決議に基づかない軍事行動を侵略とするかどうかなどで利害対立が伴うので、これをどう解釈し、現実の国際政治に適用するかは、いまだ一部についての合意ができていないとはいえ、 第2次世界大戦や太平洋戦争については、その定義はそのまま適用することができることは疑いようがない。 侵略の定義に関する決議 侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であ って、この定義に述べられているものをいう。 第2条(武力の最初の使用) 国家による国際連合憲章に違反する武力の最初の使用は、侵略行為の一応の証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、国際連合憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を含む。)に照らして正当に評価されないとの結論を下すことができる。 第3条(侵略行為) 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無に関わりなく、二条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。 (a) 一国の軍隊による他国の領域に対する侵略若しくは、攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果もたらせられる軍事占領、又は武力の行使による他国の全部若しくは一部の併合 (b) 一国の軍隊による他国の領域に対する砲爆撃、又は国に一国による他国の領域に対する兵器の使用 (c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖 (d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に関する攻撃 (e) 受入国との合意にもとづきその国の領域内にある軍隊の当該合意において定められている条件に反する使用、又は、当該合意の終了後のかかる領域内における当該軍隊の駐留の継続 (f) 他国の使用に供した領域を、当該他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する国家の行為 (g)) 上記の諸行為い相当する重大性を有する武力行為を他国に対して実行する武装した集団、団体、不正規兵又は傭兵の国家による若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与 第4条(前条以外の行為) 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は、その他の行為が憲章の規定の下で侵略を構成すると決定することができる。 第5条(侵略の国際責任) 政治的、経済的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。 侵略戦争は、国際の平和に対する犯罪である。侵略は、国際責任を生じさせる。 侵略の結果もたらせられるいかなる領域の取得又は特殊権益も合法的なものではなく、また合法的なものととし承認されてはならない。 第6条(憲章との関係) この定義中のいかなる規定も、特に武力の行使が合法的である場合に関する規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、又は縮小するものと解してはならない。 第7条(自決権) この定義中のいかなる規定も、特に、第三条は、「国際連合憲章に従った諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」に言及されている。その権 利を強制的に奪われている人民の、特に植民地体制、人種差別体制その他の形態の外国支配化の下にあ る人民の、憲章から導かれる自決、自由及び独立の権利を、また国際連合諸原則及び上記の宣言に従いその目的のために闘争し、支援を求め、かつ、これを受け入れるこれらの人民の権 利をいかなる意味においても害するものとするものではない。 第8条(想定の解釈) 上記の諸規定は、その解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解されなければならない。 |
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