日本国憲法
教育基本法(1947年)
新・教育基本法(2006年)
教育勅語(付・戦前の文部省による全文通釈、教育勅語の失効決議)

国旗・国歌法…「国旗国歌法」が、わずか2条しかないということを、知らない人が意外と多い。
皇室典範…今もこんな「法律」が生きているんです。
軍人勅諭(付・現代語訳)


日本国憲法

公布 昭和21年11月3日
施行 昭和22年 5月3日


日本国憲法 前文
第1章 天皇
第1条 天皇の地位
第2条 皇位の継承
第3条 天皇の国事行為に対する責任
第4条 天皇の機能
第5条 摂政
第6条 天皇の任命権
第7条 国事行為
第8条 皇室の財産授受
第2章 戦争放棄
第9条 戦争放棄、軍備及び交戦権否認
第3章 国民の権利及び義務
第10条 国民の要件
第11条 基本的人権の不可侵
第12条 自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止
第13条 個人の尊重
第14条 法の下の平等
第15条 公務員の選定及び罷免の権利、普通選挙と秘密選挙の保障
第16条 請願権
第17条 国及び公共団体の賠償責任
第18条 奴隷的拘束及び苦役からの自由
第19条 思想及び良心の自由
第20条 信教の自由
第21条 集会・結社・表現の自由と通信の秘密
第22条 居住・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由
第23条 学問の自由
第24条 家族生活における個人の尊厳と両性の平等
第25条 生存権、国の社会的使命
第26条 教育に関する権利と義務
第27条 勤労の権利・義務、労働条件、児童酷使の禁止
第28条 勤労者の団結権
第29条 財産権
第30条 納税の義務
第31条 法定の手続の保障
第32条 裁判を受ける権利
第33条 不当な逮捕をされない権利
第34条 抑留・拘束の禁止
第35条 住居不可侵
第36条 拷問と残虐刑の禁止
第37条 刑事被告人の権利
第38条 自白の証拠能力
第39条 遡及処罰・二重処罰の禁止
第40条 刑事補償
第4章 国会
第41条 国会の地位
第42条 両院制
第43条 両議院の組織
第44条 平等選挙
第45条 衆議院議員の任期
第46条 参議院議員の任期
第47条 選挙に関する事項
第48条 両院議員兼職の禁止
第49条 歳費
第50条 議員の不逮捕特権
第51条 議員の発言・表決の無責任
第52条 常会
第53条 臨時会
第54条 衆議院の解散と総選挙・参議院の緊急集会
第55条 資格争訟の裁判
第56条 定足数・表決
第57条 会議の公開と会議録
第58条 役員選任・議員規則・懲罰
第59条 法律の成立と衆議院の優越
第60条 予算議決と衆議院の優越
第61条 条約の承認と衆議院の優越
第62条 国政調査権
第63条 閣僚の議院出席
第64条 弾劾裁判所
第5章 内閣
第65条 行政権
第66条 内閣の組織と責任
第67条 内閣総理大臣の使命と衆議院の優越
第68条 国務大臣の任免・罷免
第69条 衆議院の内閣不信任
第70条 内閣総理大臣の欠缺(けんけつ)又は総選挙後の総辞職
第71条 総辞職後の内閣
第72条 内閣総理大臣の職務
第73条 内閣の職務
第74条 法律・政令の署名
第75条 国務大臣の特典
第6章 司法
第76条 司法権及びその行使
第77条 最高裁判所の規則制定権
第78条 裁判官の身分保障
第79条 最高裁判所の裁判官
第80条 下級裁判所の裁判官
第81条 法令審査権
第82条 裁判の公開
第7章 財政
第83条 財政処理の基本原則
第84条 課税
第85条 国費の支出と債務負担
第86条 予算
第87条 予備費
第88条 皇室の財産と費用
第89条 公の財産の利用の制限
第90条 会計検査院
第91条 財政状況の報告
第8章 地方自治
第92条 地方自治の基本原則
第93条 議会の設置及び長・議員の選挙
第94条 地方公共団体の機能
第95条 特別法の住民投票
第9章 改正
第96条 改正の手続
第10章 最高法規
第97条 基本的人権の本質
第98条 最高法規性、条約及び国際法規の遵守
第99条 憲法尊重擁護の義務
第11章 補則
第100条 憲法施行期日、準備手続
第101条 経過規定 ― 参議院未成立の間の国会
第102条 同前 ― 第1期の参議院議員の任期
第103条 同前 ― 公務員の地位


前文

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


第1章 天皇
第1条 天皇の地位

 天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

第2条 皇位の継承

 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第3条 天皇の国事行為に対する責任

 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第4条 天皇の機能

 (1)天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
 (2)天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第5条 摂政

 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。

第6条 天皇の任命権

 (1)天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
 (2)天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第7条 国事行為

 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

 1 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 2 国会を召集すること。
 3 衆議院を解散すること。
 4 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 5 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
 6 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 7 栄典を授与すること。
 8 批准書及び法律の定めるところその他の外交文書を認証すること。
 9 外国の大使及び公使を接受すること。
 10 儀式を行ふこと。

第8条 皇室の財産授受

 皇室に財産を譲り渡し、または皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなけらばならない。


第2章 戦争放棄
第9条 戦争放棄、軍備及び交戦権否認

 (1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇叉は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 (2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


第3章 国民の権利及び義務
第10条 国民の要件

 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

第11条 基本的人権の不可侵

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条 自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止

 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条 個人の尊重

 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条 法の下の平等

 (1)すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
 (2)華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
 (3)栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第15条 公務員の選定及び罷免の権利、普通選挙と秘密選挙の保障

 (1)公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 (2)すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
 (3)公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 (4)すべての選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第16条 請願権

 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人とも、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第17条 国及び公共団体の賠償責任

 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

第18条 奴隷的拘束及び苦役からの自由

 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条 思想及び良心の自由

 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条 信教の自由

 (1)信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
 (2)何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することは強制されない。
 (3)国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない。

第21条 集会・結社・表現の自由と通信の秘密

 (1)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 (2)検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第22条 居住・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由

 (1)何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
 (2)何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第23条 学問の自由

 学問の自由は、これを保障する。

第24条 家族生活における個人の尊厳と両性の平等

 (1)婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 (2)配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

第25条 生存権、国の社会的使命

 (1)すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 (2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公共衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第26条 教育に関する権利と義務

 (1)すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 (2)すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

第27条 勤労の権利・義務、労働条件、児童酷使の禁止

 (1)すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
 (2)賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
 (3)児童は、これを酷使してはならない。

第28条 勤労者の団結権

 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

第29条 財産権

 (1)財産権は、これを侵してはならない。
 (2)財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
 (3)私有財産は、正当な保障の下に、これを公共のために用ひることができる。

第30条 納税の義務

 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

第31条 法定の手続の保障

 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。

第32条 裁判を受ける権利

 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

第33条 不当な逮捕をされない権利

 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となってゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

第34条 抑留・拘束の禁止

 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護士に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第35条 住居不可侵

 (1)何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いておいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
 (2)捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

第36条 拷問と残虐刑の禁止

 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

第37条 刑事被告人の権利

 (1)すべての刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
 (2)刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
 (3)刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

第38条 自白の証拠能力

 (1)何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
 (2)強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 (3)何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

第39条 遡及処罰・二重処罰の禁止

 何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

第40条 刑事補償

 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。


第4章 国会
第41条 国会の地位

 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

第42条 両院制

 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

第43条 両議院の組織

 (1)両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
 (2)両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

第44条 平等選挙

 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人権、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。

第45条 衆議院議員の任期

 衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第46条 参議院議員の任期

 参議院議員の任期は、6年とし、3年ごとに議員の半数を改選する。

第47条 選挙に関する事項

 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

第48条 両院議員兼職の禁止

 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

第49条 歳費

 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

第50条 議員の不逮捕特権

 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中に逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

第51条 議員の発言・表決の無責任

 両議院の議員は、議院で行なった演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

第52条 常会

 国会の常会は、毎年1回これを召集する。

第53条 臨時会

 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

第54条 衆議院の解散と総選挙・参議院の緊急集会

 (1)衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。
 (2)衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
 (3)前項但書きの緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。

第55条 資格争訟の裁判

 両議院は、各々その議院の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

第56条 定足数・表決

 (1)両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
 (2)両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数ときは、議長の決するところによる。

第57条 会議の公開と会議録

 (1)両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の3分の2以上の多数で可決したときは、秘密会を開くことができる。
 (2)両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
 (3)出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

第58条 役員選任・議員規則・懲罰

 (1)両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
 (2)両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

第59条 法律の成立と衆議院の優越

 (1)法律案は、この憲法で特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
 (2)衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院議員で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
 (3)前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
 (4)参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律を否決したものとみなすことができる。

第60条 予算議決と衆議院の優越

 (1)予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
 (2)予算について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第61条 条約の承認と衆議院の優越

 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第2項の規定を準用する。

第62条 国勢調査権

 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

第63条 閣僚の議院出席

 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のために出席を求められたときは、出席しなければならない。

第64条 弾劾裁判所

 (1)国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
 (2)弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。


第5章 内閣
第65条 行政権

 行政権は、内閣に属する。

第66条 内閣の組織と責任

 (1)内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
 (2)内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
 (3)内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

第67条 内閣総理大臣の使命と衆議院の優越

 (1)内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だって、これを行ふ。
 (2)衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第68条 国務大臣の任免・罷免

 (1)内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
 (2)内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

第69条 内閣の総辞職(1)

 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

第70条 内閣の総辞職(2)

 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職しなければならない。

第71条 総辞職後の内閣

 前2条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

第72条 内閣総理大臣の職務

 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第73条 内閣の職務

 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
 1 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
 2 外交関係を処理すること。
 3 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
 4 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
 5 予算を作成して国会に提出すること。
 6 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
 7 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

第74条 法律・政令の署名

 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

第75条 国務大臣の特典

 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。


第6章 司法
第76条 司法権及びその行使

 (1)すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
 (2)特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
 (3)すべての裁判官は、その良心に従ひ独立してその職務を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

第77条 最高裁判所の規則制定権

 (1)最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
 (2)検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
 (3)最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

第78条 裁判官の身分保障

 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

第79条 最高裁判所の裁判官

 (1)最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
 (2)最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
 (3)前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
 (4)審査に関する事項は、法律でこれを定める。
 (5)最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
 (6)最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第80条 下級裁判所の裁判官

 (1)下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律に定める年齢に達した時には退官する。
 (2)下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第81条 法令審査権

 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が法律に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

第82条 裁判の公開

 (1)裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
 (2)裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題になってゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。


第7章 財政
第83条 財政処理の基本原則

 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない。

第84条 課税

 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

第85条 国費の支出と債務負担

 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。

第86条 予算

 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

第87条 予備費

 (1)予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
 (2)すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

第88条 皇室の財産と費用

 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

第89条 公の財産の利用の制限

 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属さない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

第90条 会計検査院

 (1)国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
 (2)会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

第91条 財政状況の報告

 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年1回、国の財政状況について報告しなければならない。


第8章 地方自治
第92条 地方自治の基本原則

 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。

第93条 議会の設置及び長・議員の選挙

 (1)地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
 (2)地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第94条 地方公共団体の機能

 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する機能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第95条 特別法の住民投票

 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。


第9章 改正
第96条 改正の手続

 (1)この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
 (2)憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。


第10章 最高法規
第97条 基本的人権の本質

 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第98条 最高法規性、条約及び国際法規の遵守

 (1)この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
 (2)日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第99条 憲法尊重擁護の義務

 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


第11章 補則
第100条 憲法施行期日、準備手続

 (1)この憲法は、公布の日から起算して6箇月を経過した日(昭和22年5月3日)から、これを施行する。
 (2)この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

第101条 経過規定 ― 参議院未成立の間の国会

 この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。

第102条 同前 ― 第1期の参議院議員の任期

 この憲法による第1期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを3年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

第103条 同前 ― 公務員の地位

 この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められていゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によって、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。


 朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至ったことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第73条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。

御名御璽   昭和21年11月3日

内閣総理大臣兼 吉田  茂
外 務 大 臣
国 務 大 臣 男爵 幣原喜重郎
司 法 大 臣 木村篤太郎
内 務 大 臣 大村 清一
文 部 大 臣 田中耕太郎
農 林 大 臣 和田 博雄
国 務 大 臣 斎藤 隆夫
逓 信 大 臣 一松 定吉
商 工 大 臣 星島 二郎
厚 生 大 臣 河合 良成
国 務 大 臣 植原悦二郎
運 輸 大 臣 平塚常次郎
大 蔵 大 臣 石橋 湛山
国 務 大 臣 金森徳次郎
国 務 大 臣 膳 桂之助

教育基本法

昭和22(1947)年3月31日 法律第25号
昭和22(1947)年3月31日 施行

「新・教育基本法」

2006年(平成十八年)十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三
法律第百二十号

教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)の全部を改正する。

前文
 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

前文
 我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
 我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
第一条(教育の目的)
 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。
第一章 教育の目的及び理念

第一条(教育の目的)
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
第二条(教育の方針)
 教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。
第二条(教育の目標)
教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。

個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。

正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。

伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
第三条(生涯学習の理念)
国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
第三条(教育の機会均等)

 すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によつて修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。
第四条(教育の機会均等)
すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2
国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
3
国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
第四条(義務教育)

 国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。

 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
第二章 教育の実施に関する基本

第五条(義務教育)
国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。
2
義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
3
国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。

4 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
第五条(男女共学)
 男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上男女の共学は、認められなければならない。
第六条(学校教育)

 法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。

 法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であつて、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。
第六条(学校教育)
法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
2
前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
第七条(大学)
大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2
大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。
第八条(私立学校)
私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない。
第九条(教員)
法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
2
前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。
第十条(家庭教育)
父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2
国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
第十一条(幼児期の教育)
幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。
第七条(社会教育)

 家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によつて奨励されなければならない。

 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によつて教育の目的の実現に努めなければならない。
第十二条(社会教育)
個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。
2
国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない。
第十三条(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
第八条(政治教育)

 良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。

 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
第十四条(政治教育)
良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2
法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
第九条(宗教教育)

 宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。

 国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
第十五条(宗教教育)
宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。
2
国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
第十条(教育行政)

 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。

 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

第三章 教育行政


第十六条(教育行政)
教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
2
国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3
地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4
国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。
第十七条(教育振興基本計画)
政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
2
地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
第十一条(補則)
 この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。
第四章 法令の制定

第十八条
この法律に規定する諸条項を実施するため、必要な法令が制定されなければならない。

教育勅語

明治23年10月30日発布



教育ニ関シ下シ給ヘル勅語

朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ独リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ挙々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

ちん おもうに、
朕 惟うに、

わが こうそ  こうそう  くにを  はじむること  こうえんに、
我が 皇祖 皇宗 國を 肇むること 宏遠に、

とくを  たつること   しんこうなり。
徳を 樹つること 深厚なり。

わが しんみん よく ちゅうに よく こうに、 
我が 臣民 克く 忠に 克く 孝に、 

おくちょう こころを いつにして、 よよ そのびを なせるは、
億兆  心を  一にして 、 世世 厥美を 濟せるは、

これ わが こくたいの せいかにして、 
此れ 我が 國體の 華にして、

きょういくの えんげん また じつに ここに そんす。 
教育の 淵源 亦 實に 此に 存す。 


なんじ しんみん、
爾 臣民、

ふぼに こうに、 けいていに ゆうに、 
父母に 孝に、 兄弟に 友に、

ふうふ あいわし、 ほうゆう あいしんじ、 
夫婦 相
和 し 朋友 相信じ、 


きょうけん おのれを じし、 はくあい しゅうに およぼし、
恭儉 己を 持し、 博愛 衆に 及ぼし、 

がくを おさめ わざを ならい、
學を 修め 業を 習ひ、


もって ちのうを けいはつし、 とっきを じょうじゅし、 
以って 智能を 啓発し、 徳器を 成就し、 

すすんで こうえきを ひろめ、 せいむを ひらき、
進で 公益を 廣め、 世務を 開き、

つねに こっけんを おもんじ、 こくほうに したがい、 
常に 國憲を 重じ、 國法に 遵い、 

いったん  かんきゅうあれば ぎゆう こうに ほうじ、
一旦 緩急あれば 義勇 公に 奉じ、


もって てんじょう むきゅうの こううんを ふよくすべし。
以って 天壌 無窮の 皇運を 扶翼すべし。


かくのごときは ひとり ちんが ちゅうりょうの しんみんたるのみならず、 
是の如きは 獨リ 朕が 忠良の 臣民たるのみならず、 

またもって なんじ そせんの いふうをけんしょうするに たらん。 
又以って 爾 祖先の 遺風を 顯彰するに 足らん。 

この みちは、 じつに わが こうそ こうそうの いくんにして、 
斯の 道は、 實に 我が 皇祖 皇宗の 遺訓にして、 

しそん しんみんの ともに じゅんしゅすべき ところ、
子孫 臣民の 倶に 遵守すべき 所、 

これを ここんに つうじて あやまらず、 これを ちゅうがいに ほどこして もとらず、 
之を 古今に 通じて 謬らず、 之を 中外に 施して  らず、 

ちん なんじ しんみんと ともに けんけん ふくようして、 みな その とくを いつに せんことを こいねがう。
朕 爾 臣民と 倶に 拳拳 服膺して、 咸 其 徳を 一に せんことを 庶幾う。

教育に関する勅語の全文通釈

1930年・文部省

 朕がおもうに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことはきわめて広遠であり、徳をお立てになったことはきわめて深く厚くあらせられ、また、我が臣民はよく忠に励みよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一つにして代々美風を作り上げてきた。
 これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。

 汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲良くし、夫婦互いに睦び合い、朋友互いに信義を以て交わり、へりくだって気随気燼の振舞をせず、人々に対して慈愛を及ぼすようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事を起こし、つねに皇室典範並びに憲法をはじめ諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家のためにつくせ。

 かくして神勅のまにまに天地と共に窮まりなきあ宝祚(あまつひつぎ)の御栄えをたすけ奉れ。かようにすることは、ただ朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。

 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共にしたがい、守るべきところである。この道は古今を貫いて永久に間違いがなく、また我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。
 朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に臨む。



教育勅語等排除に関する決議
(昭和23年6月19日衆議院決議)

民主平和国家として世界史的建設途上にあるわが国の現実は、その精神内容において未だ決定的な民主化を確認するを得ないのは遺憾である。これが徹底に最も緊要なことは教育基本法に則り、教育の革新と振興とをはかることにある。しかるに既に過去の文書となつている教育勅語並びに陸海軍軍人に賜わりたる勅諭その他の教育に関する諸詔勅が、今日もなお国民道徳の指導原理としての性格を持続しているかの如く誤解されるのは、従来の行政上の措置が不十分であつたがためである。
 思うに、これらの詔勅の根本的理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。政府は直ちにこれらの謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。
 右決議する。


教育勅語等の失効確認に関する決議
(昭和23年6月19日参議院決議)

われらは、さきに日本国憲法の人類普遍の原理に則り、教育基本法を制定して、わが国家及びわが民族を中心とする教育の誤りを徹底的に払拭し、真理と平和とを希求する人間を育成する民主主義的教育理念をおごそかに宣明した。その結果として、教育勅語は、軍人に賜はりたる勅諭、戊申詔書、青少年学徒に賜はりたる勅語その他の諸詔勅とともに、既に廃止せられその効力を失つている。
 しかし教育勅語等が、あるいは従来の如き効力を今日なお保有するかの疑いを懐く者あるをおもんばかり、われらはとくに、それらが既に効力を失つている事実を明確にするとともに、政府をして教育勅語その他の諸詔勅の謄本をもれなく回収せしめる。
 われらはここに、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して教育基本法の明示する新教育理念の普及徹底に努力をいたすぺきことを期する。
右決議する。


皇室典範
(昭和二十二年一月十六日法律第三号)
最終改正:昭和二四年五月三一日法律第一三四号

   第一章 皇位継承

第一条  皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。

第二条  皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一  皇長子
二  皇長孫
三  その他の皇長子の子孫
四  皇次子及びその子孫
五  その他の皇子孫
六  皇兄弟及びその子孫
七  皇伯叔父及びその子孫
○2  前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
○3  前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。

第三条  皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、皇位継承の順序を変えることができる。

第四条  天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

   第二章 皇族

第五条  皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。

第六条  嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。

第七条  王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。

第八条  皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。

第九条  天皇及び皇族は、養子をすることができない。

第十条  立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○2  親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。

第十三条  皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。

第十四条  皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
○2  前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○3  第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。
○4  第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した女子に、これを準用する。

第十五条  皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。

   第三章 摂政

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。

第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一  皇太子又は皇太孫
二  親王及び王
三  皇后
四  皇太后
五  太皇太后
六  内親王及び女王
○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。

第十八条  摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。

第十九条  摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。

第二十条  第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。

第二十一条  摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

   第四章 成年、敬称、即位の礼、大喪の礼、皇統譜及び陵墓

第二十二条  天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。

第二十三条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。
○2  前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。

第二十四条  皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。

第二十五条  天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。

第二十六条  天皇及び皇族の身分に関する事項は、これを皇統譜に登録する。

第二十七条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。

   第五章 皇室会議

第二十八条  皇室会議は、議員十人でこれを組織する。
○2  議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。
○3  議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。

第二十九条  内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。

第三十条  皇室会議に、予備議員十人を置く。
○2  皇族及び最高裁判所の裁判官たる議員の予備議員については、第二十八条第三項の規定を準用する。
○3  衆議院及び参議院の議長及び副議長たる議員の予備議員は、各々衆議院及び参議院の議員の互選による。
○4  前二項の予備議員の員数は、各々その議員の員数と同数とし、その職務を行う順序は、互選の際、これを定める。
○5  内閣総理大臣たる議員の予備議員は、内閣法 の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う者として指定された国務大臣を以て、これに充てる。
○6  宮内庁の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する宮内庁の官吏を以て、これに充てる。
○7  議員に事故のあるとき、又は議員が欠けたときは、その予備議員が、その職務を行う。

第三十一条  第二十八条及び前条において、衆議院の議長、副議長又は議員とあるのは、衆議院が解散されたときは、後任者の定まるまでは、各々解散の際衆議院の議長、副議長又は議員であつた者とする。

第三十二条  皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官たる議員及び予備議員の任期は、四年とする。

第三十三条  皇室会議は、議長が、これを招集する。
○2  皇室会議は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、四人以上の議員の要求があるときは、これを招集することを要する。

第三十四条  皇室会議は、六人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

第三十五条  皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。
○2  前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第三十六条  議員は、自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。

第三十七条  皇室会議は、この法律及び他の法律に基く権限のみを行う。

   附 則

○1  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
○2  現在の皇族は、この法律による皇族とし、第六条の規定の適用については、これを嫡男系嫡出の者とする。
○3  現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。

   附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号) 抄

1  この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。


軍人勅諭

 原文は句読点もありません(もちろん漢字と片仮名です)。
そのままではとても読めないので、ひらがな書きにし、漢字も適当にかなに直しました。
下に、現代語訳を付します。

陸海軍軍人に賜はりたる勅諭 (明治15年1月4日)

 我国の軍隊は、世々天皇の統率し給ふ所にぞある。
 昔神武天皇みづから大伴物部の兵どもを率ゐ、中つ国のまつろはぬものどもを討ち平げ給ひ、高御座(たかみくら)につかせられて、天下(あめのした)しろしめし給ひしより、二千五百余年を経ぬ。
 此の間、世の様の移り換るにしたがいて兵制の沿革もまたしばしばなりき。
 古は天皇みづから軍隊を率ゐ給ふ御制(おんおきて)にて、時ありては皇后皇太子の代わらせ給ふこともありつねど、おおよそ兵権を臣下に委ね給ふことはなかりき。
 中つ世に至りて、文武の制度唐国風(からくにふり)に倣はせ給ひ、六衛府(ろくえふ)を置き、左右馬寮(さうめりゃう)を建て、防人など設けられしかば、兵制は整ひたれども、打続ける昇平(しょうへい)になれて、朝廷の政務もようやく文弱に流れければ、兵農おのづから二つに分れ、古の徴兵はいつともなく壮兵の姿に変り、遂に武士となり、兵馬の権は、ひたすらに其の武士どもの棟梁たる者に帰し、世の乱と共に政治の大権もまたその手に落ち、凡そ七百年の間、武家の政治とはなりぬ。世の様の移り換りて斯くなれるは、人の力もてひきかえすべきにあらづとはいひながら、且つは我が国体にもとり、且は我が祖宗の御制(おんおきて)に背き奉り、あさましき次第なりき。
 くだりて弘化嘉詠永の頃より、徳川の幕府その政おとろへ、まつさえ外国の事ども起こりて、その侮りをも受けぬべき勢いに迫りければ、朕が皇祖仁孝天皇(おおじのみことにんこうてんのう)、皇孝孝明天皇(ちちのみことこうめいてんのう)、いたく宸襟を悩し給ひしこそ、かたじけなくも又かしこけれ。
 然るに、朕いとけなしくして天津日嗣(あまつひつぎ)を受けし初め、征夷大将軍その政権を返上し、大名小名その版籍を奉還し、年を経ずして海内(かいだい)一統の世となり、古の制度に復しぬ。是れ文武の忠臣良弼(りょうひつ)ありて、朕を輔翼せる功績なり。
 歴世祖宗の専ら蒼生を憐み給ひし御遺沢なりといえども、しかしながら我臣民の其の心み順逆の理を弁へ、大儀の重きを知れるが故にこそあれ。
 されば此の時に於て、兵制をあらため我国の光を輝かさんと思ひ、此の十五年が程に、陸海軍の制をば、今の様に建て定めぬ。その兵馬の大権は、朕が統ぶる所なれば、其の司々をこそ臣下には任すなれ。
 其の大綱は朕みずからこれをとり、あて臣下に委ぬべきものにあらず。
 子々孫々に至るまで篤くこの旨を伝へ、天子は文武の大権を掌握するの儀を存して再び中世以降の如き失体なからんことを望むなり。朕は汝等軍人の大元帥なるぞ。
 されば朕は汝等を股肱と頼み、汝等は朕を頭首と仰ぎてぞ、其の親しみは特に深かるべき。
 朕が国家を保護して、上天(しょうてん)の恵に応じ祖宗の恩に報いまいらする事を得るも得ざるも、汝等軍人が其職を尽すと尽さざるとに由るぞかし。
 我国の稜威振るはざることあらば、汝等能く朕と其の憂いを共にせよ。
 我が武これ揚がりて其の栄を輝さば、朕汝等と其の誉をともにすべし。
 汝等皆其の職を守り、朕と一心になりて力を国家の保護に尽さば、我国の蒼生は永く太平の福を受け、我国の威烈は大いに世界の光華となりぬべし。
 朕斯くも深く汝等軍人に望むなれば、なお訓諭すべき事こそあれ。
 いでや之を左に述べむ。

一 軍人は忠節を尽すを本分とすべし。
 およそ生を我国にうくるもの、誰かは国に報ゆるの心なかるべき。
 まして軍人たらん者は、此心の固からでは物の用に立ち得べしとも思はれず。
 軍人にして報国の心堅固ならざるは、如何程技芸に熟し学術に長ずるも、なお寓人にひとしかるべし。
 其隊伍も整い節制も正しくとも、忠節を存せざる軍隊は、事に臨みて烏合の衆に同じかるべし。
 そもそも国家を保護し国権を維持するは兵力に在れば、兵力の消長はこれ国運の盛衰なることを弁へ、世論に惑わず政治に拘らず、只々一途に己が本分の忠節を守り、義は山獄よりも重く、死は鴻毛よりも軽しと覚悟せよ。
 其の操を破りて不覚を取り、汚名を受くるなかれ。

一 軍人は礼儀を正しくすべし。
 およそ軍人には、上元帥より下一卒に至るまで、其間には官職の階級ありて統属するのみならず、同列同級とても停年に新旧あらば、新任の者は旧任のものに服従すべきものぞ。
 下級のものは上官の命を承ること、実は直に朕が命を承る義なりと心得よ。
 己が隷属する所にあらずとも、上級の者は勿論、停年の己より旧きものに対しては、総て敬礼を尽すべし。
 また上級の者は下級の者に向ひ、いささかも軽侮驕傲(けいぶきょうごう)の振舞あるべからず。
 公務のために威厳を主とする時は格別なれども、其外は務めてねんごろに取扱ひ、慈愛を専一と心掛け、上下一致して王時に勤労せよ。
 もし軍人たるものにして礼儀を紊り、上を敬はず下を恵まずして、一致の和諧を失ひたらんには、ただに軍隊の蠹毒(とどく)たるのみかは、国家の為にもゆるし難き罪人なるべし。

一 軍事は武勇をとうとぶべし。
 夫れ武勇は、我国にては、古よりいとも貴べる所なれば、我国の臣民たらんもの、武勇なくては叶ふまじ。
 まして軍人は戦いに臨み敵に当たるの職なれば、片時も武勇を忘れてよかるべきか。
 さはあれ、武勇には大勇あり、小勇ありて同じからず。血気にはやり粗暴の振舞なとせんは武勇とは謂ひ難し軍人たらむものは常に能く義理を弁へ能く胆力を練り思慮を殫して事を謀るへし小敵たりとも侮らす大敵たりとも懼れす己か武職を尽さむこそ誠の大勇にはあれされは武勇を尚ふものは常々人に接るには温和を第一とし諸人の愛敬を得むと心掛けよ由なき勇を好みて猛威を振ひたらは果は世人も忌嫌ひて豺狼なとの如く思ひなむ心すへきことにこそ。

一、軍人は信義を重んすへし。
 およそ信義を守ること常の道にはあれとわきて軍人は信義なくては一日も隊伍の中に交りてあらんこと難かるへし信とは己か言を践行ひ義とは己か分を尽すをいふなりされは信義を尽さむと思はヽ始より其事の成し得へきか得へからさるかを審に思考すへし朧気なる事を仮初に諾ひてよしなき関係を結ひ後に至りて信義を立てんとすれは進退谷りて身の措き所に苦むことあり悔ゆとも其詮なし始に能〃事の順逆を弁へ理非を考へ其言は所詮践むへからすと知り其義はとても守るへからすと悟りなは速に止るこそよけれ古より或は小節の信義を立てんとて大綱の順逆を誤り或は公道の理非に踏迷ひて私情の信義を守りあたら英雄豪傑ともか禍に遭ひ身を滅し屍の上の汚名を後世まて遺せること其例尠からぬものを深く警めてやはあるへき

一、軍人は質素を旨とすへし。
 およそ質素を旨とせされは文弱に流れ軽薄に趨り驕奢華靡の風を好み遂には貧汚に陥りて志も無下に賤くなり節操も武勇も其甲斐なく世人に爪はしきせらるヽ迄に至りぬへし其身生涯の不幸なりといふも中〃愚なり此風一たひ軍人の間に起りては彼の伝染病の如く蔓延し士風も兵気も頓に衰へぬへきこと明なり朕深く之を懼れて曩に免黜条例を施行し略此事を誠め置きつれと猶も其悪習の出んことを憂ひて心安からねは故に又之を訓ふるそかし汝等軍人ゆめ此訓誡を等間にな思ひそ

 右の五ケ条は軍人たらんもの暫も忽にすへからすさて之を行はんには一の誠心こそ大切なれ抑此五ケ条は我軍人の精神にして一の誠心は又五ケ 条の精神なり心誠ならされは如何なる嘉言も善行も皆うはへの装飾にて何の用にか立つへき心たに誠あれは何事も成るものそかし況してや此五 ケ条は天地の公道人倫の常経なり行ひ易く守り易し汝等軍人能く朕か訓に遵ひて此道を守り行ひ国に報ゆるの努を尽さは日本国の蒼生挙りて之 を悦ひなん朕一人の懌のみならんや


軍人勅諭(現代語訳)

 我が国の軍隊は、代々天皇が統率してきた。
昔、神武天皇が自ら兵を率いて統制に従わない者を討ち取り、天皇の地位につき、天下を開いてらか二千五百年が経った。


この間、世の中の移り変わりに従って、軍隊も移り変わった。昔は天皇自ら軍隊を率いたり、時には皇后、皇太子が代わることもあったが、兵を率いる権力を臣下に任せたことはなかった。

中世になって、文武の制度を中国風にならって、いろいろと改革し、軍隊の制度も整ったが、太平の世に慣れてしまったため、朝廷の政治が弱くなり、兵はいつしか武士となって、軍隊の権力も武士に移った。世の中の乱れとともに政治の権力もまた武士に移り、我が国体は我が天皇家代々の制度に反して浅ましい社会になった。

時代は下って、徳川幕府も衰え、外国の圧力が迫って来た頃、天皇である私の先祖の仁孝天皇や孝明天皇が心を痛めていた折、私は幼くして天津日嗣を受けたが、その時、征夷大将軍がその政権を返上し、大名小名もこぞって版籍を天皇家に返したので、まもなく昔の制度に復帰した。それも文武の忠臣たちが私を助けてくれた功績であった。

 この時に、兵制を改めて、我が国の威光を輝かすために陸海軍の制度を現在のように定めたのである。

 軍隊の大権は天皇である私がもつものであって、決して臣下に委ねるものではないことを子々孫々まで伝えるべきものである。そして、再び中世のような失態をすることがないように、望むものである。

 天皇である私は、お前達軍人の大元帥である。
天皇である私はお前達を最も頼れる臣下だと思っている。お前達も天皇である私を頭首と仰いでほしい。天皇である私が国家を守り、我が天皇家の先祖の恩に報いることができるかどうかは、お前達軍人がその責任を果たすか果たさないかにかかっている。


 我が国の天皇の威光が輝くのは、お前達が天皇である私と共に心を一つにして力を国家の守りに尽くすことによってもたらされるものである。そうすれば、我が国は、太平の幸福を受け、世界に光輝く国となろう。天皇である私は、このように深くお前達軍人に期待しているのだから、次に訓示を述べる。

 一、軍人は忠節を尽くす事が本分である。
 我が国で生を受けた者が、国に報いるという心がない軍人は何の役にもたたない。また、軍人が国に報いる心が強くなければ、たとえすぐれた技術や学問をもっていてもつまらない者であり、また、規律正しい軍隊であっても忠節がない軍隊は役にたたないくだらない者の集まりでしかない。もともと、国家を守り、維持するのは軍隊であって、軍隊の善し悪しが国の盛衰をも左右する。たとえ世論にまどわされる政治があったとしても、ただ本分の忠節を守り、忠義は山よりも重く、死は細い毛よりも軽いことを覚悟することである。

 一、軍人は礼儀を正しくすべきである。
 軍人は、上は元帥から下は一兵に至るまで階級がある。また、同じ階級でも、経験の古い者と新しい者がいる。下の者は上の者に、新しい者は古い者に、服従すべである。上の者の命令は、天皇である私の命令と同じものである、と心がけよ。

 上の者は、下の者を軽く見たり侮ってはいけない。威厳をもつのは良いが、慈愛の心で接すべきである。軍人がこの礼儀を失しなった時、軍隊のみならず国家のためにも許されない罪人となる。

 一、軍人は、武勇を尊ぶべきである。
 武勇は日本古来のものであり、敵に向かっていくのが軍人であるから、当然武勇は大切である。武勇は大小があって同じではない。血気にはやるのは武勇とは言えない。義理をわきまえ、小さな敵を侮らす、大きな敵にも恐れることなく、自分の本分を尽くすことが誠の武勇である。武勇を尊ぶものは、温和を第一とし、人々の気持ちを得るようにすべである。 

 一、軍人は信義を重んじるべきである。
 一般人でも、このことは大切だが、特に軍人はこれなくしてはとても軍人とはいえない。信義とは、信が言行一致をいい、義が自分の分をわきまえることである。できないことを安易に引き受けた後できなかったことなどは、信義に反することである。また、小さな信義を守るために大きな信義を失ったり、個人的な信義を得るために公の信義を失ってはならない。

 一、軍人は質素を大切にすべきである。
 質素を大切にしなければ、弱くなり、贅沢になり、心が貧しくなり、志もおろそかになり、武勇もなくなる。そして、ついには生涯を不幸にしてしまう。これが軍隊の中で蔓延すれば、軍隊は士気が上がらず衰えていくしかない。天皇である私はこのことを深く心配している。お前達軍人は、このことを決して忘れてはならない。

 右の五カ条は、軍人となった時から決しておろそかにしてはならない。この五カ条は我が軍人の精神である。お前達軍人は、天皇である私の教えによく従って、国に報いるという務めを果たすことが、日本国の隆盛につながる。そうなることは天皇である私一人の喜びではないはずだ。

侵略の定義に関する決議

 1974年12月14日に、国際連合総会の第29回総会で採択された侵略の定義に関する決議である。

 2013年4月23日の参院予算委におけいて、いわゆる「村山談話」に関して安倍晋三は、「侵略という定義は学会的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」と答弁した。

 しかし、国連の場では、基本的な定義はすでに決議として成立している。

 アメリカの国連決議に基づかない軍事行動を侵略とするかどうかなどで利害対立が伴うので、これをどう解釈し、現実の国際政治に適用するかは、いまだ一部についての合意ができていないとはいえ、 第2次世界大戦や太平洋戦争については、その定義はそのまま適用することができることは疑いようがない。


侵略の定義に関する決議
(国連総会決議 3314)

第1条(侵略の定義)

 侵略とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であ って、この定義に述べられているものをいう。

第2条(武力の最初の使用)

 国家による国際連合憲章に違反する武力の最初の使用は、侵略行為の一応の証拠を構成する。ただし、安全保障理事会は、国際連合憲章に従い、侵略行為が行われたとの決定が他の関連状況(当該行為又はその結果が十分な重大性を有するものではないという事実を含む。)に照らして正当に評価されないとの結論を下すことができる。

第3条(侵略行為)

 次に掲げる行為は、いずれも宣戦布告の有無に関わりなく、二条の規定に従うことを条件として、侵略行為とされる。

(a) 一国の軍隊による他国の領域に対する侵略若しくは、攻撃、一時的なものであってもかかる侵入若しくは攻撃の結果もたらせられる軍事占領、又は武力の行使による他国の全部若しくは一部の併合

(b) 一国の軍隊による他国の領域に対する砲爆撃、又は国に一国による他国の領域に対する兵器の使用

(c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖

(d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は船隊若しくは航空隊に関する攻撃

(e) 受入国との合意にもとづきその国の領域内にある軍隊の当該合意において定められている条件に反する使用、又は、当該合意の終了後のかかる領域内における当該軍隊の駐留の継続

(f) 他国の使用に供した領域を、当該他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを許容する国家の行為

(g)) 上記の諸行為い相当する重大性を有する武力行為を他国に対して実行する武装した集団、団体、不正規兵又は傭兵の国家による若しくは国家のための派遣、又はかかる行為に対する国家の実質的関与

第4条(前条以外の行為)

 前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は、その他の行為が憲章の規定の下で侵略を構成すると決定することができる。

第5条(侵略の国際責任)

 政治的、経済的、軍事的又はその他のいかなる性質の事由も侵略を正当化するものではない。

 侵略戦争は、国際の平和に対する犯罪である。侵略は、国際責任を生じさせる。

 侵略の結果もたらせられるいかなる領域の取得又は特殊権益も合法的なものではなく、また合法的なものととし承認されてはならない。

第6条(憲章との関係)

 この定義中のいかなる規定も、特に武力の行使が合法的である場合に関する規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、又は縮小するものと解してはならない。

第7条(自決権)

 この定義中のいかなる規定も、特に、第三条は、「国際連合憲章に従った諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」に言及されている。その権 利を強制的に奪われている人民の、特に植民地体制、人種差別体制その他の形態の外国支配化の下にあ る人民の、憲章から導かれる自決、自由及び独立の権利を、また国際連合諸原則及び上記の宣言に従いその目的のために闘争し、支援を求め、かつ、これを受け入れるこれらの人民の権 利をいかなる意味においても害するものとするものではない。

第8条(想定の解釈)

 上記の諸規定は、その解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解されなければならない。


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