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社会福祉・健康・医療行政 2015〜
障害者福祉 高齢者福祉 こどもの福祉




済生会県理事会で、加須市移転方針を決定
『声と眼』532号 2017/6/9

 5月8日に済生会県理事会が開かれて、済生会栗橋病院の移転計画が事実上決定され、29日の市議会全員協議会にその経過が報告されました。

 理事会に提案された「栗橋病院整備基本方針」の内容は、
(1)加須市に200床規模の急性期病院を建設する。すでに加須市で用地確保と財政支援の体制が確立しているので、ここに施設整備を進める、
(2)現在の栗橋病院は地域包括ケアシステム等の地域医療施設として再整備していく。再整備は今後、地域や久喜市と協議し、病床機能や整備資金の確保のめどがついた段階で実行していくとされています。

 この方針案は全会一致で決定されましたが、今後1年程度をかけて、2か所での病院の具体的な経営や採算性などを検討し、その後に済生会本部で最終決定を行います。
つまり、(1)現在の済生会栗橋病院の機能を加須と栗橋の2か所に分割して運営していくのか、
(2)2か所では採算が取れないと判断された場合、加須市の新病院だけでの運営になるのかなど、本部で最終決定して実行に移されることになります。

 この決定に対して、済生会県副会長として理事会に出席した田中市長は、『加須市に200床規模の急性期病院の建設が決定されれば、栗橋のベッド数は130床程度となり、現在の栗橋病院の機能の継続は不可能になる。これまで栗橋病院に地域救急センターを整備して第3次救急を目指してきたので、急性期病床は不可欠である。地域包括ケア病床としての再整備では地元住民の立場に立った医療が行われない』として反対を表明しました。
さらにこの案では『久喜市として財政支援はできない』ことも述べています。

 全員協議会でこの報告を受けて4人の議員が質問や意見を述べました。
私は、市長および部長からの報告が文字通りの経過報告だけにとどまって、久喜市としてこれからどのように行動していくか、対応方針がまったく示されなかったことについてただしました。
残念ながら市長は「まだどうするかの方針は出ていない」と答えただけでした。

 しかし今回の済生会県理事会の「基本方針」の決定に基づき、これから具体化のための検討がスタートすることになります。
済生会病院の中核機能の移転が避けられないとしたら、久喜市としては、栗橋に外来・救急診療などのできるだけ多くの機能を残す計画を要求していかなければなりません。
そのためには久喜市から新たに施設整備や運営費の助成も検討していく必要があるのではないでしょうか。
久喜市の新たな対応方針が求められます。

★久喜市は済生会移転問題に対して『移転そのものに反対だから、栗橋に残る機能について協議しない、財政支援もしない』という姿勢のままでいいのか。
今後の対応方針を早急に示すべきだろう。★


済生会病院・急性期機能の加須市移転方針を決定
栗橋地区に残る機能とは何か
2017/5/19

  5月8日に済生会埼玉県支部理事会が開かれて、済生会栗橋病院の一部機能を加須市に移転して、200床規模の急性期病院を建設する基本方針を決定しました。

 各新聞の報道記事の概要は以下の通り

【埼玉新聞 5月9日】

 基本方針は、▼加須市に200床規模の急性期病院を建設する、▼現在の栗橋病院の再整備は、地域包括ケアシステムなどの地域医療に必要とされる医療施設を構築する、▼再整備は病床機能や整備資金の確保の目処が付いた段階で実行する。
 提案理由は、加須市で用地確保と財政支援の準備が整っているため、施設整備が実行可能である
 今後の栗橋病院の施設整備は地域や久喜市と協議する必要があるとしている

【毎日新聞 5月9日】

 加須市に200床規模の急性期病院を建設する基本方針が承認された。
 県済生会は今後1年程度かけて具体的な計画を詰め、済生会本部(東京)の検討をあおぐ。計画は順調に進んでも開院までには数年かかる見通し。
 理事会には田中久喜市長が出席し、慎重な検討を求める意見を述べたが基本方針は出席した理事全員が賛成した。
 久喜市の現在地には、急性期から回復期の医療施設を整備するとした。
 田中市長は「決定は重く受け止めるが遺憾だ。病院の経営がうまくいくのか不安はぬぐえない」と話した。 

【毎日新聞 5月10日】

 施設整備の基本方針は、加須市に200床規模の急性期病院を建設し、現在の栗橋病院には急性期から回復期の患者をカバーする「地域包括ケアシステム」などの医療施設を構築するというもの。
 栗橋病院の病床数は329床で、栗橋に129床が残るが、具体的な将来像は地元と協議しながら詰めるとした。
 田中久喜市長は、「久喜市に全く話をしないで秘密裏に覚書を進めてきた。スタートからやり方が間違っていたのではないか」と不快感をあらわにする。
 栗橋病院は2011年に地域救急センターを設け、重篤な患者を受け入れる「3次救急医療」の提供をめざしてきたが、経験豊富な医師の確保など必要な要件を満たしていない。急性期診療部門を加須市に集中しても、3次救急医療の実現は未知数だ。
 (久喜市には市中心部に新久喜総合病院もあるが)、加須市の移転用地は栗橋病院から西へ10q以上離れており、栗橋病院周辺の住民にとってはマイナス面の影響が生じるとみられる 

 いくつか補足しておきたい。 
 まず田中市長の立場だが、済生会埼玉県支部の会長は上田知事、副会長に田中市長を含め3名が就いており、理事会に出席することはできるが、発言権も議決権もないという。
 したがって、新聞報道では理事会で「全員賛成」とあるが、田中市長は議案に対して「遺憾である」と言うのがせいいっぱいで、賛成や反対の表明はできない立場だったという。

 済生会の急性期機能を加須市に移転する方針はこれでほぼ「決定」されたと言えよう。
 これまでの病院側の説明や新聞報道によると、今後、病院機能を2つに分けて、経営が成り立つのかなどの経営計画を策定した上で、済生会の本部で検討され、そこで承認されれば「正式決定」となるが、それまでに1年はかかるという。
 さらにその後に、具体的な移転計画を策定し、新病院の建設を進めていくことになるが、移転、加須市の新病院の開院までには早くても3〜4年はかかるとされている。

 久喜市としては、急性期機能の加須市移転と、栗橋の現病院には「地域包括ケアシステム」機能を残すという「基本方針」が決定された以上、今後は、この基本方針を前提として、栗橋地区にどのような機能を残すのかの検討をしていかざるを得ない。
 地域包括ケアシステムの機能に加えて、外来、急性期の診療機能を一部でも残せるのか、どのように残すのか、これまでの説明だと基本的に入院機能は残さないとされているが、それでは困るので、一部でも残させるための協議をしていく必要があるのではないか。
 その際、栗橋地区に残す機能に対して、久喜市から運営費の補助金を継続的に支出することも検討せざるを得ないのではないか。

 ちなみに、加須市はすでに、栗橋に残す病院機能に対して、加須市からの補助金を充当することも容認する意向であることを表明している。

5月29日の市議会全員協議会における
市長および健康増進部長からの経過報告の概要

 理事会に提案された基本方針案は、
1.栗橋病院の施設整備は、将来的にも地域医療に貢献できるように、総合的な施設整備とする。
2.施設整備の内容としては、加須市に200床規模の急性期病院を建設する。さらに、現在の栗橋病院の再整備については、地域包括ケアシステム等の地域医療に必要とされる医療施設を構築していく。
3.この再整備にあたっては、病床機能や整備資金の確保の目途がついた段階で実行する。

 その理由は、
1.栗橋病院は、本館の建設から28年が経過して、施設・設備の老朽化が進み、2025年を含めたその後の人口動態に則った医療機能の維持・強化を図るため、抜本的な施設整備が必要である。
2.地域医療構想に基づき、栗橋病院が総合的な施設整備を実施することで、利根保健医療圏全体の医療提供体制が強化される。
3.新たな建設を予定している新病院は、加須市において既に用地確保と財政支援の準備が整っているため、当該地における施設整備が実行可能である。
4.栗橋病院の施設再整備については、今後において地域及び久喜市と協議し、地域医療に貢献できる医療施設を構想していく必要かある。

 理事からの意見としては、
「老朽化による立て直しが必要な状況は理解する」
「加須市の中心部に移るのは、地域的には良いと思う」という肯定的な意見
「最終的には、経営判断としてどちらか選ぶべき」
「病院長の経営判断を尊重していくべき」
「病院が自立して、地域住民に寄与すること」などの経営面を重視した意見
「加須市に移った場合の地域住民のアクセスの問題なども含め、決定してほしい」という意見もあったという。

 議長から、
「支部理事会で基本構想が決まっても、その後、2つの病院の事業採算性のシミュレーション等を行い、明らかにしてから、本部に上げる。
今回は、そのスタート地点に立つたということだ。
支部理事会の決定が最終決定ではなく、本部の決定が最終決定である。」という確認をされたという。

 【田中市長からの反対意見】
「栗橋病院施設整備の基本方針(案)」に対する反対の理由として、
 地域救急センターを整備し、第3次救急を目指している栗橋病院にとっては、急性期病床は不可欠である。
 提案された地域包括ケア病床の整備では、地元住民の立場に立った医療が行われないと判断する。
 そして、この案では、久喜市として、財政支援はできないことも述べたという。

 栗橋病院施設整備の基本方針(案)に対しては、
 「加須市に200床規模の急性期病院の建設」が決定されれば、現在の栗橋病院の329床を分けることになる。
 栗橋病院のベッド数は、130床程度となり、現在の栗橋病院の機能の継続は不可能になるとして、反対の意思を表明した。

久喜市民の「とねっと」登録者、4932人(3.2%)
2017/4/22

 久喜・加須など7市2町で構成している利根保健医療圏で「とねっと」というシステムを作っています。
地区内の病院や診療所でネットワークで結んで医療情報を共有し、救急搬送時などに活用するもので、今年3月31日現在で、9市町全体で2万9038人(人口比4,44%)が登録しています。
参加目標は5万人としていますが、昨年度からほとんど増えていません。
 住民の加入率が高いのは、加須市11.23%、幸手市5.87%などとなっています。
久喜市内の登録者数は4932人(3.20%)で1年間で217人の増に過ぎず、市の参加目標9600人の約半分にとどまっています。

2017年 2016年
カード発行者数 人口 加入率 カード発行者数 人口 加入率
行田 903 93,249 0.97% 897 82,142 1.09%
加須 12815 114,082 11.23% 12259 112,302 10.92%
羽生 1648 55,589 2.96% 1612 54,984 2.93%
久喜 4932 154,224 3.20% 4715 151,904 3.10%
蓮田 426 62,503 0.68% 418 62,387 0.67%
幸手 3089 52,659 5.87% 2884 52,535 5.49%
白岡 271 52,136 0.52% 265 51,550 0.51%
宮代 1535 33,574 4.57% 1470 33,859 4.34%
杉戸 3419 46,064 7.42% 3247 45,521 7.13%
29038 664,080 4.37% 27767 647,184 4.29%

 9市町の中では加須市が特に参加率が高く、それに次いで杉戸町や幸手市が高いのは、加須市を中心とした北埼玉医師会がリードして、管内の医療機関が多く登録しているからと考えられ、当然、行政も積極的に協力しています。

医療機関数 医療機関の参加数 参加率
行田 37 6 18.4%
加須 46 35 76.1%
羽生 31 11 35.5%
久喜 75 21 26.7%
蓮田 32 4 12.5%
幸手 31 16 51.6%
白岡 31 0 0.0%
宮代 14 4 28.6%
杉戸 17 7 50.0%
316 105 33.2%

 久喜市は、2年後に「とねっと」のシステム更新が計画されているので、それに合わせて市内の医療機関の参加も増やすように取り組んでいく計画であるとしています。
 それにしても、久喜市における市民の参加を増やすための行政の取り組みが立ち後れているのは否めません。


済生会病院あり方検討委員会の結論は「加須市への移転」
『声と眼』529 2017/3/31

 済生会栗橋病院は、3月23日に開かれた「あり方検討委員会」で、『まず加須市に200床規模の急性期病院を建設する』、現在の栗橋病院は『本館と東館を再整備し、地域包括ケアシステムを担う』、また『総合的な施設整備のために久喜市と加須市に財政支援を要請する』という施設整備の最終案が提示されました。
事実上、病院の本体は加須市へ移転して、その後に現病院は回復期や地域療養機能を担う病棟として再整備するという計画です。
久喜市はこの結論に反対を表明したため、検討委員会としてはまとまらず、今後は埼玉県済生会理事会で検討されます。

 すでに加須市は30億円の病院整備の基金と、加須駅南側地区に4万uの用地を確保し、現病棟を含めた総合的整備に助成する姿勢も示しています。
久喜市は病院開設以来これまでに約7億円の助成金を支出してきており、今年度当初予算にも4791万円の運営費補助を計上しました。
また現在地周辺で建て替えする際には助成を検討すると表明していますが、移転の場合には過去の補助金の返還も求めていく方針です。


済生会栗橋病院の加須市移転問題の「結論」
2017/3/3

 「栗橋病院施設整備基本構想案」が提出され、加須市への移転を進める方針が提案されました。
 昨年3月に、済生会病院と加須市の閧ナ「一部機能の移転」に関する覚え書きが明るみに出て、その後、久喜市議会で移転反対の決議、市長らが国や済生会本部に移転反対の陳情を行うなどの取り組みをしてきました。
 一方、加須市では加須駅南口付近に移転用地を確保、病院建設のために30億円の基金積み立てなど、移転促進の働きかけを強めてきました。

 1月に開かれた第5回検討委員会では、済生会栗橋病院の施設整備にかかる概算費用が提示されました。
 それによると、
【A案】 栗橋の現在地周辺で本館を建て替えする案
・旧本館(10500u)解体工事…2億6000万円
・新病棟(209床)新築…76億5000万円
・東館(100床・3500u)耐震補修・改修…7億4000万円
・地域救急センター(20床)はそのまま維持する
・医療機器の更新…35億円
《合計 121億5000万円》

【B案】 本館を加須へ移転、東館と地域救急センターを現在地に残す
・本館を加須市に移転新築(209床・15000u)…63億8000万円
・現在地に総合外来センターの新築…12億8000万円
・東館(100床・3500u)耐震補修・改修…7億4000万円
・地域救急センター(20床)はそのまま維持する
・医療機器の更新…35億円
《合計 121億5000万円》

 久喜市は現在地で本館を建て替える【A案】を主張しましたが、2月15日に開催された第6回検討委員会に提示された「栗橋病院施設整備基本構想案」では、『第一次再整備として【B案】を実施する』という「結論」が明記されました。

 この結論に至った理由として、『用地が確保され、財政支援が得られるため、建設費用借入金の償還が可能』とし、加須市が土地を確保して無償で提供することや、建設補助金として基金を積み立てていることなどが示されています。
 3月中に開かれる予定の検討委員会で、最終合意がはかられるものと思われます。

 なお、『関係団体の協力を得て資金確保のめどが立った段階で、第二次再整備として現本館の再整備を実施する』とも書かれています。
 これは、久喜市などが資金を出すことを約束すれば、現本館の建て替えにも含みを残したものと読み取れますが、本館を加須市へ移転新築した後で、栗橋地区に現本館の建て替えも行うことがあり得るのかどうか、たいへん疑問です。
 加須市内への新病院と、現病院を2か所で維持するということは、病院機能が重複して経営的に成り立つとは思えませんが、どういう意味で「第2次再整備」を行うとしているのかは真意不明です。。

 また、これまでに提出された構想では、東館は現在地に残すものの、救急機能は加須市の新病院へ移すとしていること、地域救急センターには入院機能は持たないともしています。
 とすると、今回の構想案に明記された「東館100床」と「地域救急センター20床」がどういう意味を持つのかも明らかになっていません。


済生会栗橋病院の移転問題の検討が進んでいる
加須に「新病院」を建設、「現病院」は慢性期病棟として残す?
2017/1/4

 昨年3月に、済生会栗橋病院の加須市への移転問題が明らかになりました。
 その後、栗橋地区では移転反対運動も取り組まれ、久喜市は移転反対の方針を決定、一方、加須市では加須駅南地区に移転用地を確保するとともに、建設補助金を支出するための誘致基金を設置しました。
  昨年8月に、済生会栗橋病院内に「栗橋病院あり方検討委員会」を設置、久喜市と加須市の医療行政担当者からも委員を選任して、12月までに4回の会議が開かれ、今年3月までに移転(新病院建設)問題の結論を出すことになっています。

 12月15日に開かれた第4回検討委員会には、「平成37年(2025年)を見据えた当院のあり方」の原案が示されました。その概要は次の通りです。
(1)現在の病院を再整備することとし、「新たに病院(新病院)を建設することで抜本的な施設整備を行う」。
(2)地域の実情に照らし合わせて医療機能の分化と連携をはかる」。
(3)「新病院」と「旧病院」は、医療機能を相互に補完する」。
(4)新病院の建設費用と現病院の再整備の費用は、自己資金と公的助成による。…つまり、加須市からの助成金を受けて「新病院」を建設することが前提のようです。
(5)現病院の再整備にかかる費用は、久喜市と埼玉県の公的助成による。
(6)新病院は「高度急性期、急性期の機能」を担い、現病院は「回復期と慢性期および在宅の機能」を担う。
(7)現病院の外来機能は、新病院との相互補完や地域医療の実情から、「俯瞰的な視野のもとで判断する」。…「俯瞰的な視野」って、意味がよくわかりません。
(8)現病院の地域救急センターは「引き続き2次医療を担当する」。ただし「重症入院の受け入れは新病院とし、、現病院は急性期の病床を持たない」。

 加須市と久喜市の綱引きが行われていて補助金の対象や金額も決まっていない中で、この原案の表現はたいへんわかりにくくなっているのですが、久喜市としては現状を真摯に厳しく受け止める必要があります。
 第1に、済生会栗橋病院は、「現病院」とは別に、急性期の患者を受け入れるための「新病院」を建設するとしているのは、加須市への移転を前提としていると受け止められます。
 第2に、南栗橋の「現病院」は存続するとしています。
 しかし急性期病床は廃止して回復期と慢性期の医療を行う、また「地域医療救急センター」でも、重症入院は受け入れない、急性期の病床を持たないとすると、残された「現病院」で救急医療の機能をどれだけ果たせるか、大いに疑問があると言わざるを得ません。

 久喜市は「現病院の再整備」にかかる費用の補助金を求められた格好ですが、今のところ、今後策定される基本構想案を見てから支援策を検討することにしています。
 一方、加須市からは、用地は「加須駅南口、徒歩5分のところに、約4万uの土地を確保し、そこに、高度急性期・急性期機能をもった新病院を建設することを前提に、病院建設費等、医療体制の整備に対する経費の財源として、「医療体制確保基金」を設置し、現時点で30億円をつみたてている、運営費支援や医療従事者確保対策の充実を図るための支援も検討しているとの考えが示されています。

 加須市の用地確保や補助金・基金の設置などの積極的な対応と較して、久喜市行政の立ち後れは否めません。
 久喜市としては公式的には、「新病院」でなく現病院の隣接地に「新病棟」の建設を期待しているとしていますが、本気で加須への移転を阻止する考えがあるのかどうか疑問です。

 栗橋病院を現在地にとどめるためには、加須市以上の支援策や補助金を出さなければなりませんが、かつてJA厚生連の幸手総合病院を久喜に誘致して「久喜総合病院」を作るに際して36億円の補助金を出したにもかかわらず、5年間で身売りせざるを得なかった経験もあります。
 また当時も、久喜に移転した後も、幸手に「慢性期病棟は残すと説明されていましたが、結果的には残りませんでした。
 こうした経過と現状を見ると、久喜市はたいへん厳しい状況に置かれていると言わざるを得ません。


【一般質問】 「とねっと」の登録、参加拡大を求める
2016年9月市議会 猪股の一般質問  『声と眼』518 2016/9/20

「とねっと」は久喜市や加須市など7市2町で構成している“地域医療連携ネットワーク"です。
かかりつけ医と病院間で、持病や投薬、検診結果などの患者の医療情報を共有して診察や治療に活用しようというものです。
「とねっと」に登録すると「かかりつけ医カード」が交付され、緊急時などには救急車のタブレットから患者の医療情報にアクセスして、初期治療に役立てることができることになります。

 2012年からスタートしましたが、9市町全体の登録者は今年5月までで住民の4.3%(3万人弱)にとどまっています。
久喜市民の登録者はさらに低い3.1%(4715人)にすぎません。
圏域内で登録率が高いのは、加須市が人口の10.9%(1万2259人)、杉戸町7.1%(3247人%)などとなっています。
地域医療の連携や特に救急医療に対応していくためにも、久喜市でも「とねっと」の登録者を拡大していくことが求められています。
市では登録者が少ないことを認めながら、パンフレットの配布や制度のPRにとどまってそれ以上の有効な対策を持っていません。

 一方、医療機関の「とねっと」への参加は、加須市では市内の医療機関の中で76.1%にまで達していますが、久喜市内では26.7%(75医療機関の中の20)が参加しているにすぎません。
市民がかかっている医療機関の参加が少なければ、病院とかかりつけ医の間で医療情報を共有するといっても実際にはできません。
市民(患者)の登録拡大のためには医療機関の参加を増やすことが大前提ですが、久喜では医療機関の参加もまったく増えていません。
 現在、9市町全体では106の医療機関が参加していて、システムに参加するための初期費用や通信費などのほとんどの経費を「とねっと」事務局で負担しています。
今後、医療機関の参加を増やすためにはそれらの財源を保障しなければなりません。
当局は、2年後に「とねっと」のシステム更新が必要になるので、それに合わせて医療機関の参加を200を目標に取り組んでいく計画であることを明らかにしました。

 「とねっと」に登録すると、自分の医療情報ページが開かれて、インターネットで閲覧・確認することができますが、ログインとアクセスがきわめてわかりにくいので、改善するように求めました。

★市長や部長たちの多くも「とねっと」に登録しているが、自分の医療情報のページにはだれもアクセスしたことはないらしい。
市民に登録を勧めるなら、まず自分で使ってみるべきだろう。★


済生会栗橋病院あり方検討委員会
『声と眼』516 2016/8/30

 済生会栗橋病院は施設の老朽化に対応するため、3月に加須市と一部機能の移転に関する覚え書きを締結し、加須市は加須駅南地区に病院用地を確保、病院建設に対する25億円の基金を設置しました。

 その後、済生会栗橋病院は地域医療をどう進めるかなど、地元との共通理解を形成するため、7月に「栗橋病院あり方検討委員会」を設置しました。
建築後27年を過ぎた済生会栗橋病院が、今後も安定した医療の提供の継続と医療機能の強化をめざし、老朽化が進む病院施設のあり方を検討することを目的とし、委員は10名で、済生会関係者の他、久喜市・加須市からも2名ずつ入っています(久喜市の委員は健康増進部長と健康医療課長)。
8月9日に第1回会議が開かれ、今後、
(1)病院の機能、規模等の基本的な方針、
(2)病院の施設整備の基本的な方針、
(3)栗橋病院施設整備基本構想案の策定について協議していくことになっています。
会議は月1回程度、8回を予定、任期は来年3月までとされています。
原則公開で、会議録はホームページで公表します。
次回の会議は9月26日に開かれる予定です。

済生会病院への補助金の拡大を決定

 久喜市は済生会栗橋病院に対して、不採算部門を含む地域医療を担う公的病院であるとの位置づけから、今年度4791万円の運営費補助を行うことを決定しました。
今年7月に済生会栗橋病院から久喜市に対して財政支援の要望書が出されたのに応えたもので、来年度以降も継続する見通しです。
これまでも加須市は独自に運営費補助を行ってきていました。

 また、競艇の場外舟券売り場ボートピア栗橋から売り上げの1%が市に納付されていて、これを原資にした環境整備基金から済生会栗橋病院に対して毎年、医療機器の購入費の2分の1(5000万円)を限度として補助金を交付してきました。
今後はこの補助金を施設や備品の修繕費などにも使えるように使途の制限を緩和することも決定しました。

 市はこれらの補助金や交付金の拡大によって、済生会栗橋病院の移転阻止につなげたい考えです。
しかしこれが、加須市との補助金額のつり上げ競争にならないか、久喜市の財政運営の圧迫につながらないか、慎重に検討していかなければなりません。


久喜市民の「とねっと」登録者、4715人(3.1%)
2016/8/17

 久喜・加須など7市2町で校正している利根保健医療圏で「とねっと」というシステムを作っています。
地区内の病院や診療所でネットワークで結んで医療情報を共有し、救急搬送時などに活用するもので、今年5月までで9市町全体で2万7767人(人口比4.3%)が登録しています。
参加目標は5万人としていますが、ほとんど増えていません。
 住民の加入率が高いのは、加須市10.9%、幸手市5.5%などとなっています。
久喜市内の登録者数は4715人(3.1%)で1年間で59人の増に過ぎず、市が2016年度の参加目標としている9600人の半分以下にとどまっています。

 9市町全体で約3分の1にあたる316の医療機関がネットワークに参加していて、加須市75.6%、幸手市50.0%などとなっています。
 しかし久喜市内では全部で75の医療機関の中で、20(26.7%)の病院・診療所が参加しているに過ぎず、済生会栗橋病院、新久喜総合病院、土屋小児病院、新井病院、東鷲宮病院の他、15の診療所だけです。

 久喜地区 新井医院  久喜市久喜北 2
  岡部内科小児科医院  久喜市久喜東 3
  久喜江面クリニック  久喜市江面
  斎藤医院  久喜市本町 1
  深井眼科  久喜中央4
  宮本医院  久喜市久喜東1
  吉田内科クリニック   久喜市久喜東 3
  よしば診療所  久喜市吉羽1
 菖蒲地区 しょうぶ眼科・内科  久喜市菖蒲町菖蒲
 栗橋地区 まがま内科医院  久喜市間鎌
  浅川医院   久喜市栗橋東2
 鷲宮地区 依田耳鼻咽喉科歯科医院  久喜市上内
  高橋医院  久喜市上内
  堀中脳神経外科クリニック  久喜市東大輪
  矢作整形外科・内科  久喜市東大輪

 「とねっと」は病院と診療所(かかりつけ医)で医療情報を共有できることが最大のメリットとされています。
したがって診療所の参加が少なければ意味がなくなってしまいますから、久喜市民の登録を増やすためには市内の診療所の参加を増やすことが不可欠です。
しかし参加する場合には医療機関で電子カルテの導入や運営費の一部を負担しなければならないため、大きくは増えにくいのが実情です。
 かかりつけ医が参加していなければ、医療情報が共有されることはありませんから、救急の時くらいしか使い途がないということになります。

行田 加須 羽生 久喜 蓮田 幸手 白岡 宮代 杉戸 合計
人口(人) 82,142 112,302 54,984 151,904 62,387 52,535 51,550 33,859 45,521 647,184
市民の
登録者数
897
12259
1612
4715
418
2884
265
1470
3247
27,767
登録率
(人口比)
1.1% 10.9% 2.9% 3.1% 0.7% 5.5% 0.5% 4.3% 7.1% 4.3%
医療
機関数
38 46 31 75 32 31 33 14 16 316
医療機関
の参加数
7 35 11 20 4 16 0 4 8 105
参加率 18.4% 76.1% 35.5% 26.7% 12.5% 51.6% 0.0% 28.6% 50.0% 33.2%

一般市民には使いにくい、システム改善が必要

 また市民が「トネット」に登録して、検診などの記録を記入して自分の健康情報管理にも活用できるというのが宣伝文句になっていますが、実際にはほとんど使われていないようで、システムの改善も必要です。

 2016年5月の1か月間のシステムの利用実績を見ると、
(1)システムを利用した医療機関等の施設は、のべ166施設で参加医療機関の約半数
(2)救急システムののべログイン回数は192回
 その内、医療機関は17回、救急隊等からのタブレットによるアクセスは175回
(3)健康記録へののべログイン回数は22回で、登録者が最大でも20人程度しかアクセスしていないということになります。
 これは私も実際にログインしてみたのですが、ログイン自体がきわめてわかりにくいことや、自分の健康記録へのアクセスや登録も煩雑で使いにくいことが障害になっています。
 県や市の職員や関係者の皆さんは実際に使ったことがあるのかどうかも疑問に思いました。

【参照⇒とねっと健康記録へのアクセス】
 「とねっと」カードを持っている人は試しにアクセスしてみてください。


【6月市議会】 済生会病院の存続を求める決議
『声と眼』513 2016/6/25

 20日の市議会本会議で、「済生会栗橋病院の加須市への移転計画の白紙撤回を求める決議」、栗橋医師会支部長と栗橋地区区長会など54名から提出された「済生会栗橋病院の加須市への移転計画に反対し、現在地または現在地周辺での医療機能の充実と強化を求める請願」を全会一致で可決しました。

 20日、21日には、市長、市議会議長と議会代表、地元区長の代表ら19名で、上田知事、三ツ林厚労相政務官、済生会本部理事長、県済生会支部長らを訪れて、議会決議、加須市長と済生会栗橋病院長の間で締結された覚書の白紙撤回を求める要望書、地元住民1万4248人の要望書などを提出してきました。

 この問題は、3月に済生会栗橋病院長が久喜市長を訪れて、加須市との間で「一部移転」の覚書を締結したことを説明して明らかになりました。
その後、5月2日に済生会埼玉県支部長が久喜市長に、理事会に「加須市への移転に関する議案」を上程することを伝えましたが、市長が議案の取り下げを申し入れて当該議案は取り下げとなっています。
18日には加須市長が初めて久喜市長を訪れ、「一部機能の移転」に理解を求めましたが、田中市長は「了解できるものではない」と回答したそうです。

決議第1号   

埼玉県済生会栗橋病院における高度急性期診療部門の
加須市への移転計画の白紙撤回を求める決議

提出者 井上忠昭
岡崎克巳
川辺美信
杉野  修

 済生会栗橋病院は、平成元年7月の開院以来、旧栗橋町は勿論のこと、近隣地域を含む埼玉県東北部や茨城県西部における地域医療を一身に担ってきて頂いた。合併後の久喜市においても、現実的には医療の厳しい現実があるなかで、済生会栗橋病院にはこれまでの期間、さまざまな機能強化を図りながら、より高度な急性期医療を担って頂き、平成23年12月には地域救急センターを開設して、第三次救急・救命救急センター化を目指しているところである。
 このような中、平成28年3月2 3日、久喜市と久喜市議会に初めて、また4月6日には久喜市に再度病院長が訪問をされ、築30年を迎える本館病棟の老朽化をミ由とした建替えのためと、加須市からの要望に基づいて、加須市に高度急性期医療、急性期疾患に対する一部医療機能の移転についての説明があったが、これよりさきの3月15日には加須市との間に覚書を結び、3月17日に加須市議会全員協議会の場において、そのことの報告がされており、まさに久喜市及び久喜市議会には事後報告に過ぎないものであった。
 さらには埼玉県済生会の副会長でもある久喜市長に事前に知らせない状態で、このような大事を進めるようなことは、まさにこれまで、出来る限りの支援をしながら、ともに築いてきた信頼関係を大きく損なうものであって、承服し兼ねると同時に、突然のこのような発表は、所在地域や周辺の住民に対しての不安や戸惑いに繋がるものとなる。
 久喜市議会としては、済生会栗橋病院における高度急性期診療部門の加須市への移転計画を白紙撤回し、現在地または現在地周辺において新病棟を開設することを求める。同時に、診療科目の充実をしながら地域医療の推進役を担って頂き、早期に第3次救急・救命救急センターヘ移行が出来るよう努力を続け、救急医療に対する機能の充実、強化をして頂けることを求める。
 以上決議する。                              

 久 喜 市 議 会

請  願  書

紹介議員  山田達雄
柿沼繁男
並木隆一
石田利春

件名  済生会栗橋病院の加須市への移転計画に反対し、現在地または現在地周辺での医療機能の充実と強化を求める請願

趣旨  済生会栗橋病院は、旧栗橋町と医師会、地域住民が一体となり、誘致活動を行い、平成元年7月に開院し、以来今日まで埼玉県東北部の利根医療圏、茨城県西部における地域医療の中核病院として、継続的に高度な医療を実践してきており、医師会、地域住民との厚い信頼関係を醸成してきております。
 この間、平成9年10月には埼玉県災害拠点病院の指定を受け、平成11年7月に新病棟が完成し、290床の病院となりました。平成20年1月には第3次救急病院の指定を受け、さらに平成23年12月に地域救急センターを開設しました。また、各診療料も拡充充実が図られてきました。
 しかしながら、築30年目を迎えた本館病棟の老朽化が進み、快適な医療環境の確保が難しくなってきているとのことであります。
 これらを根拠に、済生会栗橋病院の高度急性期医療、急性期疾患に対する医療機能の一部を、加須市に移転するとの報道がありました。済生会栗橋病院は「医療現場で働く喜びを自覚し、医療を通じて社会と地域に貢献します」を目標としておりながら、突然の移転発表に、近隣市町の住民から、「命と健康を守ってくれる拠点病院」を失うことへの不安と戸惑いの声が聞こえております。
 久喜市にある済生会栗橋病院は、利根医療圏の適正適格な位置にあり、交通の利便性も備えており、まずは現在ある救急センター機能の充実発展、診療料の充実を図るべきではないでしょうか。
 済生会栗橋病院の加須市への移転に反対し、現在地周辺への新病棟建設と更なる医療機能の充実強化を求めます。
 今日までの、地元医師会、地域住民との間で築いてきた信頼関係を損なうことなく、この地において済生会栗橋病院が今後とも地域医療の中核を担い、存続し、機能強化を図り、発展していくことを求め、地方自治法第124条の規定により、請願いたします。   
  平成28年5月23日                   

請 願 者    久喜市栗橋医師会支部長 
(省略)
                   久喜市区長会栗橋地区会長
(省略)

久喜市議会議長 井上 忠昭 様

加須市が済生会病院誘致の基金
『声と眼』512号 2016/6/16

 済生会栗橋病院の加須市への移転方針が明らかになってから、反対運動が活発になっています。
4月26日には栗橋地区の議員4名(山田・柿沼・並木・石田議員)と区長46名の連名で「済生会栗橋病院の存置を求める要望書」が市議会議長あてに提出され、済生会埼玉県支部への陳情、さらに地域の反対署名も展開されています。
市議会では15日に全員協議会で最近の状況について説明を受けた上で、本会議で「済生会栗橋病院における高度急性期診療部門の加須市への移転計画の白紙撤回を求める決議」を行う方向で協議しています。

 一方、加須市では6月15日に開会される定例市議会に、済生会病院の一部機能の誘致のために「医療体制確保基金」条例と、積立金25億円を盛り込んだ一般会計補正予算を提案する方針です。
建設予定地は加須駅南口から10分くらいのところ、面積は4万uで、地権者との交渉も始まっているそうです。時期は2020年以降とされています。

★「一部機能の移転」とは、「高度急性期あるいは急性期疾患に対する医療機能」とされ、病院側は「外来機能、回復期やリハビリ、訪問看護は残したい」と説明しています。★


済生会栗橋病院の存置を求める要望書が提出されました
2016/4/14

 済生会栗橋病院の加須市への移転方針に対する反対の動きが強まっています。
 4月26日には、田中市長と井上市議会議長あてに、栗橋地区の議員と区長の連名で、済生会栗橋病院の現在地または周辺部への存置を求める要望書が提出されました。
 市議会でも、6月定例会において、病院の存置を求める「決議」をする方向で協議しています。

済生会栗橋病院の存置を求める要望書

主旨 済生会栗橋病院を現在地又はその周辺部へ存置させる事を強く求めると共に、存置
  に向けた必須の要件として、次事項について十分検討協議を重ね、その具現化を図られ
  たく要望します。
   1.病棟建て替えに向けた基金等の創設。
   2.建て替え可能な病院敷地の確保。
   3.りスクの伴う診療を担う公的病院への支援措置。

要旨 済生会栗橋病院は、旧栗橋町と医師会、地元住民が一体となった誘致活動により、平
  成元年7月に開院、爾来今日まで埼玉県東北部における地域医療の中核病院として、
  継続的に高度な医療を実践できる事業体として貢献をしてきた事は万人が認めるとこ
  ろであります。
   特にこの間、平成9年10月には埼玉県災害拠点病院としての指定、平成20年1月
  には第3次救急病院の指定、平成23年12月には地域救急センターを開設。また診療
  科においてもその拡充充実が図られてきたことは周知のとおりであります。
   然しながら築後30年目を迎えようとする今日、施設の老朽化が進み、快適な医療環
  境の確保が難しい事態となってきているとの声が聞こえております。
   これらを根拠に、他市からの病院本体の移転や急性期疾患に対応する医療機能の
  移転開設を求めるなどの声を聞き及ぶに至り、市民は不安の境地に至っております。
   病院誘致に向けた先人の労苦を思いやった時、一部といえども軽々に病院機能の移
  転を論ずるべきではなく、今日まで市民の命と健康を守る拠点としてその位置づけを
  明確にしてきた恩賜財団済生会栗橋病院が、地域との開に築いてきた信義に惇ること
  なく設立の原点を見据え、地域医療の推進役を担うとの認識に立ち、現位置にとどまり
  医療行為に邁進するための環境整備に向け最大限の努力をされたく、地域住民連署を
  もって要望致します。

  平成28年4月26日

 久喜市栗橋地区議会議員  4名
                         久喜市栗橋地区区長会   46名

 栗橋地区の議員4名は、山田、柿沼、並木、石田議員です。
 栗橋地区の区長の46名全員が署名しています。


済生会栗橋病院が加須市へ移転の方針
2016/4/16

  4月15日、市議会全員協議会で、済生会栗橋病院が加須市へ移転することが報告されました。
 市の説明によると、3月23日に済生会栗橋病院の遠藤院長が田中市長に面会し、その席で、加須市内への移転方針が伝えられたということです。
 栗橋病院は1989年に開院しましたが、その当時の本館はまもなく築後30年になるため、老朽化により建て替えを検討していました。
 今年1月8日に、加須市から病院誘致の要望書が提出され、協議の結果、3月15日には「済生会栗橋病院の一部機能の加須市への移転に関する覚書」を締結し、加須市議会全員協議会に報告されました。
 移転先は、すでに加須市が加須駅の南側10分くらいの場所を提示しており、移転期間は2020年から2025年までには完了する計画とされています。

 「一部機能」とは“急性期医療”をさしていると説明されています。
 また、遠藤院長は「全面移転は考えていない」「栗橋病院をなくすわけではなく、外来機能は残したい、。回復期やリハビリ、訪問看護なども行いたい」と説明しているとのことですが、実際には現在の329床のほとんどが移転することになると見られています。

 田中市長は了解したわけではないと言っていますが、加須市と病院との正式な覚書が締結され、それに基づいて加須市は土地や何らかの「支援」を約束し、病院側も「移転計画」を作成することになっていることから、栗橋病院の中心部分が移転することは事実上の決定と見られます。

 久喜市は、当初の誘致(当時は栗橋町)からこれまでに、栗橋病院に対し約7億円の補助金を支出、用地賃借料に毎年700万円、ボートピア栗橋から市への納付金の中から、療機器購入の補助金として2010年から2014年まで毎年5000万円、2015年には1000万円を交付しています。

 驚くべきことは、久喜市の情報収集能力(危機管理能力)の欠落です。
 久喜市は、市長も医療行政担当部署も、栗橋病院の移転問題について、3月23日に遠藤院長から報告されるまでまったく情報を把握していませんでした。
 昨日の全員協議会の場でも、「覚書」も加須市から病院に1月に提出された要望書も入手できていないということで、これ以上の移転問題に関わる情報はない、わからないということでした。


独自に入手した覚書(下記に全文)

済生会栗橋病院の一部機能の加須市への移転に関する覚書

 加須市(以下「甲」という。)と社会福祉法人恩賜財団済生会支部埼玉県済生会栗橋病院(以下「乙」という。)は、済生会栗橋病院の一部機能の加須市への移転(以下「移転」という。)に関し、次のような項目について確認するため、覚書を取交す。

○ 甲が希望する医療機能は、高度急性期、あるいは急性期疾患に対応する医療機能とする。
○ 甲は、提示した建設候補地について早期に地権者の了解を得るとともに、支援の内容を乙に提示する。
○ 乙は、協議の進捗状況を踏まえて移転に関する計画を作成し、甲に提示する。
○ 甲、乙が努力を重ねても済生会栗橋病院の一部機能の加須市への移転が著しく困難であることが明らかとなった場合は、甲と乙の協議により、本覚書を解除することができる。

 本覚書の取り交わしの証として本書2通を作成し、甲乙各1通を保有するものとする。
  平成28年3月15日                

 (住所略)                
甲 加須市長 大橋良一  (市長の印)
(住所略)                
乙 社会福祉法人恩賜財団済生会支部
埼玉県済生会栗橋病院       
       院長 遠藤康弘   (病院長の印)

これを久喜市行政が入手できないというのは信じられません! 

【2月市議会】 久喜総合病院売却で「和解」の議案に反対しました
2016/3/18

 3月18日、2月定例市議会最終日、議案の討論・採決が行われ、『久喜総合病院の売却に伴う和解と権利放棄』の議案が、賛成多数で可決されました。

【議案51号 久喜総合病院の事業譲渡にかかる和解及び権利放棄】
反対討論

猪股和雄

1.JA埼玉厚生連が、久喜と熊谷における病院経営自体が赤字経営を理由として、民間法人に売却することになった。
4月1日以降において、久喜総合病院の運営と医療を継続させるためには、厚生連が決定した巨樹の会への売却を認めざるを得ないという、この議案は、そうした現状において、厚生連の責任と、新経営主体となる予定の巨樹の会の責任についての3者間の合意を定めるものです。

2.久喜市行政は、久喜総合病院の経営と医療存続のためには、補助金の一部返還を条件として売却を認める、これ以外の選択肢はないと判断した、久喜市行政としてそう判断したことは理解できます。
確かに、ことここに至ってはもはや選択肢はないのです。現在、私たちに提示された議案は、選択肢ではなく、たったひとつ示された結論を容認するか否かだけです。

3.しかし、行政としては、4月以降の久喜総合病院の存続のためにはこれしかないと判断するとしても、政治としてはそれではすみません。
行政の判断を、ただ追認するだけでは、議会の役割、政治の役割は果たせない。
 政治としては、なぜこういう事態に陥ったのか、当事者間の協議、交渉の経過はどうだったのか、行政が唯一の選択肢として示したことで本当に解決するのか、その保証はあるのか、政治はそれを問わなければならないのではないですか。

4.そもそも久喜総合病院を開設した2011年当時、すでに全国的にはJA厚生連の病院経営の赤字、経営危機が問題になってきていて、その後、JA栃木厚生連が解散している。
そういう時期に久喜市は当初の予定では40億円の補助金を出して誘致することにした。

 どなたかが議案質疑で言われた、みんなが久喜総合病院は未来永劫継続するものだと考えていた。
実際には、全国の厚生連の経営状況を見渡していればすでにそんな保証はなかったのだが、当時の行政にも議会にも、そうした全体を見渡す目はなかった。
今さら言っても仕方ないと言われるが、誘致自体に無理があったと言わざるを得ない。
しかも、補助金35億円を交付する際に、中途で経営に失敗したり投げ出す場合のペナルティについての取り決めもしてなかった。
当時、一部には、土地を久喜市で購入して無償貸与してはどうかという意見もあったと記憶しているが、結局は補助金としていわば無条件で交付してしまった。
 政治としては、まずそうした反省に立たなければならないのだが、市長からも、そうした反省は語られていない。

5.当局の説明によると、昨年4月に、厚生連から事業譲渡の申し出があったとされている。
しかし、当局はそれを議会にはひた隠しにして、完全なる秘密交渉を行ってきた。

 この間、6月と11月の2回の議会で久喜総合病院の経営問題の質問に対して、部長は「新たに27年度からの経営改善計画を策定され、取り組みが始まったので、この推移を見守りたい」と答弁された。
実際にはすでに事業譲渡の申し出があり、売却先探しが進んでいたにもかかわらず、議会には今まさに経営改善計画を進めていると、事実とは異なる答弁をしていたことになる。
議案質疑で他の議員が述べたように、まさに議会軽視であり、市民への背信行為であったと言わざるを得ない。
 車の両輪どころか、この間の経過はそれとは違って、議会と協議することは一切なく、行政だけで結論を出し、結論だけを認めろ、容認する以外にないんだと、議会に迫っているのが、今の状況だ。
 交渉の経過も、たとえば、協議交渉の過程で、他にどのような選択肢があったのか、なかったのかも、明らかにされてはいない。
補助金の返還がなぜ3億7000万円なのかも、まさか弁護士に無条件委任したわけではないだろうが、弁護士がどういうやりとりでその金額になったのかすらも明らかにされていないではないですか。

6.市は当初、補助金の全額返済を求めたと言うが、売却額も明らかにされていない、100億か、何十億か、その中から3億7000万だけを久喜市への補助金返済に充てるということだが、厚生連がそれしか出せないからという理由で、それで了解できるのか。

7.今後のことです。
市民が望んでいるのは、未来永劫に、安心してかかれる病院の継続です。

 巨樹の会への事業譲渡でその保証はあるか。
少なくとも10年間は運営を継続すると確約し、その担保として、10年経過以前に運営を中止した場合には市債の未償還残高を返済することになっているが、これは逆説的に言えば、未償還残高を支払えば病院の廃止も他への事業譲渡もできるということになる。
土地も建物も巨樹の会の所有なのですから処分も自由です。

 ありえない、信頼関係の問題だと、私も思う。
しかし、あり得ないことが、理科大、JA厚生連と2件も連続して起こったのです。
10年後には議会の多くの議員も、執行部の皆さんのほとんどもおそらくこの場にはいないのです。

8.以上、行政的にはこれ以外にないかもしれないが、政治的には問題点や疑問満載の議案と言わざるを得ない。
久喜総合病院誘致それ自体や、当時の補助金の出し方への反省もなく、行政への事業譲渡の申し出があって以降も、議会には事実と異なる答弁までして、秘密交渉で進めてきて、結論だけを認めろと言う。
しかし、この間の経過もわからない、10年後がわからない保証のない結論で、これで市民に説明もできない、市民の皆さんが理解してくれるはずもないのであって、これを私たちが認めるわけにはいかないのは当然ではないですか。 

【2月市議会】 久喜総合病院売却で「和解」とは
『声と眼』506号 2016/2/15

 2月16日に定例市議会が開会され、久喜総合病院の売却に関して、市とJA厚生連、巨樹の会との「和解」の議案が提案されました。

 その内容は、
(1)久喜市は厚生連が久喜総合病院に関する全ての事業を巨樹の会に譲渡することを承諾する、
(2)厚生連は市から総合病院に対する補助金35億8000万円の内の一部、3億7000万円を市に返還する、
(3)補助金の一部返還によって「市と厚生連の一切の問題が解決された」ことを確認する、
(4)新たに病院の経営を行う「一般社団法人・巨樹の会」は、「2008年に市と厚生連が交わした協定書に基づいて厚生連が久喜市に対して約束した全ての事項」を厚生連から承継する、
(5)巨樹の会は「少なくとも10年間」は久喜総合病院の運営を継続する、
(6)10年に至らずに総合病院の運営を中止・譲渡した場合には市債の未償還残高を支払う、などとするものです。

 市の経過説明によると、当初、厚生連が病院経営の事業を民間に譲渡することについて、市は「補助金交付目的に反する」として補助金全額の返還を求めました。
しかし厚生連側は「病院経営は巨樹の会で引き続き行うので補助金交付目的に反していない」として見解が対立しました。
交渉の結果、「補助金問題に関する和解金として、厚生連が市に3億7000万円を支払う」ことで合意したとされています。

 しかし返還額がなぜ交付額の1割なのかの根拠は明らかにされていません。
市は、厚生連に交付した補助金の一部を「和解金」として受け取ることと引き替えに、厚生連の責任も、補助金を支出した市の政治的責任も免除されてしまうのでしょうか。

 確認書によれば、「少なくとも10年間は総合病院の運営を継続することを確約する」となっていますが、なぜ10年間なのでしょうか。
これで35億円の補助金を支出してまで総合病院を誘致した市の責任が果たせるのでしょうか。

補助金の一部返還で「解決」と言えるのか

 久喜市は35億円の補助金の内の27億円は市債を借り入れてまかなっています。
今年3月時点の未償還残高は18億円で、償還完了までにあと9年かかる予定です。
補助金の財源にあてた市の借金が残っているのに、交付目的であった総合病院は売却されてしまって、市と厚生連との間の「一切の問題が解決された」と言えるのでしょうか。

 市と厚生連と巨樹の会は、12月29日に「確認書」を締結しました。
しかし厚生連が約束した事項と総合病院の経営をすべて巨樹の会へ引き継ぐというのであれば、逆に、厚生連が補助金の一部を返還する理由はありません。
むしろ市からの補助金も含めてそのまま引き継いで、補助金交付目的に沿って病院の経営改善に活用してもらった方がいいという考え方もあります。
市民の立場からは、経営者が替わっても医療の内容や患者への対応が改善されればいいのですが、よくなる保障はあるのでしょうか。

【参考】
1.久喜総合病院の和解に関する議案
2.3者の確認書

久喜総合病院が売却、市の補助金35億円は何だった?
2016/1/21

  14日の埼玉新聞の1面トップで、久喜総合病院の売却が奉じられました。
 15日には市議会全員協議会が開かれて、この問題の経過が説明されました。

 市の説明概要は以下の通りです。
   すでに市に対しては、昨年(2015年)4月30日にJA埼玉と厚生連理事長らが来庁して、「2つの厚生連病院とも経営が厳しく、4月のJA埼玉中央会の理事会で『2つの厚生連病院の事業譲渡を検討する」「譲渡時期は2015年度末をめざす』という決定がなされた」 という話があった。

 市は、久喜総合病院には35億8000万円の補助金も出しているので、「譲渡に際しては、市と厚生連との間で締結した協定書に基づく医療の継続と協定書の内容を継承し、質の高い医療等を通して、引き続き地域医療の発展に貢献していただける、公的医療機関である厚生連と同等の医療機関に引き継いでもらいたこと」を強く要望したとのことでした。
 その後、厚生連と市とで「数多くの協議を重ねて」きたが、昨年11月10日の協議で、福岡市に拠点を置く医療グループである“カマチグループ”と交渉を進めていると説明があった。
 カマチグループからはグループ傘下の4つの法人の内の、“一般社団法人 巨樹の会”を受け入れ先として、「2016年度から久喜総合病院を受け入れたい」との意向表明がなされた。
 厚生連は、久喜総合病院の後を引き継ぐ病院としては「時間的にもカマチグループ以外にはない」との考えである。
 市としても「他の選択肢はない、厚生連の考えを受け入れざるを得ない」と判断し、市と厚生連の双方が弁護士を立てて協議することとした。
 市は、「譲渡後の医療については、久喜市と厚生連と巨樹の会の3者間で協議してきたが、12月29日に以下の合意を得た。

 合意内容は、
1.厚生連は久喜市に対して、事業譲渡に関する問題の和解金として、3億7000万円を支払う。
2.巨樹の会は、協定書に基づいて厚生連が久喜氏に約束した事項のすべてを厚生連から継承し、「事業譲渡の実行日から少なくとも10年間は、総合病院の運営を継続する」
 市議会2月定例会に関係議案の議決後に、3者間で正式に確認書を締結し、事業譲渡の実行日は4月末までをめどとしている。

市民の地域医療は守れるのか

 全員協議会の説明を受けて、いくつか質問をしたのですが、2月議会に提案する“関係議案”の内容について明らかにするよう求めましたが、「はまだ決まっていないという回答でした。
 市は総合病院の誘致に際して、厚生連に35億円の補助金を出しているのに、「和解金」なるものが3億7000万円という根拠も明らかにされず、そもそも「和解金」の意味が不明です。
 これは「和解金」の支払いを持って、市と厚生連、カマチグループ間の問題はすべて解決した、これ以降は金銭的な争いは持ち出さないという意味でしょうか。

 「和解金」の意味について質問したのに対し、市は「35億8000万円の補助金交付目的に反すると判断したいう説明でしたが、厚生連側は「反していない」という認識だそうです。

 「少なくとも10年間は総合病院の運営を継続する」というのは、10年後以降はわからないということになります。
 東京理科大への30億円の補助金、厚生連への35億の補助金、これらは誘致という目的は達したものの、その後はそれぞれの経営の都合や状況の変化で、「撤退」や「売却」も、市は発言権もなく相手側の言うなりに認めざるを得ないということになってしまいました。
 今回の事業譲渡に際して、市とカマチグループで「確認書」を締結すると行っていますが、市はそもそも35億円を支出しているのですから、約束を保障するための担保をどう確保していくのかが最大の課題ではないでしょうか。
 なお、厚生連がカマチグループに対して、久喜総合病院をいくらで売却するのかも明らかにはされていません。

【参照ブログ】 ⇒ 久喜総合病院の経営譲渡の記事へのリンク
参考資料⇒久喜総合病院協定書、補助要綱

【11月市議会】  医療問題を議員が素人判断していいの?
『声と眼』504号 2016/1/11

 ブラッドパッチ療法の推進などを求める意見書が提案されました。
交通事故の後遺症などの脳脊髄液減少症の治療で、ブラッドパッチ療法が一部の医療機関で取り組まれていて、その拡大を求める人々の切実な声は理解できます。
しかしこれを標準的治療として採用するか否かは、純粋に医学的・科学的見地から調査研究が行われるべきであって、意見書という形式にはそぐわないと言わざるを得ません。

 かつて子宮頸がんワクチンの促進を求める意見書を全国各地の議会で議決したものの、重篤な副作用が続出して事実上ストップしています。
久喜市議会でも2010年にこの意見書を多数決で可決してしまった苦い経験があります。
高度に専門的な医療問題の意見書を、地方議会の議員が情緒的な素人判断で多数決で議決して、厚労省に政治的な圧力をかけるというやり方は間違いです。
この意見書には市民の政治を進める会の猪股・川辺、無会派の田中、新政久喜所属の山田・柿沼議員の5名が反対しました。

【11月市議会】 ブラッドパッチ療法の推進を求める意見書の採択に
反対討論を行いました
2015/12/25

  定例市議会は12月24日に議案の討論・採決を行って閉会しました。
 私は、一般会計補正予算、久喜市総合振興計画の改定、新政久喜と公明党の議員提案による市長の専決事項の指定の追加、公明党の提案によるブラッドパッチ療法の推進に関わる意見書の4議案に反対の討論をしました。

 【参照 ⇒ 11月市議会のすべての議案と議員の賛否へのリンクはこちら】

 ブラッドパッチ療法の推進の意見書に対しては、市民の政治を進める会の猪股・川辺、無会派の田中、新政久喜所属の山田・柿沼議員の5名が反対しました。

  【意見書9号に対する反対討論】

ブラッドパッチ療法の保険適用および脳脊髄液減少症の治療推進を求める」
意見書の採択に反対

市民の政治を進める会  猪股和雄

意見9号 ブラッドパッチ療法に関する意見書 反対

 交通事故の後遺症などによる脳脊髄液減少症に苦しむ方々の治療促進のために、ブラッドパッチ療法が一部の医療機関で先進医療として取り組まれていて、その拡大を求める人々の声についても理解できます。

しかしこの治療法が、保険適用の適否や全国の医療機関で標準的治療として行われるべきか否かは、純粋に医学的・科学的見地から調査研究が行われていって、検討されるべきものであって、意見書という形式にはそぐわないと言わざるを得ない。

 私たち医学的にはほとんどが素人の集まりである地方議会で、議員が情緒的・感情的に素人判断で意見書を多数決で議決して、政府・厚労省に全国からの意見書を集中させることによって政治的圧力をかけて採用させることは、医学的・科学的検討を曲げさせることにもなりかねません。

 かつて、私たちは子宮頸がんワクチンの促進を求める意見書を全国各地の議会で議決して、その後に定期接種として規定され、結局その後、全国各地で重篤な副作用が続出して社会問題になりました。
現在は接種の推奨が停止され、事実上、子宮頸がんワクチンの接種が止まっていることは、皆さんご承知のとおりです。

 久喜市議会でも2010年9月議会で、子宮頸がんワクチン接種の推進の意見書を可決して政府に送付しました。
当時、6名の議員が反対しましたが、私も含めて多数の賛成で可決して、その一翼を担ってしまったという苦い経験があります。

 きわめて専門的で高度な医学的問題を、地方議員が情緒的な素人判断で、多数決で議決して政府に実現を求めるというやり方自体に反対します。

【一般質問】 公共的施設、民間施設でも分煙化促進を
 2015年9月市議会 猪股の一般質問  『声と眼』497号  2015/9/10

 健康増進法25条には、公共、民間の不特定多数の人が利用する施設で受動喫煙防止の措置を講ずるよう努力義務を定めています。
一方、「久喜市健康増進計画」では、市の公共施設での禁煙・分煙推進と路上喫煙防止条例の徹底をはかることは明記されていますが、民間施設での禁煙・分煙対策についてはまったく触れていません。
市の受動喫煙防止対策の取り組みを一歩進めて、飲食店などの民間施設に対しても、禁煙・分煙対策を働きかけていくよう求めました。

埼玉県では「禁煙施設認証制度」を作っていて、久喜市では84施設が登録しています。
公共施設35、医院・薬局や福祉施設44、飲食店や商店は5店舗しか登録されていません。
特に民間の公共的施設はほとんど増えていません。県の認証制度を活用して、市内の民間施設に働きかけて禁煙・分煙施設を増やしていくことができるのではないでしょうか。

 この県の制度について、これまで市のホームページへの掲載もなく、まったく連携していませんでした。
市の健康増進部長から『幸手保健所が公共的施設に対して呼びかけているので、保健所と連携を取りながら市からも個別に働きかけていきたい』『商工会にも働きかけていきたい』と答弁がありました。
また市の健康増進計画は来年度には改訂作業を行っていくことになります。
その中で、民間の公共的施設での禁煙・分煙対策の推進についても盛り込んでいくよう検討していく考えも明らかにされました。

 【一般質問】 久喜駅前などの喫煙場所の改善を
2014年2月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』470号 2014/3/6

 市役所は建物内全面禁煙で、屋外に職員と来庁者(市民)用の喫煙場所が設置されています。
昨年いったんは、喫煙場所を撤去して敷地内全面禁煙にする方針が発表されたものの、『やりすぎだ』との批判が出て、現在は庁舎西側駐車場の端に屋根と囲いで仕切られた喫煙所が設置されました。
また久喜駅周辺は歩行喫煙禁止地区に指定されていて、東口と西口のそれぞれ1か所が喫煙場所に指定されていますが、仕切りだけで屋根もありません。
市役所も駅周辺も、喫煙場所の周囲にはたばこの煙が漂っていて近くの通行者に受動喫煙を強いています。

 市の方針として市役所庁舎内や駅周辺地区を“禁煙”にして喫煙場所を設けるなら、周辺への受動喫煙をさせないように“完全分煙”とするべきです。
そのためには喫煙場所の周囲を壁で囲んで、排煙浄化装置を設置を設置するよう提案しました。
排煙浄化機は数十万円で購入できます。市には年間10億円のたばこ税収入がありますから、そのほんの一部の財源を使って完全分煙を実現するのは、喫煙者にも非喫煙者にも理解されるのではないでしょうか。

 市は「市役所の喫煙場所で特に苦情はない」「駅前の喫煙場所については、調査研究していく」と答弁し、現状のままとする考えです。

市役所敷地内を全面禁煙の方向
『声と眼』458号 2013/7/26

 市役所庁舎内は完全禁煙で、庁舎の外の自転車置き場の隅に来庁者用喫煙場所、西側の車庫棟の前に職員用喫煙場所が定められています。
市はこれで「分煙」しているつもりのようですが、職員用は仕切りもなく、来庁者用も目隠しで囲っただけですから、自転車置き場に立ち寄る市民の所には否応なく煙が漂ってきています。

 完全分煙を実現するためには排煙浄化装置を設置した密閉された喫煙所を設けるべきです。
しかし市では喫煙所を作るには費用がかかるという理由で設置するつもりはなく、逆に現在の喫煙場所も廃止して市役所敷地内を全面禁煙にする方針です。
しかし単に敷地内禁煙にしただけでは、周辺道路上での喫煙がふえることになるのは目に見えています。
民間施設なら経営方針次第で完全禁煙にしてもいいでしょうが、市役所はそうはいきません。
安易に喫煙者を排除するのではなく、ちゃんとした喫煙所を設置するべきです。