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久喜児童クラブの補助金返還請求、いまだに返還されない
2009年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』368号 2009/11/13

 昨年、久喜小、江面小などの学童保育を委託してきた“久喜児童クラブ”の不透明経理が発覚し、県からの補助金1350万円の返還が求められました。
市は全額を県に返還するとともに、それらの学童保育を公設に切り替え、他の小学校と同様に学童保育運営協議会に委託を変更しました。

 市では返還した1350万円について、原因者である児童クラブ代表の大熊氏に請求しましたが、1年以上経過した現在まで返還されていません。
市ではこれまで長引いた理由を、「相手方も返還の協議に応じると言っていた」と説明しているのですが、実際には話し合いもできず、時間だけを空費しています。
市では今後、民事訴訟に訴えていく方針ですが、いったいいつになるか…。
市の取り組みが遅すぎると言わざるをえません。


建設文教委員会で、学校給食を試食しました
2008/12/11

 12月10日、建設文教委員会の議案審議が終了後に、「所管事務調査」を行いました。

 「所管事務調査」とは、本会議から付託された議案審議とは別に、委員会の所管事項の中でテーマを決めて調査や検討を行うものです。
 市議会活性化検討委員会の検討の中で、委員会の政策能力を高めていくために、積極的に所管事務調査を行うことで合意し、それに基づいて、建設文教委員会では、毎議会の開会中の委員会の中で、さらに閉会中にも委員会を開催して、所管事務長を行っています。

 今回は、道合の雨水排水ポンプ場の建設(更新工事)の工事現場の視察と、学校給食の試食会を行いました。

 給食は、春山委員長や私は子どもの学校のPTAの試食会で時々食べていますし、学校の給食のようすを実際に見てきていますが、他の委員は初めて食べた人が多いようです。
 普段子どもたちがどのようなものを食べているか知ることは、議員の責任でもあると思いました。


 久喜市の学校給食はA、Bの2コースに分かれていて、教育委員会の職員が毎日、久喜小学校(Aコース)の給食を試食しているので、この日も、久喜小の給食と同じものを食べました。

 献立は、ごはん、味付け海苔、副食はいかのピリ辛焼き、ミニがんもと大根の含め煮、それにみそ汁、牛乳です。

 イカはムラサキイカ、5ミリほどもある(1センチ近かったかな?)、少々固いイカの切り身をピリ辛で味付けしてあって、文字通り子どもたちがよく噛んで食べて歯とあごを丈夫にするようにというネライで、時々この“カミカミ献立”が組まれています。
 ピリ辛とは言いながら、“薄味”ということでしょうか、あまり味は感じられませんでした。

 含め煮はがんもと大根、ニンジン、コンニャク、シイタケ、インゲン、ネギなどが入っていて、和風の味付けでとてもおいしく思いましたが、子どもたちにこの和風味の感想を聞いてみたいと思いました。

 みそ汁はジャガイモ、ニンジン、小松菜、ワカメなど、具だくさんでしたが、野菜がくたくたでジャガイモも煮くずれていたのは“仕方がない”のでしょうか。

 久喜市は学校給食食材の“地産地消”を進めていて、この日の野菜の中では大根、長ネギ、小松菜が久喜産の減農薬・有機の特別栽培野菜でした。

 久喜市の学校給食の食器は、お碗、皿、小鉢は強化磁器製で、久喜を象徴する梨といちょうの絵が入っています。

 ごはんはアルミの弁当箱の中に、1人分ずつ、温かいご飯が入っていて、あつあつで食べられたので議員の評判もよかったのですが、実はこれは子どもたちが実際に食べているのとはちょっと違います。

 私たちが試食したものは、11時過ぎに久喜小に配食された中から運んできて、12時前に食べ始めることができたのですが、子どもたちが食べるのは12時45分過ぎで、保温箱から出して子どもたちが食べる頃には、冷めてしまったり、ご飯が片方に寄ってしまっていたり、フタを開けると水滴がぽたぽたとご飯の上に落ちてしまっているのが実情です。

 市内1か所の給食センターから14校に運んでいるのですが、各学校に11時過ぎには到着するようにしています。
ということは、給食センターを出発するのは10時半以前ですから、調理してから子どもたちが食べるのは2時間以上もたってからということになります。
 これは久喜の学校給食の問題の一つといえます。

 12月分の献立表を見せてもらいましたが、食材の中に太字で書かれているものがいくつか目につきました。
 この日の大根、長ネギ、小松菜、それからブロッコリー、ハクサイ、チンゲンサイなどで、これは12月の献立で使用予定の久喜産の野菜たちです。

 実は前回、建設文教委員会で学校給食について「所管事務調査」を実施したときに、『せっかく久喜産野菜を使っているのだから、献立表の中で一目でわかるように表記してはどうか』と提案していたのですが、担当者がさっそく実施してくれたのでした。
 なお、12月の特別メニューは次のようなものがありました。
1日 新メニュー「ガンスーと冬野菜の中華スープ」
3日 新メニュー「鴨南蛮うどん」
5日 カミカミ献立「子持ちししゃものフリッター」
10日 カミカミ献立「いかのピリ辛焼き」

16日 国際メニューの日「スウェーデン風ミートボール」…スウェーデン料理
22日 クリスマスメニュー「ローストチキン」

8日の「ほっけのメンチカツ」、15日の「サケのカレー焼き」のところには、「骨に気をつけて食べましょう」と書いてありましたから、あえて骨入りの魚を出しているようです。

 当然、私たちも食材料費として1食分232円を自己負担で支払いました。

 牛乳パックはリサイクルに出すために、子どもたちが飲んだ後に1人ずつ自分で開きます。
 経験している人たちは簡単に開けますが、他の議員さんはなかなかうまく開けなくて、私がコーチしてしまいました。

 久喜市では箱を開くところまでですが、隣の宮代町ではビニールコーティングを剥がすところまで子どもたちがやっています。
 私が実際にやって見せたのですが、教育委員会の人たちも、ビックリしていました。

学校給食費、来年値上げへ
『声と眼』367号 2008/11/18

 7月から「久喜市学校給食審議会」で給食費の値上げについて審議してきましたが、10月の第4回審議会で、値上げを容認する答申が提出されました。
主な理由は食材料費や燃料費の高騰ということで、年間給食回数は現在の180回から3日間増えるものの、保護者負担額は県内でもいちばん高い方ということになりそうです。

現在の給食費 値上げ案
小学校 月 3800円 4000円 (年間44000円)
中学校 月 4500円 4750円 (年間52250円)

障害児学童保育に運営費補助
2008年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』366号 2008/11/6

久喜養護学校に通う児童生徒が放課後を過ごす学童保育が2か所開設されています。
いずれも保護者らの運営で、県の補助金を受けていますが、保護者負担は月2万円くらいと、市内小学校の学童保育の2倍にのぼっています。

特に、県の補助制度では障害児に対する指導員の配置を6:1(重度の場合3:1)としていますが、現実には2:1、場合によっては1:1で配置しなければなりません。
そのために人件費負担が重く、一方で指導員の給与がきわめて低く抑えられている現実もあります。
 保護者からは、市の補助制度の創設を求める声も寄せられていて、6月議会の一般質問で久喜市の補助制度の創設を求めたところ、市長から“前向き”の答弁がされています。
引き続いて、その後の検討経過をただしました。

市は、家賃地代補助、ひとり親家庭・低所得世帯補助については市内小学校の学童保育に対するのと同様の補助をしていく方針を明らかにしています。
さらに運営費補助についても、保護者負担を軽減するために何らかの補助制度を作っていく方向で、新年度予算編成の中で検討していく考えを表明しました。

★2か所の障害児学童保育施設に対する補助は、家賃補助、低所得世帯補助に加え、運営費補助として人件費加算分が新たに制度化される見通しとなっている。★


小学校で、“学校・家庭連携メールシステム”が始まりました
2008/9/28

9月25日、青毛小学校で、【学校と家庭のいっせいメール連絡システム】が始まりました。

 これは学校からの緊急連絡が、保護者の登録されたメールアドレスにいっせいに送信されるシステムです。
 たとえば、運動会の中止や順延、今日実施するかどうかの連絡、修学旅行の学校帰着時間(変更も)の連絡、台風による休校や登校時間の変更の連絡、不審者情報やその他の安全・安心に関わる情報連絡などなど、何でも利用できます。

 これまでだったら電話による緊急連絡網を使うしかありませんでしたが、留守で途中で切れてしまったり、伝言ゲームよろしく、内容が途中で変わってしまったり、なんてこともありました。

 しかも最近は「個人情報」の問題で、連絡網の配布自体がむずかしくなってきていたり、同じクラスの保護者同士でもお互いに知らなかっったりすることもあります。
 そうした現実が、そのままでいいのかどうかは別として、とにかく学校と保護者、保護者同士の付き合い方がむずかしくなってきていることは事実です。

 メールのいっせい通信システムとしては、グループ送信とか、メーリングリストもありますが、それも個人のメールアドレスの管理のむずかしさがあります。

 そこで、今回採用されたのは、ラインズeライブラリアドバンスの「学校・家庭連携サービス」というシステムです。

 9月25日の午後、体育館に保護者200人以上の保護者が集まって、学校の説明を聞きながら、みんなでいっせいに携帯メアドの登録作業を行いました。
 200名以上の保護者が集まったというのは、初めてだそうで、保護者の関心の高さが伺われます。

 この日、集まった保護者たちは、特に問題もなく何とか登録完了したようです。
 この日に参加できなかった保護者を含めて、その後、どれくらいの保護者が登録したでしょうか、後で確認してみたいと思います。

 少なくとも9割以上が登録しなければ、登録漏れの人のところへは、学校が1人1人連絡しなければならないわけで、かえって煩雑になってしまうわけです。

 さて、会場で先生に、家族の携帯は何台でも登録できるのか、家のパソコンも御登録できるのか、聞いてみました。

 だいじょうぶということ絵だったのですが、実際にはちょっと手間がいることがわかりました。
 たとえば、まず母親の携帯を登録して、後から父親の携帯を登録しようとすると、前に登録してあった母親の携帯の登録は切れてしまうというのです。
 携帯を複数台登録するには、家のパソコンから登録しないとだめだというのです。

 私はさっそく家に帰ってから、自分のパソコンで登録画面を開き、私たち保護者の携帯メールアドレスを2件とパソコンのメールアドレスも登録しました。

 


物価高騰による、久喜市の学校給食、食材料費の影響
2008/9/27

 「学校給食審議会」はすでに7月、8月と2回開かれて、給食費の値上げを審議しています。
 7月7日の審議会の会議録が、2か月以上もすぎた9月下旬になってやっとホームページにアップされましたが、審議会に配付された資料は載っていません。

 教育委員会から入手した資料の中から、興味深いいくつかの資料を掲載します。 

近隣市町との給食費、給食方式の比較

給食費(月額)
小学校 中学校
久喜市 3800 4500 民間委託センター方式
春日部市 4200 4800 自校調理方式
八潮市 3700 4350 民間委託センター方式
幸手市 4000 4600 自校調理方式
蓮田市 3800 4400 自校調理方式
宮代町 3900 4300 民間委託センター方式
白岡町 3700 4200 自校調理方式
菖蒲町 3600 4200 直営センター方式
鷲宮町 3700 4300 直営センター方式
栗橋町 3700 4700 小学校…自校調理方式
中学校…民間委託センター方式
県平均 3758 4459

主食と牛乳の価格高騰(1食分、円)

単価(1食) 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
米飯(小学校) 49.98 50.67 51.69 51.37 51.96
米飯(中学校) 65.06 65.38 66.52 66.05 66.53
パン(小学校) 45.78 45.84 45.56 46.60 46.18
パン(中学校) 47.53 47.60 48.38 50.91 50.52
めん(小学校) 39.56 39.74 39.96 40.47 43.66
めん(中学校) 46.95 47.16 47.29 47.98 51.94
牛乳 38.80 39.53 40.05 40.05 41.41

●パン、めん、牛乳は、毎年確実に値上がりが続いていますが、米飯の値上がりが「それほどでもない」ように見えるのは、ブレンド率を変えることによって、価格の調整をしているからです。
 コシヒカリのブレンド率を、年々少しずつダウンさせる、以前は新米の時期には「減農薬栽培のこしひかり100%」を出していたのに、19年度からはそれもなくなりました。
 ブレンド率を変えることによって、食味がどのように変化してきているのかは、ここではわかりませんが、学校給食の「質」を落としてきたのは確かと言わざるを得ません。

米飯のブレンド率と価格(円)

17年 18年 19年 20年
4〜10月 10月 11月 12〜3月 4〜10月 10月 11月 12〜3月 4〜10月 11〜3月 4〜10月
こしひかり
60%
日本晴れ
40%
減農薬栽培
こしひかり
100%
こしひかり
60%
あかねぞら
40%
こしひかり
50%
彩のかがやき
50%
こしひかり
50%
彩のかがやき
50%
減農薬栽培
こしひかり
100%
こしひかり
50%
彩のかがやき
50%
こしひかり
30%
彩のかがやき
70%
こしひかり
30%
彩のかがやき
70%
こしひかり
30%
彩のかがやき
70%
こしひかり
30%
彩のかがやき
70%
精米
10s
2860.80 3028.00 2873.00 2861.90 2891.90 3058.00 2910.30 2851.30 2851.30 2725.80 2837.00
小学校
1食75g
50.67 51.99 50.77 50.68 51.69 53.00 51.84 51.37 51.37 50.38 51.96
中学校
1食110g
66.38 67.32 65.52 65.39 66.52 68.44 66.73 66.05 66.05 64.60 66.53

●小学校、中学校のそれおぞれ1食分の金額の中には、精米代金、加工費(炊飯)の他に、盛り付け料、運営費が含まれています。
 現在の中学校の1食分価格の内訳を見ると、精米代金31.36円、加工費30.11円、盛り付け料17.37円、運営費1.43円となっています。

給食費の内訳(中学校、1食分) 単位円

米飯 66.53 パン 50.52 めん 51.94
おかず 170.99
牛乳 41.41
合計 278.93 262.92 264.34

主食以外の食材良否の値上がり状況(年度内平均価格、円)

17年 18年 19年 20年
味噌 325 325 325 360
しょうゆ 190 190 210 210
削り節 1800 1800 1800 2000
いりこ 850 850 850 1000
昆布 3200 3200 3200 2500 19年度までは北海道産のブランド昆布
20年度はブランドでない(教育委員会では『質は同じ』としている)
国産豚肉 900 1000 1200 1400
国産鶏肉 650 480 480 750
タマゴ 300 260 260 280
チーズ 800 820 970 1150
バター 1000 980 1300 1500
キャベツ 130 130 130 160
冷凍里芋 200 650 650 650 17年度までは外国産
18年度以降は「国産」
冷凍ホールコーン 250 440 440 440



給食費は本当に値上げしなければならないか
値上げの前に、考えてほしいことがある

 久喜市教育委員会は、給食費値上げの理由を次のように言っています。

◆これまで、委託先の独自の仕入れルートを利用し、国内産の安い食材を探して使用したり、できるだけ加工品を購入しないで、手作りを増やすことにより、低コストで実施してきた。
 しかし、昨年度からの原油高の影響により食材の高騰が相次ぎ、そうした対応だけでは、安全で安心した学校給食の提供ができなくなってきている。

◆このままでは、給食の質を落としたり、量(回数)の減を検討せざるを得ない。
 行事食や郷土料理、リクエスト献立なども縮小しなければならなくなる。
 地場産農産物を使用した献立についても、縮小しなければならなくなる。


 しかし、教育委員会の言い分をこのまま受け取るわけにもいきません。

◇久喜市の給食費は、現在でも小学校では高い方にある、中学校でも中位にあって、久喜だけが特に、「独自の仕入れルート、国内産の安い食材、手作り、低コスト」で対応してきたわけではない。
 周辺の他市町では、久喜市と同等か、もっと安い給食費で、対応してきているし、それらの市長の給食内容が、久喜市より劣っているとは考えられない。
 私たちも子どもたちも、ほとんどの人は、久喜市以外の学校給食を食べたこともないし、比べられないけれど、他市町から異動してきた先生の個人的な感想を聞くと、久喜市の給食は「けっしておいしくはない」という話を聞いたこともあります。同じような感想は、久喜市の小学校の保護者で他市の学校に勤めている人からも聞いたことがあります。

◇私は、最近の物価高騰の影響は認めざるを得ませんし、値上げに絶対反対ではありませんけれども、値上げの前に、久喜市の学校給食の改善を進めてもらいたいと思っています。
 第1に、ご飯を、あのアルミの弁当箱に盛り切りで出すのはやめてほしい。保温箱で搬送していると言いますが、食べる頃にはけっして温かくはありません。
 大きな食感に入れて搬送した方が、よほど暖かく出せるのではないでしょうか。あつあつのごはんを、子どもたちが自由によそった方がいいと思います。
 できれば、南国市のように、一升釜で炊いたまま教室まで運ぶことはできないでしょうか。

 第2に、地産地消、久喜と近隣産の野菜をもっと使ってほしい。
 久喜市の学校給食は、久喜産の有機・減農薬の特別栽培野菜を取り入れていますが、それは一部だけで、ほとんどは全農食品のルートで仕入れた野菜であり、どこで生産されたものかはわかりません。
 特別栽培の野菜だけでなく、他の野菜も、久喜産のものを入れてほしい。
久喜市内で生産された野菜であることがはっきりしているだけでも、素性のわからない野菜よりははるかにいいと思います。
 市内で生産された野菜であれば、どことどこの農家が作ったものかもすぐにわかります。それは究極の産直です。


来年度、学校給食費値上げへ
『声と眼』364号 2008/9/27

 9月に久喜市教育委員会から、学校を通じて「給食費に関するアンケート」が回ってきました。

 教育委員会では来年度から給食費を値上げすることを前提として、すでに給食審議会にも諮問しています。
アンケートには“保護者の意見を聞いて参考にしたい”と書かれていましたが、回答欄の選択肢には、
『@諸物価高騰の折、値上げはやむを得ない、
A給食回数や質が変わっても値上げはしないでほしい、
Bどちらともいえない』という3つしかありません。
要するに、値上げか、給食の回数減と質を落とすかのどちらかを選べというわけで、これでは“質を落とされるのがいやなら値上げを認めろ”というオドシと値上げアピールのためのアンケートと言わざるをえません。

 値上げの理由は、▲食料品価格高騰、▲来年度の新学習指導要領による授業時間数の増加により、給食回数を増やすことが必要とされています。

 全般的な物価高騰、特に食品価格の高騰が家計を圧迫している中で、学校給食もその影響を受けざるを得ません。給食費は食材料費に充てていますが、教育委員会ではこれまで食材の内容を変えたり一括購入などで対応してきました。
また比較的低価格の食材を使うなどのメニューの工夫も限界に近づいているものと思われます。

 景気停滞の中で続いている物価高騰は国民の生活をも圧迫し続けている中で、給食の改善のためでなく、食材価格の高騰のしわよせで値上げしなければならないというのは政治の無策と言わざるをえません。
もしも今、給食費を値上げしょうとするのなら、給食内容の改善を合わせて進めるべきです。
現在週3回の米飯を増やすこと、地産地消、目に見えるところで生産した安心安全な野菜の割合をもっと増やすなど、久喜の学校給食の質の向上を図るよう求めました。

★これまで視察してきた三条市や南国市など、食育・学校給食先進市の多くでは、毎日が米飯でしかもあつあつの炊きたてご飯。うらやましい限りでした。★


「久喜ことば」の記録CD、来年3月に完成
さらに地域の伝統芸能を記録、DVDに保存へ

2008年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』364号  2008/9/9

 久喜地域の郷土文化、民俗や伝統芸能の保存をさまざまな形で保存していくべきである、そのためのCD化、DVD化を提案しました。

 最も基本的な郷土の文化は言葉です。それも生活の中に息づく生きた言葉です。

 2006年6月議会で、久喜地域の文化の基礎であるところの久喜弁、「久喜ことば」を、CDとして作成し、保存するよう求めました。
 教育委員会として、「調査研究していく。できるだけ早い時期に取りかかっていきたい」と答弁されていましたので、その後の経過を明らかにするよう求めました。

 教育委員会では今年3月に、70歳以上の市民12人に依頼して、録音を完了、来年3月にはCD化して解説も付けて頒布する予定です。

 さらに、新たな取り組みとして、各地域の祭、獅子舞・ささら、囃子・里神楽などの“公式DVD”を作成し、単に観光PRのためとか、趣味の映像でなくて、体系的に、後の学術研究にも耐えるような映像として記録しておくよう求めました。

 教育委員会としては、「意義あることであるので、地域の伝統芸能や祭などの現在の状況を調査研究し、記録していくよう検討していく」という考えを表明しました。


「食育」の基本的考え方を問う
2008年6月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』361号 2008/8/10

 「食育基本法」に基づいて久喜市でも「食育推進計画」の策定が進められることになっています。 
一方では、食育を「早寝早起き朝ご飯」「食べ残しをさせない」などの単なる道徳教育やしつけの問題のようにとらえる傾向もあります。
しかし本来の「食育」は地域の食文化の尊重や地産地消、安心安全な食の確保、食と農を通じた自然の循環を地域で作っていく、そうした思考方法を培っていくことが基本ではないでしょうか。
久喜市の「食育」に対する基本的考え方についてただしました。

 「食育」推進計画策定の担当部長である健康福祉部長は「食の安全性、消費者と生産者との信頼関係、環境と調和の取れた生産と消費、食糧自給率の向上、食文化の継承などの視点から食育をとらえる。
久喜市の特性に合った食の循環、心と身体と食のつながり、地域の農産物と食のつながり、地域の暮らしと食のつながりを意識し、食を通じた市民の健康の増進、食への感謝の念と理解を深めていく」。
教育長からは「学校給食を食育の生きた教材として活用し、地場農産物を食材として使用することにより、地域の自然や文化に対する理解を深め、生産者と食への感謝の念を育むことが大切。総合的学習で農作物の生産体験を通じて作る苦労や収穫の喜びを経験するなどの活動もしている」。
さらに市民経済部長は「農産物の安全性の問題や地域の食文化の継承の問題として関わっていく。農政では学校給食食材の生産、特別栽培農産物の導入や直売所への支援、ふるさと農園での農業体験、伝統料理の講習会なども実施している」などの考え方が示されました。


久喜小に独立の学童保育施設を建設
『声と眼』358号 2008/6/15

 久喜小学校の学童保育施設は当初、校舎内の余裕教室の活用を検討してきましたが、希望する児童が80人くらいと予想されていて、必要な2教室分が確保できないため、校舎の北側に新たに鉄骨プレハブで建設することになりました。
児童福祉課は、学童保育事業だけでなく、空いている時間は少子化対策で、保護者と子どもたちの交流を行う“つどいの広場”事業など、子育て支援事業の拠点施設としても活用する方針です。

 清久小学校、江面1小は利用者20人以内と想定して、空き教室を改造して他の教室と区分できるようにして活用する計画です。清久小の施設は今年秋、久喜小と江面1小は来年4月オープンをめざします。


久喜小などに学童保育所建設
『声と眼』357号 2008/6/5

 これまで太田小、東小、青毛小、青葉小、本町小、北小に学童保育施設が設置され、運営は久喜市学童保育運営協議会に委託されています。
清久小でも保護者らの運動によって今年10月から学童保育所を開設することが決まり、今年度当初予算に1400万円の工事費が計上されました。

 その他の小学校では、江面1小の近隣に江面児童クラブが昨年開設され、久喜小、清久小などの児童は久喜児童クラブで学童保育事業を実施していて、いずれも社福法人・春洋会(はるみ保育園)が経営してきました。
ところが昨年、県の監査で“不適切な運営”が指摘されて、過去5年分の県からの補助金1350万円を返還するとともに今年度の補助金が出ないことになってしまいました。
このため、久喜児童クと江面児童クの運営も学童保育運営協議会に委託替えすることになりました。

 施設も久喜小と江面1小の敷地内に自前の学童保育所を開設することになって、6月議会に設計・工事費4193万円の補正予算が提案されました。
来年度からは新しい施設でスタートします。


学童保育の入会金、二重取りは撤回されました
2008/3/11

 3月6日に掲載した「“不適切な運営”で学童保育委託替え」の記事の中で、以下のように書きました。

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  久喜児童クラブは夜6時以降の延長保育や夕食、バス送迎もしていましたが、これらがどうなるのか、また今まで児童クラブの入会金を払っていたのに、改めて運営協議会の入会金を支払うように求められるなどの問題も生じています。

 保護者は昨年、児童クラブの入会金1万円を支払って、1年でだめになって、今度は運営協議会の学童保育に入るために、また3000円を支払わなくてはならないなんて、だれが考えたっておかしいと思います。市の監督責任の欠如によるものであって、保護者の責任ではないのに…。

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 ところがその後、これまで久喜児童クラブおよび江面児童クラブに通っていた児童の保護者に、市長名で、3月5日の日付で「学童保育入所緊張週の取り扱いについて(通知)」という文書が届きました。

 そこには、
 既に、久喜児童クラブ・江面児童クラブに通っている児童は1万円の入所金を払っており、委託替えにともない再度3000円を納入することについては納得できないとの声が多数あったので、再検討した結果、現在、久喜児童クラブ・江面児童クラブを利用している児童は、3000円の入所金は不要で徴収しないことにした。
と書かれていました。

 保護者らの抗議の声が強かったので、市としてもやっぱり、入会金の二重取りはできないということになったようです。
 あたりまえの結論ですね。

“不適切な運営”で学童保育委託替え
『声と眼』352号 2008/3/6

 おもに久喜小の児童を対象にした久喜児童クラブと江面児童クラブの学童保育の委託が学童保育運営協議会に変更されることになりました。

 これまで学童保育運営協議会は、公設の太田小、東小、青毛小、青葉小、本町小、北小の学童保育を、市からの委託を受けて運営してきており、今秋には清久小でも開始する計画です。
一方、久喜児童クラブ、江面児童クラブは民設民営で、はるみ保育園が実質的な運営にあたってきました。
ところが昨年、はるみ保育園(社福法人・春洋会)に対する県の監査で、会計処理や職員配置、運営が不透明・不適切であると指摘されたことが明らかになりました。
それによって、この2か所の学童保育に対する国と県からの補助金(過去5年間1350万円)の返還が求められるとともに、委託先を変更せざるを得ない事態に陥りました。

 市では急遽、この2か所の児童クラブの運営を学童保育運営協議会に委託することとし、当面は現在の施設を使って継続させる方針を決め、3月2日、3日には保護者に説明会を開きました。

 久喜児童クラブは夜6時以降の延長保育や夕食、バス送迎もしていましたが、これらがどうなるのか、また今まで児童クラブの入会金を払っていたのに、改めて運営協議会の入会金を支払うように求められるなどの問題も生じています。

 この問題の最大の責任は社会福祉法人にありますが、“不適切な運営”を黙過してきた市の指導監督責任も免れません。
保護者や子どもに負担や不利益を及ぼさないようにすべきです。

 ちょっと複雑なのは江面小学校の学童保育です。
 江面小の保護者の間で、数年前から学童保育設置の運動がありました。
 当初の希望は、他の小学校のように、学校内に学童保育施設を建設して、学童保育運営協議会で運営してほしいというものでしたが、市は一昨年、保護者の利用希望調査を実施した結果、市が基準としている15名に満たないということで、公設学童保育の設置は見送られてしまいました。
 結局、はるみ保育園に委託して実施することになり、学校外に空き家を借りて昨年から「江面児童クラブ」がスタートしたところです。

 ところが本当はこの「調査」にはウラがあって、在校生の保護者でどれくらい利用希望者がいるかを調査して、翌年度の新入生の保護者は調査対象に入れませんでした。
 新入生を含めて調査していれば、15名を超えただろうと見られています。

 市は公設で作りたくないために、意図的な調査方法をとったわけですが、それで民間でスタートして、すぐに今回の不祥事でやっぱり公設でやらざるを得なくなったことになります。
 保護者は昨年、児童クラブの入会金1万円を支払って、1年でだめになって、今度は運営協議会の学童保育に入るために、また3000円を支払わなくてはならないなんて、だれが考えたっておかしいと思います。市の監督責任の欠如によるものであって、保護者の責任ではないのに…。

 

 この問題について、2月29日に市議会全員協議会が開かれ、市長から、以下のような経過の説明がありました。

@民説の学童保育である久喜児童クラブ、江面児童クラブは、形式上は保護者会の運営となっており、市は、代表の大熊氏と委託契約書を交わしていた。
 大熊氏は社会福祉法人・春洋会の理事長であるとともに、はるみ保育園の施設長を勤めている。

Aはるみ保育園の運営について、県に内部告発があり、2007年10月に県が社会福祉法人について監査を実施したところ、学童保育の経理が保育園の経理と別経理となっていないという指摘があった。
 それを受けて、久喜市として学童保育の監査を実施したところ、はるみ保育園の職員である保育士が、学童保育の指導員として勤務していること、学童保育の経理に関して帳簿が作成されていないこと、書類の保管場所、保存年数も不適正であることなどが判明した。
 「不適正な経営実態」の具体的な中身は、以下の通り。
 ・保護者からの保育料を現金管理しており、通帳等に記載がない
 ・収入支出に関する帳簿や、支出を証明する領収書等が整備されておらず、保管場所が代表者の自宅になっている
 ・学童保育の延長保育児童の夕食の費用が保育園会計から支出されている
 ・職員の雇用に監視必要な書類がない
 ・保育園の職員が、学童保育の担当として組み込まれており、その職員の給与が保育園会計から支出されている
 ・保育園の延長保育に、学童保育の指導員が関わっている
 ・学童保育の入所児童が留守過程児童であることの確認書類を取っていない

B学童保育の運営主体は父母会となっているにもかかわらず、開院の名簿、総会に関する資料がないなど、実態は大熊氏によって行われていた。
 したがって、久喜市が実態のない相手(父母会)を委託先として契約してきたことになる。
 さらには、国と県の補助金の算定基礎となる書類が不備であることにより、補助金交付の対象となる事業であるとは認定できないということになる。

 そのため、埼玉県から久喜市に対し、この2か所の学童保育に関する2007年度分の補助金を不交付とするという連絡があった。
 さらに、「早急に、学童保育を直営にするか、委託先を変更するよう、強く指導された。
 また、過去5年分の補助金についても、、国に相談した結果、返還命令または自主返還となるという連絡を受けた。
 返還となる金額は、5年分の1350万円、加算金を加えると1777万円となる見込みである。

Cこのような経過から、久喜市は、この2学童保育の運営について、早急に学童保育運営協議会に委託先を変更して、事業の継続をはかることを決定した。
 保育サービスを継続していくことを最優先にして、施設は現在の施設(春洋会を土地建物を借り受けることとし、当面、1年間を想定しているが、なるべく早い時期に公設の学童保育を設置していく。
 指導員は、現在の久喜児童クラブ、江面児童クラブの指導員を継続して雇用する。


清久小に公設学童保育を開設へ
『声と眼』347号 2007/12/12

久喜市の学童保育は、太田小、東町、青葉小、青毛小、北小に公設民営で、また民間で、はるみ保育園に久喜児童クラブが設置され、久喜小の他、清久小などの児童が通っています。

 江面一小では数年前から学童保育設置の要望が強かったものの、市では「通所希望が基準の15人に満たない」ことを理由に公設ではなく、久喜児童クラブ(はるみ保育園)に委託する形で今年から学校の近くに新たに開設しました。

 清久小からも多くの児童が久喜児童クラブまで送迎バスなどで通っていて、学校への学童保育設置が求められていました。
市の調査で約20名の通所希望者があったため、来年、清久小の余裕教室を使って、公設民営(学童保育運営協議会に委託)で設置されることになりました。

清久小の学童保育開設の時期を最初、「来年4月から」と書きましたが、間違いでしたので訂正します。

−文科省の「生徒指導に関する調査」−久喜市教育委員会の調査結果
『声と眼』346号 2007/11/26

学校での「いじめ」の実態は

 11月に、昨年度の全国の国公私立小中学校の「問題行動調査」による「いじめ」の実態が公表されました。
それによると、昨年度は調査対象を拡大したことと「いじめ」の定義を変更したため、「いじめ」の発生件数が05年度の6倍の12万件にのぼったことが明らかになっています。

 久喜市の「生徒指導に関する調査」によると、
▼小学校では、いじめの発生件数…05年度はゼロでしたが、06年度は13件、その内7件が「解消した」となっています。
▼中学校では、05年度は4件でしたが、06年度は14件、その内9件が「解消した」とされています。

「いじめ」は小学校では約半数の学校で、中学校は全部の学校で発生していて、けっして“特殊な問題”ではないことがわかります。

 なお、この調査は、「個々の行為が『いじめ』に当たるかどうかの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする」とし、さらに「いじめ」の定義は、「当該児童生徒が、一定の人間関係のあるものから、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」で、起こった場所は学校の内外を問わないとしています。

 いじめの発生件数は児童生徒1000人あたり、埼玉県内の平均4.8件に対して久喜市は4.5件でほぼ同じですが、全国平均の8.7件と比べると大幅に低く、こうした調査の数字が実態を正確に反映したものかどうかという疑問もあります。熊本では1000人あたり50件、2番目は福井の36件、関東では千葉が13件、東京が6.5件で、埼玉は関東地方でいちばん低くなっています。

「不登校」はやや増加

 同じ調査で「不登校」についての報告では、
▼小学校では「30日以上の不登校」の児童は、05年度は11人、06年度は15人で少し増えています(3年生以上)。
▼中学校では「30日以上の不登校」の生徒は、05年度は71人、06年度は73人となっています。

 「不登校となったきっかけ」は、小学校児童では「親子関係」「本人に関わる問題」が多いとされています。
中学校生徒の場合は「友人関係」「いじめ」「学業の不振」「入学や進級時の不適応」などの他、「家庭内の不和」「親子関係」「家庭の生活環境の変化」など、学校や教師の側が、本人や家族の問題としてとらえているケースが多くなっています。

不登校状態が続いている子どもたちについても、「情緒的混乱」や「無気力」が多く指摘されていて、子どもたちの本人や家族内の問題に大きな原因があるととらえられているようですが、実態はどうでしょう。


小学校の新入学生へのメッセージ
2007/4/10

 4月9日、地元の青毛小学校の入学式に来賓として出席しました。
 新入生85名、3クラスです。
 式はいつものように、最初に「全員起立」、「開会の言葉」に続いて、そのまま座らせずに「国歌斉唱」と続きます。
 私はやっぱりいつものように、司会者が「国歌斉唱」と言うと同時に着席し、「君が代」の間中、来賓席で一人で座っていました。
私の堰からは保護者席は見えませんでしたが、全員立って、「君が代」を歌ったのでしょうか。

 式の終了まで約1時間。1年生の子どもたちは、疲れていすに座ったまま眠ってしまう子どもたちもたくさんいました。

 私は来賓の中で、議員を代表してあいさつに立ち、子どもたちに次のようなメッセージを送りました。

 新しい、青毛小学校1年生のみなさん、入学おめでとうございます。
 お母さん、お父さん、保護者のみなさん、お子さんの入学おめでとうございます。

 みなさんは、今日から、青毛小学校1年生です。
 みなさんが今日、学校に来る途中で、校庭の桜の木が、花びらをチラチラと散らせてくれていましたね。みなさんの入学をお祝いしてくれているようです。

 うれしい気持ちですか。楽しい気持ちですか。
 それとも、小学校ってどんなところだろうって、ちょっと心配ですか。
 今日、急にとっても大きくなって、お兄さんやお姉さんになったような気分ですか。
 偉くなったような気持ちですか。

 みなさんは小さいときは、お父さんやお母さんの腕に抱かれて、大切に育てられてきました。
 それから公園なんかで遊ぶようになって、友だちが1人、2人、…、5人くらいいましたか。
 幼稚園や保育園に通っていたお友だちは、おんなじクラスに10人くらい、20人くらい、いましたか。
 今まで、友だちは何人くらいいましたか。手で数えられるくらいでしたか。
 小学校に入ると、いっぺんにおんなじクラスに30人の人がいます。みんなお友だちです。1年生全部では90人です。これもみんなお友だちにしちゃいましょう。
 友だちの友だちも、みんなお友だちにしちゃいましょう。
 青毛小学校全体では500人です。もう数えられませんね。

 お友だちをたくさん作ると、いいことがたくさんあります。
 どんないいことがあるかというと、学校や、家に帰ってから、いつでも誰かと遊ぶことができます。
 勉強がよくわからないとき、お友だちに教えてもらったり、いっしょに考えてもらうことができます。
楽しいことやうれしいことがあったとき、お友だちにお話しして、いっしょに喜んでくれたりします。
 困ったことや悲しいことがあったとき、どうしたらいいか、いっしょに考えてくれます。
 だから、お友だちがたくさんできると、学校に来るのが楽しくなります。

 大きくなるっていうことは、お友だちがたくさんできるっていうことなんです。
 数え切れないくらいの、たくさんの、たくさんの人たちと、友だちの輪、ができるっていうことです。
みなさんが、青毛小学校で、たくさんの友だちといっしょに、楽しくくらせるようになるといいですね。

 後ろの方に座っている、お兄さんやお姉さん、それから先生たちも、みなさんが楽しくくらせるようにきっと助けてくれますから、お願いしちゃいましょう。
 よろしくお願いしま〜す。

 入学おめでとうございます。

学校動物飼育の全国研究会に参加してきました
久喜市の動物飼育の取り組みが発表されました

2007/1/16

 1月14日、第6回全国学校飼育動物研究発表大会に行ってきました。
 全国の学校、獣医さん、行政関係者や研究者、300人以上が参加していました。
 午前中の第1部、午後からの第2部は、学校や幼稚園の現場からの報告でした。
◆「幼稚園における飼育活動」裕学園谷戸幼稚園の伊藤園長先生
 幼稚園でのモルモットの飼育を通じて、子どもたちのいのちを大切にする心を育てた経験。きっかけは「たまごっち」の流行だったそうです。
◆「ノンノンと一緒」東京学芸大学附属小金井小学校の長澤先生
 2年生のクラスでうさぎを飼育、休日はお持ち帰り飼育、作文、図工などの授業で使ってきたが、子どもたちの描く絵や文章が明らかに変わってきたという。
◆「生命を実感させる生物飼育の実践~ウニとメダカの固有飼育」 千葉県木更津第一中学校の小川先生
 中学校で、メダカとウニを卵から飼育、生徒一人一人に卵を預けて育てさせた。哺乳類でなくても、小さくても自分のペットとして実感するようになった。
◆「教えて!僕らのどうぶつの先生・高校生の小学校支援」 大阪府立農芸高等学校 ふれ愛動物部
 うさぎ、やぎ、ハムスター、モルモット、ポニーなど、たくさんの動物を飼育管理している。小学校や福祉施設への出前動物園、動物介在教育に関する研究活動をしている。小学校にうさぎを預けて飼育してもらって、子どもたちが変わっていったという実感。
◆「都市部での動物とかかわる体験を位置づける意味・昆虫飼育から酪農体験まで」 千代田区立九段小学校の石井先生
 カブトムシの卵を一人1個ずつ渡して、自分のカブトムシとして育てさせた。また、春と秋に、群馬県の嬬恋村にある牧場に宿泊して、酪農体験、牛に触れ、ブラシかけ、エサやり、ほ乳、清掃などの体験を通じて、労働や食べ物、いのちに対する意識が育っていく。
◆「飼育動物の学年飼育に取り組んで」 西東京市立柳沢小学校の四海先生と菅井先生
 うさぎの飼育を5年生以上の飼育委員会活動でやっていたが、校舎内に移し、3年生全員の学年飼育として取り組んだ。授業では、飼育を始める準備と勉強、名前を付ける、から始まって学習していった。途中で1羽のニワトリが死んだがいのちについて、みんなで話し合ったという。

 その中で、久喜市立青毛小学校も、「豊かな心を育む学校飼育活動の取り組み」と題して、大木先生・折原先生が報告しました。
 飼育委員、低学年児童のふれあい当番、先生たち、通学班による全校での親子ボランティア、飼育ボランティアの方々など、たくさんの方々の飼育への協力体制、飼育舎の改善の取り組みなどが報告されました。
 また、「命の教育としての飼育推進」と題して、久喜市教育委員会の 山本指導係長が、久喜市では動物飼育を教育委員会の教育重点施策の中に位置づけて、全市的な取り組みにしていること、6人の獣医さんと教育委員会で契約を交わして指導してもらっていること、毎年1回、研修会を開いて管理職や先生方に必ず参加してもらうなど、一部の先生や子どもたちに任せるのではなく、教育委員会が責任を持って飼育を進めていることを報告しました。
 第3部は、これらの報告のまとめとしてのパネルディスカッションでした。
 いちばん反響が大きかったのは、久喜市教育委員会の報告で、会場からたくさんの質問が出ていました。
 各地の学校では、それぞれ、熱心な先生や学校の取り組みで、先進的な動物飼育をして成果をあげている学校も多いのですが、久喜市のように教育委員会全体の取り組みになっていない、教育委員会としての教育課程の中に位置づけられていないで、熱心な先生の努力にかかっているというのが現実のようです。
 久喜市の場合には、教育委員会が予算も組んで、獣医との契約や研修会の場も保障しているわけで、「どうしたら教育委員会で取り組んでもらうことができるのか」ということがみなさんの最大の関心事だったようです。

 最後に、特筆すべき報告がありました。
 それは、動物飼育による子どもたちの教育上の効果についての、中島先生(お茶の水女子大大学院)の研究報告です。
「学校での動物飼育体験が、子どもの動物への共感性および向社会的行動の発達に与える影響の検討」というテーマで、学校での動物飼育が、本当に有意義な効果を持つのかという研究です。
 西東京市のある小学校において、学年飼育をした子どもたちと、他の学校の、飼育しない子どもたちとで、その動物に対する意識の変化、社会意識の変化を比較しました。
 その結果、動物飼育を経験した子どもたちが、飼育を体験していない子どもたちに比較して、明らかに動物に対する愛情、共感性が高まったこと、それだけでなく、「お年寄りの席を譲る」「友達の宿題などを手伝ってあげる」などの社会意識の成長もあるということが、統計的に実証されたというものです。
 これまで、一般的に、また経験的に、動物飼育が心の教育によい結果を与えるといわれてはいたものの、こうした実証研究は初めてのものです。
 この研究成果が、これから学校飼育を進める、そしてその環境の改善を求める上での大きな論拠になっていくだろうと感じました。


青毛小の大木先生と折原先生の発表

教育委員会の山本指導係長の発表

パネルディスカッション
全国学校飼育動物研究会 「学校飼育動物を考えるページ」

体育等の着替え、男女別室の徹底を
2006年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』324号 2006/11/20

 1学期まで、市内のほとんどの小学校で、体育やプールの着替えを男女いっしょに行っていました。
私は7月に教育委員会に『男女は別室で着替えさせるべきだ』と指摘し、7月10日に、教育長から各小中学校あてに「更衣室を設けるなど、小学校3年生以上は別室にするように」という通知を出して改善を指示しました。そこで夏休み以降の状況をただしました。
 教育長の説明によると、6月まではプールの着替えで4年生で3校が同室、体育では4年生で5校が同室でしたが、夏休み前の時点では、プールの着替えは3年生で2校、体育では4年生で4校に減りました。
さらに9月1日に開いた校長会でも、着替えは男女別室を徹底するよう指導したということです。
今後、余裕教室を利用して更衣室を設ける、特別教室を利用したり、別の教室で着替える、同じ教室の場合はパーテーションで分けるなどの対策をとっていく考えです。


「全国学校飼育動物研究大会」で、久喜市の学校動物飼育の取り組みが報告されます
2006/1/19

久喜市の小学校で、ウサギやニワトリなどの小動物を飼育しています。
以前は、学校や教育委員会の理解不足(!?)からか、きわめて劣悪な飼育条件にあって、夏休み中、ほとんどエサも水もなかったり、うさぎの子供が生まれてもそのまま死んでしまったり、飼育小屋の側には、小さなお墓が並んでいたりしました。
 ある小学校で動物飼育ボランティアをかって出ている市民の方たちといっしょに、最初に私たちが、各学校の飼育状況を見て回ったのは、2002年の夏休みでした
 その頃から、教育委員会や各学校でも、飼育担当に責任を持つ先生をきちんと決めて、子どもたちの責任も決めて、また獣医師会と協力して学校ごとの担当獣医師さんの協力を得て、現在は、驚くほど動物たちの状況が改善されています。
 この間、教育委員会や校長、飼育担当の先生方の研修会も定期的に開催し、「学校動物飼育研究会」の中川美穂子先生にも何度も久喜まできていただきました。

 来年1月に開かれる「全国学校動物飼育研究大会」に、久喜市の取り組みが発表されることになりました。

チラシ
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/Taro-6kai.pdf
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/6kaigaiyo.htm

第6回 全国学校飼育動物研究大会

平成19年1月14日(日) 会場:お茶の水女子大学
大会テーマ
うちの園・学校の動物 〜教育課程と飼育〜


●口頭発表
 @裕学園谷戸幼稚園園長伊藤裕子「幼稚園における飼育活動」
 A東京学芸大学附属小金井小学校長澤仁志「ノンノンと一緒」
 B千葉県木更津第一中学校小川博久「生命を実感させる生物飼育の実践~ウニとメダカの固別飼育」
 C大阪府立農芸高等学校ふれ愛動物部「教えて!僕らのどうぶつの先生・高校生の小学校支援第2弾」
 D千代田区立九段小学校石井雅幸「都市部での動物とかかわる体験を位置づける意味・昆虫飼育から酪農体験まで」
 E久喜市立青毛小学校大木一彦・折原浩之「豊かな心を育む学校飼育活動の取り組み」
 F西東京市立柳沢小学校四海小夜子・菅井沙矢香「飼育動物の学年飼育に取り組んで」
 G久喜市教育委員会山本千恵子「命の教育としての飼育推進」

●パネル展示発表「東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎の飼育活動」「町田市立大戸小学校の動物飼育」
「板橋区獣医師会の支援活動」「動物飼育の衛生不安への対応」

 私も実際に、何度も“うさぎ巡り”(夏休みなどに各学校の状況を見て回る行動を、私たちはこう呼んできました)に参加して、学校や教育委員会と話し合いをしたり、議会でも取り上げたりして、見違えるほどに改善されてきたのをずっと見てきて、それが全国的な発表の場に取り上げられるのは、本当にうれしく思います。
 1月14日には、ぜひ参加したいと思います。

なお、チラシに、久喜市の発表内容の概要が出ていましたので転載させてもらいました。

「豊かな心を育む学校飼育活動の取り組み」
久喜市立青毛小学校 大木一彦・折原浩之教諭

 青毛小学校では、飼育動物とのふれあいや世話を通じて、小ども達に命の大切さをふくめた豊かな心の育成に取り組んでいる。
 現在の飼育動物の種類と数は、ウサギ8羽、チャボ1羽、鶏1羽である。
平日の世話は、5年・6年の飼育委員会の児童約30名と飼育委員会担当の教員4名のチームを組んで飼育小屋の清掃や餌と水やりなどの活動を行っている。
昼休みの世話は、3年生以上の児童と全教職員がクラスごとに1週間交替でローテーションを組んだ清掃中心の活動である。
土曜日や日曜日の世話は、教職員と通学班の親子で年間のローテーションを組んで実施している。(戸谷獣医師)

「命の教育としての飼育推進」
久喜市教育委員会 山本千恵子先生 

 久喜市では、市民からの投稿がきっかけで、市として各地の実例を研究し、平成15年から久喜市の獣医師会と「久喜市立学校及び幼稚園における飼育動物の指導等に関する契約」を結んでいる。
初年度から獣医師が担当校を4回も訪問してくれたが、内2回は教育委員会指導主事が随行して、既存の飼育活動に対する獣医師の考えを知ることが出来た。
また、毎年1回、中川先生をお招きして学校動物飼育に関する講演会をひらいているが、担当教員だけでなく、校長先生、教育委員会全体で参加したこともあって、全体に理解を得て、公立小学校の飼育は子どもたちの教育に良い影響を与えていると自負している。
また、保護者の協力も少しずつではあるが、得られるようになり、親子ボランティア飼育活動も広がってきている。
 動物を大切にする教育活動は、子ども一人一人を大切にする教育につながると確信している。

ひまわり保育園の改築へ、設計費を計上
病後時保育、0歳児保育、子育て支援センターを併設

2006/8/30

 ひまわり保育園の改築は「財政問題」から先送りされていましたが、ようやく9月議会の補正予算に「ひまわり保育園施設整備事業、調査・設計業務1500万円、土地購入費8750万円」が計上され、2007年度に建設される見通しとなりました。

 元々の保育園整備計画では2005年度に建築に着手(仮園舎の建設)し、今年の2006年度には完成しているはずでした。
すでに2004年度に設計ができあがっていたのです。
 それが、「財政困難」を理由として先送りされていたのですが、昨年の市長選挙を前にして急遽、田中市長の公約に「すぐに着手」と入れられてきたのでした。
 これをどのように実現するのか、田中市長が子育て支援をどれだけ重視しているのかどうか、注目されていましたが、やっと公約だけは果たしたということになります。
(もっとも、「すぐに」が2年後というのでは、胸を張って公約を果たしたといえるかどうか…)。

 なお、改築場所は、現在のひまわり保育園の場所ではなく、いちょう通りの東側、下水道終末処理場入り口付近(大字西向地)で、現在の場所から約300メートルくらい離れた場所に移転することになります。
 設計もやり直して、平屋建てとする方針です。
 ひまわり保育園の改築にあたっては、子育て支援計画で久喜市の新しい保育園、子育て支援の中核施設とする方針を打ち出していました。
今回の設計で、久喜市ではじめての病後時保育、公立でははじめての0歳児保育、子育て支援センターを併設します。


久喜市の総合体育館の指定管理者に、「京明」が入っていた
指定管理者の取り消し・変更を行う方針

2006/8/29

 市の公共施設の管理運営について、これまで端の直営や委託が原則でしたが、今年度から、指定管理者制度が導入されました。
 これは、運営管理全般を民間に移行して、経営的手法によって運営していくものです。
総合文化会館、久喜総合体育館および都市公園、いちょうの木やけやきの木などの障害者施設の運営が指定管理者に委託されました。

 総合体育館と都市公園(青葉グラウンドや、総合運動公園のプールなどの施設)は、毎日興業・京明プランニング・首都圏建物サービス共同企業体に委託されましたが、
この内、京明プランニングは、ふじみ野市の市営プールの管理運営に関して、問題となった企業です。
 ふじみ野市や他の自治体でも、京明プランニングが指定管理者にはいっていたところは、軒並み、京明をはずす方向に動いています。

 久喜市の総合体育館について、このまま管理運営を任せるわけにもいかず、
「毎日・京明・首都圏共同企業体」の中の「京明」をはずす方向で、検討がされています。
 今年の4月に指定されたばかりですが、京明をはずした2社に、別の企業を加えて改めて指定する方向です。
9月議会最終日に、指定管理者の変更(指定の取り消し・共同企業体を変更しての再指定)を行う方針です。


久喜市の学校のプールや市民プールも、内側の吸い込み防止柵が設置されていなかった
8月中旬までに、安全対策工事を完了しました


2006/8/22

 下記の記事で、市内の小中学校4校のプールの、排水口の内側の吸い込み防止柵の取り付け工事は、学校プールの使用が終わった後、8月11日までに完了しました。
 市民プール(流れるプール)の吸水口の内側の推古海防止柵は、水を抜かないと設置できないため、営業期間中の8月14日、水を抜かないまま、暫定的に「吸い込み防止のスクリーン」を設置しました。
 プールの営業は8月で終了するので、9月2日の防災訓練の時にプールの水を抜いて放水訓練に利用して、その後に、本格的な柵を設置することになったとのことです。

 ふじみ野市の市営プールで、水の循環ポンプの吸い込み口のふたのネジがはずれていて針金で取り付けられていた、また、2重にすべきふた(吸い込み防止金具)が外側だけしかなくて、吸水口のフタが設置されていなかった、などの安全不備が明らかになりました。

 これを受けて、全国の学校プールや公営プールの安全対策の確認が行われましたが、
久喜でも4校のプールと市民プールで、不備があったことがわかりました。

 教育委員会によると、
・小学校10校、中学校4校とも、循環式の吸水口(排水口)の外側のフタは正常にネジで取り付けられていました。
・内側の吸水口に、吸い込み防止金具が設置されてなかった学校が4校ありました。…清久小、青葉小、青毛小、久喜中

 新聞報道では「6校」、または「8校」と書かれましたが、当初、吸水口がプールの底にあるために確認できなかった学校があったとのことで、それらの学校も、プールの水を抜いて調査したところ、4校以外は吸い込み防止金具が設置されていたそうです。
 教育委員会としては、「直ちに設置する」方針で、早ければ8月前半までに設置されるとのことです。

 市民プール(流れるプール)では、やはり吸水口の外側のフタはありましたが、内側の吸い込み防止金具が設置されていませんでした。
 8月10日の段階で、「金具を設置する方針で、業者に見積もりを出してもらっている」とのこと。
 こちらもできるだけ早期に設置、改善していくとしています。


「久喜弁」をCD-Rに残していこう
2006年6月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』316号 2006/7/10

 ことばは地域に伝わる文化です。久喜周辺でも“久喜弁”と呼ばれる方言が残っていましたが、久喜弁を話せる人は都市化の進行とともに急速に減ってきていて、このままではもうすぐなくなってしまいます。久喜市では2002年に「久喜の昔のことば」という本をまとめましたが、当時は単語や文章だけで、微妙なイントネーションやアクセントは表現されていませんでした。そこで、日常会話や言い伝えなどをCD-Rに記録して“生きたことば”として残していくよう提案しました。
 教育委員会としても、「先人がどんなことばを使ってきたかを残すことは重要なことであり、調査研究していく。できるだけ早い時期に取りかかっていきたい」と答弁しました。


小学生の防犯ブザーの作動点検を
2006年2月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』309号 2006/3/6

 教育委員会が市内の全小学生に防犯ブザーを貸与していますが、電池切れや故障などで作動しない例が出ています。そうした事例の実態をどう把握しているかを質問しました。教育委員会は、「学校ごとに定期的に点検しているが、実態は把握していない」、「今後は学校での定期的な作動点検をするよう指導していく」と答弁しました。
 なお、各小学校では12〜24個の防犯ブザーを備えていて、故障などの際に交換してくれます。  今年度からは貸与でなく、児童に交付することとし、電池切れの際は保護者の負担、故障や紛失の場合はこれまで通り学校で交換します。


保育園整備計画・改築は2年遅れ
2005年11月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』305号 2005/12/26

 ひまわり保育園は2005年度に改築を行う予定でしたが2年遅れの2007年度からとなりました。久喜市の保育園整備計画では残りの4つの市立保育園についても引き続き改築を進め、2009(平成21)年度に完了する予定でした。
 ところが、市の行財政緊急改革計画では、「保育園整備計画の取り扱い検討」という項目が設けられ、改築時に仮園舎を造らない、『幼保一元化、指定管理者制度の導入等も視野に入れ、施設の複合化等も含めた見直し』と明記されました。つまり、これまでの保育園整備計画の全面的な見直しを進めるということになります。
−ーそこで、5か年で終了する予定だった保育園整備計画を延長するのか、それとも新たな要素も含めて全面的に検討し直すことになるのかをただしました。
 当局は、整備計画は2年間遅れて、2011年度までに終了の予定であり、新たな条件の下に全面的に見直すということではない。見直しが必要な状況が出てくれば、児童福祉審議会にも諮って審議していきたいと答弁しました。


一小学校区一学童保育所の基本方針
未設置校に学童保育開設を

2005年11月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』304号 2005/12/12

 現在、学童保育所は青葉小、青毛小、太田小、東小、本町小、北小で学童保育運営協議会が運営、民間で久喜児童クラブ(はるみ保育園)が設置され、全部で270名の児童が利用しています。
 久喜市ではこれまでも“一小学校区一学童保育所”を基本方針にしてきていますが、この他の小学校にはいまだに設置されていません。これらの小学校についても、保護者らの要望(ニーズ)をふまえて開設していくよう求めました。
 現在、学童保育が設置されていない学校では、久喜小から33名、清久小から11人、江面1小から8人、江面2小から2人が久喜児童クラブに通い、東小のさくらっ子クラブや本町小のたんぽぽクラブに通っている児童もいます。清久小や江面1小、江面2小からの通所は、はるみ保育園の送迎バスやファミリーサポートセンターを利用しています。運営協議会が運営している学童保育所に比べて保護者負担も高額になっています。
 特に江面1小では、99年に公設民営の学童保育がスタートした当時から、学童保育施設設置の要望が出されていました。江面地区などでも住宅地の増加、核家族化、働く母親の増加で、学童保育の必要性が高まっています。市行政も各小学校に学童保育設置を基本に、ニーズを調査してい
く方針を明らかにしました。


田中市長のマニフェストの信頼性が問われる小学校の警備員は「ボランティアで…」

『声と眼』304号 2005/12/12

 田中市長は市長選挙のマニフェストの『すぐに実現・着手』に『すべての小学校に警備員を配置します』『小学校への英語教育を導入−構造改革特区を申請し、外国人講師による小学生への英語教育』を掲げました。11月議会で、何人かの議員が、これらの具体的な実施方針を質問しました。
 このマニフェストに記載された『すべての小学校に警備員の配置』を読んで、ほとんどの議員も市民も、警備会社と契約して正規の警備員を派遣してもらうと理解していました。
 ところが教育次長は、「来年4月から配置する」が、「現在、地域の巡回をしてもらっているボランティアやシルバー人材センターに依頼するなどの案を検討している」と説明。具体的にはまだ何も決まっていないというのです。
 −ー当然ながら多くの議員から「約束違反だ」などの声が出て議場は騒然としました。ところが、次に答弁に立った市長は、「マニフェストでは紙面の都合で十分に書けなかったが、最初から正規の警備員の配置とは言っていない。警察官OBや警備会社のOBで協力してくれる人がいればお願いし、地域(ボランティア)主体でやっていきたい」「誤解を招いたことはお詫びする」と弁解に終始しました。
 つまり警備員の配置について、教育委員会ではいまだに具体的な方針が決まっていないわけです。
しかも今になって、『最初から正規の警備員を考えていたわけではない』と言い訳するのはあまりにも無責任ではないでしょうか。−実際、教育委員会では、“警察官OB”などの確保はまだできていないとも答弁しています。

◆“警備員”とは警備業法で規定され、研修なども義務付けられ、警備業者が派遣する専門職です。しかも学校に配置するとなれば、子どもたちとも日常的に接するわけで、学校との連携や教育面からの研修も必要になります。警備員の指導監督や責任問題も出てきますから、安易に『ボランティアの協力』ですませられる問題ではありません。

小学校の英語教育は「今後、2〜3年間、研究してから…」

 小学校での英語教育についての教育委員会の答弁は、「英語教育導入に関する研究会を設置し、2〜3年間研究していきたい」というものでした。つまり、小学校への英語教育の導入をどのように行っていくか、まだ決まっていないということ? 「すぐに実現・着手」が、なぜこれから検討していくということになるのでしょうか。

◆現在は、総合学習の国際理解教育の一環で、英語学習が一部で行われています。これを教科として行うかどうかは大問題。文科省の中央教育審議会でも小学校の英語教育が議論されています。久喜市単独で性急に英語教育を導入するよりも、もっと慎重に検討すべき課題ではないでしょうか。

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 いずれも田中市長のマニフェストの信頼性そのものに関わる問題です。−やはり『すぐに実現・着手』とされていた、ひまわり保育園の改築が、実は2年後の09年度、ということも明らかになっています(9月議会)。『すぐに』としながら先送りしたり、具体的な方策の検討がなされていないなど、政治的責任も問われてきます。

★小学生からの英語教育が必要かどうか、なぜ英語なのかの議論もある。教育委員会の検討なしに『英語教育の導入』を打ち出した市長のマニフェスト。どこかおかしい。★

大地で、小学校の英語教育を視察研修

 大地の3人で、11月に粕壁小学校(春日部市)の英語教育研究発表を研修してきました。数年間かけて小学校での英語教育のあり方を研究してきており、『今の中学の英語教科を小学校におろすのではない。かえって“英語ぎらい”をつくってはならない』ことも強調されていました。


→石川市議のホームページの「ニュース」にも、詳しい質疑・答弁が掲載されています。


子ども医療費支給を拡大
『声と眼』303号 2005/11/28

 11月議会に、乳幼児医療費支給条例の改正が提案されました。
 −−「子ども医療費」と名称も変えて、入院は15歳まで、通院は小学校就学前まで、公費で負担することになります。
 もともと子育て支援のために乳幼児医療費無料制度があったのですが、4年前の田中市長2期目の時に、入院時の給食費の半額と1か月1000円の自己負担制度を導入して有料化されていました。今回の改正で、本来は医療の一部である給食費は公費で全額負担、一部自己負担もなくして無料に戻すことになり、来年4月から適用します。
 …来年就学する児童の保護者は、この4年間、一部自己負担させられてきて、来年からの通院時無料の恩恵にもあずかれない…、4年間の自己負担分を損した感を否めません。
 −−そもそも、久喜市政の子育て支援という政策方針がしっかり確立できていなかったことが問題です。


ひまわり保育園改築は2007年度
2005年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』301号 2005/10/31

 一般質問の第一番目に、「田中市長の政治姿勢」をただしました。ーまず、田中市長が市長選挙のマニフェストで「ひまわり保育園の改築」を『すぐに実現・着手』と明記したことについてです。
 そもそも、ひまわり保育園の改築は、04年度に設計ができあがっていて、今年度に建築に着手(仮園舎の建設)する計画でした。
昨年の暮れに保護者らにも説明していたのですが、今年の当初予算に計上されませんでした。(06年度に着工する計画だった南中の校舎改築も、今年の当初予算に設計費が計上されず、先送りされました)。
 3月議会で多くの議員が、ひまわり保育園と南中の改築の早期実現を強く求めました。
−−その後、南中の校舎改築は、5月のPTA総会で突然、市長が「今年度着工」とぶちあげ、復活しましたが、この後の6月議会でも、ひまわり保育園の改築は見通しすらも示されませんでした。
 ところが、市長選挙直前になって、田中市長のマニフェストに『すぐに実現・着手』『ひまわり保育園の改築』が明記されたのです。
 3月議会で、田中市長自身が「ひまわり保育園の改築につきましては平成17年度、18年度の2か年の継続事業となる予定でございました。……緊急性、必要性は十分認識しているところではございますけれども、多額の一般財源の確保は困難なため事業の見送り」と答弁していました。
 議会で説明した政策方針を、選挙がらみでさっさと変えてしまうというのは、政治家としてあまりにも無責任です。ー予算編成の時に、明確な財源見通しを持っていなかったのでしょうか。財源がどこからか湧いてきたのでしょうか。それとも選挙対策で無理にでも実現して、財源問題は将来に付け回しするという考えでしょうか。

「すぐに」が「2年後」ですか?

 『すぐに実現・着手』『ひまわり保育園の改築』とは、いつ実現するのか。ー驚いたことに、市長の答弁は「2007年度に着工」というものでした。
 もともと、05年度と06年度で実現するはずだった改築です。「すぐに」というなら、遅くとも2006年度早々には着工するのがあたりまえです。
−−しかし田中市長が「すぐに」と言うのは、2年後のことだったのです。さらに「建築コスト削減のために、仮園舎は造らない」「改築場所を現在地にするかどうかも検討する」とも言います。ーということは、すでに04年度に行った設計もやり直すということになります。
 私は思わず、「市長、あなたの言う『すぐに』は2年後のことですか」と大きな声をあげましたが、田中市長は、もうこれには答えませんでした。

子育て支援に、「受益者負担の論理」は誤りだ

 田中市長は「乳幼児医療費の無料化」を「通院は就学前、入院は中学まで」拡大することもマニフェストに明記し、今回の議会で来年度から実施すると表明しました。
 しかしそもそも、以前は無料だった乳幼児医療費を有料化したのは、田中市長本人だったのです。
−−4年前に2期目当選してすぐに、入院時の給食費などの一部自己負担制度を打ち出しました。私たちは、無料制度を維持する修正案を出しましたが、有料化が強行されました。この自己負担について、田中市長は「受益者負担として、負担の公平化を図る観点から、撤廃する考えはございません」と強硬に断言してきたのです。その結果、久喜市の子育て支援政策は、県内最低レベルです。
 子育て支援、次世代育成政策は、政治の最優先課題の一つであり、今回、田中市政が自己負担を撤廃し、無料化すると言い出したのはむしろ遅きに失した、当然の政策転換です。
 田中市長はこれまで、「受益者負担の原則」に固執し、乳幼児医療費無料制度にもこれを適用してきました。ー私は、何でもかんでも「受益者負担」というのは誤りで、こういう考え方を撤回するよう求めたのですが、市長は「政策転換ではない」「受益者負担はこれからも大原則である」とスジの通らない答弁でした。

★4年前に乳幼児医療費の一部自己負担にして、今度は無料化に戻す。この4年間、市長の誤った政策判断で、一部市民が不当に自己負担させられてきたわけだ。★


【付記】
◆下の記事《『猪股が机を叩いた』『猪股がどなった』と大騒ぎする議員たち》を書いてから、誤解されては困るので、少々書き足すことにします。
 私はこれまでの議会質問で、机を本当に叩いたことは何回もあります。手のひらで、また、握った手で叩いたこともあります。
 議長が不当に質問をさえぎろうとしたので、議長席の前に駆け上がって、議長の机を叩いたこともあります。
 私の他にも、以前には、よく、指の先で、トントントントンと机を叩きながら質問していた議員もいました。
 おかしな答弁が来たら、怒るのがあたりまえだし、机を叩くことは、人間として自然の表現である場合もあるでしょう。
 (もちろん、どんなに怒っても、人に向かって手を出してはいけないことは大前提ですよ。
 それに、いつもいつも怒っていたり、机を叩いてばかりでは、かえって迫力がなくなるし、ケンカみたいになって、議会審議が成り立たなくなってしまいますから、これも論外です。
 私の場合も、おかしな答弁はよくありますが、机を叩くようなことはめったにやりません…)。
 どんなばかげた答弁が来ても、怒らずにいられるとしたら、その人は逆に、自分の主張・質問に本当は自信がないのではないでしょうか。
 だから、机を叩くという行為、大きな声を出すという表現が、それ自体として「悪」だとは思ってはいません。
(「猪股が大声を出して、机を叩いた」と悪口を書いている議員さんも、よく再質問などで大きな声を出しますしね。)
 それは、本当の率直な気持ちを素直に表すという場合もあるのです。

 だから、私は、「猪股が机を叩いた」と言って非難されたことについて、弁解などする気はさらさらありません。
 ただ、「叩いた」「叩いた」と言って、そのこと自体が大問題でもあるかのように、悪口を言っている議員たちの、あまりのばかばかしさについて書いたのです。

ひまわり保育園の改築は19年度に着工
田中市長のマニフェストの『すぐに』は、実は2年後のことだった

2005/10/18

 10月3日の一般質問で、私は第1番目に、「田中市長の政治姿勢」をただしました。
 特に、田中市長が市長選挙のマニフェスト「政策実行計画」の中で、『すぐに実現・着手します』の項目に、「ひまわり保育園の改築」を明記したことについてです。

 そもそも、ひまわり保育園の改築計画は、平成16年度に実施設計ができあがっており、17年度には建築に着手(仮園舎の建設)して実現していく計画でした。
これは昨年の暮れに保護者らにも説明していたのですが、今年の当初予算に計上されませんでした。
 また、18年度に着工する計画だった南中の校舎改築も、設計費を今年の当初予算に計上せず、先送りにしてしまいました。
 これらはいずれも、昨年の暮れまでに関係者に説明・約束していた事業であったにもかかわらず、いっさいの説明なしに、中止してしまったのです。
 3月議会で、私は、『ひまわり保育園の改築の早期実現』『見通しを明らかにするよう』、強く求めました。

 その後、南中の校舎改築だけは、5月のPTA総会で突然、市長が「今年実現」とぶちあげ、当初の計画(18年度改築着工)よりも早めると発表しました。
 6月議会では、多くの議員が、この不透明な、《実現→中止・先送り→復活》の、政治判断の迷走をただしました。
 この時点でも、ひまわり保育園の改築は「18年度以降」というだけで、見通しすらも示されませんでした。

 ところが、市長選挙直前になって、田中市長のマニフェストに『すぐに実現・着手……ひまわり保育園の改築』が明記されたのです。

 3月議会で、田中市長自身が「ひまわり保育園の改築につきましては平成17年度、平成18年度の2カ年の継続事業となる予定でございました。……緊急性、必要性は十分認識しているところではございますけれども、多額の一般財源の確保は困難なため事業の見送りという苦渋の選択をせざるを得なかったわけでございます」と答弁していたのです。
 それが、わずか半年間の間に、南中、ひまわり保育園の改築など、財源問題を理由に先送りした事業を、次々に復活させてくる、田中市長の政治姿勢には、大いに疑問を持ちます。
 田中市長は、きちんとした財政見通しを持てないで、自身の政治判断に自信が持てずに、議会で説明した事業方針を選挙がらみでコロコロと変えてしまう、理由をきちんと説明できない、良い意味でも悪い意味でもいったん決めた政策方針守れない、これは政治家としてあまりにも無責任です。
 ないと思っていた財源が急にどこからか湧いてきたのでしょうか。
 それとも、最初から、やろうとすればできたのに、財源のきちんとした見通しを立てられないで、「できない、やらない」と言ったのでしょうか。
 あるいは、あまりに反発が強かったので、無理にでも実現して、財源問題は将来世代に付け回しすればいいと考えたのでしょうか。

 私は、「すぐに実現・着手……ひまわり保育園の改築」が、いったいいつになるのかも明らかにするよう求めました。
 驚くべきことに!! 市長の答弁は、「19年度に着工」というものでした。
 そもそも、17年度と18年度で実現するはずだった改築です。「すぐに」というなら、南中の校舎改築と同じように今年度の着工するか、遅くとも、18年度早々に着工と受けとめるのがあたりまえです。
 しかし市長のいう「すぐに」は、2年後の「19年度」のことだったのです。
 さらに、「建築コスト削減のために、仮園舎は造らない方向」「改築場所を現在地にするかどうかも含めて検討している」とも言いました。
 ということは、16年度に行った実施設計そのものからやり直すということになります。

 私は思わず、「市長、あなたのいう、『すぐに』とは2年後のことですか」と大きな声をあげました。
 田中市長は、もうこれには答えませんでした。

 政治家としての田中氏に、私は今、大きな不信感を募らせています。
 市長選挙で掲げたマニフェストには、まだまだ多くの市民への約束が書かれています。
 しかし、市長のいう「すぐに」が2年後を意味するということが明らかになってしまった以上、他の多くの盛りだくさんなマニフェストも、どれほど信用できるでしょうか。

『猪股が机を叩いた』『猪股がどなった』と大騒ぎする議員たち

 この時、私はあまり意識はなかったのですが、手に持ったノートを机の上に置いたときに、手の甲が机にぶつかったようです。
 その後で、後ろに居並ぶ議員たちが、『猪股が机を叩いた』『机を叩いた』と騒いでいました。
 またある議員は、『I議員が質問中に突然大声を出し、机を「ドン」と叩いた。皆びっくりした。何で大声を出したのか、また、出さなければならなかったのか、不明だったから』『机をドンと叩き、「すぐやると言っていながら、19年とは何だ!!すぐやるのであれば、18年だろう!!」と大声で市長を怒鳴った』と書いていました。
 この議員さんたちにとっては、市長の「すぐに」が実は「2年後だった」ということなどは、たいしたことではなくて、
それよりも、『猪股議員が机を叩いた』ことの方を問題だと映ったようです。
(この人たちは、まるで猪股が机をゲンコツででも叩いたかのように言っているのですが、実際には、ノートを両手で持っていたのですから、叩けるはずはなかったのです)。

 あの場面で最も問題なのは、市長が『すぐに』と明記したのが、実は2年後だったということです。
 問題の本質は、市長の言葉(約束)の軽さであり、これは“公約違反”ではないのでしょうか。

 この日もたくさんの市民が傍聴にきていました。
普通の市民は、市長の公約違反とも言えるやり方と、『猪股議員が大声を出し、机を叩いた』(ように見えた)ことの、どちらが問題だと思うでしょうか。
 そして、市長にすべての免罪符を与え、「何で大声を出したのかわからなかった」とぬけぬけと言ってみせる、議員の鈍感さには呆れるばかりです。
 (しかもこの議員の書き込みは、小ずるいことに、いつも「匿名」なのです)。


“財源不足で南中改築を見送り”のはずが、突然の事業復活
ひまわり保育園の改築=保育園整備計画は先送り、見通しなし

2005/6/10

 久喜市では、昨年度までの議会で、南中学校、5つの市立保育園の改築について、05年度以降、計画的に改築を進める方針が示されていました。久喜市の保育園はいずれも30年以上前の建物であって老朽化してきており、久喜市子育て支援行動計画、および「保育園整備計画」に基づいて、ひまわり保育園は05年に設計、06年着工、07年完成、それに引き続いて、各保育園の改築を順次進めていく。それと同時に、0歳児保育や病後児保育なども開始。地域子育て支援センターも設置していく計画でした。また、南中学校も耐震診断で大地震に耐えられない危険校舎と診断され、06年に設計、07年から改築の計画でした。これらの改築計画は、それぞれのPTAや保護者会、児童福祉審議会などにも説明されていたのです。
 しかし、新年度の予算編成の過程で、財源不足を理由として、いずれの改築計画も全面的に削られてしまいました。ひまわり保育園の設計費は予算に盛られませんでした。2月定例市議会で、当局は「07年度以降、財源の見通しが付いた段階で改めて改築していく」と説明したのです。
 ところが5月頃に事態は急転回しました。南中学校のPTA総会で、市長が突然、今年秋の補正予算で設計を行い、06年度中に改築工事に着工するとぶちあげたのです。保護者らも議員もビックリしました。
 一方、ひまわり保育園の改築についてはまったく説明はありません。南中の1年前には着工する予定だったひまわり保育園改築は後回しにされることになります。ひまわり保育園の改築は、久喜市の保育園整備計画の出発点と位置づけられていたものですから、必然的に子育て支援行動計画もさらに先送りにされることになります。
 なぜこんなことになったのか。そしてこのような計画変更に、大きな疑問があります。
 改築工事の見送りも、保護者には何の説明もないまま決定されてしまいました。今度は、南中だけ、突然の復活です。
 ひまわり保育園の関係者には、いまだに何の説明もなく、見通しも示されません。
 これでは、久喜市の子育て支援、次世代育成行動計画の実施は、「紙」に書かれただけの空論で、計画に関係なく恣意的に決められていくことになります。…何のための計画か、市民への説明は何だったのか、市の「計画」自体の意味が問われます。

なぜ、ひまわり保育園の改築は先送りされて、南中の改築だけが復活したのか

 このような判断をした久喜市当局、田中市長の「判断根拠」はいったいどこにあったのでしょうか。
 ひまわり保育園の保護者と南中の子どもたちと保護者の数の差でしょうか。
 南中は清久と江面すべての住民にとっての関心事であり、ひまわり保育園は保育園に子どもを預ける必要のある人たちだけに関わることという、関係者の人数、あるいは“力”の差でしょうか。
 南中の改築を先送りしたことに対する、江面や清久地区の住民の反発があまりに大きかったので、8月の市長選を前にして、その影響を怖れて市長が政治的判断をしたのでしょうか。そうとしか考えられないではないですか。
 しかしこの一連の経過は、田中市長の政治判断に対して、あらためて疑問を増幅させるものです。

「財政が厳しいから」という政策判断にも疑問

 市長が、来年度に南中の改築をすることができると判断した、財政状況の見通しも、たいへん疑問です。
 今年度の予算は182億円、10年前の水準に戻った、それだけ厳しい予算だと説明されていました。
 ところが今年に入って、昨年度の決算見通しを立てたら、9億円以上もの剰余金(繰越金)が出ることになったので、その財源を南中の改築に充てるのだと言います。(隠し財源だった?)

 実際にはどうでしょうか。この他にさらに、地方交付税交付金の増、市民税の増収(政府の“景気拡幅”が本当ならば、ですが…)など、もっと歳入が増える可能性すらあります。とすると、財源不足だからと言って、市民にガマンと“痛み”を押し付け、市民負担の引き上げとサービスの切り下げようとしている、これまでの当局の説明自体が信用できるのでしょうか。こうした、財政の基礎資料となる数字は、市民には把握しようがない当局が握っているものですが、市民への情報操作に使われてはなりません。ましてや、市長選挙対策に使われてはなりません。


 昨年度04年度の繰越金は、当初予算見積もりが3億円だったのに対し結果的には6億円でした。
 今年度05年度の当初予算では繰越金は4億円と見込んでいました(当局は今年はめいっぱいに見込んだと説明していました)。それに対し、5億円も増えて9億円の繰越金が確保できたというのですから、たいへんな金額なのです。

「性教育」の書籍を攻撃…なぜ?
『声と眼』284号 2005/1/24

 12月議会の一般質問で、井上議員(みらい)が、市立図書館の「性教育」に関する書籍に対して、「図書館の児童図書コーナーに“行き過ぎた性教育”の本がある。こういう本が青少年に影響を与えているのが困る。公的な場所にそういう本があるのはおかしい」などの質問を繰り広げました。
 教育委員会は、「図書の選定は久喜市立図書館資料収集方針に基づいて行っている。ジェンダーフリーに関する資料として置いているのではない」、「日本図書館宣言で『図書館の資料提供の自由は、人権・プライバシーの侵害や、わいせつ出版物と判決が確定した場合だけ制限される』とされており、市立図書館の性教育に関する書籍はそれらには当たらない」と答弁しました。

デタラメ発言は許せない

 井上氏は質問の中で、図書館に「高校生になったらセックスしろと書いてる本もある」とも発言。
−−私が思わず、「そんな本はない」とヤジを飛ばすと、あわてて「そういうふうに受け取れる本もある」と言い直しました。議会でこんな一方的な決めつけとデタラメを述べ立てるのは悪質です。
 また性教育の書籍を「子供が信じることが怖い」などの発言は、性教育そのものの否定です。
 今、少女・女性コミック、男性週刊誌、アダルト本やビデオ、インターネットなどにも露骨な『性』情報があふれ、子どもたちは簡単にそうした情報に触れることができます。携帯からも出会い系サイトに入れます。『性』が商品として大っぴらに売買されていて、子どもたちは『性』情報の氾濫にさらされ、“事件”に巻き込まれています。
 一方で、興味本位の『性』から、青少年の中絶、性病の蔓延、“妊娠したが誰にも相談できず、トイレで出産”などの事例にも事欠きません。
−−これらを「行き過ぎた性教育が原因だ」とでも言うのでしょうか。−−絶対に違います。まったく逆です。

まともな性教育こそ必要なのに…

 市立図書館においてある、性教育に関する書類を実際に読んでみると、男女の裸や性器の説明、出産シーンが載っている本もあります。さらに、愛情と『性』、妊娠、避妊、性病の怖さ、さらに、『性』の売買、望まないセックスについてもきちんと書いています。こうしたまともな『性教育』の書籍を排斥したら、世間には興味本位の扇情的な性情報しか残りません。真正面から『性』を取り上けた性教育の書籍こそ貴重であり必要です。
 井上氏は、「こうした本は男女共同参画のジェンダーフリーによる教育か」「男女共同参画を推進する機関が学校教育にまで介入している」とも発言しました。
−−機関? 介入? 男女共同参画と「性教育本」とをむりやり結びつけ、やり玉にあげる意図は、いったいどこにあるのでしょう。

★ジェンダーフリーは、生物学的な違いを除いては男女は同じ能力、権利を持っている。男・女の枠に当てはめないてその人の個性を生かせる社会にしようという考え方です。★


図書館の「性教育本」の存在を攻撃する質問
「質問の意図」はどこにある? 「性教育」自体の否定?

2004/12/27 

 12月2日、市議会の一般質問3日目に、井上議員(みらい)が一般質問で、市立図書館の「性教育本」に対する非難の質問をしました。(下記は質問通告書の原文です)。 

市立図書館の児童室にある性教育本のあり方について
 市立図書館の児童室に行き過ぎた性教育の教材があるとの声があり、碓認に行ったところ、「自分の子供がこのようなものに触れて、それを信じることが怖い。子供に読ませたくない。」との意見に納得せざるを得ないものが多数あった。
(1)これが男女共同参画のいうジェンダーフリーによる教育か。そうした本が多数置かれていることと、それとの関係について。
(2)中身は教育の域を超え、思想の押し付けともとれるものがあることを教育委員会はどう考えているのか。そもそもその存在をきちんと把握しているのか。

 市の教育委員会の答弁は、「久喜市立図書館資料収集方針」に基づいて行っており、これらの本は、男女共同参画のいうジェンダーフリーに関する資料として収集しているものではない」、「児童書に限らず、思想を押し付ける意図のもとに選定しているものではない」、「日本図書館協会の定める、社会、医学、薬学の分類による選定収集である」
 また、図書選定基準について、「日本図書館宣言」(1979年)の1節を引用して、次のように答弁しました。
 「図書館の資料提供の自由は、次の場合だけ、制限される。
(1) 人権またはプライバシーを侵害するもの
(2) わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの
(3) 寄贈または寄託資料のうち、寄贈者または寄託者が公開を否とする非公刊資料」

 「日本図書館宣言」には次の文章もあります。
◆多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。
◆個人・組織・団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制したりはしない。
◆図書館は、将来にわたる利用に備えるため、資料を保存する責任を負う。図書館の保存する資料は、一時的な社会的要請、個人・組織・団体からの圧力や干渉によって廃棄されることはない。
 久喜市立図書館が、この精神に立ち続けることを願います。
 その意味で、井上氏の質問に対して、教育次長が、
「図書館としては、利用者からの意見は、貴重な意見として承るが、直ちに反映させることはむずかしい。ただそのことは図書館運営協議会に報告しておきたい」と答弁したことは、「議会における、議員の圧力」を容認することになるのではないかと、少し気になります。


デマや決めつけで、「性教育本」を排撃

 井上氏は、質問の中で、
 「市立図書館に、具体的に説明したり、目にするのも恥ずかしい写真や用語の説明の本がたくさんあった」、「こういう本が子どもたちに影響を与えているのが困る」、「公の施設にそういう資料があるのは変だと感じる」と述べました。
 また、「そういう本が子どもたちに影響を与えているので困るという議論があるのを知っているか」と、何度も繰り返していました。
 つまり、『図書館の性教育に関する書籍は、青少年のセックスをあおるものだから、公の施設におくのは好ましくない。撤去しろ』という質問です。
 質問を聞いていてあきれたのは、井上氏自身が、あまりにも性教育について知らないのではないか、青少年たちのおかれている状況を知らないで質問していると思えたことです。

 たとえば次の発言は、議会における公式発言としても、最も悪質です。
 彼は質問の中で、「高校生になったらセックスしなさいみたいな記述があるものもあるわけですよね」と、いったんは決めつけました。
 私が、『図書館にそんな本はない』とヤジを飛ばすと、あわてて、「実際に当然にそういうふうに取られるものもあるのです」と言い直しました。

  この発言部分は、正確を期するため、市議会会議録の正式な文章を引用しました。(2005年2月1日)

 この発言などは、まったくのデマ宣伝に他なりません。「高校生になったらセックスしなさいと書いてる本があった」と言ってしまえば、図書館の性教育本など見ていない議員は『ヘエ、そんな本が置いてあるのか』と信じてしまうかもしれません。
 あるいは井上氏自身が、図書館の性教育の書籍をよく読まずに、部分的にぱらぱらとページをめくってみただけで、街中の書店に並んでいる、アダルト本とごっちゃにしてしまったのかもしれません。……少なくとも、立ち読みでなく、もっとちゃんと全体を通して読んでから、「批判」するべきでしょう。

 次の文章は、どこかの性教育と男女共同参画を結びつけたり、性教育自体を否定する論法です。(またはどこかの団体の受け売りか)。
 井上氏の発言
 「男女共同参画を推進する機関が、学校教育にまで介入している」
 「ある自治体では、実際に問題が起こっている」「アメリカでも(性教育を)同じようにやった。それで、性が乱れてきたので、性道徳教育としてやっていったら直っていった。そういうことをちゃんとやらないと、たいへんなlことになりますよ」
 「性が乱れている」とはどういうことをさすのでしょう。
 また「性が乱れた」のは、性教育をやったからでしょうか。また、図書館の性教育本を読んだからでしょうか。……絶対に違います。
 井上氏の言う「性道徳教育」とは、青少年に「結婚まではセックスをするな」と教えることでしょうか。それで子どもたちの目と耳をふさいで、「性情報」を遮断したり、子どもたちの「性」への興味を断ち切ることができるとでも考えているのでしょうか。
 質問通告書にあった(井上氏は最初にこれを読み上げた)、「これが男女共同参画のいうジェンダーフリーによる教育か」というのも、まったく意味が分かりません。男女共同参画と「性教育本」と、どう関係があるというのでしょう。……男女共同参画に反対する、何らかの意図があっての「ためにする攻撃」というしかありません。

「性の乱れ」の原因は、性教育が悪いのか?

 「性の乱れ」について言えば、問題は全く逆です。
 「性」自体が商品として売買され、さらには児童の「性」(雑誌やビデオ、写真、下着の売買)、海外から女性の人身売買、買春ツアー。……日本ほど風俗産業がおおっぴらに商売になっている国は、他にないとまで言われています。
 今や、インターネットの出会い系サイトやアダルトサイトを、子どもたちは、自由に見ることができます。ケイタイからも出会い系サイトにいくことができるのです。
 こうした社会の状態が、青少年たちに影響を与えないわけはありません。(小学生たちが興味本位で渋谷に行って、監禁された事件もありました)。
 大人たちの「性」商品化の食い物になっているのが子どもたちです。社会にあふれる「性」情報に多くの子どもたちが、興味を抱かされだまされて、「事件」に巻き込まれます。

 一方で、そうした情報から得た中途半端な、興味本位な「性知識」で、「興味本位なセックス」に走ります。
 その結果、青少年たちの間での「性病」の蔓延も、日本は、世界的にも最も深刻な事態に陥りかけている国の一つとされています。また、“子どもができたが誰にも相談できない”、“トイレで出産して放置”、“子どもや、母親の生命自体の危険”などの事例にも事欠きません。
 それらを「性が乱れている」と言うとしたら、その原因は、大人社会の「性の乱れ」=「性の売買」です。絶対に、図書館の性教育の書籍が原因ではありません。

 図書館においてある「性教育」に関する本を、私も実際に見てみました。
 「子どもの権利条約」を勉強しているサークルで、まとめて借りてきてもらい(19冊、ありました)、みんなで見て感想を出し合いました。
 それらの本には、男女の裸の写真や絵や性器の説明が載っています。性器や、出産シーン(赤ちゃんが出てくるところ)の写真が載っている本もあります。さらに、子どもができるということはどういうことか、愛し合った結果(過程)としてのセックス、避妊(コンドームの必要性も)、性病の怖さについてもきちんと書いてありました。一方で「商品」としての性、望まないセックスについても書かれています。
 これらの「性教育本」は、正確な「性」情報、真正面から「性」を取り上げ、解説しています。こういう「性教育本」こそ必要なのです。
 残念ながら、今の日本社会には、興味本位の「性情報」の氾濫が、圧倒的に多いのです。井上氏が言うように、図書館からそうした「性教育本」をなくしてしまったら、「興味本位の性情報」しかなくなってしまいます。

 もう一つ。おそらく、井上氏は大きな勘違いしているのでしょう。
 市立図書館で、これらの「性教育本」を、子どもたちが興味本位で、カウンターに持っていって個人で借りていったり、回し読みでもしながら、「性」についての知識を増やしているとでも思っているでしょうか。逆に、子どもたちは、これらの本を恥ずかしくて、借りられないのではないでしょうか。
 借りるとしたら、学校の先生が研究のためか、自分の子どもに正確な性教育をしたいと思った親が、参考にするために借りていくのではないでしょうか。
 その意味でも、図書館のこれらの「性教育本」の存在は貴重です。

図書館の自由に関する宣言

日本図書館協会
1954  採択
1979  改訂

 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。
 日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である
 知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべき自由と表裏一体をなすものであり、知る自由の保障があってこそ表現の自由は成立する。
 知る自由は、また、思想・良心の自由をはじめとして、いっさいの基本的人権と密接にかかわり、それらの保障を実現するための基礎的な要件である。それは、憲法が示すように、国民の不断の努力によって保持されなければならない。
 すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権利を社会的に保障することは、すなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこのことに責任を負う機関である。
 図書館は、権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、自らの責任にもとづき、図書館間の相互協力をふくむ図書館の総力をあげて、収集した資料と整備された施設を国民の利用に供するものである。
 わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。
 すべての国民は、図書館利用に公平な権利をもっており、人種、信条、性別、年齢やそのおかれている条件等によっていかなる差別もあってはならない。
 外国人も、その権利は保障される。
 ここに掲げる「図書館の自由」に関する原則は、国民の知る自由を保障するためであって、すべての図書館に基本的に妥当するものである。

 この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
第1 図書館は資料収集の自由を有する
 図書館は、国民の知る自由を保障する機関として、国民のあらゆる資料要求にこたえなければならない。
 図書館は、自らの責任において作成した収集方針にもとづき資料の選択および収集を行う。その際、
(1) 多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。
(2) 著者の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない。
(3) 図書館員の個人的な関心や好みによって選択をしない。
(4) 個人・組織・団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制したりはしない。
(5) 寄贈資料の受入にあたっても同様である。図書館の収集した資料がどのような思想や主 張をもっていようとも、それを図書館および図書館員が支持することを意味するものではない。
 図書館は、成文化された収集方針を公開して、広く社会からの批判と協力を得るようにつとめる。

第2 図書館は資料提供の自由を有する
 国民の知る自由を保障するため、すべての図書館資料は、原則として国民の自由な利用に供されるべきである。
 図書館は、正当な理由がないかぎり、ある種の資料を特別扱いしたり、資料の内容に手を加えたり、書架から撤去したり、廃棄したりはしない。
 提供の自由は、次の場合にかぎって制限されることがある。これらの制限は、極力限定して適用し、時期を経て再検討されるべきものである。
(1) 人権またはプライバシーを侵害するもの
(2) わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの
(3) 寄贈または寄託資料のうち、寄贈者または寄託者が公開を否とする非公刊資料
 図書館は、将来にわたる利用に備えるため、資料を保存する責任を負う。図書館の保存する資料は、一時的な社会的要請、個人・組織・団体からの圧力や干渉によって廃棄されることはない。
 図書館の集会室等は、国民の自主的な学習や創造を援助するために、身近にいつでも利用できる豊富な資料が組織されている場にあるという特徴を持っている。
 図書館は、集会室等の施設を、営利を目的とする場合を除いて、個人、団体を問わず公平な利用に供する。
 図書館の企画する集会や行事等が、個人・組織・団体からの圧力や干渉によってゆがめられてはならない。

第3 図書館は利用者の秘密を守る
 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

第4 図書館はすべての検閲に反対する
 検閲は、権力が国民の思想・言論の自由を抑圧する手段として常用してきたものであって、国民の知る自由を基盤とする民主主義とは相容れない。
 検閲が、図書館における資料収集を事前に制約し、さらに、収集した資料の書架からの撤去、廃棄に及ぶことは、内外の苦渋にみちた歴史と経験により明らかである。
 したがって、図書館はすべての検閲に反対する。
 検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。
 それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。

 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
 図書館の自由の状況は、一国の民主主義の進展をはかる重要な指標である。図書館の自由が侵されようとするとき、われわれ図書館にかかわるものは、その侵害を排除する行動を起こす。このためには、図書館の民主的な運営と図書館員の連帯の強化を欠かすことができない。
 図書館の自由を守る行動は、自由と人権を守る国民のたたかいの一環である。われわれは、図書館の自由を守ることで共通の立場に立つ団体・機関・人びとと提携して、図書館の自由を守りぬく責任をもつ。
 図書館の自由に対する国民の支持と協力は、国民が、図書館活動を通じて図書館の自由の尊さを体験している場合にのみ得られる。われわれは、図書館の自由を守る努力を不断に続けるものである。
 図書館の自由を守る行動において、これにかかわった図書館員が不利益をうけることがあっては ならない。これを未然に防止し、万一そのような事態が生じた場合にその救済につとめることは、 日本図書館協会の重要な責務である
(1979.5.30 総会決議)



教育基本法の見直し問題で、慎重な議論を求める意見書を可決
2004/12/22

 11月議会の最終日に、「教育基本法の見直し問題で慎重な論議を求める意見書」を可決しました。
 提出者は猪股、賛成議員に岸、福垣、木村、角田が各会派を代表して署名し、全員賛成でした。(「みらい」だけは署名はしませんでしたが、採決では賛成しました)。

 これと別に、「教育基本法改正でなく、教育基本法に基づく施策を進めることを求める意見書を政府等に提出することを求める請願」が出されており、当初は、この請願に基づいて『教育基本法見直し反対』の意見書を出す動きがありましたが、これだと現在の久喜市議会の議員構成では《否決》されるのが確実だったため、『慎重な議論』とトーンダウンしてでも各会派の賛成が得られる意見書案を作成し、提案したものです。

 なお、上記の『請願』は賛成少数で否決されました。…賛成は大地(猪股・石川)、共産党、市政会の須藤・原議員で7名。反対は新政議員団、公明党、みらい(後上・鈴木・井上)、市政会の岸議員。これらの議員は“教育基本法改正に賛成”ということになります。岸議員はいったん立ち上がりかけたので「賛成か」と思われましたが、すぐにあわてて座ったので、単に賛否を間違えたようです。

議第18号議案

教育基本法見直し問題で慎重な議論を求める意見書

 昨年3月、中央教育審議会は「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」で、『教育基本法改正すること』が必要であるとする答申を行いました。
 それは、経済・社会、科学技術の変化や、いじめ、不登校、青少年の凶悪犯罪の増加などの教育をとりまく諸問題に対して、これからの教育において、「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」を目指し、「日本の伝統・文化を基盤として国際社会を生きる教養ある日本人の育成」などの目標を実現していくと強調しています。
 しかし教育基本法はその前文に明記されているように、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」、「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため」、制定されたものであり、さらに第1条に掲げられた教育の目標、「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」は、わが国の今日の教育においても普遍的な価値を持っています。
したがって、教育基本法の改正問題については、慎重な国民的議論を経て行われるべきものです。特に中央教育審議会答申に明記されている、「日本の伝統・文化の尊重」、「郷土や国を愛する心の涵養」、「宗教に関する寛容の態度や知識」、「宗教的情操の涵養」など、個人の内心の自由にもかかわる事柄については、よりいっそう慎重な態度での議論が求められています。
 今日の教育をとりまく諸問題は、現代日本社会の反映として現れてきたものに他ならず、教育基本法の改正によってそれらの解決を図ることができるということもできません。学校や家庭、地域などの協力体制の充実拡大、教員の質の改善や教育予算の拡充など、教育行政全般の見直しを進めていくことこそが求められています。
 よって政府は、教育基本法の見直し問題に当たっては、拙速な「改正」を避け、慎重な国民的議論を深めていくよう求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。

久喜市議会

平成16年12月21日

内閣総理大臣
文部科学大臣

小中学校の2学期制の成果は
『声と眼』281号 2004/11/30

 久喜市の小中学校で今年4月から2学期制が始まりました。昨年9月市議会で教育長が「2学期制の検討」を打ち出し、11月7日には全保護者に対して教育長名で『2学期制への移行に向けて』という事実上の決定文書を配布しました。
 したがって、2学期制になった場合の問題点や検討課題について、保護者も市議会でも、ほとんど議論する間もなく実施され、すべては検討課題として積み残されてきたのが実状です。

2学期制のメリットは実感できたか

 今はすでに、10月10日(土)〜13日(水)の秋休みをはさんで2学期に入っていますが、2学期制移行に当たって教育委員会が掲げていたメリットが本当に実現できたのかどうか、疑問の声も出ています。今後、これらの課題を解決していって、きめ細かな学習指導を図っていくためには、さらに改善が必要と考えられます。
 昨年、教育委員会は、『2学期制の導入は期区分が2つとなることから、授業時数の増加が図れ…緩やかなスパンでの特色ある教育課程の編成が可能』になると説明していました。−これらがどれだけ実現できたかが問題です。
◆夏休みを2日減らし、授業日数は替わらない中で、授業時数は何時間分を増やすことができたのでしょうか。さらにこれから年度末までに年間、何時間分を増やすことができる見込みでしょうか。
◆1学期の後半に長期の夏休みが入ることによって、学習の継続性が途切れるおそれも指摘されていました。教育委員会は逆に、『子どもにとって学ぶ意欲が休み中にもつながっていく』と説明していましたが、夏休み中の“学ぶ意欲の継続”のために各学校はどのように工夫したでしょうか。たとえば、夏休みの課題の出し方やサマースクールなどのフォローは?
◆特に今年は初めての2学期制で、1学期の途中の夏休みという経験は子どもも保護者も学校も初めてでした。したがって夏休み前には、保護者と教師・学校との綿密な話し合いや連携強化が必要だったと思うのですが、各小中学校における対策はどうだったでしょうか。

子どもたちへの、きめ細かい指導は?

◆教育委員会は『教師が今以上に子どもの状況をきめ細かく把握し、指導に生かすことができ、確かな学力の向上…。このような学習を展開するために必要なゆとりを生み出し、充実した教育活動を実現する』としていましたが、「きめ細かい指導」は具体的にどのように進められたでしょうか。
◆『児童生徒や教師に時間的・精神的ゆとりを生み出し…体験学習、補充学習、個別学習等を充実』と説明していましたが、具体的にはどのような取り組みが進められたのでしょうか。
◆教師に“余裕”ができて、通知表の評価は以前よりもきめ細かくなされると期待されていたのですが、どうだったでしょうか。学校やそれぞれの教師の努力・工夫で違う?
◆また『通知表だけでなく、個人面談や三者面談、教育相談など、学校ごとに工夫した方法できめ細かに…』としていましたが、以前よりもそうした機会を増やし、子どもたち一人一人に対する指導の充実を進めることができたでしょうか。
 今のところ、保護者にも子どもたちにもあまり、“2学期制のメリット”が実感できるものにはなっていないようです。−これらをどう改善していくのか、前向きの検討と議論が必要です。


児童数の多い学童保育所の改善対策を
2004年6月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』273号 2004/8/2

 市内6小学校に学童保育所が開設されていますが、学校規模によって人数も大きく違います。

児童数 指導員常勤
指導員パート
つばめクラブ  太田小 54
つばめ東  東小 40
たんぽぽ  本町小 32
あおばっ子  青葉小 33
あおげわくわく  青毛小 56
北斗キッズ  北小 16

 各学童保育所とも定員40名ですが、実情に応じて柔軟に対応しています。それでも昨年は高学年の児童の入所希望を断ったところもありました。
 児童数の多い小学校について、学校の空き教室を第2保育室として利用し、指導員の増員も検討するよう求めました。(特に保育室を2か所に設けた場合、両方に指導員の配置が必要です)。ー当局は、「今後も児童数の推移を見守って対応していく」。校庭の利用は、「学校によっては完全下校後とされているが、基本的には自由に利用できることになっている」と答弁しました。
 合併協議については「新市で時間をかけて再編を図っていく。久喜の水準は下げない前提」です。


合併で、学校動物飼育はどうなる
2004年6月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』273号 2004/8/2

 久喜市の小中学校の動物飼育状況は大きく改善されてきましたが、このまま合併した場合、幸手や鷲宮の学校動物飼育の状態をどう改善していけるのか心配です。獣医師会との連携など、久喜市のやり方で統一するよう求めました。


総合学習の充実、連携を強める必要
2004年2月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』267号 2004/4/19

 小学校での“総合学習”などで、ゲストティーチャーを依頼して、子供たちの体験学習の指導を行います。私自身、特に福祉体験学習で各学校に呼ばれるのですが、学校の都合で、日時などを一方的に決められたり、直前になって依頼されたりすることもあります。また各学校で、福祉体験学習をだいたい同じ時期に実施するため、短期間に集中することが多いのが実状です。
 しかしボランティアサークルなどは、本来の活動があって、学校の一方的な要請に応えられないこともあります。各学校では、年間指導計画、各学期ごとの計画に基づいて計画的に学校事業を進めているわけですから、事前に日程や体験学習の内容などについて調整をした上で依頼するよう求めました。また、たとえば福祉体験学習などの場合、障害者がおかれた状況などについての教師の理解も不可欠です。準備の段階から教師とボランティア=ゲストティーチャーとで連携を持ち、理解し合った上で実施する体制も必要です。
教育委員会として、今後は、@各学校で事前に年間計画を作成し、教育委員会で全体的に調整する、Aボランティア=ゲストティーチャーと交流したり、意見を聞く場を設ける、B各分野ごとに、教師の事前研修や打ち合わせを密にする、ことなどを約束しました。


学校全体で動物飼育の取り組みを
2004年2月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』266号 2004/4/5

 市内の小中学校で飼っているウサギやニワトリの世話は、以前はほとんど子どもたちの飼育委員に任され、休日も子どもたちだけ、土日や長期休業中はエサも水もなしという学校もありました。
 最近は改善されてきて、ほとんどの学校で休日も児童と先生、飼育ボランティアの協力で世話しています。−特に青毛小では体制がいちばん整っていて、昨年から、休日には親子ボランティアを募集し、先生やPTA役員らといっしょに当番制を組んでいます。親子ボランティアには低学年の子も参加し、弟や妹らといっしょに来る親子もいます。この“親子ボランティア方式”を他校にも広げていくように提案しました。
 一昨年から、市内全部の小中学校の飼育担当の先生の研修が実施されるようになりましたが、さらに子どもたちや飼育ボランティア、親子ボランティアに対しても、学校動物飼育の意味などについて、研修と交流の場を持つように求めました。

3月中旬、青毛小の校長や担当の先生、PTA役員、親子ボランティア、飼育ボランティアらの話し合いが持たれ、学校と保護者ら全体でとりくんでいく方向を確認しました(強制にならないように)。当日は地域の獣医さんにも参加していただき、
▲学校の動物たちは家庭のペットと同じで、人間がきちんと世話しないと生きられない、
▲特にウサギや鳥などは休日でもエサやりが欠かせない、
▲久喜は教育委員会が獣医師会に委嘱しているので、病気などの際には担当の獣医師と連携をとって…
などのアドバイスをしてもらいました。

またまた、またまた、同じような内容のメールの連発
【下の、いやがらせメール・手紙の記事の続編】

2004/1/26

下のメールの主から、24日にまたまたメールが届きました。
発信時間は、何と、午前4時半です。そして5時半頃にも、もう一度来ていました。
4日も経ってから、何のメールかと思って、気が重くなりましたが、要するに言い訳のメールです。
いわく、
『メールの調子が悪かったので、何度も送った。2通も行ってしまったのは謝罪したい』
『メールがうまくいかないと思ったので、封書の手紙を出した』
『封書に50円切手しか貼らなかったのは単純ミスであり、不足分のお金を返したい』
『猪股さんの返信も、24日になってはじめて読んだ。ホームページに掲載されていたのも、はじめて知った』
と、まあ、こんな内容。
その日に、自宅に電話があり、『これから猪股さんの家へ行って、お金を返したい、謝罪したい』と言うのですが、私は拒否しました。
私は、こう言いました。
『私のメールやホームページを見てあわてて(?)、言い訳メールを寄こしたり、電話してきたり、ましてや直接家へ来て玄関先で一方的にしゃべられても困るので、来ないでください。しばらくじっくり考えて、落ちついてから、もしもそれでも話したいというのであれば、それから話しましょう』と。

なぜか。
第1に、現時点では、同じような内容で、2通もメールを送りつけてきたのは、意図的にやったと判断するしかないこと。
第2に、『メールがダメだと思ったから、手紙にした』と言うのですが、それは匿名の手紙でした。
もし仮にこの人の言うとおり、メールが来ていなくて匿名の「抗議します」という封書が50円切手で送られてきたら、これだけでも、完全ないやがらせですよね。
匿名の手紙で相手を非難するということは、相手に反論の機会を与えない、相手の意見を拒否するということです。
これは、もっとも陰湿で、一方的に相手を攻撃する(議論も、返事もできない)、いやがらせの最たるものではないでしょうか。

私のこれまでの経験では、匿名の手紙で批判・非難してきて、私が返事もできないいる内に、「あなたは、先日の手紙に対して何もしてくれなかった。自分の支持者しか相手にしないということですか?」なんて手紙を送りつけてきた方もいるんです。

今回は最初にメールが来ていたので、返信できちんと返事が出せましたが、匿名の手紙だけだったら、私は30円の不足分を払わされて、しかも内容についての説明をすることすらできなかったことになります。
(メールの場合でも、私は原則として匿名の場合は返事は出さないことにしています。ただし、“誠実さ”を読みとれたり、何らかのやむをえない事情が感じられたりした場合には、返信を出す場合もあります。…この人の最初のメールには、大きな誤解があったものの、いくぶんかのマジメさは感じられましたから、返信しました)。

この人はそんな、“いやがらせの匿名の手紙”を送ってきておいて、そちらの方は謝罪しない、メールを2通送ってきたことの方を『謝罪する』と言うのです。
“何という無神経!?”と言わざるをえません。
この人はきっと、多方面に匿名で非難していて、それが相手にどれ程のショクを与えるものか、思いやることができないのでしょう。

しかも、電話で、私が、『しばらくじっくり考えてみてください』と言ったにもかかわらず、またまたメールの連発です。
24日、明け方の、この人からの2通のメールは、自己保身の言い訳ばかりです。
25日の午後にもメールが来ました。またまた言い訳と、今度は少し非難めいた調子も入っています。
これ以上また、いやがらせのようなメールを送ってきたり、周辺におかしなウワサや悪口を流すような兆候が見えたら、さらに“反撃”せざるをえません。

なお、下のメールについている、私が「ハンドルネーム」と書いた名前は、どうやら本名と同じ(?)らしいので、一応削除します。


学校の動物飼育について、みんなで考えてみたいのに…
いやがらせのメールや切手額面不足の手紙が相次いで届きました

2004/1/21

 ある人から、下のようなメールが届きました。
 1月19日の午後5時半と7時半頃の2回、若干文章を入れ変えただけで、ほとんど同じ内容です。
ちゃんとした住所、氏名は書いてなかったので、20日にメールでご返事を出したのですが、今度は封書のお手紙が届きました。20日の夕方投函の消印で、またまたほとんど同じ文章です。驚いたことに、50円切手しか貼ってありません。まさかこんな手紙とは思わず、善意の人が貼り間違えたのだろうと、不足分30円を支払って受け取ってしまいました(この次からは「受取拒否」にしましょう。

 このメールの文面を読んで、この人は何を言いたいのか、いまだに真意をはかりかねています。
 しかも、私の方は返事を出していて、20日の手紙には、私の返信メールの文章の一部が使われていたから、明らかに返信を読んでいるはずなのですが、なぜこんなにしつこく、同じ内容・文章のメールや手紙を寄こすのか、と。
 どうも、この人は、学校での動物飼育について、「あまり手をかけすぎるな」と言いたいらしい。
 この人はどうも、わざと誤解しているふりをしているようなのですが、私は、青毛小が動物虐待だなどと書いたことは一度もありません。
青毛小のウサギの状態を知っている人なら、虐待どころか、久喜市内の動物飼育の中では、いちばんいい状態にあることは知っているはずです。
 ただ、ウサギの数が多い割に飼育舎が狭くて、しかも土の部分がないので、ウサギたちの足に傷が付いて、血を流していたり、中には、足の肉が腐ってきているウサギたちもいるので、獣医さんとも相談して、今、飼育舎の外側に土の遊び場を作ることを計画しているのです。
 それに、青毛小は、(他の学校でも)、子どもたちや先生だけの世話では限界があるので、飼育ボランティアを募集しています。
 けして無理強いをしたり、強制はできないことです。あくまでも自主的なボランティアの意志に頼るのでなければ、長続きはしません。
 この人は、「飼育の内容に対し「やりすぎ」と言う声もあるのです。それが、負担になってしまう」と言うのですが、まさにそうならないために、どうするかです。これについてはこの人の言うとおりなのです。
 これもこの人の言うとおり、ひとつの価値観でみんなをしばることなどできるはずはありません。
 学校動物飼育は、教育として、やっているのですから、けっしてペットなどではありません。子どもたちと生き物のふれあいの中で何を感じ取ることができるかです。
 簡単に答を出せる問題ではありません。そのために、先生たちも、ボランティアも、教育委員会も、一生懸命考えています。

 以上のように、この人のいっていること、一つ一つの文言を見ると、あたりまえのことを言っている部分も多く、けっして私は否定はしません。しかし、最後の結論で、「動物のことばかりやるな」と言わんばかりの論理になるのはなぜでしょうか。しかも私自身、動物のことばかりやっているわけではありません。私の活動や関心のほんの一部分にすぎません。
 また、この人は、動物のことだけじゃなくて、「もっと広い視野で」と書いているのですが、私の『声と眼』を本当に読んでくれているのであれば、私の議員としての立場は、動物のことも、子どもたちのことも、学校の施設のことも、地域の環境のことも、その他の久喜市全体のことも、すべてを対象に活動してきているのはわかってもらえるはずです。

 私は返信メールで、おおよそ以上のようなことを書いて送ったのですが、にもかかわらず、また同じ内容・同じ文章の手紙を送りつけてくるのです。
 まるで「今以上にやる必要などない」と言わんばかりの、一方的な考えを書き連ねて送りつけてくるだけのこの人のやり方には悲しみをすら覚えます。

 いずれにしろ、内容の問題で、まともに意見交換しようということであれば、メールを個人的にやりとりしていればすむんですが、
同じ日に同じ内容のメールの連発、そして、私の返信にも関わらず、またまた同じ内容の手紙、しかも、切手額面不足!!

 これは明らかにいやがらせと受け取るしかありません。こういうことをする人が市民の中にもいるんですね。

 そこで、ご本人さんにもメールで通告した上で、2通のメールを、そのまま掲載することにいたしました。
 本文中、(以下、略)としたのは、この後の部分に、プライベートなことや、他の第三者の方に関わることが書いてありましたので、はずしました。

2004年1月19日 19:32
声と眼を読んで

先日、レポートを読んで「学校での動物飼育・・・」の内容に疑問を感じてお便りさせていただきます。我が子は青毛小に通っておりますが、常々、子供と学校・地域の連携の重要さを感じております。今回、飼育ボランティアに参加して正直言って驚きました。記事に出ている「生き物を育てる大変さとともに・・・」とあり、私もその事には同感です。しかし、青毛小の飼育の内容は、子供たちのというより大人なしではできないペットになっていると言う気がしました。動物が好きで世話が苦にならない人にとってはまだまだなのかもしれませんが私の今まで知っている飼育とはあそこまできれいでもなく、えさも適当でしたが元気でした。守る事も大事ですが子供も動物も守りすぎてよくなるとは思えません。過保護も放任も同じくらい罪だと思っています。記事には「動物虐待」=青毛小と誤解されかねない文章でしたが、私の知る限り最低限の世話は学校はしてきています。もし、虐待と写るのなら(青毛小に関して)、それはひとそれぞれ、生き物に対しての思う気持ちの基準のずれではないのでしょうか。学校全体を見ているとボランティアを募っても毎回参加する人は決まっておりとても少ないのが現状です。そして、参加したくてもできない方。価値観の違いからノー・タッチの方。毎日、生活する事に追われとても子供にまで眼が行かない方。それぞれあり、それを、1つの価値観にまとめると言う事は公立小の中で大変な事かと思います。また、ボランティアでやるのならなおさら自分の基準に周りをあわせてしまったら要求はエスカレートいってしまい苦しくなってしまうと思います。猪俣議員がもっと広い視野に立ってあのような記事を載せているのか疑問です。2学期の後半から(私の見た限りですが)先生と役員の方がパトロールをしてくださっています。今、子供の命を預かっている学校として優先させていかなくてはならないのはそういったボランティアの確保でありそれが簡単に実現できる状況ならば飼育小屋ももっと力を注げるはずです。公立小学校も今めまぐるしくあの手この手と方針が変わりその中で追われる先生。そして、色々な環境、価値観の中で保護者や子供に対応していかなければならないというのは先生だけに求める事でなく私たち保護者ももっと理解と協力していくべきだと思います。次回の飼育のボランティアの手紙が学校からきました。おそらく、ボランティアをやる大半の人は忙しい中で少しでも役に立てばと言う気持ちだと思います。ですから、飼育の内容に対し「やりすぎ」と言う声もあるのです。それが、負担になってしまうことのほうが心配です。
(以下、略)
2004年1月19日 17:44
「声と眼を読んで」

毎回、レポート読ませていただいております。実は、今回お便りをしましたのは動物飼育の記事に関してです。私は、現在、青毛小学校に子供が通学しており冬休みにボランティアに参加しました。そして、あんなに立派な(今まで私の見てきたものと比べて)飼育小屋に驚きました。そして、文面にあるように「生き物をいつくしむ心を育てる為に動物を飼っている」というよりは子供よりその周りの大人たちが中心になっているペットという気がしました。私は、学校に子供を預けている以上学校だけに任せきりと言うのでなくボランテイアにできる限りは参加したり、先生とはいえ人間ですからまず理解、協力していく事がこどもにとって楽しい学校生活を送れるひとつと思っています。しかし、ふたを開けてみると、どれほどの親が学校に感心をもっているか?ボランティアに集まる人は毎回驚くほど少数です。もちろん、きたくてもできない事情もあると思います。しかし、ふだん、見えていない(見ようとしない)親ほどトラブルがあったとき自分を省みず相手を攻撃する事でそして、求めようとするのか・・・。私は、子供のクラスを見ただけでも、さまざまな考え、環境があり、毎日の生活に追われ子供に眼が行く状態でない人たちもいるということを感じます。また、価値観の違いから、学校にはノー・タッチという保護者もおります。そんな中で、日々先生方は公立学校の教育がめまぐるしく変わる中で対応されていると思います。そして、今回の飼育のボランティア。動物が大好きで世話をする事が苦にならない人もいると思います。しかし、反面実際、ボランティアをされている大半は、忙しい合間を縫って、少しでも役に立つのならと言う状態ではないでしょうか。わたしは、「ボランティア」をやりたいのであれば相手に求めてはいけないと思っています。要求が通った事でどんどんエスカレートしやりすぎてしまうことで、むしろ、子供や、今回手伝った人でさえ「もうこりごり」となってしまうことのほうが心配です。うさぎは昔から飼われていた動物です。あの記事は動物虐待=青毛小と誤解を受けるような文章です。虐待しているつもりではないのです。できる限りのことは学校はしてきているのです。動物のかわいがり方に対し人それぞれ基準が違うと言う事です。猪俣議員は果たしてもっと広い視野に立ってみてあのような記事を載せたのか、疑問を感じました。なぜなら、2学期後半ごろから(見かけた限り)青毛小学校では、先生と役員の方がパトロールをしています。今「子供たちの安全」と言う事を優先するのであれば、飼育も大事ですがもっと、子供を預かる学校として直接的にやっていかなければならない事が山積みだと思うのです。
(以下、略)

学校での動物飼育、改善へ提言
2003年12月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』256号 2004/1/13

 小中学校のウサギやニワトリ、小鳥などの小動物の飼育体制に問題があって、特に週末や長期休みなどにエサや水をやり忘れたり、死んでしまったりすることもありました。議会でも何回も取り上げてきて、ずいぶんと改善しましたが、10月の連休に全校を見て回ったら、またまたエサや水入れがカラッポの学校もありました。生き物を育てるたいへんさとともに、生き物をいつくしむ心を育むために動物を飼っているはずです。それが反対に動物虐待になっていては逆効果です。
◆飼育体制の確立・確認、飼育日誌、連休や長期休業中の体制、◆青毛小の飼育舎の改善、◆獣医師との連携強化、◆ウサギなどの病気や状態の把握、◆休日は子どもだけでなく、担当教諭や親子でいっしょに世話する体制(子どもたちの安全のため)などについて提言し、改善を求めました。


久喜市の小学校、ウサギ巡りレポート
2003/10/12

10月の連休中、10人ほどで市内全部の小学校の動物飼育舎を見て歩きました。昨年から始めたこの試みも、もう4回目になります。
実態を見た上で、学校や教育委員会にも話をし、市議会でも取り上げて(2003年3月)、ようやく少しずつ改善へ向かっています(と、私は思っています)。
しかし、うさぎや動物たちを本当に愛する他のメンバーにとっては、まだまだという感の方が強いのもまたあたりまえでしょう。
以下は、メンバーの一人による、各学校の様子のメモです。

A小学校   うさぎ5匹
古いエサがおかれている。奥の飼育舎にいるうさぎにはエサがない様子。 当番表が貼ってあったが、10月5日分まで。3連休なのに世話がされている様子がない。

B小学校   うさぎ2匹
キャベツと古いジャガイモが少し きたない。フンだらけ。 鶏が少し減ったようだ。キャベツの新しい物が小屋の外に置かれている。

C小学校   うさぎ7匹に増えている。鶏8羽
エサは砂にまみれた物が少量。飢えている。水も古い。連休中世話をされていない。水が大変きたない。何日も取りかえていない。
世話がされていないのに、毎日世話をしていると校長は思いこんでいる。

D小学校   うさぎ12匹に増えている
職員が世話をしにきていた。

E小学校   うさぎ8匹に増えている
人参にフン混じっている。 きたない。 鶏など水、エサはあるが青物はない。 遊び場、池などがあるスペースを柵でかこってある理想的な飼育舎。
*避妊はしたのか?

F小学校   うさぎはいない。にわとりだけになっている。
エサは殻がほとんどのよう。水、野菜をあげていない。 アイガモがいなくなっているのはどうしたのだろうか。

G小学校   うさぎはいない。鶏3、インコ3
エサ、水はある。 うさぎを飼える施設がある飼育小屋が空き状態。

H小学校  うさぎ7匹
その内、2匹は同じ小屋の中の狭いケージ飼い。その他は5匹と1匹に分けて飼っている。増えている ケージのうさぎには水もエサもない。大変飢えていた。世話をしている様子が感じられない。本当に残酷、虐待としかいえない。こんな虐待を教育現場でやっていていいはずはない。 大変きたない。
鶏、ひよこにもエサ、水がない。小屋の外に、エサがあるが鍵がかかっていてやることはできない。工夫して水と僅かなエサを投入。むさぼるようにのんでいた。涙が出る。再三言っているのにどうして同じ過ちを繰り返すのだろう。もうこのウサギ達はここで飼われるのはあまりに気の毒。この学校では動物を飼う資格はない。

この学校の皮膚病のウサギのための薬を、獣医さんからもらってきたらしいが、その薬が袋のまま、小屋の外に放りっぱなしになっていた。少なくとも、2日以上はここにおかれていたわけだ。
チューブの塗り薬は1回くらいは塗ったのだろうか。ほとんど残っていた。

I小学校   うさぎは7匹に減っている
エサ、水はあった。野菜もあげてほしい。

J小学校   うさぎ 27匹
エサについて研究中牧草、ペレット、生野菜をあげている。ウサギの足裏に深刻な傷ができている。解決策を検討し、早急に実行しないといけない。
治療の必要なうさぎ約20匹(1匹は入院中)・飼育舎を考え直す必要がある。床に傾斜をつけ、排水路、排水口をつくる、足休め場を作ることが不可避。雨漏り対策、遊び場対策など必要。アイガモ3羽、シャモ一羽、鶏一羽、亀6匹

●今回のうさぎ巡りは4回目、充分とはいえませんが、かなりの学校が休日にもエサを置くようこころがけていると感じました。とりあえず休日餓死するうさぎは減ってきたと思います。
● しかし、再三にわたる指摘にもかかわらず、3連休なのに水もエサもあたえていない学校がまだあったことは大変ショックでした。こういう学校はもう動物を飼う資格はないと思います。子供たちに命の大切さを教えるどころか虐待を示しているのですから。道徳教育は一切やめないと子ども達は余計おとな不信になってしまうのではないですかね。いまだにこのような学校があることが信じられません。
● 改善されている点もありますが、まだまだ根深い問題が残っていると思われます。
 現実には世話をしていないのにしているという校長もいました。教育現場にありがちな思いこみでしょうか。誰かが飼育をしているはずだという思いこみがあるのです。ちゃんと自分たちの目で確かめなさいという指導が去年あったと思います。それでもまだ現実を見てないのですね。
●飼育は子ども達にやらせるもの、子どもを使うものだというまちがった教員の意識の問題があると思います。残念ながら今回も子どもだけでやってうまくいっている学校はありませんでした。当たり前のことです。
 よく家庭で子ども達が動物を飼ってほしいと親に頼みます。でも、特に母親は子どもがちゃんと世話できなくて世話をするのが結局私になるからダメということが多いと思います。子どもは興味が移るものです。子どもができていないときは親が面倒をみなくてはならないのです。学校でも同じです。命を預かっているのですから子どもが面倒をみることができない時は教員が責任をもたなくてはいけないと思います。動物を飼う以上まずそういう心構えが学校に必要です。
 しかし、実は子ども達が飼育をきちんとできない理由は他にあるのではないでしょうか?行事の前になるとうさぎ達はエサがもらえなくなります。5,6年生が忙しくなるからです。また、当番の児童が飼育舎にいってもあげるべきエサがないという現実もあります。エサもなければ、掃除する道具もないこともあります。飼育できる環境がないのです。飼育の意義を考え直す時がきていると思います。今までは片手間飼育でした。命を扱うという認識にたてば、きちんと時間と環境が保障されなければならないと思います。
 動物を飼っているのにちゃんと飼育ができないのは動物虐待です。その認識がかけているのではないでしょうか。虐待と気づいていないだけかもしれません。学校も動物を飼うなら飼育を職務として勤務時間内に位置づけ(休日出勤になったら振り替えを保障)なくてはいけないと思います。飼育当番が指導できるように児童と共に飼育経験を積む時間が必要だと思います。子どもがちゃんとやっているから大丈夫という思いこみはやめて、児童だけで飼育する日は必ず点検を後で行い、生き物を飼うことに責任を持つようにすべきです。
ある小学校の飼育舎の前の黒板に、こんな文章が書かれて残っていました。
私たちが見に行ったのは10月12日ですから、1週間前の土曜日に、ウサギの世話をしていた卒業生が来て書いていったのでしょう。この卒業生(2人の名前が書いてありました)たちの動物への愛情が感じられます。

私たちが見に行ったときにも、連休中に世話をされた様子がなかったのですが、1週間前もそうだったのでしょうか。ちょっと、絶望的な気持ちになります。

たまたま来合わせた校長先生が、飼育舎の中でひっくり返ったエサ入れや水入れを横目で見ながら、「子どもたちが毎日来てエサはきちんとやっています」と言い張っていました。

学校給食に地元産有機野菜の拡大を
2003年9月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』256号 2003/9/29

@ 学校給食における地場産の米や野菜の使用が広がっています。米は2000年からは久喜市内産米が100%になりました。久喜産の野菜では、昨年はジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ブロッコリーなどで減農薬・有機栽培のものを使っていますが、使用量は多いもので16%、ほとんどはまだ5%以下にすぎません。さらに久喜市内だけに限らず、近隣地域の野菜を含めて、“どこでどんな風に作られたかがわかる、できるだけ生産者が見える”野菜の使用を増やすよう求めました。
教育委員会としても、『久喜市内産を中心に、減農薬・有機の野菜の使用を増やすよう生産者や農政課、全農食品、給食審議会などと協議していく』『これまでも宮代産のダイコン、越谷のゴボウ、杉戸のハクサイなど、近隣産の野菜も使っており、今後も拡大に務めていく』と答弁しました。

A 学校給食は「教育活動の一環」と位置づけられ、「正しい食事のマナー」「1食1食が正しい食教材」「望ましい食習慣を養う」などとうたわれていますが、実際には◆ご飯に牛乳、◆ソフトめん、◆市販のセロハン包みのお菓子など、首を傾げざるをえないメニューもあります。特にビニル袋入りのソフトめん−あの食べ方は“マナーぶち壊し・悪い食教材・望ましくない食習慣”の見本のようなもの。ソフトめんはすぐにでも廃止した方がいいのでは? −教育委員会も『ソフトめんは普通の食習慣やマナーからすると特別な食べ方である。県給食会に改善を要望していく』、デザートについては『コストや衛生面の問題もあるが、可能な範囲で手作りしていきたい』と答弁しました。−また、基本的な給食方針を立てる教育委員会の栄養士と、毎日の献立を作っている委託先の給食センターの栄養士の役割分担の見直しも求めました。

★みなさんはソフトめんって知ってますか? あれは日本の学校給食だけの発明で、世界中であんな食べ方をする食材はないそうです。★


学童保育所の施設拡充を求める
2003年6月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』252号 2003/7/14

 久喜では現在、5つの小学校で“公設民営”の学童保育所が運営されています。今年は青毛小、太田小で入所希望者が定員を大幅に超え、高学年の児童の入所を断らざるをえませんでした。【定員は40名で、50名までは許容していますが、青毛小では希望者が60名を超えました。】
 現在の施設は各小学校とも同じ広さですが、40名を超えると狭くて、特に雨の時など全員が部屋の中で過ごすのはたいへんです。宿題をするスペースもなかなかとれません。そこで、必要な学校には増築するか、“空き教室”の利用を認めるなどの配慮を検討するよう求めました。
担当の健康福祉部(児童福祉課)は「余裕教室の利用を、教育委員会と協議する」、教育委員会も「定員をオーバーしている学童保育所について、余裕教室の有効活用をはかっていきたい」と、積極的かつ柔軟に対応していく方針を示しました。
 一方、「施設の増築は困難」「余裕教室を(学童保育所の分室のような形で)固定的に位置づけるのはむずかしい」とも答弁しましたが、これらの小学校では今後も学童保育所の定員オーバー状態が続くと思われます。空き教室を一時的に利用させるという形でなく、できるだけ固定的な部屋を確保するよう求めました。


久喜小学校体育館改築を決定
『声と眼』249号 2003/5/26

 久喜小の屋内運動場の改築工事が決まりました。床面積1階1063u(延べ1215u)、入口のスロープなどバリアフリー設計、屋根上には太陽光発電装置も設置されます。工事業者は蓮田の斉藤工業、建築工事費3億4965万円、電気工事費なども含めた総工費は3億9491万円。来年2月に完成予定。


学校のウサギたちの悲惨な状況はまだ続いていた
2003/1/16 

 1月5日、冬休みの最終日に、私たちは再び全部の小学校の飼育小屋を見て回った。
 「今度はだいじょうぶだろう。去年、あれだけ教育委員会にもものを言い、要求もし、教育委員会も研修会を2回も開いて、各学校への周知徹底をはかってくれたのだから」と思った。
 しかし甘かった。
 確かにほとんどの学校で、毎日当番が来て、エサや水はやっているようだった。これは明らかに改善されていた。ーーそれでもエサ箱がからっぽの学校があった。
 特に緊急に要請した防寒対策は、いくつかの学校では周りを透明シートで覆うなど、工夫しているようだった。これも改善のあとは見られた。ーーしかし、薄いビニールをひもで止めただけで、風にひらひら舞って何の役にも立っていない学校もあった。
 むjしろ多くの学校の小屋は、風に吹きっさらしのままだった。おそらくは一方が壁だからいいと考えたのだろうが、風はどちらの方向からも吹いてきて小屋の中の動物たちに吹き付けるのだ(そんなことにも考えおよばない学校の先生って…?)。
 特に、鳥小屋は周り中が網で覆われて、シートは全くなくて、本来熱帯性のインコたちはあれでだいじょうぶなんだろうか、と心配になった。
 北小学校では、カモが3羽いるのだが、狭いおりに閉じこめられて、水はプラスチックの箱(洗面器のようなもの)が2つ置いてあるだけ。水鳥なのに、泳ぐ場所がないのだ。あれではいずれあのカモたちの足は体重を支えきれなくなって、歩けなくなってしまうだろう。
 太田小の飼育小屋は本当に暗い、じめじめした場所にある。中も薄暗い。それでもこの間のように、ウサギに鳥のエサをやっているということはなくて、ちゃんとラビットフードをやっていた(こんなあたりまえのことを書かなくちゃならない!?)。
 ある小学校では、休み中に仔ウサギが4羽死んだそうだ。1月2日に先生が見つけて、「処理」したという。学校側は「寒さと虚弱」のせいだとしているが、それは違うだろう。
 まず、雌のウサギの1匹が妊娠していたことに気付いていたのかどうか。気付いていたら、寒風の吹き込む小屋に、他のウサギといっしょに入れておくはずはあるまい。普通の感覚を持った人間であれば、そのウサギだけを、箱か何かに入れて職員室か、あるいは誰かの家へ持って帰って出産させるのではないか。そのそも、妊娠に気付いていなかったことに問題がある。いや、本来、雌と雄とを分けて飼うか、去勢して妊娠させないか、というのが、学校飼育の基本だそうだ。
 この学校で、1匹だけ仔ウサギが生き残ったのだが、首が明らかに曲がっている。早く獣医につれていって治してやらないとならないのだが、どうしただろう。

 そして、今回も、ある1校で、産まれたばかりの仔ウサギが死んで放置されていた。この学校は、飼育小屋は比較的考えて造ってあると、評価されていた学校だった。しかし、動物たちの飼育小屋の周りには高いヘイと頑丈なカギのかかった扉があって、誰も見に行けないようになっている。担当の先生や飼育係の子どもしか見られない、他の先生や子どもたち、地域の人の視線をまったくさえぎっているということは、関心を持たせないということだ。だから、仔ウサギが死んでいても誰も気付かない。
 これにはさらにひどい話が続く。

 6日に私は学校教育課長に会って、「K小学校で仔ウサギが死んでいた事実と、どう対処したのか、調べてほしい」と申し入れた。
 1週間後の14日、結果を聞きに行ったら、課長は「K小学校に問い合わせたが、仔ウサギが死んでいたという事実はなかったという返事だった」と言う。
 私は驚いて、私のデジカメに入っている写真を見せて、「先生がうそを言っているのか、子どもたちが先生にも言わずに処理してしまったのか。どちらかだから、もう一度調査するよう」強く求めた。

 翌日来た返事は、本当に驚くべき、信じられないものだった。(まだ、うそを言っているのではないかと疑いは消えない)。
 K小学校の教頭が、6日、学校教育課長の電話のあとで見に行ったが、仔ウサギの死骸を見つけられなかった、と言うのだ。で、私が再度申し入れをした翌日の15日、再度見に行って、死骸を発見したという。小屋の前面のいちばん目につく場所にころがっている死骸を、である。
 毎日、先生や飼育係の子どもたちは、この死骸を見ていながら、「何も見ていなかった」ことになる。
 聞いてみると、係の仕事と、チェック項目は、「エサ、水、ウサギの数、床のフンの掃除」だけであって、その他の「異常」はチェックしていないのだそうだ。
 教頭先生によると、この死骸は、「綿ぼこりのかたまり」だと思っていたらしいという。
 情けない話というか、動物に愛情を持って接しているのかどうか、ただ単に、動物がいるから、“仕方なく”“惰性的に”世話しているだけだとしたら、動物たちにも、子どもたちにもこんな不幸な話はない。担当の先生も迷惑な話だろう。
 何のために、学校で、動物を飼っているのか、そこのところを考え直してみる、みんなで話し合ってみることから、新しい、動物と子どもたちの関係が形作られていくのではないか。

 学校教育課長によると、来年度、各学校の飼育小屋の修繕や改築のための予算が必要なら要求するように、言ってあるという。また獣医さんたちともきちんと契約をする方向で検討しているという。
 新年度には、本当に、いい学校動物飼育になるといいと思う。


学校の動物飼育の環境改善進める
12月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』241号 2002/12/16

 市内の小学校で飼育している動物たちが、学校によっては《連休中にエサも水もなし》などという悲惨な状態におかれていた問題(『声と眼』11月18日)で、学校教育課の実態把握と、《いのちの大切さ》を学ぶためにも、今後、どのように各学校を指導していくかをただしました。
 学校教育課として改めて調査した結果、飼育小屋の状況、エサや水やりの体制、特に休日の対応、医療的ケアなど、各学校の動物飼育で不十分な点が多くあったことを確認。今後、◆とりあえず小屋の防寒対策、長期休みの間の動物のめんどうをみる体制、担当教師の研修などの緊急対策をとる、◆これまで各学校の対応にまかせていた結果、動物たちにとってひどい状態になっていたことを反省し、◆中長期的に、学校と地域の人々や獣医師との連携・協力体制、担当者の意識改革、飼育小屋の環境整備、予算措置も検討して全体的に飼育体制の改善を進めていくと約束しました。

★学校での動物飼育の研修会が日に文化会館で開かれます。講師は全国学校飼育動物獣医師連絡協議会の中川美穂子先生。大きな一歩前進です。★


各小学校の動物飼育の悲惨な状態は改善へ
教育委員会の積極的な対応を評価し、今後を見守りたい
『声と眼』239号 2002/11/18

 小学校の動物飼育の状態について、ホームページに下記の記事を載せ、教育委員会に行った後、学校教育課の対応は素早かった。
 さっそく、各学校の対応を問い合わせ、緊急の対応が必要なところについては、それなりの指示を出した。吹きっさらしの飼育小屋は周りをシートで覆うなどの緊急対応をとったという。当分はエサや水やりもだいじょうぶだろう。来週には避妊手術をすることになった学校もあるらしい。
 そして、今日(8日の金曜日)、夕方から、青毛小学校に全部の学校の教頭先生や担当の先生に集まってもらい、青毛小のボランティアの方に兎や小動物を飼うときにどんな点に気をつけたらよいのか、話をしてもらったらしい。
 寒さに向かう今、当面、小動物たちの危機は免れたといえよう。
 さて、次は、中長期的に考えなければならない。
 そもそも、学校で動物を飼うことの意味はなんなのか。
 子どもたちと先生と、ボランティアの協力体制をどう作っていくか。
 また、劣悪な状態の飼育小屋の改善も進めなければならない。
 周りを囲い、木箱などを入れて隠れる場所を作り、土を入れてやるなど、とりあえずの対策から始めるとして、
 その後には、飼育小屋の建て替え?が必要になってくる学校もあるかもしれない。これには予算もかかる。
 しかし、教育委員会が本気で動き始めたようだから、“何とかなる”だろう。動物たちが暖かく冬を越せるだろうことを願いたい。
【というわけで、明らかに改善の方向に動き始めたと思われるので、先日の記事から、あまりどぎつい表現ははずした。今後を見守ることにしたい。】


「学校飼育動物を考えるページ」というのがあります。
数年前に、やはり久喜の学校飼育の現状のことで、このページに投稿があって、いろんなやりとりの末に改善されたことがありました。
久喜市教育委員会はこのページのことを知っているはずなんですが、残念ながら、まったく教訓化していないようです。

久喜市内の各小学校の、驚くべき動物飼育の実態
これはもう、虐待としか言いようがない学校も

2002/11/4

連休最後の日、4日(月)の午後、ふだん青毛小の飼育小屋のめんどうを見ている市民の方たちといっしょに、私と石川議員で、市内の全部の小学校の動物飼育小屋を見て回った。
 おもに飼われている動物たちは、ウサギ、ニワトリが多い。
 飼育小屋(施設・設備)の状態、エサはきちんとやっているか、水はきれいなものに取り替えられているか、床のフンや食べカスは掃除されているか、敷きワラは入っているか、土か砂はあるか、などなどを見て歩いた。と言うよりも、ひどい状態だということは事前に聞いていたし、想像もついたので、チェックして回ったという方が正しい。
 そしてその実状は、あまりのひどさに目を背けたくなるところさえあった。

 動物たちへの愛情さえ感じられる学校も、もちろんある。毎日、ボランティアの人が来て、小屋の清掃、エサやり、動物たちの健康状態のチェックもしている。4日の午前中には数人の親や先生も出勤してきて大掃除をしたという。熱心な取り組みは子どもたちや先生方にも、積極的な影響を与えずにおかない。
(それでも、ウサギ小屋の中に小さな池というか、水槽があって、何と、アイガモがいるのだ。この水はアイガモのフンと羽、エサなどでどろどろに汚れていた。その中にはカメもいるらしいが、水の中はまったく見えない。栓を抜いても、配水管が完全に詰まっていて、流れないのだという。つまり、この水槽は掃除もできず、ヘドロ状になっていくしかないのだ。学校か教育委員会は、すぐに配水管を修繕しなければならないはずなのに、「予算がなくて」とか言って何年も放ってあるのだろうか)。
  

 多くの学校はまずまずだった。といっても、それは、最近、エサをやった形跡があるということと、水があったという程度のことだ。ほとんどの学校で、エサ箱は空っぽだった。
 連休中、いつだれがエサをやったのだろう。
 それと、どの小学校も、床の掃除はひどい。フンが固まっている状態だったり、そもそも掃除ができない構造だったり…。

 最もひどい小学校は、エサも水もまったくなし。ということは連休中、誰も一度もエサや水の世話をしていないらしい。吹きっさらしで、回り中から寒風の吹き込む金網で囲まれた小屋の中で、エサも水もなし、隠れるところもない(一つの小屋の床はコンクリート、ついたての一枚もない。もう一つの小屋は、床も金網だった。つまり、下からも風が吹き込む)、こんな状態のオリの中に放り込まれ、放置されたウサギたちの運命はどうなるか…。
 現に一匹の雌ウサギは、昨日か今日出産したらしいが、壁もないその小屋の金網でできた床の上に、ワラさえもなく、6つの仔ウサギの死体が転がっていた。その内の一匹は、親が食べてしまったらしい、頭しか残っていなかった。
 私たちが持っていったエサをやろうにも、入れるスキマもないのだ。そばの水道のホースで、空の(乾ききった)水入れに、きれいな水を入れてやるしかできなかった。ウサギはあまり水を飲まないはずだが、どのウサギも、いっしょうけんめい水を飲み続けていた。よほど、のどが渇いていたのだろう。
  左の写真、残酷だと思わない人はいないだろう。
私もそう思う。

しかし、残酷なのは写真ではない。
本当に残酷なのは、
ウサギたちの状態そのものであり、
このような状態にして放置してきた人間と、組織なのだ。
空っぽのエサ箱と乾ききった水入れ  

 

 別の小学校でも、ウサギたちにはえさもなし、水はいつやったのか、汚れきった水がうつわの中に入っていた。下左の写真ではキャベツの葉が落ちているが、これは上の網の破れたスキマから、私たちが押し込んだもの。右側の水入れにごみがたくさん浮いていて、これはいったいいつ取り替えた水なんだか。
 ニワトリ小屋は隠れるところもない吹きっさらしの中、野菜クズの入ったダンボールがでんと置いてある。ニワトリは勝手にその中から引っぱり出して食えばいいということか。
 


 もう1校、悲惨な光景を見た。ウサギが、やはり昨日か今日あたり、出産したらしいが、ワラもない地面の上に、仔ウサギの死体が一つ転がっていた。出産が一匹ということはありえないから、他の仔ウサギは食われてしまったのだろう。
 エサ箱には、一応、エサが入っているのだが、ひどいことに、ウサギのエサでなく、鳥のエサなのだ。なんで?(他の学校は一応はウサギ用のエサをうやっているらしい)。
 

 こんな状態じゃあ、動物なんか飼わない方がいい、と思えるような学校もある。
 明日の朝、さっそく、教育委員会に行ってこようと思っている。


砂塵対策、小中学校校庭を芝生に
月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』237号 2001/10/7

 久喜小や東中など市内の多くの学校の周辺住民が校庭の砂ぼこりに悩んでいます。
 そこで私は、県内で1校だけ校庭を芝生にしている熊谷市立桜木小学校を視察してきました。桜木小では砂塵対策で、すでに20年以上前から校庭に芝生を植えていて、トラック部分が土、フィールドとトラックの外側が芝生です。砂塵防止だけでなく、子どもたちの足にもいい(適度なクッション、スライディングもできる)など効果は明らか。管理は教師が年に2〜3回くらい電動芝刈り機をかけるだけ。雑草がかなり混じっていますが運動には支障なし。サッカーのゴールポスト付近などは芝がはげていましたが、ゴールポストを移動して土を入れておけば自然に回復してくるとのこと。最小限の管理で、周辺住宅の生活環境、子どもの健康、緑化など大きな成果を上げています。
 さっそく、久喜市でも小中学校の校庭の芝生化を取り入れるよう提案−。モデル校を選んで、校庭周辺部分で実証実験を行い、効果を確認した上で計画的に拡大していくよう求めましたが、教育委員会は、「経費がかかる、根付くまで期間がかかる、維持管理がたいへん」などの理由を並べて「今後の検討課題にしたい」という答弁。
 私は、熊谷の、最小限の維持管理ですんでいる実例をふまえて、校庭を全部いっぺんに芝生化するのでなく、モデル校を決めて段階的に進めるよう、具体的に提案しているのに、教育委員会は「反対のための反対」理由ばかり並べ、“新しいことはやりたくない”お役所的姿勢にはあきれるばかりです。それならば教育委員会は何らかの有効な砂塵対策の対案を示すべきでしょう。


《子供が変だ》という変な集会
子供を枠にはめ込もうとする大人たち

『声と眼』225号 2002/3/11

「子供が変だ」のチラシ 2月22日、文化会館で《子供が変だ〜親が強ければ子は迷わない〜あなたは自分の子をどういう様に育てたいですか》と題したパネルディスカッションがあった。主催は久喜青年会議所(JC)で、市と教育委員会が後援し、市内の小中学校の子どもを通じてチラシが配られた。
 《子供が変だ》というタイトル自体、子どもたち全体への侮辱ではないか。当事者の子どもたちがどう感じるかを思いやることなく、こんなチラシを配らせた大人たち…!! ある母親は市長に抗議のメールを書き送り、当日は、子供の問題を考える地域サークルの人たちもたくさん参加した。
 コーディネーター(講師)の諏訪という人物は元高校教師。「今は正常な子供像の基準がバラバラで公的な子供認識もない。共通の子供認識を作っていく必要がある」と言う。−この論に従えば、「正常な子供像」を作って、それに合わない子どもが「変だ」ということになる。しかし「正常な子供像」の基準などはないし、立場によって見方考え方も違うのに、「子供観を統一」して「共通の子供認識」を作ろうというのは、子どもたちを一つの方向に誘導しようということ? ……子どもたちにとって、もし周りの大人達が、「正常な子供になるよう指導する」なんて考え始めたら、どんなに息苦しいことだろう。
 主催者側のパネラーで青年会議所OB氏が「子どもたちは幼少期には同じような発達をしていく。親や周りが子供らしさを失わせていって、マイナスに変わってきた」と。2人目のJC理事長氏は、「自分の子供に、この教室の親分は先生だ。言うことは絶対に聞けと言い聞かせている」と。
……子どもたちを一定の枠にはめ込もうとする姿勢が露骨に見える。

子どもたちはみんな違っているからいい

 現場の教師からのパネラー。東中の菊地先生は「子どもたちが変わってきたというが、プラス面もマイナス面もある。表現力がたいへん豊かになった。マイナス面があるとすれば、思いやりや情熱が少なくなっているが、大人が足りない面で子どもたちも欠けている。子どもたちが変わってきたんじゃなくて、環境が子供を十分に伸ばせないでいる」「子どもたちはみんな違っているからいい」。
 久喜中の野口校長はまず「自分が出張中にこんなチラシを子供を通して配ってしまった。とんでもないことをした」。「子どもたちに、これをどう思うか聞いてみたら、『むかつく』『大人の方が変』『ショックだった』『サイテー』『お母さんに渡せなかった』と…。大人の無神経と身勝手…、もう少し深く考えればこんなことにはならなかった」と傲慢な大人達への厳しい批判−。「子どもたちは無限の可能性を秘めた宝なんだ。大人がどう育てるかではなく、みずから育つ力、伸びる力を持っているんで、親や教師はそれに刺激を与えればいい」とも…。

多くの市民が「子どもたちに謝れ」と

 会場からは、子供の問題を考える地域サークルの人や“教育を考える会”の人たちが「子供が変だ、という方が変だ。子どもたちに失礼だ。謝りなさい」とも。−たまりかねたJCの人が「これは子供が変だじゃなくて、子供が大変だという意味なんです」と変な言い訳。−それなら直ちにチラシを訂正し、子どもたちに謝罪するべきだろう。
 まとめで菊地先生が「子供は失敗するのが仕事。失敗したら次にどうしたらいいか考えさせる」。野口校長は「今の子は自主自立の精神が欠けてると言うが、本当にそうなのか。むしろ自分で考えて行動する子が増えている」「命令、指示、支配、禁止は慎みたい。認める、励ます姿勢が子どもたちの可能性を育てていく」。現場体験からありのままにとらえた子ども観に、会場からは同感の大きな拍手。……一部の大人たちの、子供への偏見、偏った教育論が粉砕された瞬間でもあった。

 それにしても、こんな変な名前の、子どもたちの心を傷つける集会を“後援”した久喜市、市教育委員会の“無神経さ”も問題ではないか。


根本的な誤りはどこにあったか
「子供が変だ」という変なパネルディッスカッション。
子どもたちへの差別、「荒れる学校」の責任を家庭や教師に押し付けようとする作為。
多くの子供の問題を考える人々が集まって、
抗議やら、子供の権利を守る発言やら、子供を信用しようと発言した。

2002/3/2 再批判と諏訪・青年会議所の誤りを整理

2月22日、総合文化会館で「子供が変だ〜親が強ければ子供は迷わない」と題したパネルディスカッションが行われた。
 久喜青年会議所の主催で、参加者の中心は県内各地の青年会議所会員。
 そして久喜市と久喜市教育委員会が後援。『広報くき』にも掲載、さらに学校を通じて全部の学校(?)の全部の家庭にチラシが配布され、埼玉新聞にも宣伝記事が掲載されて、全部で200人くらいが参加したと見られる。
 この「子供が変だ」という集会名は、事前から子供の問題に関心を持つ人たちの間でかなりの話題を呼んだ。
「子供への差別ではないか」「子供が変、というのは大人社会の反映に過ぎない。もし変、に見えるならば、大人と社会の方が変なのであって、一方的に子どもたちを変だ、などと決めつけるのは、子供に対して失礼だ」「子どもたちに対する侮辱だ」「子どもたちの気持ちを全く考えていない」「子供がどう感じるかさえ思い至らずに、子どもたちにチラシを持たせるなんて」…。
 ある母親は、久喜市長へのEメールで抗議の声を届けた。
 青年会議所の会員によると、直接にも抗議の電話がいくつもあったという。

 パネルディスカッションのコーディネーターは、諏訪哲司という元高校教師。川越を中心に、「プロ教師の会」という団体の代表者。
このプロ教師の会、諏訪哲司というのは、最近の子どもたちは変わってきた、昔とは違う、ということを前提に、「荒れる学校」や、子供による犯罪の増加(そんな統計的事実はないのだが)、それらの原因と改善の対策を主に家庭の教育としつけに求めていく。
 「子供が変だ〜親が強ければ子供は迷わない」というフレーズも、青年会議所が付けたわけではなく、諏訪哲司の以前書いた文章によるものだ。
 しかし、青年会議所の人々の無神経さもひどいものだ。子どもたちの感性に対する人間的想像力の欠如によるものだというほかない。自分たちの価値観や判断を過信して、相手(子供)がどう受け取るかを考えもしなかったのだろう。

 パネラーの諏訪は最初に、コーディネーターの権限を利用して、20分ほど好き勝手にしゃべったのだが、
その趣旨は、次のようである。
 「正常な子ども像」「心身共に健康という基準」がバラバラになっていて、統一されていない。昔は学校が、子供はこうあるべきだととらえていて、地域もそれに従っていた。
 今はそれがないので、公的な子供認識が成り立っていない、理想的な子ども像がみんな違っている。子供認識を統一させていく必要がある。」

 諏訪の根本的な誤りは、「正常な子ども像」なるもの=「子供はこうあるべきだ」という自分勝手な理想像を思い描いて、それに今の子供が適合するかしないか、適合しないから「変だ」と決めつけてしまうことにある。
 その時代時代、またさまざまな社会背景において、いろいろな子供たちの行動があり、考え方や活動がある。社会はそれらをそのまま受け止めていかなければならない。それに、「正常な」とか「理想的な」と言ってみても、それはいったいいつの時代のどんな環境におかれた子供を思い描いているのだろうか。そんな基準もあろうはずはない。
 そしてもう一つの決定的な謝り。それは、教師や親や、その他の社会を構成する大人たちの間で、「子ども像」「子供はこうあるべきだ」論の認識を統一させていこうとしたことだ。立場立場で、子供に対する考え方、対応の仕方は違う。子どもたちの悪い面ばかりが目について、いらつく大人たちもいようし、子供たちのいい面を見よう、伸ばそうとする大人たちもいる。親は親の、教師は教師の対し方がある。地域の大人達もそれなりの対し方がある。
 「子供観を統一」だの「共通認識」なんてできるはずもない。それを統一させようとすれば、ある一定の価値観、社会観に基づいて、子どもたちを誘導していくことになってしまうだろう。
 子供の立場から考えてみよう。もし周りの大人達が、「子供を善導するために指導するのが大人の役割だ」なんて考える大人ばかりだったら、どんなに息苦しい社会だろう。

 主催者側の2人のパネラー(青年会議所OBと理事長)の発言も、基本的には、諏訪の思想に沿うものであった。

 一人目の青年会議所OB氏が「子どもたちは幼少期には同じような発達をしていくもの(???)で、親や回りが子供らしさを失わせていく。マイナスに変わってきた」と。彼は幼稚園経営をしているのだが、子どもたちが、本当に同じように成長していると見ているのだろうか。
理事長氏は、「自分の子供に、教室の親分(先生のことか?)の言うことは絶対に聞けと言い聞かせている」などと発言。…親や教師が間違うこともあるということを教えた方がいいと思うんだが…。
 いずれにしても、子どもたちに対して、大人としての理想像を描いて、一定の枠にはめ込もうとする姿勢がありありと見えた。
 いったい彼らは、自分たちの子供時代のありようを「理想像」として描いているのだろうか。今から、10年前にも20年前にも、30年前にも、ずうっと、当時の大人達が「今の若い者は…」「最近の子供は…」とか、「しつけがなってない、親はいったい何をしてるんだ」「学校がちゃんと教えないから、最近の子供は礼儀を知らん」などと言い続けていたことを知らない訳じゃああるまい。
 会場からは大きなブーイングが起こったのも当然だ。

 パネラーには市内の2つの中学校の校長と教頭が出ていた。
 東中の菊地教頭先生は、「子どもたちが変わってきたというが、プラス面もマイナス面もある。表現力が昔に比べてたいへん豊かだというのはプラス面。パソコンもすぐに使える。マイナス面があるとすれば、心がなくなってきている、思いやりや情熱、自分から取り組んでいく力が少なくなっているが、大人が足りない面で子どもたちも欠けているんです。」「子どもたちが変わってきたんではなくて、環境が子供を十分にのばせないでいるんです」「どういうふうに育てたいかじゃなくて、あえていえば人間の子供にしたい、でいいんじゃないか」「子どもたちはみんな違っていいんです。」と、現場教師としての実感に基づく、子どもたちへの暖かいまなざしを感じさせた。

 久喜中校長の野口先生は、開口一番、「自分が出張中に、このチラシを子供を通して親に配ってしまった。とんでもないことをしてしまった」とショックな発言。
 「子どもたちに、このチラシを見てどう思うか聞いてみたら、『むかつく』『大人が変なんじゃない』『ショックだった』『さいてい』という声。親に渡さなかった子供もいた。大人の無神経さ、身勝手さ、もう少し深く考えればこんなことにはならなかったんじゃないか。
「子どもたちは未熟であるが、無限の可能性を秘めた宝なんだ。みずから伸びる力を持っている。大人がどう育てるかではなく、自分で育つ力を持っているんで、親や教師はそれにどう刺激を与えるかだ」


 パネラーやコーディネーターの間で何度かやりとりがあったのだが、諏訪哲司はしきりに2人の先生を、「行政の立場」「行政はそう言っている」と決めつける。せっかくお2人が現場の実体験に基づいて話しているのに、「校長、教頭だから2人は行政の代弁者」のように会場のイメージを作り上げよう、誘導しようとしている作為が感じられて、とてもいやな感じがした。
 それにしても話は全く進展しないしかみ合わない。つまりコーディネーターの望む方向にいかない…。
 困ったコーディネーターはたまりかねて会場の発言を誘った。
 青年会議所の会員らしき人が、「自分の会社に入ってくる若い人がしつけが全然できていない」と、それを学校に押し付ける発言。

 私や、市内の子供の問題を考える団体の人や「教育を考える会」の人たちも発言。
「子供が変だ、という方が変だ。子どもたちに謝りなさい」とも。
 「家庭や学校でそんな社会的な決まり事を教えていけると思うのが間違い。そういう若い子が入ってきたら、会社でしつけを教えていけばいいじゃないか」という意見も。
 しまいに、青年会議所の人が、「このチラシは子供が変だ、じゃなくて、子供が大変だ、という意味なんです。」と変な言い訳。
 それなら、すぐにチラシを訂正し、子どもたちに謝罪するべきだろう。

 まとめで、菊地先生が「子供が何をしたいのかを知ることが大切。それを手助けしてやるのが自分たちの仕事。また子供は失敗するのが仕事で、失敗したら次にどうしたらいいかを考えさせる。しかしすぐに親や教師が手を出してしまうのがよくない」

 野口先生は「今の子は自主自立の精神が欠けてると言うけれども、本当にそうなのか、比較できない。指示待ちの子が増えてるとも思わない。自分で考えて行動する子が増えている」「命令、指示、支配、禁止は慎みたい。それが多くなると反抗心、従いたくないという気持ちが出てくる。認める、励ます姿勢、それが子どもたちの可能性を育てていく」。

 最後は、現場体験に基づくきわめてまともな教育論…。会場の大人たちから、同感の大きな拍手が起こった。
 諏訪や青年会議所の、一方的な子供観、薄っぺらな教育論が粉砕された瞬間でもあった。

それにしても、こんな変な名前の、子どもたちの心を傷つける集会を“後援”した久喜市、市教育委員会の“無神経さ”も問題ではないか。

学校給食用食器をようやく切り替えへ
『声と眼』224号 2002/2/25

 これまでのポリカーボネート製は環境ホルモンが溶出する危険性が指摘されていました。やっと9月から強化磁器製に切り替えます。食器と食器洗浄機改造に7759万。


どうしても許せない言葉がある
『声と眼』221号 2001/12/17

 12月4日、江面一小6年生が市議会の傍聴に訪れた。朝9時の開会前、子どもたちは緊張した顔で静かに傍聴席に座り、議員も次々に議場へ…。とその時、6番目か7番目に入ってきた岸議員が、いきなり傍聴席の子どもたちを指さして、『おまえら、静かにしてろよ。うるさくするとぶっ飛ばすぞ』と大声を発した。−先に議場にいた議員(私も)たちが「ひどいな」「岸さん、おかしいよ」と声をかけたが、その場はそれきりですんでしまった。
 子どもたちが帰ってからも気になって、私はすぐに教育次長と議長に話して、学校に連絡してもらったが、校長からは“子どもたちにははっきり聞き取れなかったようで、気にしている子はいないようだ”という返事だったということで、一応はホッとした。(休憩中に、議長が岸氏を口頭で注意した)。
 岸氏は少年スポーツの指導者をしていて、知っている子がいたので『いつもの調子で』声をかけてしまったというのだが、普段からそういう言葉で接しているのだろうか…。
 子どもたちは、一人一人、独立した個人として認められ、その人格を尊重される権利を持っている。この日は議会を傍聴に来た市民でもある。たとえ冗談半分だった(?)としても、その子どもたちを見下すような暴言が議員=人間として許されるはずはない。
 久喜市教育委員会が子どもたちに配っている《子どもの権利条約》のパンフレットの中に『みんな同じ人間・ともに生きていこう』『友達に思いやりの言葉や励ましの言葉をかけていますか』という文章がある。大人も子どもも、これをみんながお互いに活かしていければ、差別やイジメはなくなるのだろうが…。こういう考え方は理想的すぎるだろうか。

★この日の議会終了後に、岸氏が江面一小を訪れ、教頭に謝罪したというが、子どもたちに対してはどうしたのだろう。★

子どもたちに向かって、『おまえら、静かにしてろよ。うるさくするとぶっ飛ばすぞ』
岸輝美議員は子どもたちに謝罪するべきだ

2001/12/4

 12月4日、市議会本会議で一般質問が行われた。
 この日、江面小学校6年生の子どもたちが、総合学習の時間で、市議会の傍聴を行った。
 子どもたち(1組目、25人)は朝9時の開会前に傍聴席に入り、みんな緊張した顔で静かに座っていた。議員は三々五々、本会議場に入ってきた。
 とその時、6番目か7番目に入ってきた岸輝美議員が、傍聴席の子どもたちを指さして、『おまえら、静かにしてろよ。うるさくするとぶっ飛ばすぞ』と声をかけたのだ。
 私を含め、すでに何人かの議員が議場に入っていて、「ひどいな」「岸さん、おかしいよ」と声を出したのだが、その場はそれきりですんでしまった。(議会の開会前の“私的発言”を、議会で正式な問題にはできないルール)

 岸輝美議員にいわせると、何人か知っている顔が見えたので、『いつもの調子で』声をかけたらしい。この人は少年サッカーチームを指導しているのだが、普段から、そういう言葉を使って“指導”しているのかどうかは知らない。しかし、子どもたちを見下して発した言葉であることは確かだ。
 仮に“冗談半分で”あったとしても、果たして許される言葉か!?
 子供にとっては、「議員っていばってるんだなあ」と思ったかどうか。「態度の悪い議員もいるなあ」と思ってくれればまだましだ。議員不信、大人不信につながらなければ幸いだ。
 
 子どもたちを、自分と対等の1人の人間として認めない、どうせ子供は騒ぐもんだ、脅かせばいうことを聞くものだ、これが岸輝美議員の本音なのか。
 岸輝美議員にとっては、「子供は1人の人間として尊重される」と規定した《子どもの権利条約》などは一片の紙切れに過ぎないのか。
 私は、この岸議員の発言を絶対に許すことはできません。岸議員は子どもたちに謝罪するべきだと考えています。議員の中では、“まあ、岸さんも冗談で言ったんだろう”“親しみの表現だったんじゃないの?”と、大した問題ではないという議員もいます。どう思われますか。



久喜南中学校の3年生2人の自殺、久喜市教育委員会はどう対応したか
2001/11/23

 11月12日、久喜駅西口、サリアビルの駐車場ビルから2人の中学3年生が飛び降りて自殺した。
 テレビ、新聞、さらには週刊誌などでも、大きく取り上げられている。
 市議会では、21日、朝9時から、全員協議会が開かれた(教育委員会から、議員に説明したいという要請があって開いたという)。
 一応、教育委員会から、経過と、今後の教育方針などについての話があったものの、議員からは質問が出ることもなく、そのまま解散となった。個人的事情が絡んでくること、日々の教育現場の人間と人間の関係の中で、何があったのか、何が原因だったのか、どうすればいいのか、こんなことが、そう簡単に全員協議会の場で話せるはずもなく、むしろ、その場で質問が出なかったのは当然だろう。
 議員一人一人も、重く受け止めたからこそ、軽々しい発言はできなかった。

 しかし、私が、不満を持ったのは、当局=教育委員会が、マスコミの取材や議員に対して、さらに、PTA、保護者の集まりに対してはそれなりに(誠実に)対応していながら、市民全体の問題、子どもたち全体の問題として「知らせていこう」「知ってほしい」という行動をしていないことだ。マスコミはそれぞれ各社の判断で、一部しか報道していない(あたりまえのこと)。

 この説明は、私たち議員だけで受け止めるには重すぎる。
 そこで、全員協議会における教育委員長の話、および教育長の説明を、そのまま掲載する。ただし、
*あまり個人的なところに関わる部分は割愛した。
*これは市役所の公文書であり、情報公開制度で請求すれば公開されるものですが、その場合、個人的なところは墨塗りされるはずです。

 そして、現段階ではあえて、私の見解や感想、意見は付け加えないことにしました。一つの理由は、私がこれ以上の情報はあまり持っていないこと(ある程度聞いていることはあるが、正確かどうか確認できない)、第2には、事実が大切であって、事実をふまえて考えるのは、市民のみなさんや、これを見るかもしれない生徒たち自身であると思うからです。
 議会では今後、教育行政全般の問題として、議論されていくことになると思います。

市議会全員協議会における教育委員長の話

 本日は、大変お忙しい中、議員の皆様に緊急にお集まりいただきましてありがとうございます。
先ほど田中市長からもございましたが、去る11月12目早朝に、久喜南中学校3年女子生徒の痛ましい事故がおきました。
教育委員会といたしましては、今までも久喜市教育行政重点施策の中で、「一人一人を大切にした教育」や「ともに生きる力」を根幹に据え、学校を指導してまいりましたが、今回の事故につきましては、厳粛に受け止めております。今までも、各学校において、児童生徒に対し、命の大切さを指導してきたところでございますが、大変残念でなりません。
 これまでの事故の経緯につきましては、この後、教育長から報告させますが、今後、このような痛ましい事故が二度と起きないよう教育全体を見直すとともに、教育委員会といたしまして、子供、親、教師、地域社会が更に「対話」を深め、信頼感に満ちた教育が展開されるよう努力してまいりますので、ご支援を賜りますようお願いいたします。

市議会全員協議会における教育長の説明

 只今、田中市長と清水教育委員長からもご説明がありましたように、去る11月12日、月曜日の早朝に、久喜南中学校3年生女子生徒2名がサリアビルに隣接するダイエーの立体駐車場の屋上から転落して死亡するという痛ましい事故が起きました。生徒たちは、将来への希望を持ち、その実現の道半端にして、このような結果になってしまい、私としても前途有為な若者を失うということは、大変残念でなりません。
 この件につきましては、新聞やテレビなどで報道されており、市議会議員の皆様をはじめ、多くの市民の皆様にご心配をおかけいたしました。
 すでに事故が発生して以来、10日が過ぎようとしておりますが、これまでの事故の経過につきまして、ご報告申し上げたいと存じます。

 まず、久喜警察署から久喜南中学校に事故の第一報が入りましたのは、12日の朝、7時46分でありました。内容は「南中の生徒2名が駐車場屋上から転落し、1名は死亡、1名は重体」ということでありました。久喜市教育委員会では学校からの電話連絡を受け、直ちに久喜警察署と久喜南中学校に指導主事を派遣し、情報収集にあたらせるとともに、校長に対して、職員を生徒が搬送された病院に急行させるよう指示いたしました。
 同日12時00分、久喜警察署から久喜南中学校に重体の1名も死亡したとの連絡が入りました。
 学校では、12時30分から12時40分まで、多目的室に全校生徒を集め校長が事故の概要を説明するとともに、命の大切さを訴え、全教職員、全生徒で黙祷をいたしました。

 続いて、学校では、午後1時00分から1時40分まで、久喜南中学校木工室で報道関係者に対する共同記者会見を開きました。会見に先立ち、記者代表から「二人の生徒のご冥福をお祈りいたします。」との温かいご配慮をいただきました。
 その場で校長は、報道各社の記者の質問に対して、
・2人は、11月9日に担任と楽しく談笑をしており、自殺するようなそぶりはなかったということ。

    ……(一部、個人的事情についても触れているので、割愛します)……

などを答えました。

 同日午後3時00分からは、臨時教育委員会を開催し、事実報告を行うとともに、各教育委員からは
・「命の大切さ」を訴える指導を更に徹底して欲しいこと。
・学校と家庭での連携を一層.密にし、互いに子供の心をつかみ、些細な子供の変化にも気づけるよう保護者会等あらゆる機会を通じてアピールすること。
を要請されました。

 続いて、午後4時00分から臨時校長会を開催し、教育長(私)から、事故の報告を行うとともに、児童生徒に「命の大切さ」を直接学級担任から話をするとともに、校長、担任と相談員、保護者が連携を密にとって、相互に協力し合いながら適切な対応をしてほしい旨、指示いたしました。
 久喜南中学校におきましては、11月12日、午後6時00分から7時00分まで、校長室において、緊急PTA役員会が開催され、校長からの事故報告に続いて、今後のPTAの対応について話し合いがもたれ、11月13日火曜日、午後4時00分に多目的ホールで、臨時保護者会を開催することを決定いたしました。

 翌13日午後4時10分から午後4時35分まで、臨時保護会が約300名の参加を得て開催され、校長は冒頭で、事故の報告をするとともに、命の大切さについては、かねてから指導してきたが、今回このような事故が発生してしまい誠に漸悦に堪えない、と話しました。
 また、PTA会長からは、「子を持つ親として健やかに育って生きる力をつけてほしいために、親も学校へどんどん来て、PTA活動をやっているのに、こういう形になって残念である。学校に出ていく気力があるのにもかかわらず、死を選ぶさみしさがあったということを、お互いに見抜けなかったことに心が痛みます。地域の子を育てるという認識をさらに強く感じましたので、力を合わせていきたいと思います。」という教師、親、地域のあり方に対する思いを切々とした口調で語りかけました。
 また、ある保護者からは、学校に対して、これからの教育活動やPTA活動に関わるアンケートを実施し、今後の教育活動に生かしていったらよい、という提言がございました。
 その後、校長から生徒の葬儀の日程報告があり、葬儀等への参列について、保護者、生徒の対応について話し合いが持たれました。

 なお、Aさんの通夜は、…教職員約20名、生徒約30名、PTA関係者約20名が参列いたしました。…告別式が…行われ、教職員10名、生徒約95名、保護者約25名が参列いたしました。
 Bさんの通夜は、…教職員約20名、生徒約45名、PTA関係者約20名が参列いたしました。告別式が…行われ、教職員10名、生徒約90名、保護者約20名が参列いたしました。

久喜市教育委員会では、今後
@ 児童生徒が、困ったことや悩みごとを、すぐに相談できるような教育相談 体制の見直しを図る。
A 教育相談に関する事例研修会や相談 技法について、校内研修を一層充実させる。
B 家庭との連携を密にし、協力して指 導に当たる。
 こと等について、各学校に対して実態に即した対応をとるよう指示してまいりた いと存じます。
 そして、かけがえのない命の大切さについての指導の徹底を図り、一人一人を大切にした指導と本市教育の充実に向けて、全力を尽くして取組んでまいりたいと存じますので、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。


乳幼児医療費無料制度がくずれた!
『声と眼』218号 2001/10/29

 乳幼児医療費はこれまで無料で、久喜では入院は3歳まで、通院は2歳まで、かかった医療費の全額を税金で負担してきました。今年、埼玉県が対象年齢の拡大と引き替えに、所得制限や自己負担金の導入を打ち出しましたが、県内のほとんどの市では今後も無料制度を存続する方針です。
 ところが久喜市は9月議会に、乳幼児医療費支給条例の改正案で、【@対象年齢は入院は就学前、通院4歳までに拡大、A入院1日1200円、通院は1医療機関につき1月1000円の自己負担金、B入院給食費も全額自己負担】を提案。−子育て中の家庭に大幅な負担増を強いる、県内でも最悪の内容。他市の状況も考慮せず、児童福祉審議会にもかけずに、−田中市長は“政策決定過程からの市民参加”をうたっているのに、市長選挙で再選した直後に、市民の声も聞かずに一方的に負担増を強行とは!
 議会でも批判が集中したため、市長は途中から「議案の訂正」に方向転換【入院の自己負担1月1000円に。入院給食費の負担は半額に引き下げ】。負担増をいくらか緩和したものの、それでも県内最低レベルの内容は全く変わりません。市民の声を聞く場も作らないまま、小手先の「訂正」で9月議会で負担増を決めてしまおうというやり方は理解できません。そこで私たちは、大地、共産、無会派の議員で協議して、【@自己負担金と入院給食費の負担導入は中止。A支給対象や自己負担のあり方について再検討し、児童福祉審議会などで市民の声を聞き、1年以内に結論を得る】とする議案の修正案を共同提案(提案説明は猪股)。
 残念ながら、公明、新政議員団などが「当局案に賛成、修正案に反対」で、自己負担の導入が決められてしまいました。
 田中市長は“受益者負担だ。保護者の自己負担は当然”という論理ですが、★他市では“少子化社会で、子育ては社会の責任”という考え方が主流です。久喜市の児童福祉政策のあり方が問われています。

★乳幼児医療費の無料化を、党をあげて押し進めてきたはずの、あの公明党が、一部自己負担=有料化の導入に賛成してしまうとは★


保育園整備計画を審議会に諮問へ
月市議会 猪股の一般質問 『声と眼』217号 2001/10/9

 当局はこれまで、保育園の老朽園舎の建て替えなどの施設整備、完全給食実施について、今年度中に計画を策定するとしてきました。7月には児童福祉審議会が設置されており、早急に整備計画を諮問するべきなのに、一向に審議会が開かれません。計画ができあがる前の段階で諮問して市民参加で計画を作るよう主張しました。健康福祉部長が「児童福祉課の素案ができた段階で諮問し、今年度中に審議してもらう。保育園の整備計画はできるだけ今年度中に作成するよう努力していく」と答弁しました。
 また、学童保育事業で課題になっている、学童保育所の定数や空白学区への建設などについても、児童福祉審議会で審議するよう要求。「諮問していく」と答弁しました。


乳幼児医療費支給を拡大
しかし自己負担増も

『声と眼』216号 2001/9/26

 市長から提出された主な議案は、◆乳幼児医療費支給条例の改正。通院は4歳まで(現在は2歳まで)、入院は小学校入学前まで(同3歳)に支給対象年齢を拡大。一方で、新たに通院月1000円、入院の場合は1日1200円を自己負担とし、給食費も支給対象からはずされるため、世帯によってはかなり負担が増えることが心配されます。
 一般会計補正予算では、◆朝日バスの低床式バス導入に対する補助金(国・県・市)、◆防災無線が聞こえない地域があるため、スピーカーの増設、◆障害者の福祉タクシー券、ガソリン券支給事業で希望者が多いため増額、◆アイドリングストップの宣伝用旗などを購入、◆全部の小学生、幼稚園児に携帯用防犯ブザーを支給、◆久喜中学校の外壁を補修、◆青葉公園テニスコートの補修などが予算化されました。


市立保育園の完全給食実施を
6月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』214号 2001/8/15

 市立保育園では2歳までは完全給食になっていますが、3歳以上は給食はおかずだけで、主食(ご飯)は持参です。昨年3月議会の私の一般質問に対し『社会情勢からして3歳以上児の完全給食は必要』との基本的見解を明らかにし、『今後、調理員の配置や食器保管庫等を検討しなければならない』と答弁していました。そこで、この1年間どのように検討してきたのかを質問。
 当局は「炊飯器や調理器具、食器とそれらの保管庫、調理室の拡張も必要であり、公立保育園の整備計画の中で実施できるよう進めていく」と答弁。「完全給食は実施する」と明言したものの、時期については「施設をできるだけ早くに整備し、できた保育園から実施に移していく」と述べるにとどまりました。各市立保育園とも老朽化していることから、今年度中に整備計画を策定することになっており、内容を注視していきたいと思います。


サッカーくじはギャンブルでない?
『声と眼』207号 2001/4/12

 共産党と後上氏が提出した「サッカーくじに関する意見書」は全会一致で可決。
 3月からサッカーくじが発売開始されていますが、「児童、生徒等の教育に重大な悪影響を及ぼしていると認めるときは停止を含む適切な対応を検討し、青少年の健全育成対策に万全を期すよう」求めるもの。市内の販売所は4か所ですが、現に、年齢の確認を十分でなかったり、親といっしょに買いに来たり、親に頼んで買ってきてもらうなどの例も。“19歳未満への販売禁止”が厳密に守られているのかどうか疑問です。
 岸議員がサッカーくじ積極推進の立場から、『サッカーくじがギャンブルかどうかという不毛な論争が続いてきた』と、サッカーくじ擁護に躍起。しかし、ギャンブルであるからこそ、弊害を防ぐために規制措置が講じられてきたのに、それが守られていないのが現実。後上氏が賛成討論で「サッカーくじはスポーツにギャンブルを持ち込んだ」と喝破…説得力がありました。
★サッカーくじ擁護派の岸氏としては、ギャンブルだと認めないため、議論を避ける方便として『不毛な論争』と言っているにすぎないのだろう。★


給食費の銀行引き落としで  一部の学校だけ手数料がかかる
3月議会、猪股市議の一般質問 『声と眼』205号 2001/3/12

 小中学校の学校給食費や教材費、PTA会費などは自動引き落としで納めています。金融機関は学校側から指定されていますが、あさひ銀行だけが手数料が必要で、それ以外では取らないことがわかりました。
 あさひ銀行を指定している久喜小、本町小、北小、久喜中、東中、南中の保護者は引き落としのたびに50円の手数料を負担させられることになります(東小が指定している埼信も手数料徴収の予定。金額を協議中)。これでは明らかに不公平。
 教育委員会は「学校と保護者(PTA)との話し合いで決める」としていますが、どうしてわざわざ保護者の不利益になるような決め方をするのでしょうか。学校の事務の都合で、保護者に不利益を強いるのではなく、手数料を取らない金融機関に変えるか、2か所以上を指定して保護者が選択できるようにすべきです(青毛小は手数料不要の東和銀行と川口信金を指定)。
 決定してしまってから1片の通知で「保護者の理解」を求めるのではなく、教育委員会が学校に指導するよう要求しました。


一般会計補正予算で「付帯決議」
『声と眼』195号 2000/10/2

 一般会計補正予算で、文部省の「子供放送局」(第2・4土曜の昼間に衛星放送)の受信機を、児童センター1階ホールに設置する予算が計上されました。しかし児童センターは子ども同士や親子で遊びを通して交流したり体を動かしたりして楽しむ場所で、テレビを見せて学ばせるというのではまったく趣旨が違います。
 文教福祉委員会で、公民館やふれあいセンターなど設置場所を見直すよう求める意見が続出。私は設置場所の再検討を求める「付帯決議」を提案。多数で可決されました。


エッ! 生徒会のトップは校長?
3月定例市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』187号 2000/4/24

 ある勉強会で市内中学校の校則を調べる機会があって、4中学の生徒手帳を較べてみて素朴な疑問がわきました。

 太東中の生徒会会則では「すべての議決事項は学校長の承認をもって有効となる(12条)」。南中では「本会の決定事項は学校長の承認を得て実施するものとする」(細則9条)。太東中「本会の本部役員は全生徒の選挙によって選出され、学校長の任命をもってその任につく」(5条)。久喜中、東中の会則では「会員は先生の指導があったときには、それを誠実に受け入れるものとする」とやわらかい表現ですが、別掲の生徒会組織図で、生徒総会 の上に 校長・職員会 が存在していることが明記されています。
 私は、生徒会は学校組織から一定程度独立した、生徒みずからの自治自立の組織だと考えてきたのですが、これらの規定だと完全に校長に従属した、教育組織の一環だということになってしまいます。
 こんな基本的な疑問から、生徒会の存在と意義・生徒自身の手による自主的運営について、教育委員会がどう考えているのかを質問しました。
 教育委員会は「生徒会は教師の適切な指導のもとに運営されるべきで、校長の承認や任命は指導の範囲と考えている。生徒会は学習指導要領に定められた学校組織の一部である」と答弁。つまり生徒会は生徒の自治組織ではなくて、学校の教育活動のための組織ということになる…。
 子どもの権利条約に照らしても、これでいいのかなあ…。


保育園の完全給食実施を要求
3月定例市議会 猪股和雄の一般質問

『声と眼』185号 2000/3/27

市立保育園では完全給食は2歳児まで。3歳児クラスになると主食(ご飯)持参になります。今どき、主食だけのお弁当をやめて、全部の子どもに完全給食を実施するよう求めました。
 当局は「3歳以上児の主食については厚生省の補助基準にないので持参としてきたが、通勤圏の拡大なども考えると、完全給食が必要であると認識している。調理員や食器と保管庫など検討しなければならないので、今後の研究課題としたい」と答弁。
 県内では12市で完全給食を実施(保護者負担が700〜1000円程度。1市は無料)。保護者の声も聞きながら、積極的に検討していくべきです。


遺伝子組み替え食材、給食に使わず
12月市議会 猪股和雄の一般質問
『声と眼』179 1999/12/20

 遺伝子組み替え作物はおもにアメリカから、非組み替え作物と混じって輸入されていますが、これが子供たちの成長にどのような影響を及ぼすかは未知数。
 そこで、久喜市の学校給食に使われている遺伝子組み替え食材の実態把握と、組み替え食材を使用しないよう求めました。
 教育委員会でも「遺伝子組み替え食材を使用しない」、「業者にチェック体制の強化を要請していく」方針を確認しました。

学校給食の遺伝子組み替え食材、現状と今後のチェック体制

◆現在、青果物はすべて国産。
◆コーン、コロッケ、ポテトなども組み替え食材を使っていない。
◆9月以降、食材業者に、組み替え作物の有無の確認をし、証明書を出させている。

▼食用油や醤油の原料のなたねや大豆は組み替え作物が入っている可能性がある(分別されていない)。
▼業者に確認を依頼しているが、確認が取れない場合は非組み替え食材にすべく協議している。

★今後、食材規格に、「非組み替え」の確認書、証明書を添付させ、教育委員会としてもチェックしていく。
★市民にも公開していく。


子どもがまんなかネットワーク
『声と眼』1999/7/12 169

◆子どもがまんなかネットワークの学習会『そもそも遊びってなあに』(6月 27日)に30人が参加。世田谷から各地に広がった“プレイパーク・冒険遊び場”の講演を聞いて、既成の公園と違った子供たちの自由な遊び場作りの夢を語り合った。


入学準備金貸付制度を改善
99年3月市議会 猪股和雄の一般質問

1999/3/15 No.163 

 大学や高専、高校などの入学準備金貸付制度は、今年8人の貸し付けが決定しています。しかし規則の中に「市内に1年以上居住し続けている連帯保証人が必要」という条文があって、最近市内に転入してきた市民などには実際には使いにくいものでした。そこでこの制限をはずし、保証人が市外の人でも借りられるよう改善を要求。★教育委員会ではこの条項を、“市長が認めた場合、保証人が市内でなくても認める”ように改正。今年の入学者から適用することになりました。