いのまた和雄トップページへ 『声と眼』のページへ テーマ別目次へ 市民活動のページへ メッセージのページ

久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』496号
2015年 8月24日
『声と眼』
バックナンバー
496号PDFファイルはこちらをクリック

議会基本条例の議員アンケートが送られてきました

 6月に市民団体「未来工房ハッピー久喜」(代表/後上民子氏)から、久喜市議会の全議員に対して『市民と議会のあり方に関するアンケート』が送付されてきました。
合併前の旧久喜市議会で『議会基本条例』を制定していましたが、合併で失効し、現在は制定されていません。
アンケートは久喜市議会で議会基本条例を制定するよう求め、その取り組みについて議員の考えを聞くものです。

 残念ながらこのアンケートに対して回答したのは、議員30名の中でわずか5名(市民の政治を進める会の猪股・川辺、共産党の杉野・石田・平間)だけでした。
新政久喜の16名と公明党の5名からは1人も回答しなかったというのは、まさか会派内で申し合わせたわけでもないでしょうが、なぜでしょう。

《アンケートに対する猪股の回答の全文》

質問1  議会基本条例の制定について
 今、議会改革の一環として議会基本条例を制定する地方議会が増えています。人口減少社会にあっては、住民に痛みや負担を求めざるを得ないことも多くなるため、住民福祉向上の先頭に立つ議会と住民との協働の重要性が増してくるものと考えられます。そこで、住民と議会の関係を規定した議会基本条例の制定が必要と考えますがいかがでしょうか。

【猪股の回答】 必要である。
 最大会派の中から消極的な意見が出ているため、現在の久喜市議会の議員構成の中で実現するには困難と考えていますが、機会を捉えて問題提起し、検討、実現へ向けての協議を始めなければならないと考えています。


質問2  議会が公式の議会報告会を開催することについて
 先進議会では、議員がチームを組んで議会という機関として「議会報告会」や住民との[意見交換会]「懇談会」などを開いています。そして、さらにその場で出された意見も踏まえて、議会としての政策提言を作成する政策形成サイクルを構築している議会もあります。久喜市議会もこれからは、議会という機関として住民と直接対話する機会を設け、議決内容の報告・説明をしたり、住民の意見を直接聞くことが必要と考えますがいかがでしょうか。

【猪股の回答】 必要である。
 最大会派の中から消極的な意見が出ているため、現在の久喜市議会の議員構成の中で実現するには困難と考えていますが、機会を捉えて問題提起し、検討、実現へ向けての協議を始めなければならないと考えています。



質問3  請願・陳情者の説明の機会の保障について
 市民が、議会に対し実情を述べ適当な措置を要望するする制度として請願、陳情がありますが、最近では、請願・陳情代表者の説明の機会を設ける議会が増えています。議会が必要に応じて参考人として招致し意見を聴くだけでなく、代表者が希望すれば、説明の機会を保障すべきと考えますがいかがでしょうか。

【猪股の回答】 希望があれば説明の機会を保障すべき。
 請願・陳情代表者の希望があれば基本的に説明の機会を保障するべきです。その際、地方自治法で参考人制度があるのですから、これを活用するのが適当であると考えています。
ただし現実には、請願・陳情の中には、全国の自治体議会に同じ文面を何度も郵送するだけで、意図が不明だったり、その扱いについては無関心と思われるものもあります。
また請願権の乱用と思われる事例も、近隣の自治体議会でも現実に発生しています。
したがって、「代表者の希望があるもののすべて」について、説明の機会を保障するべきかどうかは検討の余地があります。



質問4  委員会のインターネット中継について
 インターネットの普及とともに、議会の本会議や委員会をインターネット中継(ライブ、録画中継)し、市民に情報提供する議会が増えています。久喜市議会でも昨年2月議会から本会議のインターネット中継が始まり、議会に関心を持っていても、時間や距離等の制約から議場に足を運べなかった市民にとっては大変便利になりました。そこで、常任委員会のインターネット中継も早期に実施する必要があると考えますがいかがでしょうか。

【猪股の回答】  必要である。
 これまでに議会改革の検討の中で提案したこともありました。
機会を捉えて提案していきたいと考えています。



質問5  議会と市民の関係の活性化について、考えをお聞かせください
 先進議会では、ホームページ上で住民からの意見の受付を行うなど、議会としての情報発信・収集を行い、住民との関係を活性化する取り組みを行うようになってきました。議会改革の新たな視点であり、是非検討すべきと考えますがいかがでしょうか。議会と住民との関係の活性化について、考えをお聞かせください

【猪股の回答】  市民と議会・議員の協働として活性化を進めていくべきだと考えています。
そのためには、市民運動としての取り組みの強化も必要です。
ぜひ市民の権利として具体的な提案をしてください。 

 7月24日に、回答した5名の議員とハッピー久喜の皆さんとで意見交換会を行い、今後も話し合いを行っていくことで一致しました。
 なおその後、ハッピー久喜から、最大会派の新政に対しても話し合いを申し入れたものの、こちらは拒否されたそうです。

★昨年9月議会に議会基本条例の制定を求める陳情が提出された際には、議会運営委員会の審議で、新政の山田が消極的、石川、市民の政治の猪股、共産の渡辺が積極的な考えを述べた。★

他市では子連れ傍聴禁止の議会もある?

 埼玉新聞(8月9日)の報道で、全都道府県議会の内45%にあたる21議会で、児童や乳幼児の傍聴席への立ち入りを原則禁止とする規定があることがわかりました(共同通信の全国調査による)。

 そこで、近隣の市議会を調べてみたところ、春日部市議会、蓮田市議会、幸手市議会などの傍聴規則でも「児童及び乳幼児は傍聴席に入ることができない」となっていました。
傍聴希望者は氏名・住所を記載しなければならない上に、傍聴を制限する多くの規定がありました。
たとえば「人に危害を加えるおそれのあるものを所持し」ている場合というのはしかたがないとしても、「異様な服装をしている者」、「会議を妨害し又は人に迷惑を及ぼすと認められる者」「議事を妨害することを疑うに足りる顕著な事情が認められる者」は傍聴を禁止するというのですが、いったい誰がどうやって判断するのでしょう。

 またほとんどの市議会では、常任委員会の傍聴は委員長の「許可制」になっていて、傍聴の申込があったら委員長がいちいち委員会に諮って認めるかどうかを決めている議会もあります。
代表者会議や全員協議会は最初から「非公開」とされていて、かんじんなことは市民の目に触れないところで決定してしまっている議会もまだ多くあるようです。

議会の傍聴は市民の権利です

 久喜市議会の傍聴規則は、市民の権利としての傍聴を保障する全国的にも先進的な規定になっています。
第3条では「何人も会議を傍聴するために傍聴席に入場することができる」としていますから、子どもでも(子連れでも)傍聴席に入れます。
傍聴は市民の権利なのですから氏名などを書く必要もなく、入場券をもらってそのまま傍聴席に入れます。

 久喜市議会で傍聴を制限するのは、人に危害を加えたり迷惑を及ぼすおそれのある物を所持している場合と、「酒気を帯びている者」「飲食をしようとする者」などに限定されています。
当然ながら「異様な服装」などの規定はありません。
ただし携帯電話やパソコンは電源を切らないと入れません。

 久喜市議会の傍聴規則の最大の特徴は、「傍聴者の権利」を明文で保障していることです。
第8条「議長は、傍聴者の権利を十分尊重しなければならない」「議長は、会議において配布する文書及び傍聴者が会議の内容を知る上で必要と思われる文書及び資料等を傍聴者の閲覧に供するよう努めなければならない」「議長は、傍聴者の利便性を図るため、常にこの規則を見直し、その改善に努めなければならない」という規定は、全国の議会に先駆けて久喜市議会が定めているものです。
久喜市議会の本会議では、休憩に入る際に議長が「傍聴者の皆さまに申し上げます。この休憩は○○のために議会運営委員会を開くための休憩です」などと傍聴者に説明しています。
これもわかりやすい議会運営を進める工夫です。

 さらに久喜市議会のすべての会議は“原則公開”です。各常任委員会、議会運営委員会、各会派代表者会議、議員全員協議会などの傍聴も許可制ではなく、本会議と同様に誰でも自由に傍聴できるようになっています。
したがって久喜市議会では“密室審議”はありません。
(法律や条例では必要があれば「秘密会」にすることができる規定もありますが、これまでにそうした例はありませんでした)。

 久喜市議会では毎議会、本会議と委員会を合わせて100〜150人くらいの方が傍聴に来ています。
市役所まで来られない人のために、本会議はインターネット中継も行っていますが、画面には発言者しか映りません。
やはりできるだけ実際の議場に来て、議場全体のようすをご覧になるようお薦めします。

★傍聴席で子どもがぐずって議事に支障が生じたら、保護者が自然に廊下へ出ていますから問題は出ていません。
協力が得られなければ議長が議場整理権を行使することになりますが…。★

【参照】 久喜市議会傍聴規則へのリンク
【参照】 幸手市議会傍聴規則へのリンク
【参照】 蓮田市議会傍聴規則へのリンク

生活困窮者自立支援事業が成果をあげています

 今年4月から「生活困窮者自立支援法」に基づいて、総合的・継続的な相談支援活動を行うために、久喜市社会福祉協議会(ふれあいセンター)に「あんしん生活相談センター」が開設されました。

 社協の事業を通じて相談にいたるケースの他、市の福祉関係各課や保健センター、民生委員からの紹介、社協窓口への直接の相談など、7月までで65件の相談がありました。
生活苦、失業、病気、家賃や医療費が支払えない、累積債務、引きこもり、虐待などさまざまな相談に、生活保護など市の福祉関係課や税務課、ハローワークと連携するなどして解決に向かっているケースもあります。

 特にそうした家庭の子どもたちの居場所作りと学習支援や進学相談にも力を入れていて、毎週の勉強会に10数人の中高生が通ってきています。

4〜7月の相談実績の集計

相談件数 相談件数 ほぼ解決へ
向かっている
生活保護へつないだケース
4月 18  
5月 10 1
6月 16 5  
7月 21 8 1

 【解決へ向かっているケース】
 たとえば社会福祉課(生活保護の相談)、障害者福祉課や子育て支援課、税務・収納課と連携して滞納整理の相談、水道課に連絡して給水停止の解除などの措置をとったケースもあります。


 主たる相談内容の内容 
収入・生活苦 12
求職・就職 8
病気・健康 6
家族・人間関係 11
債務 5
家賃・公共料金・医療費 3
引きこもり・不登校 4
その他、住居、障害、失業や仕事上のトラブル、子育ての問題、虐待の問題などもあります。 

相談者の内訳 
20代  3
30代 9
40代 18
50代 15
60代 3
70代 2
80代 2
母子家庭の方の相談も含まれています。 

支援センターを知ったきっかけ
市の福祉関係課からの紹介 12
保健センターからの紹介 1
民生委員からの紹介 10
社協事業からからの紹介 26
広報等 5

 支援センター(相談窓口)を知ったきっかけでは、社協の他の事業でお話ししている内に、相談してみようかということになったケースが最も多くて40%を占めています。
 それに対して意外と少ないのは、市役所の各課からの紹介で、18%しかなく、しかもそのほとんどは社会福祉課や障害者福祉かなどの福祉関係課です。

 他の市では、たとえば税務課や水道課などで滞納している人を紹介して、市の職員がいっしょに窓口に相談に来て、その結果、生活の立て直しにつなげたなどの成果もあげています。
 久喜市でも、市役所で市民と接する職員が、常に市民の困りごとに心を配り、支援センターと連携を持っていくことが必要で、職員の意識改革も求められています。




久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』495号
2015年 7月27日
『声と眼』
バックナンバー
495号PDFファイルはこちらをクリック

戦争への備えが日本の安全保障ですか

 9月議会で、「『戦争法』の制定に反対する意見書」は新政久喜15名(議長を除く)と公明党5名の反対で否決されました。
意見書の審議では、新政久喜から『意見書は安全保障法関連法案は憲法に反するとして制定の断念を求めているが、今の日本における決定的な安全保障はどのようにするべきなのか考え方を聞く』という質問がありました。
決定的な安全保障とは「確実な安全保障」の意味だそうですが、質問者が繰り返し最大限に強調したのは、中国が軍事力と海洋進出を強めていて、日本を侵略してくるかもしれない、また北朝鮮が日本にミサイルを発射するかもしれない、核弾頭が登載されているかもしれないということでした。
中国や北朝鮮との戦争を前提として、日本が攻撃された時に自衛隊がいかに米軍とともに戦って戦争に勝利するか、そのための戦争準備の法制が日本の「確実な安全保障」であると考えているらしいのです。

 はたして近隣諸国との戦争に備え、戦争に勝つための体制づくりが本当に日本の安全保障になるのでしょうか。
私たち国民にとっての安全保障とは戦争を行わないことであり、国際的軋轢や外向的摩擦を軍事力によらずして解決することではないでしょうか。
戦争とは国際的な軋轢や国家間の外交的な摩擦を軍事力で解決することです。
戦争に突入し戦闘行為が発生した時点で、さらに自衛隊員と国民の生命が傷つけられ、あるいは戦争によって他国の国民を傷つけるに至った時点で、それはむしろ日本の安全保障政策の失敗を意味します。
そうではなくて、憲法前文と9条をふまえて、戦後70年間堅持してきた、戦争に至らせないための政治的外交的努力こそが、何よりも「確実な安全保障」に他なりません。

 質問者は3回目の質問に立って自説を述べた上で、『提案者の話はもう聞きたくないから、質問はしません』と一方的に打ち切って自席へ帰ってしまいました。
これでは安倍政権の問答無用の姿勢と同じです。
また討論で、新政久喜の議員からは『集団的自衛権は国連憲章で認められている』という発言もありましたが、それでは歴代政権が集団的自衛権を否定してきたのはいったい何だったのでしょうか。
これまでの日本の安全保障の議論の積み重ねをすべて反故にしてしまってはいけません。

★戦争法反対の意見書に、新政久喜の質疑は春山氏、反対の討論は園部氏のそれぞれ1人だけで、他の議員はダンマリー。
議員は議場でみずからの意見をきちんと表明すべきでは。★

私たちは政務活動費を何に使ったか
〜市民の政治を進める会の使途報告〜

 久喜市議会では会派に1人1か月3万円の政務活動費が交付されます。
私たちの会派・市民の政治を進める会(猪股・川辺)2015年度第1期分の使途を報告します。

敬老祝金の減額が決定された

 久喜市は今年3月に「久喜市敬老祝金支給要綱」を改正し、毎年の敬老の日に高齢者に配っている祝金の減額を決定しました。
昨年までは、77歳および88歳の方に祝金5000円、99歳以上の方全員に1万円を支給し、地域の民生委員を通して配っていました。
今年度からは77歳の方への支給をやめて、88歳で5000円、99歳で1万円、100歳以上の方全員に毎年3万円を配布することになりました。
一般会計当初予算では昨年度まで約1000万円の祝金が計上されていましたが、今年度は610万円に減額になっています。
 市ではすでに、毎年の祝金配布に協力してもらっている民生委員さんたちには説明をしていて、民生委員や市民の反応は、77歳の廃止については「まだ若いし敬老祝金というほどの年でもない」とやむなしという声が多いようです。
一方で100歳以上については「100歳というのはおめでたいけど、全員に毎年、3万円に増額して支給する必要があるのか」という疑問も聞かれます。
--みなさんはどう思いますか。

プレミアム付き商品券は何のためか

 久喜市商工会が「プレミアム付き商品券」を販売、1セット1万円で3000円のプレミアム付き、久喜市全体では5万セット(5億円)の商品券が即日『完売』となりました。
久喜市と商工会は27日の朝8時から市内4地区で購入予定枚数分の整理券を配ることにしましたが、それぞれの配布枚数の2〜3倍以上の購入希望者が並んで大混乱に陥りました。
市役所本庁では前夜から約3300人が並びましたが、1300人に2万6000枚(2億6000万円分)を配布したところで終了。菖蒲では800人、栗橋総合支所は1100人、鷲宮支所も1500人が並びましたが、それぞれ8000枚を400人くらいに配布して終了してしまいました。
いずれも朝6時半か7時くらいまでに並んだ人しか手に入れることができませんでした。

 ほとんどの人が限度いっぱいの20枚をもらっていって、商品券20万円分を購入したそうです。
ということは、久喜市全体で2500人強がそれぞれ6万円を得するために、税金から約2億円(プレミアム分1億5000万円+諸経費4500万円)を支出したわけです。
運良く購入できた人はよかったのでしょうが、並んだのに買えなかった人、当日に並べなかった人、購入資金を用意できなかった人たちには、やりきれない感じもします。
これらの財源は、国と埼玉県が景気対策の名の下に税金で負担しています。
しかし商品券を購入した市民が、通常の買い物の他に使うのか、通常の買い物をまかなうだけなのか。市内の大型店で使ってしまうのか、地元商店でも使うのか、その経済効果は年末まで待たないとわかりません。

★プレミアム付き商品券。他市では事前予約申込・抽選制にしたり、購入限度額を低くしたところもあった。
久喜でももっと公平なやり方が考えられなかったか。★

幸手駅西口整備事業の工事開始へ
工事車両はすべて久喜側から進入

 幸手駅西口の整備工事が開始されます。
今後15年間で幸手駅西口広場と、幸手駅西口から葛西用水まで約400メートルの区間に幅員18メートルの都市計画道路が整備されます。完成すれば久喜駅の東側地区、特に青葉・栗原・青毛地区から幸手駅へのアクセスが大きく改善されます。
計画図面によると広場や駅の自由通路などにもゆとりがあって、久喜駅の西口や東口広場と比べても使いやすそうです。

 第1期工事は2018年までの3年間で、幸手駅橋上通路と西口広場、西側へ約200メートル区間の事業を実施し、その後の2期工事で久喜市との境界付近まで、残りの約200メートルの道路が築造されます。

 工事用車両は幸手市内からは進入路がないため、久喜市側から搬入する予定です。
8月からは久喜市との境界の葛西用水沿いのけやき台地区から幸手駅西口までの仮設道路の建設が開始されます。
すべて久喜市内から幸手県道を通り、栗原地区を抜けて葛西用水の弁天橋を渡り、けやき台地区を抜けて幸手市側に入ります。
幸手市としては久喜市民に迷惑をかけないため、速度制限や車両誘導員の配置などの安全対策を講じるとしていて、8月2日に、栗原記念館で住民説明会が開かれることになっています。


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』494号
2015年 7月 6日
『声と眼』
バックナンバー
494号PDFファイルはこちらをクリック

6月定例市議会の全議案と各会派の賛否 

『マイナンバー制度』は延期すべきだ

 全ての国民に12桁の番号を付けて、行政や民間までの個人情報を名寄せする『共通番号(マイナンバー)制度』がスタートし、10月には個人番号通知が送られてきます。
しかしこの制度についての市民への周知はほとんど行われていません。
個人情報保護条例の改正も、ぎりぎりの9月議会になりそうです。
市町村での準備の遅れも顕著です。

 6月定例市議会に、個人番号カード交付のための費用が計上されましたが、議会最終日の30日の議案の採決で、この一般会計補正予算に反対しました。

 共通番号制度は、個人情報政策の基本である自己情報コントロール権を侵害する危険をはらんでいます。
個人番号通知の際に、DV被害者や東日本大震災の避難者等の住民票と居住地が異なる方への配慮がどうなるのかも、まだ明確になっていません。

 この制度で、国や市町村、民間も含めての共通番号による個人情報連携が行われ、税申告や企業の源泉徴収票などの税金事務、年金、雇用保険、国保、児童手当、障害者支援給付、介護保険等々の社会保障関係事務でも個人番号が利用されていきます。
しかし個人情報が流出する危険は完全には否定できません。
その場合、共通番号は貯蓄や株保有などにも利用されますから、個人情報の漏洩にとどまらず、なりすましや詐欺などの悪用のおそれも出てきます。

 年金情報125万件流出事件を見るまでもなく、漏洩がありうることを前提とした対策が必要です。
個人番号の変更の仕組みや、漏洩が疑われる場合の通報や調査などの仕組みを確立しておくべきですが、現在のところきわめて不十分です。改めて制度自体のあり方を含めて問題点を検討・検証をしなければなりません。
何より最も大切な国民・市民の理解がほとんど進んでいない現状では、導入スケジュールを見直して、当面は導入を延期するべきです。


「戦争法」反対の意見書は否決された


 安倍政権はラベルだけ“平和”“安全”と銘打って、実質的には『どういう場合に自衛隊の軍事力を行使するか』を定める文字通りの「戦争法」を強硬に推し進めています。
すべての野党とほとんどの憲法学者、世論調査では60〜80%が反対し、歴代の内閣法制局長官や自民党幹部が憲法違反と断じても、聞く耳を持たないようです。
県内でもさいたま市議会や鴻巣市議会、北本市議会でも全会一致で「慎重審議を求める意見書」が可決されています。

 久喜市議会では、戦争法の制定に反対する意見書に市民の政治を進める会(猪股・川辺)、無会派(田中)、共産党の7名が賛成しましたが、公明党と新政久喜の20名が反対して、意見書は否決されました。

★「戦争法」反対の意見書は否決。新政久喜の人全員が戦争法推進論者だとは思わなかった。みんなが自民党員ではないと思っていたが、さては、かくれ自民だったか。★

⇒ 「戦争法」の制定に反対する意見書の全文へのリンク


猪股市議の一般質問 2
6月16日の本会議で、6項目の一般質問を行いました。


障害児者のショートステイ利用拡大を

 障害児者の入所施設やグループホームの設置、在宅の人のためのデイサービスやデイケア、日中生活介護、就労支援などのサービスが拡充してきています。
その一方で、在宅の障害児者の短期入所(ショートステイ)に対するニーズが増えています。
これはふだん介護・介助している家族などが病気や用事で何日間か出かけなければならなくなった時などに短期間だけ預かってもらえるサービスです。

 昨年、市内の障害者のべ40人が18の施設を利用していますが、1か所を除いてすべて市外の事業所です。
障害児は市内の施設はありません。
また受け入れ可能な施設も、施設入所待ちの長期の利用者が多く利用しているのが実態です。
市は「ショートステイの提供事業者と受け入れ枠の拡大が課題であると認識している。入所施設の新規設置は困難なので、グループホームやショートステイ併設型のグループホームの整備を促進していきたい」と答弁しました。

投票率アップ、期日前投票所の増設を

 昨年の市長選や市議選、総選挙で、久喜市全体の投票率は60%超でしたが、20〜30歳代は30%前後、今年の県議選では全体が55%に対し、30歳代は26%、20歳代はわずか21%でした。
どの選挙でも若者が3人に1人とか5人に1人しか投票に行っていないということになります。このままでは民主主義の基盤である選挙制度が空洞化してきてしまいます。
選挙管理委員会は「県議選では県平均よりも高かったので、選挙啓発の効果があった」と答弁していますが、認識が甘すぎるのではないでしょうか。
選管の責務は第1に選挙の公平公正、投開票の正確性・迅速性の確保ですが、それとともに、投票率アップを至上命題として取り組むべきです。

 投票率アップのために、期日前投票所の増設が有効です。現在は期日前投票所は、市役所本庁舎と各総合支所にしか設置されていませんが、市内の各駅(周辺)や大型商業施設などで、通勤途中や買い物の時などに投票できるようにすべきです。選管の答弁では、来年の参院選でモラージュ菖蒲内に設置する方向で協議しているということですが、その他の施設には設置する場所がないと言っています。本当にその他に設置できる場所がないのでしょうか。たとえば、アリオ鷲宮などの商業施設や久喜駅周辺、市内各駅周辺の空き店舗などを探して、積極的に期日前投票所の増設を進めるべきです。
 投票所の入場券の見直しも行うべきです。一昨年まではハガキに世帯全員分が印刷されて切り離して使う方式でしたが、昨年から封筒に世帯全員分が同封されて送られてきています。20年前までは家族内の有権者それぞれにハガキが送られてきていました。
 本来は選挙権は個人のものですから、1人1人にハガキで送付する方式に戻すように提案しました。特に若い新有権者には、個人あてのハガキが届くことで選挙権の行使を自覚することにもつながるのではないでしょうか。残念ながら選管は、今後も郵送
経費節約のためにまとめて送ると答弁しました。

久喜市所蔵の美術品は市民の共有財産

 久喜市は絵画や彫像など115点の美術品を所蔵しています。
一部は市役所などの公共施設に掲示、展示されていますが、どこにどのような美術品があるのか公表されていません。
本来これらは市民の共有財産ですから、市民に公開するよう求めました。
市のホームページ上での公開、掲示場所を定期的に入れ替えて多くの市民が鑑賞できるようにすること、巡回展覧会の実施なども提案しました。

 答弁では、美術品の内訳は、絵画76点、彫塑19点、その他20点で、今後、美術品の目録と掲示場所の一覧を市のホームページに公開していく方針が示されました。
私はさらに、ホームページの中に“バーチャル美術館”を開設してすべての美術品の画像を公開するように提案したのですが、「著作権の問題等を調査研究していく」の答弁にとどまりました。

 また美術品の掲示場所の入れ替えは実施していく方針ですが、巡回展示会は「運搬作業や管理体制の問題」で実施する考えはないようです。
公開不可能な美術品は複製を作ってはどうかとも提案したのですが、これも考えていないという答弁でした。

*7月2日現在、市のホームページにはまだ、市所蔵美術品の目録などは掲載されていません。

★市議会の議員構成が変わり、会派間の委員配分などが一部変更。
市民の政治を進める会の川辺議員が、圏央道特別委員会委員、利根斎場組合議会議員、利根川水防組合議会議員に選任されました。★ 

メール アイコンメール
ご意見や情報はこちらへ
tomoni@kjd.biglobe.ne.jp
トップ アイコン
トップ