呑んだくれマラニック奥多摩編

 昨年は予定の日が雨の予報のため中止にしましたので、2年ぶりの奥多摩編となります。
 2003年のコースは裏高尾から小仏経由で行いましたが、今回は高尾駅をスタートして、淺川沿いの遊歩道から裏高尾を抜け、小下沢林道から関場峠、堂所山を通り陣馬山へ、陣馬山で昼食の後、醍醐丸のまき道を通り、日本山岳耐久レースの逆コースを辿り、市歩地、鳥切場、入山峠、今熊神社、多摩変電所、広徳寺から五日市駅近くの秋川の河原をゴールとする約35kmの行程です。
 しかし、山岳コースを含むとはいえ、約8時間と十分に余裕がありますので、そこそこの体力と走力のある人には少々物足りないかもしれません。

 また、呑んだくれマラニックはのんびりゆっくり楽しくを基本にしていますので、スピードを競う人や他の競技の練習のための参加、また、故障持ちの人は他の参加者の迷惑にもなりかねませんので参加を自主的に遠慮して頂いています。
 

 9月3日(土)集合時間の午前7時45分殆どのメンバーが揃いましたが、常連のイテテのN野とお天気オジサンの2名が予定のスタート時間に若干遅れ慌てて走り込んできました。また、見知らぬ若い女性が我々の傍にいましたので、どこかのハイカーだろうと思っていましたら、イテテのN野の紹介で参加した人でした。 
 午前8時過ぎにJR高尾駅を25名でスタートした呑んだくれ達は高尾山口方面に向かい、途中から旧甲州街道と淺川沿いの遊歩道に入りました。一般のランナーは高尾〜陣馬山往復の練習をよくやりますが、この裏高尾のコースを使う人は殆どいませんので、強い日差しをさえぎる濃い緑の中、細い遊歩道を一列になってのんびりゆっくりと走っていくことができます。
 
 高尾山に蛇滝という名の滝がありますが、以前、冬季に覗きましたら、修行に来たのか物珍しさで来たのか外人さんが滝に打たれて蒼白な顔でブルブル震えていました。
 この蛇滝の入り口を右折すると旧甲州街道に出ますが、街道沿いに人家が立ち並んでいます。その人家の屋根の上方には高尾山には不似合いな工事中の巨大な圏央道の高架が見えます。
 しかし、人家の庭先には四季を通じていろいろな花が目を楽しませてくれます。今の時期ですとキバナコスモスや女郎花、ノウゼンカズラ等が咲き誇っています。
 旧甲州街道とJR中央線が交わる所を右に曲がると小下沢林道の入口になり、中央自動車道の高架下を過ぎると右側に梅林が広がっています。2月ごろには白や紅の花とともに梅の花の香りが漂ってきます。
 この林道は5〜6km続き砂利道ですが突き当たりの関場峠までなだらかな上り坂になっています。緑の木々が覆いかぶさるように茂り、時折木漏れ日が眩しく感じます。また、林道に沿って沢があり、せせらぎの音が聞こえ心身とも安らぎを覚えますが、陣馬山まで自由走にしましたので、数名の者がようやく鎖を放たれたとばかり駆け抜けていきました。
 関場峠からは堂所山までの2kmは急なアップダウンが続きますが、まだまだ全員元気です。明王峠から陣馬山に向かう途中、女性ランナーに出会いました。70歳でランニングをはじめ荒川マラソンでは4時間50分で完走したとのこと。次は100kmウルトラマラソンをやってみたいとのことでしたが、御歳73歳のお嬢さん。元気を頂きました。
 陣馬の茶店では、既に缶ビールをあおる者、瓶ビールからコップに注ぎ喉に流し込む者、オデンを頬張る者...。おいおい!まだコースの半分だよ!
 茶店のオバサンに記念写真を撮ってもらいましたが、果たして全員集合しているのかな?
 陣馬山から和田峠に下り、醍醐丸のまき道を通り、五日市に抜けますが、このコースは急なアップダウンが続き、15kmほどは自動販売機も茶店も湧水もありませんので水分の補給をここで行うようしつこくお願いしました。
 また、山道は大変迷いやすいので先発組みと後発組に分け、組の前後にはコースを熟知している者がつきました。昨年の下見で“ちっち”が道に迷い大変な目にあいましたし、今年も八峰の大会で自分の庭のように遊んでいる池ちゃんが道を間違えたことがあったそうです。
 先発組みの先導にはジョイナー、後発組の先導には“ちっち”がつきました。また、他の方には先導者を絶対追い抜かないようにとお願いしました。
 醍醐丸への急な道を上り、生藤山と市道山の分岐の所で人声がしました。五日市から逆走してきた“池ちゃん”が10月開催の日本山岳耐久レースの練習をしていた青年たちと賑やかに話をしていました。 池ちゃんは後発組に合流して五日市に向かうことになりました。
 醍醐丸の巻き道では楽しみにしていることがあります。この時期、蓮華升麻の花が咲くのです。いつも同じ場所で蓮と同じ淡いピンクの可憐な花を咲かせているのです。今年も何株か咲いていました。近くには黄花アキギリや山ホトトギスも咲いていました。
 市道山(市歩地)から鳥切場まで3kmほどですが、この間はこれでもかこれでもかと急なアップダウンが続きます。あちらこちらで滑ったり尻餅をついたりしていました。
 途中で水を飲み干したものもいたようですが、水飲み場の今熊神社までは残り数キロメートル。頑張って前に進んでいますと、前から顔を隠すように2人のランナーがやってきました。今回参加の申し入れがありましたが、故障しているということなので丁重にお断りしたのですが、陸蒸気の会長を誘って逆走してきた月峰さんでした。シブトイ!
 午後3時過ぎ、先発組みはスーパーに直行し、ビールやつまみの買出しを行いました。30名近くの欠食児童のために、惣菜売り場を空っぽにしてしまいました。
 重い荷物を持って河原に来ると、すでに後発組は到着し水遊びの真っ最中でした。五日市には銭湯がありませんので男も女もそのまま川に飛び込み斎戒沐浴して神聖な打上げの儀式に備えます。
 打上げだけに参加のノリちゃんも今か今かと待ち構えていました。
 
 何度か乾杯の練習をした後、全員が揃ったところでイテテのN野の音頭で正式にカンパーイ!
 それぞれ自己紹介をワイワイやっているうちに酔いも回ってきました。
近くの酒屋でビールを追加しましたが、本物のビールは久しぶりとばかりこれもすぐになくなりましたが、いつの間にか周りは夕闇に包まれており、河原には我々呑んだくれしか残っていませんでした。
 大病を患い地獄から奇跡の生還をした池ちゃんの変則3本締めで奥多摩編は事故なく故障なく無事終了しました。ウイ〜ッ
(水遊びと乾杯の写真は“みやはん”提供です。)(2005/09/03)