八王子城跡コース

 八王子の謂れは八人の王子を祭ったことからと言われていますが、北条氏照が城を築き八王子城と名付けたことから一般に広く知らしむこととなったようです。氏照は後北条三代氏康の三男で勇猛な知将でしたが、豊臣秀吉の小田原攻めで降伏し兄の四代氏政とともに切腹して果てました。
 高尾駅から北に1kmで左折し、中央自動車道の高架をくぐり、すぐ左に約1km進むと八王子城址があります。氏照の墓はその手前300m付近で山に少し入ったところにあります。この八王子城は典型的な山城で山頂に本丸、天守閣跡がありますが、氏照は日常は下記写真の
曳橋近くの御守殿に居住していたといいいます。本丸とか天守閣というものは城の象徴のようなもので、特にこの城の場合山頂にあり、そこに辿りつくまでに一汗も二汗もかかなければなりません。

山頂から尾根伝いに関場峠を目指しますが、これが半端ではありません。アップダウンの連続でこれでもかこれでもかと次々と波のように襲ってきます。しかし、5月の連休の時期は新緑と山つつじの赤が優しく迎えてくれますし、足下にはチゴユリが咲いています。
 関場峠を過ぎると、もう2〜3度アップダウンがあり、堂所山に着き、天気の良い日には遠くに富士の姿を眺めることができます。
 明王峠を越えれば、陣馬山はもうそこです。
 陣馬山の富士見茶屋のおじさん、おばさんともすっかり顔なじみになり、うどんをつまみにビールで喉を潤して帰路の力を養います。

帰りは尾根伝いに真っ直ぐ高尾山口に行っても良いし、また、小仏峠から旧甲州街道を使うのも良いし、景信山から小下沢林道におり裏高尾でも良いのですが、今回は関場峠まで戻り、新緑と沢のせせらぎの音を聞きながら小下沢林道で帰ることにしました。
 途中、クレソンが自生していたり、沢の水を飲んだり、イタドリの皮を剥いて食べたりしました。1週間前にもここに来たのですが、4月から5月にかけては植物の様子も一変しており、春の変化の速さに驚かされました。
中央自動車道の高架をくぐるとすぐに小下沢林道の入口に来ますが、そこからは工事中の圏央道の巨大な高架が見えます。この辺りが裏高尾になりますが、いつも、ここを通る度にこの工事に莫大な費用がかかるのではと思い、もう少し工夫ができないものかと感じています。
 裏高尾の旧甲州街道沿いに民家が立ち並んでいますが、どの家の庭にも様々な花が植えられており、それらの花を眺めながら、また、途中で南淺川沿いの林の中の散歩道に入り、二輪草の白い花を愛でながら高尾駅を目指します。
 そうそう、駅に着く前にコンビニでビールを仕入れなくては。
(2005/05/02)。