“ちっち”の2005トランスエゾ・チャーリーラン
【宗谷岬〜襟裳岬〜宗谷岬1100km】
 

「東京の夏は嫌いだ!東京を離れたい!」と、早々エゾの往復を申し込んでしまいました。走ることと観光とジャーニー大好き!無謀なのはわかっているが、何とか工夫して楽しもう!・・・と。 8月6日(土)稚内空港に着くと名前の通り京都のA田さん「アッシー」が車で迎えにきてくれました。
 スタート地点の宗谷岬では、一昨年の“toえりも”で参加した時と同じように良い天気でバーベキューしながら素晴らしい夕日をみました。レセプションで各自自己紹介をしましたが、宗谷岬〜襟裳岬往復のアルティメイトは13人、toえりもは7人で合計20人。そのうち女性は3人と1人の合計4人でした。

8月7日(日)宗谷岬〜幌延71.5km

スタート前珍しく虹が見え、喜ぶが、虹・・・と言うことは・・・案の定、走り出すと小雨にあう。雄大な皿谷に風力発電がいくつも建設中でちょっと残念。昼には、予報どおり太陽が出て暑くなり、走るのがいやになり、歩きだす。
田中牧場でスイカ、トン汁をご馳走になり、頭から水をかぶり、今日は朝の貯金があったので、余裕で一時間前にゴールでき、カツカレーを美味しくいただいた。

「子供らの励ましうけて生き返る トン汁スイカ 水をかぶりて」(田中牧場にて)
8月8日(月)〜羽幌82.8km

京都のM田さんが息子のみっチャンと犬と大きな車で応援してくれ、結局襟裳岬まで来てくれた。海岸線は一昨年と違って好天気で景色も良く、振り返ると利尻富士がみえる。しかし、暑くてコンビニで氷を買い、頭に入れたり、食べたりしながら行く。お昼にコンビニの缶チューハイ、3時に酒屋で発泡酒を買うと「ひとつでいいの?」というので「えっ?」と言うと生ビールをご馳走してくれた。
羽幌は評判通り夕日が綺麗だったが、ランの方は思ったより苦戦し、後半走れずミーティング前のお風呂はゆっくりできなかった。「金浦の原生花園花すこし ヒヨドリ花にツリガネニンジン」

8月9日(火)〜北竜85.3km

雪印のコーヒー牛乳が妙においしい。海水浴場の温度を見ると34度と暑い!走る気が萎える。
日本海と分かれて留萌から内陸に入り、峠を越えると北竜のひまわり畑とソバ畑が美しい。ゴールのレストランの最終オーダーに間に合うよう走り、野菜カレーがおいしかったが、暑さで疲れているのか生ビールは残した。お風呂もミーティングの後になってしまった。
「えぞかんぞう種をとるため袋かけ 水色の花が咲いているよう」

8月10日(水)〜栗山86.8km

ちょっと違うものをと・・ココア500ml飲んだらお腹がゆるくなる。ちょっと多かったな。朝、見事な向日葵畑を通り、涼しくて助かったがすぐ暑くなる。滝川市の日本一長い直線道路もホントに長い。そして暑い。1人になると足裏がむずがゆくなって靴がいやになり、脱いで手に持ち軽く走っていると、A井さん、D籐さんがきたので、靴ひもを緩めて履き直し、缶チューハイを飲み足裏の血流を良くして、残り20キロ必死で走って付いて行き、何とか10分前ラストでゴールした。昨日、ゴール手前でおいてきたA井さんに今日は置いていかれた。ゴールの龍覚の味噌ラーメンがとても美味しかった。
8月11日(木)〜富川71.1km

山越え、暑い!何度か頭から水をかぶる。缶チューハイを買うと「お酒ですよ」と言うので、「酒でも飲まないとやってられない」と思わず言ってしまう。(みそさんごめんなさい)
門別の競馬場までなが〜い。また靴を脱ぐ。A井さんが追いついてきて、一緒にゴールする。ゴールの中村亭でtoえりものプレプレ打上げのバーベキューと生ビールが美味しい。
右の写真は栗山【ホテルパラダイスヒルズ】をスタートしたところで、最初は皆ウオーキングからです。
8月12日(金)〜浦河75km

ケアが足りなかったようで、右足の脛が痛くなる。薬屋で湿布を買い貼るが、効かない。テーピングをし、氷で冷やしながら行くが時間が・・・、バスに乗りそびれ、前回と同じ日高三石で電車に乗った。昨日までの完走が途絶えてしまった。それでも、宗谷からもう500kmも来てしまった。
浦河のホテルで今日もプレ打上げの宴会。
8月13日(土)〜襟裳岬63.5km

足脛痛いが、はじめ走ると走れたものの、その後が良くない、痛みがひどくなる。「痛くない、気のせい、消えろ!」といってもだめ、杖代わりの棒も落ちてない。庭先にいた老婆に「棒はないですか?」と言うと「惜しいけど、俺の上げる」と使い込んだいい棒をもってきてくれるので「そんな、いいです」というと「また拾うから」と。
ありがたく頂き、杖ついて歩くが時間オーバーになるので、バスに乗り10キロ手前で降りて、襟裳の花の写真を撮ったりしながら、一昨年の雨のゴールと違い、素晴らしい景色を楽しみながらゴールすることができた。toそうやの人たちと合流、賑やかになる。

8月14日(日)〜忠類82.1km

さて、あと1週間どうしたものか、取り敢えず歩くがどんどん遅れるていく。午前に1本というバスに乗り、黄金道路を行くと、走っている人を追い越す。先頭を追い抜いた所で、バスを降り、今度は次々抜かれる。フンベの滝を過ぎると広尾の街、自転車屋で中古のチャリ5000円でゲット。今度はチャリで次々抜いて、忠類道の駅にゴール。レストランでカレーを食べ、N村さんに丁寧に足を見てもらう。つま先を上げる筋を痛めてるので、すり足でと。今日は湿布とテーピングと馬油とお灸とマッサージとあらゆることをする。

8月15日(月)〜新得87.3km

昨夜様々な治療をしてどれが効いたのかわからないが半分は走れそうだ。幸福駅に寄り、焼肉ラム苑まで走り焼肉や牛乳をご馳走になり、記念の寄せ書きをした。前半ペラペラさんがチャリに、後半は私が乗った。ギヤなしだがタイヤも太く乗りやすい。坂道も頑張って次々抜きながら声かけもまた楽しい。今日はトランスエゾ参加中不慮の事故で亡くなった会田さんの命日なので喪章をつけた。夕立にあったが早く着きそうなので、途中の温泉に入ってから新得にゴール。
「わが頭 割れんばかりの せみしぐれ 森から森へ 響き渡れり」

8月16日(火)〜富良野75.6km

今日は私が前半チャリ。雨の狩勝峠の3分の2は押す。上りきって下りはブレーキの音もうるさく一気に下り怖かった。「ぽっぽや」の舞台になった幌舞駅の駐輪場にチャリを置き、歩いていると一つ目の峠を下りた所でK澤さん、N村さんが追いついてきて、しばらく一緒に走り、N内さんのエイドでトマト、パインがとてもおいしかった。その後、また1人になり西瓜峠を越え富良野の町の100円ショップで手袋、靴下を買い、あんころさんたちと一緒にゴールした。今日は30km以上歩いたので、両足が痛くなってしまった。

8月17日(水)〜旭川大学68.1km

チャリの使い方はコースを熟知しているペラペラさんにお任せ、今日は私が朝晩チャリ、真ん中の富良野、美瑛の絶景を歩かせてもらった。素晴らしい景色に思わず走ってしまった。蝦夷の秘密の園を覗いたようで十勝岳、大雪山も見え、360度パッチワークの丘も堪能できた。
旭川に入ると札幌のM橋さんもランパン・ランシャツ姿で応援に現れた。ミーティングの後、銭湯で体をほぐし、旭川大学の柔道場でさり〜♪が宅急便で送ってくれた寝袋に包まって寝た。写真は新田牧場にてスイカやジャガイモを食べ、皆さんもなかなかここを発とうとしません。

8月18日(木)〜美深100km

今日は3時スタート。100kなので2時に起き25kmずつに分け、ラン、チャリ、ラン、チャリとした。三浦綾子の小説「塩狩峠」有名だが、峠ではペラペラさんが先行して乗っていったチャリが待っている。
富山のクコさん、大阪のWandaたちは速くてチャリでも追いつかない。士別駅にチャリを置きランをして、それから恵知文のひまわり畑の入口でまたチャリにのる。
宗谷岬から900kmの地点で御園生さんと記念写真。

8月19日(金)〜浜頓別80.5km

今日はコースを20kmずつに分け、ラン、チャリ、ラン、チャリでとても楽だった。休んでメールもできるし、道端で昼寝もできる。長田農園でおいしいチーズ、アイスを頂き、ここでも記念の寄せ書きをし写真を撮り、お土産のチーズまでも頂いた。その後、大雨にあいチャリを飛ばしてゴールする。夕食はクコさんととり丼と生ビールを美味しくいただいた。

8月20日(土)〜宗谷岬60.7km

大雨の予報だが、最終日なのでチャリは宿に乗り捨て走る。9kmの直線道路からは去年裏エゾで走った所。午後には心配した雨も止み、チャリのおかげで足も大分良くなった。最後の山越えをK澤さん、T木さんと花の話をしながら行くうち、足の痛みはいつの間にか消え天使の足となりゴールまで一気に飛んでいった。岬への坂をジグザグに上っていくとWandaが迎えにきてくれ、関門の1時間前にゴールした。急ぎ入浴、着替えをしゴールで最後のランナーを迎え、宗谷岬の突端で全員で記念写真と缶ビールで乾杯。

トランスエゾを終えて

 
宗谷岬から襟裳岬へ、そして再び宗谷岬への14日間1100kmのトランスエゾが終わりました。全てのステージを制限時間内で走破できればそれに越したことはありません。
 しかし、ジャーニーランはその名の通り走り旅。楽しくなくて何のためにこの素晴らしい北の大地に来たのかわかりません。宗谷岬を出てから6日目に足の故障で完走はなりませんでしたが、8日目に自転車を手に入れたことは、この旅が一段と楽しさと豊かさを増したものになりました。

 最後にスタッフ、地元の方々、そして参加者の皆様のお陰で楽しく充実したトランスエゾを頂きました。ありがとうございました。