本書は、昨年2007年に発売されたものだが、1年遅れで入手。
去年出版された時に、かなり話題になっていた本であり、手帳本のコーナーに大量に平積みされていたので、読まれたかたも多いのではと思う。
もちろん、私もその時期に手にしたのだが、結局、全部立ち読みで済ませてしまい、買わずじまいに終わっていた。
その時は、正直、能率手帳というオジサマ手帳にはほとんど関心がなかったことと、単一ブランドに絞った内容(と勝手に思い込んでいたのだが)のテーマに、強い共感を覚えることはなかった。
しかし、その後、能率手帳に対しての私の見方を変える出来事があった。
それは、今年の春に出た、趣味文Vol.10の記事。
「書く」を愛しむ、をテーマに設定したこの号は、多くの万年筆ユーザーの手書きの写真が掲載されている。
その中で、私の注目を集めたのが、P34に掲載されている島田さんという方の記事。
この方は、趣味文Vol.1の巻頭に、いきなり万年筆趣味人として登場されている方なので、私は面識がないが、その方面では有名な方なのかもしれない。
記事の内容は、薄い手帳用紙に合わせて、細字の万年筆のペン先をさらに調整して使っているという内容。
加工系万年筆調整には興味がない私にとっては、食指の動かされることのないテーマだったのだが、やられてしまったのが、そこに写っていた手帳の写真。
この島田さんが使われている手帳が能率手帳の普及版。
この手帳に、ブルーのインキで細かい文字がビッシリと書き込まれていたのだ。
これが、めちゃくちゃカッコイイ!!
こういう画を見せられると、手帳に書いてある細かい文字全てが気になってくる。
久しぶりにパイロットのゲルペンを買ったのも、正直、この能率手帳と一緒に写っていたHitec-cの影響だし、一緒に紹介されていたノーブルノートにも影響を受けて買ってしまった。
記事には、レフト式の手帳の右ペーヂにはTODOを記入し、半年でこのTODOが先行して一杯になってしまうので、1年の手帳は2冊づかいなどと紹介されていたのも、スゲー!!と感動してしまった。
(後で流儀を読んで、ここにネタがあったのは、今思えばご愛嬌なのだが)
まあ、とにかく影響力大の記事であったのだ。
この記事に、コロッとやられてしまい、2009年版の手帳には、能率手帳をチェックしてみようと思っていたら、なぜか近所の書店に、この「能率手帳の流儀」が数週間前から大量に平積みされていたのである。
能率手帳にまったく興味のなかった昨年と比べ、興味津々の状態で手に取った今年は、本の中身は同じ内容でも、まったく違った内容に思えるから不思議だ。
というより、昨年立ち読みした内容はすっかり頭から抜け落ちていた。
まあ、立ち読みとはそんなものだろう。
ということで、1年遅れで即お買い上げとなったのである。
自宅に戻り、さっそく熟読すると、これがまた素晴らしい内容。
一流に身を置く、リーダーの条件、望みを実行に結びつける、仕事ができる人はどうやって作られるか、くり返しパワーでつきを呼び込む、マンスリー表作成による月単位の振り返り、アドレス帳の活用、等々。
とても興味深い内容が、一切、写真や絵を使わずに全て文章で表現しているところが、これまたスゴイのである。
その内容は、一貫して「書くこと」と「振り返ること」のプロセスを繰り返すことで自分を成長させることができるという、著者の経験則に基づいている。
結局、一気に3回繰り返して読み込み、ノート2ペーヂに要約をまとめてしまった。
久々の大ヒット手帳本である。
私に能率手帳への興味を向けてくださった、趣味文に登場されていた島田氏に感謝。
そして、すばらしい手帳本を出していただいた能率協会の野口会長にも感謝の意を表したい。
なお、この野口氏の手帳がThe21の2004年12月号で紹介されているので、ブログの方で取り上げている。
そちらも併せてご覧いただければと思う。
(08/11/24)
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