手帳のページ

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 63   ■リフィルの自作@
 

以前、「手帳のページ」で、伊東屋などのショップ情報のリフィルを自作したことを紹介した。
PCを利用したリフィルの自作自体、あまりやらないのだが、まあ、ケース・バイ・ケースということで、そのときは作成。
 
なぜ、わたしがあまり「PCを利用したリフィルの自作」をやらないかといえば、理由は一つ。
あまりにも、手間がかかるからだ。
伊東屋の地図などをコピー&ペーストしてリフィルを作成するのは、自分が好きなお店なので、作るのも楽しく、ハマるとあっという間に時間が経ってしまう。
そして、遊びに行く時にも使えるので、満足感も高い。
 
しかし、仕事で、訪問先の住所や地図情報を含むリフィルを作成する場合はどうであろう?
ビジネスのシーンで、とても、こんな悠長なことはやってられない。
 
伊東屋の地図や電話番号など、同じ情報を持ち運ぶのでも、仕事の場合であれば、伊東屋のサイトから必要な部分をプリントアウトして持ち歩くだけだ。
サイトの情報がなければ、ゼンリン地図の該当ページをA4に縮小コピーするだけだろう。
 
「パソコンやプリンタの性能が上がり、コピー&ペーストして資料を作るのも簡単になったので、リフィルを作ってみました」と、上司に報告してみてほしい。
 
あなたの評価は「マイナス100点」だ。
 
一方、野口悠紀雄先生がいろいろな所でいわれている超整理手帳の利点の一つに、A4のメリットがある。
パソコンのプリントアウトはA4が基本なので、パソコンで作っている資料をそのまま利用できる、例のメリットだ。
 
パソコンにある情報を、縮小印刷やコピー&ペーストをはじめとした、手を加える事なく、プリンタのアイコンをクリックするだけで利用できる。
これが、ビジネスシーンでどれだけ有用かは、皆さんも無意識のうちに認識しているはずだ。
そして、この部分が超整理手帳が評価される大きな理由の一つだ。
 
電子データを、手を加えることなく使う。
わたしは、超整理手帳のユーザーでなく、システム手帳ユーザーであるが、この思想は、常に、システム手帳のリフィル作りの根底に置いている。
 
   ◇
 
ちょうど、先週あたりから、「手帳とカバンの掲示板」で便覧の自作についての話題が出てきた。
 
便覧というのは、一般的には、おじさんが持っている黒い綴じ手帳の後の方に付いている、小さい字で色々書いてある、資料集みたいなやつだ。
みなさんも、手帳の後の方に付いているのを目にしたことがあると思う。
 
この便覧、頻繁につかうわけではないが、外出先などでチョッと調べたりする場合に役に立つことがある。
わたしも、その時の必要に応じて、データ集などを自作して、システム手帳に挟みこんでいる。
 
そうした便覧の話題の中で、「パソコンとプリンターがあるので便覧の自作も簡単」という意見が、HPの読者の方から寄せられた。
(この意見については、「あくまで基本的な条件のこと」というコメントを追加でいただいている)
 
以前から、(IT活用に)コンピュータを使うのは簡単ではないことが多い!と考える私の思想に合致する話になってきたので、「手帳のページ」のコラムとして、この問題を考えてみる。
 
   ◇
 
PCで便覧の自作を考える場合の前提条件として、以下の事は無視する。
 
・既存の便覧をスキャンして、プリンタで出力
理由:コピーして切り貼りの方が簡単なので。
データの再利用をうたうのであれば、切り貼りした結果をスキャンして利用すればよい。
 
・便覧PDF(あるかは不明だが)等、そのまま使えるリフィル用提供データの印刷。
理由:この場合は、「自作」とは言いがたいので。
 
   ◇
 
「便覧の自作」ということについてだが、話をシンプルにするために、パソコンでリフィルの自作は簡単か?ということで、まず、わたしの意見を展開したい。
そして最後に、それが便覧を作成する場合に当てはめてみると、どうなるかという展開で、今回の問題の結論を導き出してみよう。
 
 
まあ、PCを使って便利・簡単云々という話題は、20年以上前、広島・紙屋町の、第一産業のパソコン売場で
 
10 print ”○○”;
20 go to 10
 
という、基本プログラムを、打ち込んでいたころからの古典的テーマで、亡霊のように沸き出てくる話題である。
ちなみに、printのあとの”○○”には、子供が思い付く罵詈雑言・放送禁止用語が入力され、無限ループの恐ろしさを体感していた。
 
あるものは、案内状作成が簡単云々、年賀状が簡単云々、あるモノは会計処理が簡単云々、この手の話は宣伝だけでなく、そうした事を取り上げた書籍まで含めたら、目にする機会は無数に広がる。
そんな宣伝文句に操られ、ハードやソフトを買ったはいいけれど、使ったのはチョッとだけ。
 
たいていの場合が、簡単ではなく、面倒くさいし大変ということを、甘い文句につられて購入したあとに気が付く。
そういうことを、仕事上でもプライベートでも、食当たりが起きそうなくらい、見せつけられてきた。
 
あ〜ァ、また騙された人がいると、カワイそうに思うが、自己責任だからしょうがない。
しかし、許せないのは、甘い言葉をかけるほうだ。
商売とはいえ、この手の宣伝を目にすると、無責任さに怒りが爆発しそうになる。
 
   ◇
 
話が変な方向に行きそうなので、元に戻す。
 
パソコンを使ったリフィル自作は便利・簡単か?ということだが、自作に利用するデータを分類してみるとわかりやすい。
 
ここで自作で利用するデータの前提としては、総務省統計局をはじめとする官公庁やシンクタンク、大手企業、大手出版者等、信頼のおける出展のデータに限るものとする。
コピー元のデータは正しく、元データはマスタという前提だ。
 
 
ここで、まず利用データのパタンを3つに分けてみる。
 
 
@ 画像データ
・地図
・数表データを画像データとして提供された場合
・マスタをスキャンして、画像データとして保存したデータ など
 
 
A 自分がエクセルやワードを使って、入力したデータ
(ホームページ等からコピーしたデータを、少しでも使う場合は次のBに含む)
・自分が作成した枠表
・自分が項目を考えて作成したチェックシート など
 
 
B ホームページや媒体で提供された、HTML、エクセル、テキストデータなどを、PC上のワードやエクセルファイルにコピー&ペーストして利用するデータ。
・インターネット上や、自分のPCのハードディスク上に無数にあるデータなど。
 
リフィルをパソコンで自作という場合、元になるデータは、上記@〜Bのいずれかに当てはまるだろう。
 
あと、パソコンを使った自作ではないが、パソコンから情報を引き出すという意味で、
・PDFファイル(未加工)の印刷
・エクセルやワードのデータを抽出せずに、そのままページ全部を印刷
・完璧なチェックを経て、自作リフィルとして使えるデータをそのまま印刷
 
といった、データを紙媒体に打ち出して利用というパタンも多いが、これはパソコンを使った自作とはひとまず分離しておきたい。
(本などのコピーを使った、切り貼り系自作と同じ仲間になるので)
 
(つづく)
 
■写真の年齢早見表
法令関係の出版社が配っていた下じきを、縮小コピーして切り抜いたものを使用。
読み合わせは不要なので、作成は2分。
ビジネスでこの手のモノの作成にかける時間は、これくらいが限度。
 
表はちなみに2000年のものを、使い続けている。
単純に2006年なら6を加算すればよいので、2010年版が出るまで、差替え不要で使い回す予定。
2分ものコストをかけて作成したものは、10年使い続けて元をとる。
コレくらいの気合で、自作は進めたいものだ。
 
(06/07/02)



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