手帳のページ

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 48   ■スケジュールの共有
 
今回は、スケジュールの共有について考えてみる。
内容的には別館で紹介した方がよいかとも思ったが、スケジュール関係ということで「手帳のページ」で掲載した。
 
最近は多くの職場でネットワーク環境が整い、イントラネットのスケジュール機能などを活用して各人のスケジュール情報の共有を図っている職場が多いのでは。
 
このスケジューラ機能、最近の製品は入力はとても簡単になったのだが、サクサク動くものがないので、どうも入力するのが面倒くさい。(というか、起動する待ち時間だけで、入力意欲が異常に減退する)
でも、このスケジューラはみんなが入力しないと、たんなる個人の手帳が電子媒体になっただけで全く意味が無い。
わかっているのだが、正直、職場のイントラネットのスケジューラは全く使っていない。
(なので、わたしのイントラ上のスケジュールは真っ白で気持ちがいい)
 
スケジュールの共有について、仕事術の書物には、成果をあげている組織の一つのポイントみたいなことが書かれていることが多い。
でも、組織で行動していくのに、チーム員のスケジュールが他のチーム員の行動に影響を及ぼす仕事の形態でなければ、スケジュールの共有は必要ないことをまず理解しておく必要がある。
 
スケジュールを共有する必要のない組織で、スケジューラを導入したから情報共有のために、今後の予定をスケジューラに入力しましょうと言うのは、雑用が一つ増えるだけで、仕事の効率化には何の役にも立たない。
単に上司が部下の行動を把握しておきたいだけなら、一日の行動予定とその結果を上司に直接メールでもしておけばいい。できる上司ならば、部下の行動に的確なコメントを返してくれるだろう。
 
スケジュールを共有の必要がある場合というものを考えてみると、他人のスケジュールがわからないと仕事の調整が付かないとか、打ち合わせができないとか、いろいろな理由があると思う。
イントラシステムを開発している会社に尋ねたら、もっと戦略的な使い方を教えてもらえるのかもしれないが、わたしの経験上では、先にあげた程度しか思い浮かばない。
 
一方、どの範囲の人までのスケジュールを知っておけばよいかという視点で見てみると、一緒に仕事をしている同じ部署の人くらいだろう。
 
この、同じ部署というのが、○○課であったり△△係という名称で呼ばれているのか、それとも□□プロジェクトチームという組織横断的な範囲なのか、呼び方や範囲の取り方は色々あると思う。
ただ、いずれの組織単位でも、スケジュールを共有する必要のある人間は多くても10人程度ではないだろうか?
 
わたしは、その仕事に直接影響のある10人程度のスケジュール情報を共有できれば、スケジュール共有のメリットは充分満たせると思うので、どうもイントラネットのスケジューラより「紙」でスケジュールも共有する方が効率が良いのではと考えている。
 
ここで、わたしが今まで経験してきたスケジュール共有方法のうち、これはなかなか良かったなと思うものを紹介したい。
 
《例1》
それは、転職後の異動2箇所目の部署のスケジュール共有方法だった。
仕事の単位は班単位で、班の責任者には課長補佐級の上司がいた。
(メンバーは課長補佐を含めて7名)
マグネット付きのバインダに、日付が行頭、班員の氏名が列頭に記載されただけの一週間の予定表を挟んだものが、その課長補佐の机の横に磁石でとめられていた。
この予定表、PCをほとんど使えない課長補佐が日付の抜けたコピー元を適時コピーして、手書きで日付と曜日を入れたものを数ヶ月先まで作成。
それをバインダに挟み込んで自分の机の横にセットしていた。
終わった週のものはフラットファイルに綴じられて、その補佐の机の上が定位置になっていた。
 
この部署の主要業務の一つに、2人一組で行く調査業務があった。
その調査の割り振りは、割り振りを担当する者が一人いたので、調査予定はその担当者が相手方と連絡を取りながら割り振りをしていた。
 
部署のルールとして、他人の予定も含めて、空いているところは先に予定を書き込んだもの勝ちということだったので、2週間先に休みを取る予定にしていても、調査の割り振りの担当が、2週間先に先に調査予定を組み込んだら、あくまでそちらが優先というルールになっていた。
 
もし欠席が許されない行事の日に、自分が班の予定表に記入を忘れていたために、調査予定を割り振られてしまたった場合、その尻拭いは記入を忘れていた人間が行う事になっていた。
なので、行事予定を記入していなかった本人が、まず調査を変わってもらう人間を探すか、調査先に電話をして、調査日程を自分で再調整する必要があった。
要は、記入していないヤツが悪いという、厳然としたルールだった。
 
それは、休みだけでなく、会議やその他の仕事の予定でも一緒で、その上司が手書きで作った班の予定表を見れば、班員のスケジュールは一瞬で把握できるというシステムだった。
(というか、この班の予定表が全て)
なので、みんなスケジュールの共有に必死で、例えば旅行などで休む予定なども、3ヶ月前から班の予定表に書き込んでいた。
このシステムのおかげで、すごくスムースに、班員のスケジュールを共有しながら仕事を進めていくことができた。
 
ちなみに、この班の予定表、過去3年分ほどフラットファイルに綴じられていたので前年同時期の仕事のボリュームなども一瞬で検索可能な状態だった。
 
《例2》
もう一つ、スケジュール共有の事例方法を紹介したい。
これは、自動車メーカに勤めていた時の職場のルールだったのだが、会議、休み等、色々な理由で席を離れる場合、汎用機の処理結果を出力したあとの11インチのシート(A3サイズ相当)の裏紙に、マジックで大きく「14時まで一号会議室(内55896)」とか「6/6(月) 一日年休」と書いて机の上に置いておくのが決まりだった。
 
電話がかかってきたり、上司から○○はどこに行ったと聞かれても、チョッと腰を浮かせて不在者の机の上を見れば、今時点の不在者の動向を把握することができる仕組みになっていた。
 
要はツールではなく、ルールである。
 
スケジューラなど導入しなくても充分仕事が回っていたというより、この紹介した2例の共有システムをイントラネットにおきかえるメリットは何も無いことがおわかりいただけるのではと思う。
(一覧性、入力や検索スピードいずれの利用形態をみても、イントラが劣っている)
 
むしろイントラを導入しても、業務効率化のためにスケジューラの機能は使用不可の形にした方が業務効率があがるのではとさえ、わたしは思っている。
 
ちなみに、家族のスケジュール共有はピアノの上に置いているカレンダに書き込むのがルールとなっている。
休日は基本的に家族と一緒に過ごすようにしているので、旅行などの行事だけでなく、図書館や床屋といったちょっとした予定も、自分の手帳だけでなく共有カレンダに書き込むようにしている。
こちらの場合、記入モレがあったら、リカバリが本当に大変なので、真剣に書き込んでいる(笑)
 
(05/06/05)



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