手帳のページ

■手帳とカバンのホームペーヂ
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 102   ■2010年手帳特集 モノクロ・日経アソシエ
 

前回に引き続き、今回も雑誌の手帳特集。
毎年恒例の日経アソシエに加え、今回は、モノクロという雑誌の手帳特集についても記録しておきたい。
 
●モノクロ
初めて購入した雑誌。
というか、存在すら知らなかったのだが、近所の書店で、なぜかアソシエと並べておいてあった。
手帳特集シリーズということで、気のきく店員さんが並べたのか?
それとも、出版元が一軒一軒の書店をまわって・・・。
まあ、まさかそんなことはないと思うが、理由はどうあれ、偶然の組み合わせで手帳特集に気が付いたのは、運がよかった。
 
○2010年版新トレンド
いきなりグサッと、「システム手帳が売れない」ときた。
 
その原因については、「リフィルの種類が多くてわかりにくい」とあったが、それはちょっと理由になっていない。
 
システム手帳の売れない理由として、以前から言われていることは、綴じ手帳と同じ内容ベースで比較すると、革カバーやリングがあるため、重量、体積ともに不利ということがある。
 
もう一つ考えられる理由は、ライフサイクルコストを考えると、システム手帳のほうがクオバデスなんかよりはるかに割安なのだが、このご時世である。
きちんとしたものは革製品ということもあり、初期投資単価が高いことで敬遠されるのであろう。
 
これは、東急ハンズなどのシステム手帳の棚の配置を見てもよくわかる。
単価が安い、ナンチャッてシステム手帳の方が、本革製の手帳よりいい場所に置いてある。
 
ユニクロの服と同じように、目先の単価が安いものが有利というのは、手帳も同じことなのだろう。
 
○手帳の素材特集
P64からの、手帳の素材について紹介されているところは、他の手帳特集にはない特集として楽しめる。
手帳の製本は、180度ひらくのは当たり前どころか、360度開くのが大前提らしい。
この、手帳・ノート系で360度開くというのは、かなり使い勝手がいい。
それに耐えうる綴じがされているのは、やはりいい手帳なのだろう。
 
手帳ではないが、私が仕事ノートで活用しているキャンパスノート。
これも、リングノートみたいに、きれいに360度開けるし、背表紙もびくともしない。
 
しかし、この記事を真に受けて、モールスキンで試すのだけはやめた方がいいと思う。
 
○オススメ手帳
P74、75の見開きにペーヂには、手帳売場の方などがお勧めする手帳が紹介されている。
まあ、普通の手帳や新製品がならんでいるのだが、一つだけオッと思ったのが、丸善の方が薦めていた「三菱総研」の手帳。
とうとう、この手帳を紹介する人がでてきたなと、ちょっと嬉しくなってしまった。
 
紹介文にも書いてあるが、この手帳、丸の内界隈で使っている人がけっこう多い。
丸の内だけでなく、霞ヶ関でも愛用者は多く、前年分、今年分の2冊をペアで使っている人をよく見かける。
フォーマットは、私が愛用しているレッツの32SUJと同じ見開き一週間で、サイズもほぼ同じものだ。
 
   ◇
 
たぶん、気まぐれ単発企画で手帳業界とも何のしがらみのない出版社なのだろう。
P69の有名人手帳なんか、ここまで書くか?というくらいに批評している。
ある意味、しがらみがないというのはすごいなと、勉強になった。
 
 
●日経アソシエ
 
こちらは、手帳シーズンの恒例特集である。
今回も、中々充実した内容。
 
【P24】
達人の最新テク45連発。
8名の達人の手帳が登場。
 
○P26に登場の美崎栄一郎氏。
この方、最近、ノート術に関する本を出しているのだが、結構オススメ。
インデックス付箋を紹介しているが、わたしは無印のものを愛用。
これは、結構便利である。
 
○毎日放送の本郷氏、何年か前にも同じルーズリーフネタで登場していた。
今後、登場者の再利用の布告なのかもしれない。
 
【P37】
手帳道場。
一般の方が、有名人手帳の開発者から直接指導を受けるという新企画。
 
○佐々木かをり氏のアドバイスの中に、面白いものがあった。
氏が提唱する手帳記入法の一つに、移動時間の記入がある。
これを、バーチカルの手帳で同じラインで線を引き、矢印で区切るだけだと分かりにくい。
 
こういう場合は、車線をずらすように、用件と移動時間を示す矢印線をずらして記入すると重要案件がわかりやすいとアドバイスしていた。
案件によって線をずらすというのは、ちょっとした工夫だが、一目で情報認識できるので、いい方法だと思う。
 
○熊谷正寿氏も登場。
久しぶりに拝見したが、やはり、手帳特集の時期には欠かせない方。
 
今回もやはり「夢」が話題になっていたが、初めて氏の言う「夢」というものが何かを、今回のインタビューで理解できた。
読者との会話のなかで、熊谷氏が言っていたこと。
 
相手から引き出した、夢を手帳に記入するなかで、「モデルのSHIHOさん云々」というくだりの部分。
ここで熊谷氏がいっていることは、「夢=理想の姿」であり、まずそれを記入したあとに、現実とのギャップを書き出せとある。
 
これって、モデル化して、現状分析して、現実とのギャップに優先順位をつけて対応するという、問題解決技法そのままではないか!
多分A4一枚におさまるネタを、モデル化の部分を「夢」というキーワードに置き換えて、一冊の本に膨らませて売りまくったというのは、ある意味すごいと思う。
 
ちょっと、この人のことを見直してしまった。
 
【P48】
読者29人の手帳Tips75。
29人の手帳の中味が公開。
これも、今までにない企画。
 
いろんなものをペタペタ貼り付けたり、絵を描いているものが多い。
これは、最近の手帳利用法の大きなトレンドなのだろう。
 
ところで、この登場者の手帳を眺めていると、ほぼ日手帳を使っている人が多い。
数値化しないと気持ち悪い神経質な性格なので数えてみたら、29名中6名(ただ、一名はあやふや)。
約2割がほぼ日というのは、単一手帳ブランドとしては、異常な気がする。
 
【P60】
手帳人気ランキング。
前回紹介したプレヂデントでは、丸善での売り上げ紹介だけだったが、今回は、伊東屋や東急ハンズも掲載されている。
 
東急ハンズでも、あの陰山手帳の売り上げは2位だった。
なんだか、よくわからないがスゴイ。
 
ちなみに、P63にはソニプラの手帳売り上げが掲載されている。
まったくわからない、未知の世界がそこにはあった。
 
【P72】
私の手帳、お見せします。
著名人の手帳紹介。
ここでも、ほぼ日愛用者一名発見。
 
   ◇
 
今回のアソシエ、今までにない新しい企画を盛り込んでいて、読み応えがあった。
雑誌の手帳特集、しばらくはプレヂデントとアソシエの2強の争いが続きそうな気がする。
 
こういう手帳特集は、その中でひとつでも取り入れようと思うものがあれば、かなりラッキーと思うのだが、色々な方の活用術が多数紹介されていたので、多くの方のヒントになることが掲載されていたのではなかろうか。
 
まだ、一ヶ月は充分に手帳シーズンを楽しむことができる。
暇をみつけては、また、市中徘徊に乗り出すこととしよう。
 
(09/10/25)



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