正しく使いたい日本語 |
「元旦と元日」 |
元旦の「旦」の字は、太陽が(日)地平線(一)から現れたさまをかたどっており、 夜明けを表しています。 「元旦」だけで元日の朝のことを言います。 元日は一月一日のことですから、年賀状に「平成十六年一月一日 元日」と書くのは重複です。 「平成十六年 元日」と書くのが正しいのです。 「元旦」の使い方も、やはり「元旦の朝、初日の出を見にいった」は重複になります。 「元旦には毎年初詣に家族でいきます。」が正しい使い方です。 |
こ はる び より |
「小春日和」 |
「小春」とは、春の暖かいうららな陽気を思わせる日が続くことがあることから、 陰暦11月の異称となったと、ものの本には書いてある。 現在は晩秋から初冬にかけての時季、寒い冬を迎える前に、陽気が暖かみぽかぽかと 暖かい日があるが、これを「小春日和」と呼ぶ。 間違っても「小春日和」は、暖かい春の季節には使わないようにしよう。 「小春日和」に、きのこ採り。 |
いち よう らい ふく |
「一陽来復」 |
冬が去り、春が来る。悪い事ばかりあったのがようやく回復して、 善い方向へ向かいてくること。 元は「易」から来た言葉。 日本の国、特に景気も「一陽来復」であってほしいものだ。 「復」を、つい「福」と書く人が多いが一つの陽が帰って来るという意味で「復」が正しい。 |
いち ねん つう てん |
「一念通天」 |
一途な思いが天に通じ、いかなることも成し遂げられること。 大試験を控えた受験生、就職試験に挑む皆様方の願いが叶いますことを祈念いたします。 |
「〜に据えかねる」 |
ある新聞に「酒癖の悪い夫に肝を据えかねた妻の犯行であった」という文章があったそうだ。 据えかねるとは我慢できないことだから、肝は使わない。 使うなら腹である。 「彼の口の悪さは腹に据えかねる」が正しい。 |
「水をさす」 |
最近は「話に水をかける」という人が増えているそうだが、話の腰を折ることは 「話に水をさす」と言うのが正しい。 水掛け論と混同しているのだろう。 「水をさす」とは、途中で邪魔をしたり、やる気を失わせること。 |
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道理にかなっている。 要点をしっかりおさえること。 |
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的確に要点を捉えること。 「彼の指摘は正しく、的を射ている」と使う。 |
ここでチョッとクイズでお遊びです。どちらが正しいでしょうか? |
きずな つよ |
「絆が強まる」○ |
きずな ふか |
「絆が深まる」× |
絆とは@離れがたい結びつき。A馬などの動物をつないでおく綱。 結べば結ぶほど綱は強くなるから「強まる」が正しい! |
や ぼっくい つ |
「焼け木杭に火が付く」○ |
や くり つ |
「焼けぼっ栗に火が付く」× |
江戸時代には火事が度々発生した。鎮火したと思っていた杭から再びチョロチョロと火が付いたことから「ぼっくい」が正しい。 以前に関係のあった者どうしが、再びもとの関係に戻ることのたとえ。 |
ひ がい う |
「被害を受ける」○ |
ひ がい こうむ |
「被害を被る」× |
こうむる(被る)は、被害と重複しているので、「受ける」が正しい |
か はん すう たっ |
「過半数に達した」○ |
か はん すう こ |
「過半数を超えた」× |
過半数とは全体の半分よりも多い数なので、すでに超えているから、「達した」が正しい! |