オープニング前の冒頭シーンはブルーに語りかけるフィシスの図。
「ナスカで素敵なことが始まりますよ」
「300年以上生きているあなたにもきっと初めてのこと。見守っていてくださいね」
ここの絵、2話の使いまわしなんですけど・・・・・まあ、ブルーが綺麗だから許す(オイ)
ブルーの生きている年月の長さを初めてセリフでちゃんと聞いたような気がする・・・。
TVテラの原作とは大きく違う展開、それがナスカまでブルーが存命のシチュエイション。
冒頭にこのブルーを出してくるなら、本編中にもブルーがナスカに降り立つのかと密かに期待しました。
しかしフィシスの語りかけにも目を覚まさないブルーの姿にちょっと失望。
まあ、状態がかなり悪いという表現なんだろうけど・・・。
元気に動くブルーが見たくて物足りなくて仕方ありませんでした。
画面はナスカの基地をうつす。
植物プラント(温室)でトマトを栽培しているキムたち。
とっても順調な感じで、前回よりかなりの時間経過がたってることを示している。
そこに連絡艇がおりたつ。
「ソルジャーだ」
その「ソルジャー」という言葉にもしかして「ブルー」も含まれているのか・・・と密かに期待した自分。
どんだけ生きて動いてるブルーを期待してるんだと思いました。
おりてきたのは、ハーレイ、ゼル、エラ、そしてジョミー。
そう、今のソルジャーはジョミー。
ナキネズミを肩にのせたままシールドも張らずナスカの大地にぴょんとおりたつ。
そんな描写が少年ぽくていいね。
その姿にエラが「よく呼吸困難を起こさないものだ」と驚く。
ゼルやハーレイたちはみなシールドで身体を守っている。
ジョミーの身体能力の高さを物語っているんだね。
トマトのプラントを見に来たジョミーに収穫をみせ、ジョミーがそのトマトにかぶりつく。
屈託のないしぐさが「親近感」をあらわし、とっても気さくな感じのキャラにジョミーを仕立てている。
若者たちに慕われる、ブルーとは違うタイプのソルジャー、というイメージを印象付けたかったのかな。
あれだけケンカしたキムもすっごくジョミーを慕ってる感じだし。
またこのナスカで出た鉱石から作ったスプーンもみせて、色々と資源が活用できることを示している・・・
けどスプーンねえ・・・もっとマシな製作物なかったのかな、とか思いますが。
ここでナキネズミがきゅうりかじってるんですよ!ひゃー、かわいい!!!見逃していた。
しかし、「こんなくさいもの」とゼルはトマトを放り投げる。
ちょっと、ご年配の方なのに、食べ物は粗末にしちゃいけませんよ;;;;
というか合成トマトの味に慣れた彼ら「古い世代」には「新しい本物の味」は受け入れがたいんだろうな。
合成のカニかまぼこで慣れた子どもが本物のカニ肉が不味いというのを思い出しちゃしたよ;;
そのゼルの態度に反発してとうとう言い出すハロルド。
「地球(テラ)に行くことがそんなに大事なんですか」
とうとう言ってしまった。これって物語の根幹を揺るがす問題。
ナスカで暮らしていけるのならば僕らにはテラはいらない。
困難をもってたどり着いたとしてもミュウを受け入れてくれなければ意味がない。
ここで新しい「歴史」をつくりたい。
とうとう恐れていた「対立」が生じてしまった。
「あのアルタミラの惨劇を知らないからそんなことがいえるんだ」
ゼルはそういうが、両方の気持ちがわかるジョミーはうなだれてしまう。
ジョミーはブルーから直接星一つが破壊されたアルタミラの惨劇の記憶を受け渡しされている。
・・・だから皆にも記憶共有させればいいのに、なんて思ったのは「シロウト」考えで
あれだけのヒサンな記憶をもったまま平常心を保てないほど弱いミュウが多いから
ブルーはジョミーにだけ記憶を伝えた、と考えられる。
ここでね、冒頭でもブルーが出てきたように
ジョミーが車椅子や移動ベッドでも乗せてブルーをつれてきてね、
「地球(テラ)を忘れたわけじゃありませんが、ナスカをミュウの第二の故郷にしたいんです」とでも語りかければ
「素敵なことだね、ジョミー」
なんて思念で返事がかえってくるかもね。
ブルーはジョミーのやることは否定しないと思うんだ。だけどあまりおかしな方向行ってるとさりげなく軌道修正する、そんなイメージがある。
そして長老と若者のやり取りを聞いていたブルーがそれとなく双方を諭す、
という場面があればいいのになあ、と思った。
ブルーはジョミーに「未来」を託したのだから。
その「未来」が出来つつあるのだから。
だってどうせ生きてるならそれぐらいジョミーをサポートしてほしい。
原作ならこの対立が元でジョミーは意識を失ってもう亡くなったブルーを求めてしまうほど苦悩するんだ。
原作での冷たさを補完する作りがアニメテラなら、そこまでの表現をして欲しかったんだ。
だからこそジョミーの「外」でブルーを生かしておいたんでしょう??
そしてジョミーには身体の弱ったブルーをナスカの薄い空気からシールドで守って、
「僕がいるから安心してください」ぐらいカバーする描写も欲しかったね!!!
そうしたらブルーの存在(生存)意義ももっと高くなるだろうに。
うーん、難しいね。
深刻になりかけたところに駆けつけるニナ。
「もうすぐ産まれそうなの」
そう、前回にユウイと「結婚」したカリナが子どもを身ごもり、ようやく出産のときなのだ。
色々と確執はあるが新しい命が生まれつつある「希望」もある。
急いで「産室」に駆け込むと外で「父親」のユウイが待っている。
ナスカで最初に根付いた花の冠をもって。
とってもほほえましいし、かわいいし、楽しい。
私は一緒に産室に入って手を握って励まして欲しかったのですが。(土曜6時の時間帯じゃ無理か)
でも生々しくてショックで死んじゃうかも。
そしてドアの向こうではは「産みの苦しみ」と闘うカリナの姿。
シールドで守られているが出産時のあまりの痛みにシールドが破れてしまう。
みんなカリナの感じる痛みを自分のことのように感じてしまう。
女性の看護師が腹部を押さえてるのがリアルな描写だね。
ここはきついけどいい描写だ。
世の中の男どもに感じさせてやりたいよ。ホントに。
もちっとオンナをバカにしなくなるかな、と思うよ。
そして、産声。
生まれた新しい命。おめでとう!だね。
そしてチョーかわいい赤ちゃんトオニィの描写!。
後にすっごくナマイキに育つトオニィだけど、生まれたときを知ってるからなんとなく憎めない。
今そんなに威張ってるけど赤ちゃんのときこんなだったんだよーーーーと言ってやりたい気分で
まるで息子か孫気分。あーあ、だめだ、もう。
そして・・・「何、この満ち足りた気持ち」。
エラがほっとするような表情を見せる。
「自然出産なんてタブーです」なんていってたのに。
生む時は大変な苦しみだけどその後で大変幸福なほっとした気分になる。
出産は未経験の人はやはり「こわい」「痛い」というマイナス情報しか伝わらないようですが
その後で来る「幸福感」みたいなものも感じてほしいものだと思います(母の意見)
この辺の演出はいいなあと思うのですが。
ああ、お乳を含ませるシーンが・・・・
いいのかーーーとおもいつつさりげなくだからいいか。
よかったね、カリナ、無事に出産できてちゃんとお乳もでて。
生命力、というのもを感じましたよ。
レインに初めて名前がついた。
このレインの名前は視聴者からの募集でしたね。だから反映がおそかったのかもしれませんが
そういえば原作でも名前がなかったな・・・・
「オマエ」はひどいな、ジョミー。レインはかわいい名前だね。惠の雨、レイン。
ナスカにも惠の「雨」が降る。
ああ、願わくばこの出産の痛みの衝撃でブルーが目覚めて、生まれたばかりのトオニィを抱いてほしかったね。
後に17話でナスカっ子たちと会った描写があったけど、この時点でもよかったんじゃないかなって。
今そう思います。
そしてナスカの「惠の雨」に打たれながらすっころびながらも
「若者たちの喜びを取り上げることはできん」といったゼルが印象的だった。
テラへは行かねばならない。
でもナスカに定着もわるくない。
自分は次週あたりにナスカ定着組とテラ目指し組の対立があるのかと思いましたが・・・なかったです。
後半はいきなりサムの描写から。
「はい、マザーのご命令のままに・・・・」
うつろなサムがちょっとこわい。どうやらサムが絡んでくる様子。
同じころ戸外でナスカの二つの太陽と赤い大地を見つめるジョミー。
「ここはjかつて人類が入植し、見捨てた星
そこで僕たちはミュウは新しい命を歴史を作る」
そして足元にあるプラネット合金の墓標。
刻まれている詩を読むジョミー
「誰が私に言えるだろう
私の命がどこまで届くかを」
ここでビックリ!
でた!他の竹宮SF作品「ジルベスターの星から」の引用!
ジョミーに読ませちゃった。
それもブルーにひっかけて。
どうやら「地球へ」の中にこの作品も組み込むようだ。
でもね、「ジルベスターの星から」の中では入植した夫妻からは虚弱で両性具有の子どもしか生まれず、
台地はみのらず、次の命もはぐぐめずに散っていったのだよ。
その儚いジルの思いを受止めて、ようやくやってきたトニオが目にするのが
この悲しいプラネット合金の墓標なんだ。
トニオ=ジョミーにしちゃったね。
「もう僕は生きられらない」
ジルの限りある命を嘆く姿がこのTVテラのブルーの姿と一瞬重なる。
ブルーは300年生きた末の残り寿命の短さを嘆く姿だけど
事を成すには自分の命の残りはあまりに短いという悲哀が切ない。
そのジルもこの星が緑になるのを見たかったと嘆いていた。
「おお、私のヘルマプロディトス」
トニオの見る墓標の絵が物悲しい。
ヘルメスとアフロディテの子、という意味のギリシャ神話の両性具有の神の名がいっそうイメージをかきたててくれる。
そのトニオをしたうベガ女史が「あなたに何人ものジルをあげましょう」と彼を追いかける。
素敵な未来の希望できる終わり方で、優しいラストが好きだった。
ほのぼのSFでとっても好きだった。ラストは泣けて仕方なかった。
その「ジルベスターの星から」を救い上げたのがこの「地球へ」の11話。
ジルの望んだ豊かな星がこのナスカになる。
「地球へ」の中で「ジルベスターの星から」の補完をしたのだろうか。
ではトニオはジョミーなのか。
あなたに何人ものジルをあげましょうというベガはカリナなのか。
切ない思いを抱いて散っていたジルはブルーのオマージュなのか。
単行本収録当時の表紙絵のジルの瞳が赤く、TVテラのブルーを彷彿とさせる。
「教えてください、ブルー」
「僕は間違っていたのでしょうか。このナスカに安住の地を求めたことを」
このセリフ、ブルーがもうすでにこの世の人でないならしっくり来る。
でもまだ存命中なのにこの問いかけってすごく疑問。
「あなたの心に沿っていたのでしょうか
あなたの望みは違うところにあったのではないでしょうか
僕は間違っていませんでしたか」
ジョミーが揺れ動いているのはいい描写とおもう・・が
なんか符におちない。
もっと自信を持って欲しかったな、ジョミーに。
だって主人公はジョミー。
色々あるけどとにかく滅ぼされる寸前から逃げてこの星に定住するまで落ち着いたミュウたち。
それを率いたのはジョミー。
ジョミーなくしては新しい命はありえない。
先ほどもいったように迷うジョミーの描写よりも
せっかくブルーを生かすなら、ジョミーを励まして応援してやって欲しかったんだ。
だって、迷うジョミーを描いておいて、その後の結果というか、反動が上手く描かれていないじゃない。
どうしても短絡的で行き当たりばったりの描写にみえて仕方ない。
15-17話のブルーの活躍もブツ切れでトートツ。
ここでナスカで生きることを選んだジョミーを応援するブルーを描いてこそ
守るために死んだブルーの描写も生きると思うのですが、いかがでしょうか。
ナスカを基地としてじっくりと力を蓄え、自然出産などによって人数を増やし
体制を整えてからテラに行く、という計画もあったかもしれませんが、
次回のキースの到来によってそれがうまくいかなくなったのは残念です。
厳しい「現実」がナスカに近づきつつある。
サムはもう一人のパイロットとナスカ付近を航行中。
というかワープアウトしてきた。どうも目標地点とちがうようだ。
おかしいという同僚に座標を間違えたかと問われるがそうじゃない、と反論するサム。
「最近この辺で事故が多い」
ナスカ周辺は宇宙の「バーミューダトライアングル」か。
そしたら目前に白いシャングリラの機体!!!
「鯨だ!」
コクピットに水のあふれる描写。多分ミュウたちの精神攻撃。
気を失うサムとパイロット。
サムの名前を聞いて驚くジョミー。なんという出会い。
「記憶を消さなければならない」
「友達なんだぞ!」
ハーレイの言葉に反発するジョミー。つらいね、これは。
ジョミー苦悩してばっかり。
ここから出せ、と騒ぐサムともう一人のパイロット。
そこに現れるジョミー。
「サム、久しぶりだね」
懐かしんで近づくジョミーを警戒するサム。
大体成人検査後でジョミーの記憶が残ってるのだろうか。
ステーション編ではジョミーが印象深かった描写があったが、さすがに少年ぽく見えるジョミーに違和感。
「ジョミーは俺たちと同い年なんだぞ。」
でも「アタラクシアにいた、ジョミー・マーキス・シン、だよ」といったとたん、変わるサムの表情。
もらったパスまで見せるジョミー。大事にもっていたんだ・・・・・
抱きつくジョミーを受止めながらナイフを出すサム・・・!
突然ナイフをジョミーに突き立てるサム。驚くジョミー。肩を押さえる。
サムの心を読まなかったのか?無防備な「ソルジャー」にちょっとびっくり。
そして止めようとする同僚も刺してしまい、うつろな目と表情で近づくサム。
「サム・ヒューストンからプレゼントだ!」
ナイフを振りかざすサムに叫ぶジョミー。
「オマエはサムなんかじゃない!!!」
え、前にも「オマエはマムなんかじゃない」と叫んだよね。
ジョミーの「切れ」ってそうなんか。
とにかくサムの周辺をぶっ飛ばしてしまうジョミー
傷もそうだが涙で濡れた目が痛々しい。
おそらく、何らかのキーワードで襲うようにマザーにコントロールされていたのだろう、と
医療機器に横たわるジョミーを見ながらハーレイがいう。
ジョミーと仲がよかったのを利用したのだろう、という見解だった。
色々いう長老たちの声に思念波で
「一人にしておいてくれ」というジョミーがものすごく悲しいしかわいそうだ。
ジョミーにはもう「人間」の友達はいないのか。
「僕と友達だったばっかりに・・・・サム・・・・」
孤独なジョミー。
淋しいジョミー。
苦しいジョミー。
痛々しいジョミー。
ああ、ブルー、応援してやれよ。
あなたの選んだジョミーが苦しんでるよ。
少し前、フィシスに「ナスカに降りませんか」とたずねたときに
「ブルーのそばを離れることが出来ない」、といったフィシスのシーンに
原作での「ブルーの思いの詰まった船を離れることが出来ない」のいい補完と思ったけど
もう一つ踏み込んで、ブルーも共に降りてみたい、という意思表示をさせて欲しかったなあ、とも思います。
ナスカ定住もうまくいくかどうか。
テラに行くこともできるかどうか。
新しい命は育つのだろうか。
そして、このナスカが見つからずに「安心」して住めるのか。
不安が消えない状態に、キース側の描写。
キースはずいぶんと大人びて表情が険しくなっている。
どれだけ厳しい訓練を受けたのかと思う。
事故の多いジルベスター星系に赴任してくれとの要望。
「”M”の関与を懸念している」
トップシークレットになってる模様の、ミュウ(M)
事故の被害者にサム・ヒューストンの名があるのをみて表情を変えるキース。
そう、サムはキースの「友達」でもあった。
ジョミーの友達であったサム。
でもジョミーを襲うように仕向けられた刺客になったサム。
そしてジョミーによって記憶をゆがめられたサム。
そのジョミーの「友達」サムと「親友」だったキース。
そのキースが今度はナスカにジョミーの敵として降り立つ・・・・・
まったくこの辺はよく出来ていると思いますよ。
ただ・・・ブルーがもっとでてほしかったです(しつこい)
あと、和みシーンはトオニィのために一生懸命木彫りの人形を作ってるハーレイだね!
これは原作にない描写でほのぼのだった。
つっこむブラウもいい味でしたね。
シャングリラの長老カップル誕生!でした(^^)
ココハ テラトハ チガウ
← Back || Next →