議員日記  2004年6月
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   2004年6月2日(水)                                        
陳情のススメ(1)

   先日武蔵野市在住のある方から、市民が議会に陳情するときのチョッとしたノウハウをまとめた「陳情のコツという小文を送っていただきました 。陳情や請願を考えている人には大変参考になる内容ですので、ご本人の了解のもとに転載させていただきます。

   その前に陳情、請願、要望、意見書など似たような議会用語について、私の理解している範囲でまとめてみます。
 
請願 憲法16条の請願権、すなわち「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」という条文に基づくもので、一人以上の紹介議員の署名を得て、議長(実際には議会事務局)宛に提出します。受付けられた請願は規程に従って議会で審議されます。(陳情・請願の流れについて−旭川市の説明
陳情 請願との違いは議員の紹介がないこと。実際には殆どの自治体では請願と同じ扱いとなっているようです。(武蔵野市の説明 )
要望(書) 市長や行政の各部署、あるいは議員個人に対する要望(書)には、特に法律上の根拠はないようです。つまり受けた側には要望に対応する義務はなく、要望実現に向けて努力しようと全く無視しようと、責任は生じません。
意見書 地方自治法の規定(第99条)に基づいて、地方公共団体の公益に関することについて、議会の意思を国会や関係行政庁に伝達するために提出する文書をいいます。意見書の発案は議員が行い、これを議会にはかり、決定して、議長の名で関係機関に提出します。
つまり議会用語でいう意見書とは、議会が意思を表明することで、市民の意見とは直接関係ありません。





陳情のコツ

 

議会へ陳情して物申すという経験をさせていただき、少しばかりわかったことがありますので、記しておきます。今後、同様に「陳情をする」立場になる人にとって、何かの参考になればと思います。

 

<陳情手続きに関すること>

陳情文は600字程度にまとめる

資料によりますと、陳情文は600時程度にまとめる必要があるとのことです。しかし、議会事務局に提出したあと、表現を直されて分量も調節されます。「述べたい点は4つ」など、はっきりと事務局の方に伝えておかないと、せっかく書いたものが生かされない可能性もありますので注意。

 

陳情文の内容によって採択を左右することがあるので注意

審議においては、陳情文に書いてある表現によって、採択に抵抗を示されることがあるようです。主義主張はあっても、攻撃的にならないよう無難な表現にとどめておくのが得策です。

 

図面・表など必要なものは陳情文と一緒に印刷されるようにお願いしたほうがよい

文面だけでは伝わらないような資料を、陳情の資料として提出することができます。申請手続き時に「当日配布の資料でいいですね?」のように事務局の方に言われても、「陳情書の裏面にでも印刷してほしい」とお願いしたほうがよいです。そうでないと、事前に議員に配布される陳情書に資料が添付されないので、前もって検討しにくいこととなってしまうからです。

 

陳情者として名前を出した人しか陳述ができない

団体からの陳情として、代表者が自分の名前で陳情手続きを出すというのはよくあることです。しかしながら、陳情手続きで名前を出した人しか「陳述」をすることが許されていません。陳述はしなくても審議はされますが、しない分不利になると思われます。このあたり、予め了承しておく必要があります。

補足

ちなみに、「武蔵野一郎ほか20名」のような書き方にしておくと、武蔵野一郎本人でなくても、陳述は認められます。このように書いておくのも一案です。


与党の議員「先生」に予め電話を入れておくべし

与党の「先生」方の票が、審議の結果を大きく動かすのが現実です。関心を持ってもらう意味でも、印象を上げる意味でも、電話を入れて不明な点はないかお尋ねしたり、よろしくお願いしますと電話でお伝えしておくのがよいでしょう。先生方の電話番号は、武蔵野市のHPに公表されています。

 

<陳述に関すること>

陳述の付き添いは届けなしでOK

陳述そのものは、陳情手続きに名前を出した人しか認められませんが、付き添い人を連れて行くことは許されています。付き添い人に関しては、特に届けをしなくても許されるとのことです。陳述は、慣れない者にとっては緊張するものですので、陳述席まで付き添ってもらうだけでも心丈夫なことと思います。

 

陳述原稿は約10分に

陳述に際しては10分間を与えられて、その間は自由に陳述することができます。一度陳述が終わり審議に入ると、(当然ながら)まったく発言のチャンスはありません。陳述の中に、様々な角度から思いのたけを述べておくことが大切です。

 

陳述原稿は拡大コピーして持参すべし

素人が議会の場で陳述をするというのは、緊張するものです。陳述原稿を拡大コピーをして持参しましたら見やすくてよかったです。

                                                                                                                     以上



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   2004年6月6日(日)                                        
陳情のススメ(2)

「陳情のコツ」の作者の方から、6/2の<陳情手続きに関すること>−「陳情者として名前を出した人しか陳述ができない」についての補足説明が届きましたので、追加しました。6/2の本文をご覧下さい。

さて私の陳情経験からも少し述べてみたいと思います。

陳情、請願、要望----どの手段が効果的か
   まず陳情と請願についての比較をしてみます。請願には紹介議員が明記されているので、陳情より格が1ランク上と言えなくもありません。しかし請願と陳情が手続き上同じ扱いを受ける自治体の場合、陳情を選ぶほうがよいと思われます。理由は、請願だと紹介議員の所属する会派と他会派の関係が請願を巡ってギクシャクしたり、ウラを勘ぐられたりして、つまらない理由で他会派に反対され、よい結果が得られないケースが考えられるからです。

   次に首長などへの要望(書)や「手紙」と比べるとどうでしょうか。実際に行政に行動してほしいことがあって、首長に要望書や手紙を出した場合、首長と「波長」がピッタリ合えば、つまり首長の方に元々要望を受け入れる素地があれば、話は最も早いです。例えば土屋武蔵野市長は、事あるごとに「ムーバスは老婦人からの一通の手紙から始まった」と発言されているのがよい例です。
   勿論あっさり断られたり、場合によっては返事は貰えるものの形式的な回答で終わりということも有り得ます。

   一方陳情や請願は、受理されると必ず決まった手続きに従って委員会に付託され、審議されることになり、普通は委員となっている議員が意見を述べた上で、最終的には採決され、採択不採択が決まります。しかし、会派などの思惑から、議会が開催される度に継続審議とされ、ついには議員の任期切れで(議員の任期は4年)、審議未了・廃案となるケースもあります。また、採択されても付帯決議が加えられて中途半端な内容になってしまうこともあります。

   たとえ不採択になっても、以後の行政に多少なりとも影響を与える場合もありますが、反対に本会議で最終的に採択されても、行政に対して強制力を持たないので、陳情の内容が実行されない事もあります。武蔵野市の例では「中学校給食の実施」を要望する請願が、過去2度も採択された(1982年9月と1992年3月)にも拘わらず、実施反対で凝り固まった市長の考えで、未だに実行に移されていません。「中学校給食」の実施は、市民の要望も根強く、都内(三多摩地区も含む)では当たり前の行政サービスですが、実施しなくても議会、特に与党は問題なくコントロール出来るということを、市長に見透かされているため、こういう結果になっていると私は思います。
   ただこういった傾向はやや例外的で、一般的には、請願・陳情が採択されれば、行政は議会の意思を尊重して、実施に努力するというのがごく普通の流れと考えてよいのではないでしょうか。

   陳情に関連するテーマではもう一回続けたいと思います。

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   2004年6月8日(火)                                        
一般質問のお知らせ

   6月10日(木)の市議会(H16年第2回定例会)本会議で一般質問を行います。
   
   今回の一般質問は6/10〜6/11にかけて行われます。質問をする議員は17人です。
私の受付順は4番目でしたので、質問時間は、6/10(木)午前11:15頃から午後2:00頃までの間(午前中の最後か午後一番)となる見込みで、答弁と合わせて約50分位になると思います。
   
今回の大きい質問項目は次の4つです。
   1)「コミセン」などの老朽化した公共施設の耐震施策について
   2)「F・Fビル」の耐震補強・外壁改修事業について
   3 )防災センター(仮称)内に計画されている講堂・会議室の必要性について
   4 )出資団体等についての市の説明責任その他について

全体の質問順序、各議員の質問項目についてはこちらをご覧下さい。
時間のご都合のつく方は、市役所8階の本会議場に是非傍聴にお出で下さい。予約は不要です。(当日の進行具合などの問い合わせは議会事務局へ  0422-60-1883)
   これまでと同様にインターネットによる生中継もあります。当日こちらのページです。町田市議会などのように、サーバーに録画保存しておいていつでも見られるようにするという話も出ているようですが、実現はまだ先になりそうです。

マーガレット・ブレーカーズさん講演のお知らせ

みどりの会議(代表 中村敦夫参院議員)が招いた、オーストラリア緑の党・共同代表マーガレット・ブレーカーズさんの講演が近く武蔵野公会堂であります。

日 時:6月13日(日)午後6時〜 
 会 場:武蔵野公会堂にて(JR吉祥寺駅南口5分「丸井」ウラ)
 ゲスト:小林一朗(環境・サイエンスライター)
     小倉昌子みどりの会議運営委員(前・東村山市議会議員)
     安田節子みどりの会議 副代表委員(食政策センタービジョン21代表)
 参加費:500円
 主 催:みどりの会議・三多摩クラブ 090-1849-9305(橋本) 

日本人とは違う感覚の、興味深いお話が聞けると思います。ふるってご参加下さい。

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   2004年6月11日(金)                                        
   昨日一般質問を行いました。傍聴してに来ていただいた皆様、有り難うございました。
限られた時間の中で、用意した材料を使って思っていることはある程度述べられましたが、市長とは十分議論が噛み合ったやりとりが出来たとは言えませんでした。スレ違い、勘違い、はぐらかしの答弁もありました。こちらの知識が不足した部分もあったかと思います。論点を整理して、なるべく早急にわかりやすいレポートを作って、問題点を明らかにしたいと思います。

陳情のススメ(3)

陳情のタイミング
  議会は3,6,9,12月の年4回しか開かれないので(全国どの自治体でもほぼ同じだと思います)、陳情には議会ごとに締め切りがあります。それを逃すと最悪3ヶ月先まで待たされることになりかねません。陳情することを決めたら、早目に議会事務局に問い合わせて締め切りはいつか確認しておきましょう。

添付する署名の数
   署名はあってもなくても、いくら多くても、案件の取り扱いに差はありません。しかしある程度の数があれば、審議する側はそれなりの重みを感じるものです。特に、政治性や党派性のないテーマで、普通の人たちがある程度まとまって提出した陳情だと、議員たちに関心を持たれることが多いと思います。ちなみに現在、文教委員会に出ている「中学校給食」の請願と陳情は署名数が3万名以上で、こういう例は滅多にありません。

陳述
   陳述のノウハウは「陳情のコツ」に詳しいのでそちらをご覧下さい。ただ不思議なのは、陳述は休憩中に行われることです。委員になっている議員から質問も出ますが、一切議事録に残ることもありません。

その他
   わかりにくい言葉ですが、議会では「一事不再議の原則」というのがあります。一度採決された陳情・請願は同じ会期内では受け付けられません。不採択とされたものと同じ内容の陳情は次回以後の議会では再提出可能ですが、仮に受理され審議されることになっても、特に情勢に変化がない限り、簡単にまた不採択になってしまいます。
   一人の市民から一度に多数の陳情が出される場合もありますが、こういう陳情は通り一遍の審議で終わることが殆んどです(それでも採択される場合もあります)。

   次回、陳述・傍聴する市民はあまりに冷遇されていることを述べたいと思います。


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   2004年6月15日(火)                                        
  新しい常任委員会のメンバー決定!! 注目は「文教委員会」

 今年度の常任委員会の委員の割り振りが11日に、各委員会の委員長・副委員長が昨日14日に決まりました。まだ市議会のHPでも発表されていないので速報します。

委員会名
    
氏名  (順不同、 ◎委員長   ○副委員長 )                                 
総務委員会
   (8人)
◎石井一徳    本間まさよ  ○土屋美恵子 やすえ清治  井口良美  
   小林清章  露木正司    水野 学
文教委員会
   (7人)
◎近藤和義     島崎義司   山下倫一   向谷千鳥  三宅英子
 山本ひとみ  ○川名ゆうじ
厚生委員会
   (8人)
◎田辺あき子   与座 武    梶 雅子   鈴木有臣    ○砂川なおみ
 金子 武  松本清治   桑津昇太郎
建設委員会
   (7人)
深沢達也   寺山光一郎    田中節男     ○小野正二   大野まさき
 桜井和実  きくち太郎
議会運営委員会
    (9人)
◎島崎義司    近藤和義  田辺あき子  本間まさよ  ○与座 武  
 松本清治  井口良美  山本ひとみ     深沢達也

   黒字は与党系、赤字は野党系や立場不明などの議員の方々です。 各委員の所属会派についてはこちらを参照して下さい。


   各委員会の委員の割り振りの仕方はかなり複雑です。まず、議会運営委員会についてですが、各会派の人数に応じてドント式で割り振ります(無所属、一人会派には割り当てられません)。

   次に4つの常任委員会については、やはり基本はドント式で各会派に割り振るということになっていますが、定員が7名と8名の二通りの委員会がある中で、各委員会の構成をなるべく議会全体の会派別人数の比率に近づけるように割り振るのは簡単ではありません。必ず会派同士で希望がぶつかる場面が出てきて、そういう時はくじ引きになります。

   また私を含む2人の一人会派にはどういう訳か定員7名の委員会しか残らないという仕組みになっていて、文教か建設ということになります。昨年は、もう一人の無所属議員が、「好きな方を選んでよい」と言ってくれたので文教委員を選びました。

   ところが今年度は、6/11の「文教委員会」(定員7名)の振り分けがバッティングし、くじ引きの結果、これまでの公明党の委員の替わりに共産党の委員が入り、与党系・野党系共に3名になりました。私ともう一人の無所属議員は、最後に残った「文教」と「建設」のどちらかを選ぶことになりましたが、この時点では昨年と同じように言われたので少し迷いました。建設委員会に入って新しい分野を勉強するのもいいかとも思っていたからです。しかし、これまでの文教委員会でずっと審議してきた「中学校給食の請願・陳情」が継続になったので、やはり文教委員会にしようと決めていました。もう一人の方は私に文教委員会を譲ると言っていましたが、この日はまだ結論を出さず14日に決めることにして別れました。

 14日になって、急にその方から、「今回自分は文教に入りたいので、相談しよう」という申し入れがあってびっくりしました。話し合って2人でクジ引きして、結局私が再び文教委員になりました。興味深かったのは、決着が付くまで与党側の議員の方から、「三宅さん、どっちの委員会にするの?」とたびたび聞かれたことです。市議会全体では与党が過半数を確保している中で、こんな風に一人会派の議員の行方が注目され、重みを感じました。
   結果的に文教委員会は与野党が逆転するという、興味深い構成になりました。前回から継続審議になっている「中学校給食の請願・陳情」も、委員会で早期に採択される可能性が出てきました。公明党が賛成すれば、本会議でも通るかもしれません(公明党は中学校給食推進の立場ですが、同時に与党でもあるので、簡単には賛成できないと思われます。付帯決議などが出て問題が複雑化するかも知れません)。

   仮に請願・陳情が通っても、土屋市政のもとでは前2回と同様、いろいろ理由をつけて完全に無視されるかも知れません。しかし、時流に敏感な市長のことですから「実施する」という意外な展開があるかも知れません。

 ともかく、文教委員会は昨年に引き続き白熱した議論が闘わされる場になりそうです。第1回は6/18(金)午前10:00〜です。これまでの実績だと午後3:00頃まで審議していますので、是非傍聴にいらして下さい。午後からお出かけの場合は、議会事務局に確認して下さい。


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   2004年6月18日(金)                                        
  総務委員会は重要案件が山盛り!!・・・6/17(木)総務委員会傍聴記

 自分の所属する文教委員会以外の委員会の傍聴をするようになって1年以上になります。最初はごく気軽に始めたのですが、ずっと続けていると、行政の進めようとしている事業の建前的な説明ばかりでなく、その裏にある本音の狙いなど、かなり分かるようになってきました。勿論傍聴で全てが理解できるワケではありません。分からないところが分かるようになってきたという程度かも知れませんが、「傍聴」は私にとってかなり利用価値があることはたしかです。

   さて、各常任委員会の委員が一部入れ替わったことは6/15にお伝えしました。総務委員会もこうなりました。

総務委員会
   (8人)
◎石井一徳    本間まさよ  ○土屋美恵子 やすえ清治  井口良美  
   小林清章  露木正司    水野 学

黒字は与党系、赤字は野党系や立場不明などの議員の方々です。 各委員の所属会派についてはこちらを参照して下さい。


新たな「指定管理者制度」とは?
 さて、今回の総務委員会では多くの議案が出されました。今後の市政の方向性を左右するような案件の「指定管理者制度」に関する条例も含まれています。まだ私も良くわかっていない点はありますが、簡単に言えば、これまで役所や公的な機関しか管理することができなかった公の施設に「民間会社やNPO」なども参入できる制度です。提出された議案は「武蔵野市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例」と言う長ったらしい件名で、担当者等の説明によると「通則条例」ということでした。また同時に、「3年以内に施設の管理方式を指定管理者にするのか、市の直営にするのかを決定しなければならない52施設と18条例の一覧表」も提出されました。共産のH委員が最初にかなり突っ込んだ質問をしましたが、担当者の回答の大半は条例文以上の説明がなく、中身の乏しいもので、この条例を具体的な仕事につなげてイメージできていない印象がありました。新しい条例ができる場合、最も大切なことは、「これで役所の仕事の何が変わるのか」ということです。また、「条例の文章」というのは誰にとってもわかりにくいものです。この条例で市の事業や仕組みがどんな風に変わるかを担当者はもっとかみ砕いて説明する努力が必要です。それがないと、市議会の場が単なる形式的な手続きの場になってしまうと感じました(こちらに「指定管理者制度」の一般的な説明問題点と批判がありました)。

この他に提出された資料として
「公共施設耐震診断実施結果について(これまで市が実施した耐震診断の結果一覧表)」  これは6/10私が一般質問の中で「すでに終わっているのに、報告がないのはおかしい」と主張したもので、急に出てきました。勿論もっと早くに出すべき資料です。

「H15年度会議室使用状況」
・・・防災センター計画の中に会議室が設置されているため、現状の市役所の会議室不足を裏付ける資料。会議室を事務作業に利用している分も加わっていて、純然たる会議の数の把握ではないことがわかりました。

   余談ですが、「防災センターの案に
”吹き抜けの講堂”が加わったことをこの日の朝初めて知った」と発言していた与党の委員がいたのにはちょっとびっくりしました。正直な発言ではありますが、すでに3月に行政側から提出された「防災センター基本構想(H16.4月)」には図面上に明示されていたもので、これまで総務委員会や本会議の一般質問でたびたび指摘され、議論されてきたものだからです。与党の立場だと、すべて行政にお任せになってしまうのでしょうか? 素朴な疑問を感じました。


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   2004年6月20日(日)                                        
  「中学校給食」の陳情が採択されたものの付帯意見付き・・・6/18(金)文教委員会

  「中学校給食」の請願・陳情については、与党側はつい1ヶ月前の文教委員会(5/17)では継続を主張していたのに、今回の文教委員会では急転直下、「採決する(継続にはしないで、今日で決める)」との情報が前日入りました。結局、陳情のみ附帯意見付きの採択で、請願は不採択という結末になりました。この1ヶ月間に何があったのかは私にはよくわかりませんが、どうやら文教委員会の与野党の人数が逆転したのに伴い、水面下で与党と民主の調整があった模様です。「全員一致」で採択と言っても、双手を上げて良かった、良かったと言う気持にはなれません。  
   妥協や駆け引き、相手の顔を立てることなど、全部駄目だとは言いませんが、今度の場合正面から所謂「ガチンコ勝負」をしても採択された可能性が高かったと思います。そして反対したのはどの議員か、ハッキリ見える形にした方が、市民にも分かりやすかったのではないかと思っています。

この日審議された議案と議題は次の通りです。

1) H16年度補正予算「教育費」・・・採択(反対は市民の党山本委員)
2) 陳情(陳受16第13号)公立保育園遠距離通園児と父母の通園負担解消・軽減などに関する陳情・・・継続
3) 請願(請受15第1号)弁当も選択できる中学校給食の実施に関する請願・・・・不採択(賛成は共産党向谷委員・山本委員・三宅の3名。民主は与党と共に反対しましたが、理由は共産党主導で出された請願ということ以外にないと思います)
4) 陳情(陳受15第58号)選択制中学校給食の実施に関する陳情・・・採択(附帯意見付きは全員賛成)
5) 行政報告 
  @武蔵野市学校教育のありかた検討委員会報告書及び概要版
  AH15児童・生徒の学力向上を図るための調査等について
  B吉祥寺南町3丁目遺跡調査の出土状況


上記4)・・・教育委員会は11年前に「報告書」で約束したことをやらなくても構わないの?
 

   この日の市民クラブのY委員の質問でわかったことですが、最近、与党の議員達が市長に対して「公立中学校での欠食児童対策(お弁当を持って来られない生徒ために、学校でパン・おにぎりなどが買える仕組み)」を早急に実施するようにという要望書を出したそうです。
   ところで12年も前の平成4年に市の教育委員会が提出した「中学校給食はやらない」という報告書に「弁当を持参できない生徒への対応は今後別途研究していく」と明記してあったので、私は
2 月からこの委員会の席上、何を研究してきたか問い質してきましたが、前回やっと資料が出て、事実上何もやってこなかったことが判りました(5/18の日記 参照)。ですから本来、このテーマについては、まず11年間「研究」してきたはずの教育委員会に問うべきなのに、与党系の議員等は「中学校給食」の実施を阻んでいるのが「市長の壁」だとわかっているからか、思わず市長に提出してしまったようです。はからずも教育委員会の空洞化を認めた形になってしまいました。

上記5)ー@・・・教育委員会の目標「身体・言語・自然」と選挙スローガンの関係?

「武蔵野市学校教育のあり方検討委員会報告書」が出されました。その表紙には
”学びのまち「武蔵野」で育てようー「身体(しんたい)・言語(げんご)・自然」を重視した教育を目指してー”とあります。どこかで聞いたスローガンだなー?と思ったら、前回の土屋市長の選挙チラシや選挙公報に載っていたものでした。3月の教育委員会定例会でも、これまで個別テーマとして「身体(からだ)・言語(ことば)・自然」と書いていたものを、H16年度には基本方針のトップに掲げ、わざわざ「身体(しんたい)・言語(げんご)・自然」とすると報告されています。
   最初は市長が言い出したのか、教育委員会が言い出したのか定かではありませんでしたが、今日の質疑の結果、どうやら教育委員会で掲げているテーマを選挙で市長が借用し、その後こんどは教育委員会が市長にすり寄って読み方も変え、教育委員会として「個別テーマ」の1ランク上の「基本方針」に昇格させたということのようでした。
   
   教育に政治を持ち込ませず、独立した教育行政を貫くためにある筈の教育委員会ですが、ここでも実態はこんなことかと思ってしまいました。またこのテーマそのものについての教育委員会定例会での珍妙なやりとりは、昨年12/23の日記に書きました。こちらです。

上記1)・・・やっと始まるか?図書館の本・CDのインターネット予約!!

 教育費の補正予算の審議の中で、図書館費に679,000円が計上されていたので、この中身について質問しました。中央図書館の館長から説明がありましたが、何度も質問を繰り返してやっと具体的な使途がわかりました。結局、「インターネット予約」に向けた複数組みCDの処理費用のようです。この館長は昨年民間人から登用された方で、私も大いに期待していたのですが、曖昧で役人以上に役人的な説明しかされないので、いつもがっかりさせられます。 
 
   いまだに武蔵野市の図書館ではインターネット予約システムが導入されておらず、近隣自治体に大きく遅れをとっていることは去年8月の日記でレポートしました。また現在策定中の第4期長期計画への私の意見書にも早期実現の要望を盛り込みました。今度インターネット予約を実施する予定なら、補正予算の審議の途中でぽろりとしゃべるのではなく、きちんと説明していただきたいものです。答弁によるとどうやら今年中には実現しそうですが、市民へも告知してスピーディに進めて欲しいものです。

議員や市議会のあり方には違和感が拭えない・・・

 今回、中学校給食の陳情・請願を審議する過程で考えさせられたのは、会派や市長・行政側の思惑の中で、議員はどうあるべきか?−−−ということです。
   今回の「中学校給食」のように、与党側の本音と市長の立場に距離があるテーマが議論された場合、与党側や市の担当者などは市長の考えばかりを気にしているように見えます。また野党側の議員だけに良い思いをさせたくないという思惑からか、今回の経過の中でも、今まで中学校給食には「反対」の立場の委員が付帯意見をつけた陳情には急に賛成にまわりました。一方で与党側と調整した委員は、中学校給食を自分の選挙公約に掲げてきたにもかかわらず「請願」には反対し、市議の私から見ても実に妙な決着となりました。

   たしかに会派に属する議員には、いろいろなしがらみがあって、難しい判断を迫られることもあるでしょう。一人会派の私はその点はラクですが、一人で出来ることはタカが知れていることも事実です。
 とにかく、会派のメンツを最優先し、根回しに走り回り、市長の顔色を伺ってばかり(特に与党側議員や職員)で、それぞれが議会で真剣にぶつかり合うことを避けていては、事業や議案の中身を質的に高めることにつながりません。裏での駆け引きに余計なエネルギーを注ぐ今回のやり方はどこか違うのでは、と考えます。

 

 
文教委員会
   (7人)
◎近藤和義     島崎義司   山下倫一   向谷千鳥  三宅英子
 山本ひとみ  ○川名ゆうじ
   
黒字は与党系、赤字は野党系などの議員の方々です。 各委員の所属会派についてはこちらを参照して下さい。


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   2004年6月21日(月)                                        
陳情のススメ(番外編)・・・市民は冷遇されている

   市議になる前普通の市民として二度、陳情・陳述をしたことがあります。その時の体験も交えて議会内で市民がどういう扱いを受けているか、論じてみたいと思います。

市民は主役 ?
   地方自治の主役は市民(住民)の筈ですが、このことは憲法にも地方自治法にも書かれていません。つまり建前上でも、そういうことは謳ってはいないようです。但し、住民の権利については明記されています。地方自治の専門家安島喜一さんのHPに、大変分かり易い説明がありました。

傍聴も大変
   自治体の議会は平日の昼間開かれます。そこにやって来る市民は、多くの場合仕事を休んだり、時間をやりくりして駆けつけてきます。また殆どの人は、漫然と傍聴するためではなく、自分が関わったり、興味を持っている議案や陳情について、どのような議論がされるか聞きたいために来るのですが、それがいつ審議されるのか、どの位の審議時間が予定されているのか、説明は全くありません。議会事務局に自分から問い合わせると、当日の大体の進行状況を教えてもらえるという程度です。

妙な慣例
   ところで一人で委員会の傍聴をしにやって来ると、受付で署名を求められるばかりでなく、委員長がわざわざマイクで「傍聴の申し込みがありますのでお諮りをいたします。武蔵野市○○町△△番地□□□さんから傍聴の申し入れがありますが、如何いたしましょうか。」「異議なし」というやりとりがあって、初めて傍聴できるのです。しかもこの傍聴者の名前は議事録に残ります。不審者を排除するためこんなことをするのでしょうか。しかし、グループで傍聴する場合は「○○さん他何名」という言い方で、他の人は署名も不要、名前も問われません。さらに「本会議」の場合は名前の読み上げもありません。一体どういう目的でこんなことをするのか、サッパリ分かりません。
   近隣で委員会議事録をHPで公開している自治体をザッと調べたところ、三鷹市、調布市では傍聴希望者を委員に諮っていますが、氏名までは言いません。練馬区は傍聴者人数の報告だけ、西東京市、杉並区では傍聴希望者のイスが足らなくなった時、席を増やしていいかどうか委員に諮るのみで、傍聴希望を許可するかどうかなど、全くありません。さらに興味深いことに杉並区では傍聴人が申し出ると、撮影や録音も同意を得た上で許されることが分かりました。

もっと気軽に傍聴できる工夫を
   陳述は休憩時間に行われ、議事録にも残らないことは先に述べました。本当は陳述者の都合に合わせて議事日程を組んでもよいくらいに思うのですが、現実は大違いです。選挙期間中は米搗きバッタのように、ペコペコしている候補者をよく見かけますが、いざ当選すると少なくとも議会の中では、市民を高い所から見下ろしている感じがします。
   去年陳述を議事録に残すことに関して二度陳情が出たことがあり、議会運営委員会で議論されました(6/27、9/5)。この時私は傍聴しましたが、市側から「多摩地区の他の市では陳述自体認められていないところもある」などの説明があり、武蔵野市はまだマシという理由で、結局不採択になり、何もしないことになってしまいました。



   それこそ、「市民が気軽に来られるように、議会運営の諸規則の改善を求める」というような趣旨で、ある程度の数の署名を集めるなどした本格的な陳情を誰かが出してくれれば、お金も掛からないことでもあり、各市議に異論はない筈で、採択される可能性は十分あると思います。最近市議会で話題に上るのは「市議の定数削減」くらいで、市民が傍聴しやすくするなど、市議会の運営自体の工夫、改善は放置されたままというのが現状です。ひとつの自治体が突破口を開ければ、こういった流れは一気に拡がるのではないでしょうか。


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