議員日記  2004年5月
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   2004年5月 3日(月)                                        
菅直人民主党代表の国民年金未加入問題について・・・

   菅代表までが厚生大臣在任期間中、国民年金に未加入だったことが判明しました。
   鳩山由起夫前代表も十年以上未加入・未納だったことを告白しましたが、こちらは公表資産額だけで17億円以上という人です。議員年金はもらえるし、下々の加入する保険など眼中になかったのでしょう。弟の邦夫氏も事情は同じだと思います。
   菅氏の場合、多忙な時にわざわざ自分で脱退・再加入の手続きをしたり、そういう指示をしたとは考えられません。しかし身内や秘書など廻りの誰かが気を利かしたつもりで、「あれやっときましょうか」と言って実行した可能性はあります。
   閣僚などの未納問題を追求するなら、当然前もって自分のことも確認しておく必要がありました。いづれにしても、攻める側の気勢がすっかり削がれた感は否めません。

   過去、民主党への期待がもっとも高まったのは、昨年の総選挙の前ではありません。1998年の参議院選挙で自民党が大敗し、参院で与野党が逆転した(この頃は公明は野党だった)時です。
   参議院の首班指名では菅氏が首相候補に選ばれました。ところがこの年の秋に菅氏はつまらない女性スキャンダルを起こし、一挙に支持を減らしました。この時はスクープした週刊文春にも、相手とされた女性にも腹が立ちましたが、最も大事な時にあまりにワキの甘い菅氏には本当にがっかりさせられました。

   今度の問題はその時ほど悪質ではないかも知れませんが、ワキの甘さは共通しています。民主党には枝野幸男、長妻昭、河村たかしといった、見識に優れ、行動力、正義感も十分な人たちが台頭してきた反面、鳩山グループの人たち(小泉首相と会食してこの間の衆議院埼玉補選で落選した人もそうです)のような、甘っちょろくて緊張感がなく、考え方も自民党と殆ど同じという議員も大勢います。
   失態続きで求心力が失われつつあるようにも見えますが、民主党には、自公政権には到底満足できない支持者や無党派の人たちの期待に応える大きな責任がある筈です。今が本当の意味で正念場であることを幹部の人たちはどれだけ意識しているでしょうか。


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   2004年5月 10日(月)                                        
   8日土曜日には、私が市議になって1周年のささやかな集まりを開きました。大勢の方々に参加していただき盛会でした。皆様お忙しい中大変有り難うございました。この場を借りて御礼申し上げます。


 菅直人民主党代表辞任問題・・・

   さて民主党菅代表ですが、辞任必至の情勢のようです。もっとも福田官房長官に先を越されたので、たとえ辞任してもその価値はズッと低いものになってしまいました。
  しかし、ここで福田前官房長官と菅さんの 過失の中身を見てみますと、福田氏は、議員に当選する前にも5年8カ月の未納期間があったことをバレるまで隠していたり、閣僚の国民年金納入状況を「個人情報」と言って公開を免れようとしたりしていました。これに比べると、行政窓口の指導ミスかもしれない菅さんのケースは、本当はずっと程度が軽いかも知れません。

   しかし辻元清美さんや山本譲司さんの例を出すまでもなく、昔から日本には不祥事について、与党に甘く野党に辛いという風土があります。自民党はダーティーで当たり前、野党はクリーンで当たり前ということでしょうか。野党には理不尽ですが、そういうものと割り切って、他人のことを攻撃するの前に自分の足元を固める必要がありました。

   今の状況について、片山鳥取県知事の「未納ばかりが問題にされる魔女狩りのような雰囲気はおかしい。年金改革の本質的な議論がない方が問題」、あるいは浅野宮城県知事の「背景には(強制加入と言っても)実質的に任意加入に近く、制度的限界もある」という発言は正論だと思いますが、「国会議員には議員年金があるので国民年金は軽視していたのでは」という批判もまっとうなものです。また、国民に痛みを強いる年金法案を通す側の議員が、自身の年金はどうなっているかこの機会に明らかにできなければ、不信感を持つ多くの国民の納得は得られないでしょう。

   民主党員や支持者の「このままでは参議院選挙が戦えない」という声には無理からぬものがあります。こうなれば自公の動向に関係なく、先手を打って党所属全国会議員の年金加入状況を公開することや、議員年金を廃止して厚生年金と一本化することをマニフェストとするなど、「肉を斬らせて骨を断つ」という捨身の戦術をとらない限り、「選挙直前小泉北朝鮮お迎え戦術」が噂される与党に立ち向えないのではないでしょうか。

   それはともかく、5/6に海外から急遽帰国し、時差も党内外の批判もなんのその、特に疲れている様子も見せず、どんどんテレビに出演して、自分の言葉で説明を繰り返す、菅さんの精神と肉体の頑丈さには驚きました。勿論話の中身には反対意見も多く、テレビに出ること自体プラス効果とは限りませんが、自民党などの議員であれば早々と役職を辞任して、後はほっかぶりで説明責任を果たさない、というのが常識です(委員会などに召喚されて釈明した人はいました)。この分では、菅さんはいくら叩かれても何度地に墜ちても、ターミネーターのように復活するのではないかと思います。

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   2004年5月17日(月)                                        
   「未納政局」はまだ波紋を広げていて、最近ではテレビ・キャスターにまで飛び火してきました。昨日のサンデー・プロジェクト(テレビ朝日系列)では、前回菅直人氏に向かって、未納をあれほど激しく批判していた田原総一朗氏も、自らに年金未納期間があったことを告白していました。そして自身はどうケジメをつけるかと言うと、「一生懸命仕事するしかない」などと、”自公”の辞めない人と同じ弁解をするのには笑ってしまいました。
   田原氏はアジテーターとしては一流かも知れませんが、荒唐無稽な「田中角栄無罪論」を展開して以来、言うことは殆ど信用できません。「朝まで生テレビ」でも、いつも他人の主張を横取りして別の人を批判しているように見受けられます。


アメリカ人の頭の中はどうなっているのか・・・

  ところで、アメリカでも辞任問題が持ち上がっています。ラムズフェルド国防長官の問題です。
   第二次大戦中、米軍の捕虜になった日本兵が、食料や医療のことなど、米軍の寛大さ、待遇のよさについて書いたり語ってきたのを、多くの日本人は記憶しています。今度明るみに出た、イラクでの捕虜の虐待は、私達が持っていたアメリカ軍に対するイメージと正反対のものです。

   ”自由と民主主義の伝道師、世界の警察官”を自認するアメリカのやることは、この程度なのか(こういうことにまで女性が進出していることは分かりましたが)とすっかり失望してしまいました。
   この問題の最高責任者であるラムズフェルド氏は即刻辞任するのかと思いきや、アメリカ人の7割は辞任不要と思っている、というのには驚きます。

   しかし本当に辞めてほしいのはブッシュ大統領です。如何にも頭が悪そうなのに、妙に言い訳がうまくて図々しいのは、(最近時々テレビに登場するようになった)日本の前首相とそっくりです。 フロリダ州の怪しげな数百票のおかげで当選していなかったら、イラク戦争も、アフガン攻略も、1万人以上のイラク人、800人近くの米兵が死ぬことも、スペインやバリ島でのテロも、自衛隊のイラク派遣も、日本人人質事件も−−−なかったかも知れません。民主党政権だったら9.11事件さえも起きなかったかも知れないと言われるようにもなりました(サダム・フセイン政権やタリバンが消滅したこと、リビアがおとなしくなったなど、ブッシュ政権にも数少ない功績はあります)。

   イラク情勢がここまで悪化したのに、アメリカ大統領選挙の世論調査では、ずっとケリー候補より優勢で、つい最近になって変化の兆しが見られる程度のようです。しかし、ブッシュ氏側は資金力では圧倒しているようですから、金に物言わせて情勢の巻き返しを計るでしょう。

   日本を含めて、世界中の政治も経済も、アメリカ大統領のやり方に左右されること大です。私たちにも大統領選挙の投票に参加させろと言いたくなります。



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   2004年5月18日(火)                                        
政治活動費・政務調査費の収支報告、1年間に受取った報酬の総額をこちらのページで報告しました。


文教委員会5/17報告・・・「中学校給食」の請願・陳情は”継続”に
                約束した資料を出せない教育委員会のドタバタ

昨日5/17(月曜日)の文教委員会の報告です。委員の構成

1.市長の退席の件でもめました。
   この日は7人の文教委員全員の1年間の任期の最後の委員会でした。これまで審議されてきた「中学校給食」などの案件について、本委員会としての”判断”が問われる重要な日です。

 しかし、いきなり市長から途中で退席したい旨の発言があり、冒頭から紛糾しました。退席理由としては
「国へ重要な申し入れ(”全国市長会文教委員会分権型教育に関する研究会”の有志の15市長による「義務教育費国庫負担金の取り扱いに関する提言」の提出)を行うため11:30頃に退席したい」とのことです。私が「今日、文教委員会が開催されるのはずっと以前からわかっているはず。なぜ、委員会開催日に申し入れを行うことにしたのか? またその日程を決めたのはいつか?」と質問すると、「2週間くらい前に決めた」との市長からの答えです。市長はさらに「委員会では市長が欠席でも委員会として成立するから問題ない」などと説明しました。しかし、実際にはこれまで武蔵野市の委員会には、市長はほぼすべてに出席し、担当者に任せればよいような細かいことでも、ご自分から答弁するスタイルでやっています。市長が欠席しても問題ないなら、なぜ普段から助役・部課長に委員会を任せないかと言う話になります。しかも、「重要な案件(中学校給食)」の決着をつけなければならないこの日に、なぜわざわざダブルブッキングして、途中退席しなければならないのか----が市長の解説でも全く理解できませんでした。結局、この話は国への申し入れが終わったらすぐに戻ってくるようにとの主張を、市長は渋々受け入れるという形になり、午後4:00頃に委員会に再び戻って来られました。

 
2.教育長にとって約束とは?
 昨年秋に、中学校給食の請願・陳情が出され、文教委員会で毎回長時間の熱い議論が闘わされてきました。文教委員会として他の自治体への「視察」も行い、さまざまな資料の提出も毎回求めてきました。客観的な材料を共有の情報として入手して、この問題を一歩でも前進させようという気持は、賛成・反対の立場を超えてそれぞれの委員が理解していると感じています。
 
2月の委員会で、私は教育長にH4年の教育委員会の報告(a.中学校給食は実施しない。しかし、b.弁当を持参できない子どもへの対応は今後も検討していく)の内、bについてこの11年間の教育委員会での検討経過を文書で提出して欲しいという要求を出し、認められました。つまり文教委員会としての要求になったわけですが、3月の文教委員会でも提出されず、その時には5月には出すという説明がありました。
 しかし、今回も資料の提出がなく、ひどいことに市長も一緒になって「そんなことは議事録のどこに書いてあるか」などと言い始めたのです。あまりのお粗末な対応に、後から与党側の委員たちも批判していました。
 

このことで問題だと思うのは次の点です。

1)教育長は、文教委員会での口約束(文書を出す)など守らなくても問題ないと思っている。謝ることも考えていない。つまり議会での約束など軽いことだと考えていること
  市長までも議事録云々とまで反論するのにはあきれました。行政側が委員会で約束したことを守らなくても良いのであれば、そもそも文教委員会の存在自体意味がありません。このような姿勢は明らかに議会軽視です。

2)H4年に報告書で約束した「検討」を教育委員会が進めているかどうか、どこからもチェックされない仕組みであること
  H4年の報告書は前の教育長の時のこと、しかし教育委員会として一度報告書で検討すると決めたことを実施するのは組織として当然のことです。11年間具体的な「検討」をやっていないから、文書にすることができないのではないか?そうだとしたら行政の「不作為(何もやらないこと)」に当たります。

3)市の教育部はこのような状況について一緒に言い訳しているだけで、改善しようとすら思っていないこと
   教育委員会の今回の問題については、教育部にも責任があることはもちろんです。

 4)資料を出すという基本的な約束を教育委員会に果たさせるために、なぜこれほど時間とエネルギーを掛けさせるのか?
   今回、約束の資料提出が反故にされたため、そのことでもめて肝心の審議の時間に食い込んでしまいました。 ごく初歩的な当たり前の対応が、教育部や教育委員会では全くやれていないことにあきれてしまいました。

 
 公的な立場の人間は、抽象的な言葉をいくら上手にしゃべることができても、信頼にはつながらないと思います。その人が日常業務の中で、いかに誠実に物事に対応しているかで、徐々に信頼を獲得できるのではないでしょうか。間違ったら間違ったと謝ること、やっていなければそのことを正直に認めることが大事だと思います。曖昧な言い逃れは結局誰からも支持されない、というのがこの日はっきりとわかった気がしました。


 
 
「中学校給食」の案件は市長の留守中に”継続”となりました。採決すれば中学校給食賛成派の委員が多数の状況の中で、委員会では採択される可能性が高かったと思われますが、やはり給食実施賛成派の与党の公明党が、どういう訳か「継続」の立場をとった為、「継続」派が過半数となり、来年度の文教委員会に申し送られることになったのは残念です。

 
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   2004年5月25日(火)                                        
 小泉首相の再訪朝で子供たち5人が帰ってきたのはよかったのですが、与えたものが多い割に、得たものは少なかったということで、前回ほど評価は高くないようです。安否不明・未帰還の人の家族、特に年老いた親たちの「20数年も待ってこの先一体いつまで待てばいいのか、もう時間がない」という声に応えるための努力は全く不十分だったと思います。
 首相サイドがいくら否定しても、「選挙対策」「年金そらし」という側面が透けて見える「バタバタ訪朝」だったことが、詰めの甘さが残った最大の原因ではないでしょうか。

こんな会社は要らない(1) 

 数日前、三菱自動車の再建計画が発表されました。三菱グループが金を出して何とか支えるようですが、殆ど時を同じくして、死亡事故を無視した新たな「リコール隠し」が発覚しました。
 
 最近のこと以外あまり報道されませんが、三菱自動車が起こした問題は沢山あります。1980年代には、中国に輸出した大量の大型トラック欠陥車問題発生しました。90年代からはアメリカの工場で、何度もセクハラや人種差別で訴えられてきました。その対応はまことにまずくて評判を落とし、多額の賠償金も払わされました。浦和レッズ元社長もからんだ総会屋利益供与事件もありました。パジェロの欠陥ブレーキに関するリコール隠しは記憶に新しいところです。
   パリダカラリーなどにうつつを抜かしている場合ではなかったのです。驚くことに、元会長で名門一族の宇佐美容疑者などはこの場に及んでなお容疑を否認しているようです。

 ダイムラー・クライスラーは、乗用車部門の三菱自動車からは手を引くようですが、何を思ったか、バス・トラック部門の「三菱ふそう」については最近株式持分を3分の2近くまで高めてしまい、子会社として今後も面倒を見るようです。内情を知らずに赴任して1年ちょっとのドイツ人社長は、謝罪してばかりの損な役回りで内心頭に来ているでしょう。

一体三菱グループ以外にこんな会社の車を買う人がいるのか、こんな会社が存続する必要があるのかと率直に思います(勿論傘下の下請企業を含む、数万人の雇用の問題はあります)。

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   2004年5月28日(金)                                        
こんな会社は要らない(2) 

 三菱自動車に続き、退場してほしい会社として思い浮かぶのは、元会長浅田満容疑者の「ハンナン」及びそのグループと、盗聴を指示して捕まった前会長武井保雄被告の「武富士」です。
   浅田容疑者は、BSE対策の助成金を詐取したとして逮捕され拘留中ですが、詐取した金の総額は50億円にもなるといいます。雪印食品や日本ハムの同様の事件が発覚した時にも、最も受取った金が多く、一番怪しいと噂されながらも、今まで捜査が入らなかったのは、水面下で、暴力団や同和団体、政治家(鈴木宗男、松岡利勝、中川昭一etc)、農水省、警察などと深くつながっていて手が出せなかったいうのが事情通の解説です。この事件が新聞、テレビで殆ど報道されないのも何かを恐れているからでしょうか。「ハンナン」のHPを見ても一行のお詫びすらなく、事件発覚後に取引停止の動きもないようです。不気味な会社です。

   「武富士」は前会長が辞め、大半は武井一族が持つ株式の保有比率を少し減らすなどの方針を発表しましたが、企業体質はまだまだ変わりそうにありません。一時陰りはあっても、業界のトップクラスとして存続していく気配です。
   今回の盗聴事件こそ何とかトップ逮捕まで漕ぎつけたました。しかし、名前ばかり美しい「個人情報保護法」の成立、「プライバシー侵害」や「名誉毀損」の裁判での賠償額の高騰---などが重なり、金に糸目を付けぬ企業が、裁判で高額な損害賠償を請求して自分たちに不利な報道や企業の悪事の告発を押しつぶそうとする傾向は益々強まるのではないでしょうか。

   少し興味を引かれるのは、「ハンナン」を摘発したのが大阪府警、前回取り上げた「三菱自動車」に迫っているのが神奈川県警と、東西のダメな警察の横綱と言われるところが事件にメスを入れたことです。大阪府警は「グリコ・森永事件」では真犯人に迫れず未解決、数々の汚職や不祥事の発生、府警本部長経験者の自殺ということもありました。また神奈川県警はオウム初動捜査の致命的な失敗、警察内の集団暴行や同僚女性警察官に対する恐喝未遂など、つい最近では栃木の立てこもり犯の素性をよく調べもせず、捜索に踏み込もうとして失態を演じました。
   しかし数々のタブーを乗り越え、政官業の癒着に挑戦している大阪府警、トラックタイヤによる横浜の母子死傷事件の捜査の過程で、企業ぐるみの嘘・データ隠しを明らかにしてきた神奈川県警に対し、ここは素直にエールを送りたいと思います。



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