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 (民衆闘争報道 「朝鮮学校への高校無償化適用、子どもたちの学ぶ権利を守ろう」2013324日)

 

    3月24日、「朝鮮学校、ええじゃないか!春のモアパレード」が開催された


朝鮮学校への高校無償化適用、子どもたちの学ぶ権利を守ろう」 大阪市の扇町公園に2600名が集まった

●安倍政権による朝鮮学校無償化除外と、大阪市・大阪府による朝鮮学校への「補助金停止・学
校用地明け渡し要求」に抗議する

●朝鮮学校を含む、日本に生きる全ての子どもたちの平等な教育権を保障せよ!民族差別と排外主義をゆるさない

 

 

 

△「私たちは、朝鮮学校で、民族としての誇り、言語、文化を学ぶ事ができます。無償化適用除外で、私達の学ぶ権利を奪わないで下さい」と訴える朝鮮高級学校の学生。(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

●大阪市・大阪府による朝鮮学校への「補助金停止・学校用地明け渡し要求」は、不当不法な朝鮮学校潰し

324日、大阪扇町公園に、朝鮮学校への「高校授業料無償化」適用を求める2600名の在日朝鮮および日本の市民が集まった。

 

「朝鮮学校、ええじゃないか!春のモアパレード」実行委員会が主催し、293団体が賛同したこの集会には、近畿各市町から集まった市民組織、労働組合の他に、神戸、大阪、京都の朝鮮学校の児童・生徒とその父兄、並びに朝鮮学校を支える各地の「ハッキョを支える会」のメンバーが多数参加した。

 

先月20日、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則」のうち、朝鮮学校への適用を規定する条項の削除を強行した安倍政権に対する抗議の行動だ。

2600名のデモ隊は、多数の市民が見守る中を、扇町公園からウメダの繁華街をパレードした。

 

いま、政府による高校無償化からの朝鮮学校の排除に留まらず、全国各地で、長年支給されてきた朝鮮学校への、府県市町による補助金停止が進み、学校の存続自体が危機に追いやられている。大阪では、学校運営組織である「朝鮮学園」は、大阪地裁に対し大阪市・大阪府の補助金停止への処分取り消しの訴えを起こしているところだ。

 

中でも大阪市は、橋下市政になって、朝鮮学校潰しを狙う数々の暴挙は目にあまるものがある。補助金停止だけでなく、長年学校用地として無償使用契約をして来た市有地の明け渡しと、201241日から明け渡し日まで、1か月・1,224,000借地料を朝鮮学園に請求する訴えを大阪地裁に起こしている。

これは、不当不法な朝鮮学校潰しである。

 

△「オモニ会」は、ジューネブ国連人権委員会に出向き、日本政府と地方行政の朝鮮学校に対する教育権への侵害を訴える予定だ。写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

 

△奈良ハッキョを支える会の示威隊 (写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

 

 

△大阪朝高農楽隊の大部隊 (写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

△宝塚ハッキョを支える会の示威隊 (写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

●他の外国学校と区別する事なく、朝鮮高校にも適用しなければならないのが「高校無償化法」の目的である

文部科学省は。2月20日、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則」(以下、略して「高校無償化法施行規則」と呼ぶ。)の内の、「これに該当しない学校」と言う項目を削除した。これは、この法の適用から「朝鮮学校」のみを排除する事を意味する。安倍内閣のこの暴挙は、「高校無償化法」そのものが持つ、目的と趣旨、成立過程を全面否定するものである。

 

朝鮮高校のように、本国における高校と同程度の過程を有すると評価する上で、(国交がなく)大使館を通じ確認する事が出来ず、国際評価機関の認定もうけていない高校であっても、文部科学大臣が個別に指定すれば、「高校無償化法」に基づく支給対象にするとする根拠法令(省令)は、「法の趣旨と目的」が、日本で教育を受ける全ての子供たちの「経済的負担を軽減し、教育の機会均等」を保障する事を約束しているのである。

 

また、この「高校無償化法施行規則」の内の、「これに該当しない学校」と言う項目は、実質的に「朝鮮学校」を指すものであり、「全ての子供たち」の中に含まれる、外国籍の子供たちの民族教育を受ける権利は、朝鮮高校を他の外国学校と区別する事なく保障しなければならないと言う、この法の目的を方向付けているものだ。

 

これは、国際法を無視して来た日本の歴代内閣が、民主党政権ではじめて約束した「国際公約」でもある安倍内閣のこの暴挙は、「高校無償化法」そのものの否定であると同時に、国際公約の蹂躙であり、朝鮮民族と他の民族の取り扱いにおいて、明確且つ意図的に、民族排他的扱いを公然化したものである。許し難い人権蹂躙行為だ。


△朝鮮学校の学生/児童の参加が目立った。
(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

△京都の朝鮮学校の学生たちと市民。(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

 


△奈良ハッキョを支える会の示威隊列 “理不尽な朝鮮学校排除絶対許さん!”(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)


●政府の、高校無償化適用の条件に、朝鮮学校への「一条校」化の主張は、日本政府の国際公約蹂躙行為

下村は、219日の記者会見で、この省令改正(「これに該当しない学校」項目の削除)の「パブリックコメント」の賛否内容を報告するなかで、(朝鮮学校が)「日本の学校教育法に基づいた学校に変えれば無償化の対象とする。」と主張した。

下村は、昨年、「高校無償化法」から朝鮮学校を排除することを表明した時にも触れたが、朝鮮学校がこの法の適用を受けたければ、「一条校」化によって民族教育を放棄し、行政の監督下で日本の学校になれと言っているのである。これは、「高校無償化法」の趣旨と目的を蹂躙したものだ。

「高校無償化法」は、朝鮮学校への適用を含めて、はじめて民族的マイノリティーの教育権を擁護すると言うその目的が達成されるのではないのか?


△日本軍「慰安婦」問題関西ネットワークの参加者(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)


●朝鮮に対する政治的敵対行為を、教育に持ち込むための方便として使った「パブリックコメント」と「国民の理解」

国家は、この法律が成立し、その目的と趣旨を国民に示した以上、その通り法の執行を行なわなければならない。既に制定された法律を国家が、法の執行において、いちいち「パブリックコメント」をして来たなどと言う話は前代未聞だ。ましてや、「国民の理解が得られない」などと、成立した法の執行において、常にその暴力装置を動員して来た国家が、「国民の理解」を求める何かをした試しがあると言うのか?!

これは、阿倍政権と国家が、朝鮮に対する政治的敵対行為を、朝鮮学校と言う子供たちの教育現場」に持ち込むための方便に過ぎない。彼等は、朝鮮学校に通う子供達を、政治的敵対行為の人質として利用しているのだ。


△朝鮮学校父兄たちの隊列  (写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)


△朝鮮学校児童たちの隊列“朝鮮学校への補助金を再開せよ!” 
(写真出処―柴野貞夫時事問題研究会)

●精神を病んだ、薄汚い政治的虫けらの暗躍を焚きつける、安倍政権の「適用除外」と言う民族排外的差別行動

こんな安倍政権の行為は、国家が、日本国民に向かって公然と民族差別を行う事を見せ付けながら、それを常態化させ、民族差別の助長を促している事をしめしている。安倍軍国主義政権の対北敵対政策を、反朝鮮人感情を醸成させながら、朝鮮学校問題を通して国民を煽っているのだ。

こんな、国家による教育の政治的利用行為が、人道的にも人権的にも許されないのは、国家によって煽られ、誤導され右傾化した国民の攻撃目標が、必ず弱い子供に向かうと言う点である。またそれが、ネット右翼や国粋主義者、ファシストたちを勇気付けていると言う点である。

奈良人権文化財団(旧名称 財団法人水平社博物館)前で、「えった、どえった」を連呼した「在特会」川東大了とその一派は、別の日、その同じ舌で、京都朝鮮初級学校の塀をよじ登りながら、幼い児童に「チョンコ、キムチヤロウ」を連呼していた。この精神を病んだ薄汚い政治的虫けらどもの暗躍を焚きつけているのが、この安倍政権の「適用除外」と言う差別行為ではないのか?人種間の葛藤を焚きつける民族排外的差別行動ではないのか?

川東大了は、2012625日奈良地方裁判所で名誉棄損行為として断罪された。牧賢二裁判長は、「原告が被った有形無形の被害は計り知れないものがある。水平社博物館の名誉を傷つけた事は公知の事実」と判決理由をのべ、在特会・川東大了の街宣活動、またそれをネット上に公開した行為を<違法>と断じ、150万の請求を科した。

いま、彼等の京都での人種差別発言を伴った威力業務妨害行為が裁判にかけられている。ヘイトクライムは単なる「悪口行為」ではない。立派な暴力行為だ。しかし、これを取り締まる法の整備は野放しだ。安倍政権の「適用除外」行為は、もっと重大な暴力行為である。

我々は、ヘイトクライムに対する法の未整備のなかで、国家が人種的偏見を国民に煽(あお)る事の危険性を、日本国民に警告するもので

(柴野貞夫時事問題研究会)

<参考サイト

☆民衆闘争報道/「在特会の水平社博物館差別街宣に対する裁判闘争」(2012年6月26日)


主張/「高等学校の授業料無償化」から、朝鮮学校を除外させてはならない

<高校教育無償化>からの、朝鮮学校外しを許さない、京都同胞緊急集会(
(
2010年3月5日)


民衆闘争報道/朝鮮学校への攻撃を許さない 3・28 円山集会 (2010年3月29


☆‘チョウセンジン’には、教育費の支援が勿体ないのか (韓国・ハンギョレ 2010年3月12日付


☆民衆闘争報道/「朝鮮学校への攻撃を許さない!12・22緊急集会」(20091226

 

論考/安倍政権の朝鮮学校無償化の根拠法令削除に抗議する(2013年1月23日)

藤永壮教授関連記事
世界を見る−世界の新聞から/在日朝鮮人の人権を無視した安倍新政権
(韓国・PRESSIAN 2013年1月9日付)


世界をみる−世界の新聞から/朝鮮学校差別は国際社会の笑い草 
(韓国・統一ニュース 2012年12月30日付)


世界を見る−世界の新聞から/ホン・ギルドン、大阪府・大阪市を訴える
(韓国PRESSIAN 2012年12月2日付)