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  雪景梶ケ森ゆきけいかじがもりう之図   

KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;



表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵画作品目録 編者  

















紙本墨画。昭和39年。1幅。縦57cm 横61cm。



梶ケ森(高知県、独立峰1400m)は四国山地の中央にあり、若い頃の弘法大師が修行したと伝えられる登山愛好家憧れの名山です。厳冬に此処を訪れて写生した自然な山岳の水墨画です。山岳の中腹から山頂を仰ぎ観た無彩色の水墨画の景観です。近景の積雪とは違い、実景の質感や量感を風景画の理念を以て描写した水墨画です。 此の景観を油絵具で描写しても同質の作品として描写した事でしょう。 作者は画家であり彫刻家であった故に伝統的な水墨画の規範にない写実的で立体的な質感を表現した作品です。
優れた芸術作品は人生の苦悩を乗り越えた作家が多い様です。苦悩を経る苦行から得た優れた芸術作品が解るには、素直で無垢な感受性、感覚が必要だと思われます。 出合い(原因)が有り、満ち足りた気持を感じて人生が変わる〈有縁〉事が感動です。


山を描いたのではなく、山の気配を描いたのです。景色は手前に粗く、遠景は密に描くのです。 無限は単一なものが持続して流れている。有限はそれに時間と空間の営みをもつ。 無限が有限の背骨となっているように、無意識が意識に気韻、気骨を与えるものである。意識は無意識に還りて充足するものである。 人間は自然界を代表して神と対話する、いや御言葉を戴くのである。吾等は啓示を受けることで歩み行く道を知るのである。


人は天才の芸術に感動する事によって魂を自覚するのです。


素晴らしい人に出会ったら、本当に大切にしたい自分を見る事が出来ます。自分の良さが自分に解って来ます。素晴らしい人や作品に出会うと何時までも若く生きられます。


人生に於いては、勲章を貰って人に褒められるより、本当に人生に就いて語れる友を得るという事が幸福ではないでしょうか。