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  乙女像 おとめぞう

KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;



表紙
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(多面像)


銅造。 昭和50年。 1基。 高68cm。






長年女子教育に携わってきた作者は、乙女に清く美しくあって欲しいという願いと祝福がありました。この像は無垢で豊かな肉体を持っている乙女の理想像でもあります。両手を頭の後ろに組んで未来に向かって理想を夢みる姿勢を捉えています。脚の片方は後ろから蹴り出す様斜めから蹴り出す動作を表現した筋肉の豊満な健康的な日本の乙女肉体を的確に捉えています。斯様な当たり前の自然な姿勢が彫刻として表現出来る持続性と永遠性があるものと作者は考えていました。

作者は彫刻の裸婦像を制作するに於いてモデルを観ながら制作する事は無かった様です。作品は作者の頭脳に映像として在り実像として具現化する手順で制作していました。絵画に於いても同様に実物の風物を確りとデッサン等で把握して画面に実物以上の美的要素を付加して創作していました。





女性の美しさは膝廻りの清らかさから始まると云う。美しき物腰はその深い教養豊かな知性を語る。物がよく観え、心で物の扱いが出来得る時、人の人たる愛と善意の方向の定まりが観えて来るのである。粘土は乙女の顔を化粧するように、髪の毛を梳くように優しく軽く扱うべきです。顔は他よりも柔らかい粘土を選び、像に垂直に祈りと願いの気持ちで押して附けていきます。決して粘土を引いてはいけません。乙女には花のように、哀れなものがあります。この哀れさを自覚した乙女こそ、花の生命を失わずに生きていけるのです。

粘土は乙女の顔を化粧するように、髪の毛を梳くように優しく軽く扱うべきです。 顔は他よりも柔らかい粘土を選び 像に垂直に祈りと願いの気持ちで押して附けていき ます。決して粘土を引いてはいけません。

モデルにいろいろな姿勢を注文づけて、一定の姿勢を取らしたものよりも、モデル自身の姿勢から物した作品の方に好意をよせるのである。また宇宙の単一性を信ずるところから、女、山岳、牛馬など、その胚胎するものは、皆同じ原則の上に築かれる事を学んでいる。