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  婦人之像 ふじんのぞう

KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;



表紙
設立の趣旨 全作品目録 精選作品目録 彫刻作品目録 編者  
















石膏着色。 昭和34年。1個。 高38cm。






歳を重ねた脹(フクヨ)かな女性の頭部である。後ろに纏めた総髪、広い額に深い横皺、慈愛に満ちた両眼、筋の通った鼻、締まった口唇、豊麗な顎、小さな胸線。絵に描いた様な優美な像である。
「婦人之像」と題名を付けた婦人とは作者の母親である。母親には幼少より成人してからも我が儘を云い慕い可愛がって貰った懐かしい記憶が有ったそうです。然し作者が成人し国民の義務である徴兵検査を受ける時の書類に養子の記載を観て作者は当惑した様です。 優しい両親が叔父夫婦であった事実は生涯黙認し以後は両親に孝養を盡くそうと決心したそうで、像は亡くなった両親を偲んで後年制作したものです。






作品は願いと祝福を込めて、人々に捧げたものです、手許から離れたら一人歩きをします。 作品には運命があります、故に永遠に残るものとは考えていません。

現在に残っている名品とは、幸せな人の手から手に伝わった優れたものです。

人間の顔。どのたくさんの顔も神の単一的な設計である。それでいて、顔のもつ感じは千差万別、複雑微妙をきわめている。一人として同じ者はない。またその一人の顔がこれがなんと心の願う動きにつれ無限の変化を見せる。顔は摩訶不思議な生きものである。この魔性の奥に潜む一つの自然の深さが彫刻家にとってとても面白い。従って初心から生涯をかけて人の顔に深い関心を持つものである。


絵画や彫刻でも、目のバランスが大切です。ドラクロアも一つの情熱の中に色彩と形を纏めて表現しています。